説明

保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法

【課題】 液晶パネルの各電極を破壊することなく、TFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことのできる保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法を提供する。
【解決手段】
保持台101、支持部材102および樹脂パッド103は液晶パネルPを保持し、剥離部材104および移動手段は保護フィルムFを液晶パネルPから剥離し、発光部105および受光部106は液晶パネルPの帯電量を検出し、電極部107は液晶パネルPの保護フィルムFが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルPと所定の間隔を隔てて配置され、電位調整部108およびバイポーラ電源109は発光部105および受光部106が検出した液晶パネルPの帯電量に基づいて、液晶パネルPの帯電量を減少させるように電極部107の印加電位を調整するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの表面を保護するために貼り付けられている保護フィルムを剥離するための保護フィルム剥離装置およびその剥離方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は液晶パネルPの構造を示す断面図である。液晶テレビジョン受像機などの液晶表示装置の表示切替を担う液晶パネルPは、たとえば、図3に示すように、一方の表面に所定の形状の対向電極301が形成されたガラス基板302と、一方の表面に所定の形状の画素電極303が形成されたガラス基板304とを、対向電極301および画素電極303が形成された面同士を向かい合わせて基板間距離が均一となるようにスペーサまたはシール材305,306を介在させて平行に接着固定される。そして、この基板間に液晶材料307を封入し、さらにガラス基板302,304の、対向電極301および画素電極303が形成された面とは反対側の面に偏光板308,309をそれぞれ貼り付けて構成される。対向電極301は、対向電極取出し電極310に接続され、画素電極303は画素電極取出し電極311に接続され、対向電極取出し電極310および画素電極取出し電極311は、駆動IC(Integrated circuit)ドライバ312に接続される。駆動ICドライバ312は、駆動ICドライバ取出し電極313に接続される。対向電極301、ガラス基板302および偏光板308は、カラーフィルタ形成ガラス基板Cを形成し、画素電極303、ガラス基板304および偏光板309は、TFT(Thin Film Transistor)形成ガラス基板Tを形成する。
【0003】
これらの液晶パネルPに用いられる偏光板308,309の表面には、液晶パネルPの製造時の作業における偏光板308,309表面の打痕や擦傷などを防ぐために保護フィルムFが貼り付けられるが、偏光板308,309は非常に帯電しやすい性質を有しているため、最終的に保護フィルムFを剥離する際に偏光板308,309の表面が剥離帯電し、非常に高い電位上昇を招いてしまう。
【0004】
以下、図4を用いて、保護フィルム剥離時における液晶パネルPの帯電現象と、それに起因するTFT破壊や駆動ICドライバ312の破壊などの問題について詳細に説明する。
【0005】
図4は、保護フィルムF剥離時における液晶パネルPの帯電状態を示す断面図である。図4に示すように、保護フィルムFを剥離する際に、偏光板308の表面は剥離帯電によって、たとえば正に帯電する。そして、帯電した偏光板308からは電界Y1が液晶パネルPの内部に向かって発生し、その作用により対向電極301が静電誘導されて内部に電荷の偏りを生じる。対向電極301の内部に電荷の偏りが生じると、電界Y2が画素電極303に向かって発生し、その作用により画素電極303もまた静電誘導されて内部に電荷の偏りを生じる。
【0006】
このように、電界Y1および画素電極303内部における電荷の偏りが生じることにより、画素電極303に接続され形成されたTFT素子において絶縁膜剥離などの現象が起こり、TFT素子が破壊されてしまうおそれがある。
【0007】
また、上述のようにして対向電極301や画素電極303の内部に電荷の偏りを生じている状態で、対向電極取出し電極310、画素電極取出し電極311および駆動ICドライバ取出し電極313が電気的に接触すると、対向電極301、画素電極303、対向電極取出し電極310、画素電極取出し電極311および駆動ICドライバ取出し電極313などの各電極や、画素電極303に接続され形成されたTFT素子において瞬間的に大量の電荷が流れ、TFT破壊やTFT部分の絶縁膜破壊を引き起こしてしまうおそれがある。さらに、微細化された配線により構成される駆動ICドライバ312にも瞬間的に大量の電荷が流れるため、発生するジュール熱によって配線が焼き切れ、駆動ICドライバ312の破壊をも引き起こしてしまうおそれがある。
【0008】
上述のような問題を解決するために、たとえば、特許文献1では、液晶モジュールの全ての外部取り出し電極を高抵抗を介して相互に接続することにより、各取り出し電極間の電位差をなくすとともに、パネルの内部に残留する電荷を安全かつ完全に放電させるようにした液晶表示装置の製造方法について開示されている。
【0009】
