説明

作業管理装置及び作業管理方法

【課題】各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析して出力する。
【解決手段】本発明の作業管理装置が、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力を検出するバーコードリーダ(3−1乃至3−n)と、バーコードリーダによる検出結果に基づいて、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報とをワーク情報として取得する工程管理装置1と、各々の設備の稼働状態を検出するセンサ(4−1乃至4−n)と、取得されたワーク情報と上記検出された各々の設備の稼働状態を示す情報とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析して出力する解析装置6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理装置に関し、特に、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析して出力する作業管理装置及び作業管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図23は、従来の作業管理装置を示す図である。図23に示す従来の作業管理装置は、工程管理装置10、稼働管理装置13−1乃至13−4、パトランプ14−1乃至14−4、バーコードリーダ12−1、12−2、障害日報16を備える。図23中の11−1乃至11−4は、ワークに対して作業する設備、15は各稼働管理装置が読み取った情報が記憶されるデータベースである。ワークは、作業対象物である。
【0003】
工程管理装置10は、先頭工程の設備である設備11−1と最終工程の設備である設備11−4とに接続されており、ワークの通過(投入/完了)をワーク情報として記録し、データベース化する装置である。
【0004】
バーコードリーダ12−1、12−2は、それぞれ、先頭工程の設備である設備11−1、最終工程の設備である設備11−4に接続されており、ワークが設備を通過したことを検出し、検出結果を工程管理装置10に登録する装置である。
【0005】
稼働管理装置13−1乃至13−4は、各設備に設置されており、設備が正常か異常かを示す信号を読み取り、設備の正常/異常を判定する装置である。読み取った情報はデータベース15に記録される。
【0006】
パトランプ14−1乃至14−4の各々は、各稼働管理装置に接続されており、各稼働管理装置における、設備の正常/異常の判定結果をリアルタイムに通知する通知装置である。設備の稼働状態によって、点灯パターンや、点灯するランプの色が変更される。パトランプの点灯を見たオペレータは、該パトランプが設けられている設備が異常状態となったことを認識して、障害報告を作成する。
【0007】
障害日報16は、オペレータが作成した設備の障害報告を記録した情報である。
【0008】
図23に示す従来の作業管理装置は、設備の稼働状態を管理するために、パトランプによるリアルタイム監視を行う他、障害の原因を追求したり、設備稼働を向上させるために、各設備の稼働状態のログ情報を記録する。設備の障害内容は様々ではあるが、設備に投入されるワークの種類と密着した関係がある。そのため、従来の作業管理装置では、各設備に稼働管理装置や工程管理装置を接続し、設備の稼働状態や、製品の製造進捗状況に関する情報を取得して管理する。
【0009】
ある設備に障害が発生すると、パトランプが点灯する。オペレータは、パトランプが点灯した設備に移動して障害対応し、その内容を障害日報16に記録する。
【0010】
なお、生産ラインの稼働状況を収集する従来技術として、下記の特許文献1は、各工程に生産品がきたことを検出し、該生産品の識別情報と上記検出結果とに基づいて、作業時間を算出し、該算出された作業時間と標準時間との比較結果に基づいて、警報通知を行うシステムに関して記載している。
【特許文献1】特開平5−123946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図23を参照して前述した従来の作業管理装置では、以下のような問題がある。図24を参照して、従来の作業管理装置の問題について説明する。
【0012】
図24に示すように、例えば設備11−3でエラー停止等の障害が発生すると、パトランプ14−3が点灯し、オペレータが直ちに対応する。しかしパトランプは設備単位に管理されるため、オペレータの対応が遅れると、上記障害が発生した工程の前工程の設備である設備11−2は、ワークを次の工程に流せなくなるため、稼働管理装置13−2が障害が発生したと判断し、該設備11−2に対応するパトランプ14−2が点灯する。設備11−2における工程の前工程の設備である設備11−1でも、同様にワークを次の工程に流せなくなるため、該設備11−1に対応するパトランプ14−1が点灯する。
【0013】
また、上記障害が発生した工程の後工程の設備である設備11−4は、設備11−3からワークが流れてこないため、障害が発生したと判断し、該設備11−4に対応するパトランプ14−4が点灯する。このように、オペレータの対応が遅れると、製造ライン全体に障害が伝播して、複数のパトランプが点灯してしまい、どの設備から障害が発生したのか、パトランプの点灯だけでは判断がつかなくなってしまう。全設備にオペレータを配置し、パトランプだけを常時監視する方法もあるが、現実的ではない。
【0014】
また、稼働管理ができていない設備が製造ライン内に一つでもあると、全体の状況を正しく把握することができず、効果なセンサを付加してシステム化する必要がある。
【0015】
また、従来は、安価なセンサを各々の設備に取り付けて設備の稼働状態を検出し、該設備の稼働状態の検出結果をソフトウェア上で解析するシステムがなかった。
【0016】
本発明は、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析して出力することによって、どの設備において異常が発生したかを特定することができ、かつ、各々の作業対象物がどの時間においてどの設備において製造されているか等を特定することができる作業管理装置の提供を目的とする。
【0017】
