説明

信号処理装置、信号処理システム、プローブ、信号処理方法、および、プログラム

【課題】所望の範囲の超音波画像を簡単かつ効率よく取得する。
【解決手段】信号処理システムは、相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子と、複数の振動子の相対位置に関する位置情報を検出する角度センサと、位置情報に基づいて、複数の振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する遅延計算部とを備える。本技術は、例えば、超音波画像の撮影を行う超音波診断装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、信号処理装置、信号処理システム、プローブ、信号処理方法、および、プログラムに関し、特に、超音波画像の撮影を行う場合に用いて好適な信号処理装置、信号処理システム、プローブ、信号処理方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波画像の撮影を行う超音波診断装置では、プローブ内の各振動子が超音波を送信または受信するタイミング(遅延量)を個別に制御することにより、送信波および受信波の焦点位置を制御するビームフォーミングが行われている。
【0003】
そして、従来の超音波診断装置では、プローブ内の振動子の位置が固定されているため、例えば、その位置に基づいて、予めビームフォーミングを行うための遅延量を計算しておき、装置内の記憶装置に固定値として保持していた。
【0004】
また、従来、プローブ内の振動子の配置情報に基づいて、ビームフォーミングを行うための遅延量を都度計算することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
さらに、従来、複数のプローブを連結し、連結部分に角度センサを設け、角度センサにより検出された角度に基づいて、各プローブを用いて撮影された超音波画像の相対的な位置関係を計算し、合成することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−31107号公報
【特許文献2】特開2005−137581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、プローブの種類に応じて、適切な遅延量が計算されるが、プローブ内の振動子の位置が固定されているため、撮影範囲を柔軟に変更することができない。
【0008】
また、特許文献2に記載の発明では、各プローブが個別に超音波の送受信を行うため、撮影範囲が重複したり、撮影できない死角が生じたりする場合がある。
【0009】
本技術は、所望の範囲の超音波画像を簡単かつ効率よく取得できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術の第1の側面の信号処理装置は、相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部を含む。
【0011】
複数の前記振動子を、複数のプローブに分かれて配置し、前記位置情報を、複数の前記プローブの相対位置を示すようにすることができる。
【0012】
前記焦点位置制御部には、複数の前記プローブの相対位置に基づいて、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の前記送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の前記受信焦点位置を制御させることができる。
【0013】
複数の前記振動子を、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブに配置し、前記位置情報を、前記プローブの変形度を示すようにすることができる。
【0014】
前記焦点位置制御部には、前記位置情報に基づいて、各前記振動子の送信の遅延時間を示す送信遅延量、および、各前記振動子の受信の遅延時間を示す受信遅延量を計算させることができる。
【0015】
前記送信遅延量に基づいて、各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、前記受信遅延量に基づいて、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部とをさらに設けることができる。
【0016】
前記受信信号を合成することにより得られる信号に基づいて、超音波画像を生成する信号処理部をさらに設けることができる。
【0017】
本技術の第1の側面の信号処理方法は、信号処理装置が、相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御するステップを含む。
【0018】
本技術の第1の側面のプログラムは、相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御するステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0019】
本技術の第2の側面の信号処理システムは、相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子と、複数の前記振動子の相対位置に関する位置情報を検出するセンサと、前記位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部とを含む。
【0020】
複数の前記振動子を、複数のプローブに分かれて配置し、前記センサには、複数の前記プローブの相対位置を検出させることができる。
【0021】
前記焦点位置制御部には、複数の前記プローブの相対位置に基づいて、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の前記送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の前記受信焦点位置を制御させることができる。
【0022】
複数の前記振動子を、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブに配置し、前記センサには、前記プローブの変形度を検出させることができる。
【0023】
前記焦点位置制御部には、前記位置情報に基づいて、各前記振動子の送信の遅延時間を示す送信遅延量、および、各前記振動子の受信の遅延時間を示す受信遅延量を計算させ、前記送信遅延量に基づいて、各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、前記受信遅延量に基づいて、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部とをさらに設けることができる。