また特許文献2では、対向基板上の対向電極とアクティブマトリクス基板上の配線とを電気的に接続するコモン転移電極部につながる接触用電極を設け、アースに接続されたプローブや導電性ゴムをその接触用電極に接触させることにより、対向電極から液晶表示装置内部に帯電した静電気を除去することができる液晶表示装置について開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開平10−177189号公報
【特許文献2】特開平11−305259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1および2に開示される技術では、TFT素子や駆動ICドライバ312の破壊が起こらない程度に液晶パネルPの帯電を抑えることはできるが、保護フィルムFの剥離時における偏光板308,309表面の帯電をなくすことはできないため、なんらかの原因で上述の技術が用いられない状況では、TFT素子や駆動ICドライバ312の破壊が生じてしまうおそれがある。
【0012】
また上述の技術では、液晶パネルPを液晶表示装置として組み立てる際などに、全ての液晶パネルPにおいて、たとえば対向電極取出し電極310と画素電極取出し電極311との間に高抵抗を介して接続したり、接触用電極を設けてアース接続をしたりする必要があり、これらの接続時に各電極を物理的に破壊してしまうおそれがある。
【0013】
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、液晶パネルPの各電極を破壊することなく、TFT素子や駆動ICドライバ312の破壊を確実に防ぐことのできる保護フィルム剥離装置および保護フィルム剥離方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、対向電極と画素電極とを有する液晶パネルの表面を保護する保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離装置であって、
液晶パネルを保持する保持部と、
保護フィルムを液晶パネルから剥離する剥離部と、
液晶パネルの帯電量を検出する帯電検出部と、
液晶パネルの保護フィルムが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置される電極部と、
帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、液晶パネルの帯電量を減少させるように電極部の印加電位を調整する電源部とを備えることを特徴とする保護フィルム剥離装置である。
【0015】
また本発明の保護フィルム剥離装置は、帯電検出部は、液晶パネル面に対して光を入射させる発光部と、液晶パネルを透過した透過光を受光する受光部とを備え、発光部および受光部は、液晶パネルを挟んで対向するように設けられ、透過光の受光量に基づいて帯電量を検出することを特徴とする。
【0016】
また本発明の保護フィルム剥離装置は、電極部は、液晶パネルと略同一寸法である矩形状の板状部材であり、液晶パネルの面に対して略平行になるように配置されることを特徴とする。
【0017】
また本発明の保護フィルム剥離装置は、電極部は、発光部と受光部との間に配設され、発光部から出射される光を通過させる開口部が設けられることを特徴とする。
【0018】
また本発明の保護フィルム剥離装置は、電源部は、バイポーラ電源を備えることを特徴とする。
【0019】
また本発明の保護フィルム剥離装置は、電源部は、帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、バイポーラ電源の出力を調整する電位調整部を備えることを特徴とする。
【0020】
また本発明の保護フィルム剥離装置は、電源部は、液晶パネルの対向電極と画素電極との間の電界による電界強度を減少させるように電極部の印加電位を調整することを特徴とする。
【0021】
また本発明は、対向電極と画素電極とを有する液晶パネルの表面を保護する保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離方法であって、
保持部は液晶パネルを保持し、剥離部は保護フィルムを液晶パネルから剥離し、帯電検出部は液晶パネルの帯電量を検出し、電極部は液晶パネルの保護フィルムが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置され、電源部は帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、液晶パネルの帯電量を減少させるように電極部の印加電位を調整することを特徴とする保護フィルム剥離方法である。
【0022】
また本発明の保護フィルム剥離方法は、帯電検出部は、液晶パネル面に対して光を入射させ、液晶パネルを透過した透過光を受光して、透過光の受光量に基づいて、液晶パネルの帯電量を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、対向電極と画素電極とを有する液晶パネルの表面を保護する保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離装置において、保持部は液晶パネルを保持し、剥離部は保護フィルムを液晶パネルから剥離し、帯電検出部は液晶パネルの帯電量を検出し、電極部は液晶パネルの保護フィルムが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置され、電源部は帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、液晶パネルの帯電量を減少させるように電極部の印加電位を調整する。