また、本発明は、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析して出力することによって、どの設備において異常が発生したかを特定することができ、かつ、各々の作業対象物がどの時間においてどの設備において製造されているか等を特定することができる作業管理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の作業管理装置は、複数の設備において1又は複数の作業対象物が製造される製造ラインにおける作業管理装置であって、各々の設備に設けられ、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段による検出結果に基づいて、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報とをワーク情報として取得するワーク情報取得手段と、各々の設備に設けられ、各々の設備の稼働状態を検出する第2の検出手段と、前記取得されたワーク情報と前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力する解析手段とを備える。
【0019】
好ましくは、本発明の作業管理装置において、前記解析手段が、前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報を取得する稼働状態取得手段と、前記取得された各々の設備の稼働状態を示す情報と前記ワーク情報取得手段によって取得されたワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す作業進捗実績情報を作成する作業進捗実績情報作成手段とを備える。
【0020】
好ましくは、本発明の作業管理装置において、前記解析手段が、更に、前記各々の設備の稼働状態を予め記憶手段に記憶された各々の設備の稼働状態の基準データと比較し、該比較結果に基づいて前記各々の設備の稼働状態を示す情報を整合のとれた情報とする整合処理手段を備える。
【0021】
好ましくは、本発明の作業管理装置において、前記稼働状態取得手段が、前記取得された各々の設備の稼働状態に基づいて、異常状態となった設備をリアルタイムに表示する。
【0022】
好ましくは、本発明の作業管理装置において、前記解析手段が、更に、前記作業進捗実績情報作成手段によって作成された作業進捗実績情報を表示する作業進捗実績情報表示手段を備える。
【0023】
好ましくは、本発明の作業管理装置において、前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の作業対象物の作業進捗の実績とを示すガントチャートを作成して表示する。
【0024】
好ましくは、本発明の作業管理装置において、前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、各作業を示す情報と各作業における設備の稼働状態を示す情報とが対応付けられたガントチャートを作成する。
【0025】
好ましくは、本発明の作業管理装置において、前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備における作業の前後関係を示す情報を作成し、前記ガントチャート中に表示する。
【0026】
また、本発明の作業管理方法は、複数の設備において1又は複数の作業対象物が製造される製造ラインにおける作業管理方法であって、各々の設備に設けられる第1の検出手段が、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力を検出するステップと、前記第1の検出手段による検出結果に基づいて、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報とをワーク情報として取得するステップと、各々の設備に設けられる第2の検出手段が、各々の設備の稼働状態を検出するステップと、前記取得されたワーク情報と前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力するステップとを有する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の作業管理装置及び作業管理方法は、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析して出力する。好ましくは、本発明の作業管理装置は、各々の設備の稼働状態を示す情報とワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す作業進捗実績情報を作成する。従って、本発明によれば、どの設備において異常が発生したかを特定することができ、かつ、各々の作業対象物がどの時間においてどの設備において製造されているか等を特定することができる。その結果、例えば、ボトルネックとなる設備を自動的に割り出して、該ボトルネックとなる設備の監視レベルを上げる等の措置を講ずることが可能となる。
【0028】
また、本発明の作業管理装置は、各々の設備の稼働状態と基準データとの比較結果に基づいて、各々の設備の稼働状態を示す情報を整合のとれた情報とし、該整合のとれた情報とワーク情報とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析する。従って、本発明によれば、精度よく各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析することができる。
【0029】
また、本発明の作業管理装置は、取得した各々の設備の稼働状態に基づいて、異常状態となった設備をリアルタイムに表示する。従って、本発明によれば、ユーザは、異常となった設備をリアルタイムに知ることができる。
【0030】
また、本発明の作業管理装置は、作成された作業進捗実績情報を表示する。好ましくは、本発明の作業管理装置は、上記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の作業対象物の作業進捗の実績とを示すガントチャートを作成して表示する。従って、本発明によれば、ユーザは、例えば、各々の作業対象物がどの時間においてどの設備において製造されているかということと、各々の設備の各々の時間帯における稼働状態とをガントチャートを見ることによって確認することができる。
【0031】
また、本発明の作業管理装置は、各作業を示す情報と各作業における設備の稼働状態を示す情報とが対応付けられたガントチャートを作成する。従って、本発明によれば、ユーザは、例えば、製造という作業を実行している設備が、稼働状態、エラー停止、ブロック状態のいずれかであるかをガントチャートを見ることによって確認することができる。
【0032】
