説明

侵入監視システム

【課題】光センサーが故障等で停止しても監視区間の監視を自動的に継続する。
【解決手段】第1の送光用センサー2Aおよび第1の受光用センサー3Aは正常信号を送信している場合に、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aは、通常モード信号に応じて、(i+1)番目のポール1に向けて光線を発し、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aは、その光線と通常モード信号とに応じて受光信号を送信する。(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号が送信されない場合にi番目および(i+2)番目のポール1に対して故障モード信号が供給される。i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bは、故障モード信号に応じて、(i+2)番目のポール1に向けて光線を発し、(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bは、その光線と故障モード信号とに応じて受光信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷地に侵入する人または物をセンサーにより監視する侵入監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エリアを監視するためにセンサーを用いる技術が知られている。たとえば、特許文献1に記載された技術では、壁や天井で仕切られたエリアの周辺にセンサーを配置している。そのエリアとして、ある建物の階段下や、建物内のダクトに連通する換気孔の開口部が挙げられている。
【0003】
しかし、監視したいエリアが、壁や天井で仕切られたエリアではなく、発電所等の施設や工場のような大きな面積を有し、かつ、塀や壁を乗り越えることにより侵入できるような敷地である場合に、特許文献1に記載された技術は適用できない。
【0004】
上述のような敷地を監視する場合に侵入監視システムが採用される。侵入監視システムでは、敷地の周囲に複数のポールが配置され、その複数のポールに対して、赤外線等を発する光センサーが設置される。この侵入監視システムは、複数のポールのうちの2つのポール間から敷地に侵入する人または物を光センサーにより監視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−180198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
侵入監視システムでは、常にセキュリティや安全性を確保するために、常時、2つのポール間の監視を行う必要がある。
【0007】
しかし、2つのポールのうちの1つのポールに設置された光センサーが故障した場合に、2つのポール間である監視区間の監視が行われない事態が発生する。この事態を対処するために、上記監視区間に監視員を配置して監視を継続する必要がある。このように、光センサーが故障等で停止しても監視区間の監視を継続することが望まれる。
【0008】
また、侵入監視システムにおいて、監視区間の監視を継続するために、監視員が、常に保守等により光センサーを点検して、光センサーが故障しているか否かを調べなければならない。このように、監視区間の監視を自動的に継続することが望まれる。
【0009】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、光センサーが故障等で停止しても監視区間の監視を自動的に継続することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を達成するために、本発明は、侵入監視システムにおいて、敷地の周囲に1番目からm番目(mは3以上の整数)まで順に離れて設置されたm個のポールのうちの1番目から(m−1)番目のポールに光センサーが設けられ、自身が故障していないときに正常信号を送信する送光部と、前記m個のポールのうちの2番目からm番目のポールに光センサーが設けられ、自身が故障していないときに前記正常信号を送信する受光部と、信号経路を介して前記送光部および前記受光部に接続された制御部と、を具備し、前記制御部は、前記送光部および前記受光部に対して、前記正常信号に応じて前記通常モード信号を送信し、前記m個のポールのうちのi番目{iは1≦i≦(m−2)を満たす整数}のポールの前記送光部は、前記通常モード信号に応じて、前記m個のポールのうちの(i+1)番目のポールに向けて光線を発し、前記(i+1)番目のポールの前記受光部は、前記i番目のポールの前記送光部からの光線と、前記通常モード信号とに応じて、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在するか否かを表す第1の受光信号を前記制御部に送信し、前記制御部は、前記(i+1)番目のポールの前記受光部から前記正常信号を受信できない場合に、前記i番目のポールと前記m個のポールのうちの(i+2)番目のポールとに対して、前記通常モード信号の送信を停止して、故障モード信号を送信し、前記i番目のポールの前記送光部は、前記故障モード信号に応じて、前記(i+2)番目のポールに向けて光線を発し、前記(i+2)番目のポールの前記受光部は、前記i番目のポールの前記送光部からの光線と、前記故障モード信号とに応じて、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在するか否かを表す第2の受光信号を前記制御部に送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、光センサーが故障等で停止しても監視区間の監視を自動的に継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る侵入監視システムに適用される監視エリアを表す平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る侵入監視システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る侵入監視システムにおいて、1番目のポール1と2番目のポール1との間の送光部20および受光部30の取り付け位置を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る侵入監視システムにおいて、(m−1)番目のポール1とm番目のポール1との間の送光部20および受光部30の取り付け位置を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムにおける送光部20の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムにおける受光部30の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムにおいて、m個のポール1のうちのi番目{iは1≦i≦(m−2)を満たす整数}〜(i+2)番目のポール1を例にしたときの各センサーの位置および向きを示す平断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである通常モードにおいて、図7の各センサーのうちの使用されるセンサーを示す平断面図である。
