説明

作物栽培用ハウスの暖房装置

【課題】誘導加熱により放熱パイプ内に循環供給される水を加熱できて、ハウス内の暖房効率を十分に高めることができると共に、電力の使用量を低減させて省エネや維持コストの面でも優れた作物栽培用ハウスの暖房装置を提供する。
【解決手段】地中に埋設された放熱パイプに温水を循環することにより作物栽培用ハウス内を暖房する暖房装置であって、筺体内に配置された誘導加熱手段により水を加熱させて温水とし、該温水をハウス内に埋設された放熱パイプに循環供給することを特徴とする。前記誘導加熱手段が、磁性体からなる加熱管の周囲に配置された加熱コイルと、該加熱コイルに高周波電流を供給するトランジスタインバータと、該トランジスタインバータを制御する制御装置等を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜や果実等の作物を栽培するハウスの地中に埋設された放熱パイプに温水を循環させることにより、ハウス内を暖房する作物栽培用ハウスの暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の暖房装置としては、例えば特許文献1に開示されている。この暖房装置(加熱装置)は、例えば地中に埋設される通気性を有するパイプ(放熱パイプ)と、この放熱パイプ内に挿入された線状発熱体と、この線状発熱体に通電する通電装置等を備え、通電装置から線状発熱体に通電することで線状発熱体を介して放熱パイプ内に循環される水を加熱して温水とし、この温水の熱によってハウス内の土の温度を所定温度に維持するようにしたものである。
【特許文献1】特開2005−261387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような暖房装置にあっては、放熱パイプに挿入された線状発熱体に通電することで放熱パイプ内を循環する水を加熱して温水とするため、水(温水)が循環する放熱パイプ内に挿入される線状発熱体の径等の大きさに自ずと限度があり、線状発熱体に対する水の接触面積を大きくすることが難しく、水の加熱効率を十分に高めることが困難であると共に、電力の使用量を抑えることが難しく省エネや維持コストの面でも好ましくない。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、誘導加熱により放熱パイプ内に循環供給される水を加熱できて、ハウス内の暖房効率を十分に高めることができると共に、電力の使用量を低減させて省エネや維持コストの面でも優れた作物栽培用ハウスの暖房装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、地中に埋設された放熱パイプに温水を循環することにより作物栽培用ハウス内を暖房する暖房装置であって、筺体内に配置された誘導加熱手段により水を加熱させて温水とし、該温水をハウス内に埋設された放熱パイプに循環供給することを特徴とする作物栽培用ハウスの暖房装置。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記誘導加熱手段が、磁性体からなる加熱管の周囲に配置された加熱コイルと、該加熱コイルに高周波電流を供給するトランジスタインバータと、該トランジスタインバータを制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。さらに、請求項3に記載の発明は、前記加熱コイルが、円筒状の加熱管の周囲に巻回状態で配置されるか、あるいは螺旋状に巻回された加熱管の周囲に巻回状態で配置されていることを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、前記制御装置が、ハウス内の所定位置に配置した温度センサの検知温度に基づいて、前記トランジスタインバータの作動を制御することを特徴とする。さらにまた、請求項5に記載の発明は、前記放熱パイプの所定位置に、前記制御手段により制御される補助加熱手段が配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、ハウス内の地中に埋設された放熱パイプ内に循環供給される水が、筺体内に配置された誘導加熱手段により加熱されて温水となるため、加熱効率に優れた誘導加熱を利用して放熱パイプ内に循環供給される水を加熱でき、作物栽培用ハウス内の暖房効率を十分に高めることができると共に、電力の使用量を低減させて省エネや維持コストの面でも優れた暖房装置を得ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、誘導加熱手段が、磁性体からなる加熱管の周囲に配置された加熱コイルと、この加熱コイルに高周波電流を供給するトランジスタインバータと、このトランジスタインバータを制御する制御装置とを備えるため、制御装置でトランジスタインバータをきめ細かに制御することにより、消費電力を抑えることができて一層の省エネ化が図れると共に維持コストの一層の低減化を図ることができる。
