説明

信号制御装置及び信号制御方法

【課題】 信号機が赤色に切り替えられた後、所定時間内に交差点進入側から停止線を越えて交差点を通過しようとする車両がある場合に発生する交差点での追突事故を防ぐことができる信号制御方法を提供する。
【解決手段】 所定時間を予め測定して記憶し、交差点C進入側の道路R1を走行している車両Aiの走行速度Vi、信号機2の黄色点灯時間、及び所定時間に基づいて、車両Aiが黄色点灯時間で走行する切替前走行距離L2と、黄色点灯時間及び所定時間で車両Aiが走行する走行距離L3とを算出し、車両Aiの走行位置及び停止線の間の距離が切替前走行距離L2以上走行距離L3以下であるか否かを判定し、信号機2が青色の場合、前記距離が切替前走行距離L2以上走行距離L3以下であると判定した場合、信号機2を青色で維持するように信号切替を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号機を黄色から赤色に切り替えた後に交差点を通過する虞のある車両があるか否かを、信号機を青色から黄色に切り替える前に判定し、該車両があると判定した場合、信号機を青色で維持するように信号切替を制御する信号制御方法及び該信号制御方法を実現する信号制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の信号制御装置は、車両の走行速度を取得し、取得した走行速度、該走行速度を取得した時間に基づいて、車両の走行位置を刻々と算出する。そして、算出した車両の走行位置に基づいて、運転者が停止線の手前で車両を停止させるべきかためらう領域に車両があるか否かを、信号機を青色から黄色に切り替える前に判定する。
【0003】
運転者が停止線の手前で車両を停止させるべきかためらう領域には、信号機が黄色から赤色に切り替わる前に、車両が停止線を越えることができず、減速したとしても停止線の手前で停止することができない領域(ジレンマゾーン)と、信号機が黄色から赤色に切り替わる前に、車両が停止線を越えることができ、減速した場合、停止線の手前で停止することができる領域(オプションゾーン)とがある(「交通信号の手引」,社団法人 交通工学研究会,平成6年7月,p.40−41,61−63)。
【0004】
信号制御装置は、信号機を青色から黄色に切り替える予定時間通りに信号機を青色から黄色に切り替えた場合、走行している車両がジレンマゾーン、又はオプションゾーンに入ることになるか否かを前記予定時間の前に判定し、車両が前記領域に入ることになると判定した場合、前記車両が前記領域を脱するまで前記予定時間を延長することにより、交差点での追突事故を防いでいる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、交差点進入側の道路の信号機が赤色になったにも関わらず、交差点進入側から停止線を越えて交差点へ進入する車両があることは経験的に知られている。前記車両の運転者は、信号機が黄色又は赤色に切り替わったことに気付くのに遅れた等の理由でやむを得ず、信号機が赤色の交差点を通過するように車両を走行させる場合がある。
【0006】
例えば、信号機が青色から黄色に切り替えられたことに速やかに気付いた場合、停止線の手前で停止できる領域を走行している車両の運転者が、カーナビゲーションシステムのディスプレイを視認し、又はよそ見していた等の理由で信号機が青色から黄色に切り替えられたことに気付くのに遅れ、車両を減速させることなく、停止線の手前で車両を停止させるべきかためらう領域に入る場合があり、該領域に入った車両の運転者が交差点を通過すべきと判断したとき、車両は信号機が赤色の交差点を通過する。また、信号機が青色から黄色に切り替えられたことに気付くのに遅れた運転者は、黄色の残り時間を正しく推定することが困難であり、誤って実際よりも長く推定したとき、車両は信号機が赤色の交差点を通過する。
【0007】
従来の信号制御方法及び信号制御装置においては、前記車両に対し、先行車両が停止線の手前で停止しようと判断した場合、追突事故が発生する。つまり、信号機が黄色又は赤色に切り替えられたことに車両の運転者が気付くのに遅れたために、前記領域に入った車両の前方に、信号機の切り替えに速やかに気付き、停止線の手前で停止しようと運転者が判断した先行車両がある場合、前記領域に入った後続の前記車両の運転者が交差点を通過しようと判断したとき、後続の前記車両が先行車両に追突する追突事故が発生する。
【0008】
また、交差点進入側の道路の信号機が赤色になり、更に交差点進入側の道路に交差した交差道路の信号機が青色になったにも関わらず、交差点進入側から停止線を越えて交差点へ進入する車両があることも経験的に知られている。つまり、前記車両の運転者は、交差道路で停止している車両が発進するまでに、青信号の確認、アクセル操作等の時間を要することを認識しているため、信号機が黄色から赤色に切り替えられた後、交差道路で停止している車両が発進するまでは交差点を通過できると判断し、信号機が赤色の交差点を通過するように車両を走行させる場合がある。
【0009】