【図9】図8の通常モードを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである故障モードにおいて、図7の各センサーのうちの使用されるセンサーを示す平断面図である。
【図11】図10の故障モードを示すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つとして、監視装置5から切替命令を制御部4に送るときの保守モード(故障モード)を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムにおける送光部20の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムにおける受光部30の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである通常モードにおいて、m個のポール1のうちのi番目{iは1≦i≦(m−2)を満たす整数}〜(i+2)番目のポール1を例にしたときの各センサーの位置および向きを示す平断面図である。
【図16】図15の通常モードを示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである故障モードにおいて、m個のポール1のうちのi番目〜(i+2)番目のポール1を例にしたときの各センサーの位置および向きを示す平断面図である。
【図18】図17の故障モードを示すフローチャートである。
【図19】本発明の第4実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つとして、監視装置5から切替命令を制御部4に送るときの保守モード(故障モード)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る侵入監視システムの実施形態を、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る侵入監視システムに適用される監視エリアを表す平面図である。監視エリアは、発電所等の施設や工場のような大きな面積を有し、かつ、塀や壁を乗り越えることにより侵入できるような敷地10を含んでいる。その敷地10の周囲には、m個(mは3以上の整数)のポール1が設置されている。m個のポール1は、1番目からm番目まで順に離れて敷地10の周囲に設けられている。本実施形態に係る侵入監視システムは、m個のポール1のうちの2つのポール1の間から敷地10に侵入する人または物を監視する。
【0015】
図2は、本発明の実施形態に係る侵入監視システムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係る侵入監視システムは、送光部20と、受光部30と、制御部4と、監視装置5とを具備している。
【0016】
送光部20は、m個のポール1のうちの1番目から(m−1)番目のポール1に設けられている。受光部30は、m個のポール1のうちの2番目からm番目のポール1に設けられている。
【0017】
制御部4は、信号経路8を介して1番目から(m−1)番目のポール1の送光部20および2番目からm番目のポール1の受光部30に接続されている。監視装置5は、制御部4から送信される信号に基づいて、m個のポール1のうちの2つのポール1の間から敷地10に侵入する人または物を監視する。制御部4および監視装置5の詳細については後述する。
【0018】
図3は、1番目のポール1と2番目のポール1との間の送光部20および受光部30の取り付け位置を示す斜視図である。図4は、(m−1)番目のポール1とm番目のポール1との間の送光部20および受光部30の取り付け位置を示す斜視図である。
【0019】
図3に示されるように、m個のポール1は地面から垂直方向に伸びている。m個のポール1のうちの1番目のポール1の送光部20と2番目のポール1の受光部30は、地面から所定の高さに位置し、かつ、その位置で互いに向かい合うように、そのポール1に設けられている。図4に示されるように、(m−1)番目のポール1の送光部20とm番目のポール1の受光部30は、地面から所定の高さに位置し、かつ、その位置で互いに向かい合うように、そのポール1に設けられている。図示しないが、2番目のポール1から(m−1)番目のポール1までの送光部20および受光部30の取り付け位置についても同様である。
【0020】
[第1実施形態]
図5は、本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムにおける送光部20の構成を示すブロック図である。1番目から(m−1)番目のポール1の送光部20は、第1の送光用センサー2Aおよび第2の送光用センサー2Bを備えている。第1の送光用センサー2Aおよび第2の送光用センサー2Bは、光を発する光センサーである。光としては、赤外線等の不可視光線が例示される。第1の送光用センサー2Aは、自身が故障していないときに正常信号を送信する。第2の送光用センサー2Bは、第1の送光用センサー2Aの予備のセンサーである。
【0021】
図6は、本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムにおける受光部30の構成を示すブロック図である。2番目からm番目のポール1の受光部30は、第1の受光用センサー3Aおよび第2の受光用センサー3Bを備えている。第1の受光用センサー3Aおよび第2の受光用センサー3Bは、それぞれ第1の送光用センサー2Aおよび第2の送光用センサー2Bからの光を受け取る光センサーである。第1の受光用センサー3Aは、自身が故障していないときに正常信号を送信する。第2の受光用センサー3Bは、第1の受光用センサー3Aの予備のセンサーである。
【0022】
図7は、m個のポール1のうちのi番目{iは1≦i≦(m−2)を満たす整数}〜(i+2)番目のポール1を例にしたときの各センサーの位置および向きを示す平断面図である。ここで、各ポール1に設けられる各センサーのうちの、以下の説明で登場しないセンサーについては図示していない。
【0023】
第1の送光用センサー2A、第2の送光用センサー2B、第1の受光用センサー3Aおよび第2の受光用センサー3Bの位置および向きは予めに調整されている。
【0024】
具体的には、図7に示される例では、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aおよび(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aは互いに向かい合うように位置および向きの少なくとも一方が調整されている。(i+1)番目のポール1の第1の送光用センサー2Aおよび(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aは互いに向かい合うように位置および向きの少なくとも一方が調整されている。i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bおよび(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bは互いに向かい合うように位置および向きの少なくとも一方が調整されている。
【0025】
図8は、本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである通常モードにおいて、図7の各センサーのうちの使用されるセンサーを示す平断面図である。図9は、図8の通常モードを示すフローチャートである。
【0026】
i番目〜(i+2)番目のポール1の第1の送光用センサー2Aおよび第1の受光用センサー3Aは、自身が故障していないときに正常信号を送信する(ステップS1〜S3)。
