説明

使用済みの圧縮空気からエネルギーを回収することによるブロー成形工程における金型の冷却

排出されたガスを膨張冷却し、及び/又は排出されたガスを、その出口に冷ガスを供給するボルテックスチューブ(23)に通すことによって、ブロー成形工程で使用された圧縮ガスから熱が抽出される。この冷ガスは次いで、金型(12)内の冷却チャネル(13)に通される。これは、冷却剤を再循環させ、又は冷却剤を外部で冷やす必要性をなくし、エネルギーを節約する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]本発明は、ブロー成形工程で使用される型の冷却に関し、より具体的には、成形機を動作させるため、及び金型で容器を成形するために使用される圧縮空気又はガスからエネルギーを回収することによって、金型又は金型のセクション(section)を冷却することに関する。
【0002】
[0002]PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトルなどのプラスチック容器の製造で使用される一般的なブロー成形工程では、プラスチック出発材料が、そのガラス転移温度よりも20℃高い約95℃まで加熱される。供給された熱によってプラスチック出発材料は軟化し、その結果、プラスチック出発材料を伸長させ、金型を埋めるようにプラスチック出発材料を成形することができる。圧力約30バール、温度約20℃ないし30℃の圧縮空気が、容器のプリフォームの内部に吹き込まれ、金型の壁に容器を押し付ける。これにより容器はキャビティと同じ形状を呈する。
【0003】
[0003]ブロー成形された容器が金型から取り外される前に、金型は、そのプラスチック材料のガラス転移温度よりも低い温度、即ちPETでは約70℃よりも低い温度まで冷却される。現行の成形機では、金型の内部又は金型の表面に配置された冷却チャネルに約12℃の冷水を流すことによって金型が冷却される。この冷水は、閉ループ冷却システムで冷やされ、断熱された配管系を通してブロー成形金型にポンプ送水され、そこで冷却チャネルに流れる。成形工程の間に水温は約2℃上昇する。この水は次いで、除熱のため金型から冷却システムへ戻される。
【0004】
[0004]水冷システムは、スケールの付着及び腐食を受けやすく、維持費用が高く、水を冷やすために外部エネルギー源を必要とする。その一方で、ブロー成形工程で使用された圧縮ガスは単純に周囲環境に排出されるため、この圧縮ガスに含まれるエネルギーは無駄になる。
【0005】
[0005]したがって、より少ないエネルギーを使用してブロー成形機を冷却するシステム及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本発明は、より少ないエネルギーを使用してブロー成形機を冷却するシステム及び方法を提供する。本発明はさらに、金型に吹き込むため、及び成形機を動作させるために使用される圧縮ガスから、通常は無駄になるエネルギーを回収することの結果を達成する。回収されたエネルギーは金型を冷却するために使用される。
【0007】
[0007]本発明の一態様によれば、ブロー成形機の金型用の冷却配置は、高圧側及び低圧側を有し、高圧側が、ブロー成形機内で物品を成形するために使用される第1の温度の加圧ガスを受け取る膨張冷却器と、金型内に配置され、膨張冷却器の低圧側から第1の温度よりも低い第2の温度のガスを受け取る冷却チャネルとを含む。第2の温度のガスは、冷却チャネル内を流れ、金型を冷却する。
【0008】
[0008]本発明の他の態様によれば、ブロー成形装置の金型を冷却する方法は、第1の温度よりも低い第2の温度のガス流を供給するために、ブロー成形装置の加圧された区画から膨張冷却器を通して第1の温度のガスを排出するステップと、金型を冷却するために、金型内の冷却チャネルに第2の温度のガス流を誘導するステップとを含む。
【0009】
[0009]有利な実施形態は、以下の特徴のうち、1つ又は複数の特徴を含むことができる。この冷却配置は、成形される物品の内容積に加圧ガスを供給し、成形された物品から膨張冷却器の高圧側に加圧ガスを排出するように構成されたマニホルドを含むことができる。膨張冷却器はベンチュリ狭窄部(Venturi constriction)を有することができる。
【0010】
[0010]一実施形態では、膨張冷却器の低圧側と冷却チャネルの間に、少なくとも1つのボルテックスチューブを配置することができる。このボルテックスチューブは、膨張冷却器の低圧側からガスを受け取るように構成された入口ポートと、冷却チャネルと流体連通した冷出口ポートとを有する。冷出口ポートからの冷ガスは金型内の冷却チャネルを通り、金型を冷却する。金型は、別個の冷却チャネルを有するいくつかの金型セクションを含むことがあるため、2つ以上のボルテックスチューブを使用することができる。これらの別個のボルテックスチューブは、様々な金型セクション内の別個の冷却チャネルに接続することができる。