従来の信号制御方法及び信号制御装置においては、交差道路側の信号機が青色になった後に、交差点進入側の車両が交差点を通過することを想定していないため、交差点進入側の信号機が黄色から赤色に切り替わった後、交差道路側で停止している車両が発進するまでに、交差点進入側から停止線を通過することができる車両が2台以上あり、先行車両の運転者が停止線の手前で停止しようと判断し、後続車両の運転者が交差点を通過しようと判断して、しかも後続車両の運転者が先行車両のブレーキ操作に気付くのが遅い場合、追突事故が発生する。
【0010】
図14は、信号機を黄色から赤色に切り替える時刻の前後で、停止線を越える最後尾車両の停止線通過時刻と、該停止線通過時刻で停止線を通過する車両台数の相対百分率との関係を示すグラフである。横軸は、時刻を示しており、信号機を黄色から赤色に切り替えた時刻を0としている。縦軸は、横軸に示す時刻に停止線を通過する最後尾車両の台数を相対百分率で示している。なお、最後尾車両は、青、黄、赤色の信号切替の1サイクルで停止線を最後に通過する車両であり、最後尾車両の停止線通過時刻を244サイクル分測定している。図14に示すように、信号機が黄色から赤色に切り替わった後も、停止線を越えて交差点を通過しようとする車両が存在している。該車両の90%以上は信号機が黄色から赤色に切り替わった後2秒以内に停止線を越えている。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、所定時間を予め記憶し、車両が、信号機の黄色点灯時間内には停止線を越えることができないが、信号機が黄色から赤色に切り替わった後、所定時間内に停止線を越えることができる領域(リスクゾーン)に入ると判定した場合、前記車両が前記領域を脱するまで前記予定時間を延長することにより、前記領域に入る車両の運転者が停止線の手前で停止すべきかためらうことで発生する交差点での追突事故を防ぐことができる信号制御方法及び該信号制御方法を実現する信号制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
なお、所定時間は、例えば信号機が黄色又は赤色に切り替わったことに気付くのが遅れた等の理由で信号機が赤色に切り替わってから、やむを得ず停止線を越える車両が存在する間の時間である。
【0013】
また、交差点進入側の信号機を黄色から赤色に切り替えたときから、交差点進入側の道路に交差する交差道路で停止している他の車両が発進するまでの時間を所定時間として予め測定しておき、測定した所定時間に基づいて、信号機が黄色から赤色に切り替えられた後、前記交差道路で停止している他の車両が発進する前に停止線を越える車両があるか否かを予測し、該車両があると予測した場合、信号機を青色で維持することにより、信号機が黄色から赤色に切り替えられた後、特に交差道路の信号機が青色に切りかえられた後、前記交差道路で停止している他の車両が発進する前に停止線を越える車両がある場合に発生する交差点での追突事故を防ぐことができる信号制御方法及び該信号制御方法を実現する信号制御装置を提供することを他の目的とする。
【0014】
更に、車両の運転者が視線を所定角度往復させて、該所定角度離隔した被視認物を視認するのに要する1.3秒以上の視認時間を所定時間として予め記憶することにより、信号機の切り替えに速やかに気付いた場合、停止線の手前で停止できるはずであった車両の運転者が、車内のディスプレイを視認し、又はよそ見等して信号機が青色から黄色に切り替えられたことに前記所定時間、気付くのに遅れ、信号機が赤色の交差点を通過しようとする車両が存在するときに発生する交差点での追突事故を防ぐことができる信号制御方法及び該信号制御方法を実現する信号制御装置を提供することを他の目的とする。
【0015】
更にまた、信号機が黄色から赤色に切り替わった後、交差点進入側の道路から交差点を通過しようと停止線を越える車両が存在する時間より長い2.5秒以上を所定時間とすることにより、交差点進入側の信号機が黄色から赤色に切り替わった後に、交差点進入側から停止線を越える車両がある場合に発生する交差点での追突事故を効果的に防ぐことができる信号制御方法及び該信号制御方法を実現する信号制御装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1発明に係る信号制御装置は、交差点進入側の道路を走行している車両Aiの走行速度Vi、及び交差点進入側の信号機の黄色点灯時間Yに基づいて、前記黄色点灯時間Yで前記車両Aiが走行する赤色への切替前走行距離L2を算出する算出手段と、該算出手段が算出した切替前走行距離L2並びに前記車両Aiの走行位置及び交差点の停止線の間の距離Diを比較することで、前記車両Aiが前記停止線手前の特定領域にあるか否かを判定する判定手段とを備え、前記信号機が青色の場合、前記車両Aiが特定領域にあると前記判定手段が判定したとき、前記信号機を青色で維持するように信号切替を制御するようにしてある信号制御装置において、所定時間ΔRを記憶しており、前記算出手段は、前記所定時間ΔR、前記走行速度Vi、及び前記黄色点灯時間Yに基づいて、前記黄色点灯時間Y及び前記所定時間ΔRで前記車両Aiが走行する走行距離L3を算出するようにしてあり、前記判定手段は、前記車両Aiの走行位置及び前記停止線の間の距離Diが算出した切替前走行距離L2以上走行距離L3以下である場合、前記車両Aiが特定領域にあると判定するようにしてあることを特徴とする。