【0009】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、加熱コイルが、円筒状の加熱管の周囲に巻回状態で配置されるかあるいは螺旋状に巻回された加熱管の周囲に巻回状態で配置されるため、加熱管を加熱コイルで効率的に加熱して所定温度の温水とすることができ、暖房装置の省エネ化等をより一層向上させることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の発明の効果に加え、制御装置が、ハウス内の所定位置に配置した温度センサの検知温度に基づいてトランジスタインバータの作動を制御するため、ハウス内の各部の温度でトランジスタインバターを制御できて、ハウス内の温度バラツキ等を抑えて安定した温度に維持することができる。
【0011】
さらにまた、請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4に記載の発明の効果に加え、放熱パイプの所定位置に制御手段で制御される補助加熱手段が配置されているため、補助加熱手段でハウス内の所定位置の放熱パイプを加熱できて、面積の大きなハウスであっても、ハウス内の暖房効果の低下を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係わる暖房装置の一実施形態を示し、図1がその概略構成図、図2がハウスへの設置状態の説明図、図3が暖房装置の変形例を示す図、図4が設置状態の変形例を示す図である。
【0013】
図1において、暖房装置1は、筺体2内に配置された誘導加熱手段3を有し、この誘導加熱手段3は、加熱コイル5を有する加熱管4とトランジスタインバータ6及び制御装置7等で構成されている。前記加熱管4は、鉄、銅、ステンレス等の磁性金属材により円筒形状に形成され、その上下の開口部には上部ヘッダ8と下部ヘッダ9が一体的に配置されている。なお、例えば上部ヘッダ8の上面には蓋体8aが着脱可能に配置され、この蓋体8aを取外すことにより、加熱管4内部の清掃や点検等が可能に構成されている。
【0014】
また、加熱管4の外周には、前記加熱コイル5が配置されている。この加熱コイル5は、外周面が絶縁処理等により絶縁材39で被覆された銅パイプ39(図3参照)を所定回数巻回することにより形成されて、銅パイプの両端部が後述するトランジスタインバータ6に接続されるようになっている。なお、加熱コイル5は、その内面側にセラミック等の非磁性体等の絶縁材により所定の間隙を有して加熱管4の外周面外側に配置されており、加熱管4の加熱時の熱が加熱コイル5に直接伝熱されないようになっている。
【0015】
そして、この加熱管4の上部ヘッダ8には、給水配管10と循環復路配管11が接続され、下部ヘッダ9には、循環往路配管12と排水配管13が接続されている。前記給水配管10は、上部ヘッダ8の給水口と筺体2の給水口2aとの間に接続され、その配管10の途中には給水電磁弁14と水量計15が接続され、筺体2の給水口2aが水道配管、タンク等の給水源16に接続されている。また、前記循環復路配管11は、上部ヘッダ8の戻り口と筺体2の戻り口2bとの間に接続され、その途中には復路電磁弁17が接続されている。
【0016】
また、前記循環往路配管12は、下部ヘッダ9の供給口と筺体2の循環口2cとの間に接続され、その途中には往路電磁弁18と循環ポンプ19が接続されている。なお、この循環ポンプ19は循環往路配管12に配置する構成に限らず、循環復路配管11に配置したり、両配管11、12に配置することも可能である。さらに、前記加熱管4に接続される排水配管13は、下部ヘッダ9の底壁に設けた排水口と筺体2の排水口2dとの間に接続され、その途中には排水電磁弁20が接続されている。また、加熱管4の上部ヘッダ8には、加熱管4内部の水の水位を検知する水位センサ21が配置され、また、下部ヘッダ9には、加熱管4内の水の温度を検知する水温センサ22が配置されている。
【0017】
