説明

便座装置

【課題】便座を着脱可能に構成した便座装置において、便座が便座支持体に装着されているかどうかを検知する手段を安価に提供する。
【解決手段】便座装置Sは、便座1側の磁石7と、便座支持体10側の磁気センサ3との間に、強磁性体より成る磁気伝達具4を配設し、便座1がどの回動位置にあっても磁気センサ3び磁石7が磁気伝達具4と常時近接するように設定する。便座1が便座支持体10に取り付けられているとき、磁気センサ3は磁気伝達具4を通じて磁石7の磁気を常に検知するから、磁気センサ3の検知信号に基づいて便座1の装着状態を正確に判断できる。便座1の回動範囲や磁気センサ3・磁石7の配設位置に変更が生じても、磁気伝達具4の形状や大きさを適宜選択することにより容易に対応できるから、磁石や磁気センサについては市販品を改造せずに採用でき、コストを安価に抑えることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座を便座支持体に対し着脱可能とした便座装置であって、特に、ヒータ等の電気部品が便座に内蔵され、相互誘導作用等を利用して無配線方式により給電するように構成したものにおいて、便座の便座支持体に対する装着状態、及び、便座が便座支持体から分離するのを阻止するロック機構のロック状態を、便座の位置にかかわらず検知可能とするための手段に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、便座を便座支持体に対し着脱可能に構成した便座装置において、便座が取り付けられているか否かを検知する取付検知センサを設ける技術が記載されている。同特許文献1の便座装置は、便座に設けた軸受の軸孔へ、便座支持体に設けた枢支軸を挿入して嵌合させることにより、便座を回動自在に且つ着脱自在に支持するものである。そして、便座支持体側には、便座枢支軸の近傍にホール素子を配置し、便座側には、軸孔の近傍に磁石を配置することにより、取付検知センサを構成している。なお便座側の磁石は、便座が回動しても常にホール素子と相対することのできる範囲、具体的には、軸孔の周囲180°の範囲に亙って配設している。それによって、便座が便座支持体へ取り付けられているか否かを、便座の回動位置にかかわらず検知可能であるとされている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−122148号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の便座装置は、取付検知センサを構成する磁石を特殊な形状に形成する必要があるため、製作コストが高く付くという問題がある。また、便座を着脱可能に構成した便座装置において、便座が便座支持体から分離するのを阻止するロック機構を便座に設けることがあるが、特許文献1に記載される便座装置は、単に便座が取り付けられているかどうかを検知するものであり、ロック機構が便座の分離を阻止しているロック状態であるかどうかを検知することについては考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、便座を着脱可能になされた便座装置において、便座が便座支持体に装着されているかどうかを検知する手段を安価に提供することを第1の目的とする。また、便座の装着状態のみならず、便座に設けたロック機構がロック状態になっているかどうかを検知できる手段の提供を第2の目的とする。
【0006】
前記第1の目的のために本発明が創案した便座装置の特徴とするところは、請求項1に記載の如く、便座と該便座を揺動可能に支持する支持軸を有する便座支持体とから成り、便座が便座支持体に対し着脱可能に構成された便座装置において、便座における支持軸が装着される軸装着部に磁石が配設され、便座支持体における支持軸の近傍に磁力を検知する磁気センサが配設され、前記磁石と磁気センサとの間に位置するように強磁性体より成る磁気伝達具が便座又は便座支持体に配設され、便座を便座支持体に装着した状態において、磁気センサ及び磁石が便座の位置にかかわらず磁気伝達具と常時近接するように設定されていることである。
【0007】
前記において、磁石には市販の製品を使用でき、安価なフェライト磁石でもよいが、磁束密度のより大きいネオジウム磁石・サマリウム磁石・アルニコ磁石などが好ましい。磁気センサには、ホール素子、リードスイッチ等が考えられる。強磁性体としては、鉄・鋼・鉄化合物・鉄系合金などが考えられるが、透磁率が大きく保磁力が小さい軟磁性材料が好ましく、価格や製作性を考慮すると、鉄、鋼、ケイ素鉄やパーマロイ等の鉄系合金、フェライトなどを採用すればよい。
【0008】
前記第2の目的のために本発明が創案した便座装置の特徴とするところは、請求項2に記載の如く、便座と該便座を揺動可能に支持する支持軸を有する便座支持体とから成り、便座が便座支持体に対し着脱可能に構成された便座装置において、便座における支持軸が装着される軸装着部は、支持軸を収納する収納凹部と該収納凹部に通じる開口部と該開口部を開閉する可動部材より成るロック機構とを有し、前記ロック機構の可動部材に磁石が配設され、便座支持体における支持軸の近傍に磁力を検知する磁気センサが配設され、前記磁石と磁気センサとの間に位置するように強磁性体より成る磁気伝達具が便座又は便座支持体に配設され、便座を便座支持体に装着した状態において、磁気センサは便座の位置にかかわらず磁気伝達具と常時近接するように設定され、前記磁石は、ロック機構の可動部材が閉止位置にあるとき、便座の位置にかかわらず前記磁気伝達具と常時近接し、ロック機構の可動部材を閉止位置から開放位置へ移動したときに、前記磁気伝達具から離隔するように設定されていることである。