【0017】
第2発明に係る信号制御装置は、前記所定時間ΔRが、前記信号機を赤色に切り替えたときから、交差点進入側の道路に交差した道路で停止している他の車両Aが発進するまでの予め測定された時間であることを特徴とする。
【0018】
第3発明に係る信号制御装置は、前記所定時間ΔRが1.3秒以上であることを特徴とする。
【0019】
第4発明に係る信号制御装置は、前記所定時間ΔRが2.5秒以上であることを特徴とする。
【0020】
第5発明に係る信号制御方法は、交差点進入側の道路を走行している車両Aiの走行速度Vi、及び交差点進入側の信号機の黄色点灯時間Yに基づいて、前記黄色点灯時間Yで前記車両Aiが走行する赤色への切替前走行距離L2を算出し、算出した切替前走行距離L2並びに前記車両Aiの走行位置及び交差点の停止線の間の距離Diを比較することで、前記車両Aiが前記停止線手前の特定領域にあるか否かを判定し、前記信号機が青色の場合、前記車両Aiが特定領域にあると判定したとき、前記信号機を青色で維持するように信号切替を制御する信号制御方法において、所定時間ΔRを記憶し、前記所定時間ΔR、前記走行速度Vi、及び前記黄色点灯時間Yに基づいて、前記黄色点灯時間Y及び前記所定時間ΔRで前記車両Aiが走行する走行距離L3を算出し、前記車両Aiの走行位置及び前記停止線の間の距離Diが算出した切替前走行距離L2以上走行距離L3以下である場合、前記車両Aiが特定領域にあると判定することを特徴とする。
【0021】
第6発明に係る信号制御方法は、前記所定時間ΔRが、前記信号機を赤色に切り替えたときから、交差点進入側の道路に交差した道路で停止している他の車両Aが発進するまでの予め測定された時間であることを特徴とする。
【0022】
第7発明に係る信号制御方法は、前記所定時間ΔRが1.3秒以上であることを特徴とする。
【0023】
第8発明に係る信号制御方法は、前記所定時間ΔRが2.5秒以上であることを特徴とする。
【0024】
第1及び第5発明にあっては、図1に示すように交差点進入側の道路を走行している車両Aiの走行速度Vi、黄色点灯時間Y、及び所定時間ΔRに基づいて、黄色点灯時間Yで車両Aiが走行する切替前走行距離L2=Y・Viと、黄色点灯時間Y及び所定時間ΔRで車両Aiが走行する走行距離L3=(Y+ΔR)・Viとを算出手段が算出する。そして、車両Aiが、交差点の手前、切替前走行距離L2以上走行距離L3以下の領域にある場合、信号機が黄色から赤色に切り替わる前に停止線を越えることができるように信号機を青色で維持する。従って、信号機が青色から黄色に切り替えられた場合に前記領域を走行している車両Aiの運転者が、停止線の手前で停止すべきかためらい、信号機が赤色に切り替えられた後に車両Aiが交差点を通過することにより発生する交差点での追突事故を防ぐことができる。
【0025】
図10に示すように、停止線と車両A1の走行位置との距離D1が、走行距離L3より長い状態、つまり停止線の手前、走行距離L3以上の領域を車両A1が走行している状態で、信号機を青色から黄色に切り替えた場合、車両A1は、走行を続けたとしても、信号機が黄色から赤色に切り替わってから所定時間ΔR以内に停止線を越えることができない。従って、前記領域を車両A1が走行している状態で信号機が青色から黄色に切り替えられた場合、車両A1の運転者は、車両A1を停止させるべきと判断する。また、車両A1の後続車A2も同様に車両A2を停止させるべきと判断するため、車両A2が車両A1に追突する虞はない。
【0026】
ところが、図11に示すように、停止線と車両A1及び車両A2の走行位置との距離D1及びD2が、切替前走行距離L2以上走行距離L3以下の状態、つまり図11中ハッチングで示すように、停止線の手前、切替前走行距離L2以上走行距離L3以下の特定領域を車両A1が走行している状態で、信号機を青色から黄色に切り替えた場合、車両A1及び車両A2が減速せずに走行を続けたとき、車両A1及び車両A2は、信号機が黄色から赤色に切り替わる前に停止線を越えることができないが、信号機が赤色に切り替わってから所定時間ΔR以内に停止線を越えることができる。従って、車両A1及び車両A2の運転者は、車両A1及び車両A2を停止させるべきかためらう。そして、車両A1の運転者が車両A1を停止させると判断し、後続する車両A2の運転者が走行を続けると判断した場合、車両A2の運転者が車両A1の減速に気付かないとき、車両A2は車両A1に追突する。
【0027】
そこで本発明では、信号機を青色から黄色に切り替える前に、車両A1が停止線の手前、切替前走行距離L2以上走行距離L3以下の特定領域にあるか否かを判定する。走行している車両A1が特定領域にあるか否かを判定するための走行距離L3=(Y+ΔR)・V1は、黄色点灯時間Yと所定時間ΔRとの間に走行する距離であるため、前記判定により、信号機が黄色から赤色に切り替わった後、所定時間ΔR以内に交差点進入側から停止線を通過するような車両A1の有無も判定することができる。つまり、停止線の手前、切替前走行距離L2から更に、所定時間ΔRと走行速度とを乗じて得られる距離だけ、特定領域、即ち車両A1の運転者が停止線の手前で停止すべきかためらう領域を拡張する。車両A2についても同様の判定処理を行い、信号機の切り替えを制御する。