【0024】
前記受信信号を合成することにより得られる信号に基づいて、超音波画像を生成する信号処理部をさらに設けることができる。
【0025】
複数の前記振動子が配置されている1つ以上のプローブおよび前記センサを備えるプローブユニットと、前記信号処理部を備える信号処理装置とを設け、前記焦点位置制御部、前記送信制御部、および、前記受信制御部を、それぞれ前記プローブユニットまたは前記信号処理装置のいずれかに配置するようにすることができる。
【0026】
本技術の第3の側面のプローブは、超音波の振動子を備える複数のプローブと、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記プローブの相対位置を示す情報である位置情報を検出するセンサとを含む。
【0027】
各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部とをさらに設けることができる。
【0028】
本技術の第4の側面のプローブは、複数の超音波の振動子を備え、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブと、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記振動子の相対位置を示す情報である位置情報を検出するセンサとを含む。
【0029】
各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部とをさらに設けることができる。
【0030】
本技術の第1の側面においては、相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置が制御される。
【0031】
本技術の第2の側面においては、相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報が検出され、前記位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置が制御される。
【0032】
本技術の第3の側面においては、複数のプローブに分かれて配置されている複数の超音波の振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記プローブの相対位置を示す情報である位置情報が検出される。
【0033】
本技術の第4の側面においては、複数の超音波の振動子を備え、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブの複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記振動子の相対位置を示す情報である位置情報が検出される。
【発明の効果】
【0034】
本技術の第1乃至第4の側面によれば、所望の範囲の超音波画像を簡単かつ効率よく取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本技術を適用した信号処理システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】プローブの構成例を示す模式図である。
【図3】信号処理システムにより実行される超音波送受信処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】有効振動子の設定方法の例を説明するための図である。
【図5】信号処理システムにより実行される超音波信号処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本技術の効果を説明するための図である。
【図7】本技術の効果を説明するための図である。
【図8】本技術の効果を説明するための図である。
【図9】プローブの変形例を模式的に示す断面図である。
【図10】プローブの変形例を模式的に示す断面図である。
【図11】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
【0037】
<1.実施の形態>
[信号処理システム101の構成例]
図1は、本技術を適用した信号処理システムの一実施の形態を示すブロック図である。
【0038】
信号処理システム101は、超音波を用いて被写体の内部の画像(すなわち、超音波画像)を撮影し、表示する装置である。信号処理システム101は、例えば、医療用として患者の身体の内部や胎児などの撮影に用いたり、工業用として製品の内部の断面などの撮影に用いたりする。
【0039】
信号処理システム101は、プローブユニット111、信号処理装置112、および、表示装置113を含むように構成される。
【0040】
プローブユニット111は、信号処理装置112の制御の下に、被写体に対して超音波ビーム(以下、送信波とも称する)を送信するとともに、被写体からの反射波(以下、受信波とも称する)を受信し、受信した反射波の強度の検出を行う。
【0041】
プローブユニット111は、プローブ121a、プローブ121b、回転軸122、角度センサ123、送受信切替部124、送信BF(ビームフォーミング)部125、および、受信BF(ビームフォーミング)部126を含むように構成される。
【0042】
プローブ121aは、図2に示されるように、振動子151a−1乃至151a−4を備えている。振動子151a−1乃至151a−4はそれぞれ、送信BF部125の制御の下に超音波の送信を行う。また、振動子151a−1乃至151a−4は、送信した超音波に対する反射波を受信し、受信した反射波の強度を示す受信信号を、送受信切替部124を介して受信BF部126に供給する。
【0043】
プローブ121bは、図2に示されるように、プローブ121aと同様の構成を有しており、振動子151b−1乃至151b−4を備えている。振動子151b−1乃至151b−4はそれぞれ、送信BF部125の制御の下に超音波の送信を行う。また、振動子151b−1乃至151b−4は、送信した超音波に対する反射波を受信し、受信した反射波の強度を示す受信信号を、送受信切替部124を介して受信BF部126に供給する。
【0044】
プローブ121aとプローブ121bは、回転軸122を含むヒンジ構造により連結されており、回転軸122を支点にして、プローブ121aとプローブ121bの間の相対角度を変化させることができる。その結果、プローブ121aの振動子151a−1乃至151a−4と、プローブ121bの振動子151b−1乃至151b−4との間の相対位置が変化する。