前記トランジスタインバータ6は、例えばAC100VやAC200Vの商用電源23に接続され、IGBT等の半導体スイッチング素子をフルブリッジに接続したインバータ回路を有して、所定周波数の高周波電流を前記加熱コイル5に供給するようになっている。また、このトランジスタインバータ5には、冷却水電磁弁25を有する冷却水配管26を介して前記給水源16に接続された冷却水供給部24が一体的に配設され、この冷却水供給部24から、加熱コイル5の銅パイプ内に冷却水が循環供給されて、加熱コイル5の通電時の発熱が抑えられるようになっている。なお、冷却水供給部24は、トランジスタインバータ6に一体的に配置される構成に限らず、別体で筺体2内に配置することも可能である。
【0018】
前記制御装置7は、マイコンやシーケンサ等の制御部を有し、その出力側には前記各種電磁弁14、17、18、20、25が接続されると共に、その入力側には前記センサ21、22が接続されている。また、制御装置7の入力側には、筺体2に配置された端子板27が接続され、この端子板27には、後述するハウスH(図2参照)内に配置される複数の温度センサ28が接続されている。また、制御装置7には、暖房装置1の運転状態を設定する操作スイッチ等の入力部や、ハウスH内の温度等を表示する液晶表示器等を有して筺体2に配置された操作盤29が接続されている。
【0019】
このように構成された暖房装置1は、図2に示すようにして設置される。すなわち、暖房装置1の筺体2の給水口2aに適宜の配管で給水源16を接続すると共に、筺体2の循環口2cに放熱パイプ30の一方の端部を接続し、筺体2の戻り口2bに放熱パイプ30の他方の端部を接続する。この時、放熱パイプ30としては例えば1本の直列状に接続された樹脂製パイプが使用され、両端部を除きハウスH内の地中Eに所定深さ埋設状態で配置される。また、ハウスH内の地中Eの所定位置もしくは地上の所定位置等には前記温度センサ28が配置され、この温度センサ28は、前記端子板27に図示しない電線により接続されている。
【0020】
次に、このような設置状態における暖房装置1の動作の一例について説明する。先ず、暖房装置1に電源を投入し、操作盤29の入力部によりハウスH内の設定温度等を入力設定すると、制御装置7の制御信号で給水電磁弁14が開となって加熱管4内に水が供給され、この水が水位センサ21で検知されて加熱管4内が所定水量になると、制御装置7の制御信号によりトランジスタインバータ6が作動して、加熱コイル5に高周波電流が供給される。加熱コイル5に高周波電流が供給されると、加熱管4に渦電流が誘起されて誘導加熱され該加熱管4が瞬時に赤熱状態となり、この加熱により加熱管4内部の水が加熱されて所定温度の温水となる。
【0021】
加熱管4内の水が所定温度の温水となりこれを水温センサ22が検知すると、制御装置7の制御信号で往路電磁弁18と復路電磁弁17が共に開となり、加熱管4内の温水が循環往路配管12を介してハウスH内の放熱パイプ30内に供給される。なお、この放熱パイプ30への温水の供給時に、加熱管4内には給水配管10を介して水が連続的に供給されており、この水が加熱管4内で加熱されつつ循環往路配管12を介して放熱パイプ30に供給され続けることになる。
【0022】
そして、放熱パイプ30内に所定量の温水が供給されたら、すなわち、給水配管10に接続した水量計15が放熱パイプ30の全容量に対応した値になったら、給水電磁弁14を閉にして加熱管4内への給水を停止させる。これにより、加熱管4で加熱された温水の、該加熱管を介して放熱パイプ30内への流通(循環)が可能となり、この放熱パイプ30内を循環する温水により、ハウスH内の地中Eが加熱(すなわちハウスH内が暖房)され、このハウスH内で野菜や果実等の作物が栽培されることになる。
【0023】
そして、この温水の循環によってハウスH内の温度が予め設定した設定温度に維持され、このとき、検知されるハウスH内の温度に基づき、制御装置7の制御信号により例えばトランジスタインバータ6がオン・オフして、放熱パイプ30内の温水が所定温度に維持されるようになっている。
【0024】
つまり、ハウスH内の温度が設定温度より低くなった場合は、トランジスタインバータ6をオンさせて加熱管4内の温水を加熱し、ハウスH内の温度が設定温度より高くなった場合は、トランジスタインバータ6をオフさせて加熱管4内の温水の加熱を中止する。なお、制御装置7によりトランジスタインバータ5のオン・オフは、ハウスH内に配置された複数の温度センサ28の検知温度に基づき全ての検知位置での温度が略均一になるように制御されるが、その際、予めハウスHの面積等に応じて求めたセンサ位置と温度等の換算表に基づいて行われることが好ましい。