【0011】
[0011]一実施形態では、少なくとも1つの第1のボルテックスチューブの上流にリザーバを配置することができ、このリザーバは、加圧ガスの圧力と1つ又は複数のボルテックスチューブの出口ポートの圧力の中間の圧力を有する。この中間の圧力は、ブロー成形機の成形サイクルとは無関係に一定であることが好ましい。
【0012】
[0012]ブロー成形装置は、ブローノズルを金型ネックに接続し、物品のプリフォームを伸長させるストレッチングロッドを動作させる、空気圧によって動かすことができる1つ又は複数のアクチュエータを含むことができる。アクチュエータ(1つ又は複数)に対して排出されたガス、及び/又は成形装置の他の加圧された部分から排出されたガスを、別のボルテックスチューブを通して送ることができ、このボルテックスチューブも次いで冷却チャネルに冷ガスを供給することができる。好ましくは、少なくともアクチュエータから排出された加圧ガス及び加圧された成形品から排出された加圧ガスが、金型を冷却するエネルギーの唯一の源である。
【0013】
[0013]様々な弁、マニホルド、アクチュエータなどを動作させるように構成されたタイミング回路によって、ブロー成形装置のサイクル動作の時機を調節することができる。様々なボルテックスチューブの熱出口ポートから追加のエネルギーを回収することができ、この熱ガスを使用して、例えばプリフォームの温度を上げ又は維持し、或いは容器の収縮を制御するために金型を加熱することができる。
【0014】
[0014]成形される物品はプラスチック材料製とすることができ、有利には、ボルテックスチューブの冷ガス出口ポートのガス温度を、プラスチック材料のガラス転移温度よりも低く調整することができる。
【0015】
[0015]本発明の更なる特徴及び利点は、例示的な実施形態の以下の説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0016】
[0016]本発明の上記の目的及び利点並びにその他の目的及び利点は、添付図面を参照して書かれた以下の詳細な説明を検討することによって明らかになるであろう。図面全体を通じて、同様の符号は同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ブロー成形金型を冷却する従来のシステムを示す図である。
【図2】ブロー成形金型を冷却する本発明に基づくシステムを示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0018】
[0019]本発明は、寸法が安定した容器を金型から取り外すのを容易にするために、成形工程の終わりに金型を効率的に冷却するシステム及び方法を対象とする。具体的には、本明細書に記載されたシステム及び方法は、ブロー成形工程で使用された圧縮ガスからエネルギーを回収することができる。回収されたエネルギーは金型を冷却するために使用され、それにより、冷水を再循環させる冷却を利用する従来の冷却法に比べてエネルギーを節約する。
【0019】
[0020]図1は、金型ボトム12a、サイドセクション12b、12c及び金型ネック12dを有する金型12を含む、従来のブロー成形システム10を概略的に示す。完成した容器11を金型から取り外すのを容易にするために、金型ボトム12a、サイドセクション12b、12c及び金型ネック12dは分離可能とすることができる。2つのサイドセクション12b、12cを有する金型12が示されているが、金型12がサイドセクションを1つだけ有すること、又は金型12が3つ以上のサイドセクションを有することができることが理解されるであろう。金型セクション12a、12b、12c及び12d内には、金型12を冷却する冷却チャネル13a、13b、13cが通っている。
【0020】
[0021]ブロー成形工程では、例えばPETでできたプリフォーム(キャップのねじ山が予め成形されたプラスチックの小管)を例えば赤外炉内で約95℃まで加熱することによって、容器が形成される。この温度でプラスチックは軟化する。加熱されたプリフォーム(図示せず)は次いで金型12に入れられ、空気圧で動作する図示の例示的なリニアアクチュエータ28などのアクチュエータ、又はカム(図示せず)によってブローノズル15が下ろされ、金型の中のプリフォームを密閉する。図示の実施形態のアクチュエータ28又はカムは、約3バールないし約7バールの圧力を有する圧縮ガスによって動かされる。このガスは、アクチュエータ28のそれぞれの室に4ポート弁29を介して供給されて、ピストン28aを動かす。加圧されていない方の室の空気は、逆止め弁48を介して大気49に排出される。