また、本発明の作業管理装置は、各々の設備における作業の前後関係を示す情報をガントチャート中に表示する。従って、本発明によれば、ユーザは、例えば、ある作業対象物についてのある設備における作業の前後の作業をガントチャートを見ることによって確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、本発明の作業管理装置の構成の一例を示す図である。本実施形態の作業管理装置は、複数の設備(設備2−1乃至2−n)において1又は複数の作業対象物が製造される製造ラインにおける作業管理装置である。該作業管理装置は、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力する。
【0034】
本実施形態の作業管理装置は、工程管理装置1、バーコードリーダ3−1乃至3−n、センサ4−1乃至4−n、シーケンサ5、解析装置6を備える。
【0035】
工程管理装置1は、各工程の設備に接続されている各バーコードリーダによる、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力の検出結果を取得し、該検出結果に基づいて、ワーク情報を取得する。ワーク情報は、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報である。具体的には、ワーク情報は、例えば、図2に示すように、ワークID、図番、設備名、開始日時、終了日時といったデータ構成を有する。ワークIDは、作業対象物(ワーク)を一意に特定する識別情報である。図番はワークの図番、設備名は設備の名称、開始日時はワークが該設備に入った時の日時、終了日時はワークが該設備から出た時の日時である。工程管理装置1は、取得したワーク情報を後述する解析装置6に通知する。
【0036】
バーコードリーダ3−1、3−2、3−3、・・・3−nは、それぞれ、設備2−1、2−2、2−3、・・・2−nに接続されており、それぞれ、作業対象物の、設備3−1への入出力、設備3−2への入出力、設備3−3への入出力、・・・、設備3−nへの入出力を検出し、該検出結果を工程管理装置1に通知する。
【0037】
具体的には、各バーコードリーダは、作業対象物が自バーコードリーダが接続された設備に入った時に、該作業対象物に予め取り付けられたバーコードに記録されているワークIDとワークの図番とを読み取る。また、各バーコードリーダは、作業対象物が自バーコードリーダが接続された設備から出た時に、該作業対象物に予め取り付けられたバーコードに記録されている該ワークIDとワークの図番とを読み取る。そして、各バーコードリーダは、読み取られたワークIDと、ワークの図番と、ワークが設備に入った時の日時と、ワークが設備から出た時の日時の情報を、自バーコードリーダが接続されている設備の識別情報(例えば、設備の名称)とともに工程管理装置1に通知する。工程管理装置は、例えば、各バーコードリーダから通知された情報に基づいて、ワーク情報を取得する。
【0038】
センサ4−1、4−2、4−3、・・・4−nは、それぞれ、設備2−1、2−2、2−3、・・・、2−nに設置されており、それぞれ、設備2−1、2−2、2−3、・・・、2−nの設備稼働信号を検出し、検出した設備稼働信号を解析装置6に通知する。設備稼働信号は、設備の稼働状態を示す信号であり、具体的には、設備を稼働させるプログラムによる制御信号である。各センサは、例えば、光電センサ等である。
【0039】
シーケンサ5は、各センサから設備稼働信号をまとめて取得し、取得した全ての設備稼働信号を設備稼働信号データとして解析装置6に通知する装置である。
【0040】
解析装置6は、シーケンサ5から設備稼働信号データを取得するとともに、工程管理装置1からワーク情報を取得し、取得された設備稼働信号データとワーク情報とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力する。
【0041】
図3は、図1に示す解析装置の構成例を示す図である。解析装置6は、リアルタイム情報取得部61、整合処理部62、作業進捗実績情報作成部63、作業進捗実績情報表示部64、設備稼働信号データベース(DB)65、工場バーチャルモデルデータベース(DB)66、設備稼働情報データベース(DB)67、作業進捗実績情報データベース(DB)68を備える。
【0042】
リアルタイム情報取得部61は、シーケンサ5を通じて設備稼働信号データをリアルタイムに取得し、取得した設備稼働信号データを設備稼働信号DB65に記憶する。すなわち、リアルタイム情報取得部61は、各センサによって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報を取得する稼働状態取得手段である。
【0043】
設備稼働信号データには、後述する図5に示すように、信号取得日時、設備の稼働状態(製造、段替、稼働、エラー停止、ブロック、ワークなし、アイドリング)が書き込まれている。図5に示す設備稼働信号データのレコード(1行分のデータ)が、設備稼働信号である。
【0044】
製造は、設備にワークがセットされている状態である。段替は、段取り替えのために設備が一時停止になっている状態である。稼働は、設備がワークに対して製造している状態である。エラー停止は、設備が異常により停止している状態である。ブロックは、後工程の設備にワークを移動できない状態である。ワークなしは、前工程の設備にワークがないため、後工程の設備にワークを移動できない状態である。アイドリングは、設備運転中であるが、無作業の状態(待ち状態)である。設備稼働信号は、後述する図5に示すように、該設備稼働信号に対応する設備の稼働状態がOnのとき(すなわち、該設備が該稼働状態のとき)は、例えば”1”、Offのとき(すなわち、該設備が該稼働状態でないとき)は”0 ”で示される。
【0045】
本実施形態によれば、リアルタイム情報取得部61が、図4に示すように、取得された設備稼働信号データ(各々の設備の稼働状態を示す情報)をリアルタイムに表示することを通じて、異常状態となった設備をリアルタイムに表示するようにしてもよい。
【0046】
図4に示す例では、2006年11月15日の10時31分33秒の時点における各設備(図中では高速機)の稼働状態が表示されている。リアルタイム情報取得部61は、例えば、高速機#1がエラー停止状態であることを示す設備稼働信号がOnのときには、該エラー停止状態を示すアイコンの色を変更等することによって、高速機#1がエラー停止状態であることを表示するようにしてもよい。
【0047】
リアルタイム情報取得部61が、設備稼働信号データをリアルタイムに表示することにより、各設備の稼働状態を1つの画面で確認することができる。本実施形態によれば、リアルタイム情報取得部61が、設備に障害が発生したときに、警告メッセージをオペレータに通知するようにしてもよい。該警告メッセージを見たオペレータは、障害が発生した設備名や障害原因などの情報を確認することができ、対応すべき設備を正確に知ることができる。
【0048】