【0028】
上述のように信号機を青色で維持した後、図12に示すように車両A1及び車両A2が前記特定領域を脱した状態で、信号機を青色から黄色に切り替えた場合、走行を続ける車両A1及び車両A2が、交差点進入側の信号機が赤色に切り替わった後所定時間ΔRが経過するまでに停止線を通過する状態は生じない。従って、車両A1及び車両A2の運転者は夫々、車両A1及び車両A2を停止すべきかためらうことなく、走行を続けるべきと判断するため、車両A2が車両A1に追突する虞はない。
【0029】
第2及び第5発明にあっては、信号機を赤色に切り替えたときから、交差点進入側の道路に交差した道路で停止している他の車両が発進するまでの予め測定された時間を所定時間ΔRとすることにより、該所定時間ΔRを見越して信号機が赤色に切り替わってから前記所定時間ΔR以内に交差点を通過しようと運転者が判断する虞のある領域に車両がある場合、信号機を青色で維持する。従って、信号機が赤色に切り替わってから所定時間ΔR以内に停止線を越える車両が存在する場合に発生する交差点での追突事故を防ぐことができる。
【0030】
第3及び第6発明にあっては、車両の運転者が視線を所定角度往復させて、該所定角度離隔した被視認物を視認するのに要する視認時間1.3秒以上の時間を所定時間ΔRとすることにより、信号機が黄色から赤色に切り替えられたことに前記所定時間ΔR気付くのに遅れることで、信号機が赤色に切り替えられた後に交差点を通過しようと運転者が判断する虞のある領域に車両がある場合、信号機を青色で維持する。従って、信号機が切り替わったことに気付くのに遅れることにより、信号機が赤色の交差点を通過しようとする車両による追突事故を防ぐことができる。
【0031】
第4及び第8発明にあっては、2.5秒の時間を所定時間ΔRとしている。図14に示すように、信号機が黄色から赤色に切り替わってから2.5秒までは停止線を通過する車両が存在している。つまり、運転者は、信号機が黄色から赤色に切り替わった後、2.5秒までは、交差点を通過することができると認識しており、交差点進入側の信号機が黄色から赤色に切り替わった後2.5秒が経過するまでに停止線を越えることができる車両の運転者の判断はばらつき、交差点での追突事故が発生する虞がある。従って、所定時間ΔRを2.5秒以上とすることにより、交差点での追突事故を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0032】
第1及び第5発明によれば、車両が、信号機の黄色点灯時間内には停止線を越えることができないが、信号機が黄色から赤色に切り替わった後、所定時間内に停止線を越えることができる領域(リスクゾーン)に入る車両の運転者が停止線の手前で停止すべきかためらうことで発生する交差点での追突事故を防ぐことができる。
【0033】
第2及び第6発明によれば、信号機が黄色から赤色に切り替えられた後、特に交差道路の信号機が青色に切りかえられた後、交差点進入側の道路に交差した道路で停止している他の車両が発進する前に停止線を越える車両がある場合に発生する交差点での追突事故を防ぐことができる。
【0034】
第3及び第7発明によれば、運転者が車内のディスプレイ、又はよそ見等することで、信号機が赤色の交差点を通過しようとする車両がある場合に発生する交差点での追突事故を効果的に防ぐことができる。
【0035】
第4及び第8発明によれば、信号機が黄色又は赤色に切り替わったことに気付くのが遅れた等の理由で交差点進入側の信号機が黄色から赤色に切り替わった後に、交差点進入側からやむを得ず停止線を越える車両による交差点での追突事故を効果的に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、信号機2を切り替える信号制御システムを示す模式図であり、図2は、信号制御システムのブロック図、図3は、実施の形態1に係る信号制御装置1のブロック図である。
【0037】
図中2は、交差点C進入側の道路R1及び交差道路R2の交差点Cに設けられた信号機であり、道路R1を走行する車両Aiの走行を規制している。信号機2は、青色、黄色、及び赤色で点灯するランプが横方向に配設されてあり、路肩に立設された支柱4によって支持されている。支柱4の信号機2より下側には信号機2の信号切替を制御する信号制御装置1が設けられている。
【0038】
交差点Cの手前には道路R1を走行する車両Aiが交差点C手前で停止すべき位置を示す停止線Sがあり、停止線Sより150(m)離れた道路R1には、道路R1を走行する車両Aiの走行速度Vi(m/s)を検知する超音波式又はマイクロ波式の検知器3が立設されている。但し、iは検知器3を通過する順に車両Aiに対応させた数値である。検知器3は、信号制御装置1及び信号機2とともに信号制御システムを構成している。検知器3は、検知器3の検知域を通過する車両Aiの走行速度Viを検知し、検知した走行速度Viのデータを含む信号を無線で送信アンテナ3aより信号制御装置1へ送信するように構成されている。