【0009】
上記請求項2に係る便座装置については、請求項3に記載の如く、前記ロック機構が全開位置にあるとき、可動部材に配設した磁石が、磁気伝達具と近接するように設定することも可能である。
【0010】
本発明に係る便座装置にあっては、請求項4に記載する如く、便座に電気部品が内蔵され、便座支持体から便座へ無配線方式で電力を供給する給電手段が備えられているものとすることができる。この場合、無配線方式の給電手段は、相互誘導作用を利用するものが代表的であるが、他の方式を採用することも妨げない。
【0011】
上記において、便座に内蔵される電気部品は、請求項5に記載するように、ヒータとすることが考えられる。
【0012】
さらに請求項1に記載の便座装置において、便座に検知器と該検知器が出力する検知信号を送信する一次信号コイルとを設け、便座支持体に検知信号を受信する二次信号コイルを設けた場合、請求項6に記載するように、便座の軸装着部に配設される磁石が、一次信号コイルのコアを兼用する構成とすることが考えられる。
【0013】
前記請求項6に記載の便座装置にあっては、請求項7に記載するように、便座に内蔵される電気部品をヒータとし、前記検知器を温度センサとすることが考えられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に係る便座装置は、便座側に配設した磁石と便座支持体側に配設した磁気センサとの間に強磁性体より成る磁気伝達具を配設し、便座を便座支持体に装着した状態で、便座がどの回動位置にあっても、磁気センサ及び磁石が磁気伝達具と常時近接するように設定したので、便座が便座支持体に取り付けられているとき、磁気センサは磁気伝達具を通じて磁石の磁気を常に検知する。反対に、便座が取り外されているときには、磁気センサは磁気を検知することができない。つまり、磁気センサの検知信号の有無に基づいて便座の装着状態を正確に判断することができ、しかも、検知結果の信頼性が高い。
また本発明では、磁気伝達具を通じて磁石から磁気センサへ磁気を伝達するように構成したから、便座の回動範囲や、磁気センサ又は磁石の配設位置に変更が生じたとしても、磁気伝達具の形状や大きさを適宜選択することにより容易に対応することができる。従って、例えば、便座の回動範囲が異なる便座装置を適用対象とする場合でも、これに応じた磁気伝達具を用意すればよく、磁石の形態や磁気センサについては市販品を変更や改造することなく採用できるから、製造コストを安価に抑えることが可能である。
【0015】
請求項2に係る本発明の便座装置は、便座の軸装着部にロック機構を有する便座装置において、ロック機構の可動部材に磁石を配設し、便座支持体側に磁気センサを配設し、磁石と磁気センサとの間に強磁性体より成る磁気伝達具を配設し、便座を便座支持体に装着した状態で、磁気センサが便座の位置にかかわらず磁気伝達具と常時近接し、ロック機構側の磁石は、可動部材が閉止位置にあるとき磁気伝達具と常時近接し、可動部材を閉止位置から開放位置へ移動したときには磁気伝達具から離隔するように設定したので、ロック機構がロック状態のときは、磁気センサが所定値以上の磁気強度を検知し、非ロック状態になると、磁気センサが検知する磁気強度が所定値より弱まるか又は磁気を検知しなくなる。勿論、便座が便座支持体に装着されていない状態では、磁気センサが磁気を検知することはない。従って本発明では、磁気センサの検知信号に基づき、便座が装着状態にあるかどうかのみならず、ロック機構がロック状態にあるか否かを信頼性高く判断することが可能である。
【0016】
請求項3に係る本発明は、前記ロック機構が全開位置にあるとき、可動部材に配設した磁石が磁気伝達具と近接するように設定したので、便座を便座支持体に装着する際、ロック機構の可動部材は全開状態であるから、支持軸を軸装着部に嵌合させたときに、磁石が磁気伝達具と近接する位置となり、磁気センサが磁気を検知する。そしてロック機構をロック状態にするため可動部材を移動させる途中では、磁石が磁気伝達具から離隔するので、磁気センサは磁気を検知しない。最後に、可動部材を全閉位置まで移動させてロック状態にしたときは、磁石が再び磁気伝達具に近接するから、磁気センサが再度磁気を検知する。すなわち、便座を便座支持体に装着したのちロック機構をロック状態とする過程で、磁気センサからの検知信号の出力はON→OFF→ONと変化する。従って本発明では、磁気センサからの検知信号出力がON→OFF→ONと変化するのに基づき、便座が装着されたことと、ロック機構がロック状態になされたこととを認識することが可能である。
なお、ロック機構のロック状態が不完全のときは、可動部材の磁石が磁気伝達具から離隔するから、磁気センサは磁気を検知しない。
また、可動部材を全開位置まで移動させてロック機構を解除状態としたときは、磁気センサの検知信号出力が再度ON→OFF→ONと変化するので、この信号出力変化に基づき、ロック機構が解除されていることを認識することが可能である。
【0017】
請求項4に記載する如く、便座に電気部品が内蔵され、便座支持体から便座へ無配線方式で電力を供給する給電手段を備える場合、本発明により、便座が便座支持体に装着された状態にあるか、またロック機構がロック状態にあるかどうかを確実に判別することができるから、便座が確実に取り付けられた状態のとき、あるいは容易には分離しないロック状態のときのみ給電動作を行なうように設定できる。従って、便座が取り外されて給電手段に通電すると危険性のあるときや、便座を便座支持体から取り外し可能な状態となっているときに、誤って給電手段へ通電するのを確実に防止できるから、安全性に優れる。
【0018】
請求項5に記載の如く、便座に内蔵される電気部品をヒータとした場合は、安全性に優れる暖房便座装置を提供できる。
