説明

便座装置及びトイレ装置

【課題】 便蓋や便座の開閉状態にかかわらず、ひとつの人体検知センサにより使用者の存在を検知可能とした便座装置及びこれを備えたトイレ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 便器に付設される便座装置であって、ロータンクを内蔵するケースと、前記ケースの上に設けられるケース蓋と、少なくともその一部が前記ケースの前面の側部において前記ケースの上端よりも上方に突出して設けられ、使用者を検知する検知用赤外線を放出する投光部と、前記検知用赤外線の反射波を検出する受光部と、を有する人体検知センサユニットと、前記ケースの前記前面の下方に回動可能に付設された便座と、前記ケースの前記前面の下方に回動可能に付設された便蓋と、を備え、前記便座及び前記便蓋が全開の状態において、前記検知用赤外線が前記便座及び前記便蓋により実質的に干渉されないことを特徴とする便座装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座装置及びトイレ装置に関し、より詳細には、水洗便器に取り付けられるロータンクと人体検知センサとを備えた便座装置及びトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水洗式の腰掛便器は、便蓋や便座の自動開閉や、便器への洗浄水の自動供給などの高機能化が進んでいる。これらの自動機能を実現するためには、使用者の存在や状態を検知する人体検知センサが必要である。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている便器洗浄装置の場合、ロータンクの上方に第1の人体検知センサが設けられ、さらに、便座を開くと露出する位置に第2の人体検知センサが設けられている。男性が立ったままの状態で便器を使用する場合には、この第2の人体検知センサにより便器の自動洗浄が実行される。
【特許文献1】特開2002−339430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この便器洗浄装置の場合、ロータンクの上方に設けられた第1の人体検知センサは、検知用の赤外線が便蓋に干渉するなどの理由により、便蓋が開かれた状態において人体を確実に検知することが困難であった。そのために、2つの人体検知センサが搭載されている。しかし、2つの人体検知センサを搭載すると、コストが上がり、また人体検知の制御フローが複雑化するという点でも改善の余地があった。
【0005】
本発明は、便蓋や便座の開閉状態にかかわらず、ひとつの人体検知センサにより使用者の存在を検知可能とした便座装置及びこれを備えたトイレ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
便器に付設される便座装置であって、
ロータンクを内蔵するケースと、
前記ケースの上に設けられるケース蓋と、
少なくともその一部が前記ケースの前面の側部において前記ケースの上端よりも上方に突出して設けられ、使用者を検知する検知用赤外線を放出する投光部と、前記検知用赤外線の反射波を検出する受光部と、を有する人体検知センサユニットと、
前記ケースの前記前面の下方に回動可能に付設された便座と、
前記ケースの前記前面の下方に回動可能に付設された便蓋と、
を備え、
前記便座及び前記便蓋が全開の状態において、前記検知用赤外線が前記便座及び前記便蓋により実質的に干渉されないことを特徴とする便座装置が提供される。
【0007】
上記構成によれば、便蓋や便座の開閉状態にかかわらず、ひとつの人体検知センサにより使用者の存在を検知が可能となる。また、コストも低くなり、制御も容易で誤動作も防ぐことができる。さらに、人体検知センサの黒窓もひとつになり、外観もすっきりとして見栄えもよい便座装置を提供できる。
【0008】
ここで、前記ケース蓋は、前面から上面にいたる湾曲面を有し、前記人体検知センサユニットの少なくとも上部は、前記湾曲面と連続する湾曲部を有し、前記湾曲部の中に、略上方に向けてリモコン受光部が設けられたものとすれば、トイレ室の天井などにより反射されて伝搬するリモコンの反射赤外線を確実に検出できる。人体検知センサユニットの少なくとも上部を湾曲部とすることにより、埃や水垢などの蓄積を抑制でき、長期間に亘り安定的にリモコンからの信号を受信できる。またさらに、リモコンからの信号の受光部と人体検知センサとをひとつの人体検知センサユニットにまとめると、外観もすっきりとし見栄えがよく、またコストも下げることができる。
【0009】
また、前記投光部は、前記リモコン受光部よりも下側に設けられ、前記検知用赤外線の放出方向と、前記リモコン受光部の検知範囲と、が実質的に重複しないものとすれば、信号の干渉による誤検出や誤動作を防ぐことができる。つまり、投光部から放出される検知用赤外線やその反射波は、リモコン受光部には入射しにくくなる。同様に、リモコンから送信される赤外線やその反射波も、人体検知センサの受光部には入射しにくくなる。その結果として、人体検知センサとリモコン受光部の誤検出を抑制し、これら誤検出に起因する誤動作を防ぐことができる。
【0010】
また、前記検知用赤外線は、前記便器の中心線に向けて水平方向に傾けて放出されるものとすれば、便器に接近するすべての使用者を確実に検知することができる。
【0011】
また、前記受光部は、前記投光部の下に設けられたものとすれば、投光部と受光部とを縦方向に配置することにより、人体検知センサユニットの横幅をスリムにでき、外観をすっきりと見栄えよくできる。
また、前記人体検知センサユニットの下方の前記ケース内の空間に発熱要素が設けられ、前記発熱要素から放出される熱により、前記人体検知センサユニットが加温されるものとすれば、下方から上昇する熱によって人体検知センサユニットを適度に加温し、結露を防止できる。
【0012】