【0039】
信号制御装置1は、信号機2の信号切替を制御するための演算部10を備えている。演算部10には、信号機2の表示色の切替制御を行うためのプログラムを記憶しているROM11、一時記憶用のRAM12、計時部13、検知器3から送信される信号を受信アンテナ15aで受信する受信部15、及び信号機2へ表示色を切り替える制御信号を出力するためのインタフェース14が、バス16を介して接続されている。
【0040】
また、ROM11は、停止線Sと検知器3との間の距離L=150(m)、運転者の反応遅れ時間τ=1(秒)、及び車両の最大減速度d=0.3g(g=9.8(m/s 2):重力加速度)、信号機2の黄色点灯時間Y=4(秒)、青信号の最長点灯時間Gmax=50(秒)、青信号の最短点灯時間Gmin=30(秒)、車両の最低速度Vmin=8(m/s)を記憶している。更に、ROM11は、信号機2を黄色から赤色に切り替えたときから、車両Aiが走行している道路R1に交差した交差道路R2に停車している車両Aが発進するまでの所定時間ΔRを記憶している。
【0041】
所定時間ΔRは、例えば信号機2が黄色から赤色に切り替えられたときから停止線Sを最後尾車両が通過するまでの時間を複数測定し、測定した時間のうち最長の時間を所定時間ΔRとすれば良い。
【0042】
図4は、検知器3が送信するデータの受信に係る演算部10の処理手順を示すフローチャートである。検知器3から送信された走行速度Viを含むデータを受信した場合、演算部10は、走行速度Viのデータを受信したときに計時部13が計時している時間tiを検出し(ステップS101)、検出した時間tiと走行速度Viとを対応させたテーブルをRAM12に記憶させる(ステップS102)。ステップS102の処理を終えた場合、演算部10は、検知器3が送信するデータの受信に係る処理を終える。
【0043】
図5は、信号切替に係る演算部10の処理手順を示すフローチャートである。演算部10は、信号機2が赤色から青色に切り替えられた場合、計時部13をリセットし(ステップS1)、計時部13による計時を開始させる(ステップS2)。次いで、演算部10は、計時部13が計時している時間tを検出し、計時部13が0.1n秒を計時しているか否かを判定する(ステップS3)。つまり、計時部13が0.1秒の自然数n倍の時間を計時しているか否かを判定する。但し、nは、1から10×Gmax=500までの自然数である。計時部13が0.1n秒を計時していないと判定した場合(ステップS3:NO)、演算部10は、再度ステップS3の処理を実行する。
【0044】
計時部13が0.1n秒を計時したと判定した場合(ステップS3:YES)、演算部10は、計時部13が計時している時間tがGmaxであるか否かを判定する(ステップS4)。時間tがGmaxでないと判定した場合(ステップS4:NO)、演算部10は、時間tがGmin以上であるか否かを判定する(ステップS5)。時間tがGmin未満であると判定した場合(ステップS5:NO)、演算部10は、処理をステップS3へ戻す。時間tがGmin以上であると判定した場合(ステップS5:YES)、演算部10は、時間(t−L/Vmin)から時間tまでの間に検知器3の検知域を通過した車両Aiの車両数Nを特定する(ステップS6)。
【0045】
ステップS6の処理を終えた場合、演算部10は、ステップS6において特定した車両Aiの車両数Nが1以上であるか否かを判定する(ステップS7)。車両Aiの車両数Nが1以上あると判定した場合(ステップS7:YES)、演算部10は、ROM11からτ、d、Y、ΔR、及びLを読み出す(ステップS8)。読み出されたτ、d、Y、ΔR、及びLは、RAM12が記憶する。次いで、演算部10は、変数iに1を設定する(ステップS9)。
【0046】
次いで、演算部10は、ステップS8において読み出したτ、d、Y、ΔR、及びL、並びにRAM12が記憶しているVi及びtiに基づいて、時間tでの車両Aiの走行位置と停止線Sとの距離Di、車両Aiの停止距離L1、切替前走行距離L2、及び走行距離L3を算出する(ステップS10)。距離Di(m)、停止距離L1(m)、切替前走行距離L2(m)、及び走行距離L3(m)は、夫々下記式(1)、(2)、(3)、(4)で表される。
【0047】
Di=L−(t−ti)・Vi…(1)
L1=τ・Vi+Vi 2/2d…(2)
L2=Y・Vi…(3)
L3=(Y+ΔR)・Vi…(4)
【0048】
図6は距離Diの説明図である。距離Di=L−(t−ti)・Viは、図6に示すように、車両Aiが走行速度Viで等速走行したと仮定した場合の時間tにおける車両Aiの走行位置と停止線Sとの距離であり、停止線Sと検知器3との間の距離Lから、時間(t−ti)で車両Aiが走行する距離(t‐ti)・Viを減算することで得られる。
【0049】