【0019】
請求項6に記載する如く、便座に検知器と該検知器が出力する検知信号を送信する一次信号コイルとを設け、便座支持体に検知信号を受信する二次信号コイルを設けることにより、便座側で検知した情報を、便座支持体側へ無配線方式で伝達することが可能である。信号コイルにコアを設けると、磁束密度が大きくなって、信号の伝達効率が向上するが、便座の軸装着部に配設される磁石が、一次信号コイルのコアを兼用する構成とすることにより、部材点数を少なくできて、コストの増大を抑えられる。
【0020】
請求項7に記載の如く、便座に内蔵される電気部品をヒータとし、前記検知器を温度センサとした場合は、適切な温度制御のできる暖房便座を低コストで提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1の実施形態]
図1に本発明に係る便座装置Sの一例を示す。但し図面には、便座装置Sの内部構造のうち、本発明に関連する部分だけを概略的に示す。例えば、便座1に使用者が着座しているかどうかを検知する人体検知手段、便座1への通電量を制御して温度調節する操作パネル、所望により備えられる温水洗浄装置等については、図示を省略してある。
【0022】
本例の便座装置Sは、ヒータ等の加熱手段Hを内蔵する便座1と、便器(図示省略)の上面に設置され、便座1を揺動可能に支持する便座支持体10とから構成される。便座1は、後端部の左右に所定間隔を置いて後方へ突出するように取付腕部2,2が設けられ、該取付腕部2,2の間に、便座支持体10の前面部に設けた膨出部11を挟むように構成してある。便座1の左右取付腕部2,2と、便座支持体10の膨出部11の左右側面との間には、便座1を回動可能に支持するための構造である枢支部X1,X2が設けられる。本例では、この枢支部X1,X2において、便座1が便座支持体10に対し着脱可能に装着できるよう構成されると共に、便座1を自動的に開閉する機構、便座1の装着状態を検知する手段、便座1に設けた温度センサで検知した温度情報を便座支持体10側へ伝達する手段、並びに、便座支持体10から便座1の加熱手段Hへ電力を供給する給電手段30が設けられている。枢支部X1,X2の詳細については後述する。
【0023】
便座1の内部には、面状ヒータあるいは誘導コイルと金属箔との組合わせから成る加熱手段H、温度センサT,及び、加熱手段H又は温度センサTへの配電を制御する便座側制御部C2が設けられる。また便座1における一方の枢支部X1側には、磁石7と、信号伝達手段40の一次信号コイル41が配置され、他方の枢支部X2側には、給電手段30の受電部32が備えられる。便座側制御部C2は、受電部32から電力の供給を受け、温度センサTの検知温度信号に基づき加熱手段Hへの通電状態を調整すると共に、温度情報を一次信号コイル41へ出力し、さらには異常昇温を検知したときに通電を停止させる機能を有している。
【0024】
便座支持体10は、例えば箱状の形態を有し、その内部に、電源Wに接続されて電力の供給を受ける支持体側制御部C1が設けられる。また便座支持体10における一方の枢支部X1側に、便座1を開閉動させる回動モータM、後述する磁気センサ3及び信号伝達部40の二次信号コイル42が配置され、他方の枢支部X2側には、給電手段30の送電部31が配置される。なお回動モータMの駆動軸が、便座1の支持軸12となっている。支持体側制御部C1は、回動モータMと送電部31とへ電力を供給すると共に、回動モータMの動作や送電部31への給電量を制御する。また、磁気センサ3から出力される検知信号や、二次信号コイル42を通じて取得する便座温度情報、あるいは操作パネル(図示省略)等から入力された指示情報などに基づき、便座1への通電量を制御して便座温度を調節したり、送電を停止したりする。
【0025】
一方の枢支部X1は、図2及び図3に示す如く、便座1の取付腕部2に設けた軸装着部20と、便座支持体10に配設した回動モータMの駆動軸によって形成される支持軸12とから成る。軸装着部20は、支持軸12が収納される収納凹部21と、収納凹部21へ通じる開口部22と、開口部22を開閉するロック機構5とを備える。ロック機構5としては、例えば、軸装着部4をほぼ円柱形とし、その外周面上へ回動可能に取り付けたC形の可動部材5aが考えられる。また適所に回動操作用の摘み5bを設けてもよい。支持軸12は、断面長方形に形成した上記収納凹部21と密に嵌合する便座装着部分12aと、その先端側の便蓋装着部分12bとを有する。なお、支持軸12を二重構造とし、回動モータMで、便座装着部分12aと便蓋装着部分12bとをそれぞれ独立に回動制御できるよう構成することも可能である。
【0026】
枢支部X1には、便座1が便座支持体10に装着されているかどうかを検知する装着確認手段と、便座1の温度センサTから支持体側制御部C1へ温度情報を伝えるための信号伝達手段40とが設けられる。前者の装着確認手段は、便座1の軸装着部20における便座支持体10と近接する部位に配設した磁石7と、便座支持体10(膨出部11)に配設した磁気センサ3と、便座支持体10における軸装着部20に面する部位に配設した磁気伝達具4とから構成される。磁気センサ3は、ホール素子やリードスイッチなどが用いられる。磁気伝達具4は、強磁性体で製作され、磁気センサ4に当接又は近接すると共に、便座1の回動に従って磁石7が移動しても常に磁石7と近接することができる範囲に配置される。本例では磁気伝達具4を、図3に示すように、支持軸12の周囲を部分的に取り囲む部分円形板としたが、これに限定されるものではない。
【0027】