【0045】
また、回転軸122には、角度センサ123が内蔵されている。角度センサ123は、回転軸122の回転角を検出し、検出した回転角を示すセンサ信号を信号処理装置112の遅延計算部131に供給する。
【0046】
なお、以下、プローブ121aとプローブ121bを個々に区別する必要がない場合、単にプローブ121と称する。また、振動子151a−1乃至151a−4を個々に区別する必要がない場合、単に振動子151aと称し、振動子151b−1乃至151b−4を個々に区別する必要がない場合、単に振動子151bと称する。さらに、振動子151a−1乃至151b−4を個々に区別する必要がない場合、単に振動子151と称する。
【0047】
送受信切替部124は、内蔵するスイッチを切り替えることにより、送信BF部125および受信BF部126のいずれかを選択して、プローブ121に接続する。
【0048】
送信BF部125は、信号処理装置112の制御の下に、送信ビームフォーミングを行う。すなわち、送信BF部125は、プローブ121の各振動子151からの超音波の送信タイミング等を制御することにより、各振動子151から送信される超音波により形成される超音波ビームの波形を制御する。
【0049】
受信BF部126は、信号処理装置112の制御の下に、受信ビームフォーミングを行う。すなわち、受信BF部126は、各プローブ121の各振動子151から供給される受信信号を時間をシフトして合成することにより、被写体の各位置からの反射波の強度を示す信号(以下、反射波検出信号と称する)を生成する。受信BF部126は、生成した反射波検出信号を信号処理装置112の信号処理部132に供給する。
【0050】
信号処理装置112は、プローブユニット111の制御を行うとともに、プローブユニット111から供給される反射波検出信号に基づいて、被写体の内部を示す超音波画像を生成する。
【0051】
信号処理装置112は、遅延計算部131および信号処理部132を含むように構成される。
【0052】
遅延計算部131は、角度センサ123による回転軸122の回転角の検出結果等に基づいて、プローブ121の各振動子151の送信の遅延時間を示す遅延量(以下、送信遅延量と称する)を計算する。そして、遅延計算部131は、送信遅延量を送信BF部125に供給することにより、送信BF部125による送信ビームフォーミングの制御を行う。
【0053】
また、遅延計算部131は、角度センサ123による回転軸122の回転角の検出結果等に基づいて、プローブ121の各振動子151の受信の遅延時間を示す遅延量(以下、受信遅延量と称する)を計算する。そして、遅延計算部131は、受信遅延量を受信BF部126に供給することにより、受信BF部126による受信ビームフォーミングの制御を行う。
【0054】
信号処理部132は、受信BF部126から供給される反射波検出信号に基づいて、被写体の内部を示す超音波画像を生成する。信号処理部132は、生成した超音波画像を表示装置113に供給する。
【0055】
表示装置113は、信号処理部132により生成された超音波画像を表示する。
【0056】
[信号処理システム101の処理]
次に、図3乃至図5を参照して、信号処理システム101の処理について説明する。
【0057】
[超音波受信処理]
まず、図3のフローチャートを参照して、信号処理システム101のプローブユニット111および信号処理装置112の遅延計算部131により実行される超音波送受信処理について説明する。
【0058】
なお、この処理は、例えば、図示せぬ入力部を介して、処理の開始の指令が入力されたとき開始され、処理の終了の指令が入力されたとき終了する。
【0059】
ステップS1において、遅延計算部131は、角度センサ123から供給されるセンサ信号に基づいて、プローブ121間の角度を読み取る。
【0060】
ステップS2において、遅延計算部131は、送信遅延量を計算する。
【0061】
ここで、プローブユニット111は、プローブ121の各振動子151により送信される超音波ビーム(送信波)を、所定の走査方向(例えば、放射状あるいは超音波ビームの進行方向に対して垂直方向)に走査する。
【0062】
また、プローブユニット111は、超音波ビームの電子フォーカスを行う。すなわち、プローブユニット111は、超音波ビームの送受信に用いる振動子151(以下、有効振動子と称する)を切り替えるとともに、各有効振動子の送信タイミングを制御し、各有効振動子から送信される超音波の位相を制御する。これにより、有効振動子から送信される超音波により形成される超音波ビームの焦点位置(以下、送信焦点位置と称する)が制御される。
【0063】
なお、1本の走査線について、送信焦点位置を1つ設定して、1回だけ超音波ビームを送信するようにしてもよいし、深度が異なる複数の送信焦点位置を設定して、複数回超音波ビームを送信する多段フォーカスを行うようにしてもよい。ただし、送信焦点位置を多く設定するほど、より詳細な超音波画像を得ることができる一方、超音波ビームの送受信回数が増えるため、フレームレートが低くなる。従って、送信焦点位置の設定数は、例えば、要求される画質やフレームレート等に基づいて設定される。
【0064】
また、超音波ビームを走査する範囲である走査面の形状は、例えば、ユーザが設定するようにしてもよいし、プローブ121間の角度に基づいて自動的に設定するようにしてもよい。
【0065】
そこで、遅延計算部131は、走査線の数、1走査線当たりの送信焦点位置の数等に基づいて、1フレームの超音波画像の撮影に用いる複数の送信焦点位置を設定する。そして、遅延計算部131は、それらの送信焦点位置の中から、次に送信する超音波ビームの送信焦点位置を選択する。
【0066】
また、遅延計算部131は、選択した送信焦点位置に応じて、次の超音波ビームの送受信に用いる複数の有効振動子を選択する。このとき、有効振動子が、2つのプローブ121にまたがってもよい。
【0067】
なお、有効振動子の数は、固定するようにしてもよいし、可変にするようにしてもよい。前者の場合、例えば、有効振動子の数が所定の値(例えば、4つ)に固定され、送信焦点位置に応じて、有効振動子の位置がシフトされる。
【0068】
一方、後者の場合、例えば、送信焦点位置に応じて、有効振動子の位置だけでなく、有効振動子の数も変更される。例えば、図4に示されるように、最初に振動子151a−1乃至151a−3の組が有効振動子に設定された後、振動子151a−2乃至151a−4の組、振動子151a−4と151b−1の組、振動子151b−1乃至151b−3の組、振動子151b−2乃至151b−4の組の順に、有効振動子の数や位置を変更することが可能である。なお、図内のθは、プローブ121aとプローブ121bとの間の角度を示している。
