説明

保湿化粧料

【課題】
高分子特有のベタツキ感を抑えて、使用感が良く、保湿効果に優れた皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】
1)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体0.0001質量%〜5質量%と、2)包水性ポリマーとしてデンプン・アクリル酸ブロック重合体と、更にはトリメチルグリシン等のベタイン類0.001質量%〜10質量%を含有させることにより、ベタツキ感が少なくて、使用感が良く、更に保湿効果の優れた皮膚外用組成物が得られた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用組成物に関するものであり、更に詳細には、保湿効果が高く、使用感の良い皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の生活環境においては、肌は、冬の暖房、夏の冷房などの影響で一年中、乾燥環境に晒されている。この様な状況に対応して、皮膚の乾燥状態を改善すべく、化粧品には各種保湿剤の配合が為されてきている。特に水溶性高分子は、その高い包水性、皮膜性から、各種保湿剤と併用することにより、肌の水分の保持を目的として多用されてきている。その反面、多量に配合するとそのベタツキ感が際立ってしまい使用性を損ねてしまう事が多かった。最近、皮膚への馴染みが良くベタツキ感の少ないものとして2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの重合体や2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体が報告されている。しかし、これらにしても、充分な保湿効果を得ようとして、その配合料を増やすとやはりベタツキ感が生じてしまう。そのためベタツキ感を生じさせないような少ない配合量で、充分な保湿効果を得ることができる製剤が求められていた。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体を化粧品に配合することに関しては知られており(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3、特許文献4を参照)、さらに2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルの共重合体及びトリメチルグリシンを化粧料に配合することに関しても知られている(例えば、特許文献5を参照)。また、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルの共重合体、及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーの配合に関しても知られている(例えば、特許文献6、特許文献7を参照)。しかし、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸アルキルの共重合体、及びトリメリルグリシンと包水性ポリマーを含む皮膚外用組成物に関しては知られていない。
【0003】
【特許文献1】特許−2931703
【特許文献2】特開2003−286134
【特許文献3】特開2002−80401
【特許文献4】特開2002−47188
【特許文献5】特開2003−73251
【特許文献6】特開2003−104860
【特許文献7】特開2003−238341
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
皮膚への馴染みのよい高分子である2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体の配合量をなるべく少なくし、かつ十分な皮膚への保湿効果が得られるようにすることにより、ベトツキ感が無く、十分な保湿効果が認められるような皮膚外用組成物を得ることを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、化粧品分野で使用されている水溶性高分子、保湿剤を組み合わせて使用し、その保湿効果を増強することを目指して鋭意研究した結果、以下に示すような皮膚外用組成物が、ベタツキ感が無く、十分な保湿効果を示すことを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は以下に示すとおりである。
【0006】
(1) 1)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体、及び2)包水性ポリマーを含有する皮膚外用組成物。
(2) 包水性ポリマーとして、少なくともデンプン・アクリル酸ブロック重合体及び/又はその塩を含有することを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用組成物。
(3) 2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体の含有量が0.0001質量%〜5質量%であることを特徴とする、(1)乃至(2)に記載の皮膚外用組成物。
(4) さらに、ベタイン類を含有することを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の皮膚外用組成物。