なお、もし仮に、磁気センサ3を支持軸12に配設することが可能であるならば、便座1を便座支持体10に装着したとき、便座1の回動位置にかかわらず、磁気センサ3と磁石7とを常に近接させる配置が採用できるから、磁気伝達具4は不要である。しかるに本例の如く、支持軸12が回動モータMの駆動軸であるような場合は、磁気センサ3を支持軸(駆動軸)12に組み込むのは困難なため、磁気センサ3は、便座支持体10における支持軸12の周囲へ配置される。それ故、磁石7を磁気センサ3と常に近接させることができないから、磁力の媒介手段として磁気伝達具4を採用することが、きわめて有意義である。
【0028】
信号伝達手段40は、軸装着部20に設けられ便座側制御部C2に接続される一次信号コイル41と、支持体側制御部C1に接続される二次信号コイル42とから構成される。本例では、前記装着確認手段を構成する磁石7をコアとして、その周囲に一次信号コイル41を巻き付ける構成を採用している。二次信号コイル42は、支持軸12の回動中心を中心とする円環状の形態とし、磁気伝達具4の裏面側に配設した。かかる構成により、駆動モータMで便座1を揺動させたとき、これに従って一次信号コイル41も回動するが、その回動中心は、二次信号コイル42の中心と実質的に一致する。それ故、便座1がどの位置にあっても、一次信号コイル41と二次信号コイル42との距離は変化せず一定であるから、信号伝送状態が安定する。
【0029】
便座1の温度センサTから出力される温度信号は通常直流なので、便座側制御部C2で高周波変換されて一次信号コイル41へ伝送され、これにより二次信号コイル42が励磁されて、支持体側制御部C1へ温度信号を送信する。支持体側制御部C1は、この温度信号に適宜の処理(例えばAC/DC変換)を施したのち、受信した温度情報に基づいて、適宜必要な動作を行なう。すなわち、加熱手段Hへの通電状態を調整し、あるいは異常昇温を検知したときに送電を停止させる。
【0030】
次に、前記装着確認手段の動作について説明する。図2及び図3に示すように、軸装着部20を支持軸12へ装着する前の状態であるとき、磁石7は、磁気センサ3にも磁気伝達具4にも接近していないので、磁気センサ3は磁気を検知せず、検知信号を出力することはない。よって、支持体側制御部C1は、加熱手段Hへの給電を不可にする。
【0031】
図4に示す如く、便座1の軸装着部20の収納凹部21内へ支持軸12を挿入すると、軸装着部20の磁石7が磁気伝達具4に接近するため、磁気が磁気伝達具4を通じて磁気センサ3に作用する。これにより磁気センサ3が磁界変化を検知して、支持軸12に便座1が装着されたことを検知する検知信号を支持体側制御部C1へ出力する。支持体側制御部C1は、この検知信号に基づき、加熱手段Hへの給電を可能にするよう動作する。なお便座1を支持軸12へ装着したならば、ロック機構5を操作して、便座1の軸装着部20が支持軸12から容易には分離することがないように設定する。またこのとき、信号伝達手段40についても、一次信号コイル41と二次信号コイル42とが接近して、温度信号を支持体側制御部C1へ送信可能な状態となる。
【0032】
ところで通常、便座1は、図5(A)に示すように、起立状態で便座支持体10へ装着されるので、便座1を使用する時には、同図(B)に示すように、便座1は閉め下ろす方向へ回動される。この便座1の回動に従って、軸装着部20の磁石7も支持軸12の回りを移動する。本例では、磁気伝達具4を磁石7の移動範囲に配置したので、便座1がどの回動位置に在っても、磁気を磁気センサ3へ確実に伝えることができる。従って磁気センサ3は、便座1が装着されているときは常に、便座1の位置にかかわらず、検知信号を出力する。これは言い換えると、磁気センサ3の検知信号が途絶えたときは、便座1の軸装着部20が支持軸12から外れたときであると判断できて、かかる判断の信頼性が非常に高いことを意味する。
【0033】
上に述べたような機構により、本発明に係る便座装置Sは、便座1の軸装着部20が便座支持体10の支持軸12に装着されているときに限り、給電手段30から便座1内の加熱手段Hへ給電が可能であり、便座1が非装着状態では加熱手段Hへの給電を不可にするので、安全性に優れる。
【0034】
ところで本例では、図3及び図5に例示する如く、便座支持体10側の磁気センサ3の位置を支持軸12の直上とし、便座1側の磁石7については、便座1を閉め下ろしたときに、磁気センサ3と対面するような位置に設定した(図5(B)参照)。これにより、便座1の通常の使用状態時に、磁気センサ3と磁石7との距離が最も短くなり、磁気検知が確実になるという効果が得られる。しかるに、磁気センサ3と磁石7の配置及び磁気伝達具4の形態は前記に限定されるものでなく、磁気センサ3と磁石7とが磁気伝達具4に常時近接できるという条件を満たすのであれば、製作上の制限等を考慮して、自由に配置を設定することが可能である。
【0035】
本例の便座装置Sでは、他方の枢支部X2に、便座支持体10から便座1へ電力を供給するための給電手段30を設けた。図6にその構成例を示す。当該給電手段30は、便座支持体10における膨出部11側面に送電部31を配設し、便座1における回動軸部23に受電部32を配設し、両者が常時近接するように構成したものである。支持体側制御部C1から電力の供給を受ける送電部31は、ボビン33の内部にコアK1に巻き付けたコイルL1を内蔵させたものであり、便座1の回動軸部23に面する部位にテーパ状の凹部13が形成されている。便座側制御部C2へ電力を送給する受電部32は、便座1の回動軸部23内に設けられ、送電部31と同様、ボビン34内にコアK2に巻き付けたコイルL2を内蔵させた構造である。取付腕部2の外面側には、便蓋の支持部50が設けられている。
【0036】
