説明

保存性を高める包装食品処理方法

紙層又は板紙層と、外側の液体を通さないプラスチックコート層と、を備えた包装積層体から成る包装容器(10)に充填された熱処理済み食品の保存性を高めるための方法が開示される。包装容器(10)内の有害な微生物が絶滅、除去、非活性化されるように予め定められた時間中は、包装容器(10)を液体加熱媒体、例えば熱蒸気にさらしており、食品を所定の処理温度、例えば80℃〜140℃に加熱して保持するため、包装容器(10)の外壁に液体加熱媒体、例えば熱蒸気をスプレーしている。終了後、包装容器(10)の外壁に冷水をスプレーすることにより、食品を冷却している。熱処理中、包装容器(10)外側に表出した切れ目縁部に液体が浸透するおそれを回避するため、この熱処理前に、包装容器(10)を疎水性含浸剤に接触させ、表出した切れ目縁部に疎水性含浸剤を吸収および浸透させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品の処理方法に関し、その目的は、食品の保存性を高めることにあり、該方法において食品は、紙層又は板紙層と、外側の、液体を通さないプラスチックコート層と、を備えた包装積層体から成る包装容器に充填しており、該方法において、食品充填済み包装容器は液体加熱媒体にさらされ、所定の時間中は、食品を所定の処理温度に加熱し保持し、該方法において、包装容器はその後、液体冷却媒体にさらされて加熱処理済み食品を冷却している。
【背景技術】
【0002】
食品は、1回限りの使い捨てタイプの包装容器に充填されて運ばれることが多く、また、このような1回限りの使い捨てタイプの包装容器は、その非常に多くが、紙層又は板紙層と、外側の液体を通さないプラスチックコート層と、を備えた包装材料から作られている。
【0003】
他のものよりも長期間、包装容器内での保存に耐えるように食品の保存性を高めるため、食品の充填は無菌状態下で行うことができ、この場合食品および包装材料は、互いに接触する前に、有害な微生物、特に病原体を、根絶(exterminate)、除去(eliminate)、非活性化(deactivate)するため、別個に処理され、また、処理済み食品は、再感染を避けるために無菌状態下で、処理済み包装材料内に封入されている。
【0004】
包装食品の保存性を高める別の方法としては、先ず、包装容器に食品を充填して密封し、次に、包装容器と共に食品に対して、細菌を殺す熱処理を行う、という方式に基づくものが、同様に従来より知られている。
【0005】
上述した、別の方法は、例えば欧州特許第1015324号明細書に記載されている。この従来方法によれば、食品は、紙又は板紙と、外側の液体を通さないプラスチックコートと、から成る包装容器に充填されている。包装容器は、熱シールにより閉じて密封され、レトルトの中に入れられ、レトルトの中で、包装容器を、加熱媒体、例えば熱蒸気にさらして、食品を所定の処理温度、通常は80℃〜140℃の間で加熱している。前記処理温度に達すると、加熱媒体、例えば熱蒸気を連続して供給することにより、この処理温度に食品を所定時間、保持している。前記処理温度での保持時間は、主に被処理食品の種類に基づき、広い範囲で変えることができるが、熱処理は、風味、濃度、色、香り等のような食品の品質特性に悪影響を及ぼすことなく、包装容器内の有害な微生物を確実に絶滅するため、十分に長く行う必要がある。前記処理温度での保持時間の終了後、加熱媒体を、冷却媒体、例えば冷水と置換して、加熱処理済み食品を適温まで冷却し、該適温において、包装容器をレトルトから降ろして、さらなる搬送および処理を行う。
【0006】
同様の方法が、例えば国際公開第2006/112765号に記載されている。この従来方法によれば、既に熱処理が終了した、まだ熱い(約80〜90℃)食品を、包装容器に充填している。充填済み包装容器を、熱シールによりシールした後、これを熱処理チャンバー又はトンネルに供給及び通して搬送して、包装容器内の有害な微生物の完全な絶滅が確実となるように予め定められた時間中、例えば約80℃〜90℃という適切な充填温度又はほぼ適切な充填温度において、食品を連続的に高温保持している。終了後、熱処理済み食品の入った包装容器を冷却して処理チャンバーから取り出し、更なる搬送および処理を行なっている。前記方法と同様に、この場合も、食品を連続的に加熱保持は、例えば熱蒸気のような液体加熱媒体の供給によって行うことができる。
【0007】
