説明

信号変換回路ならびにそれを用いた増幅回路,送信装置および通信装置

【課題】 不要パルスの発生が抑制された信号変換回路ならびにそれを用いた増幅回路,送信装置および通信装置を提供する。
【解決手段】 第1信号S1がソース端子に、第2信号S2がゲート端子に入力されるトランジスタ7と、第1信号S1と第2信号S2とが入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差の情報を有する第3信号S3を出力する第1回路5と、第1信号S1と第3信号S3とが入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じて第1信号S1の位相をシフトさせた位相を有する第4信号S4を出力する第2回路6と、ソース端子がトランジスタ7のドレイン端子に接続されているとともにゲート端子に第4信号S4が入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じてデューティ比が変化する第5信号S5をドレイン端子から出力するトランジスタ9とを有する信号変換回路とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不要パルスの発生が抑制された信号変換回路ならびにそれを用いた増幅回路,送信装置および通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入力された2つの入力信号の位相差に応じたデューティ比を有するパルス状の信号を出力する信号変換回路が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−182906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の信号変換回路においては、入力された2つの信号の位相差が大きいときに不要パルスが発生することがあった。
【0005】
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、不要パルスの発生が抑制された信号変換回路ならびにそれを用いた増幅回路,送信装置および通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の信号変換回路は、第1信号がソース端子に入力されるとともに、第2信号または該第2信号と同相の信号がゲート端子に入力される第1のトランジスタと、前記第1信号または該第1信号と所定の位相差を有する信号と、前記第2信号または該第2信号と所定の位相差を有する信号とが入力されて、前記第1信号と前記第2信号との位相差の情報を有する第3信号を出力する第1回路と、前記第1信号と所定の位相関係を有する信号および前記第2信号と所定の位相関係を有する信号の少なくとも一方と、前記第3信号とが入力されて、前記第1信号と前記第2信号との位相差に応じて前記第1信号または前記第2信号の位相をシフトさせた位相を有する第4信号を出力する第2回路と、ソース端子が前記第1のトランジスタのドレイン端子に接続されているとともにゲート端子に前記第4信号が入力されて、前記第1信号と前記第2信号との位相差に応じてデューティ比が変化する第5信号をドレイン端子から出力する第2のトランジスタとを少なくとも有することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第2の信号変換回路は、前記第1の信号変換回路において、前記第2回路が、前記第1信号の位相と前記第2信号の位相との中間の位相を有する前記第4信号を出力することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の増幅回路は、前記第1の信号変換回路と、第6信号が入力されて、該第6信号の振幅の変化に応じて互いの位相差が変化する2つの定包絡線信号である前記第1信号および前記第2信号を出力する第3回路と、前記第5信号が直接または他の回路を介してゲート端子に入力されて、ドレイン端子から第7信号を出力するトランジスタと、前記第7信号が入力されて、前記第6信号の基本波の周波数の信号を主に出力する第4回路とを少なくとも備えることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の送信装置は、送信回路と、前記増幅回路と、該増幅回路を介して前記送信回路
に接続されたアンテナとを少なくとも有していることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の通信装置は、送信回路と、前記増幅回路と、該増幅回路を介して前記送信回路に接続されたアンテナと、該アンテナに接続された受信回路とを少なくとも有していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の信号変換回路によれば、不要パルスの発生が抑制された信号変換回路を得ることができる。
本発明の増幅回路によれば、消費電力の小さい増幅回路を得ることができる。
本発明の送信装置によれば、消費電力の小さい送信装置を得ることができる。