また、前記ケース蓋の前面には係合凹部が設けられ、前記ケースの上端から上方に突出した前記人体検知センサユニットの前記突出した部分を前記係合凹部に係合させることにより、前記ケース蓋の位置決めが可能とされたものとすれば、ズレやガタなどを防ぎつつ、ケース蓋を容易に設置できる。その結果として、人体検知センサユニットは、ケース蓋と一体化し、外観がすっきりとし見栄えのよい便座装置を確実に組み立てることができる。
【0013】
また、前記ケースの下方に設けられ、前記便座に座った使用者を検知する着座センサをさらに備えたものとすれば、人体検知センサによる検知情報と着座センサによる検知情報とを組み合わせることにより、使用者の状態や使用方法などを確実に判定でき、多様な自動動作のうちの最適なものを確実に実行させることができる。
【0014】
また、前記便蓋及び前記便座の少なくともいずれかをモータにより開閉する開閉装置をさらに備え、前記人体検知センサユニットからの信号に基づいて前記開閉装置を動作させるものすれば、使用者の状態や使用方法に応じて、便蓋や便座の開閉状態を最も適した状態に制御し、使い勝手のよいトイレを提供できる。
【0015】
また、前記ロータンクに貯留された水を前記便器に供給する自動洗浄装置をさらに備え、前記人体検知センサユニットからの信号に基づいて前記自動洗浄装置を動作させるものとすれば、使用者の状態や使用方法に応じて、最適な水量の洗浄水を流すことができ、使い勝手がよいと同時に、高い節水効果も得られる。
【0016】
一方、本発明の他の一態様によれば、便器と、前記便器に付設される上記いずれかの便座装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置が提供される。
上記構成によれば、便蓋や便座の開閉状態にかかわらず、ひとつの人体検知センサにより使用者の存在を検知が可能となる。また、コストも低くなり、制御も容易で誤動作も防ぐことができる。さらに、人体検知センサの黒窓もひとつになり、外観もすっきりとして見栄えもよいトイレ装置を提供できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、便蓋や便座の開閉状態にかかわらず、ひとつの人体検知センサにより使用者の存在を検知が可能な便座装置及びトイレ装置を提供できる。また、コストも低くなり、制御も容易で誤動作も防ぐことができる。さらに、人体検知センサの黒窓もひとつになり、外観もすっきりとして見栄えもよい便座装置及びトイレ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかるトイレ装置の外観を例示する模式図である。
【0019】
すなわち、本実施形態のトイレ装置は、水洗便器300と、その上部後方に設置された便座装置200と、を備える。便座装置200は、ロータンクが内蔵されたケース210と、その上部に設けられたケース蓋220と、ケース210の側部上端に設けられた人体検知センサユニット230と、を備えている。
【0020】
ケース210の前面(使用者に対向する面)の下方には便蓋400が回動可能に付設され、さらにその下には便座(図4参照)が回動可能に付設されている。また、ケース210の内部には、図示しない局部温水洗浄装置(商標名「ウォシュレット」などとして普及している)を内蔵させてもよい。
【0021】
また、トイレ室の壁面などにリモコン500を設置し、使用者がこのリモコン500を操作することにより、便蓋400の開閉動作、便器300の水洗洗浄動作、局部温水洗浄装置による局部洗浄動作などを実行可能とすることもできる。
【0022】
便座装置200のケース蓋220は、その前面(使用者に対向する面)から上面にいたる湾曲面220Aを有する。後に詳述するように、本発明においては、ケース蓋220に、手洗い用のスパウトと手洗い鉢を設けてもよい。その場合も、ケース蓋220の前面には湾曲面220Aが設けられる。
【0023】
そして、人体検知センサユニット230は、ケース210の上端よりも上方に突出して設けられ、その前面は、ケース蓋220の湾曲面220Aと連続的して一体的な湾曲表面を構成する湾曲部を有する。一方、人体検知センサユニット230の下には、表示部212が設けられている。この表示部212には、例えば、図2に例示した如く、ひとつあるいは複数のLEDなどの表示灯214が設けられ、便座装置200の動作状態や設定状態などを適宜表示可能としている。
【0024】
この便座装置は、内蔵するロータンクから水洗便器300に洗浄水を流すことができる。また、人体検知センサユニット230により使用者を検知して、便蓋400や便座を自動的に開閉させることができる。またさらに、人体検知センサユニット230により使用者を検知して、便器300に適量の洗浄水を最適なタイミングで自動的に流すことも可能である。
【0025】
そして、本実施形態によれば、人体検知センサユニット230をケース210の側部上端に突出させて設けることにより、便蓋400が開状態にある時も、閉状態にある時も、便器300の前にいる使用者を連続的に確実に検知することができる。
【0026】
図3及び図4は、便器300の前に立つ使用者を検知する動作を説明するための概念図である。
すなわち、これらの図面に表したように、人体検知センサユニット230からは検知用赤外線700が放射される。そして、図3に表したように、便蓋400が閉まった状態において、使用者900が便器300の前に立つと、検知用赤外線700が使用者900により反射され、その反射光が人体検知センサユニット230により検出されて使用者900を検知することができる。
【0027】
また、図4に表したように便蓋400や便座420が開いた状態においても、検知用赤外線700はこれら便蓋400や便座420に遮られることなく照射され、使用者900からの反射光も、これら便蓋400や便座420に遮られることなく人体検知センサユニット230により検出される。これは、人体検知センサユニット230をケース210の上方の中央ではなく、側部に設置したからである。
