説明

信号検知装置及び信号検知プログラム

【課題】
磁性体が交番磁界内に位置することで、大バルクハウゼン効果により生じる信号を確度よく検出する信号検知装置及び信号検知プログラムを提供する。
【解決手段】
検知コイル3が検知した信号を増幅器5で増幅し、ADC7でディジタル化した検知信号のうち特定時間の検知信号を取得し、取得した検知信号が基準値以上であるか否かを比較し、その比較結果が連続するか否かを確認し、検知信号が基準値以上である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号検知装置及び信号検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやコピア等の技術発達に伴って、容易に文書の作成や複製を行うことができるようになり、様々な場面で文書が利用されることとなった。
【0003】
一方、容易に文書を複写することができるため、文書の機密性の保持や原本性の保証といった新たな課題が発生してきている。
【0004】
このような課題に対応するため、用紙に磁性体を付し、この磁性体をプリンタやコピア、ゲート等に配置した検知装置等で検知することにより、その結果を様々な管理等に利用している。
【0005】
なお、センサの出力をCPUを利用して処理する技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【特許文献1】特開昭61−181988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、磁性体が交番磁界内に位置することで、大バルクハウゼン効果により生じる信号を確度よく検出する信号検知装置及び信号検知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、信号受信手段と該信号受信手段が受信した信号を増幅する増幅手段とを含む検知手段が出力する検知信号のうち特定時間の検知信号を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した検知信号が基準値以上であるか否かを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果が連続するか否かを確認し、前記検知信号が基準値以上である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記判定手段は、前記取得手段が取得した検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した後に、前記検知信号が基準値未満である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号から大バルクハウゼン効果により生じた信号が消滅したと判定することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記比較手段は、前記取得手段が取得した検知信号の平均値を算出し、該算出した平均値と前記基準値とを比較することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記増幅手段の増幅度を調整する調整手段と、大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記調整手段により前記増幅手段の増幅度を固定し、前記基準値、前記比較手段が前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定手段が連続を確認する回数の各値を可変し、前記判定手段が前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の各値に所定の値を加えた値をそれぞれ新たな基準値、平均回数、連続を確認する回数に設定する設定手段とをさらに具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記設定手段は、大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記基準値、前記比較手段が前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定手段が連続を確認する回数の各値を固定し、前記調整手段により前記増幅手段の増幅度を可変し、前記判定手段が前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の増幅度から所定の値を減じた値を新たな増幅度として設定することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6の発明は、信号受信手段と該信号受信手段が受信した信号を増幅する増幅手段とを含む検知手段が出力する検知信号のうち特定時間の検知信号を取得する取得処理と、前記取得処理で取得した検知信号が基準値以上であるか否かを比較する比較処理と、前記比較処理による比較結果が連続するか否かを確認し、前記検知信号が基準値以上である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定する判定処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記判定処理は、前記取得処理で取得した検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した後に、前記検知信号が基準値未満である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号から大バルクハウゼン効果により生じた信号が消滅したと判定することを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記比較処理は、前記取得処理で取得した検知信号の平均値を算出し、該算出した平均値と前記基準値とを比較することを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記増幅手段の増幅度を調整する調整処理と、大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記調整処理により前記増幅手段の増幅度を固定し、前記基準値、前記比較処理で前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定処理で連続を確認する回数の各値を可変し、前記判定処理で前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の各値に所定の値を加えた値をそれぞれ新たな基準値、平均回数、連続を確認する回数に設定する設定処理とをさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0016】