本発明の通信装置によれば、消費電力の小さい通信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例の信号変換回路を示す回路図である。
【図2】図1における第1回路の一例を示す回路図である。
【図3】図1における第2回路の一例を示す回路図である。
【図4】(a),(b)は従来の信号変換回路の問題点を説明するための図である。
【図5】(a),(b)は本発明の信号変換回路が有する効果を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態の第2の例の増幅回路を示す回路図である。
【図7】本発明の実施の形態の第3の例の送信装置を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態の第4の例の通信装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の信号変換回路ならびにそれを用いた増幅回路,送信装置および通信装置を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施の形態の第1の例)
図1は本発明の実施の形態の第1の例の信号変換回路を示す回路図である。図2は、図1における第1回路の一例を示す回路図である。図3は、図1における第2回路の一例を示す回路図である。本例の信号変換回路30は、図1に示すように、端子1〜4と、トランジスタ7〜10と、第1回路5と、第2回路6とを有している。
【0014】
端子1には図示せぬ外部回路から第1信号S1が入力され、端子2には図示せぬ外部回路から第2信号S2が入力される。なお、本例の信号変換回路において、第1信号S1および第2信号S2は、互いに周波数が等しい定包絡線信号である。
【0015】
トランジスタ7は、ソース端子が端子1に接続されているとともにゲート端子が端子2に接続されている。そして、トランジスタ7は、ソース端子に第1信号S1が入力されるとともに、ゲート端子に第2信号S2が入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じてデューティ比が変化する信号をドレイン端子から出力する。トランジスタ8は、ソース端子が端子2に接続されているとともにゲート端子が端子1に接続されている。そして、トランジスタ8は、ソース端子に第2信号S2が入力されるとともに、ゲート端子に第1信号S1が入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じてデューティ比が変化する信号をドレイン端子から出力する。
【0016】
第1回路5は、端子20が端子1に接続されており、端子21が端子2に接続されており、端子22が第2回路6の端子16に接続されている。そして、第1回路5は、端子20に第1信号S1が入力されるとともに、端子21に第2信号S2が入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差の情報を有する第3信号S3を端子22から出力する。
【0017】
図2に第1回路5の回路構成の一例を示す。端子20は、トランジスタ23のゲート端子に接続されており、端子21は、トランジスタ24のゲート端子に接続されている。なお、図示しないバイアス回路が設けられ、トランジスタ23およびトランジスタ24のゲート端子に直流バイアス電圧が供給される。
【0018】
トランジスタ23のドレイン端子は電源電圧Vddに接続されており、トランジスタ23のソース端子はトランジスタ24のドレイン端子に接続されており、トランジスタ24のソース端子はトランジスタ25のドレイン端子に接続されており、トランジスタ25のソース端子はグランド電位に接続されている。トランジスタ25は、ドレイン端子とゲート端子とが接続され、カレントミラー回路の参照電流側トランジスタとして機能する。
【0019】
通常、nチャネルトランジスタは、ピンチオフ電圧以上の正電圧がゲート端子に印加されると、ドレイン・ソース端子間が導通する。従って、第1信号S1および第2信号S2がピンチオフ電圧以上の正電圧の時、トランジスタ23およびトランジスタ24がON状態になる。本回路構成では、トランジスタ23およびトランジスタ24がAND回路を形成しているため、第1信号S1および第2信号S2が両方ともピンチオフ電圧以上の正電圧の時だけ、トランジスタ25のドレイン端子に電源電圧Vddが供給されることになる。
【0020】
トランジスタ23およびトランジスタ24の両方がON状態の時間は、第1信号S1と第2信号S2との位相差に対応する。すなわち、2つの入力信号の位相差が小さい場合、両方ともON状態である時間は長くなり、2つの入力信号の位相差が大きい場合は、両方ともON状態である時間は短くなる。これにより、第1信号S1と第2信号S2との位相差の増減が、トランジスタ25のドレイン端子への電源電圧Vddの供給時間の増減に置き換えられる。
【0021】
