説明

修理受付管理システム、修理受付管理サーバ及び修理受付管理プログラム

【課題】 修理受付カウンタにおける修理受付処理や修理品引き渡し処理を迅速化し、持込修理サービスに対する顧客満足度を高める。
【解決手段】 修理受付カウンタに設置され、修理受付時にICタグ付きの修理受付伝票を発行する修理受付端末10と、これにネットワーク40を介して接続される修理受付管理サーバ30とを備える修理受付管理システムであって、修理受付端末10が、来店時に顧客の顔を撮影するとともに、ICタグの読み取りを試み、顔情報又はICタグ情報を修理受付管理サーバ30に送信し、修理受付管理サーバ30が、ICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに修理情報データベース32内を検索し、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を修理受付端末10に送信する一方、顔情報を受信したとき、顔情報をもとに顧客情報データベース33内を検索し、該当する顧客情報を修理受付端末10に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、修理受付カウンタにおける修理受付業務や修理品引き渡し業務に適用される修理受付管理システム、修理受付管理サーバ及び修理受付管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気製品などの販売店やメーカは、製品の故障を想定し、各種の修理サービスを提供している。この種の修理サービスとしては、サービスマンが現場に出張して故障品を修理する出張修理サービス、顧客が故障品を修理センタに送り、後日、修理品を宅配で受け取る宅配修理サービス、顧客が故障品を修理受付カウンタに持ち込み、後日、修理受付カウンタで修理品を受け取る持込修理サービスなどがあり、顧客の事情に応じて修理サービスが選択される。例えば、修理受付カウンタが近所にある場合は、持込修理サービスの利用が簡便である。
【0003】
しかしながら、修理受付カウンタに故障品を持ち込んだ場合、故障品に関するヒヤリング、顧客情報のヒヤリング、修理受付伝票の作成などが行われるため、受付手続に時間がかかり、また、修理品を受け取る場合も、修理受付伝票の確認、修理品の特定、修理品の出庫などが行われるため、受け取りに時間がかかるという問題がある。その結果、持込修理サービスに対する顧客満足度が低下し、特に、修理の依頼回数が複数回に及ぶ顧客にあっては、不満が蓄積される可能性がある。
【0004】
ところで、近年では、特許文献1、2に示されるようなICタグ利用技術や、特許文献3に示されるような顔情報利用技術、特に、顔情報などの身体的な特徴にもとづいて個人認証を行うバイオメトリクス認証技術が注目されている。これらの技術は、既に実用段階にあり、持込修理サービスにおいても顧客特定手段などとして利用が可能と考えられる。
【特許文献1】特開2002−096911号公報
【特許文献2】特開2003−276364号公報
【特許文献3】特開2001−357056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、持込修理サービスには、修理受付処理、修理品引き渡し処理など、複数の処理業務が含まれるため、ICタグや顔認識を単純に適用することはできない。
また、顔認識は、顔を撮影するカメラ、顔情報を蓄積するデータベース、顔認識を行うプログラムなどの導入により可能となるが、これらを各修理受付端末に導入した場合、システムの全体コストが増大するだけでなく、修理受付端末間で顔情報を共有することが困難になる。
【0006】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、ICタグ及び顔認識を効果的に利用することにより、修理受付カウンタにおける修理受付処理や修理品引き渡し処理を迅速化し、持込修理サービスに対する顧客満足度を高めることができる修理受付管理システム、修理受付管理サーバ及び修理受付管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の修理受付管理システムは、修理受付カウンタに設置され、修理受付時にICタグ付きの修理受付伝票を発行する修理受付端末と、修理受付情報、修理進捗情報及び顧客情報を管理する修理受付管理サーバと、これらを通信可能に接続するネットワークとを備える修理受付管理システムであって、前記修理受付端末が、来店時に顧客の顔を撮影するとともに、前記ICタグの読み取りを試み、顔情報及び/又はICタグ情報を前記修理受付管理サーバに送信する顧客特定情報送信手段と、前記修理受付管理サーバから修理受付情報、修理進捗情報及び/又は顧客情報を受信したとき、受信情報を表示部に表示する受信情報表示手段と、を備え、前記修理受付管理サーバが、修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付伝票のICタグ情報に関連付けて記憶する修理情報データベースと、顧客情報を顔情報に関連付けて記憶する顧客情報データベースと、前記修理受付端末から顔情報及び/又はICタグ情報を受信する顧客特定情報受信手段と、ICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索し、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付端末に送信する修理情報送信手段と、顔情報を受信したとき、顔情報をもとに前記顧客情報データベース内を検索し、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を前記修理受付端末に送信する顧客情報送信手段と、を備える構成としてある。