また、請求項10の発明は、請求項9の発明において、前記設定処理は、大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記基準値、前記比較手段が前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定処理で連続を確認する回数の各値を固定し、前記調整処理により前記増幅手段の増幅度を可変し、前記判定処理が前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の増幅度から所定の値を減じた値を新たな増幅度として設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ノイズ等の混入する状態であっても、確度よく大バルクハウゼン効果により生じる信号を検知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る信号検知装置及び信号検知プログラムの一実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、信号検知装置の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、信号検知装置は、信号源1と、励磁コイル2、検知コイル3、フィルタ4、増幅器5、フィルタ6、ADC7、信号判定部8を有している。
【0020】
信号源1は、励磁コイル2に交流電流を流すための電源であり、例えば、1kHzの交流電圧を励磁コイル2に印加し、励磁コイル2に交番磁界を発生させる。
【0021】
励磁コイル2は、信号源1から印加される交流電圧に応じて交流電流が流れるもので、これにより交番磁界を発生する。
【0022】
検知コイル3は、励磁コイル2が発生する交番磁界によって誘導される起電力によって交流電流が流れるもので、この際に、励磁コイル2が発生する交番磁界内に大バルクハウゼン効果を生じる磁性体があると、この大バルクハウゼン効果によるパルス電流が交流電流に重畳される形で発生する。検知コイル3は、この電流を検知電流として出力する。
【0023】
フィルタ4は、検知コイル3が出力する検知電流から、励磁コイル2が発生した交番磁界によって誘導される電流を除去する。
【0024】
増幅器5は、フィルタ4から出力される検知電流を増幅する。
【0025】
フィルタ6は、増幅器5によって増幅された検知電流から、ノイズ等を除去する。
【0026】
ADC7は、ADコンバータであり、検知電流をディジタル信号に変換して検知信号として出力する。する。
【0027】
信号判定部8は、ADC7が出力する検知信号に基づいて、大バルクハウゼン効果が発生したか否か、つまり、検知コイル3の近傍に磁性体が存在するか否かを判定する。また、信号判定部8は、増幅器5の増幅度(ゲイン)の調整等の処理も行う。
【0028】
次に、信号判定部8の詳細について説明する。図2は、信号判定部8の構成例を示した図であり、図3は、信号判定部8の機能的な構成例を示すブロック図である。
【0029】
図2に示すように、信号判定部8は、演算部101と、記憶部102、一時記憶部103、情報入出力部104を有している。
【0030】
演算部101は、演算処理を行うもので、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより実現されるものである。
【0031】
記憶部102は、情報等を記憶するもので、例えば、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(Nonvolatile Memory)等のメモリで実現されるものである。
【0032】
一時記憶部103は、情報等を一時的に記憶するもので、例えば、RAM(Random Access Memory)等のメモリで実現されるものである。
【0033】
情報入出力部104は、ADC7からの検知信号や、信号源1からの基準信号を入力したり、判定結果等の出力を行うインタフェイスである。
【0034】
信号判定部8は、記憶部102に記憶されているプログラムに基づいて演算部101を動作させ、演算部101の命令により他の各部が動作することで、図3に示す各機能部を実現する。
【0035】
信号判定部8は、図3に示すように、基準信号取得部81と、検知信号取得部82、平均化部83、比較部84、連続性判定部85、調整部86の各機能部を有している。
【0036】
基準信号取得部81は、信号源1から励磁コイル1に印加する交流電圧と同期する信号を基準信号として取得する。
【0037】
検知信号取得部82は、基準信号取得部81が取得した基準信号に基づいて、ADCが出力する検知信号を取得する。大バルクハウゼン効果は、図4(a)に示すようなB−H特性、つまり、ヒステリシスループがほぼ長方形で、保持力(Hc)が比較的小さな材料、例えば、Co−Fe−Ni−B−Siからなるアモルファス磁性材料を交番磁界中においた際に、急峻な磁化反転が起きる現象である。このため、励磁コイルに交流電流を流して交番磁界を発生させ、その交番磁界中に磁性材料を置くと、磁化反転時に、磁性材料の近傍に配置した検知コイルにパルス状の電流が流れることとなる。例えば、励磁コイルにより図4(b)の上段に示すような交番磁界を発生させた場合、検知コイルには、図4(b)の下段に示すようなパルス電流が流れることとなる。ただし、検知コイルに流れる電流には、交番磁界によって誘導される交流電流も流れており、パルス電流は、この交流電流に重畳されて検出されることとなる。つまり、大バルクハウゼン効果により生じる電流は、交番磁界に同期して一定間隔に発生することとなる。このため、検知信号取得部82は、ADC7が出力する検知信号のうち、一定期間毎の検知信号のみを取得することとなり、この期間の決定のために、基準信号取得部81が取得した基準信号を利用する。なお、検知信号取得部82は、基準信号取得部81が取得した基準信号に対して、遅れ等を考慮したタイミングで検知信号を取得する。
【0038】
平均化部83は、検知信号取得部82が取得した検知信号を平均化する。例えば、図5に示すように、検知信号取得部82がADC7から一定間隔で検知信号を取得したとすると、平均化部83は、取得した検知信号の数回分(図中では、8回分)を平均化し、その平均値を出力する。なお、図5中では、検知信号を正弦波で示しているが、これは、説明のためであり、実際の検知信号は、前述したように、交流成分が除去されている。
【0039】
比較部84は、平均化部83が出力した平均値と基準値とを比較することにより、検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号成分が含まれている可能性があるか否かを判定する。