トランジスタ25は、ゲート端子とドレイン端子とが接続されているため等価的にダイオードと見なすことができ、その結果、ドレイン端子に流れる電流に応じた電圧がゲート端子に得られる。前述のように、トランジスタ25のドレインには、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じて、電源電圧Vddが供給されるため、トランジスタ25のゲート端子から、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じた電圧を有する第3信号S3が出力される。
【0022】
すなわち、第1回路5は、第1信号S1または第1信号S1と所定の位相差を有する信号と、第2信号S2または第2信号S2と所定の位相差を有する信号とが入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差の情報を有する第3信号S3を出力する。第1回路5は、このような機能を有していればよく、他の回路構成でも構わない。
【0023】
第2回路6は、端子14が端子1に接続されており、端子16が第1回路5の端子22に接続されている。そして、端子14に第1信号S1が入力されるとともに、端子16に第3信号S3が入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じて第1信号S1の位相をシフトさせた第4信号S4を出力する。より具体的には、第2回路6は、第1信号S1の位相と第2信号S2の位相との中間の位相を有する第4信号S4を出力する。
【0024】
図3に第2回路6の回路構成の一例を示す。端子14は、抵抗11の一端に接続されており、抵抗11の他端は端子15に接続されている。端子15には可変キャパシタ12の一端が接続されており、可変キャパシタの他端はグランド電位に接続されている。端子16は、可変キャパシタ12のキャパシタンスを変化させるための制御端子である。抵抗11と可変キャパシタ12とによって位相回路が構成されている。移相回路の位相量は、可
変キャパシタ12の容量値によって変化し、可変キャパシタ12の容量値は、端子16に加わる電圧によって変化する。そして、端子16には、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じた電圧を有する第3信号S3が入力される。よって、端子14に入力された第1信号S1は、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じて位相がシフトされて、第4信号S4として端子15から出力される。
【0025】
なお、第2回路6は、第1信号S1と所定の位相関係を有する信号および第2信号S2と所定の位相関係を有する信号の少なくとも一方と、第3信号S3とが入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じて第1信号S1または第2信号S2の位相をシフトさせた位相を有する第4信号S4を出力する機能を有していればよく、他の回路構成でも構わない。
【0026】
トランジスタ9は、ソース端子がトランジスタ7のドレイン端子に接続されているとともに、第2回路6の端子15に接続されたゲート端子に第4信号S4が入力される。そして、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じてデューティ比が変化する第5信号S5をドレイン端子から出力する。トランジスタ10は、ソース端子がトランジスタ8のドレイン端子に接続されているとともに、第2回路6の端子15に接続されたゲート端子に第4信号S4が入力される。そして、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じてデューティ比が変化する第5信号S5をドレイン端子から出力する。なお、トランジスタ7〜10はnチャネルFETであり、それぞれのゲート端子には、必要に応じて所定のバイアス電圧が加えられる。
【0027】
図4は、図1に示す本例の信号変換回路30から、第1回路5,第2回路6およびトランジスタ9,10を取り除いた従来の信号変換回路における問題点を説明するための図である。図4(a)において、41は端子1に入力される第1信号S1の電圧を示し、42は端子2に入力される第2信号S2の電圧を示し、47はトランジスタ7,8のピンチオフ電圧を示す。図4(b)はトランジスタ7,8のドレイン端子から出力される信号の波形を示す図であり、43は所望のパルスを示し、44は不要パルスを示す。第1信号S1と第2信号S2との位相差が大きく、図4(a)に示すような状態になったときに、トランジスタ7,8のドレイン端子から出力される信号に、図4(b)の44のような不要パルスが発生してしまうことがあることが発明者の検討により明らかになった。
【0028】
図5は、図1に示す本例の信号変換回路30が有する効果を説明するための図である。図5(a)において、41は端子1に入力される第1信号S1の電圧を示し、42は端子2に入力される第2信号S2の電圧を示し、45は、トランジスタ9,10のゲート端子にそれぞれ入力される第4信号S4の電圧を示し、47はトランジスタ7,8のピンチオフ電圧を示す。図5(b)はトランジスタ9,10のドレイン端子から出力される信号の波形を示す図である。
【0029】