【0025】
このような温度制御の元でハウスH内で作物が栽培されて、これらが収穫されて次の作物を栽培する間で暖房装置1を清掃したり点検する場合は、次のようにして行う、すなわち、トランジスタインバータ6を停止させた状態で、制御装置7の制御信号により、復路電磁17と往路電磁弁18を閉にして、加熱管4と放熱パイプ30の流路の接続を遮断し、排水電磁弁20を開いて排水配管13を開放させて、加熱管4内の水をハウスH外部の排水路等に排水する。
【0026】
このとき、給水電磁弁14を開にして加熱管4内に水道水を供給することにより、加熱管4を清掃することができる。また、加熱管4のみでなく放熱パイプ30内を清掃する場合は、給水電磁弁14,復路電磁弁17と往路電磁弁18を開にして加熱管4内に水を供給しつつ、循環ポンプ19を作動させて加熱管4内の水を循環往路配管11や循環復路配管12及び放熱パイプ30内に流すことにより行うことができる。
【0027】
このように、上記実施形態の暖房装置1においては、ハウスH内の地中Eに埋設された放熱パイプ30内に循環供給される水が、加熱管4に配置された加熱コイル5とトランジスタインバータ6及び制御装置7等からなる誘導加熱手段3によって加熱されて温水となるため、加熱効率に優れた誘導加熱を利用して加熱した温水を放熱パイプ30内に循環させることができて、ハウスH内の暖房効率を十分に高めることができる。
【0028】
また、加熱コイル5が、円筒状の加熱管3の周囲に巻回状態で配置されているため、加熱管4を加熱コイル5で効率的に加熱して所定温度の温水とすることができ、暖房装置1の省エネ化等をより一層向上させることができると共に、ハウスH内の温度が、制御装置7によるトランジスタインバータ6のオン・オフ制御によって行われるため、ハウスH内の温度バラツキ等を抑えて安定した温度に維持することができる。
【0029】
これらにより、ハウスH内の暖房効率を向上させつつ、暖房装置1で消費される電力の使用量を低減させて省エネや維持コストの面でも優れた暖房装置1を得ることができる。特に、近年石油の高騰により、従来から使用されている重油ボイラの維持コストが大幅に嵩み、ハウス農家の経営に大きな悪影響を与えているのが実情であることから、重油ボイラから電気を使用した暖房装置1への変換により、暖房装置1に係わる燃料代(電気代)を削減することができる。また同時に、重油ボイラに比較してその安全性が高くかつ操作が容易な誘導加熱を利用しているため、信頼性が向上して長期の安定した使用が可能になったりメンテナンス作業自体が容易となってメンテナンスコストを低減できる等、ハウス農家の経営に好適な暖房装置1を提供することができる。
【0030】
また、誘導加熱手段3に小型に形成可能なトランジスタインバータ6が使用されているため、暖房装置1自体の小型化を図ることができると共に、半導体スイッチング素子の使用により、その消費電力を従来の通電による加熱に比較して低減させることができて、省エネ化をより一層向上させることができ、時代の要望に一層マッチした暖房装置1の提供が可能となる。
【0031】
ところで、上記実施形態の暖房装置1によれば、円筒形状の加熱管4の外周に加熱コイル5を巻回状態で配置し、この加熱コイル5で加熱管4を誘導加熱したが、例えば図3に示すように、加熱管32を螺旋形状に形成し、この加熱管32の外側に巻回状態の加熱コイル33を配置する構成としても良い。この例の場合、加熱管32の一端に接続される例えば循環復路配管11に切替弁34を配置して、この切替弁34の一方の入り口に給水配管10を接続すれば良い。この構成によれば、筺体2の大きさに対して加熱管32の長さをより長くして水との接触時間を長くできて、水の加熱効率を一層高めることが可能となる。
【0032】
また、上記実施形態において、ハウスHの面積が広くて放熱パイプ30の全長が長く暖房装置1の設置位置から所定の距離がある場合には、図4に示すように、放熱パイプ30の暖房装置1から離れた位置に、補助加熱手段35を配置するようにしても良い。この補助加熱手段35は、図4に示すように、例えば樹脂製の放熱パイプ30の一部に磁性体からなる加熱パイプ36を接続し、この加熱パイプ36の外周面外側に補助加熱コイル37を嵌挿状態で配置することにより構成される。
【0033】
そして、補助加熱コイル37を前記トランジスタインバータ6に接続し、補助加熱コイル37への高周波電流の供給により加熱パイプ36を誘導加熱して、該パイプ36内の温水を加温する。この場合、暖房装置1と補助加熱コイル37の位置が離れていることから、伝達ロスの少ない高周波ケーブル等により補助加熱コイル37とトランジスタインバータ6が接続されるが、加熱パイプ36が冷水ではなく温水を加熱することから、補助加熱コイル37に供給される電力は比較的小さい値で良いことになる。