【0008】
このように構成すれば、修理品を受け取りに来た顧客については、修理受付伝票に付されたICタグ情報による特定を行い、対応した修理受付情報や修理進捗情報を自動的に表示することができ、また、その他の顧客については、顧客の顔情報による特定を行い、顧客の特定に成功したときは、対応した顧客情報を自動的に表示することができる。これにより、来店時のヒアリングや情報入力処理を簡略化し、修理受付処理や修理品引き渡し処理の所要時間を大幅に短縮することができる。
しかも、情報管理や顔認識は、修理受付管理サーバで集中的に行うため、各端末で個別に行う場合に比べて、システム全体のコストを削減できるだけでなく、顧客情報などの共有化を図ることができる。
【0009】
また、本発明の修理受付管理システムは、前記修理受付管理サーバが、前記修理受付端末からICタグ情報及び修理受付情報を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて前記修理情報データベースに登録する修理受付情報登録手段を備える構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理受付管理サーバにICタグ情報及び修理受付情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバの修理情報データベースに登録することができる。
【0010】
また、本発明の修理受付管理システムは、前記修理受付管理サーバが、前記修理受付端末から顔情報及び顧客情報を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて前記顧客情報データベースに登録する顧客情報登録手段を備える構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理受付管理サーバに顔情報及び顧客情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバの顧客情報データベースに登録することができる。
【0011】
また、本発明の修理受付管理システムは、前記修理受付管理サーバが、前記修理受付端末からICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索して、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断し、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫に送信する出庫指令送信手段を備える構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理品管理倉庫に出庫指令を送信する手間を省き、修理品の引き渡しをより迅速に行うことができる。
【0012】
また、本発明の修理受付管理システムは、前記修理品管理倉庫が、前記修理受付管理サーバから出庫指令を受信したとき、該当修理品を自動的に出庫する自動出庫装置と、出庫された修理品を前記修理受付カウンタまで搬送する搬送装置と、を備える構成としてある。
このように構成すれば、修理品が自動的に出庫されるだけでなく、修理受付カウンタまで自動的に搬送されるので、修理品の引き渡しをより迅速に行うことができる。
【0013】
また、本発明の修理受付管理サーバは、修理受付カウンタに設置され、修理受付時にICタグ付きの修理受付伝票を発行する修理受付端末に、ネットワークを介して通信可能に接続され、修理受付情報、修理進捗情報及び顧客情報を管理する修理受付管理サーバであって、修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付伝票のICタグ情報に関連付けて記憶する修理情報データベースと、顧客情報を顔情報に関連付けて記憶する顧客情報データベースと、前記修理受付端末から顔情報及び/又はICタグ情報を受信する顧客特定情報受信手段と、ICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索し、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付端末に送信する修理情報送信手段と、顔情報を受信したとき、顔情報をもとに前記顧客情報データベース内を検索し、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を前記修理受付端末に送信する顧客情報送信手段と、を備える構成としてある。
【0014】
このように構成すれば、修理品を受け取りに来た顧客については、修理受付伝票に付されたICタグ情報による特定を行い、対応した修理受付情報や修理進捗情報を自動的に表示することができ、また、その他の顧客については、顧客の顔情報による特定を行い、顧客の特定に成功したときは、対応した顧客情報を自動的に表示することができる。これにより、来店時のヒアリングや情報入力処理を簡略化し、修理受付処理や修理品引き渡し処理の所要時間を大幅に短縮することができる。
しかも、情報管理や顔認識は、修理受付管理サーバで集中的に行うため、各端末で個別に行う場合に比べて、システム全体のコストを削減できるだけでなく、顧客情報などの共有化を図ることができる。
【0015】
また、本発明の修理受付管理サーバは、前記修理受付端末からICタグ情報及び修理受付情報を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて前記修理情報データベースに登録する修理受付情報登録手段を備える構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理受付管理サーバにICタグ情報及び修理受付情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバの修理情報データベースに登録することができる。