【0027】
制御部4は、i番目〜(i+2)番目のポール1の第1の送光用センサー2Aおよび第1の受光用センサー3Aからの正常信号に応じて、通常モード信号をi番目〜(i+2)番目のポール1の第1の送光用センサー2Aおよび第1の受光用センサー3Aに送信する(ステップS4)。
【0028】
i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aは、通常モード信号に応じて、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aに向けて光線を発する(ステップS5)。このとき、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aは、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aからの光線と、通常モード信号とに応じて、第1の受光信号を制御部4に送信する(ステップS6)。
【0029】
制御部4は、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号および第1の受光信号を受信した場合に、これらを含む情報を第1の監視結果情報として監視装置5に送信する(ステップS7)。監視装置5は、その第1の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する(ステップS8)。
【0030】
ステップS6〜S8について具体的に説明する。
【0031】
ステップS6において、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aは、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aから光線を受け取った場合に、通常モード信号に応じて、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在しないことを表す信号“侵入無し”を第1の受光信号として制御部4に送信する。ステップS7において、制御部4は、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号および第1の受光信号“侵入無し”を受信した場合に、これらを含む情報を第1の監視結果情報として監視装置5に送信する。ステップS8において、監視装置5は、その第1の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する。この場合、第1の監視結果情報は、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aに異常がなく、かつ、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在しないことを表している。
【0032】
一方、ステップS6において、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aは、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aから光線を受け取れない場合に、通常モード信号に応じて、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在することを表す信号“侵入有り”を第1の受光信号として制御部4に送信する。ステップS7において、制御部4は、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号および第1の受光信号“侵入有り”を受信した場合に、これらを含む情報を第1の監視結果情報として監視装置5に送信する。ステップS8において、監視装置5は、その第1の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する。この場合、第1の監視結果情報は、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aに異常がないが、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在することを表している。
【0033】
図10は、本発明の第1実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである故障モードにおいて、図7の各センサーのうちの使用されるセンサーを示す平断面図である。図11は、図10の故障モードを示すフローチャートである。
【0034】
いま、(i+1)番目のポール1の受光部30は、自身が故障していて正常信号を送信できない状態にあるものとする。具体的には、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aが故障しているものとする。
【0035】
この場合、制御部4は、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号を受信できない。このとき、制御部4は、(i+1)番目のポール1の第1の送光用センサー2Aおよび第1の受光用センサー3Aに対して、通常モード信号の送信を停止する。同時に、制御部4は、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aと(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aとに対して、通常モード信号の送信を停止し、i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bと(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bとに対して、故障モード信号を送信する(ステップS11)。
【0036】
また、制御部4は、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間からi番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に切り替えたことを表す区間切替情報を監視装置5に送信する(ステップS12)。監視装置5は、その区間切替情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する(ステップS13)。
【0037】
また、i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bは、故障モード信号に応じて、(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bに向けて光線を発する(ステップS14)。このとき、(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bは、i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bからの光線と、故障モード信号とに応じて、第2の受光信号を制御部4に送信する(ステップS15)。
【0038】
制御部4は、(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号および第2の受光信号を受信した場合に、これらを含む情報を第2の監視結果情報として監視装置5に送信する(ステップS16)。監視装置5は、その第2の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する(ステップS17)。