【0024】
このように、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置された電極部の印加電位を調整することによって液晶パネルの帯電量を減少させるようにするため、液晶パネルの各電極を破壊することなく、TFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことができる。
【0025】
また、帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて電極部の印加電位を調整するため、確実にTFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことができる。
【0026】
また本発明によれば、帯電検出部は、液晶パネル面に対して光を入射させる発光部と、液晶パネルを透過した透過光を受光する受光部とを備え、発光部および受光部は、液晶パネルを挟んで対向するように設けられ、透過光の受光量に基づいて帯電量を検出することが好ましい。これにより、液晶分子の配向を利用して簡便に液晶パネルの帯電量を検出することができ、より簡便に電極部の印加電位を調整することができる。
【0027】
また本発明によれば、電極部は、液晶パネルと略同一寸法である矩形状の板状部材であり、液晶パネルの面に対して略平行になるように配置されることが好ましい。これにより、保護フィルムの剥離によって液晶パネルに発生する電界による電界強度を減少させる電界を、液晶パネルに対して均一に発生させることができるため、TFT素子や駆動ICドライバの破壊をより確実に防ぐことができる。
【0028】
また本発明によれば、電極部は、発光部と受光部との間に配設され、発光部から出射される光を通過させる開口部が設けられることが好ましい。これにより、電極部を発光部と受光部との間に配設しても、発光部から出射される光が遮蔽されることなく受光部に受光されるようにすることができ、より装置を小型化することができる。
【0029】
また本発明によれば、電源部は、バイポーラ電源を備えることが好ましい。これにより、正負両電位を電極部に与えることができるため、保護フィルム剥離時における液晶パネル表面の帯電状態に対応して、電極部の印加電位を任意に設定することができる。
【0030】
また本発明によれば、電源部は、帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、バイポーラ電源の出力を調整する電位調整部を備えることが好ましい。これにより、より容易に電極部の印加電位を調整することができるようになり、TFT素子や駆動ICドライバの破壊をより容易に防ぐことができる。
【0031】
また本発明によれば、電源部は、液晶パネルの対向電極と画素電極との間の電界による電界強度を減少させるように電極部の印加電位を調整することが好ましい。これにより、保護フィルム剥離時に発生する液晶パネルの剥離帯電をより効果的になくすことができ、TFT素子や駆動ICドライバの破壊をより確実に防ぐことができる。
【0032】
また本発明によれば、対向電極と画素電極とを有する液晶パネルの表面を保護する保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離方法において、保持部は液晶パネルを保持し、剥離部は保護フィルムを液晶パネルから剥離し、帯電検出部は液晶パネルの帯電量を検出し、電極部は液晶パネルの保護フィルムが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置され、電源部は帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、液晶パネルの帯電量を減少させるように電極部の印加電位をを調整する。
【0033】
このように、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置された電極部の印加電位を調整することによって液晶パネルの帯電量を減少させるようにするため、液晶パネルの各電極を破壊することなく、TFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことができる。また、帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて電極部の印加電位を調整するため、確実にTFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことができる。
【0034】
また本発明によれば、帯電検出部は、液晶パネル面に対して光を入射させ、液晶パネルを透過した透過光を受光して、透過光の受光量に基づいて、液晶パネルの帯電量を検出することが好ましい。
【0035】
これにより、液晶分子の配向を利用して簡便に液晶パネルの帯電量を検出することができ、より簡便に電極部の電位を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の保護フィルム剥離装置は、対向電極と画素電極とを有する液晶パネルの表面を保護する保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離装置であって、液晶パネルを保持する保持部と、保護フィルムを液晶パネルから剥離する剥離部と、液晶パネルの帯電量を検出する帯電検出部と、液晶パネルの保護フィルムが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置される電極部と、帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、液晶パネルの帯電量を減少させるように電極部の印加電位を調整する電源部とを備える。