【0028】
つまり、仮に人体検知センサユニット230をケース210の上方に設置したとしても、ケース210の中央に設置したのでは、便蓋400や便座420が開いた時にこれらの干渉を受け、検知用赤外線700やその反射光が遮られてしまう。この問題を回避するためには、人体検知センサユニット230の取り付け位置をさらに高くしなければならない。このためには、ケース210の高さを高くする必要がある。
【0029】
しかし、ケース210の高さを高くすると、圧迫感が生じ、見栄えも悪く、限られたトイレ空間が狭くなるという問題が生ずる。また、ケース210を高くすると、ケース蓋220に手洗い鉢を設けた場合に、手洗い高さが高くなるため使い勝手が悪くなるという問題も生ずる。
【0030】
これに対して、本実施形態によれば、人体検知センサユニット230をケースの上方、かつ中央部ではなく側部において上方に突出させて設けることにより、ケース210の高さを低く抑えつつ、ひとつのセンサで、便蓋400や便座420の開閉状態に関わらず、使用者900を確実かつ安定的に検出することができる。このため、特許文献1に開示されている便器洗浄装置のように、複数の人体検知センサを設けてこれらを使い分ける必要がない。複数のセンサを切り替えて使用する場合、コストが高くなるばかりでなく、制御が複雑化し、誤動作が生ずる可能性も高くなる。
【0031】
これに対して、本実施形態によれば、ひとつの人体検知センサユニット230により使用者900を連続的かつ確実に検知でき、コストも低くなり、制御も容易で誤動作も防ぐことができる。また、人体検知センサのフィルタを構成する黒窓もひとつになり、外観もすっきりとして見栄えもよい。
【0032】
なお、図1乃至図4においては、人体検知センサユニット230をケース210の向かって左側部に配置した具体例を表したが、これとは反対に右側部に配置してもよい。
また一方、図4に表したように、ケース210の前面下方に着座センサ240を設けてもよい。この着座センサ240は、便座420に座った使用者900を検知し、例えば、脱臭装置(図示せず)を自動的に動作させたり、局部温水洗浄装置の動作を許可するトリガ信号を形成するために用いることができる。
【0033】
図5及び図6は、本実施形態における人体検知センサユニット230の検知方向をさらに具体的に説明するための概念図である。
すなわち、本発明者は、トイレ室のサイズや便器の配置、あるいはトイレ室における使用者の動きなどについて検討した。すなわち、検出感度が低すぎると、使用者が便器に接近しても所定の自動動作が実行されず、使い勝手が悪い。一方、遠くの人体まで検出すると、誤検知や不要な自動動作が増えてしまう。
【0034】
これらの観点から検討した結果、便器300の正面においてその先端から300ミリメータ以内の範囲に使用者が接近した時に、その存在を検知できるようにするとよいことが判明した。
【0035】
このためには、ケース200を現行の標準的なサイズとした場合に、人体検知センサユニット230から放出される検知用赤外線700は、便器300の中心線Cに向けて水平方向に約11度傾け、垂直方向には殆ど傾けずに放射させるとよい。また、後に詳述するように、検知用赤外線700のビーム広がり角度は、約4度と比較的狭くするとよい。このようにすると、便器300の前にいる使用者900を確実かつ安定的に検知できる。
【0036】
この検知条件においては、便器300の正面でその先端Y1から約300乃至100ミリメータの距離の位置Y2に使用者900が立った時に、平均的な3才児の頭部にあたる位置に検知用赤外線700が照射される。一般的に、腰掛便器を一人で使用できるようになるのは3才からであり、図5及び図6に例示した検知条件によれば、このような幼児から大人まで、便器300に接近するすべての使用者を確実に検知することができる。
【0037】
本発明によれば、このようにひとつの人体検知センサで使用者を確実に検知することができ、この検知情報に基づいて、便蓋400の自動開閉動作や、便器300の自動洗浄などの自動動作を実行させることができる。
図7及び図8は、便蓋400や便座の自動開閉動作を例示する模式図である。
すなわち、図7は、使用者900が便器300に腰掛けて使用する場合を表す。
この場合、図7(a)に表したように、まず便器300に使用者900が接近すると、検知用赤外線700の検知範囲(例えば、便器300の先端から約300ミリメータ以内)において検知され、便蓋400が矢印Aで表した方向に自動的に開く(オート開動作)。なお、便蓋400が開いた状態においても、図1乃至図6に関して前述したように、人体検知センサユニット230により使用者の検知は安定して続行される。
【0038】
そして、図7(b)に表したように、使用者900が便座420に座ると、着座センサ240(図4参照)からの検知用赤外線720により着座したことが検知される。またこの時、人体検知センサユニット230からの検知用赤外線700によっても使用者900が検知されている。このように使用者900が便座420に着座した状態を検知したら、所定の動作を開始させることができる。例えば、着座を検知して、脱臭装置を動作させることができる。また、所定の時間(例えば、6秒間)、連続的な着座を検知したら、「オート閉モード(使用者900が便器300を離れると、便蓋400が自動的に閉じる動作モード)」を許可するようにしてもよい。
【0039】
使用者900が便器300を使用した後に便座420から立ち上がると、着座センサ240の検知用赤外線720による検知範囲外となる。この時に、例えば、脱臭装置の風量を一時的に増大させてもよい。そしてさらに、図7(c)に表したように使用者900が便器300から離れると、人体検知センサユニット230からの検知用赤外線700による検知範囲外(例えば、便器300の先端から約300ミリメータ)となる。このように、人体検知センサユニット230と着座センサ240がいずれも非検知となり所定時間(例えば、90秒)が経過したら、図7(d)に表したように、便蓋400が矢印Bの方向に自動的に閉じる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、ひとつの人体検知センサユニット230とひとつの着座センサ240とにより、使用者900の存在や、着座状態を確実かつ安定的に検知し、各種の自動動作を確実に実行させることができる。