【0069】
あるいは、常にプローブ121aおよび121bの全ての振動子151を有効振動子に設定するようにすることも可能である。
【0070】
なお、送信に用いる振動子151と受信に用いる振動子151とを必ずしも一致させる必要はない。例えば、送信に用いる振動子151の組み合わせと異なる振動子151の組み合わせにより、超音波ビームの反射波を受信するようにしてもよい。
【0071】
なお、以下では、特に記載がない限り、同じ振動子151を用いて超音波の送受信を行うものとする。
【0072】
また、遅延計算部131は、プローブ121間の角度、および、既知のジオメトリ情報に基づいて、有効振動子間の相対位置を計算する。ここで、ジオメトリ情報には、例えば、各プローブ121における各振動子151間の距離、回転軸122から各振動子151までの距離等が含まれる。
【0073】
さらに、遅延計算部131は、有効振動子間の相対位置に基づいて、各有効振動子と送信焦点位置との間の距離、あるいは、その距離の差を計算する。
【0074】
そして、遅延計算部131は、各有効振動子から送信される超音波が送信焦点位置に到達する時間の差に基づいて、各有効振動子から超音波を送信するタイミングを遅らせる時間を示す送信遅延量を計算する。すなわち、遅延計算部131は、各有効振動子から送信される超音波により形成される焦点位置が、設定した送信焦点位置と一致するように、各有効振動子に対する送信遅延量を計算する。
【0075】
なお、送信遅延量の計算には、上述したパラメータ以外にも、例えば、表示モードやゲイン設定などの他のパラメータを用いる場合もある。
【0076】
遅延計算部131は、各有効振動子に対する送信遅延量を示す情報を送信BF部125に送信する。
【0077】
ステップS3において、送信BF部125は、送信ビームフォーミングを行う。具体的には、送信BF部125は、遅延計算部131により計算された各有効振動子の送信遅延量に基づいて、各有効振動子から送信する超音波の波形の計算を行う。
【0078】
ステップS4において、プローブユニット111は、超音波ビームを送信する。具体的には、送受信切替部124は、スイッチの位置を送信BF部125側に切り替える。送信BF部125は、送受信切替部124を介して、各有効振動子に制御信号を供給し、ステップS3で計算した波形の超音波を送信させる。
【0079】
そして、各有効振動子から送信される超音波により形成される超音波ビームは、ステップS2で設定した送信焦点位置において焦点を形成する。
【0080】
ステップS5において、プローブユニット111は、反射波を受信する。具体的には、送受信切替部124は、スイッチの位置を受信BF部126側に切り替える。そして、各有効振動子は、ステップS4において送信された超音波ビームに対する反射波を受信する。各有効振動子は、受信した反射波の強度を電気信号に変換し、受信した反射波の強度の時系列の変化を示す受信信号を、送受信切替部124を介して、受信BF部126に供給する。受信BF部126は、例えば、各有効振動子からの受信信号を増幅するとともに、デジタルの信号にA/D変換する。
【0081】
ステップS6において、遅延計算部131は、ステップS1の処理と同様に、プローブ121間の角度を読み取る。
【0082】
ステップS7において、遅延計算部131は、受信遅延量を計算する。
【0083】
ここで、プローブユニット111は、1回の超音波ビームの送信につき、デジタル処理により焦点位置(以下、受信焦点位置と称する)を変えながら、有効振動子により受信される反射波(受信波)の受信を行うダイナミックフォーカスを行う。
【0084】
そこで、遅延計算部131は、ステップS4において送信した超音波ビームの走査線上に、複数の受信焦点位置を設定する。
【0085】
なお、受信焦点位置の設定数は、例えば、要求される画質やフレームレート等に基づいて設定される。なお、通常、受信焦点位置は送信焦点位置より多く設定される。
【0086】
また、遅延計算部131は、プローブ121間の角度、および、既知のジオメトリ情報に基づいて、有効振動子間の相対位置を計算する。そして、遅延計算部131は、有効振動子間の相対位置に基づいて、設定した全ての受信焦点位置について、各有効振動子との間の距離、あるいは、各有効振動子との間の距離の差を計算する。
【0087】
ここで、ある受信焦点位置からの反射波は、その受信焦点位置からの距離に応じた時間差で各有効振動子に到達する。従って、各有効振動子から供給される受信信号を、その時間差を設けて合成することにより、その受信焦点位置からの反射波の強度を示す反射波検出信号を生成することができる。
【0088】
そして、遅延計算部131は、各受信焦点位置について、その受信焦点位置からの反射波が各有効振動子に到達する時間差に基づいて、各有効振動子で生成された受信信号を合成する際の各受信信号の時間方向のシフト量を示す受信遅延量を計算する。
【0089】
ステップS8において、受信BF部126は、受信ビームフォーミングを行う。具体的には、受信BF部126は、受信焦点位置を1つ選択し、選択した受信焦点位置に対する受信遅延量に基づいて、各有効振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する。これにより、選択した受信焦点位置からの反射波の強度を示す反射波検出信号が生成される。
【0090】
受信BF部126は、同様の処理を全ての受信焦点位置について実行する。これにより、現在の走査線上に設定されている各受信焦点位置に対する反射波検出信号が生成される。
【0091】
受信BF部126は、各受信焦点位置における反射波検出信号を信号処理部132に送信する。
【0092】
その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1乃至S8の処理が繰り返し実行される。
【0093】
このように、送信焦点位置を移動させながら超音波ビームが走査され、その反射波に基づいて、各走査線上に設定された受信焦点位置からの反射波の強度を示す反射波検出信号が生成され、信号処理部132に供給される。
【0094】
[超音波信号処理]
次に、図5のフローチャートを参照して、図3の超音波送受信処理に対応して、信号処理装置112の信号処理部132および表示装置113により実行される超音波信号処理について説明する。
【0095】