【0039】
ステップS15〜S17について具体的に説明する。
【0040】
ステップS15において、(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bは、i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bから光線を受け取った場合に、故障モード信号に応じて、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在しないことを表す信号“侵入無し”を第2の受光信号として制御部4に送信する。ステップS16において、制御部4は、(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号および第2の受光信号“侵入無し”を受信した場合に、これらを含む情報を第2の監視結果情報として監視装置5に送信する。ステップS17において、監視装置5は、その第2の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する。この場合、第2の監視結果情報は、(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aに異常がなく、かつ、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在しないことを表している。
【0041】
一方、ステップS15において、(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bは、i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bから光線を受け取れない場合に、故障モード信号に応じて、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在することを表す信号“侵入有り”を第2の受光信号として制御部4に送信する。ステップS16において、制御部4は、(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号および第2の受光信号“侵入有り”を受信した場合に、これらを含む情報を第2の監視結果情報として監視装置5に送信する。ステップS17において、監視装置5は、その第2の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する。この場合、第2の監視結果情報は、(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aに異常がないが、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間から敷地10に侵入する人または物が存在することを表している。
【0042】
以上の説明により、本実施形態では、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aが故障したときに、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間、および、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間の監視が行われない事態が発生しないように、これらの監視区間から、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に自動的に移行する。このため、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間や、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に監視員を配置する必要がない。
【0043】
また、本実施形態では、制御部4が正常信号により各センサーの故障の有無を把握するため、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aが故障した場合でも、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間についてのセキュリティや安全性が確保される。
【0044】
したがって、本実施形態によれば、光センサーが故障等で停止しても監視区間の監視を自動的に継続することができる。
【0045】
なお、本実施形態において、制御部4は、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aから正常信号を受信できない場合について説明したが、これに限定されない。制御部4は、(i+1)番目のポール1の第1の送光用センサー2Aおよび第1の受光用センサー3Aとi番目のポール1の第1の送光用センサー2Aとの少なくとも1つのセンサーから正常信号を受信できない場合に、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aと(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aとに対して、通常モード信号の送信を停止し、i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bと(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bとに対して、故障モード信号を送信してもよい。
【0046】
また、本実施形態において、敷地10は、発電所等の施設や工場のような大きな面積を有し、かつ、塀や壁を乗り越えることにより侵入できるようなものを想定しているが(図1参照)、これに限定されない。敷地10は、屋外に限らず、建物内の特定領域でもよい。
【0047】
また、本実施形態において、ポール1は棒状のものを例にしているが(図3および図4参照)、これに限定されない。たとえば、敷地10が屋外である場合では、ポール1は、地面に取り付けられ、その面から伸びる突起物でもよい。たとえば、敷地10が建物内の特定領域である場合では、ポール1は、床面、天井の下面および壁面等のような面に取り付けられ、その面から伸びる突起物でもよい。
【0048】
また、本実施形態において、ポール1は敷地10の周囲に新たに設置されているが、これに限定されない。たとえば、敷地10が屋外である場合では、ポール1に送光部20および受光部30を設けることが可能であれば、ポール1は、敷地10の周囲に設けられた構造物や樹木でもよい。たとえば、敷地10が建物内の特定領域である場合では、ポール1に送光部20および受光部30を設けることが可能であれば、ポール1は、敷地10の周囲に設けられた柱や物でもよい。
【0049】
また、本実施形態において、送光部20および受光部30に使用される光として、赤外線等の不可視光線を例にしているが、これに限定されない。光は、不可視光線に限らず、直線性があれば、レーザーでもマイクロ波でも可視光線でもよい。たとえば、敷地10が建物内の特定領域である場合に、その建物では絵画が展示され、特定領域が絵画と通路との間の立ち入り禁止領域であるものとする。このような状況では、鑑賞者が絵画に触れないように注意を促すために、光が可視光線である場合も想定される。
【0050】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る侵入監視システムでは、第1実施形態に対して、監視員の判断等により監視装置5から監視区間を切り替えるための切替命令を制御部4に送ることが異なる。