【0041】
なお、例えば、使用者900が便蓋400を手動またはリモコン500(図1参照)で閉めた場合には、その後、人体検知センサユニット230により所定時間(例えば、10秒間)の間、連続的に非検知とならないとオート開動作は実行しないようにしてもよい。このようにすれば、使用者900の意思によって、便蓋400を閉状態に維持できる。
【0042】
また、図7(b)に表した状態において「オート閉モード」が許可されなかった場合でも、人体検知センサユニット230と着座センサ240がいずれも連続して所定の時間(例えば、5分間)の間、非検知状態の場合には、自動的に便蓋400を閉じるようにしてもよい。
【0043】
また、図7(a)に表したように人体検知センサユニット230が使用者900を検知した時に、便蓋400のみならず便座420も同時に自動的に開かれるようにしてもよい。この場合、使用者900が便座420に腰掛ける時には、手動またはリモコン500で便座420をおろせばよい。なお、「オート開動作」に際して、便蓋400のみが開くか、それとも、便蓋400と便座420を開くか、は、例えば、リモコン500などにより設定変更が可能である。
【0044】
次に、図8は、男性が立った状態で便座420を使用する場合を表す。
この場合も、図8(a)に表したように、まず便器300に使用者900が接近すると、検知用赤外線700の検知範囲において検知され、便蓋400が矢印Aで表した方向に自動的に開く(オート開動作)。なお、この時に、前述した如く便座420も同時に開くようにしてもよい。
【0045】
次に、図8(b)に表したように、使用者900は必要に応じて、手動またはリモコン500により便座420を矢印Bの方向に上げる。なお、このように便蓋400や便座420が開いた状態においても、人体検知センサユニット230により使用者900を確実に検知できる。また、この場合、使用者900は、着座センサ240の検知用赤外線720からは検知範囲外にいる。
【0046】
そして、図8(c)に表したように使用者900が便器300の前に立ち続け、所定の時間(例えば、6秒間)、人体検知センサユニット230により連続的に検知したら、「オート閉モード」を許可するようにしてもよい。
【0047】
使用者900が便器300を使用した後に、図8(d)に表したように、便器300から離れると、人体検知センサユニット230からの検知用赤外線700による検知範囲外(例えば、便器300の先端から約300ミリメータ)となる。このように、人体検知センサユニット230と着座センサ240がいずれも非検知となり所定時間(例えば、90秒)が経過したら、図8(e)に表したように、便蓋400が矢印Cの方向に自動的に閉じる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態によれば、ひとつの人体検知センサユニット230により、男性の使用者900の小用動作も確実かつ安定的に検知し、各種の自動動作を確実に実行させることができる。
【0049】
次に、便器300の自動洗浄について説明する。
図9及び図10は、便器300の自動洗浄動作を例示する模式図である。
すなわち、図9は、使用者900が便器300に腰掛けて使用する場合を表す。
この場合も、図9(a)に表したように、まず便器300に使用者900が接近すると、検知用赤外線700の検知範囲(例えば、便器300の先端から約300ミリメータ以内)において検知される。ここで、図7及び図8に関して前述したように便蓋400を自動的に開いてもよい。
【0050】
そして、図9(b)に表したように、使用者900が便座420に座ると、着座センサ240(図4参照)からの検知用赤外線720により着座したことが検知される。またこの時、人体検知センサユニット230からの検知用赤外線700によっても使用者900が検知されている。着座を検知したら、脱臭装置を動作させるようにもしてよい。そして、所定の時間、連続的な着座を検知したら、「自動洗浄モード(使用者900が便器300を離れると、便器300に自動的に洗浄水を流す動作モード)」を許可するようにしてもよい。
【0051】
使用者900が便器300を使用した後に便座420から立ち上がると、着座センサ240の検知用赤外線720による検知範囲外となる。この時に、例えば、脱臭装置の風量を一時的に増大させてもよい。そしてさらに、図7(c)に表したように使用者900が便器300から離れると、人体検知センサユニット230からの検知用赤外線700による検知範囲外(例えば、便器300の先端から約300ミリメータ)となる。
【0052】
この時、例えば、着座センサ240が非検知となり所定時間(例えば、5秒間)が経過したか、または、人体検知センサユニット230と着座センサ240がいずれも非検知となり所定時間が経過したら、図9(d)に表したように、ケース210内のロータンクから便器300に洗浄水Bが自動的に供給され、水洗洗浄される。また、この際に、着座センサ240により検知した着座時間が所定時間(例えば、30秒間)以上であれば「大洗浄(流水量が多い)」を実行し、所定時間以下であれば「小洗浄(流水量が少ない)」を実行するようにしてもよい。例えば、「大洗浄」として8リッター、「小洗浄」として6リッターをそれぞれ流すことができる。このように流水量を切り替えれば、節水できる。
【0053】
次に、図10は、男性が立った状態で便座420を使用する場合を表す。