整合処理部62は、設備稼働信号DB65に記憶された設備稼働信号データに基づいて、後述する図6に示す設備稼働情報を作成する。整合処理部62は、設備稼働情報の作成の際に、設備稼働信号データと、工場バーチャルモデルDB66に予め記憶されている工場バーチャルモデルとを比較し、該比較結果に基づいて、上記設備稼働信号を整合のとれた情報とした上で、設備稼働情報を作成し、該作成した設備稼働情報を設備稼働情報DB67に記憶する。工場バーチャルモデルは、各々の設備の稼働状態のシミュレーション結果であって、各々の設備の稼働状態の基準データである。整合処理部62は、例えば、工場バーチャルモデルとの比較の結果、矛盾する設備稼働信号のデータを修正する。
【0049】
すなわち、整合処理部62は、各々の設備の稼働状態を示す情報を予め工場バーチャルモデルDB66に記憶された各々の設備の稼働状態の基準データと比較し、該比較結果に基づいて各々の設備の稼働状態を示す情報を整合のとれた情報とする整合処理手段である。
【0050】
作業進捗実績情報作成部63は、設備稼働情報DB67に記憶された設備稼働情報と、工程管理装置1から通知されたワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す情報である作業進捗実績情報を作成する。作業進捗実績情報作成部63は、設備稼働信号DB65内の設備稼働信号と、工程管理装置1から通知されたワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す作業進捗実績情報を作成するようにしてもよい。すなわち、作業進捗実績情報作成部63は、リアルタイム情報取得部61によって取得された各々の設備の稼働状態を示す情報と工程管理装置1によって取得されたワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す作業進捗実績情報を作成する作業進捗実績情報作成手段である。作業進捗実績情報作成部63は、作成した作業進捗実績情報を作業進捗実績情報DB68に記憶する。
【0051】
作業進捗実績情報表示部64は、作業進捗実績情報DB68に記憶された作業進捗実績情報を表示する。作業進捗実績情報表示部64は、例えば、オペレータの指定入力に従って、作業進捗実績情報の抽出条件(例えば、期間、図番等)を入力する。そして、作業進捗実績情報表示部64は、該入力された抽出条件に従って、作業進捗実績情報DB68から作業進捗実績情報を抽出し、抽出された作業進捗実績情報を表示する。すなわち、作業進捗実績情報表示部64は、作業進捗実績情報作成部63によって作成された作業進捗実績情報を表示する作業進捗実績情報表示手段である。
【0052】
本実施形態によれば、作業進捗実績情報表示部64が、更に、作業進捗実績情報DB68に記憶された作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の作業対象物の作業進捗の実績とを示すガントチャートを作成して表示するようにしてもよい。ガントチャートは、作業計画及びスケジュールを横型棒グラフで示した工程管理図であり、例えば、縦軸(行)に作業、横軸に期間をとって、各作業の所要期間を該所要期間に比例した長さの横棒で示した図である。
【0053】
また、本実施形態によれば、作業進捗実績情報表示部64が、更に、各作業を示す情報と各作業における設備の稼働状態を示す情報とが対応付けられたガントチャートを作成するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態によれば、作業進捗実績情報表示部64が、更に、作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備における作業の前後関係を示す情報を作成し、上記ガントチャート中に表示するようにしてもよい。
【0055】
また、本実施形態によれば、作業進捗実績情報表示部64が、更に、上記整合処理部62が作成した設備稼働情報を表示するようにしてもよい。
【0056】
なお、本実施形態の作業管理装置及び該作業管理装置が備える各装置の機能は、CPUとその上で実行されるプログラムにより実現される。本実施形態を実現するプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体、例えば半導体メモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD等に格納することができ、これらの記録媒体に記録して提供され、又は、通信インタフェースを介してネットワークを利用した送受信により提供される。
【0057】
図5は、設備稼働信号データの例である。設備稼働信号データは、設備稼働信号が取得された日時毎及び設備毎の、該設備の稼働状態(例えば、製造、段替、稼働、エラー停止、ブロック、ワークなし、アイドリング)を示す情報から構成される。図5では、設備1についての設備稼働信号データの例を示している。設備の稼働状態に記述される「1」は、該設備が該稼働状態にあることを示し、「0」は、設備が該稼働状態にないことを示している。
【0058】
図6は、設備稼働情報の例である。設備稼働情報は、作業ID、設備名、稼働状態、開始日時、終了日時、段替開始日時、段替終了日時といったデータ構成を有する。作業IDは、設備における作業を一意に識別する識別子である。すなわち、設備稼働情報のレコード(一行分のデータ)が、一つの作業を示す。なお、例えば、製造という作業をしている設備の稼働状態として、例えば稼働、ワークなし、エラー停止、アイドリング、ブロックがある。設備名は設備の名称、稼働状態は該設備の稼働状態である。開始日時は、該稼働状態の開始日時である。終了日時は、該稼働状態の終了日時である。なお、稼働状態が製造及び段替であるとき(「稼働状態」の項目に製造/段替が格納されるとき)、開始日時には製造の開始日時が格納され、終了日時には製造の終了日時が格納される。段替開始日時は段替の開始日時、段替終了日時は段替の終了日時である。
【0059】
図7は、本実施形態における作業進捗実績情報作成処理フローの例を示す図である。まず、リアルタイム情報取得部61が、シーケンサ5を介して、リアルタイムに各設備の設備稼働信号データを取得して、設備稼働信号データDB65に記憶する(ステップS1)。
【0060】
次に、整合処理部62が、設備稼働信号データDB65から一定間隔で自動的に設備稼働信号データを取得して、設備稼働情報を作成し、設備稼働情報DB67に記憶する(ステップS2)。そして、作業進捗実績情報作成部63が、設備稼働情報DB67から一定間隔で自動的に設備稼働情報を取得するとともに、工程管理装置1からワーク情報を取得し、該設備稼働情報とワーク情報とに基づいて、作業進捗実績情報を作成して、作業進捗実績情報DB68に記憶する(ステップS3)。
【0061】