【0040】
連続性判定部85は、比較部84が検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号成分が含まれている可能性があると判定した場合に、その連続性を確認し、一定数の連続が認められた場合に、検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号成分が含まれていると判定する。また、検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号成分が含まれている判定した後に、比較部84が検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号成分が含まれている可能性がないと判定した場合に、その連続性を確認し、一定数の連続が認められた場合に、検知信号から大バルクハウゼン効果により生じた信号成分が消滅したと判定する。
【0041】
調整部86は、連続性判定部85による判定結果を利用し、増幅器5の増幅度や、平均化部83で平均値を算出する際の検知信号の数、比較部84が比較に利用する基準値、連続性判定部85が連続性を確認する際の回数を調整する。
【0042】
次に、信号判定部8の動作の流れを説明する。図6は、信号判定部8による信号判定処理の流れを示すフローチャートであり、図7は、信号判定部8による調整処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
信号判定処理では、まず、検知信号取得部82が、基準信号81が取得した基準信号に基づいて検知信号を取得し(ステップ201)、この検知信号の値を平均化部83が加算する(ステップ202)。そして、検知信号の取得と加算をA回(Aは予め定めた自然数)繰り返し(ステップ203でNO)、同処理をA回行うと(ステップ203でYES)、平均化部83が加算された検知信号をAで除算することで、検知信号の平均値を算出する(ステップ204)。
【0044】
次に、比較部84が、算出された平均値を予め定めた基準値と比較し(ステップ205)、平均値の値が基準値以上であれば(ステップ206でYES)、連続性判定部85が連続性の判定を行う。
【0045】
連続性判定部85による連続性の判定では、まず、前回の平均値が基準値以上であった場合には(ステップ207でYES)、その連続回数を計数し(ステップ208)、計数した連続回数がB回(Bは予め定めた自然数)に達した場合に(ステップ209でYES)、大バルクハウゼン効果により生じた信号を検知したと判定する(ステップ210)。つまり、連続性判定部85は、平均値がB回連続して基準値以上であった場合に、大バルクハウゼン効果により生じた信号を検知したと判定するもので、前回の平均値が基準値未満であった場合や(ステップ207でNO)、連続回数がB回に達していない場合には(ステップ209でNO)、次の平均値が算出されるまで、判定は先送りされることとなる。
【0046】
一方、比較部84による比較の結果、平均値の値が基準値未満であった場合(ステップ206でNO)、連続性判定部85による判定結果が「検知」中である状態では(ステップ211でYES)、連続性判定部85が連続性の判定を行う。
【0047】
連続性判定部85による連続性の判定では、まず、前回の平均値が基準値未満であった場合には(ステップ212でYES)、その連続回数を計数し(ステップ213)、計数した連続回数がC回(Cは予め定めた自然数)に達した場合に(ステップ214でYES)、大バルクハウゼン効果により生じた信号が消滅した、つまり、非検知であると判定する(ステップ215)。連続性判定部85は、平均値がC回連続して基準値未満であった場合に、大バルクハウゼン効果により生じた信号が消滅したと判定するもので、前回の平均値が基準値以上であった場合や(ステップ212でNO)、連続回数がC回に達していない場合には(ステップ214でNO)、次の平均値が算出されるまで、判定は先送りされることとなる。
【0048】
また、比較部84による比較の結果、平均値の値が基準値未満であった場合(ステップ206でNO)、連続性判定部85による判定結果が「非検知」中である状態では(ステップ211でNO)、判定は行われず、「非検知」中である状態が継続される。
【0049】
次に、信号判定部8による調整処理について説明する。調整処理は、大バルクハウゼン効果による信号が検出されることの無い状態、例えば、電源投入時等で、電源投入者が大バルクハウゼン効果による信号が検出されることのない状況を確認した上で行われる。
【0050】
調整処理では、まず、調整部86が増幅器5の増幅度を固定し(ステップ301)、判定処理で利用するAの値と、Bの値を減少させ(ステップ302)、これを連続性判定部85が大バルクハウゼン効果により生じた信号を検知したと判定するまで繰り返す(ステップ303でNO)。そして、連続性判定部85が大バルクハウゼン効果により生じた信号を検知したと判定すると(ステップ303でYES)、その時のAの値に予め定めたaの値を加えた値を新たなAの値とし、その時のBの値に予め定めたbの値を加えた値を新たなBの値とする(ステップ304)。a、bの値を加えているのは、その時のA、Bの値では連続性判定部85が大バルクハウゼン効果による信号が検出されることの無い状態で当該信号を検知したと判定している、つまり、ノイズ等によって誤検知しているためで、これにa、bの値を加えることで、ノイズ等の影響の無い値とすることができるためである。
【0051】
続いて、調整部86は、増幅器5の増幅度を増加し(ステップ305)、これを連続性判定部85が大バルクハウゼン効果により生じた信号を検知したと判定するまで繰り返す(ステップ306でNO)。そして、連続性判定部85が大バルクハウゼン効果により生じた信号を検知したと判定すると(ステップ306でYES)、その時の増幅度から予め定めたdの値を減じた値を増幅器5の新たな増幅度として設定する(ステップ307)。この処理も前述したように、ノイズ等の影響を除去するためである。
【0052】
なお、調整部85による調整は、いずれかの値に対してのみ行うようにすることも可能であり、判定処理で利用するCの値についても、同様に調整することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】信号検知装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】信号判定部8の構成例を示した図である。
【図3】信号判定部8の機能的な構成例を示すブロック図である。
【図4】大バルクハウゼン効果による信号の発生原理を説明するための図である。