便座1の装着時は、図6(A)に示す如く、受電部32が凹部13内へ収納され、送電部31と受電部32とが近接して送電可能な状態となる。つまり、送電部31及び受電部32それぞれに内蔵させたコイルL1,L2間の相互誘導作用により、電力が支持体側制御部C1から便座側制御部C2へ送給される。
【0037】
なお、受電部32を備える回動軸部23の先端部を、便座支持体10の凹部13に嵌合させることで、便座1が回動可能な構造となっている。また、送電部31と受電部32との間には、便座1の着脱を妨げずに、便座1が回動軸方向へ位置ずれするのを防止するための、隙間閉塞リング35が配設される。さらに、隙間閉塞リング35内への異物の侵入を防ぐための異物除去突起36を便座支持体10側に設けることが望ましい。
【0038】
便座1を取り外すときには、図6(B)に示す如く、テーパ状の凹部13を利用して、便座1を傾けることにより、送電部31と受電部32とを分離させる。これにより、便座1を便座支持体10から取り外すことが可能である。
【0039】
[第2の実施形態]
図7〜11に、本発明に係る便座装置Sの異なる例を示す。本例と前記第1の実施形態との相違点は、便座1の装着確認手段を構成する磁気伝達具4を、便座1の軸装着部20に配設したところにある。
【0040】
本例における便座装置Sの基本的な構成は、前記第1の実施形態とほぼ共通でよい。すなわち、図7に示す如く、便座装置Sが、便座1と便座支持体10とから構成され、便座1は、後端部の左右に後方へ突出する取付腕部2,2が設けられ、該取付腕部2,2の間に便座支持体10前面の膨出部11を挟むように構成され、左右取付腕部2,2と膨出部11の左右側面との間に、枢支部X1,X2が設けられる。そして、枢支部X1,X2において、便座1が便座支持体10に対し着脱可能に装着できるよう構成されると共に、一方の枢支部X1に、便座1の自動開閉機構、便座1の装着確認手段、及び、便座1に設けた温度センサTで検知した温度情報を便座支持体10側へ伝達する信号伝達手段40が設けられ、他方の枢支部X2に、便座支持体10から便座1へ電力を供給する給電手段30が設けられている。
【0041】
枢支部X1に設ける便座1の装着確認手段は、便座1の軸装着部20に配設した磁石7と、便座支持体10(膨出部11)に配設した磁気センサ3と、軸装着部20における便座支持体10に面する部位に配設した磁気伝達具4とから構成される。磁気伝達具4は、磁石7と常時当接又は近接すると共に、便座1を便座支持体10へ装着したときには、便座1に従って回動しても常に磁気センサ3と近接できる範囲に配置される。本例では、図9に示すように、磁気伝達具4を支持軸12の周囲を部分的に取り囲む部分円形板としたが、これに限定されるものではない。また、磁気センサ3の位置についても、支持軸12の直上としたが(図11参照)、これに限定されるものではない。
【0042】
本例における装着確認手段の動作を次に説明する。図8及び図9に示すように、軸装着部20を支持軸12へ装着する以前では、磁気センサ3は磁気を検知せず、検知信号を出力することはない。よって、支持体側制御部C1は、加熱手段Hへの給電を不可にする。
【0043】
図10に示す如く、便座1の軸装着部20を支持軸12に装着すると、軸装着部20の磁気伝達具4が磁気センサ3に接近する。磁石7を磁気伝達具4に当接又は近接させることで、両者は一体の磁石として機能するから、磁石7の磁気が磁気伝達具4を通じて磁気センサ3に作用する。これにより磁気センサ3が磁界変化を検知して、支持軸12に便座1が装着されたことを検知する検知信号を支持体側制御部C1へ出力する。支持体側制御部C1は、この検知信号に基づき、加熱手段Hへの給電を可能にするよう動作する。なお便座1を支持軸12へ装着したならば、ロック機構5を、便座1の軸装着部20が支持軸12から容易には分離することがないように操作する。
【0044】
磁気伝達具4は、便座1がどの回動位置に在っても常に磁気センサ3と近接できるような形態に形成したから、便座1が図11(A)に示す起立状態でも、同図(B)に示す閉め下ろした着座位置にあっても、磁気センサ3へ磁気が必ず伝達される。従って、便座1が装着されているときは常に、便座1の位置にかかわらず、検知信号を出力するので、便座1が装着状態にあるかどうかを、信頼性高く判断することができる。
【0045】
[第3の実施形態]
図12〜17に、本発明に係る便座装置Sの第3の実施形態を示す。本例は、装着確認手段を構成する磁石7を、便座1の軸装着部20に備えられるロック機構5の可動部材5aに配設したこと、及び、磁気伝達具4を、便座支持体10に配設したところを特色とする。また本例では、信号伝達手段40の一次信号コイル41を便座1の軸装着部20に配設してあるが、磁石7を一次信号コイル41のコアとするものではない。なお、便座装置Sの上記以外の基本的構成は、前記第1及び第2の実施形態とほぼ共通でよいので、共通部分の説明については省略する。
【0046】
本例における便座1の装着確認手段は、便座支持体10に、磁気センサ3と磁気伝達具4とを配設し、磁気センサ3が磁気伝達具4に常時当接又は近接するように設定し、磁気伝達具4は、便座1の装着時に、軸装着部20に面するように設定される。他方、ロック機構5の可動部材5aに配設される磁石7は、その一端面が、便座1の装着時に、便座支持体10に配設した磁気伝達具4と近接するように設定される。
【0047】
また磁気伝達具4の配設範囲を、便座1を装着するときに磁石7が近接し、ロック機構5のロック状態にするため可動部材5aを移動させる途中では、磁石7から一旦離隔し、ロック機構5がロック状態に達したときは再び磁石7が近接するように設定される。具体的には、図9に示すように、軸装着部20における開口部22に対応する部分を切り欠いた部分円形としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。また、磁気センサ3の位置を、磁気伝達具4の一端部としたが、これも限定的なものではない。