【0021】
[0022]金型の中でプリフォームが密閉された後、例えば同じアクチュエータ28又は別のアクチュエータ(図示せず)を使用して、ストレッチロッド27が特定の機械速度で下ろされ、それにより、プリフォームを伸長させ、キャビティを少なくとも部分的に埋める。
【0022】
[0023]例示的な空気源17からの圧縮空気が、管路14c、三方弁16、管路14a及びブローノズル15を通して、最初は、金型の中にプラスチックを均等に分配するために比較的に低い圧力(約6ないし約15バール)で、プリフォームの内部に導入される。三方弁は、カム又はソレノイドによって動かすことができ、或いは当技術分野で知られている適当なアクチュエータによって動力を与えることができる。プリフォームが十分に伸長した後、金型の内面(1つ又は複数)にプリフォームを押し付け、デフィニション(definition)を達成するために、ガス圧が約30バールないし約40バールに高められる。このガスの圧縮によって、プリフォームの中のガスの温度が上昇する。膨張したプリフォームがキャビティに接触すると、予熱されたプリフォームの中の熱ガスから熱エネルギーが金型12に伝えられる。
【0023】
[0024]容器が形成された後、アクチュエータ28が、接続されたストレッチロッド27を新たに形成された容器から引き上げ、カムで動作する三方弁又は電磁弁16が開き、容器の内容物が大気49に排出される。カム又は空気圧アクチュエータによってブローノズル15が引き上げられ、新たに形成された容器が金型から取り外される。従来のブロー成形機では、加圧ガスに蓄えられたエネルギーは事実上無駄になる。
【0024】
[0025]完成した容器11を金型12から取り外すことを可能にするためには、プラスチック容器材料のガラス転移温度よりも低い温度まで金型12を冷却する必要がある。これは、冷却チャネル13a、13b、13cに冷却剤を絶え間なく、可能には容器が金型から取り外されるときだけでなく成形サイクルの間中、流すことによって達成される。冷却剤を冷やす必要もあり、それには追加のエネルギーが必要となる。
【0025】
[0026]一般的なブロー成形機は、機械の能力に応じて、金型1つあたり毎分18ないし30個の速度で容器を製造することができる。以下の例では、1リットルの容器サイズが仮定されるが、このシステムは他の容器サイズでも機能することができる。金型に伝わる熱はガスの体積、したがって製造される容器の内容積に比例し、即ち、容器が小さいほど金型に伝わる熱は少なく、冷却も少なくてすむ。
【0026】
[0027]1リットル容器を形成するのに使用される圧縮空気の圧力は30ないし40バール(435〜580psi)である。金型1つあたり毎分約18ないし約30個の容器が製造されるとすると、これは、約30バールないし約40バールの圧縮空気でキャビティ1つあたり毎分約18ないし約30リットルの圧力に相当し、34キャビティ成形機では、同じ圧力の約0.6m/分ないし約1.0m/分の圧縮空気に相当する。ストレッチングシリンダ27及びブローノズル15を動かすアクチュエータによって、並びに成形機の他の加圧される部分によって、動作圧約7バールの追加の圧縮空気が使用される。この追加の体積は、34キャビティ成形機ではこの動作圧で約1.5mないし約2mである。ブローノズル及びストレッチロッドを動かすアクチュエータ(1つ又は複数)又はカム(1つ又は複数)、並びに弁アクチュエータに含まれる空気全体を、本発明の方法に従って金型を冷却するために使用することができる。
【0027】
[0028]図2は、本発明に基づく例示的なブロー成形システム20を概略的に示す。このシステムは、図1の従来のシステムとは違い、金型12又は金型ネック12dなどの金型12の少なくとも一部分を冷却するために、圧縮ガスからエネルギーを回収する。システム20の金型12は、図1に示されたシステム10の金型12と実質的に同一であり、金型ボトム12c、金型セクション12a、12b及び金型ネック12dを含む。これらの様々な金型セクション12a、12b、12c、12d内には、金型を冷却する冷却チャネル13a、13b、13cが延びている。
【0028】