【0051】
図12は、本発明の第2実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つとして、監視装置5から切替命令を制御部4に送るときの保守モード(故障モード)を示すフローチャートである。
【0052】
監視装置5は、(i+1)番目のポール1に対して保守を行う場合に、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間からi番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に切り替えるための切替命令を制御部4に送信する(ステップS21)。
【0053】
このとき、ステップS11において、制御部4は、切替命令に応じて、i番目のポール1の第1の送光用センサー2Aと(i+2)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aとに対して、通常モード信号の送信を停止し、i番目のポール1の第2の送光用センサー2Bと(i+2)番目のポール1の第2の受光用センサー3Bとに対して、故障モード信号を送信する。
【0054】
ステップS12以降の動作は第1実施形態と同じである。
【0055】
以上の説明により、本実施形態では、(i+1)番目のポール1の第1の受光用センサー3Aの保守点検を行うときに、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間、および、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間の監視が行われない事態が発生しないように、これらの監視区間から、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に自動的に移行する。このため、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間や、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に監視員を配置する必要がない。
【0056】
したがって、本実施形態によれば、光センサーが保守等で停止しても監視区間の監視を自動的に継続することができる。
【0057】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムでは、第1実施形態に対して、1番目から(m−1)番目のポール1の送光部20および2番目からm番目のポール1の受光部30の構成が異なる。
【0058】
図13は、本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムにおける送光部20の構成を示すブロック図である。1番目から(m−1)番目のポール1の送光部20は、送光用センサー2と、送光方向切替器6とを備えている。送光用センサー2は、赤外線等の光を発する光センサーである。この送光用センサー2は、自身が故障していないときに正常信号を送信する。送光方向切替器6は、送光用センサー2に接続され、送光用センサー2の位置および向きを調整可能である。
【0059】
図14は、本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムにおける受光部30の構成を示すブロック図である。2番目からm番目のポール1の受光部30は、受光用センサー3と、受光方向切替器7とを備えている。受光用センサー3は、送光用センサー2からの光を受け取る光センサーである。この受光用センサー3は、自身が故障していないときに正常信号を送信する。受光方向切替器7は、受光用センサー3に接続され、受光用センサー3の位置および向きを調整可能である。
【0060】
図15は、本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである通常モードにおいて、m個のポール1のうちのi番目{iは1≦i≦(m−2)を満たす整数}〜(i+2)番目のポール1を例にしたときの各センサーの位置および向きを示す平断面図である。図16は、図15の通常モードを示すフローチャートである。
【0061】
i番目〜(i+2)番目のポール1の送光用センサー2および受光用センサー3は、自身が故障していないときに正常信号を送信する(ステップS1〜S3)。
【0062】
制御部4は、i番目〜(i+2)番目のポール1の送光用センサー2および受光用センサー3からの正常信号に応じて、通常モード信号をi番目〜(i+2)番目のポール1の送光方向切替器6および受光方向切替器7に送信する(ステップS4)。
【0063】
このとき、i番目のポール1の送光方向切替器6および(i+1)番目のポール1の受光方向切替器7は、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1間で互いに向かい合うように、それぞれ通常モード信号に応じてi番目のポール1の送光用センサー2および(i+1)番目のポール1の受光用センサー3の位置および向きの少なくとも一方を調整する(ステップS31およびS32)。
【0064】
同時に、(i+1)番目のポール1の送光方向切替器6および(i+2)番目のポール1の受光方向切替器7は、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1間で互いに向かい合うように、それぞれ通常モード信号に応じて(i+1)番目のポール1の送光用センサー2および(i+2)番目のポール1の受光用センサー3の位置および向きの少なくとも一方を調整する(ステップS32およびS33)。
【0065】
i番目のポール1の送光用センサー2は、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3に向けて光線を発する(ステップS5)。このとき、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3は、i番目のポール1の送光用センサー2からの光線に応じて、第1の受光信号を制御部4に送信する(ステップS6)。
【0066】
制御部4は、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3から正常信号および第1の受光信号を受信した場合に、これらを含む情報を第1の監視結果情報として監視装置5に送信する(ステップS7)。監視装置5は、その第1の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する(ステップS8)。
【0067】
ここで、ステップS6〜S8の動作については、第1実施形態における第1の受光用センサー3Aを受光用センサー3に置き換える以外は第1実施形態と同じであり、また、第1の受光信号、第1の監視結果情報についても第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0068】
図17は、本発明の第3実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つである故障モードにおいて、m個のポール1のうちのi番目〜(i+2)番目のポール1を例にしたときの各センサーの位置および向きを示す平断面図である。図18は、図17の故障モードを示すフローチャートである。
【0069】