【0037】
このように、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置された電極部の印加電位を調整することによって液晶パネルの帯電量を減少させるようにするため、液晶パネルの各電極を破壊することなく、TFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことができる。
【0038】
また、帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて電極部の印加電位を調整するため、確実にTFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことができる。
【0039】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における保護フィルム剥離装置1の構成を簡略化して示す斜視図であり、図2は、本発明の保護フィルム剥離装置1によって保護フィルムFが剥離されるときの液晶パネルPの帯電状態を示す断面図である。
【0040】
本発明の一実施形態である保護フィルム剥離装置1は、製造時の作業などにおいて、液晶パネルPの表面にある偏光板が損傷することを防ぐために、偏光板表面を保護することを目的として貼り付けられる保護フィルムFを剥離するための剥離装置であって、図1に示すように、液晶パネルPを保持する保持台101、支持部材102および樹脂パッド103と、保護フィルムFを液晶パネルPから剥離する剥離部材104および移動手段(図示せず)と、液晶パネルPの帯電量を検出する発光部105および受光部106と、液晶パネルPの保護フィルムFが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルPと所定の間隔を隔てて配置される電極部107と、発光部105および受光部106が検出した液晶パネルPの帯電量に基づいて、液晶パネルPの帯電量を減少させるように電極部107の印加電位を調整する電位調整部108およびバイポーラ電源109とを備える。
【0041】
本発明の保護フィルム剥離装置1に適用される液晶パネルPの表面には、図1および図2に示すように、液晶パネルPの表面に設けられる偏光板を保護するために保護フィルムFが貼り付けられている。
【0042】
液晶パネルPの大きさとしては、特に限定されるものではないが、たとえば、テレビサイズにするためのパネル分断工程後に得られる1辺が400mm以上の寸法のものなどが挙げられる。
【0043】
保護フィルムFとしては、特に限定されるものではないが、傷に強い樹脂、たとえば熱可塑性ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂やナイロン樹脂などで作られたラミネートフィルムなどが挙げられる。また、保護フィルムFは液晶パネルPと略同一寸法であることが好ましく、特には液晶パネルPの4辺の端から5mm〜10mm程度小さい寸法であることが好ましい。
【0044】
保護フィルムFを液晶パネルPに貼り付ける粘着剤としては、特に限定されるものではなく一般的に用いられる有機系粘着剤により構成されたものであればよいが、剥離帯電防止性能に優れるものが好ましい。
【0045】
保護フィルム剥離装置1において、保持台101は、たとえばアルミ構造材などから構成され、その中央部が中抜きされて形成された中抜き部101aを有する矩形状の枠状部材である。中抜き部101aは、液晶パネルPがその内部に設置可能な形状であればよいが、たとえば、液晶パネルPの4辺の端から5mm〜20mm程度大きい矩形状に中抜きされた形状であることが好ましい。
【0046】
保持台101の下面部の四隅には、たとえばアルミ構造材などから構成される円柱状の支持部材102がそれぞれ1つずつ設けられて、保持台101を支持し固定する。
【0047】
保持台101の中抜き部101aに設置される液晶パネルPは、液晶パネルPの長辺に沿ってそれぞれ2つずつ並んで設けられる樹脂パッド103によって固定される。樹脂パッド103は、たとえばMC(Monomer Cast)ナイロンやウレタン樹脂などから構成される直方体状部材であり、中抜き部101aに設置される液晶パネルPの短辺方向に変位可能に保持台101に設けられる。樹脂パッド103は、中抜き部101aに設置される液晶パネルPに対して近接する方向に変位することによって液晶パネルPを短手方向両端側から挟持して、液晶パネルPが水平方向に移動しないように固定する。
【0048】
樹脂パッド103の配置としては、上記の配置に限られるものではなく、たとえば、液晶パネルPの4辺に沿って1つずつ設けられていてもよいし、また4つ以上設けられていてもよい。なお、液晶パネルPの短辺に沿って設けられる樹脂パッド103は、中抜き部101aに設置される液晶パネルPの長辺方向に変位可能に保持台101に設けられる。
【0049】
なお、上記の構成では、液晶パネルPを固定する手段として樹脂パッド103を用いたが、これに限定されず液晶パネルPを固定できるものであればよく、たとえば真空差圧を利用した吸盤などであってもよい。