(5) ベタイン類の含有量が0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の皮膚外用組成物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(1)本発明の必須成分である2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体
2−メタクリオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体(ホモ重合体)としては、市販品(日本油脂社製「Lipidure−HMシリーズ」)があるので、これらを入手して使用することが可能であり、好ましい。また、2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリンと共重合するメタクリル酸アルキルとしては、通常入手できるメタクリル酸アルキルが使用可能であるが、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ミリスチル、メタクリル酸ステアリルなどが例示できる。これらのモノマーの内、メタクリル酸ブチルが特に好ましい。2−メタクリルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸アルキル共重合体のモノマー組成比は97:3〜45:55が好ましく例示できる。これより、メタクリル酸アルキル組成比が少なくなると、共重合体とする効果が無くなるし、逆に多くなると、水への馴染みが少なくなってしまう。これらの重合体乃至は共重合体の皮膚外用組成物中での含有量は、0.0001重量%〜5重量%が好ましく、0.001重量%〜1重量%が更に好ましく、0.002重量%〜0.3重量%が特に好ましい。また、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルの共重合体としては、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとメタクリル酸ブチルのモル比が、およそ80:20であり、分子量が100000〜1000000程度の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体の5%水溶液が市販されており、これらの市販品(日本油脂社製;Lipidure−PMBシリーズ)を入手して使用することも可能でり、好ましい。
【0008】
(2)本発明の必須成分である包水性ポリマー
本発明は、包水性ポリマーを含有することを特徴としており、本発明でいう包水性ポリマーとは、水分を吸収して膨潤する性質を有するポリマーの総称であり、例えば、アクリル酸塩に親水性部分を導入した形態のものが知られている。具体的には、デンプン・アクリル酸ナトリウムブロックポリマーが好ましく例示できる。このような、包水性ポリマーの皮膚外用組成物中の含有量は、0.0001重量%〜1重量%が好ましく、0.0005重量%〜0.5重量%がより好ましく、0.001重量%〜0.1重量%が特に好ましい。0.0001重量%以下では、十分な保湿効果を得ることが難しく、1重量%を超えて配合しても配合量に応じた保湿効果の向上も見られず、ベトツキ感が生じてしまう。また、デンプン・アクリル酸ナトリウムブロックポリマーは、既に市販されているものが存在し、この様な市販品を使用することができる。市販品の内、好ましいものとして、三洋化成工業株式会社製のサンフレッシュST−100Pが例示できる。
【0009】
(3) 本発明の要素であるベタイン類
ベタイン類としては、アミノ酸のN−トリアルキル置換体などが挙げられる。例えば、グリシンベタイン、ベータ−アラニンベタイン 、カルニチン、ホモセリンベタイン 、バリンベタイン 、リジンベタイン 、オルニチンベタイン 、アラニンベタイン 、タウロベタイン 、スタキドリン、グルタミン酸ベタイン 、フェニルアラニンベタインが挙げられる。これらのうち、グリシンベタイン であるトリメチルグリシンが特に有効である。トリメチルグリシンは砂糖大根、綿実等多くの植物体中に存在しており、通常はビート糖の製造工程で生じる糖蜜より抽出され、アミノコート(旭フーズ社製)、アクアデュー(味の素社製)として上市されている。本発明ではトリメチルグリシン等のベタイン類の配合量は0.05〜1重量%が好ましい。0.05重量%未満では十分な保湿効果を得ることが難しく、1重量%を越えて配合しても配合量に応じた保湿効果の向上は見られない。
【0010】
本発明の皮膚外用剤に於いては、前記の成分以外に、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。
【0011】
さらに必要に応じて、水溶性の高分子を配合することも好ましい態様として例示できる。このような高分子として、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はその塩が例示できる。このようなアルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、既に市販されているものが存在し、この様な市販品を使用することができる。市販品の内、好ましいものとして、BFGoodrich社製のカーボポール1382,ペミレンTR−1,ペミレンTR−2が例示できる。このような化合物の本皮膚外用組成物中の配合量は0.05〜0.5重量%が好ましい。
【0012】
かくして得られた、本発明の皮膚外用剤は、ベタツキが少なく、しかも十分な保湿効果を有していた。
【0013】
更に、本発明の剤型は任意であり、従来この種の皮膚外用組成物に用いられるものであれば何れでも良く、例えば、ローション、乳液、クリームなどの剤型が挙げられる。
【0014】