ステップS51において、信号処理部132は、超音波画像を生成する。具体的には、信号処理部132は、1フレーム分の反射波検出信号が蓄積された時点で、各反射波検出信号に基づいて、各受信焦点位置からの反射波の強度を計算する。そして、信号処理部132は、各受信焦点位置における反射波の強度に基づいて、被写体の内部を示す超音波画像を生成する。信号処理部132は、生成した超音波画像を表示装置113に供給する。
【0096】
ステップS52において、表示装置113は、信号処理部132により生成された超音波画像を表示する。
【0097】
その後、処理はステップS51に戻り、ステップS51およびS52の処理が繰り返し実行される。
【0098】
以上のようにして、プローブ121間の相対位置をリアルタイムに検出し、プローブ121間の相対位置により間接的に求まる振動子151間の相対位置に基づいて、送信遅延量および受信遅延量が逐次計算される。そして、その送信遅延量および受信遅延量を用いて、プローブ121(振動子151)間の相対位置に応じて、送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングが適切に行われる。
【0099】
また、異なるプローブ121に分かれて配置されている振動子151を協調させて、ビームフォーミングを行うことができる。
【0100】
ここで、図6乃至図8を参照して、信号処理システム101のように、各プローブ121が協調してビームフォーミングを行う場合の効果を、従来のように各プローブ121が独立してビームフォーミングを行う場合と比較しながら説明する。
【0101】
なお、図6乃至図8の左側の図は、各プローブ121が独立してビームフォーミングを行う場合の例を示しており、右側の図は各プローブ121が協調してビームフォーミングを行う場合の例を示している。また、図6乃至図8内の斜線の部分は、超音波ビームの走査範囲を示している。
【0102】
例えば、各プローブ121が独立してビームフォーミングを行う場合、図6の左側に示されるように、各プローブ121が互いに内側に向けられることにより、超音波ビームの走査範囲が重なる領域が生じることがある。この走査範囲が重なる領域では、超音波ビームが無駄に走査されることになり、その結果処理時間の遅延が発生する。
【0103】
また、例えば、各プローブ121が独立してビームフォーミングを行う場合、図7の左側に示されるように、各プローブ121が互いに外側に向けられることにより、超音波ビームが走査されずに、死角となる領域が生じることがある。
【0104】
一方、各プローブ121が協調してビームフォーミングを行う場合、図6および図7の右側に示されるように、各プローブ121の向きに関わらず、走査範囲の重複や死角を発生させずに、効率よく所望の範囲内で超音波ビームを走査することが可能になる。また、ユーザは、プローブ121の間の角度を調整するだけで、簡単の所望の範囲内で超音波を走査させることができる。これにより、所望の範囲の超音波画像を簡単かつ効率よく取得することができる。
【0105】
また、各プローブ121が独立してビームフォーミングを行う場合、図8の左側に示されるように、振動子151を最大4素子までしか協調して動作させることができない。一方、各プローブ121が協調してビームフォーミングを行う場合、図8の右側に示されるように、振動子151を最大8素子まで協調して動作させることができる。
【0106】
その結果、得られる情報量が増え、ノイズに強く安定した画質の超音波画像を得ることができる。また、送信焦点位置や受信焦点位置の設定位置の自由度が高くなり、多段フォーカスの効果をより精細に得ることができる。
【0107】
また、複数のプローブを用いる場合、一般的に複数のプローブの送信と受信のタイミングを適切に制御しないと、送信波と受信波が混じり合いデータの信頼性が低下する。
【0108】
従って、従来のように各プローブ121が独立して制御される場合、送信波と受信波の混信を防ぐためには、最も安全なシーケンシャル処理を行う必要がある。すなわち、1つのプローブ121で超音波ビームの走査を行った後、次のプローブ121で超音波ビームの走査を行う必要がある。
【0109】
一方、各プローブ121を協調して制御する場合、干渉が問題になる超音波ビーム同士の混信を避ければよく、効率的に送信と受信のスケジューリングを行うことができる。また、ジオメトリ情報に基づいて、混信シミュレーションを行うことができ、受信信号から混信成分を除去することも可能である。
【0110】
<2.変形例>
以下、本技術の実施の形態の変形例について説明する。
【0111】
[変形例1]
プローブ121間の相対位置を変化させる機構は、上述した例に限定されるものではなく、他の機構を採用することが可能である。
【0112】
また、プローブ121間の相対位置を検出する手段やその数も、上述した例に限定されるものではない。すなわち、プローブ121間の相対位置を検出し、間接的に各振動子151間の相対位置を検出することが可能な他のパラメータ、例えば、距離、向き、曲げ、歪み、ねじり、並進運動、回転運動等を検出する手段を採用することが可能である。
【0113】
[変形例2]
また、プローブの数は、上述した例に限定されるものではなく、本技術は、3以上のプローブを協調して用いる場合にも適用することが可能である。
【0114】
また、プローブ内の振動子の数も、上述した例に限定されるものではなく、1以上の任意の数に設定することができる。また、必ずしも、各プローブの振動子の数を一致させる必要はない。
【0115】
[変形例3]
さらに、以上の説明では、プローブ間の相対位置が変化し、プローブ内での振動子の相対位置が固定されている例を示したが、本技術は、プローブ内で振動子の相対位置が変化する場合にも適用できる。
【0116】
図9および図10は、プローブ内で振動子の相対位置が変化するプローブの例を模式的に示す断面図である。
【0117】
プローブ201は、可撓性素材または弾性素材からなる筐体211の中に、振動子212−1,212−2が設けられている。振動子212−1,212−2は、可撓性素材からなる板状の部材213に取り付けられている。また、振動子212−1,212−2は、制御線214を介して他の装置や部品(例えば、図1の送受信切替部124)に接続される。
【0118】
また、部材213には、部材213の曲がり具合を検出する曲げセンサ215が設けられている。曲げセンサ215は、制御線216を介して他の装置や部品(例えば、図1の遅延計算部131)に接続される。
【0119】
プローブ201は、筐体211が可撓性または弾性を有しており、部材213が可撓性を有している。従って、図10に示されるように、例えば、筐体211を曲げたり、ひねったりして変形させることにより、プローブ201内で、振動子212−1と振動子212−2の間の相対位置を変化させることができる。