【0048】
本例における装着確認手段の動作を次に説明する。図13及び図14に示すように、軸装着部20を支持軸12へ装着する前のとき、磁気センサ3は磁気を検知せず、検知信号を出力することはない。よって、支持体側制御部C1は、加熱手段Hへの給電を不可にする。
【0049】
図15及び図16(A)に示す如く、便座1の軸装着部20を便座支持体10の支持軸12に装着すると、ロック機構5の磁石7と便座支持体10の磁気伝達具4とが近接することにより、磁気センサ3が、磁気伝達具4を介して磁石7の磁気を検知して、第1の検知信号を支持体側制御部C1へ出力する。支持体側制御部C1は、この第1の検知信号に基づき、支持軸12に便座1が装着されたと判断するが、加熱手段Hへの給電はまだ阻止している。
【0050】
次いで、図16(B)に示す如く、便座1の軸装着部20が支持軸12から容易には分離することがないようにするため、ロック機構5の可動部材5aを、軸装着部20の開口部22を閉止する方向へ移動させると、その途中で磁石7が磁気伝達具4から離隔する。このため磁気センサ3が磁気を検出しなくなるので、検知信号の出力が一旦中断される。
【0051】
引き続き可動部材5aを、図16(C)に示す、軸装着部20の開口部22が全閉状態となる位置まで移動させて、ロック機構をロック状態とすると、磁石7が再び磁気伝達具4に近接するから、磁気センサ3が第2の検知信号を出力するようになる。支持体側制御部C1は、上に述べた磁気センサ3からの検知信号の出力変化を検出することにより、加熱手段Hへの電力供給を可能な状態とする。つまり、磁気センサ3から出力される検知信号がON→OFF→ONと変化した場合に、支持体側制御部C1がこの信号変化に基づいて、便座1が便座支持体10に装着され、且つ、ロック機構5がロック状態になされたと判断し、給電装置30が便座支持体10から便座1への送電を可能にする。第1の検知信号が当初ONのまま変化しなかったとき、あるいは、ON→OFFの変化だけで第2の検知信号がONにならなかったときは、ロック機構5が完全なロック状態ではないと判定して、給電装置30への通電を不許可にする。
【0052】
また本例の装着確認手段は、ロック機構5のロック状態が解除されたとき、あるいは不完全になったとき、これを検知することが可能である。ロック機構5の可動部材5aが、誤操作等何らかの原因で移動して、図16(C)に示すロック状態から、同図(A)又は(B)の状態になったとする。同図(B)のときは、磁石7が磁気伝達具4から離隔するため、磁気センサ3の検知信号はON→OFFに変化する。同図(A)になったときは、磁石7が磁気伝達具4から一旦離隔したのち再度近接するため、磁気センサ3の検知信号はON→OFF→ONと変化する。いずれにしても支持体側制御部C1は、磁気センサ3が出力する検知信号の変化を読み取ることで、ロック機構5がどのような状態にあるかを正確に判定することが可能である。
【0053】
ところで、便座1を便座支持体10に装着し、ロック機構5をロック状態としたのち、便座1を使用する際には、便座1を着座位置まで閉め下ろす必要がある。本例では、磁気伝達具4の配設領域を、支持軸12の周囲において、軸装着部20の開口部に対応する部分を切り欠いた範囲としたので、図17に示す如く、便座1を着座位置へ回動させても、その間、磁石7が常に磁気伝達具4と近接する状態を保つことができるので、磁気センサ3の検知信号出力が途絶えることがない。よって、便座1の位置にかかわらず、ロック状態の検知を正確に行なうことができる。
【0054】
なお本実施形態では、便座1の装着状態及びロック機構5のロック状態の検知を正確に行えるから、便座1の便座支持体10に対する着脱作業に、音声ガイドを組み合わせることが可能である。例えば、便座1を取り付けるに際しては、便座1を便座支持体10の支持軸12に装着したときに、磁気センサ3が第1の検知信号を出力する。従って、支持体側制御部C1が第1の検知信号を検知したとき、ロック機構5をロック状態とする操作を促す音声ガイドを出力する。そして、ロック機構5が操作されて適正なロック状態に達したときは、磁気センサ3は、検知信号の出力を一時中断したのち、第2の検知信号を再度出力するので、これに基づき、便座1の取付作業が完了した旨の音声ガイドを出力することが可能である。
【0055】
反対に、便座1を取り外すに際しては、便座1を起立状態としたのち、まず、ロック機構5のロック状態の解除を促す旨の音声ガイドを出力する、そして、ロック機構5が操作され、磁気センサ3から出力される検知信号がON→OFF→ONと変化したのを検出したならば、ロック機構5が解除されたと判断して、便座1を取り外し可能になった旨の音声ガイドを出力することが可能である。
【0056】
[第4の実施形態]
図18〜23に、本発明に係る便座装置Sの第4の実施形態を示す。本例は、装着確認手段を構成する磁石7を、便座1に備えられるロック機構5の可動部材5aに配設した点は、前記第3の実施形態と共通するが、磁気伝達具4も便座1に配設し、磁石7の一端部を磁気伝達具4に当接又は近接させた点で異なっている。その他の構成は、基本的に前記第3の実施形態とほぼ共通でよいので、共通部分の説明については省略する。
【0057】