図7は、停止距離L1、切替前走行距離L2及び走行距離L3と、走行速度Viとの関係を示すグラフである。停止距離L1=τ・Vi+Vi 2/2dは、時間tで信号機2が青色から黄色に切り替わり、走行速度Viで走行している車両Aiの運転者が反応遅れ時間τ秒後にブレーキ操作をした場合、時間tから車両Aiが停止するまでに走行する距離である。上記式(2)中、τ・Viは、時間tから反応遅れ時間τ秒が経過するまでに、車両Aiが走行する距離であり、Vi 2/2dは、走行速度Viの車両Aiが最大減速度dで減速して停止するまでに走行する距離である。
【0050】
図8は切替前走行距離L2の説明図である。切替前走行距離L2=Y・Viは、図8に示すように走行速度Viで等速走行している車両Aiが黄色点灯時間Yで走行する距離である。
【0051】
図9は走行距離L3の説明図である。走行距離L3=(Y+ΔR)・Viは、図9に示すように走行速度Viで等速走行している車両Aiが黄色点灯時間Y及び所定時間ΔRで走行する距離である。
【0052】
次いで、演算部10は、ジレンマゾーン、オプションゾーン、及びリスクゾーンで構成される領域の開始位置と停止線Sとの距離LS=MAX{L1,L2,L3}、及び特定領域の終了位置と停止線Sとの距離LE=MIN{L1,L2,L3}を算出し(ステップS11)、ステップS10で算出した距離Di、ステップS11で算出した特定領域の開始位置と停止線Sとの距離LS、及び特定領域の終了位置と停止線Sとの距離LEに基づいて、LE≦Di≦LSを満たしているか否かを判定する(ステップS12)。LE≦Di≦LSを満たしていると判定した場合(ステップS12:YES)、演算部10は、処理をステップS3へ戻す。
【0053】
LE≦Di≦LSを満たしていないと判定した場合(ステップS12:NO)、演算部10は、iがNに等しいか否かを判定する(ステップS13)。iがNに等しいと判定した場合(ステップS13:YES)、ステップS4において時間tがGmaxであると判定した場合(ステップS4:YES)、又はステップS7において車両数Nが1以上でないと判定した場合(ステップS7:NO)、演算部10は、信号機2を青色から黄色に切り替える制御信号を信号機2へ出力する(ステップS14)。
【0054】
iがNに等しくないと判定した場合(ステップS13:NO)、演算部10は、iに1を加算して(ステップS15)、処理をステップS10へ戻す。
【0055】
図10乃至図12は、信号制御装置1による信号切替制御の説明図である。図10乃至図12は、検知器3を2台の車両A1及び車両A2が走行速度V1及びV2で通過した場合、信号機2が青色の状態で計時部13がGmin以上の時間tを計時しているときの車両A1及び車両A2の走行位置を示している。以下、説明を単純化するためにLS=L3、LE=L2、V1=V2の場合を説明する。
【0056】
計時部13がGmin以上の時間tを計時している場合、演算部10は、ステップS10乃至ステップS12の処理により、停止線Sの手前、切替前走行距離L2以上走行距離L3以下の領域を車両A1及び車両A2が走行しているか否かを判定する。
【0057】
図10に示すように、時間tで停止線Sの手前、走行距離L3以上の領域を車両A1及び車両A2が走行している場合、演算部10は、信号機2を青色から黄色に切り替える制御信号を信号機2に出力する。時間tに信号機2が青色から黄色に切り替えられた場合、車両A1及び車両A2は、走行を続けたとしても交差道路R2に停止している車両Aが発進する前に停止線Sを越えることができない。従って、車両A1及び車両A2夫々の運転者は車両A1及び車両A2を停止させるべきと判断するため、車両A2が車両A1に追突する虞はない。
【0058】
一方、図11に示すように、時間tで停止線Sの手前、切替前走行距離L2以上走行距離L3以下の領域を車両A1及び車両A2が走行している場合、演算部10は、前記領域を車両A1及び車両A2が通過するまで信号機2を青色で維持する。仮に、時間tで信号機2が青色から黄色に切り替えられた場合、車両A1及び車両A2は走行を続けることにより、信号機2が黄色から赤色に切り替わる前に停止線Sを越えることはできないが、交差道路R2で停止している車両Aが発進するまでに、停止線Sを通過することができる。従って、運転者は、車両A1及び車両A2を停止すべきかためらい、運転者の判断にばらつきが生じた場合、車両A2が車両A1に追突する虞がある。
【0059】
図12に示すように、信号機2を青色で維持した結果、車両A1及び車両A2が前記領域を脱した場合、信号制御装置1は、信号機2を青色から黄色に切り替える制御信号を信号機2に出力する。前記領域を脱した状態で、信号機2を青色から黄色に切り替えた場合、車両A1及び車両A2は、走行を続けることにより、信号機2が黄色から赤色に切り替わる前に交差点Cを通過することができる。従って、車両A1及び車両A2夫々の運転者は車両A1及び車両A2の走行を続けるべきと判断するため、車両A2が車両A1に追突する虞はない。
【0060】
このように構成される信号制御装置1にあっては、信号機2が黄色から赤色に切り替えられた後、交差道路R2で停止している他の車両Aが発進する前に停止線Sを越える車両Aiがある場合に発生する交差点Cでの追突事故を防ぐことができる。
【0061】