前記従来技術の方法のように、保存性を高めるための熱処理を、レトルト内又は処理チャンバー内で行なうかどうかにかかわらず、充填された食品を適切な処理温度まで加熱する加熱媒体の選択は、非生産的で且つ互いに相容れない場合のある必要性に関連している。このような要望は一般的に、できるだけ迅速で且つコストに優れた加熱処理を行うことであり、対立する必要性は、食品および包装容器に対して、このような温度での加熱および保持の悪影響をできるだけ小さくすることである。
【0008】
迅速で且つコストに優れた加熱に対する要望は、ガス加熱媒体よりも早く包装容器壁に熱を伝える熱蒸気のような液体加熱媒体を用いることにより、達成されるが、一方で熱蒸気のような液体加熱媒体には、包装容器外側に表出した切れ目縁部に入り込み、包装容器の品質及び寸法の安定性を損なうという問題点を有する。他方、ガス加熱媒体は、このように弱い、表出した切れ目縁部分における包装壁に入り込む性質がないので、液体加熱媒体を用いるよりも穏やかに、包装容器を熱処理することができる。一方、ガス加熱媒体は、液体加熱媒体よりも熱移動の効果が弱いので、迅速でコストに優れた熱処理に対する要望及び要請に逆行するものとなる。
【0009】
このように従来においては、冒頭に記載された方式の方法に対する要望が、未だ残されている。つまり液体の浸透により容器が破損又は変形するおそれ又は包装容器の表出した切れ目縁部でのエッジウィッキングがなく、液体加熱媒体による、紙又は板紙の容器に充填された食品の迅速で且つコストに優れた熱処理を行なう方法に対する必要性が、未だ残されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明の目的は、そのような方法に対する要望を満足させることにあり、それにより、包装容器外側に表出した切れ目縁部に液体が浸透することによる包装容器の破損又は変形のおそれがない、液体加熱媒体を用いた迅速で且つコストに優れた充填食品の熱処理を実現することができる。
【0011】
本発明の更なる目的は、レトルト内の液体加熱媒体により、紙又は板紙の容器に充填された食品の熱処理を、迅速に、費用効率を高く、穏やかに行なうことのできる方法を実現することにある。
【0012】
また、本発明の更なる目的は、包装容器を通過させるトンネル内又は処理チャンバー内の液体加熱媒体により、迅速で且つコストに優れた、紙又は板紙の容器に充填された食品の熱処理方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらと他の目的、及び利点は、本発明にかかる独立請求項1に記載された方法により、達成することができる。
【0014】
便宜上の好適な実施形態には、付加された下位クレームに記載の特徴的事項が示されている。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明は、包装積層体から成る包装容器に充填される食品の保存性を高めることのできる処理方法であって、包装積層体は、紙層または板紙層と、その外側の液体を通さないプラスチックコート層と、を備え、該方法においては、所定の時間中、食品充填済みの包装容器は液体加熱媒体にさらされて、食品を加熱し所定の処理温度に保持し、該方法においては、その後、前記包装容器は液体冷却媒体にさらされて、加熱処理済み食品を冷却する、方法を実現することができる。本方法は、食品充填済み包装容器を、液体加熱媒体と接触させる前に疎水性含浸剤と接触させて、包装容器外側に表出した切れ目端部に疎水性含浸剤を浸透(penetration)又は含浸(impregnation)させることを特徴とする。
【0016】
前記包装容器を疎水性含浸剤に接触させることにより、疎水性含浸剤が、包装容器外側に表出した切れ目縁部における紙繊維間又は板紙繊維間に入り込んで、紙繊維又は板紙繊維に含浸され、親水性の紙繊維又は板紙繊維は、疎水化されて、撥水性となり、したがって、疎水化後の紙繊維又は板紙繊維は、水蒸気又は液体にさらされても、液体を吸収しにくくなる。
【0017】
この包装容器の弱い部分への疎水性含浸剤の浸透を促進するため、包装容器をさらす疎水性含浸剤は、液体、好ましくは水に、乳化又は分散しておくことが好ましい。
【0018】
例えば、含浸剤を乳化又は分散させた液体を、例えば、該液体を細かく分散させてスプレーする、又は、包装容器を、乳化又は分散させた疎水性含浸剤を含む液体の槽を通過させることによるような任意の適した方法で、包装容器に適用することができる。
【0019】
前記包装容器を、この槽に完全に沈めて搬送することにより、包装容器外側の切れ目の自由縁部の全体への含浸を確実に行なうことが、より好ましい。
【0020】