図1に示す本例の信号変換回路30においても、トランジスタ7,8のドレイン端子から出力される信号の波形は、図4(b)に示すようなものであり、不要パルス44が存在する。しかしながら、図5(a)の45に示すような、第1信号S1の位相と第2信号S2の位相との中間の位相を有する第4信号S4をトランジスタ9,10のゲート端子に入力することにより、図5(b)に示すような、不要パルスが低減された第5信号S5をトランジスタ9,10のドレイン端子から出力することができる。
【0030】
(実施の形態の第2の例)
図6は本発明の実施の形態の第2の例の増幅回路を示す回路図である。本例の増幅回路は、図6に示すように、図1に示した実施の形態の第1の例の信号変換回路30に加えて、第3回路31と、第4回路33と、トランジスタ63と、低域通過フィルタ回路65と
、抵抗66と、端子34,35とを有している。
【0031】
第3回路31は、第6信号S6が入力されて、第6信号S6の振幅の変化に応じて互いの位相差が変化する2つの定包絡線信号である第1信号S1および第2信号S2を生成する。そして、第1信号S1を信号変換回路30の端子1へ出力し、第2信号S2を信号変換回路30の端子2へ出力する。このような第3回路31としては、公知の定包絡線信号生成回路を用いることができる。定包絡線信号生成回路であれば、どのような構成であっても良く、アナログ方式でもデジタル方式でも構わない。
【0032】
信号変換回路30は、第1信号S1および第2信号S2が入力されて、第1信号S1と第2信号S2との位相差に応じてデューティ比が変化する第5信号S5を端子3,4から出力する。なお、端子4は抵抗66を介してグランド電位に接続されており、所定のインピーダンスで終端されている。端子3はトランジスタ63のゲート端子に接続されており、第5信号S5が端子3からトランジスタ63のゲート端子へ出力される。
【0033】
トランジスタ63のゲート端子は、信号変換回路30の端子3に接続されており、図示せぬDCカットキャパシタを介して第5信号S5がゲート端子に入力される。また、トランジスタ63のゲート端子には、図示せぬバイアス回路から所定のバイアス電圧が加えられる。トランジスタ63のドレイン端子は、低域通過フィルタ回路65を介して電源電位Vddに接続される。トランジスタ63のソース端子は基準電位(グランド電位)に接続される。そして、トランジスタ63は、第5信号S5をスイッチング増幅した信号である第7信号S7をドレイン端子から第4回路33へ出力する。
【0034】
第4回路33は、LC直列共振回路26と、整合回路27とを有している。LC直列共振回路26はトランジスタ63のドレイン端子に接続されており、LC直列共振回路26と端子35とが整合回路27を介して接続されている。LC直列共振回路26は、互いに直列に接続されたインダクタおよびキャパシタによって構成されており、その共振周波数は、第6信号S6の基本波の周波数(第7信号の基本波の周波数と同じ)に略等しい値に設定されている。整合回路27は、インダクタおよびキャパシタによって構成されており、ローパスフィルタ型の整合回路となっている。このような構成を有する第4回路33は、信号変換回路30から第7信号S7が入力されて、第6信号S6の基本波の周波数の信号を主に出力する。
【0035】
このような構成を有する本例の増幅回路80は、入力される第6信号S6が包絡線変動を有する信号である場合においても、高効率で線形増幅して出力することができる。また、不要パルスの発生が抑制された信号変換回路30を有していることから、消費電力が小さい増幅回路を得ることができる。
【0036】
(実施の形態の第3の例)
図7は本発明の実施の形態の第3の例の送信装置を示すブロック図である。
【0037】
本例の送信装置は、図7に示すように、送信回路81と、図6に示した増幅回路80と、増幅回路80を介して送信回路81に接続されたアンテナ82とを有している。このような構成を有する本例の送信装置によれば、送信回路81から出力された送信信号を、消費電力が小さい増幅回路80を用いて増幅してアンテナ82へ出力することができるので、消費電力が小さい送信装置を得ることができる。
【0038】
(実施の形態の第4の例)
図8は本発明の実施の形態の第4の例の通信装置を示すブロック図である。
【0039】
本例の通信装置は、図8に示すように、送信回路81と、第2の増幅回路80と、増幅回路80を介して送信回路81に接続されたアンテナ82と、アンテナ82に接続された受信回路83とを有している。また、アンテナ82と、増幅回路80および受信回路83との間にはアンテナ共用回路84が挿入されている。このような構成を有する本例の通信装置によれば、送信回路81から出力された送信信号を、消費電力が小さい増幅回路80を用いて増幅してアンテナ82へ出力することができるので、消費電力が小さい通信装置を得ることができる。
【0040】
(変形例)
本発明は前述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
【0041】