以下に、実施例を挙げて、本発明について詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0015】
本発明の化粧料(乳液)の製造
下記に示す処方に従って、本発明の皮膚外用組成物である乳液を作成した。すなわち、(A)の各成分を混合し75℃で加熱溶解した。一方(B)の各成分を混合溶解して75℃に加熱した。(A)の混合物に(B)を加えて撹拌して乳化させた。その後75℃に加熱した(C)の混合物、さらに(D)の混合物を添加し、室温まで撹拌、冷却し、乳液を得た。さらに、実施例1の乳液のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を水に置換した比較例(1)、デンプン・アクリル酸ブロックポリマーを水に置換した比較例(2)、トリメチルグリシンを水に置換した比較例(3)も同時に調整した。
【0016】
(A)
ステアリン酸 0.24重量%
モノステアリン酸ソルビタン 0.5 重量%
セタノール 0.5 重量%
POE(45)−ステアリン酸エステル 0.7 重量%
パルミチン酸セチル 0.25重量%
ワセリン 3.75重量%
流動パラフィン 0.9 重量%
固形パラフィン 1.6 重量%
(B)
PEG4000 2.25重量%
1、3−BG 3.0 重量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.3 重量%
グリセリン 3.0 重量%
キサンタンガム 0.025重量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.15重量%
(商品名「カーボポール1382」BFGoodrich社製)
純水 40.0 重量%
(C)
トリエタノールアミン 0.15重量%
純水 5.0 重量%
(D)
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
(商品名「Lipidure−PMB」日本油脂製) 0.1 重量%
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体として、0.005重量%)
デンプン・アクリル酸ブロックポリマー 0.012重量%
(商品名「サンフレッシュST100SP」三洋化成製)
トリメチルグリシン 0.10 重量%
純水 37.473重量%
【実施例2】
【0017】
下記に示すように、実施例1の処方より、デンプン・アクリル酸ブロックポリマーとトリメチルグリシンを除き、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を増量した比較例(4)を作成した。
【0018】
(A)
ステアリン酸 0.24重量%
モノステアリン酸ソルビタン 0.5 重量%
セタノール 0.5 重量%
POE(45)−ステアリン酸エステル 0.7 重量%
パルミチン酸セチル 0.25重量%
ワセリン 3.75重量%
流動パラフィン 0.9 重量%
固形パラフィン 1.6 重量%
(B)
PEG4000 2.25重量%
1、3−BG 3.0 重量%
パラオキシ安息香酸メチル 0.3 重量%
グリセリン 3.0 重量%
キサンタンガム 0.025重量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.15重量%
(商品名「カーボポール1382」BFGoodrich社製)
純水 40.0 重量%
(C)
トリエタノールアミン 0.15重量%
純水 5.0 重量%
(D)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
(商品名「Lipidure−PMB」日本油脂製) 2.0 重量%
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体として、0.1重量%)
純水 35.685重量%
【0019】
<試験例1> 皮膚の保湿性試験
試験は、5名のパネラーを対象として、20℃、相対湿度50%の部屋で実施した。測定部位を37℃の温水で30秒間洗浄し、20分間安静にし、その後、測定を行った。前腕内側部の皮膚を対象として、試験予定日の前日(−1日)に予め試験予定部位の皮膚水分量をSKICON−200EX(IBS社製)にて測定しておく。その後、5%濃度のラウリル硫酸ナトリウム水溶液を含浸させたガーゼ(2cm×2cm)を30分間接触させた。翌日(0日)SKICON−200EXにて、皮膚水分量を測定、その後、実施例1で作成した試験サンプル(乳液、比較例(1)、比較例(2)、比較例(3))及び実施例2で作成した比較例(4)を塗布した。試験サンプルの塗布は、一日3回実施した。塗布1日後、2日後に再度皮膚水分量を測定した。同時に、試験サンプルの塗布を行わない未処置対照の試験も実施した。評価結果を図1に示した。この試験に際して、試験部位における試験サンプル塗布時の使用感に関してもアンケートを行った(結果は5名の平均値とした)。評価結果を表1に示した。
(使用感の評価基準)
1:ベタツキ感を感じない
2:ベタツキ感をやや感じる
3:ベタツキ感を感じる
4:ベタツキ感をかなり感じる
【0020】
<試験例2> 粘着性試験
スライドガラス上に実施例1で作成した試験サンプル(乳液、比較例(1)、比較例(2)、比較例(3)、比較例(4))0.1mlを1.2cmφの面積に塗布し、40℃、相対湿度30%で一時間乾燥し、試験膜を作成した。この試験膜の粘着性をハンディー圧着試験器KES−G5((株)カトーテック製)を用いて評価した。粘着性は装置のヘッドを塗布膜から引き剥がす際の粘着力(g)で表した。すなわち、この値が高いほど塗布膜の粘着性が高いことを表している。結果を表1に示した。