いま、(i+1)番目のポール1の受光部30は、自身が故障していて正常信号を送信できない状態にあるものとする。具体的には、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3が故障しているものとする。
【0070】
この場合、制御部4は、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3から正常信号を受信できない。このとき、制御部4は、(i+1)番目のポール1の送光方向切替器6および受光方向切替器7に対して、通常モード信号の送信を停止する。同時に、制御部4は、i番目のポール1の送光方向切替器6と(i+2)番目のポール1の受光方向切替器7とに対して、通常モード信号の送信を停止して、故障モード信号を送信する(ステップS11)。
【0071】
また、制御部4は、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間からi番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に切り替えたことを表す区間切替情報を監視装置5に送信する(ステップS12)。監視装置5は、その区間切替情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する(ステップS13)。
【0072】
i番目のポール1の送光方向切替器6および(i+2)番目のポール1の受光方向切替器7は、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1間で互いに向かい合うように、それぞれ故障モード信号に応じてi番目のポール1の送光用センサー2および(i+2)番目のポール1の受光用センサー3の位置および向きの少なくとも一方を調整する(ステップS41およびS42)。
【0073】
i番目のポール1の送光用センサー2は、(i+2)番目のポール1の受光用センサー3に向けて光線を発する(ステップS14)。このとき、(i+2)番目のポール1の受光用センサー3は、i番目のポール1の送光用センサー2からの光線に応じて、第2の受光信号を制御部4に送信する(ステップS15)。
【0074】
制御部4は、(i+2)番目のポール1の受光用センサー3から正常信号および第2の受光信号を受信した場合に、これらを含む情報を第2の監視結果情報として監視装置5に送信する(ステップS16)。監視装置5は、その第2の監視結果情報を表示装置に表示して監視員に通知する。または、スピーカーから音声により出力して監視員に通知する(ステップS17)。
【0075】
ここで、ステップS15〜S17の動作については、第1実施形態における第2の受光用センサー3Bを受光用センサー3に置き換える以外は第1実施形態と同じであり、また、第2の受光信号、第2の監視結果情報についても第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0076】
以上の説明により、本実施形態では、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3が故障したときに、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間、および、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間の監視が行われない事態が発生しないように、これらの監視区間から、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に自動的に移行する。このため、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間や、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に監視員を配置する必要がない。
【0077】
また、本実施形態では、制御部4が正常信号により各センサーの故障の有無を把握するため、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3が故障した場合でも、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間についてのセキュリティや安全性が確保される。
【0078】
したがって、本実施形態によれば、光センサーが故障等で停止しても監視区間の監視を自動的に継続することができる。
【0079】
なお、本実施形態において、制御部4は、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3から正常信号を受信できない場合について説明したが、これに限定されない。制御部4は、(i+1)番目のポール1の送光用センサー2および受光用センサー3の少なくとも1つのセンサーから正常信号を受信できない場合に、i番目のポール1の送光方向切替器6と(i+2)番目のポール1の受光方向切替器7とに対して、通常モード信号の送信を停止して、故障モード信号を送信してもよい。
【0080】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係る侵入監視システムでは、第3実施形態に対して、監視員の判断等により監視装置5から監視区間を切り替えるための切替命令を制御部4に送ることが異なる。
【0081】
図19は、本発明の第4実施形態に係る侵入監視システムの動作の1つとして、監視装置5から切替命令を制御部4に送るときの保守モード(故障モード)を示すフローチャートである。
【0082】
監視装置5は、(i+1)番目のポール1に対して保守を行う場合に、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間からi番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に切り替えるための切替命令を制御部4に送信する(ステップS21)。
【0083】
このとき、ステップS11において、制御部4は、切替命令に応じて、i番目のポール1の送光方向切替器6と(i+2)番目のポール1の受光方向切替器7とに対して、通常モード信号の送信を停止して、故障モード信号を送信する。
【0084】
ステップS12以降の動作は第3実施形態と同じである。
【0085】
以上の説明により、本実施形態では、(i+1)番目のポール1の受光用センサー3の保守点検を行うときに、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間、および、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間の監視が行われない事態が発生しないように、これらの監視区間から、i番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に自動的に移行する。このため、i番目のポール1と(i+1)番目のポール1との監視区間や、(i+1)番目のポール1と(i+2)番目のポール1との監視区間に監視員を配置する必要がない。
【0086】
したがって、本実施形態によれば、光センサーが保守等で停止しても監視区間の監視を自動的に継続することができる。
【0087】
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、また各実施形態の特徴を組み合わせることができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 … ポール