【0034】
また、この例では、補助加熱手段35として補助加熱コイル37を配置したが、例えば小型のトランジスタインバータを一体として配置して、前述した伝達ロスの低下を一層抑制することも可能である。この例によれば、ハウスHの大きさに係わらず、ハウスH内の各部の温度をより均一に維持することができる。
【0035】
なお、上記実施形態においては、放熱パイプ30が1本の直列状態で地中Eに埋設されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ハウスH内をブロック分けして、各ブロック毎に温水が循環できる構成を採用することもでき、その際、各ブロックに対応してトランジスタインバータ6をそれぞれ配置し、これらを制御装置7で制御する構成とすることもできる。また、上記実施形態における、暖房装置1自体の構成や誘導加熱手段3の全体あるいは加熱コイルの構成、その制御方法等も一例であって、例えば加熱コイルを図3の二点鎖線で示すように、複数の加熱コイル33a〜33cに分割した構成として、各コイル33a〜33cに別々のトランジスタインバータを接続して、個別に制御可能に構成する等、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、野菜や果実等の作物栽培用ハウスに限らず、放熱パイプを有して土を加熱する全ての暖房装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係わる暖房装置の一実施形態を示す概略構成図
【図2】同その設置状態の説明図
【図3】同加熱手段の変形例を示す図
【図4】同設置状態の変形例を示す図
【符号の説明】
【0038】
1・・・暖房装置、2・・・筺体、3・・・誘導加熱手段、4・・・加熱管、5・・・加熱コイル、6・・・トランジスタインバータ、7・・・制御装置、10・・・給水配管、11・・・循環復路配管、12・・・循環往路配管、13・・・排水配管、15・・・水量計、19・・・循環ポンプ、24・・・冷却水供給部、30・・・放熱パイプ、32・・・加熱管、33・・・加熱コイル、35・・・補助加熱手段、37・・・補助加熱コイル、H・・・ハウス、E・・・地中。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に埋設された放熱パイプに温水を循環することにより作物栽培用ハウス内を暖房する暖房装置であって、
筺体内に配置された誘導加熱手段により水を加熱させて温水とし、該温水をハウス内に埋設された放熱パイプに循環供給することを特徴とする作物栽培用ハウスの暖房装置。
【請求項2】
前記誘導加熱手段は、磁性体からなる加熱管の周囲に配置された加熱コイルと、該加熱コイルに高周波電流を供給するトランジスタインバータと、該トランジスタインバータを制御する制御装置と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の作物栽培用ハウスの暖房装置。
【請求項3】
前記加熱コイルは、円筒状の加熱管の周囲に巻回状態で配置されるか、あるいは螺旋状に巻回された加熱管の周囲に巻回状態で配置されていることを特徴とする請求項2に記載の作物栽培用ハウスの暖房装置。
【請求項4】
前記制御装置は、ハウス内の所定位置に配置した温度センサの検知温度に基づいて、前記トランジスタインバータの作動を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の作物栽培用ハウスの暖房装置。
【請求項5】
前記放熱パイプの所定位置に、前記制御手段により制御される補助加熱手段が配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の作物栽培用ハウスの暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−165396(P2009−165396A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6340(P2008−6340)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(591195994)株式会社ミヤデン (21)
【Fターム(参考)】