【0120】
この振動子212−1と振動子212−2の間の相対位置の変化は、曲げセンサ215の検出値とジオメトリ情報に基づいて検出することが可能である。そして、振動子212−1と振動子212−2の間の相対位置に基づいて、上述したように送信遅延量および受信遅延量を計算し、送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングを行うことが可能である。
【0121】
なお、この例では、説明を簡単にするために、2つの振動子を備える例を示しているが、3つ以上の振動子を備え、各振動子間の相対位置を検出するようにすることも可能である。
【0122】
また、プローブ内の振動子の相対位置を変化させる機構は、この例に限定されるものではない。例えば、1つのプローブ内に、図1のプローブユニット111と同様のヒンジ機構を設け、そのヒンジ機構によりプローブ内の振動子の相対位置を変化させるようにしてもよい。
【0123】
さらに、プローブ内の振動子の相対位置を検出する手段やその数は、この例に限定されるものではない。例えば、曲げセンサ215以外の手段により、部材213の変形度を検出するようにしてもよい。
【0124】
さらに、図1のプローブユニット111と同様に、複数のプローブ201を接続し、各プローブ間の相対位置を検出するようにしてもよい。そして、プローブ内の振動子の相対位置だけでなく、プローブ間の振動子の相対位置に基づいて、送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングを行うようにしてもよい。
【0125】
また、プローブ121のようにプローブ内の振動子の位置が固定されているプローブと、プローブ201のようにプローブ内の振動子の位置が変化するプローブを組み合わせて用いることも可能である。
【0126】
[変形例5]
また、以上の説明では、超音波ビームの送信、および、反射波の受信を1回行う毎に、プローブ121間の角度を読み取り、送信遅延量および受信遅延量を更新する例を示したが、更新頻度を少なくするようにしてもよい。例えば、1フレーム毎あるいは数フレーム毎に送信遅延量および受信遅延量を更新するようにしてもよい。
【0127】
なお、送信遅延量よりも、受信遅延量の更新頻度を多く設定することが望ましい。
【0128】
[変形例6]
さらに、信号処理システム101の構成は、図1に示される例に限定されるものではなく、他の構成をとるようにしてもよい。
【0129】
例えば、プローブユニット111、信号処理装置112、および、表示装置113のうちの2つ、あるいは、全てを1つの装置により構成するようにしてもよい。
【0130】
また、例えば、プローブユニット111の構成要素の一部を、信号処理装置112に配置したり、信号処理装置112の構成要素の一部を、プローブユニット111に配置するようにすることが可能である。例えば、遅延計算部131をプローブユニット111に設けたり、送信BF部125および受信BF部126を信号処理装置112に設けたりすることが可能である。
【0131】
[変形例7]
また、送信ビームフォーミングおよび受信ビームフォーミングの手法は、上述した例に限定されるものではなく、任意の手法を採用することができる。
【0132】
例えば、以上の説明では、デジタル処理によりビームフォーミングを行う例を示したが、本技術は、アナログ処理によりビームフォーミングを行う場合にも適用することが可能である。
【0133】
[変形例8]
さらに、本技術は、超音波ビームを2次元に走査する場合に限定されるものではなく、3次元に走査する場合にも適用できる。また、超音波ビームを3次元に走査する手法は、特定のものに限定されるものではなく、例えは、振動子を3次元に配列するようにしてもよいし、2次元に配列したプローブを機械的に移動させるようにしてもよい。
【0134】
[コンピュータの構成例]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0135】
図11は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0136】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)401,ROM(Read Only Memory)402,RAM(Random Access Memory)403は、バス404により相互に接続されている。
【0137】
バス404には、さらに、入出力インタフェース405が接続されている。入出力インタフェース405には、入力部406、出力部407、記憶部408、通信部409、及びドライブ410が接続されている。
【0138】
入力部406は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部407は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部408は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部409は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ410は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア411を駆動する。
【0139】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU401が、例えば、記憶部408に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース405及びバス404を介して、RAM403にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0140】
コンピュータ(CPU401)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア411に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0141】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア411をドライブ410に装着することにより、入出力インタフェース405を介して、記憶部408にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部409で受信し、記憶部408にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM402や記憶部408に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0142】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0143】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0144】