【0016】
また、本発明の修理受付管理サーバは、前記修理受付端末から顔情報及び顧客情報を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて前記顧客情報データベースに登録する顧客情報登録手段を備える構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理受付管理サーバに顔情報及び顧客情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバの顧客情報データベースに登録することができる。
【0017】
また、本発明の修理受付管理サーバは、前記修理受付端末からICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索して、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断し、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫に送信する出庫指令送信手段を備える構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理品管理倉庫に出庫指令を送信する手間を省き、修理品の引き渡しをより迅速に行うことができる。
【0018】
また、本発明の修理受付管理プログラムは、修理受付カウンタに設置され、修理受付時にICタグ付きの修理受付伝票を発行する修理受付端末に、ネットワークを介して通信可能に接続され、修理受付情報、修理進捗情報及び顧客情報を管理する修理受付管理サーバ用のプログラムであって、前記修理受付管理サーバに、修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付伝票のICタグ情報に関連付けて記憶する修理情報データベースと、顧客情報を顔情報に関連付けて記憶する顧客情報データベースとを構築させ、前記修理受付端末から顔情報及び/又はICタグ情報を受信させ、ICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索させ、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付端末に送信させ、顔情報を受信したとき、顔情報をもとに前記顧客情報データベース内を検索させ、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を前記修理受付端末に送信させる構成としてある。
【0019】
このように構成すれば、修理品を受け取りに来た顧客については、修理受付伝票に付されたICタグ情報による特定を行い、対応した修理受付情報や修理進捗情報を自動的に表示することができ、また、その他の顧客については、顧客の顔情報による特定を行い、顧客の特定に成功したときは、対応した顧客情報を自動的に表示することができる。これにより、来店時のヒアリングや情報入力処理を簡略化し、修理受付処理や修理品引き渡し処理の所要時間を大幅に短縮することができる。
しかも、情報管理や顔認識は、修理受付管理サーバで集中的に行うため、各端末で個別に行う場合に比べて、システム全体のコストを削減できるだけでなく、顧客情報などの共有化を図ることができる。
【0020】
また、本発明の修理受付管理プログラムは、前記修理受付端末からICタグ情報及び修理受付情報を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて前記修理情報データベースに登録させる構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理受付管理サーバにICタグ情報及び修理受付情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバの修理情報データベースに登録することができる。
【0021】
また、本発明の修理受付管理プログラムは、前記修理受付端末から顔情報及び顧客情報を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて前記顧客情報データベースに登録させる構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理受付管理サーバに顔情報及び顧客情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバの顧客情報データベースに登録することができる。
【0022】
また、本発明の修理受付管理プログラムは、前記修理受付端末からICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索させて、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断させ、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫に送信させる構成としてある。
このように構成すれば、修理受付端末から修理品管理倉庫に出庫指令を送信する手間を省き、修理品の引き渡しをより迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、修理品を受け取りに来た顧客については、修理受付伝票に付されたICタグ情報による特定を行い、対応した修理受付情報や修理進捗情報を自動的に表示することができ、また、その他の顧客については、顧客の顔情報による特定を行い、顧客の特定に成功したときは、対応した顧客情報を自動的に表示することができる。これにより、来店時のヒアリングや情報入力処理を簡略化し、修理受付処理や修理品引き渡し処理の所要時間を大幅に短縮することができる。