前記包装容器外側の切れ目縁部における、前記含浸剤の浸透を促進させるためには、液体の温度を、周囲温度よりも高い温度まで上げて保持することが有利である。最も好ましくは、引き続く熱処理の前に食品を冷却する必要がないように、前記液体の温度は、充填食品の温度に一致する温度、又は、充填食品の温度を僅かに超える温度に維持するべきである。したがって、前記液体に適した温度範囲は、60℃〜90℃となる。
【0021】
前記疎水性含浸剤の濃度は変えることができるが、通常は、前記液浴の重量に対して、1%〜5%とするべきである。
【0022】
本発明では、疎水性含浸剤の選択はあまり重要でないが、使用可能な含浸剤は、数多くある周知の疎水性含浸剤の中から選択することができる。使用可能な含浸剤が非常に多いのは、本発明にかかる方法に使用される含浸剤が、包装容器内の充填食品に接触するおそれがなく、まだ表出した切れ目の縁部として残っている領域の繊維間にわずかな距離だけ入り込むに過ぎないからである。
【0023】
しかしながら、含浸剤が食品の認可に対する要件を満たすような含浸剤を選択することが好ましく、そのため、もし含浸剤が包装容器の中に入り込み食品と接触しても、食品に悪影響を及ぼすことがない。前記好適な含浸剤としては、界面活性剤を例として挙げることができ、該界面活性剤は、液浴内での表面張力を低下させるので、包装容器外側の切れ目縁部への浸透を促進する。本発明の使用に適した含浸剤としては、アルキルケテンダイマー(AKD)、好ましくはその脂肪酸尾部(fat tail)に、16個〜22個の炭素原子を有するアルキルケテンダイマーがある。脂肪酸尾部に18個の炭素原子を有するアルキルケテンダイマーが最も好ましい。前記使用に適したアルキルケテンダイマーのより詳しい情報については、欧州特許出願第02733659号明細書に記載されており、その内容は参照として本明細書に組み込まれている。
【0024】
本発明の更なる目的、効果、詳細については、添付図を参照して、以下の記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】添付図には、本発明にかかる方法による、保存性を高める包装容器の熱処理の実現が概略的に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0026】
主に添付図を参照して本発明について説明するが、本発明は、本実施形態のみに限定されるものでない。当業者であれば、本記載に基づき、発明の要旨の範囲内で、添付のクレームで定められたとおりに修正、変更が可能であることは、明らかである。
【0027】
図中、左側には複数の包装容器10が示され、これら複数の包装容器10には、該食品の保存性を高めるための、本発明にかかる方法を用いて、該食品を熱処理される食品が充填されている。包装容器10は、包装積層体のウェブ又は作成済みのブランクから作られ、該包装積層体は、紙層又は板紙層と、外側の液体を通さないプラスチックコート層と、を備え、該プラスチックコートは、温度80℃〜140℃の熱処理に耐える。
【0028】
包装容器10は、太くて黒い矢印の方向に第一位置Aまで搬送されており、第一ステーションAにおいて、保持具11に個別に配置され、包装容器10は、該保持具11により、さらに搬送される。
【0029】
保持具11はそれぞれ包装容器10と共に、ステーションAからステーションBへと搬送され、ステーションBにおいて、保持具11に入れられた包装容器10は、脂肪酸尾部に16個〜22個の炭素原子を有するアルキリケテンダイマー、好ましくは脂肪酸尾部に18個の炭素原子を有するアルキリケテンダイマーのような疎水性含浸剤を含む液浴12に沈めて通過させられ、包装容器10の外側に表出した切れ目縁部における紙繊維間又は板紙繊維間の間隙に、疎水性含浸剤を接触および吸収させている。
【0030】
したがって、表出した切れ目縁部の全体に疎水性含浸剤を確実に吸収させるため、保持具11は、液浴12を通過している間中は含浸剤と接触していない切れ目縁部又は切れ目部分が生じないように、サイズ及び構成にするべきである。
【0031】
脂肪酸尾部に16個〜22個、好ましくは18個の炭素原子を有するアルキルケテンダイマーのような疎水性含浸剤の水浴12中の濃度は、好ましくは1%〜5%の範囲内であり、しかも水浴12は、充填食品の温度と一致する温度又は充填食品の温度を若干超える温度に保持されている。水浴12は通常、約60℃〜90℃という温度に保持されており、引き続く熱処理前に食品を冷却する必要がない。
【0032】