さらに、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0145】
また、例えば、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0146】
(1)
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部を
含む信号処理装置。
(2)
複数の前記振動子は、複数のプローブに分かれて配置され、
前記位置情報は、複数の前記プローブの相対位置を示す
前記(1)に記載の信号処理装置。
(3)
前記焦点位置制御部は、複数の前記プローブの相対位置に基づいて、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の前記送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の前記受信焦点位置を制御する
前記(2)に記載の信号処理装置。
(4)
複数の前記振動子は、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブに配置され、
前記位置情報は、前記プローブの変形度を示す
前記(1)に記載の信号処理装置。
(5)
前記焦点位置制御部は、前記位置情報に基づいて、各前記振動子の送信の遅延時間を示す送信遅延量、および、各前記振動子の受信の遅延時間を示す受信遅延量を計算する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の信号処理装置。
(6)
前記送信遅延量に基づいて、各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
前記受信遅延量に基づいて、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
前記(5)に記載の信号処理装置。
(7)
前記受信信号を合成することにより得られる信号に基づいて、超音波画像を生成する信号処理部を
さらに含む前記(6)に記載の信号処理装置。
(8)
信号処理装置が、
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する
ステップを含む信号処理方法。
(9)
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
(10)
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子と、
複数の前記振動子の相対位置に関する位置情報を検出するセンサと、
前記位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部と
を含む信号処理システム。
(11)
複数の前記振動子は、複数のプローブに分かれて配置され、
前記センサは、複数の前記プローブの相対位置を検出する
前記(10)に記載の信号処理システム。
(12)
前記焦点位置制御部は、複数の前記プローブの相対位置に基づいて、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の前記送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の前記受信焦点位置を制御する
前記(11)に記載の信号処理システム。
(13)
複数の前記振動子は、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブに配置され、
前記センサは、前記プローブの変形度を検出する
前記(10)に記載の信号処理システム。
(14)
前記焦点位置制御部は、前記位置情報に基づいて、各前記振動子の送信の遅延時間を示す送信遅延量、および、各前記振動子の受信の遅延時間を示す受信遅延量を計算し、
前記送信遅延量に基づいて、各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
前記受信遅延量に基づいて、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
をさらに含む前記(10)乃至(13)のいずれかに記載の信号処理システム。
(15)
前記受信信号を合成することにより得られる信号に基づいて、超音波画像を生成する信号処理部を
さらに含む前記(14)に記載の信号処理システム。
(16)
複数の前記振動子が配置されている1つ以上のプローブおよび前記センサを備えるプローブユニットと、
前記信号処理部を備える信号処理装置と
を含み、
前記焦点位置制御部、前記送信制御部、および、前記受信制御部は、それぞれ前記プローブユニットまたは前記信号処理装置のいずれかに配置される
前記(15)に記載の信号処理システム。
(17)
超音波の振動子を備える複数のプローブと、
複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記プローブの相対位置を示す情報である位置情報を検出するセンサと
を含むプローブユニット。
(18)
各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
をさらに含む前記(17)に記載のプローブユニット。
(19)
複数の超音波の振動子を備え、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブと、
複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記振動子の相対位置を示す情報である位置情報を検出するセンサと
を含むプローブユニット。
(20)
各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
をさらに含む前記(19)に記載のプローブユニット。
【符号の説明】
【0147】