図19及び20に示す如く、本例における便座1の装着確認手段は、便座1に磁石7と磁気伝達具4とを配設するが、磁気伝達具4は軸装着部20に固定されるが、磁石7は、可動部材5aと共に、磁気伝達具4に対し移動可能に構成されている。そして、ロック機構の可動部材5aが全開位置に在るときは、磁石7が磁気伝達具4に当接又は近接し、ロック状態にするため可動部材5aを移動させる途中では、磁石7が磁気伝達具4から一旦離隔し、ロック状態に達したときは再び磁石7が磁気伝達具4に当接又は近接するように設定される。具体的には、磁気伝達具4を、図20に示すような、軸装着部20における開口部22に対応する部分を切り欠いた部分円形としたが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0058】
本例における装着確認手段の動作は次の如くである。図19及び図20に示すように、軸装着部20を支持軸12へ装着する前のとき、磁気センサ3は磁気を検知せず、検知信号を出力することはない。よって、支持体側制御部C1は、加熱手段Hへの給電を不可にする。
【0059】
図21及び図22(A)に示す如く、便座1の軸装着部20を便座支持体10の支持軸12に装着すると、ロック機構5の磁石7を当接又は近接させた磁気伝達具4が、便座支持体10の磁気センサ3に近接することにより、磁気センサ3が、磁気伝達具4を介して磁石7の磁気を検知して、第1の検知信号を支持体側制御部C1へ出力する。支持体側制御部C1は、この第1の検知信号に基づき、支持軸12に便座1が装着されたと判断するが、加熱手段Hへの給電はまだ阻止している。
【0060】
次いで図22(B)に示す如く、ロック機構5の可動部材5aを、軸装着部20の開口部22を閉止する方向へ移動させると、その途中で磁石7が磁気伝達具4から離隔する。このため磁気センサ3が磁気を検出しなくなるので、検知信号の出力が一旦中断される。
【0061】
引き続き可動部材5aを、図22(C)に示す、軸装着部20の開口部22が全閉状態となる位置まで移動させて、ロック機構をロック状態とすると、磁石7が再び磁気伝達具4に当接又は近接するから、磁気センサ3が第2の検知信号を出力するようになる。支持体側制御部C1は、上に述べた磁気センサ3からの検知信号の出力変化を検出することにより、加熱手段Hへの電力供給を可能な状態とする。つまり、磁気センサ3から出力される検知信号がON→OFF→ONと変化した場合に、支持体側制御部C1がこの信号変化に基づいて、便座1が便座支持体10に装着され、且つ、ロック機構5がロック状態になされたと判断し、給電装置30が便座支持体10から便座1への送電を可能にする。第1の検知信号が当初ONのまま変化しなかったとき、あるいは、ON→OFFの変化だけで第2の検知信号がONにならなかったときは、ロック機構5が完全なロック状態ではないと判定して、給電装置30への通電を不許可にする。
【0062】
また本例の装着確認手段も、ロック機構5のロック状態が解除されたとき、あるいは不完全になったとき、これを検知することが可能である。ロック機構5の可動部材5aが、誤操作等何らかの原因で移動して、図16(C)に示すロック状態から、同図(A)又は(B)の状態になったとする。同図(B)のときは、磁石7が磁気伝達具4から離隔するため、磁気センサ3の検知信号はON→OFFに変化する。同図(A)になったときは、磁石7が磁気伝達具4から一旦離隔したのち再度近接するため、磁気センサ3の検知信号はON→OFF→ONと変化する。いずれにしても支持体側制御部C1は、磁気センサ3が出力する検知信号の変化を読み取ることで、ロック機構5がどのような状態にあるかを正確に判定することが可能である。
【0063】
便座1を便座支持体10に装着し、ロック機構5をロック状態としたのち、便座1を着座位置まで閉め下ろしたとき、本例では、磁気伝達具4が便座1と共に回動するが、その配設領域を、支持軸12の周囲において、軸装着部20の開口部に対応する部分を切り欠いた適当範囲とすることにより、図23に示す如く、便座1を着座位置へ回動させても、その間、磁気センサ3と磁気伝達具4とが常に近接する状態を保つことができるので、磁気センサ3の検知信号出力が途絶えることがない。よって、便座1の位置にかかわらず、ロック状態の検知を正確に行なうことができる。
【0064】
なお本実施形態でも、前記実施形態と同様、便座1の便座支持体10に対する着脱作業に、音声ガイドを組み合わせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るものであって、便座装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るものであって、図(A)は、便座の装着確認手段の要部を示す斜視図、図(B)はその平面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るものであって、図(A)は便座が起立状態にあるときの装着確認手段の要部を示す側面図、図(B)は便座が着座位置にあるときの装着確認手段の要部を示す側面図である。