【図5】検知信号の取得タイミング、平均化処理を説明するための図である。
【図6】信号判定部8による信号判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】信号判定部8による調整処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1 信号源
2 励磁コイル
3 検知コイル
4 フィルタ
5 増幅器
6 フィルタ
7 ADC
8 信号判定部
81 基準信号取得部
82 検知信号取得部
83 平均化部
84 比較部
85 連続性判定部
86 調整部
101 演算部
102 記憶部
103 一時記憶部
104 情報入出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号受信手段と該信号受信手段が受信した信号を増幅する増幅手段とを含む検知手段が出力する検知信号のうち特定時間の検知信号を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した検知信号が基準値以上であるか否かを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果が連続するか否かを確認し、前記検知信号が基準値以上である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定する判定手段と
を具備することを特徴とする信号検知装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記取得手段が取得した検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した後に、前記検知信号が基準値未満である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号から大バルクハウゼン効果により生じた信号が消滅したと判定することを特徴とする請求項1記載の信号検知装置。
【請求項3】
前記比較手段は、前記取得手段が取得した検知信号の平均値を算出し、該算出した平均値と前記基準値とを比較することを特徴とする請求項1記載の信号検知装置。
【請求項4】
前記増幅手段の増幅度を調整する調整手段と、
大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記調整手段により前記増幅手段の増幅度を固定し、前記基準値、前記比較手段が前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定手段が連続を確認する回数の各値を可変し、前記判定手段が前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の各値に所定の値を加えた値をそれぞれ新たな基準値、平均回数、連続を確認する回数に設定する設定手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の信号検知装置。
【請求項5】
前記設定手段は、大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記基準値、前記比較手段が前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定手段が連続を確認する回数の各値を固定し、前記調整手段により前記増幅手段の増幅度を可変し、前記判定手段が前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の増幅度から所定の値を減じた値を新たな増幅度として設定することを特徴とする請求項4記載の信号検知装置。
【請求項6】
信号受信手段と該信号受信手段が受信した信号を増幅する増幅手段とを含む検知手段が出力する検知信号のうち特定時間の検知信号を取得する取得処理と、
前記取得処理で取得した検知信号が基準値以上であるか否かを比較する比較処理と、
前記比較処理による比較結果が連続するか否かを確認し、前記検知信号が基準値以上である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定する判定処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする信号検知プログラム。
【請求項7】
前記判定処理は、前記取得処理で取得した検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した後に、前記検知信号が基準値未満である比較結果が予め定めた回数連続したことが確認された場合に、前記検知信号から大バルクハウゼン効果により生じた信号が消滅したと判定することを特徴とする請求項6記載の信号検知プログラム。
【請求項8】
前記比較処理は、前記取得処理で取得した検知信号の平均値を算出し、該算出した平均値と前記基準値とを比較することを特徴とする請求項6記載の信号検知プログラム。
【請求項9】
前記増幅手段の増幅度を調整する調整処理と、
大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記調整処理により前記増幅手段の増幅度を固定し、前記基準値、前記比較処理で前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定処理で連続を確認する回数の各値を可変し、前記判定処理で前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の各値に所定の値を加えた値をそれぞれ新たな基準値、平均回数、連続を確認する回数に設定する設定処理と
をさらに前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項8記載の信号検知プログラム。
【請求項10】
前記設定処理は、大バルクハウゼン効果により生じる信号が存在しない状態で前記基準値、前記比較手段が前記平均値を算出する際の平均回数、前記判定処理で連続を確認する回数の各値を固定し、前記調整処理により前記増幅手段の増幅度を可変し、前記判定処理が前記検知信号に大バルクハウゼン効果により生じた信号を含むと判定した際の増幅度から所定の値を減じた値を新たな増幅度として設定することを特徴とする請求項9記載の信号検知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−2288(P2010−2288A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−161181(P2008−161181)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】