101 信号処理システム, 111 プローブユニット, 112 信号処理装置, 113 表示装置, 121a,121b プローブ, 122 回転軸, 123 角度センサ, 125 送信BF部, 126 受信BF部, 131 遅延計算部, 132 信号処理部, 151a−1乃至151b−4 振動子, 201 プローブ, 211 筐体, 212−1,212−2 振動子, 213 部材, 215 曲げセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部を
含む信号処理装置。
【請求項2】
複数の前記振動子は、複数のプローブに分かれて配置され、
前記位置情報は、複数の前記プローブの相対位置を示す
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記焦点位置制御部は、複数の前記プローブの相対位置に基づいて、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の前記送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の前記受信焦点位置を制御する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
複数の前記振動子は、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブに配置され、
前記位置情報は、前記プローブの変形度を示す
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記焦点位置制御部は、前記位置情報に基づいて、各前記振動子の送信の遅延時間を示す送信遅延量、および、各前記振動子の受信の遅延時間を示す受信遅延量を計算する
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記送信遅延量に基づいて、各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
前記受信遅延量に基づいて、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
をさらに含む請求項5に記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記受信信号を合成することにより得られる信号に基づいて、超音波画像を生成する信号処理部を
さらに含む請求項6に記載の信号処理装置。
【請求項8】
信号処理装置が、
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する
ステップを含む信号処理方法。
【請求項9】
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
相対位置を変更可能な複数の超音波の振動子と、
複数の前記振動子の相対位置に関する位置情報を検出するセンサと、
前記位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部と
を含む信号処理システム。
【請求項11】
複数の前記振動子は、複数のプローブに分かれて配置され、
前記センサは、複数の前記プローブの相対位置を検出する
請求項10に記載の信号処理システム。
【請求項12】
前記焦点位置制御部は、複数の前記プローブの相対位置に基づいて、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の前記送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の前記受信焦点位置を制御する
請求項11に記載の信号処理システム。
【請求項13】
複数の前記振動子は、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブに配置され、
前記センサは、前記プローブの変形度を検出する
請求項10に記載の信号処理システム。
【請求項14】
前記焦点位置制御部は、前記位置情報に基づいて、各前記振動子の送信の遅延時間を示す送信遅延量、および、各前記振動子の受信の遅延時間を示す受信遅延量を計算し、
前記送信遅延量に基づいて、各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
前記受信遅延量に基づいて、各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
をさらに含む請求項10に記載の信号処理システム。
【請求項15】
前記受信信号を合成することにより得られる信号に基づいて、超音波画像を生成する信号処理部を
さらに含む請求項14に記載の信号処理システム。
【請求項16】
複数の前記振動子が配置されている1つ以上のプローブおよび前記センサを備えるプローブユニットと、
前記信号処理部を備える信号処理装置と
を含み、
前記焦点位置制御部、前記送信制御部、および、前記受信制御部は、それぞれ前記プローブユニットまたは前記信号処理装置のいずれかに配置される
請求項15に記載の信号処理システム。
【請求項17】
超音波の振動子を備える複数のプローブと、
複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記プローブに分かれて配置されている複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記プローブの相対位置を示す情報である位置情報を検出するセンサと
を含むプローブユニット。
【請求項18】
各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
をさらに含む請求項17に記載のプローブユニット。
【請求項19】
複数の超音波の振動子を備え、変形させることにより複数の前記振動子の相対位置が変化するプローブと、
複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置の制御に用いられる情報であって、複数の前記振動子の相対位置を示す情報である位置情報を検出するセンサと
を含むプローブユニット。
【請求項20】
各前記振動子の送信タイミングを制御する送信制御部と、
各前記振動子からの受信信号を時間をシフトして合成する受信制御部と
をさらに含む請求項19に記載のプローブユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−239813(P2012−239813A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115880(P2011−115880)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】