前述に指摘されたように、本発明にとって疎水性含浸剤の選択はあまり重要でないが、包装容器の切れ目縁部への浸透および吸収を促進するように、表面張力を低下させる疎水性含浸剤(界面活性剤)を選択することが好ましい。
【0033】
ステーションBでの含浸処理後に、太くて黒い矢印により示されるように、保持器11はそれぞれ包装容器10と共に、処理ステーションCへと更に導かれ、処理ステーションCでは、実際の熱処理が行われる。ステーションCには、入口13と、出口14と、を備える装置15が設けられており、装置15では、それぞれ包装容器10を有する保持具11が、順次、加熱領域16、保持領域17、冷却領域18を通過している。前記領域16〜18は、必須ではないが、互いに開放的に連通しているが、前記領域16〜18を、開口(図示省略)を有する仕切り体19,20により互いに仕切り、個別のものとすることができ、該開口は、包装容器10に入れられた保持具11を装置15により搬送する時に、保持具11が通過できるサイズとされている。
【0034】
入口又は仕切り13を介して加熱領域16へ搬入後、保持具11がこの領域16を通過している間中、包装容器10に充填されている食品は、液体加熱媒体、好ましくは熱蒸気により、80℃〜140℃の範囲内で所定の温度にまで加熱され、液体加熱媒体は、ノズル(図示省略)より、包装容器10の外側にスプレーされている。
【0035】
充填食品が、蒸発した液体相であり又は蒸発した液体相を含んでおり、包装容器10内側に過剰な圧力を作りだす、このような場合、この内側の過剰圧力を相殺し、包装容器10内側の過剰圧力により包装容器10が破損または爆発するおそれを回避するためには、加熱領域16の内側に高い圧力をかけることが適しており、また必要な場合がある。
【0036】
食品を所定の処理温度に加熱した時、包装容器10が加熱領域16を通過している間中は、包装容器10は、さらに保持領域17にまで搬送される。保持領域17では、液体加熱媒体、好ましくは熱蒸気が、ノズル(図示省略)を介して、包装容器10の外側にスプレーされ、包装容器10は保持領域17を通過している間中はずっと、食品を関連処理温度に保持している。前述のように、包装容器10内の有害な微生物に対し所望の絶滅、除去、非活性化を確実に行なうのに必要な所定時間中は、充填食品がこの温度に保持されるように、保持領域17内での包装容器10の保持時間が定められている。
【0037】
包装容器10は、保持領域17から冷却領域18に搬送され、冷却領域18では、食品が冷水により冷却される。この冷水は、冷却領域18を通過している間中はずっと、ノズル(図示省略)を介して包装容器10の外側にスプレーされる。
【0038】
加熱処理及び冷却済みの包装容器10は、出口1を介して装置15から取り外されて、それぞれの保持具11に入れられた状態で、太くて黒い矢印方向に、ステーションDまでさらに搬送され、ステーションDでは、包装容器10は保持具11から取り外される。
【0039】
したがって、取り外された包装容器10は、その後、従来通りに更なる処理が行なわれて、店頭又は同様の売り場に輸送される。
【0040】
このように上述の実施形態は、食品の保存性を高めるために加熱処理をしている間に、包装容器を液体媒体、例えば熱蒸気にさらす際に、非常に簡単な方法および非常に簡易な手段のみを用いることにより、包装容器外側に表出した切れ目縁部への液体の浸透から、紙又は板紙を基部とした包装容器を、いかに効果的に保護することができるかについて説明している。
【0041】
前述のように、本発明にかかる方法は、主に、低温殺菌装置内で行われる熱処理について、熱処理の全体にわたってトンネル内を包装食品を実質的に連続的に通過させる熱処理について説明したが、本発明は、この詳細に示された実施形態に限定されるものでない。また、本発明にかかる方法は勿論、充填食品の熱処理を、例えば一の同じ処理チャンバー内に包装容器を封入した状態を、熱処理の全体にわたって保つ、レトルト装置内においてバッチ式で行われる場合に適用することもできる。さらに、疎水性含浸剤を含む液体は、容器の外壁に細かく分散させた状態でスプレーすることにより、包装容器に使用することができる。最も広い要旨において、本発明にかかる方法は、基本的に、熱処理中の少なくともある段階において、液体媒体にさらされる紙または板紙の容器に充填された食品の、ありとあらゆる熱処理に対して用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明にかかる方法は、容器を液体媒体にさらされる際、又は容器を液体媒体にさらすおそれがある際、包装容器外側に表出した切れ目縁部より液体が入り込まないように、紙又は板紙の容器を保護するために用いることができる。特に、前記方法は、食品の保存性を高めることを目的として、容器の外側にスプレーされる液体媒体、例えば熱蒸気、温水、又は冷水がそれぞれ、容器を加熱ないし冷却している間、被加熱処理食品を充填した容器を保護するために用いることができる。この種の熱処理としては、連続式又はバッチ式で行われる、レトルト又は低温殺菌が例として挙げられる。