【0050】
保持台101、支持部材102および保持部材103は、保持部に相当する。なお、保持部は、特に上記の構成に限定されるものではなく液晶パネルPをその上下面側に空間を有するようにして固定可能な構成のものであればよい。
【0051】
液晶パネルPの上方には、保護フィルムFを粘着して剥離する剥離部材104が配置される。剥離部材104は、たとえばアルミ合金などから構成される略直方体部材であり、保護フィルムFと対向する部分には粘着部104aが設けられる。粘着部104aの構成材料としては、粘着性を備える材料であればよく特に限定されるものではないが、たとえば柔軟性と粘着性とを兼ね備えるブチルゴムなどが挙げられる。
【0052】
粘着部104aと保護フィルムFとの粘着力は、液晶パネルP表面の偏光板と保護フィルムFとの粘着力よりも大きいことが好ましく、さらには1.5倍以上10倍以下であることが好ましい。粘着部104aと保護フィルムFとの粘着力の強度としては、たとえば100hPa以上であることが好ましい。
【0053】
剥離部材104は、上記構成に限定されず保護フィルムFの剥離が可能な構成であればよく、たとえば粘着ローラや粘着テープなどを用いる構成であってもよい。
【0054】
剥離部材104は、移動手段(図示せず)によって、上下方向、および液晶パネルPの一角部から対向する一角部まで、すなわち液晶パネルPの対角線方向に移動可能に構成される。移動手段としては、特に限定されるものではないが、たとえば複数軸を持った垂直多関節ロボットなどが挙げられる。
【0055】
移動手段(図示せず)は、保護フィルムFの剥離開始時に、剥離部材104を液晶パネルPの一角部に移動させて保護フィルムFの一角部を粘着させた後、液晶パネルPの一角部から対向する一角部まで移動させることにより、保護フィルムFを液晶パネルPから、完全に剥離させることができる。剥離部材104および移動手段は、剥離部に相当する。
【0056】
発光部105および受光部106は、液晶パネルPを挟んで対向するように設けられる。すなわち、液晶パネルPの中央部において液晶パネルPの下方には発光部105が設けられ、液晶パネルPを挟んだ発光部105の反対側であって、液晶パネルPの上方には受光部106が設けられる。
【0057】
なお、上記構成では、発光部105および受光部106は液晶パネルPの中央部に一対設けられる構成であったが特にこれに限定されるものではなく、たとえば複数対の発光部105および受光部106が中央部に一列に並んで設けられる構成であってもよい。このように、中央部一箇所のみよりも複数箇所において帯電量を測定した場合のほうが、より液晶パネルPの帯電状態を正確に把握できるため、発光部105および受光部106は複数対設けられる方が好ましい。
【0058】
発光部105は、たとえばLED(Light Emitting Diode)から構成され、液晶パネルPに向けて、液晶パネル面に対して略直角方向にレーザ光L1を出射して入射させる。受光部106は、たとえば光電センサから構成され、液晶パネルPを透過した透過光L2を受光して、その受光量に基づいて、液晶パネルPの帯電量を検出する。発光部105および受光部106は、帯電検出部に相当する。
【0059】
以下、発光部105および受光部106による帯電量検出の原理について説明する。図2に示すように、液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間に、たとえば電界Y2などの電界が発生すると、液晶材料203を構成する液晶分子が配向され、その結果、液晶パネルPの内部を光が透過するようになる。透過光L2の光量は、液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間の電界強度に依存することが知られている。発光部105および受光部106は、上述の原理を利用して液晶パネルPの帯電量を検出する。すなわち、発光部105から出射されたレーザ光L1は、液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間に電界が存在する場合には、液晶パネルPの内部を透過する。そして液晶パネルPの内部を透過した透過光L2は、受光部106に受光される。透過光L2の光量は液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間の電界による電界強度に比例するので、受光部106により透過光L2の光量を受光して測定することにより、液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間の電界強度、すなわち液晶パネルPの帯電量を間接的に求めることができる。
【0060】
このように、液晶パネル面に対してレーザ光L1を入射させる発光部105と、液晶パネルPを透過した透過光L2を受光する受光部106とが備えられ、発光部105および受光部106は、液晶パネルPを挟んで対向するように設けられ、透過光L2の受光量に基づいて帯電量を検出することにより、液晶分子の配向を利用して簡便に液晶パネルPの帯電量を検出することができ、より簡便に電極部107の電位を調整することができる。
【0061】
受光部106は、電位調整部108に接続され、検出した透過光L2の光量、すなわち液晶パネルPの帯電量を電位調整部108に入力する。電位調整部108は、受光部106により入力された液晶パネルPの帯電量に基づいて、バイポーラ電源109の出力を調整する。これにより、より容易に電極部107の印加電位を調整することができるようになり、TFT素子や駆動ICドライバ205の破壊をより容易に防ぐことができる。