2 … 送光用センサー
2A … 第1の送光用センサー
2B … 第2の送光用センサー
3 … 受光用センサー
3A … 第1の受光用センサー
3B … 第2の受光用センサー
4 … 制御部
5 … 監視装置
6 … 送光方向切替器
7 … 受光方向切替器
8 … 信号経路
10 … 敷地
20 … 送光部
30 … 受光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷地の周囲に1番目からm番目(mは3以上の整数)まで順に離れて設置されたm個のポールのうちの1番目から(m−1)番目のポールに設けられ、自身が故障していないときに正常信号を送信する送光部と、
前記m個のポールのうちの2番目からm番目のポールに設けられ、自身が故障していないときに前記正常信号を送信する受光部と、
信号経路を介して前記送光部および前記受光部に接続された制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記送光部および前記受光部に対して、前記正常信号に応じて前記通常モード信号を送信し、
前記m個のポールのうちのi番目{iは1≦i≦(m−2)を満たす整数}のポールの前記送光部は、前記通常モード信号に応じて、前記m個のポールのうちの(i+1)番目のポールに向けて光線を発し、
前記(i+1)番目のポールの前記受光部は、前記i番目のポールの前記送光部からの光線と、前記通常モード信号とに応じて、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在するか否かを表す第1の受光信号を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記(i+1)番目のポールの前記受光部から前記正常信号を受信できない場合に、前記i番目のポールと前記m個のポールのうちの(i+2)番目のポールとに対して、前記通常モード信号の送信を停止して、故障モード信号を送信し、
前記i番目のポールの前記送光部は、前記故障モード信号に応じて、前記(i+2)番目のポールに向けて光線を発し、
前記(i+2)番目のポールの前記受光部は、前記i番目のポールの前記送光部からの光線と、前記故障モード信号とに応じて、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在するか否かを表す第2の受光信号を前記制御部に送信する、
ことを特徴とする侵入監視システム。
【請求項2】
前記(i+1)番目のポールの前記受光部は、
前記i番目のポールの前記送光部から光線を受け取った場合に、前記通常モード信号に応じて、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在しないことを表す信号を前記第1の受光信号として前記制御部に送信し、
前記i番目のポールの前記送光部から光線を受け取れない場合に、前記通常モード信号に応じて、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在することを表す信号を前記第1の受光信号として前記制御部に送信し、
前記(i+2)番目のポールの前記受光部は、
前記i番目のポールの前記送光部から光線を受け取った場合に、前記故障モード信号に応じて、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在しないことを表す信号を前記第2の受光信号として前記制御部に送信し、
前記i番目のポールの前記送光部から光線を受け取れない場合に、前記故障モード信号に応じて、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在することを表す信号を前記第2の受光信号として前記制御部に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の侵入監視システム。
【請求項3】
前記送光部は、
自身が故障していないときに前記正常信号を送信する第1の送光用センサーと、
前記第1の送光用センサーの予備のセンサーである第2の送光用センサーと、
を備え、
前記受光部は、
自身が故障していないときに前記正常信号を送信する第1の受光用センサーと、
前記第1の受光用センサーの予備のセンサーである第2の受光用センサーと、
を備え、
前記i番目のポールの前記第1の送光用センサーおよび前記(i+1)番目のポールの前記第1の受光用センサーは互いに向かい合うように調整され、
前記(i+1)番目のポールの前記第1の送光用センサーおよび前記(i+2)番目のポールの前記第1の受光用センサーは互いに向かい合うように調整され、
前記i番目のポールの前記第2の送光用センサーおよび前記(i+2)番目のポールの前記第2の受光用センサーは互いに向かい合うように調整され、
前記制御部は、前記第1の送光用センサーと前記第1の受光用センサーからの前記正常信号に応じて、前記通常モード信号を前記第1の送光用センサーおよび前記第1の受光用センサーに送信し、
前記i番目のポールの前記第1の送光用センサーは、前記通常モード信号に応じて、前記(i+1)番目のポールの前記第1の受光用センサーに向けて光線を発し、
前記(i+1)番目のポールの前記第1の受光用センサーは、前記i番目のポールの前記第1の送光用センサーからの光線と、前記通常モード信号とに応じて、前記第1の受光信号を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記(i+1)番目のポールの前記第1の受光用センサーから前記正常信号を受信できない場合に、前記i番目のポールの前記第1の送光用センサーと前記(i+2)番目のポールの前記第1の受光用センサーとに対して、前記通常モード信号の送信を停止し、前記i番目のポールの前記第2の送光用センサーと前記(i+2)番目のポールの前記第2の受光用センサーとに対して、前記故障モード信号を送信し、
前記i番目のポールの前記第2の送光用センサーは、前記故障モード信号に応じて、前記(i+2)番目のポールの前記第2の受光用センサーに向けて光線を発し、
前記(i+2)番目のポールの前記第2の受光用センサーは、前記i番目のポールの前記第2の送光用センサーからの光線と、前記故障モード信号とに応じて、前記第2の受光信号を前記制御部に送信する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の侵入監視システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記(i+1)番目のポールの前記第1の受光用センサーと前記(i+1)番目のポールの前記第1の送光用センサーと前記i番目のポールの前記第1の送光用センサーとの少なくとも1つのセンサーから前記正常信号を受信できない場合に、前記i番目のポールの前記第1の送光用センサーと前記(i+2)番目のポールの前記第1の受光用センサーとに対して、前記通常モード信号の送信を停止し、前記i番目のポールの前記第2の送光用センサーと前記(i+2)番目のポールの前記第2の受光用センサーとに対して、前記故障モード信号を送信する、
ことを特徴とする請求項3に記載の侵入監視システム。
【請求項5】
前記第1の送光用センサー、前記第2の送光用センサー、前記第1の受光用センサーおよび前記第2の受光用センサーの位置および向きは予めに調整され、
前記i番目のポールの前記第1の送光用センサーおよび前記(i+1)番目のポールの前記第1の受光用センサーは互いに向かい合うように位置および向きの少なくとも一方が調整され、