この場合も、図10(a)に表したように、まず便器300に使用者900が接近すると、検知用赤外線700の検知範囲において検知される。この時、図8(a)に関して前述したように、便蓋400(あるいは、便蓋400と便座420)を矢印Aで表した方向に自動的に開いてもよい。
【0054】
次に、図10(b)に表したように、使用者900は必要に応じて、手動またはリモコン500により便座420を矢印Bの方向に上げる。この時、使用者900は、人体検知センサユニット230により検知されているが、着座センサ240からは検知範囲外にいる。
【0055】
そして、図10(c)に表したように使用者900が便器300の前に立ち続け、所定の時間(例えば、6秒間)、人体検知センサユニット230により連続的に検知したら、「自動洗浄モード」を許可するようにしてもよい。
【0056】
使用者900が便器300を使用した後に、図10(d)に表したように、便器300から離れると、人体検知センサユニット230からの検知用赤外線700による検知範囲外となる。このように、人体検知センサユニット230が非検知となり所定時間(例えば、3秒)が経過したら、図10(e)に表したように、ケース210内のロータンクから便器300に洗浄水Cが自動的に供給され、水洗洗浄される。この際には、流水量が相対的に小さい「小洗浄」を実行する。男子小用の「小洗浄」の流水量は、例えば4.5リッター程度とすることができる。
【0057】
なお、図9及び図10に関して前述したいずれの場合も、不要な自動洗浄を防ぐため、上述のプロセスにより自動洗浄が実行された場合や、使用者900がリモコン500などを操作して洗浄した場合は、その後の所定時間(例えば、60秒間)は自動洗浄をしないように設定してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、ひとつの人体検知センサユニット230により、便座420に着座した場合も、男性の使用者900の小用動作も、確実かつ安定的に検知し、所定の洗浄動作を確実に実行させることができる。
【0058】
特に、男性の使用者900が立った状態で使用する場合、特許文献1に記載された便器洗浄装置においては、便蓋が閉じた状態では第1の人体検知センサにより検知し、便蓋が開かれると第2の人体検知センサにより検知する。しかし、このように複数のセンサを切り替えて使用すると、便蓋や便座を開くタイミングや使用者の姿勢などによっては、これらセンサによる検知に空白時間が生ずるおそれもある。つまり、使用者がいずれのセンサにも検知されない瞬間が生じ、その後の自動動作に支障が生ずるおそれもある。
これに対して、本実施形態によれば、ひとつの人体検知センサユニット230により連続的かつ安定的に使用者900を検知でき、所定の自動動作を確実に実行させることができる。また、人体検知センサユニット230と着座センサ240とにより使用者900の状態を検知し、水洗洗浄の流水量を、男女の「大洗浄(8リッター)」、女性の「小洗浄(6リッター)」、男性の「小洗浄(4.5リッター)」とこまめに切り替えると、洗浄効果を低下させずに、高い効率の節水効果が得られる。
【0059】
一方、本実施形態によれば、人体検知センサユニット230に、リモコン500からの信号の受光部も内蔵させることができる。
【0060】
図11は、リモコン500からの信号の経路を説明するための概念図である。
すなわち、リモコン500からは、赤外線による制御信号が送信される。この制御信号は、矢印Tで表したように、通常は上方すなわちトイレ室の天井に向けて送信される。そして、便座装置200は、矢印Rで表したように、その反射波を受信する。リモコン500から便座装置200に向けて赤外線が直接、送信されないのは、使用者などにより遮られる場合が多く、また、人体検知センサに干渉するおそれがあるからである。
【0061】
矢印Rで表したように、トイレ室の天井などで反射された赤外線を確実に受信するためには、受光部が上方を向いていることが望ましい。これに対して、本実施形態によれば、ケース蓋220の前面に湾曲面220Aを設け、人体検知センサユニット230の少なくとも上部をこの湾曲面220Aと一体的に連続する湾曲部とし、この部分にリモコン用の受光素子を上向きに内蔵させることにより、上方から伝搬する反射赤外線を確実に検出できる。
【0062】
また、人体検知センサユニット230の少なくとも上部を湾曲部とすることにより、埃や水垢などの蓄積を抑制できる。すなわち、人体検知センサユニット230の上部を仮に水平面とすると、埃や水などが堆積しやすく、これにより受光窓の透過率が低下して受光感度が経年的に低下するおそれもある。これに対して、本実施形態によれば、人体検知センサユニット230の上部を湾曲部とすることにより、埃や水垢の蓄積を抑制して、長期間に亘り安定的にリモコン500からの信号を受信できる。
【0063】
また、このようにリモコンからの信号の受光部と人体検知センサとをひとつの人体検知センサユニット230にまとめると、外観もすっきりとし見栄えがよく、またコストも下げることができる。
【0064】
以下、本実施形態における人体検知センサユニット230の内部構造について、具体例を参照しつつ説明する。
図12は、人体検知センサユニット230を斜め正面から眺めた模式図である。
また、図13は、人体検知センサユニット230を斜め後方から眺めた模式図である。
また、図14は、人体検知センサユニット230のフィルタケース231を外した状態を表す模式図である。
また、図15は、人体検知センサユニット230の断面構造を表す模式図である。
また、図16及び図17は、人体検知センサユニット230の組立図である。
【0065】