【0021】
【表1】

【0022】
図1の結果より本発明による乳液の保湿効果が優れていることが判り、表1の結果よりベタツキ感が少なく使用性の良いことが判る。比較例(4)においては、乳液と同等な効果が見られたが(図1)、ベタツキ感が強く使用感の悪いことが判る(表1)。
【実施例3】
【0023】
クリームの製造
下記に示す処方に従って水中油クリームを作製した。すなわち、(A)の各成分を混合し、80℃に加熱した。一方、(B)の各成分を混合し80℃に加熱した。(A)の混合物に、(B)の混合物を加えて撹拌して乳化させ、その後室温まで冷却した。
【0024】
(A)
POE(30)セチルエーテル 2.0 重量%
グリセリンモノステアレート 10.0 重量%
流動パラフィン 10.0 重量%
ワセリン 4.0 重量%
セタノール 5.0 重量%
γ−トコフェロール 0.05重量%
BHT 0.01重量%
ブチルパラベン 0.1 重量%
(B)
1,3−ブタンジオール 10.0 重量%
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体
(商品名「Lipidure−PMB」日本油脂製) 0.3 重量%
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・
メタクリル酸ブチル共重合体として、0.015重量%)
デンプン・アクリル酸ブロックポリマー 0.1 重量%
(商品名「サンフレッシュST100SP」三洋化成製)
トリメチルグリシン 0.3 重量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.15重量%
(商品名「PEMULEN TR−1」BFGoodrich社製)
精製水 57.99重量%
【実施例4】
【0025】
ローションの製造
下記に示す処方に従ってローションを作製した。すなわち、(A)の各成分を混合し、室温で溶解した。一方、(B)の各成分を混合し室温で加熱した。(A)の混合物に、(B)の混合物を加えて、撹拌して可溶化させた。
【0026】
(A)
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 1.5 重量%
POE(20)ラウリルエステル 0.5 重量%
エタノール 10.0 重量%
γ−トコフェロール 0.02重量%
ブチルパラベン 0.1 重量%
(B)
グリセリン 5.0 重量%
1,3−ブタンジオール 4.0 重量%
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体 0.01 重量%
(商品名「Lipidure−HM」日本油脂製)
(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体として、
0.0005重量%)
デンプン・アクリル酸ブロックポリマー 0.001重量%
(商品名「サンフレッシュST100SP」三洋化成製)
トリメチルグリシン 0.05重量%
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.05重量%
(商品名「PEMULEN TR−1」BFGoodrich社製)
純水 78.769重量%
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、ベタツキ感が無く使用感の良い、保湿化粧料に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】試験例1における、実施例1の乳液、比較例(1)〜(3)、及び実施例2の比較例(4),未処置対照の保湿性評価の結果を示す図である。(図中 A:乳液、B:比較例1、C:比較例2,D:比較例3、E:比較例4,F:未処置対象を示す。)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体、及び2)包水性ポリマーを含有する皮膚外用組成物。
【請求項2】
包水性ポリマーとして、少なくともデンプン・アクリル酸ブロック重合体及び/又はその塩を含有することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用組成物。
【請求項3】
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを構成モノマーとする重合体乃至は共重合体の含有量が0.0001質量%〜5質量%であることを特徴とする、請求項1乃至2項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項4】
さらに、ベタイン類を含有することを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用組成物。
【請求項5】
ベタイン類の含有量が0.001質量%〜10質量%であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の皮膚外用組成物。

【図1】
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【公開番号】特開2006−8520(P2006−8520A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−183367(P2004−183367)
【出願日】平成16年6月22日(2004.6.22)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】