【0062】
電極部107は、液晶パネルPの保護フィルムFが剥離される側の面に対して反対側、すなわち液晶パネルPの下方に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて、発光部105と受光部106との間に位置するように配置される。
【0063】
電極部107は、たとえばアルミニウムなどの金属から構成される矩形状の板状部材であり、その大きさとしては、液晶パネルPと略同一寸法であることが好ましく、特には液晶パネルPの4辺の端から5mm〜10mm程度大きい寸法であることが好ましい。
【0064】
また電極部107は、その面が、液晶パネルPの面に対して略平行になるように配置されることが好ましく、その間隔としては1mm〜10mm程度であることが好ましい。本実施形態においては、電極部107の面と液晶パネルPの面との間隔は1mm程度になるように構成される。
【0065】
このように、電極部107は、液晶パネルPと略同一寸法である矩形状の板状部材であり、液晶パネルPの面に対して略平行になるように配置されることにより、保護フィルムFの剥離によって液晶パネルPに発生する電界による電界強度を減少させる電界を、液晶パネルPに対して均一に発生させることができるため、TFT素子や駆動ICドライバ205の破壊をより確実に防ぐことができる。
【0066】
また、電極部107の中央部においては、発光部106からのレーザ光L1を遮蔽しないように、電極部107から生じる電界強度分布に影響がない程度の大きさの開口部(図示せず)が設けられる。
【0067】
このように、電極部107は、発光部105と受光部106との間に配設され、発光部105から出射されるレーザ光L1を通過させる開口部が設けられることが好ましい。これにより、電極部107を発光部105と受光部106との間に配設しても、発光部105から出射されるレーザ光L1が遮蔽されることなく受光部106に受光されるようにすることができ、より装置を小型化することができる。
【0068】
電極部107は、上記構成に限定されるものではなく、たとえば、表面に凹凸が設けられた形状のものであってもよいし、またメッシュ状の形状であってもよい。
【0069】
電極部107は、バイポーラ電源109に接続される。このように、電極部107が接続される電源がバイポーラ電源109であることにより、正負両電位を電極部107に与えることができ、保護フィルムFの剥離時における偏光板表面の帯電状態に対応して、電極部107の印加電位を任意に設定することができる。電位調整部108およびバイポーラ電源109は電源部に相当する。
【0070】
なお、バイポーラ電源109による印加電位の正負の設定は、保護フィルムFの剥離開始前に行う。たとえば、最初に保護フィルムFの剥離を行う場合、すなわち初期状態の液晶パネルPから保護フィルムFを剥離する場合には、偏光板204と保護フィルムFとの材質により偏光板204がたとえば正に帯電するとあらかじめ判断できる。そのため、この場合には、保護フィルムFの剥離開始前にバイポーラ電源109の印加電位を負に設定する。
【0071】
また、液晶パネルPの製造工程の都合により、再貼り付けされた保護フィルムFを再度剥離する場合などには、初期状態と帯電の正負が逆転することが知られている。そのため、この場合には、保護フィルムFの剥離開始前にバイポーラ電源109の印加電位を正に設定する。
【0072】
なお、上記構成では、電源としてバイポーラ電源を用いたが、特にこれに限定されるものではなく、一般的に使用される電源、たとえば単極性の電源を用いてもよい。
【0073】
以下、本発明の保護フィルム剥離装置1によって、保護フィルムFの剥離時に生じるTFT素子や駆動ICドライバ205の破壊を防ぐ方法について説明する。
【0074】
図2に示すように、保護フィルムFを剥離する際に、偏光板204の表面は剥離帯電によって、たとえば正に帯電する。このとき、偏光板204表面における帯電の正負は、保護フィルムFおよび偏光板204の材質に依存する。そして、帯電した偏光板204からは電界Y1が液晶パネルPの内部に向かって発生し、その作用により対向電極201が静電誘導されて内部に電荷の偏りを生じる。対向電極201の内部に電荷の偏りが生じると、電界Y2が画素電極202に向かって発生し、その作用により画素電極202もまた静電誘導されて内部に電荷の偏りを生じる。さらに、画素電極202の内部に電荷の偏りが生じると、電界Y3が、液晶パネルPの保護フィルムFが剥離される側の面に対して反対側に設けられる電極部107に向かって発生する。
【0075】
本発明の保護フィルム剥離装置1は、電位調整部108およびバイポーラ電源109によって電極部107の印加電位を調整することで、電界Y1,Y2およびY3による電界強度を減少させる電界Y4,Y5およびY6を生じさせることによって、保護フィルムFの剥離時に発生する液晶パネルPの剥離帯電をなくし、TFT素子や駆動ICドライバ205の破壊を防止する。
【0076】
ここで、電極部107の印加電位の調整方法について詳細に説明する。電位調整部108およびバイポーラ電源109は、保護フィルムFの剥離時に発生する液晶パネルPの剥離帯電をなくすために、発光部105および受光部106により検出された液晶パネルPの帯電量に基づいて、液晶パネルPの帯電量、すなわち電界Y1,Y2およびY3による電界強度を減少させるように電極部107の印加電位を調整する。その調整方法として、特には、保護フィルム剥離時に液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間に生じる電界Y2による電界強度を減少させるように、特に好ましくは電界Y1およびY3による電界強度と比較して最小になるように調整することが好ましい。