[0029]前と同様に、カムとして実現することができるアクチュエータ28は例えば、約3バールないし約7バールの圧力を有する圧縮ガス源39からの空気によって駆動することができる。好ましくは、金型12の中のプリフォームを伸長させるために、アクチュエータ28によってストレッチロッド27が下ろされ、その後、金型の内面(1つ又は複数)にプリフォームを押し付けて、デフィニションを達成するために、圧縮ガス源17によって、ブローノズル15に接続された三方弁16及びガス管路14aを通して、容器プリフォームを約30バールないし約40バールまで加圧することができる。しかしながら、完成した容器の中に残った加圧ガスは、従来のシステム10のようにそれぞれの成形サイクルの終わりに大気に排出されるのではなしに、ガス管路14a、三方弁16及び管路24b、さらに逆止め弁32及び直膨式ディフューザ(direct expansion diffuser)(例えばベンチュリジェット(Venturi jet))18を通って、ガスリザーバ(gas reservoir)26に流れる。或いは、後述するように、膨張ディフューザ18の代わりに、ボルテックスチューブ(vortex tube)を使用して加圧ガスを冷却することが可能なこともある。ガスリザーバ26の圧力は、例えば約3バールないし約7バールに維持することができる。膨張後のリザーバ26内のガスの温度を周囲温度よりも低くすることができ、例えば、流量、圧力などの動作条件に応じて約10℃ないし約20℃の温度にすることができる。
【0029】
[0030]膨張ディフューザ28の前の管路14a、24b内のガス流は一般に断続的であり、例えば、キャビティを同期して動かすために毎分約18回ないし約30回断続するが、リザーバ26は、それらの圧力変動を「和らげる」ことができ、その結果、リザーバ26の圧力は実質的に一定に保たれる。過剰な圧力は、リザーバ26に配置することができる安全逃し弁42を介して抜かれることが好ましい。
【0030】
[0031]リザーバ26は、マニホルド22を介して、1つ又は複数のボルテックスチューブ23a、23b、23cの高圧側に接続される。例示的なボルテックスチューブ23aなどのボルテックスチューブは、圧縮ガスの入口ポート23(一般にサイドポート)と、ボルテックスチューブの一端に位置し、調整可能な体積分率の冷却されたガスを送出する出口ポート23(コールドエンド(cold end)とも呼ばれる)と、ボルテックスチューブの反対端に位置し、ボルテックスチューブ内で加熱された相補的な体積分率の熱ガスを送出する別の出口ポート23(ホットエンド(hot end)とも呼ばれる)とを有する。ボルテックスチューブのコールドエンド23から放出されるガスの体積分率及び温度は、ボルテックスチューブのコールドエンドを通して放出される入力圧縮ガスの百分率を調整することによって調整することができ、この百分率を「コールドフラクション(cold fraction)」と呼ぶことができる。コールドフラクションは、ボルテックスチューブ内のボルテックスチューブのタイプによっても異なる。即ち、ボルテックスチューブを、「高コールドフラクション」発生装置として又は「低コールドフラクション」発生装置として設計することができる。低コールドフラクションを有するボルテックスチューブ、即ちボルテックスチューブのコールドエンドを出る全ガス入力の体積百分率が小さいボルテックスチューブでは一般に、コールドエンドにおけるガスの温度が低くなる。
【0031】
[0032]ボルテックスチューブ23a、23b、23cは、リザーバ26からボルテックスチューブ23a、23b、23cのそれぞれの入口ポートに供給されたガスのうち、コールドエンドから出る部分のガスの温度を低下させる。ボルテックスチューブ23a、23b、23cのサイズは、完成した成形容器から排出される圧縮ガスの約0.6m/分ないし1.0m/分の全流量を収容するように決定されることが好ましい。
【0032】
[0033]ボルテックスチューブ23a、23b、23cのコールドエンドを出たガスは、金型セクション12a、12b、12c、12dに配置された接続された冷却チャネル13a、13b、13cを流れることが好ましい。ボルテックスチューブ23a、23b、23cでは、ガス圧力が、リザーバ26内の約3バールないし約7バールから、それぞれのコールドフラクションポートにおける約1バールまで下がる。ボルテックスチューブ23a、23b、23cとそれぞれの流れチャネル13a、13b、13cの間、又はガス流路上の他の適当な位置に、冷ガスの流れを接続し及び/又は調整する弁33a、33b、33cを接続することができる。ボルテックスチューブ23a、23b、23cのサイズは、個々の金型キャビティ内の冷却チャネル中の全流量と釣り合うように決定されることが好ましい。
【0033】