上記ステップS2における設備稼働情報の作成について説明する。整合処理部62は、例えば図8に示す設備稼働信号データにおいて、各稼働状態のフィールド(列)の信号状態が「1」になってから、「0」になるまでを探索し、該信号状態が「1」になったときの日時を、図9に示す設備稼働情報の該稼働状態に対応する「開始日時」の項目に格納する。また、該信号状態が「0」になったときの日時を、図9に示す設備稼働情報の該稼働状態に対応する「終了日時」の項目に格納する。段替という稼働状態については、整合処理部62は、設備稼働信号データにおいて、段替を示す設備稼働信号の信号状態が「1」になったときの日時を、設備稼働情報の「段替開始日時」の項目に格納し、上記信号状態が「0」になったときの日時を、該設備稼働情報の「段替終了日時」の項目に格納する。
【0062】
なお、整合処理部62は、例えば、設備稼働情報の「開始日時」、「終了日時」、「段替開始日時」、「段替終了日時」に日時情報を格納する際に、設備稼働信号データを探索して取得される日時情報のコンマ以下の秒を切り捨てる。例えば、設備稼働信号データを探索してされる日時情報が、2007/05/07 09:00:05.500である場合、整合処理部62は、該日時情報を2007/05/07 09:00:05として、設備稼働情報に格納する日時情報とする。
【0063】
整合処理部62が、上述した設備稼働情報の作成処理を行うことによって、例えば、図8に示す設備稼働信号データから図9に示す設備稼働情報が作成される。作業進捗実績情報表示部64は、例えば、図9に示す設備稼働情報を図10に示すようなガントチャート形式で表示する。
【0064】
次に、図7のステップS3における、作業進捗実績情報の作成処理について説明する。
【0065】
図11及び図12は、作業進捗実績情報の作成処理フローの詳細な例を示す図である。
【0066】
まず、作業進捗実績情報作成部63が、工程管理装置1からワーク情報を取得するとともに、設備稼働情報DB67から設備稼働情報を取得する(ステップS31)。次に、ステップS31において取得された設備稼働情報から作業を取得する(ステップS32)。作業進捗実績情報作成部63は、例えば、図13に示す設備稼働情報を参照して、作業IDが「00000008」であるレコード(一行分のデータ)を作業として取得する。
【0067】
次に、作業進捗実績情報作成部63が、設備名、日時が、それぞれ、上記ステップS32において取得された作業の設備名、日時と一致するワーク情報を探索する(ステップS33)。ステップS33における日時の一致条件は、例えば、作業の開始日時≧ワーク情報の開始日時であり、かつ、作業の終了日時≦ワーク情報の終了日時とする。
【0068】
作業進捗実績情報作成部63が、設備名、日時(開始日時、終了日時)が作業の設備名、日時(開始日時、終了日時)と一致するワーク情報があるかを判断する(ステップS34)。作業進捗実績情報作成部63が、設備名、日時が、作業の設備名、日時と一致するワーク情報があると判断した場合、作業進捗実績情報作成部63は、該作業に対応する設備稼働情報と該ワーク情報とが反映されたテンポラリーデータを作成する(ステップS35)。ステップS35において、作業進捗実績情報作成部63は、例えば、図14に示すワーク情報のうち、設備名、日時が、それぞれ、図13に示す作業IDが「00000008」である設備稼働情報の設備名(設備2)、日時と一致する、ワークIDが「A−00001」であるワーク情報を特定する。そして、作業進捗実績情報作成部63は、該特定されたワーク情報のワークIDと図番とを、上記作業IDが「00000008」である設備稼働情報に追加するとともに、格納データが空である「前工程の作業ID」に対応するフィールドと格納データが空である「後工程の作業ID」に対応するフィールドとを該設備稼働情報に追加して、図15に示すようなテンポラリデータを作成する。
【0069】
作業進捗実績情報作成部63が、設備名、日時が、作業の設備名、日時と一致するワーク情報がないと判断した場合、作業進捗実績情報作成部63は、上記作業に対応する設備稼働情報だけが反映されたテンポラリデータを作成し(ステップS36)、図12のステップS42に進む。
【0070】
ステップS35に続いて、作業進捗実績情報作成部63が、上記作業の稼働状態が「製造/段替」であるかを判断する(ステップS37)。作業進捗実績情報作成部63が、上記作業の稼働状態が「製造/段替」であると判断した場合は、図12のステップS38に進む。作業進捗実績情報作成部63が、上記作業の稼働状態が「製造/段替」でないと判断した場合は、図12のステップS42に進み、テンポラリデータを作業進捗実績情報に追加して(ステップS42)、図12のステップ43に進む。
【0071】
図12のステップS38において、作業進捗実績情報作成部63が、既に作成した作業進捗実績情報から、ワークID、設備名が、それぞれ、現作業(例えば、作業IDが「00000008」である作業)のワークID(A−0001)、現作業の前工程の作業を行う設備の設備名と一致する作業を探索する(ステップS38)。作業進捗実績情報作成部63は、例えば、予め図示を省略する記憶手段に記憶された、図16に示すような設備順序表を参照して、設備2によって行われる現作業の前工程の作業を行う設備が設備1であることを認識する。そして、例えば、図17に示すような作業進捗実績情報から、ワークIDがA−0001で設備名が設備1である、第1行目の作業(作業IDが「00000001」である作業)を特定する。図16に示す設備順序表は、設備の名称と該設備による作業の順番との対応情報を示す。
【0072】
作業進捗実績情報作成部63が、ワークID、設備名が、それぞれ、現作業のワークID、現作業の前工程の作業を行う設備の設備名と一致する作業(前作業)があるかを判断する(ステップS39)。作業進捗実績情報作成部63が、ワークID、設備名が、それぞれ、現作業のワークID、現作業の前工程の作業を行う設備の設備名と一致する作業がないと判断した場合は、ステップS42に進む。
【0073】
作業進捗実績情報作成部63が、ワークID、設備名が、それぞれ、現作業のワークID、現作業の前工程の作業を行う設備の設備名と一致する作業があると判断した場合、作業進捗実績情報作成部63は、現作業のテンポラリデータの「前工程の作業ID」に上記ステップS38において探索された前作業の作業IDを格納し、該テンポラリデータを作業進捗実績情報に追加する(ステップS40)。例えば、図15に示すテンポラリデータの「前工程の作業ID」に「00000001」を格納して、図18に示すように、該テンポラリデータを作業進捗実績情報の最後の行に追加する。
【0074】