しかも、情報管理や顔認識は、修理受付管理サーバで集中的に行うため、各端末で個別に行う場合に比べて、システム全体のコストを削減できるだけでなく、顧客情報などの共有化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、修理受付管理システムのブロック図である。
この図に示すように、修理受付管理システムは、パソコンなどの持込修理サービスに適用されるものであり、各地の修理受付カウンタに設置される修理受付端末10と、各地の修理受付カウンタに併設される修理品管理倉庫20と、修理受付情報、修理進捗情報、顧客情報などを集中的に管理する修理受付管理サーバ30と、これらを通信可能に接続するインターネットなどのネットワーク40とを備えて構成されている。
【0025】
図2は、修理受付端末のブロック図である。
この図に示す修理受付端末10は、端末用コンピュータであり、通信部11、入力部12、表示部13、カメラ14、印字部15、ICタグ読み書き部16、処理部17などから構成されている。
【0026】
通信部11は、ネットワークインタフェースであり、ネットワーク40を介して、修理受付管理サーバ30と情報のやり取りを行う。
入力部12は、キーボードやマウスであり、顧客からヒヤリングした故障品の情報や、顧客情報が入力される。
表示部13は、入力部12から入力された情報や、修理受付管理サーバ30から受信した情報の表示を行う。
カメラ14は、来店した顧客の顔を撮影する装置であり、顧客の来店を検知し、自動的に撮影動作するものが好ましい。
【0027】
印字部15は、修理受付伝票に対して印字を行う。この修理受付伝票は、修理受付時に顧客に対して発行されるものであり、修理品の引き渡し時に提出を求める。修理受付伝票に印字される情報としては、修理受付番号、型名、症状、受付者、顧客情報などがある。
ICタグ読み書き部16は、修理受付伝票に貼り付け又は埋め込まれたICタグ(RFID:Radio Frequency Identification)と非接触で通信し、ICタグ情報の読み書きを行う。ICタグ情報の書き込みは、例えば、修理受付伝票の印字と同時に行うことができる。このとき書き込まれるICタグ情報としては、修理受付番号、型名、症状、受付者、顧客情報などがある。一方、ICタグ情報の読み取りは、顧客が修理品を受け取りにきたとき、来店と同時に自動的に実行することが好ましい。
なお、本実施形態では、読み書き自在なICタグを用いるが、読み取り専用のICタグであってもよい。この場合には、ICタグ固有の識別情報を読み取り、この識別情報に関連付けて修理受付情報が管理される。
【0028】
処理部17は、来店時に撮影した顧客の顔情報や、来店時に修理受付伝票から読み取ったICタグ情報を修理受付管理サーバ30に送信する顧客特定情報送信処理と、修理受付管理サーバ30から修理受付情報、修理進捗情報、顧客情報などを受信したとき、受信情報を表示部13に表示する受信情報表示処理と、修理受付伝票を発行する修理伝票発行処理と、修理受付伝票を発行する際に、ICタグ情報、修理受付情報、顔情報、顧客情報などを修理受付管理サーバ30に送信する情報登録処理とを行う。以下、処理部17の処理手順について、図3を参照して説明する。
【0029】
図3は、修理受付端末の処理手順を示すフローチャート、図4は、修理受付端末の表示画面を示す説明図である。
この図に示すように、修理受付端末10の処理部17は、顧客の来店を監視し(S101)、顧客が来店したとき、顧客の顔を撮影するとともに(S102)、ICタグの読み取りを試みる(S103)。そして、ICタグの読み取りに成功したときは(S104)、ICタグ情報を修理受付管理サーバ30に送信するとともに(S105)、修理受付管理サーバ30からICタグ情報に対応した修理受付情報及び修理進捗情報を受信し(S106)、これを表示部13に表示する(S107)。ここで、図4に示すように、修理が完了している場合は、修理品の引き渡しが行われる。
【0030】
一方、ICタグの読み取りに失敗したときは、顔情報を修理受付管理サーバ30に送信するとともに(S108)、修理受付管理サーバ30から顔情報に対応する顧客情報を受信し(S109)、これを表示部13に表示する(S110)。なお、顔情報に対応する顧客情報がない場合は、空欄の顧客情報画面が表示される。表示した顧客情報画面をもとに修理受付伝票を作成する場合は(S111)、修理の受付に必要な情報の入力を求めるとともに(S112)、入力の終了を判断する(S113)。入力が終了したら、修理受付伝票の印字を行うとともに(S114)、ICタグ情報、修理受付情報、顔情報及び顧客情報を修理受付管理サーバ30に送信し(S115)、修理受付処理が終わる。
【0031】
図5は、修理品管理倉庫のブロック図である。
この図に示す修理品管理倉庫20は、通信部21、棚22、自動出庫装置23、搬送装置24、処理部25などから構成されている。
【0032】
通信部21は、ネットワークインタフェースであり、ネットワーク40を介して、修理受付管理サーバ30と情報のやり取りを行う。
棚22は、修理が完了した修理品を管理するものであり、自動出庫装置23が組み込まれている。自動出庫装置23は、出庫指令を受けると、指定された棚位置から修理品をピックアップし、これを搬送装置24の搬送始端位置に載置する。
搬送装置24は、搬送始端位置に載置された修理品を搬送終端位置まで搬送するものであり、搬送終端位置は、修理受付カウンタに至る。
【0033】