【符号の説明】
【0043】
10 包装容器
11 保持具
12 液浴
13 入口
14 出口
15 装置
16 加熱領域
17 保持領域
18 冷却領域
19,20 仕切り体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙層又は板紙層と、外側の液体を通さないプラスチックコート層と、を備えた包装積層体から成る包装容器(10)に充填された食品の保存性を高めるための熱処理方法であって、
食品充填済みの前記包装容器(10)を液体加熱媒体にさらして、前記食品を所定の処理温度まで加熱し、所定時間、該食品を前記所定処理温度に保持し、
前記所定時間の経過後に、前記包装容器(10)を液体冷却媒体にさらして、前記熱処理済み食品を冷却する方法において、
前記食品充填済み包装容器(10)を、前記液体加熱媒体と接触させる前に、疎水性含浸剤にさらすことにより、前記包装容器(10)の外側に表出した切れ目縁部に、疎水性含浸剤を吸収及び含浸させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記疎水性含浸剤は、液体中、好ましくは水中に、乳化又は分散され、スプレーにより細かく分散させた状態で、前記包装容器(10)の外面に適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記包装容器(10)を、前記疎水性含浸剤を含む液浴(12)に浸漬、又は前記疎水性含浸剤を含む液浴(12)に浸す、又は前記疎水性含浸剤を含む液浴(12)を通過させることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記液浴(12)内の経過の全体にわたって、前記液浴(12)中に前記包装容器(10)を完全に沈めたままとすることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記液浴(12)の温度を、周囲温度よりも高い温度に保持することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記液体の温度を、60℃〜90℃に保持することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記液体中における前記疎水性含浸剤の濃度を、前記液体の重量に対して、1%〜5%としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記疎水性含浸剤は、界面活性剤よりなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記界面活性剤は、脂肪酸尾部に、16個〜22個の炭素原子を有するアルキルケテンダイマーであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱処理を、処理温度80℃〜140℃のレトルト処理により、バッチ式または連続式に行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記熱処理を、温度60℃〜90℃の低温殺菌により、連続的に行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−516574(P2010−516574A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547192(P2009−547192)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000874
【国際公開番号】WO2008/091185
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(593205554)テトラ・ラヴァル・ホールディングス・アンド・ファイナンス・ソシエテ・アノニム (9)
【氏名又は名称原語表記】TETRA LAVAL HOLDINGS & FINANCE S.A.
【Fターム(参考)】