また、作業進捗実績情報作成部63は、上記ステップS38において探索された前作業の作業進捗実績情報における「後工程の作業ID」に、現作業の作業IDを格納する(ステップS41)。例えば、図18に示す作業進捗実績情報に示すように、作業IDが「00000001」であるレコードの「後工程の作業ID」に、現作業の作業IDである「00000008」を格納する。
【0075】
作業進捗実績情報作成部63が、全ての設備稼働情報に対して処理が終了したかを判断する(ステップS43)。作業進捗実績情報作成部63が、処理が終了してない設備稼働情報があると判断した場合は、図11のステップS32に戻る。作業進捗実績情報作成部63が、全ての設備稼働情報に対して処理が終了したと判断した場合、作業進捗実績情報作成部63は、作成した作業進捗実績情報を作業進捗実績情報DB68に記憶して(ステップS44)、処理を終了する。なお、上記ステップS44において、作業進捗実績情報作成部63は、更に、作業進捗実績情報の作成に使用したワーク情報と設備稼働情報を削除する。
【0076】
図19は、作業進捗実績情報表示部による作業進捗実績情報の表示処理フローの一例を示す図である。作業進捗実績情報表示部64が、オペレータの指定入力に従って、作業進捗実績情報の抽出条件を入力する(ステップS51)。次に、作業進捗実績情報表示部64が、入力された抽出条件に従って、作業進捗実績情報DB68から作業進捗実績情報を抽出する(ステップS52)。そして、作業進捗実績情報表示部64が、抽出された作業進捗実績情報を表示する(ステップS53)。
【0077】
図20、図21は、作業進捗実績情報表示部による作業進捗実績情報の表示例を示す図である。図20では、図18に示す作業進捗実績情報のガントチャート形式での表示例を示す。図20中に示す横棒(作業帯)は、各作業を示し、作業帯中に表示される文字のうち、上段の文字は作業ID、下段の文字はワークIDを示す。作業帯の開始点は作業の開始日時を示し、作業帯の終了点は作業の終了日時を示す。本実施形態によれば、作業進捗実績情報表示部64は、図18に示す作業進捗実績情報に基づいて、作業ID「00000008」に対応する作業の前作業が作業ID「00000001」に対応する作業であることを示す情報(矢印)を作成し、図20中に示すように、該矢印をガントチャート中に表示するようにしてもよい。
【0078】
図21は、作業進捗実績情報のガントチャート形式での他の表示例を示す。図21に示すガントチャートにおいて、製造という作業を示す作業帯に表示される文字のうち、上段の文字はワークID、下段の文字は図番を示す。
【0079】
図21に示す例では、作業進捗実績情報表示部64は、各作業(製造、段替)を示す情報と各作業における設備の稼働状態を示す情報とが対応付けられたガントチャートを作成する。各作業における設備の稼働状態を示す情報は、正常稼働、エラー停止、ブロック、ワークなし、アイドリングなどを示す情報である。
【0080】
図21に示すガントチャート中では、製造という作業を示す作業帯の上側に、正常稼働、エラー停止、ブロック、ワークなしといった、該作業をしている設備の稼働状態を示す情報が横棒で表示される。図21に示すガントチャートによれば、作業の開始日時、作業の終了日時だけでなく、作業中の設備の稼働状態を確認することができる。
【0081】
例えば、製造を示す作業帯をワークID毎に色分けしたり、異なる網かけを施して表示するようにしてもよい。また、段替、稼働、エラー停止、ブロック、ワークなし、アイドリングを、各々、予め設定した色又は網かけで表示するようにしてもよい。
【0082】
本実施形態によれば、作業進捗実績情報表示部64が、オペレータの指定入力に従って、ガントチャート中に表示された作業帯を選択し、作業進捗実績情報を参照して、該選択された作業帯に対応する作業の前後の作業を特定する。そして、作業進捗実績情報表示部64が、図21中に示すように、該選択された作業帯に対応する作業と、該作業の前後の作業との間の、作業の前後関係を示す接続線100を作成して該ガントチャート中に表示するようにしてもよい。作業進捗実績情報表示部64が、作業の前後関係を示す接続線100をガントチャート中に表示することにより、ワークの作業進捗を容易に確認することができる。
【0083】
本実施形態によれば、ガントチャート上でオペレータが作業帯を選択すると、作業進捗実績情報表示部64が、作業進捗実績情報DB68に記憶された作業進捗実績情報から、該指定された作業に対応する作業を特定し、該特定された作業が選択されたことを表示するようにしてもよい。例えば、図22(A)に示すガントチャート上で、オペレータが、例えば、ワークIDが「A00005」、図番が「P00001」、稼働状態が製造/段替である作業帯を選択すると、作業進捗実績情報表示部64は、該作業帯に対応する作業を図22(B)に示す作業進捗実績情報から特定し、該特定した作業を図22(B)に示すように、網かけを施して表示するようにしてもよい。
【0084】
また、本実施形態によれば、作業進捗実績情報表示部64が、作業進捗実績情報DB68に記憶された作業進捗実績情報を画面表示し、オペレータが、図22(B)の網かけを施した部分に示すように、画面表示された作業進捗実績情報からワークIDが「A00005」、図番が「P00001」、稼働状態が製造/段替である作業を指定する。そして、作業進捗実績情報表示部64が、図22(A)中に示すように、ガントチャート上で、該指定された作業の外枠を太線で表示することで、該作業が指定されたことを示すようにしてもよい。
【0085】
上述した作業進捗実績情報表示部64による作業進捗実績情報の表示処理によれば、各設備の稼働状態や、ワークの作業進捗状況を可視化することができる。従って、設備の正常/異常や、工程のボトルネックといった問題を確認することができる。さらに、それらの問題が設備固有なのか、ワーク固有(図番)に起因するのかといった検討に役立つ。
【0086】
以上から把握できるように、本発明の実施形態の特徴を述べると以下の通りである。
【0087】
(付記1)複数の設備において1又は複数の作業対象物が製造される製造ラインにおける作業管理装置であって、
各々の設備に設けられ、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出結果に基づいて、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報とをワーク情報として取得するワーク情報取得手段と、
各々の設備に設けられ、各々の設備の稼働状態を検出する第2の検出手段と、
前記取得されたワーク情報と前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力する解析手段とを備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【0088】