【0077】
電界Y2による電界強度は、上述したように、受光部106により検出された透過光L2の光量を測定することにより間接的に求めることができる。したがって、電位調整部108は、受光部106により入力された透過光L2の光量から電界Y2による電界強度を求め、その結果に基づいて液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間に生じる電界Y2による電界強度を減少させるように、バイポーラ電源109の出力を調整する。これにより、電界Y2による電界強度を最も効果的に減少させるように、電界Y4,Y5およびY6を発生させることができる。
【0078】
このように、電位調整部108およびバイポーラ電源109は、液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間の電界Y2による電界強度を減少させるように電極部107の印加電位を調整することにより、保護フィルム剥離時に発生する液晶パネルPの剥離帯電をより効果的になくすことができ、TFT素子や駆動ICドライバ205の破壊をより確実に防ぐことができる。
【0079】
なお上記構成では、電界Y2による電界強度を減少させるように電極部107の印加電位を調整したが、特にこれに限定されるものではなく、受光部106により検出された液晶パネルPの帯電量に基づいて電界Y3や電界Y4による電界強度を求め、その結果に基づいて電界Y3や電界Y4による電界強度を減少させるように調整してもよい。
【0080】
以下に、本発明の保護フィルム剥離装置1の動作について説明する。
本発明の保護フィルム剥離装置1により保護フィルムFの剥離を行うために、まず、たとえばユーザによって、液晶パネルPが保持台101の中抜き部101aに設置され、樹脂パッド103により固定される。そして、たとえばユーザにより保護フィルム剥離開始の指示がなされると、以下に示す一連の保護フィルム剥離動作が開始される。
【0081】
保護フィルム剥離開始の指示がなされると、移動手段(図示せず)は、剥離部材104を液晶パネルPの一角部の上方に移動させる。そして、剥離部材104の粘着部104aが保護フィルムFに接触する位置まで剥離部材104を下降させ、粘着部104aが保護フィルムFの一角部に接触して粘着されると、剥離部材104をあらかじめ入力された一定の高さまで上昇させる。これにより保護フィルムFの剥離が開始される。その後、剥離部材104があらかじめ入力された一定の高さまで上昇すると、移動手段は、剥離部材104を保護フィルムFが粘着された一角部から対向する一角部に向かって移動するように、液晶パネルPの対角線方向に移動させる。これにより、保護フィルムFは、液晶パネルPの対角線に沿って剥離されていく。
【0082】
保護フィルムFの剥離開始に同期して、すなわち移動手段による剥離部材104の上昇動作に同期して、発光部105は、液晶パネルPに向けて、液晶パネル面に対して略直角方向にレーザ光L1を出射して入射させる。そして受光部106は、液晶パネルPを透過した透過光L2を受光して、検出した透過光L2の受光量、すなわち液晶パネルPの帯電量を電位調整部108に入力する。
【0083】
電位調整部108は、受光部106により入力された透過光L2の受光量に基づいて、液晶パネルPの対向電極201と画素電極202との間に生じる電界Y2による電界強度を求め、その結果に基づいて、電界Y2による電界強度を減少させるようにバイポーラ電源109の出力を調整する。バイポーラ電源109は、電界Y2による電界強度を最も効果的に減少させるように、電極部107の印加電位を調整することにより電界Y4,Y5およびY6を発生させ、保護フィルムFの剥離によって液晶パネルPに発生する電界Y1,Y2およびY3による電界強度を減少させる。
【0084】
発光部105および受光部106による帯電量検出動作、ならびに電位調整部108およびバイポーラ電源109による電極部107の印加電位の調整動作は、移動手段が保護フィルムFが粘着された一角部から対向する一角部まで移動して、全ての保護フィルムFが剥離されるまで続けられる。
【0085】
そして、保護フィルムFが全て剥離されると、発光部105および受光部106による帯電量検出動作、ならびに電位調整部108およびバイポーラ電源109による電極部107の印加電位の調整動作は停止され、保護フィルム剥離装置1による一連の保護フィルム剥離動作は終了する。
【0086】
このように、本発明の保護フィルム剥離装置1において、保持台101、支持部材102および樹脂パッド103は液晶パネルPを保持し、剥離部材104および移動手段(図示せず)は保護フィルムFを液晶パネルPから剥離し、発光部105および受光部106は液晶パネルPの帯電量を検出し、電極部107は液晶パネルPの保護フィルムFが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルPと所定の間隔を隔てて配置され、電位調整部108およびバイポーラ電源109は発光部105および受光部106が検出した液晶パネルPの帯電量に基づいて、液晶パネルPの帯電量を減少させるように電極部107の印加電位を調整する。
【0087】