すなわち、人体検知センサユニット230は、フィルタケース231の中に、人体検知センサ232と、リモコン受光素子238とを内蔵している。フィルタケース231は、赤外線を透過させ可視光は遮る光学特性を有する。人体検知センサ232は、投光部233と受光部235とが上下に配置された構造を有する。投光部233には赤外線発光素子が内蔵され、投光レンズ234を介して収束された検知用赤外線700が放出される。検知用赤外線700の広がり角度は、図15に例示したように、例えば、4度程度と比較的狭くすると、誤検出などを防ぐことができる。一方、受光部235には、受光素子が内蔵され、検知用赤外線700の反射波を検出する。
このように投光部233と受光部235とを縦方向に配置することにより、人体検知センサユニット230の横幅をスリムにでき、外観をすっきりと見栄えよくできる。さらに、投光部と受光部とを横方向に配置するよりも、本実施形態における縦方向配置のほうが、検知用赤外線700が便蓋400や便座420に遮られることなく、確実に使用者900を検知することができる。
この人体検知センサ232は、センサホルダ237に保持され、フィルタケース231のなかに収容される。
【0066】
一方、その上方には、リモコン受光素子238がホルダ239に保持されてフィルタケース231の中に収容される。リモコン受光素子238は、シリコンのフォトダイオードなどを内蔵する。リモコン受光素子238の受光部は、図15に表したように、斜め上方に向けて、例えば60度の検出角度範囲を有する。このように、人体検知センサ232から放出される検知用赤外線700の方向と、リモコン受光素子238の検出角度範囲と、をそれぞれ別の方向に向けることにより、信号の干渉による誤検出や誤動作を防ぐことができる。つまり、人体検知センサ232から放出される検知用赤外線700やその反射波R2は、リモコン受光素子238には入射しにくい。同様に、リモコン500から送信される赤外線やその反射波R1も、人体検知センサ232の受光部235には入射しにくい。
【0067】
その結果として、人体検知センサ232とリモコン受光素子238の誤検出を抑制し、これら誤検出に起因する誤動作を防ぐことができる。
【0068】
次に、本実施形態の便座装置の組立について説明する。
図18は、本実施形態の便座装置の組立工程を表す工程図である。
すなわちまず、図18に表したように、ケース210の下面に取り付けボルト303を螺旋止めし、これら取り付けボルト303を、便器300の後方に設けられた取り付け穴300Hに貫通させる。
次に、図18(b)及び(c)に表したように、便器300の後部裏面側に突出した取り付けボルト303に取り付けナット305を螺旋止めしてケース210を便器300の上に固定する。この状態において、ケース210に上にケース蓋220はまだ設置されておらず、人体検知センサユニット230は、ケース210の上端よりも突出している。
【0069】
次に、図18(d)に表したように、ケース蓋220を取り付ける。同図には、ケース蓋220として、手洗い用のスパウト222と手洗い鉢224が設けれたものを例示した。ただし、この代わりに図1乃至図4などに表したようなケース蓋220でもよい。
【0070】
ケース蓋220には、その手前側の側部に係合凹部226が設けられている。この係合凹部226を、ケース210から突出した人体検知センサユニット230に係合させることにより、ケース蓋220を確実かつ容易に位置決めできる。つまり、ズレやガタなどを防ぎつつ、ケース蓋220を容易に設置できる。その結果として、図18(e)に表したように、人体検知センサユニット230湾曲面は、ケース蓋220の湾曲面220Aと一体化し、外観がすっきりとし見栄えのよい便座装置を確実に組み立てることができる。
ケース蓋220に、スパウト222と手洗い224を設けた場合には、手を洗った跳ね水が周囲に飛散するので、人体検知センサユニット230のフィルタケース231にも水が付着しやすい。これに対して、本実施形態によれば、フィルタケース231の表面は図15にも表したように水平方向に対して45度以上に傾斜させた湾曲表面となっているので、フィルタケース231への付着水はケース210に向かって流れやすく、フィルタケース231の表面に付着水が残留しにくいという利点がある。
【0071】
次に、本実施形態の便座装置の内部構造について説明する。
図19は、本実施形態の便座装置の内部構造を例示する透視図である。
【0072】
すなわち、ケース210の上部開口は、内蓋252により遮蔽され、その下にロータンクユニット254が設けられている。ロータンクユニット254の周囲には防露層256が設けられ、結露が防止される。ロータンクユニット254の下方には連結管257を介して分岐バルブユニット258が設けられている。分岐バルブユニット258には、給水部259を介して外部から給水される。また、分岐バルブユニット258には、バルブ水抜き部260が接続され、メンテナンスなどの際に残り水を除去できるようにされている。
【0073】
ケース210の下端には取付基板270が設けられ、その上の向かって左側には、脱臭ユニット272、補助操作部274、脱臭吹出口275が設けられている。補助操作部274には、水洗洗浄や局部温水洗浄などを実行するためのスイッチが設けられている。また、脱臭吹出口275は、便器300内の空気を吸引し触媒により脱臭した後に便器外に排出するために設けられている。
【0074】
また、取付基板270の前方のほぼ中央には、ノズルユニット278が設けられている。ノズルユニット278は、便器300の中に伸出し、その先端から温水を噴出して使用者のお尻などを洗浄するためのものである。ノズルユニット278の右側後方には、熱交換ユニット280と、室暖ユニット282が設けられている。これらは、ケース210の左側の開口から温風を吹き出すことにより、トイレ室を暖房する役割を有する。
【0075】