【図6】給電手段の一例を示すものであって、図(A)は便座が装着された状態にあるときの平面断面図、図(B)は便座を取り外すときの状態の平面断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るものであって、便座装置の概略構成を示す平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す側面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るものであって、図(A)は、便座の装着確認手段の要部を示す斜視図、図(B)はその平面断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るものであって、図(A)は便座が起立状態にあるときの装着確認手段の要部を示す側面図、図(B)は便座が着座位置にあるときの装着確認手段の要部を示す側面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係るものであって、便座装置の概略構成を示す平面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す側面図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係るものであって、図(A)は、便座の装着確認手段の要部を示す斜視図、図(B)はその平面断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るものであって、図(A)は便座を装着したときの装着確認手段の要部を示す側面図、図(B)はロック機構をロック状態にする途中の状態の装着確認手段の要部を示す側面図、図(C)はロック機構をロック状態にした状態の装着確認手段の要部を示す側面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係るものであって、便座が着座位置にあるときの装着確認手段の要部を示す側面図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係るものであって、便座装置の概略構成を示す平面図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す斜視図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係るものであって、便座の装着確認手段の要部を、便座と便座支持体とを分解して示す側面図である。
【図21】本発明の第4の実施形態に係るものであって、図(A)は、便座の装着確認手段の要部を示す斜視図、図(B)はその平面断面図である。
【図22】本発明の第4の実施形態に係るものであって、図(A)は便座を装着したときの装着確認手段の要部を示す側面図、図(B)はロック機構をロック状態にする途中の状態の装着確認手段の要部を示す側面図、図(C)はロック機構をロック状態にした状態の装着確認手段の要部を示す側面図である。
【図23】本発明の第4の実施形態に係るものであって、便座が着座位置にあるときの装着確認手段の要部を示す側面図である。
【符号の説明】
【0066】
C1…支持体側制御部 C2…便座側制御部 H…加熱手段 S…便座装置 T…温度センサ W…電源 X1…枢支部 X2…枢支部 1…便座 2…取付腕部 3…磁気センサ 4…磁気伝達具 5…ロック機構 5a…可動部材 7…磁石 10…便座支持体 11…膨出部 12…支持軸 20…軸装着部 21…収納凹部 22…開口部 30…給電手段 31…送電部 32…受電部 40…信号伝達手段 41…一次信号コイル 42…二次信号コイル M…回動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座と該便座を揺動可能に支持する支持軸を有する便座支持体とから成り、便座が便座支持体に対し着脱可能に構成された便座装置において、
便座における支持軸が装着される軸装着部に磁石が配設され、
便座支持体における支持軸の近傍に磁力を検知する磁気センサが配設され、
前記磁石と磁気センサとの間に位置するように強磁性体より成る磁気伝達具が便座又は便座支持体に配設され、
便座を便座支持体に装着した状態において、磁気センサ及び磁石が便座の位置にかかわらず磁気伝達具と常時近接するように設定されていることを特徴とする便座装置。
【請求項2】
便座と該便座を揺動可能に支持する支持軸を有する便座支持体とから成り、便座が便座支持体に対し着脱可能に構成された便座装置において、
便座における支持軸が装着される軸装着部は、支持軸を収納する収納凹部と該収納凹部に通じる開口部と該開口部を開閉する可動部材より成るロック機構とを有し、
前記ロック機構の可動部材に磁石が配設され、
便座支持体における支持軸の近傍に磁力を検知する磁気センサが配設され、
前記磁石と磁気センサとの間に位置するように強磁性体より成る磁気伝達具が便座又は便座支持体に配設され、
便座を便座支持体に装着した状態において、磁気センサは便座の位置にかかわらず磁気伝達具と常時近接するように設定され、
前記磁石は、ロック機構の可動部材が閉止位置にあるとき、便座の位置にかかわらず前記磁気伝達具と常時近接し、ロック機構の可動部材を閉止位置から開放位置へ移動したときに、前記磁気伝達具から離隔するように設定されていることを特徴とする便座装置。
【請求項3】
前記ロック機構が全開位置にあるときは、可動部材に配設した磁石が、磁気伝達具と近接するように設定されている請求項2に記載の便座装置。
【請求項4】
便座に電気部品が内蔵され、便座支持体から便座へ無配線方式で電力を供給する給電手段が備えられている請求項1乃至3のいずれかに記載の便座装置。
【請求項5】
便座に内蔵される電気部品がヒータである請求項4に記載の便座装置。
【請求項6】
便座に検知器と該検知器が出力する検知信号を送信する一次信号コイルとが設けられ、便座支持体に検知信号を受信する二次信号コイルが設けられ、便座の軸装着部に配設される磁石が、一次信号コイルのコアを兼用している請求項1に記載の便座装置。
【請求項7】
便座に内蔵される電気部品がヒータであり、前記検知器が温度センサである請求項6に記載の便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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