処理部25は、修理が完了した修理品が棚22に入庫されたとき、その情報を修理進捗情報(修理完了通知)として修理受付管理サーバ30に送信する修理進捗情報送信処理と、修理受付管理サーバ30から出庫指令を受信したとき、該当修理品を自動的に出庫し、修理受付カウンタまで搬送させる自動出庫処理とを行う。以下、処理部25の処理手順について、図6を参照して説明する。
【0034】
図6は、修理品管理倉庫の処理手順を示すフローチャートである。
この図に示すように、修理品管理倉庫20の処理部25は、修理品の入庫を判断するとともに(S201)、修理受付管理サーバ30からの出庫指令を判断する(S202)。修理品が入庫されたら、修理品を特定する情報や棚位置情報が含まれた修理完了通知を修理受付管理サーバ30に送信する(S203)。
一方、修理受付管理サーバ30から出庫指令を受信した場合は、所定の棚位置から修理品を出庫するとともに(S204)、これを修理受付カウンタまで搬送する(S205)。
【0035】
図7は、修理受付管理サーバのブロック図、図8は、修理情報データベースの説明図、図9は、顧客情報データベースの説明図である。
これらの図に示す修理受付管理サーバ30は、サーバ用コンピュータであり、通信部31、修理情報データベース32、顧客情報データベース33、処理部34などから構成されている。
【0036】
通信部31は、ネットワークインタフェースであり、ネットワーク40を介して、修理受付端末10や修理品管理倉庫20と情報のやり取りを行う。
修理情報データベース32は、修理受付情報及び修理進捗情報を修理受付伝票のICタグ情報に関連付けて記憶する。具体的には、図8に示すように、受付番号、型名、お客様ID、症状、診断内容、修理内容、修理状況、棚位置などの情報が含まれる。
顧客情報データベース33は、顧客情報を顔情報に関連付けて記憶する。具体的には、図9に示すように、お客様ID、住所、電話番号、顔写真(顔画像)などの情報が含まれる。
【0037】
処理部34は、修理品管理倉庫20から修理完了通知を受信したとき、修理情報データベース32の修理進捗情報を更新する進捗情報更新処理と、修理受付端末10から修理受付情報登録要求(ICタグ情報及び修理受付情報)を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて修理情報データベース32に登録する修理受付情報登録処理と、修理受付端末10から顧客情報登録要求(顔情報及び顧客情報)を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて顧客情報データベース33に登録する顧客情報登録処理と、修理受付端末10から顧客特定要求(顔情報又はICタグ情報)を受信する顧客特定情報受信処理と、顧客特定要求としてICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに修理情報データベース32内を検索し、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を修理受付端末10に送信する修理情報送信処理と、顧客特定要求として顔情報を受信したとき、顔情報をもとに顧客情報データベース33内を検索し、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を修理受付端末10に送信する顧客情報送信処理と、修理受付端末10から顧客特定要求としてICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに修理情報データベース32内を検索して、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断し、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫20に送信する出庫指令送信処理とを行う。以下、処理部34の処理手順について、図10を参照して説明する。
【0038】
図10は、修理受付管理サーバの処理手順を示すフローチャートである。
この図に示すように、修理受付管理サーバ30の処理部34は、修理受付端末10からの情報登録要求や顧客特定要求、修理品管理倉庫20からの修理完了通知などを判断する(S301、S302、S303)。修理品管理倉庫20から修理完了通知を受信した場合は、修理情報データベース32の該当する修理受付情報を検索し、その修理進捗情報(修理状況)を更新する(S304)。
修理受付端末10から情報登録要求を受信した場合は、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて修理情報データベース32に登録するとともに(S305)、顧客情報を顔情報に関連付けて顧客情報データベース33に登録する(S306)。
【0039】
また、修理受付端末10から顧客特定要求を受信し、かつ、顧客特定要求がICタグ情報である場合は(S307)、ICタグ情報をもとに修理情報データベース32内を検索し(S308)、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を修理受付端末10に送信する(S309)。また、該当修理品の修理が完了している場合は(S310)、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫20に送信する(S311)。
一方、顧客特定要求が顔情報である場合は、顔情報をもとに顧客情報データベース33内を検索し(S312)、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を修理受付端末10に送信する(S313)。
【0040】
つぎに、修理受付管理システムの全体動作について、図11を参照して説明する。
図11は、修理受付管理システムの全体動作を示すフローチャートである。
【0041】