一方、ノズルユニット278の左側(人体検知センサユニットの側)には、コントローラ取付台284が設けられ、その上にコントローラ286が取り付けられている。コントローラ286は、AC部とDC部の電源や制御回路ならびに放熱用のヒートシンクなどからなる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態の便座装置には、各種の電装品や駆動部、ヒータなどが内蔵されている。そして、本実施形態においては、ヒートシンクなどの発熱部材を備えたコントローラ286をケース210の下方左側に配置し、人体検知センサユニット230をケース210の上方左側に配置することにより、下方から上昇する廃熱によって人体検知センサユニット230を適度に加温し、結露を防止できる。
【0077】
図19に表した具体例の場合、放熱用のヒートシンクの前面に、上下が開放された板状のカバー288が取り付けられている。信号線(図示せず)などはこのカバー288の外側を通すことにより、ヒートシンクの熱による断線などを防止できる。そして、ヒートシンクから放出された廃熱は、カバー288の上の開口を介して矢印Hで表したようにケース210内を上昇し、人体検知センサユニット230を適度に加温することができる。その結果として、人体検知センサユニット230に内蔵される人体検知センサやリモコン受光素子の結露による誤動作や誤検出を防ぐことができる。
【0078】
次に、本実施形態において、便蓋400あるいは便座420が自動的に全開状態に開かれるようにした便座装置について説明する。すなわち、本実施形態においては、ケース210の側部上方に人体検知センサユニット230を設けることにより、便蓋400や便座420が全開状態にある時でも、これらに遮られることなく使用者を検知できる。しかし、例えば、使用者が手動で便蓋400や便座420を開けた場合、必ずしもこれらを全開状態にしないで放置することもあり得る。この時、便蓋400や便座420がほぼ垂直に立った状態で停止すると、人体検知センサユニット230の検知範囲と干渉する場合もあり得る。
【0079】
そこで、便蓋400や便座420について、「開端域」を設定し、この範囲においては、モータなどの力により強制的に全開状態に開くようにするとよい。その具体的な構成としては、例えば、本願出願人により特開2000−93351号公報に開示された構成を用いることができる。
【0080】
図20は、本構成に基づく便座・便ふた自動開閉装置のブロック図である。
また、図21は、便座420の開状態を説明するための模式図である。
【0081】
図20に表した自動開閉装置においては、制御部403からの信号により駆動モータ404が回転し、伝達手段405を介して便座420(及び/または便蓋400)は、開方向または閉方向に回動される。
【0082】
ここで、図21に表したように、便座420の全開位置Aより閉側に「開端域」を設定する。図21に表したような便座420においては、全開の位置Aでも便座420の重心位置は回転中心よりも閉側にあるため、便座420は閉側に付勢される。便座420を手動で全開の位置Aまで回動させた後手を離すと、便座420は自重により閉方向に付勢されているため、自動開閉装置のギヤのバックラッシュやヒンジ部のガタ分だけ閉側へ回動し、Bの位置で駆動モータ404のディテントトルクにより停止する。
図22は、本具体例における制御のフローを例示するフローチャートである。
駆動モータ404が回転していない状態、すなわち待機状態で、便座420が手動で開端域に回動されると、図22に表した制御フローにより、制御部403は、角度検出手段406からの信号を判定し、開端域に到達して一定時間が経過した後に、一定時間だけ開方向に駆動モータ404を低速で駆動する。この時の駆動トルクは、全閉位置から開動作するときに比べ小さくて良いので、制御部403は駆動モータ404への電流値を通常開動作に比べ小さく制御する。
このように制御された自動開閉装置は、ギヤのバックラッシュ及びヒンジ部のガタを吸収した後、便座420を全開位置へ回動する。従って、便座1420を電動開動作させた時と同じ全開の位置に保持することが可能となる。その結果として、人体検知センサユニット230から放出される検知用赤外線700と干渉するおそれが解消される。また、便座420のガタ等による不要な閉方向への倒れを防止することができる。また、便座420は便蓋400に密着するので、見栄えが良くなるとともに、使用者の不安感を無くすことができる。また、開端域に達してから一定時間後に駆動するので、使用者は便座420に触れている可能性は低く、また、万が一使用者が便座420に触れていたとしても、駆動トルクを小さく且つ低速で駆動しているため、手を挟んでけがをするようなこともない。
以上具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
すなわち、本発明の便座装置及びトイレ装置を構成する要素について当業者が設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0083】
例えば、ケース210、ケース蓋220、人体検知センサユニット230及びこれらに内蔵される各種の要素などについては、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の要旨を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態にかかるトイレ装置の外観を例示する模式図である。
【図2】表示部212の具体例を表す正面図である。
【図3】便器300の前に立つ使用者を検知する動作を説明するための概念図である。
【図4】便器300の前に立つ使用者を検知する動作を説明するための概念図である。
【図5】本実施形態における人体検知センサユニット230の検知方向をさらに具体的に説明するための概念図である。
【図6】本実施形態における人体検知センサユニット230の検知方向をさらに具体的に説明するための概念図である。
【図7】便蓋400や便座の自動開閉動作を例示する模式図である。
【図8】便蓋400や便座の自動開閉動作を例示する模式図である。
【図9】便器300の自動洗浄動作を例示する模式図である。
【図10】便器300の自動洗浄動作を例示する模式図である。