このように、液晶パネルPと所定の間隔を隔てて配置された電極部107の印加電位を調整することによって液晶パネルPの帯電量を減少させるようにするため、液晶パネルPの各電極を破壊することなく、TFT素子や駆動ICドライバ205の破壊を防ぐことができる。
【0088】
また、発光部105および受光部106が検出した液晶パネルPの帯電量に基づいて電極部107の印加電位を調整するため、確実にTFT素子や駆動ICドライバの破壊を防ぐことができる。
【0089】
なお、上記実施形態においては、発光部105および受光部106は液晶パネルPの中央部に一対設けられる構成であったが、たとえば複数対の発光部105および受光部106が設けられる場合には、複数の受光部106により受光される透過光L2の受光量の平均値を求め、求めた平均値に基づいて、上述の電位調整部108およびバイポーラ電源109による電極部107の印加電位の調整動作を行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施形態における保護フィルム剥離装置の構成を簡略化して示す斜視図である。
【図2】本発明の保護フィルム剥離装置によって保護フィルムが剥離されるときの液晶パネルの帯電状態を示す断面図である。
【図3】液晶パネルの構造を示す断面図である。
【図4】保護フィルム剥離時における液晶パネルの帯電状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0091】
1 保護フィルム剥離装置
101 保持台
102 支持部材
103 樹脂パッド
104 剥離部材
105 発光部
106 受光部
107 電極部
108 電位調整部
109 バイポーラ電源
201 対向電極
202 画素電極
203 液晶材料
204 偏光板
205 駆動ICドライバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向電極と画素電極とを有する液晶パネルの表面を保護する保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離装置であって、
液晶パネルを保持する保持部と、
保護フィルムを液晶パネルから剥離する剥離部と、
液晶パネルの帯電量を検出する帯電検出部と、
液晶パネルの保護フィルムが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置される電極部と、
帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、液晶パネルの帯電量を減少させるように電極部の印加電位を調整する電源部とを備えることを特徴とする保護フィルム剥離装置。
【請求項2】
帯電検出部は、液晶パネル面に対して光を入射させる発光部と、液晶パネルを透過した透過光を受光する受光部とを備え、発光部および受光部は、液晶パネルを挟んで対向するように設けられ、透過光の受光量に基づいて帯電量を検出することを特徴とする請求項1に記載の保護フィルム剥離装置。
【請求項3】
電極部は、液晶パネルと略同一寸法である矩形状の板状部材であり、液晶パネルの面に対して略平行になるように配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の保護フィルム剥離装置。
【請求項4】
電極部は、発光部と受光部との間に配設され、発光部から出射される光を通過させる開口部が設けられることを特徴とする請求項2に記載の保護フィルム剥離装置。
【請求項5】
電源部は、バイポーラ電源を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の保護フィルム剥離装置。
【請求項6】
電源部は、帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、バイポーラ電源の出力を調整する電位調整部を備えることを特徴とする請求項5に記載の保護フィルム剥離装置。
【請求項7】
電源部は、液晶パネルの対向電極と画素電極との間の電界による電界強度を減少させるように電極部の印加電位を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の保護フィルム剥離装置。
【請求項8】
対向電極と画素電極とを有する液晶パネルの表面を保護する保護フィルムを剥離する保護フィルム剥離方法であって、
保持部は液晶パネルを保持し、剥離部は保護フィルムを液晶パネルから剥離し、帯電検出部は液晶パネルの帯電量を検出し、電極部は液晶パネルの保護フィルムが剥離される側の面に対して反対側に、液晶パネルと所定の間隔を隔てて配置され、電源部は帯電検出部が検出した液晶パネルの帯電量に基づいて、液晶パネルの帯電量を減少させるように電極部の印加電位を調整することを特徴とする保護フィルム剥離方法。
【請求項9】
帯電検出部は、液晶パネル面に対して光を入射させ、液晶パネルを透過した透過光を受光して、透過光の受光量に基づいて、液晶パネルの帯電量を検出することを特徴とする請求項8に記載の保護フィルム剥離方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−86547(P2009−86547A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259152(P2007−259152)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】