なお、実施の形態1にあっては、検知器が検知した車両の走行速度を含むデータを受信部で受信し、RAMに記憶させているが、車両の走行速度の取得方法はこれに限るものではない。例えば、走行している車両が計測した走行速度を有するデータを信号制御装置に送信する場合、車両から送信されたデータを受信部で受信し、受信したデータをRAMに記憶させるようにしても良い。
【0062】
また、実施の形態1にあっては、ステップS10を実行する度にL1,L2,L3を、上記式(2),(3),(4)で算出しているが、走行速度Vi毎に予め算出した値をテーブル値として記憶しておき、その値を参照するようにしても良い。前記値をテーブル値として記憶した場合、信号切替に係る処理をより速やかに実行することができる。
【0063】
更に、支柱に設けられた信号制御装置が信号機の切替制御を行っているが、複数の交差点の信号機を統括して制御する信号制御装置にて、実施の形態1に係る信号制御を実行しても良い。
【0064】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る信号制御装置1は、実施の形態1に係る信号制御装置1と同様の演算部10、ROM11、RAM12、計時部13、受信部15、インタフェース14等を備えている。
【0065】
ROM11は、信号機2を黄色から赤色に切り替えたときからやむを得ず停止線Sを越える車両Aiが存在する時間である所定時間(リスク時間)ΔR=2.0(秒)を記憶している。例えば図14に示すように信号機2が黄色から赤色に切り替えられたときから停止線Sを最後尾車両Aiが越えるまでの時間を複数測定し、測定した時間の90パーセンタイル値を所定時間ΔRとする。つまり、所定時間ΔRは、信号機2が黄色から赤色に切り替わった後に停止線Sを越える複数の車両Aiの90パーセント以上が、信号機2が赤色に切り替わった後、所定時間ΔR以内に停止線Sを越えるような時間である。
【0066】
図11に示すように停止線Sの手前、切替前走行距離L2以上走行距離L3以下の領域(リスクゾーン)を車両A1及び車両A2が走行している場合に信号機2を青色から黄色に切り替えたとき、運転者は停止線Sを越えるべきかためらい、信号機2が赤色の状態で車両Aiが停止線Sを越える虞がある。
【0067】
実施の形態2に係る信号制御装置1は、車両A1及び車両A2が前記領域にある場合、信号機2を青色で維持する。従って、信号機2が黄色から赤色に切り替えられた後、やむを得ず停止線Sを越える車両Aiが存在することにより発生する交差点Cでの追突事故を防ぐことができる。
【0068】
なお、ROM11に2.5秒以上の所定時間ΔRを記憶させても良い。図14に示すように、信号機2を黄色から赤色に切り替えてから所定時間ΔRが経過した後は、停止線Sを越える車両Aiが存在していないため、所定時間ΔRを2.0秒とする場合に比べて、より効果的に交差点Cでの追突事故を防ぐことができる。
【0069】
実施の形態2に係る信号制御装置1のその他の構成、信号制御装置1及び信号制御方法の作用及び効果は、実施の形態1に係る信号制御装置1の構成、及び信号制御装置1及び信号制御方法の作用及び効果と同様であるため、同様の箇所には同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0070】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る信号制御装置1は、実施の形態1に係る信号制御装置1と同様の演算部10、ROM11、RAM12、計時部13、受信部15、インタフェース14等を備えている。
【0071】
ROM11は、車両Aiの運転者が視線を所定角度往復させて、該所定角度離隔した被視認物を視認するのに要する所定時間(視認時間)ΔR=1.3(秒)を記憶している。
【0072】
図13は、運転者の眼の向きと、時間との関係を示すグラフである。横方向は時間であり、縦軸は被視認物に対する運転者の眼の向き、即ち被視認物に対する視線の角度を示している。横方向のスケールバーは1秒を示している。図13に示すように、運転者が眼の向きを約20度往復させて、約20度離隔した被視認物を視認するのに要する所定時間ΔRは、約1.3秒である。
【0073】
信号制御装置1は、信号機2が黄色から赤色に切り替わった後、所定時間が経過するまでに停止線Sを越えるような車両Aiが存在する場合、信号機2を青色で維持する。
【0074】
従って、信号機2が黄色から赤色に切り替えられた後、所定時間ΔR秒以内に停止線Sを越える車両Aiがある場合に発生する交差点Cでの追突事故、つまり信号機2の切替に速やかに気付いた場合、停止線Sの手前で停止できるはずであった車両Aiの運転者が、信号機2が青色から黄色に切り替えられたことに気付くのにΔR秒遅れたために、交差点Cを通過しようと判断することで発生する交差点Cでの追突事故を防ぐことができる。
【0075】
実施の形態3に係る信号制御装置1のその他の構成、信号制御装置1及び信号制御方法の作用及び効果は、実施の形態1に係る信号制御装置1の構成、及び信号制御装置1及び信号制御方法の作用及び効果と同様であるため、同様の箇所には同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】信号機を切り替える信号制御システムを示す模式図である。