【図11】リモコン500からの信号の経路を説明するための概念図である。
【図12】人体検知センサユニット230を斜め正面から眺めた模式図である。
【図13】人体検知センサユニット230を斜め後方から眺めた模式図である。
【図14】人体検知センサユニット230のフィルタケース231を外した状態を表す模式図である。
【図15】人体検知センサユニット230の断面構造を表す模式図である。
【図16】人体検知センサユニット230の組立図である。
【図17】人体検知センサユニット230の組立図である。
【図18】本実施形態の便座装置の組立工程を表す工程図である。
【図19】本実施形態の便座装置の内部構造を例示する透視図である。
【図20】便座・便ふた自動開閉装置のブロック図である。
【図21】便座420の開状態を説明するための模式図である。
【図22】便座・便ふた自動開閉装置の制御のフローを例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0085】
200 便座装置
210 ケース
220 ケース蓋
220A 湾曲面
222 スパウト
224 手洗い鉢
226 係合凹部
230 人体検知センサユニット
231 フィルタケース
232 人体検知センサ
233 投光部
234 投光レンズ
235 受光部
237 センサホルダ
238 リモコン受光素子
239 ホルダ
240 着座センサ
252 内蓋
254 ロータンクユニット
256 防露層
257 連結管
258 分岐バルブユニット
259 給水部
260 バルブ水抜き部
270 取付基板
272 脱臭ユニット
274 補助操作部
275 脱臭吹出口
278 ノズルユニット
280 熱交換ユニット
282 室暖ユニット
284 コントローラ取付台
286 コントローラ
288 カバー
300 便器
300 水洗便器
300H 穴
303 ボルト
305 ナット
400 便蓋
403 制御部
404 駆動モータ
405 伝達手段
406 角度検出手段
420 便座
500 リモコン
700、720 検知用赤外線
900 使用者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に付設される便座装置であって、
ロータンクを内蔵するケースと、
前記ケースの上に設けられるケース蓋と、
少なくともその一部が前記ケースの前面の側部において前記ケースの上端よりも上方に突出して設けられ、使用者を検知する検知用赤外線を放出する投光部と、前記検知用赤外線の反射波を検出する受光部と、を有する人体検知センサユニットと、
前記ケースの前記前面の下方に回動可能に付設された便座と、
前記ケースの前記前面の下方に回動可能に付設された便蓋と、
を備え、
前記便座及び前記便蓋が全開の状態において、前記検知用赤外線が前記便座及び前記便蓋により実質的に干渉されないことを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記ケース蓋は、前面から上面にいたる湾曲面を有し、
前記人体検知センサユニットの少なくとも上部は、前記湾曲面と連続する湾曲部を有し、
前記湾曲部の中に、略上方に向けてリモコン受光部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記投光部は、前記リモコン受光部よりも下側に設けられ、
前記検知用赤外線の放出方向と、前記リモコン受光部の検知範囲と、が実質的に重複しないことを特徴とする請求項2記載の便座装置。
【請求項4】
前記検知用赤外線は、前記便器の中心線に向けて水平方向に傾けて放出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項5】
前記受光部は、前記投光部の下に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項6】
前記人体検知センサユニットの下方の前記ケース内の空間に発熱要素が設けられ、前記発熱要素から放出される熱により、前記人体検知センサユニットが加温されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項7】
前記ケース蓋の前面には係合凹部が設けられ、
前記ケースの上端から上方に突出した前記人体検知センサユニットの前記突出した部分を前記係合凹部に係合させることにより、前記ケース蓋の位置決めが可能とされたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項8】
前記ケースの下方に設けられ、前記便座に座った使用者を検知する着座センサをさらに備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項9】
前記便蓋及び前記便座の少なくともいずれかをモータにより開閉する開閉装置をさらに備え、
前記人体検知センサユニットからの信号に基づいて前記開閉装置を動作させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項10】
前記ロータンクに貯留された水を前記便器に供給する自動洗浄装置をさらに備え、
前記人体検知センサユニットからの信号に基づいて前記自動洗浄装置を動作させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の便座装置。
【請求項11】
便器と、
前記便器に付設される請求項1〜10のいずれか1つに記載の便座装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−204381(P2006−204381A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17491(P2005−17491)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】