前記(i+1)番目のポールの前記第1の送光用センサーおよび前記(i+2)番目のポールの前記第1の受光用センサーは互いに向かい合うように位置および向きの少なくとも一方が調整され、
前記i番目のポールの前記第2の送光用センサーおよび前記(i+2)番目のポールの前記第2の受光用センサーは互いに向かい合うように位置および向きの少なくとも一方が調整されている、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の侵入監視システム。
【請求項6】
前記送光部は、
自身が故障していないときに前記正常信号を送信する送光用センサーと、
前記送光用センサーに接続された送光方向切替器と、
を備え、
前記受光部は、
自身が故障していないときに前記正常信号を送信する受光用センサーと、
前記受光用センサーに接続された受光方向切替器と、
を備え、
前記制御部は、前記送光用センサーおよび前記受光用センサーからの前記正常信号に応じて、前記通常モード信号を前記送光方向切替器および前記受光方向切替器に送信し、
前記i番目のポールの前記送光方向切替器および前記(i+1)番目のポールの前記受光方向切替器は、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポール間で互いに向かい合うように、それぞれ前記通常モード信号に応じて前記i番目のポールの前記送光用センサーおよび前記(i+1)番目のポールの前記受光用センサーを調整し、
前記i番目のポールの前記送光用センサーは、前記(i+1)番目のポールの前記受光用センサーに向けて光線を発し、
前記(i+1)番目のポールの前記受光用センサーは、前記i番目のポールの前記送光用センサーからの光線に応じて、前記第1の受光信号を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記(i+1)番目のポールの前記受光用センサーから前記正常信号を受信できない場合に、前記i番目のポールの前記送光方向切替器と前記(i+2)番目のポールの前記受光方向切替器とに対して、前記通常モード信号の送信を停止して、前記故障モード信号を送信し、
前記i番目のポールの前記送光方向切替器および前記(i+2)番目のポールの前記受光方向切替器は、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポール間で互いに向かい合うように、それぞれ前記故障モード信号に応じて前記i番目のポールの前記送光用センサーおよび前記(i+2)番目のポールの前記受光用センサーを調整し、
前記i番目のポールの前記送光用センサーは、前記(i+2)番目のポールの前記受光用センサーに向けて光線を発し、
前記(i+2)番目のポールの前記受光用センサーは、前記i番目のポールの前記送光用センサーからの光線に応じて、前記第2の受光信号を前記制御部に送信する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の侵入監視システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記(i+1)番目のポールの前記受光用センサーと前記(i+1)番目のポールの前記送光用センサーとの少なくとも1つのセンサーから前記正常信号を受信できない場合に、前記i番目のポールの前記送光方向切替器と前記(i+2)番目のポールの前記受光方向切替器とに対して、前記通常モード信号の送信を停止して、前記故障モード信号を送信する、
ことを特徴とする請求項6に記載の侵入監視システム。
【請求項8】
前記送光方向切替器は、前記送光用センサーの位置および向きを調整可能であり、
前記受光方向切替器は、前記受光用センサーの位置および向きを調整可能であり、
前記i番目のポールの前記送光方向切替器および前記(i+1)番目のポールの前記受光方向切替器は、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポール間で互いに向かい合うように、それぞれ前記通常モード信号に応じて前記i番目のポールの前記送光用センサーおよび前記(i+1)番目のポールの前記受光用センサーの位置および向きの少なくとも一方を調整し、
前記i番目のポールの前記送光方向切替器および前記(i+2)番目のポールの前記受光方向切替器は、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポール間で互いに向かい合うように、それぞれ前記故障モード信号に応じて前記i番目のポールの前記送光用センサーおよび前記(i+2)番目のポールの前記受光用センサーの位置および向きの少なくとも一方を調整する、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の侵入監視システム。
【請求項9】
前記制御部から送信される信号に基づいて、前記m個のポールのうちの2つのポールの間から前記敷地に侵入する人または物を監視する監視装置、
をさらに具備し、
前記制御部は、
前記(i+1)番目のポールの前記受光部から前記正常信号および前記第1の受光信号を受信した場合に、前記(i+1)番目のポールの前記受光部に異常がなく、かつ、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在するか否かを表す第1の監視結果情報を前記監視装置に送信し、
前記(i+1)番目のポールの前記受光部から前記正常信号を受信できない場合に、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとに対して、前記通常モード信号の送信を停止し、前記故障モード信号を送信するとともに、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポールとの監視区間から前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとの監視区間に切り替えたことを表す区間切替情報を前記監視装置に送信し、
前記(i+2)番目のポールの前記受光部から前記正常信号および前記第2の受光信号を受信した場合に、前記(i+2)番目のポールの前記受光部に異常がなく、かつ、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとの監視区間から前記敷地に侵入する人または物が存在するか否かを表す第2の監視結果情報を前記監視装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の侵入監視システム。
【請求項10】
前記監視装置は、前記(i+1)番目のポールに対して保守を行う場合に、前記i番目のポールと前記(i+1)番目のポールとの監視区間から前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとの監視区間に切り替えるための切替命令を前記制御部に送信し、
前記制御部は、前記切替命令に応じて、前記i番目のポールと前記(i+2)番目のポールとに対して、前記通常モード信号の送信を停止し、前記故障モード信号を送信する、
ことを特徴とする請求項9に記載の侵入監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−37610(P2013−37610A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174766(P2011−174766)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】