[0034]金型が鋳造される場合(例えばアルミニウム金型の場合)、鋳造中に、金型の内部の冷却チャネルを小さな通路として形成することができる。或いは、又はこれに加えて、金型セクションに冷却チャネルを、例えば単純な交差ドリルパターン(cross drill pattern)として穿設することもできる。通路13a、13b、13cを流れ、金型(セクション)から熱を吸収した後、金型を冷却するために使用されたガスは、騒音を低減させるため、バッフル(baffle)25a、25b、25cを通して排出されることが好ましい。圧力約1.5バール、流量約0.3m/分でボルテックスチューブに入った空気の温度を、約28K低下させることができることが示された。この冷やされた空気は、金型の冷却チャネルを通過し、ブロー成形工程によって生成された熱を、好ましくは追加の冷却能を必要とすることなく除去することができる。
【0034】
[0035]アクチュエータ28、ストレッチングシリンダ27及びブローノズル15を動作させる圧縮ガスから追加のエネルギーを回収することができる。このガスは、リザーバ39内のガスとほぼ同じ圧力を有する。このガスを、追加のボルテックスチューブ23dに誘導して、追加のボルテックスチューブ23dのコールドエンドに追加の冷ガス流を供給することができる。ボルテックスチューブ23dの出口を、冷却チャネル13a、13b、13cのうちのいずれか1つ、又はこれらの冷却チャネルの組合せに接続することができる。ボルテックスチューブ23a、23b、23c、23dの処理流量は、冷却チャネル13a、13b、13cの容積に適当に釣り合うべきであることが理解されるであろう。
【0035】
[0036]既に従来の成形システムの部分となっていることもあるタイミング回路40を、様々な弁16、33a、33b、33c及びアクチュエータ28に接続して、プリフォームの金型への挿入、プリフォームの加圧及び成形品の除圧、並びに成形品の金型からの除去の時機を適切に調整することができる。
【0036】
[0037]プリフォームが予熱炉に入る前に、又は予熱されたプリフォームが予熱炉からブローホイール(blow wheel)に輸送される間にプリフォームを予熱するために、ホットエンド23からボルテックスチューブ23aを出た熱ガスを熱交換器(図示せず)に誘導することができ、それによって追加のエネルギーを回収することができる。
【0037】
[0038]冷却された空気を供給するボルテックスチューブのコールドエンドを再び使用してねじ付きネック完成部の歪みを防ぐために、回収された過剰の冷空気(図示せず)を使用して、炉の中の容器のネックバリヤ(neck barrier)を冷却することができる。
【0038】
[0039]要約すれば、ブロー成形金型の加圧された部分から排出された圧縮ガスの熱エネルギーを使用して、成形品を取り外すときに金型を冷却する方法及びシステムが記載された。この工程は、さもなければ冷却剤、例えば冷却水又は冷却ガスを冷やすために費やされなければならないエネルギーを節約する。
【0039】
[0040]図示され、詳細に説明された好ましい実施形態に関して本発明を開示したが、これらの好ましい実施形態の様々な変更及び改良が当業者には直ちに明らかになるであろう。例えば、ボルテックスチューブと直膨式ディフューザを組み合わせて使用することができ、又はそれらの役割を交換することができる。限定目的ではなく例示目的で提示された記載の実施形態以外の形態によって本発明を実施することができること、及び本発明が以下の特許請求の範囲だけによって限定されることを当業者は理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形機の金型用の冷却配置であって、
高圧側及び低圧側を有し、前記高圧側が、前記ブロー成形機内で物品を成形するために使用される第1の温度を有する加圧ガスを受け取る膨張冷却器と、
前記金型内に配置され、前記膨張冷却器の前記低圧側から前記第1の温度よりも低い第2の温度のガスを受け取り、前記第2の温度の前記ガスが、前記冷却チャネル内を流れ、前記金型を冷却する冷却チャネルと
を備える冷却配置。
【請求項2】
成形される前記物品の内容積に前記加圧ガスを供給し、成形された前記物品から前記膨張冷却器の前記高圧側に前記加圧ガスを排出するように構成されたマニホルドをさらに備える、請求項1に記載の冷却配置。
【請求項3】
前記膨張冷却器がベンチュリ狭窄部を含む、請求項1に記載の冷却配置。
【請求項4】
前記膨張冷却器の前記低圧側と前記冷却チャネルの間に挿入され、前記膨張冷却器の前記低圧側から前記ガスを受け取るように構成された入口ポートと、前記冷却チャネルと流体連通した冷出口ポートとを有する少なくとも1つの第1のボルテックスチューブをさらに備える、請求項1に記載の冷却配置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1のボルテックスチューブの上流に配置されたリザーバをさらに備え、前記リザーバが、前記加圧ガスの圧力と前記少なくとも1つの第1のボルテックスチューブの前記出口ポートの圧力の中間の圧力を有する、請求項4に記載の冷却配置。