例えば、前述した実施形態の第1の例においては、図1に示すように、信号変換回路30がトランジスタ8,10を有する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、図1に示す信号変換回路30から、トランジスタ8,10を取り除いて、端子2が直接端子4に接続されるようにして、端子4を特性インピーダンスで終端しても構わない。このときには、端子2および第1回路5の端子21のみに端子4が接続されるようにすれば良く、トランジスタ7のソース端子と、第1回路5の端子20と、第2回路6の端子14とに、端子1から第1信号S1が入力され、第1回路5の端子21と、トランジスタ7のゲート端子と、端子4とに端子2から第2信号S2が入力され、トランジスタ9のゲート端子に第4信号S4が入力されるようにすればよい。
【0042】
また、前述した実施形態の第1の例においては、第4信号S4が、第1信号S1の位相と第2信号S2の位相との中間の位相を有する例を示したが、これに限定されるものではない。不要パルスが発生するときにトランジスタ9のピンチオフ電圧よりも小さい電圧を有する信号であればよく、第1信号S1の電圧やトランジスタ9のピンチオフ電圧等に応じて設定することができる。
【0043】
さらに、前述した実施形態の第1の例においては、第1信号S1および第2信号S2が第1回路5に入力される例を示したが、これに限定されるものではない。第1回路5に入力される2つの信号の一方は、第1信号S1と所定の位相関係を有する信号であればよく、第1信号S1と所定の位相差を有する信号(第1信号S1と同相の信号を含む)であっても構わない。第1回路5に入力される2つの信号の他方は、第2信号S2と所定の位相関係を有する信号であればよく、第2信号S2と所定の位相差を有する信号(第2信号S2と同相の信号を含む)であっても構わない。
【0044】
またさらに、前述した実施形態の第1の例においては、第2回路6に第1信号S1が入力される例を示したが、これに限定されるものではない。第1信号S1と所定の位相関係を有する信号および第2信号S2と所定の位相関係を有する信号の少なくとも一方が入力されればよく、例えば、第2信号S2の位相が所定の値だけシフトされたような信号が入力されるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0045】
7,8,9,10,23,24,25,63:トランジスタ
5:第1回路
6:第2回路
30:信号変換回路
31:第3回路
33:第4回路
80:増幅回路
81:送信回路
82:アンテナ
83:受信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1信号がソース端子に入力されるとともに、第2信号または該第2信号と同相の信号がゲート端子に入力される第1のトランジスタと、
前記第1信号または該第1信号と所定の位相差を有する信号と、前記第2信号または該第2信号と所定の位相差を有する信号とが入力されて、前記第1信号と前記第2信号との位相差の情報を有する第3信号を出力する第1回路と、
前記第1信号と所定の位相関係を有する信号および前記第2信号と所定の位相関係を有する信号の少なくとも一方と、前記第3信号とが入力されて、前記第1信号と前記第2信号との位相差に応じて前記第1信号または前記第2信号の位相をシフトさせた位相を有する第4信号を出力する第2回路と、
ソース端子が前記第1のトランジスタのドレイン端子に接続されているとともにゲート端子に前記第4信号が入力されて、前記第1信号と前記第2信号との位相差に応じてデューティ比が変化する第5信号をドレイン端子から出力する第2のトランジスタとを少なくとも有することを特徴とする信号変換回路。
【請求項2】
前記第2回路は、前記第1信号の位相と前記第2信号の位相との中間の位相を有する前記第4信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の信号変換回路。
【請求項3】
請求項1に記載の信号変換回路と、
第6信号が入力されて、該第6信号の振幅の変化に応じて互いの位相差が変化する2つの定包絡線信号である前記第1信号および前記第2信号を出力する第3回路と、
前記第5信号が直接または他の回路を介してゲート端子に入力されて、ドレイン端子から第7信号を出力するトランジスタと、
前記第7信号が入力されて、前記第6信号の基本波の周波数の信号を主に出力する第4回路とを少なくとも備えることを特徴とする増幅回路。
【請求項4】
送信回路と、請求項3に記載の増幅回路と、該増幅回路を介して前記送信回路に接続されたアンテナとを少なくとも有していることを特徴とする送信装置。
【請求項5】
送信回路と、請求項3に記載の増幅回路と、該増幅回路を介して前記送信回路に接続されたアンテナと、該アンテナに接続された受信回路とを少なくとも有していることを特徴とする通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−48367(P2013−48367A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186181(P2011−186181)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】