【図2】信号制御システムのブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る信号制御装置のブロック図である。
【図4】検知器が送信するデータの受信に係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】信号切替に係る演算部の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】距離の説明図である。
【図7】停止距離、切替前走行距離及び走行距離と、走行速度との関係を示すグラフである。
【図8】切替前走行距離の説明図である。
【図9】走行距離の説明図である。
【図10】信号制御装置による信号切替制御の説明図である。
【図11】信号制御装置による信号切替制御の説明図である。
【図12】信号制御装置による信号切替制御の説明図である。
【図13】運転者の眼の向きと、時間との関係を示すグラフである。
【図14】信号機を黄色から赤色に切り替える時刻の前後で、停止線を通過する最後尾車両の停止線通過時刻と、該停止線通過時刻で停止線を通過する車両台数の相対百分率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0077】
1 信号制御装置
2 信号機
3 検知器
4 支柱
10 演算部
11 ROM
12 RAM
13 計時部
14 インタフェース
15 受信部
15a 受信アンテナ
16 バス
Ai 車両
R1 道路
R2 交差道路
S 停止線
C 交差点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点進入側の道路を走行している車両の走行速度、及び交差点進入側の信号機の黄色点灯時間に基づいて、前記黄色点灯時間で前記車両が走行する赤色への切替前走行距離を算出する算出手段と、該算出手段が算出した切替前走行距離並びに前記車両の走行位置及び交差点の停止線の間の距離を比較することで、前記車両が前記停止線手前の特定領域にあるか否かを判定する判定手段とを備え、前記信号機が青色の場合、前記車両が特定領域にあると前記判定手段が判定したとき、前記信号機を青色で維持するように信号切替を制御するようにしてある信号制御装置において、
所定時間を記憶しており、
前記算出手段は、
前記所定時間、前記走行速度、及び前記黄色点灯時間に基づいて、前記黄色点灯時間及び前記所定時間で前記車両が走行する走行距離を算出するようにしてあり、
前記判定手段は、
前記車両の走行位置及び前記停止線の間の距離が算出した切替前走行距離以上走行距離以下である場合、前記車両が特定領域にあると判定するようにしてある
ことを特徴とする信号制御装置。
【請求項2】
前記所定時間は、
前記信号機を赤色に切り替えたときから、交差点進入側の道路に交差した道路で停止している他の車両が発進するまでの予め測定された時間である
ことを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。
【請求項3】
前記所定時間は1.3秒以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。
【請求項4】
前記所定時間は2.5秒以上である
ことを特徴とする請求項1に記載の信号制御装置。
【請求項5】
交差点進入側の道路を走行している車両の走行速度、及び交差点進入側の信号機の黄色点灯時間に基づいて、前記黄色点灯時間で前記車両が走行する赤色への切替前走行距離を算出し、算出した切替前走行距離並びに前記車両の走行位置及び交差点の停止線の間の距離を比較することで、前記車両が前記停止線手前の特定領域にあるか否かを判定し、前記信号機が青色の場合、前記車両が特定領域にあると判定したとき、前記信号機を青色で維持するように信号切替を制御する信号制御方法において、
所定時間を記憶し、
前記所定時間、前記走行速度、及び前記黄色点灯時間に基づいて、前記黄色点灯時間及び前記所定時間で前記車両が走行する走行距離を算出し、
前記車両の走行位置及び前記停止線の間の距離が算出した切替前走行距離以上走行距離以下である場合、前記車両が特定領域にあると判定する
ことを特徴とする信号制御方法。
【請求項6】
前記所定時間は、
前記信号機を赤色に切り替えたときから、交差点進入側の道路に交差した道路で停止している他の車両が発進するまでの予め測定された時間である
ことを特徴とする請求項5に記載の信号制御方法。
【請求項7】
前記所定時間は1.3秒以上である
ことを特徴とする請求項5に記載の信号制御方法。
【請求項8】
前記所定時間は2.5秒以上である
ことを特徴とする請求項5に記載の信号制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−244268(P2006−244268A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60902(P2005−60902)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】