(付記2)付記1に記載の作業管理装置において、
前記解析手段が、
前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報を取得する稼働状態取得手段と、
前記取得された各々の設備の稼働状態を示す情報と前記ワーク情報取得手段によって取得されたワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す作業進捗実績情報を作成する作業進捗実績情報作成手段とを備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【0089】
(付記3)付記2に記載の作業管理装置において、
前記解析手段が、更に、前記各々の設備の稼働状態を予め記憶手段に記憶された各々の設備の稼働状態の基準データと比較し、該比較結果に基づいて前記各々の設備の稼働状態を示す情報を整合のとれた情報とする整合処理手段を備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【0090】
(付記4)付記1に記載の作業管理装置において、
前記稼働状態取得手段が、前記取得された各々の設備の稼働状態に基づいて、異常状態となった設備をリアルタイムに表示する
ことを特徴とする作業管理装置。
【0091】
(付記5)付記1に記載の作業管理装置において、
前記解析手段が、更に、前記作業進捗実績情報作成手段によって作成された作業進捗実績情報を表示する作業進捗実績情報表示手段を備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【0092】
(付記6)付記5に記載の作業管理装置において、
前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の作業対象物の作業進捗の実績とを示すガントチャートを作成して表示する
ことを特徴とする作業管理装置。
【0093】
(付記7)付記6に記載の作業管理装置において、
前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、各作業を示す情報と各作業における設備の稼働状態を示す情報とが対応付けられたガントチャートを作成する
ことを特徴とする作業管理装置。
【0094】
(付記8)付記6に記載の作業管理装置において、
前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備における作業の前後関係を示す情報を作成し、前記ガントチャート中に表示する
ことを特徴とする作業管理装置。
【0095】
(付記9)複数の設備において1又は複数の作業対象物が製造される製造ラインにおける作業管理方法であって、
各々の設備に設けられる第1の検出手段が、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力を検出するステップと、
前記第1の検出手段による検出結果に基づいて、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報とをワーク情報として取得するステップと、
各々の設備に設けられる第2の検出手段が、各々の設備の稼働状態を検出するステップと、
前記取得されたワーク情報と前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力するステップとを有する
ことを特徴とする作業管理方法。
【0096】
(付記10)付記9に記載の作業管理方法において、
前記各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析するステップが、
前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報を取得する稼働状態取得ステップと、
前記取得された各々の設備の稼働状態を示す情報と前記取得されたワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す作業進捗実績情報を作成する作業進捗実績情報作成ステップとを有する
ことを特徴とする作業管理方法。
【0097】
(付記11)付記10に記載の作業管理方法において、
前記各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析するステップが、更に、前記各々の設備の稼働状態を予め記憶手段に記憶された各々の設備の稼働状態の基準データと比較し、該比較結果に基づいて前記各々の設備の稼働状態を示す情報を整合のとれた情報とする整合処理ステップを有する
ことを特徴とする作業管理方法。
【0098】
(付記12)付記9に記載の作業管理方法において、
前記稼働状態取得ステップが、前記取得された各々の設備の稼働状態に基づいて、異常状態となった設備をリアルタイムに表示する
ことを特徴とする作業管理方法。
【0099】
(付記13)付記9に記載の作業管理方法において、
前記各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析するステップが、更に、前記作成された作業進捗実績情報を表示する作業進捗実績情報表示ステップを有する
ことを特徴とする作業管理方法。
【0100】
(付記14)付記13に記載の作業管理方法において、
前記作業進捗実績情報表示ステップが、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の作業対象物の作業進捗の実績とを示すガントチャートを作成して表示する
ことを特徴とする作業管理方法。
【0101】
(付記15)付記14に記載の作業管理方法において、
前記作業進捗実績情報表示方法が、更に、各作業を示す情報と各作業における設備の稼働状態を示す情報とが対応付けられたガントチャートを作成する
ことを特徴とする作業管理方法。
【0102】
(付記16)付記14に記載の作業管理方法において、
前記作業進捗実績情報表示ステップが、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備における作業の前後関係を示す情報を作成し、前記ガントチャート中に表示する
ことを特徴とする作業管理方法。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上、説明したように、本発明によれば、どの設備において異常が発生したかを特定することができ、かつ、各々の作業対象物がどの時間においてどの設備において製造されているか等を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の作業管理装置の構成の一例を示す図である。