【請求項6】
前記中間の圧力が、前記ブロー成形機の成形サイクルとは無関係に実質的に一定である、請求項5に記載の冷却配置。
【請求項7】
前記金型が複数の金型セクションを含み、前記金型セクションがそれぞれ専用の冷却チャネルを有し、
前記冷却配置が、複数の第1のボルテックスチューブを備え、
前記複数の第1のボルテックスチューブがそれぞれ、前記金型セクションのそれぞれの金型セクションの冷却チャネルに接続された、
請求項6に記載の冷却配置。
【請求項8】
前記ブロー成形機が、成形される物品の内容積に前記加圧ガスを接続するブローノズルと、成形される前記物品のプリフォームを膨張させるストレッチングロッドとのうちの少なくとも一方を動作させるように構成されたアクチュエータを備える、請求項1に記載の冷却配置。
【請求項9】
前記アクチュエータが空気圧アクチュエータである、請求項8に記載の冷却配置。
【請求項10】
前記アクチュエータがカムである、請求項8に記載の冷却配置。
【請求項11】
前記アクチュエータが加圧ガスによって動かされ、前記冷却配置がさらに、
成形サイクルの終わりに少なくとも前記アクチュエータから排出された前記加圧ガスを受け取るように構成された入口ポートと、前記金型を冷却する前記金型の前記冷却チャネルと流体連通した冷出口ポートとを有する第2のボルテックスチューブ
を備える、請求項9に記載の冷却配置。
【請求項12】
少なくとも前記アクチュエータから排出された前記加圧ガス及び加圧された成形品から排出された前記加圧ガスが、前記金型を冷却するエネルギーの実質的に唯一の源である、請求項11に記載の冷却配置。
【請求項13】
前記ブロー成形機の成形サイクルを規定するタイミング回路をさらに備える、請求項1に記載の冷却配置。
【請求項14】
前記第1のボルテックスチューブが、成形される前記物品のプリフォームを加熱する加熱されたガスを供給する熱出口ポートを備える、請求項1に記載の冷却配置。
【請求項15】
成形される前記物品が、あるガラス転移温度を有するプラスチック材料でできており、
前記第2の温度が、前記プラスチック材料の前記ガラス転移温度よりも低い、
請求項1に記載の冷却配置。
【請求項16】
ブロー成形装置の金型を冷却する方法であって、
第1の温度よりも低い第2の温度のガス流を供給するために、前記ブロー成形装置の加圧された区画から膨張冷却器を通して前記第1の温度のガスを排出すること、及び
金型を冷却するために、前記金型内の冷却チャネルに前記第2の温度の前記ガス流を誘導すること
を含む方法。
【請求項17】
前記誘導することが、
第1のボルテックスチューブを設けること、
前記膨張冷却器を出た前記ガス流を前記第1のボルテックスチューブの入口ポートに流入させること、及び
前記第1のボルテックスチューブのコールドエンドから出たガスを、前記金型内の前記冷却チャネルに流すこと
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記区画が、前記金型の内部で成形された物品の内容積を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の温度が、前記物品が製造される材料のガラス転移温度よりも低い、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第2のボルテックスチューブをさらに設け、前記第2のボルテックスチューブが、前記ブロー成形装置を動作させるために使用される加圧された構成要素から加圧ガスを受け取り、前記第2のボルテックスチューブの冷ポートを出た冷ガスを、前記金型を冷却するために前記金型内の冷却チャネルに通す、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−512254(P2010−512254A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540298(P2009−540298)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/025011
【国際公開番号】WO2008/073276
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509153799)ネスレ ウォーターズ ノース アメリカ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】