【図2】ワーク情報の例である。
【図3】解析装置の構成例を示す図である。
【図4】設備稼働信号データの表示例である。
【図5】設備稼働信号データの例である。
【図6】設備稼働情報の例である。
【図7】本実施形態における作業進捗実績情報作成処理フローの例を示す図である。
【図8】設備稼働信号データの例である。
【図9】設備稼働情報の例である。
【図10】ガントチャートの例である。
【図11】作業進捗実績情報の作成処理フローの詳細な例を示す図である。
【図12】作業進捗実績情報の作成処理フローの詳細な例を示す図である。
【図13】設備稼働情報の例である。
【図14】ワーク情報の例である。
【図15】テンポラリデータの例である。
【図16】設備順序表の例である。
【図17】作業進捗実績情報の例である。
【図18】作業進捗実績情報の例である。
【図19】作業進捗実績情報の表示処理フローの一例を示す図である。
【図20】作業進捗実績情報の表示例を示す図である。
【図21】作業進捗実績情報の表示例を示す図である。
【図22】作業進捗実績情報の表示例を示す図である。
【図23】従来の作業管理装置を示す図である。
【図24】従来の作業管理装置の問題を説明する図である。
【符号の説明】
【0105】
1、10 工程管理装置
2−1、2−2、2−3、2−n、11−1、11−2、11−3、11−4 設備
3−1、3−2、3−3、3−n、12−1、12−2 バーコードリーダ
4−1、4−2、4−3、4−n センサ
5 シーケンサ
6 解析装置
13−1、13−2、13−3、13−4 稼働管理装置
14−1、14−2、14−3、14−4 パトランプ
15 データベース
16 障害日報
61 リアルタイム情報取得部
62 整合処理部
63 作業進捗実績情報作成部
64 作業進捗実績情報表示部
65 設備稼働信号DB
66 工場バーチャルモデルDB
67 設備稼働情報DB
68 作業進捗実績情報DB
100 接続線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設備において1又は複数の作業対象物が製造される製造ラインにおける作業管理装置であって、
各々の設備に設けられ、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段による検出結果に基づいて、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報とをワーク情報として取得するワーク情報取得手段と、
各々の設備に設けられ、各々の設備の稼働状態を検出する第2の検出手段と、
前記取得されたワーク情報と前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力する解析手段とを備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業管理装置において、
前記解析手段が、
前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態を示す情報を取得する稼働状態取得手段と、
前記取得された各々の設備の稼働状態を示す情報と前記ワーク情報取得手段によって取得されたワーク情報とに基づいて、各々の設備における作業対象物の作業進捗の実績を示す作業進捗実績情報を作成する作業進捗実績情報作成手段とを備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作業管理装置において、
前記解析手段が、更に、前記各々の設備の稼働状態を予め記憶手段に記憶された各々の設備の稼働状態の基準データと比較し、該比較結果に基づいて前記各々の設備の稼働状態を示す情報を整合のとれた情報とする整合処理手段を備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の作業管理装置において、
前記稼働状態取得手段が、前記取得された各々の設備の稼働状態に基づいて、異常状態となった設備をリアルタイムに表示する
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の作業管理装置において、
前記解析手段が、更に、前記作業進捗実績情報作成手段によって作成された作業進捗実績情報を表示する作業進捗実績情報表示手段を備える
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の作業管理装置において、
前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の作業対象物の作業進捗の実績とを示すガントチャートを作成して表示する
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の作業管理装置において、
前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、各作業を示す情報と各作業における設備の稼働状態を示す情報とが対応付けられたガントチャートを作成する
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項8】
請求項6に記載の作業管理装置において、
前記作業進捗実績情報表示手段が、更に、前記作業進捗実績情報に基づいて、各々の設備における作業の前後関係を示す情報を作成し、前記ガントチャート中に表示する
ことを特徴とする作業管理装置。
【請求項9】
複数の設備において1又は複数の作業対象物が製造される製造ラインにおける作業管理方法であって、
各々の設備に設けられる第1の検出手段が、各々の設備における作業対象物の該各々の設備への入出力を検出するステップと、
前記第1の検出手段による検出結果に基づいて、作業対象物毎及び設備毎の該作業対象物が各々の設備に入った日時の情報と各々の設備から出た日時の情報とをワーク情報として取得するステップと、
各々の設備に設けられる第2の検出手段が、各々の設備の稼働状態を検出するステップと、
前記取得されたワーク情報と前記第2の検出手段によって検出された各々の設備の稼働状態とに基づいて、各々の設備の稼働状態と各々の設備における作業対象物の作業進捗状況とを解析し、該解析結果を出力するステップとを有する
ことを特徴とする作業管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−25851(P2009−25851A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185147(P2007−185147)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】