この図に示すように、修理受付カウンタに顧客が来店すると(S401)、修理受付端末10は、顧客の顔を撮影するとともに、ICタグの読み取りを試みる(S402)。ICタグの読み取りに成功した場合は(S403)、ICタグ情報を修理受付管理サーバ30に送信する(S404)。修理受付管理サーバ30は、ICタグ情報を受信すると(S405)、ICタグ情報をもとに修理情報データベース32内を検索し(S406)、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を修理受付端末10に送信する(S407)。修理受付端末10は、修理受付情報及び修理進捗情報を受信すると(S408)、これらを表示部13に表示する(S409)。また、修理受付管理サーバ30は、検索した修理進捗情報にもとづいて、修理が完了しているか否かを判断し(S410)、修理が完了している場合には、修理品管理倉庫20に出庫指令を送信する(S411)。修理品管理倉庫20は、出庫指令を受信すると(S412)、該当修理品を自動的に出庫し、修理受付カウンタまで搬送する(S413)。
【0042】
一方、来店時にICタグの読み取りに失敗した場合は、顧客の顔情報を修理受付管理サーバ30に送信する(S414)。修理受付管理サーバ30は、顔情報を受信すると(S415)、顔情報をもとに顧客情報データベース33内を検索し(S416)、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を修理受付端末10に送信する(S417)。修理受付端末10は、顧客情報を受信すると(S418)、これらを表示部13に表示する(S419)。この情報をもとに修理受付伝票を作成する場合や、新規に修理受付伝票を作成する場合は、必要な情報を入力した後(S420)、修理受付伝票を印字する(S421)。修理受付伝票の印字が終わったら、ICタグ情報、修理受付情報、顔情報及び顧客情報を修理受付管理サーバ30に送信する(S422)。修理受付管理サーバ30は、ICタグ情報、修理受付情報、顔情報及び顧客情報を受信すると(S423)、これらの情報を修理情報データベース32及び顧客情報データベース33に登録する(S424)。
【0043】
以上のように構成された本実施形態の修理受付管理システムによれば、修理品を受け取りに来た顧客については、修理受付伝票に付されたICタグ情報による特定を行い、対応した修理受付情報や修理進捗情報を自動的に表示することができ、また、その他の顧客については、顧客の顔情報による特定を行い、顧客の特定に成功したときは、対応した顧客情報を自動的に表示することができる。これにより、来店時のヒアリングや情報入力処理を簡略化し、修理受付処理や修理品引き渡し処理の所要時間を大幅に短縮することができる。
しかも、情報管理や顔認識は、修理受付管理サーバ30で集中的に行うため、各端末10で個別に行う場合に比べて、システム全体のコストを削減できるだけでなく、顧客情報などの共有化を図ることができる。
【0044】
また、修理受付管理サーバ30は、修理受付端末10からICタグ情報及び修理受付情報を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて修理情報データベース32に登録するので、修理受付端末10から修理受付管理サーバ30にICタグ情報及び修理受付情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバ30の修理情報データベース32に登録することができる。
また、修理受付管理サーバ30は、修理受付端末10から顔情報及び顧客情報を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて顧客情報データベース33に登録するので、修理受付端末10から修理受付管理サーバ30に顔情報及び顧客情報を送信するだけで、これらの情報を修理受付管理サーバ30の顧客情報データベースに登録することができる。
【0045】
また、修理受付管理サーバ30は、修理受付端末10からICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに修理情報データベース32内を検索して、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断し、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫20に送信するので、修理受付端末10から修理品管理倉庫20に出庫指令を送信する手間を省き、修理品の引き渡しをより迅速に行うことができる。
また、修理品管理倉庫20は、修理受付管理サーバ30から出庫指令を受信したとき、該当修理品を自動的に出庫するとともに、出庫された修理品を修理受付カウンタまで搬送するので、修理品の引き渡しをより迅速に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、修理受付カウンタにおける修理受付業務や修理品引き渡し業務を行うための修理受付管理システム、修理受付管理サーバ及び修理受付管理プログラムに適用される。特に、修理受付業務や修理品引き渡し業務の迅速化が求められる場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】修理受付管理システムのブロック図である。
【図2】修理受付端末のブロック図である。
【図3】修理受付端末の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】修理受付端末の表示画面を示す説明図である。
【図5】修理品管理倉庫のブロック図である。
【図6】修理品管理倉庫の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】修理受付管理サーバのブロック図である。
【図8】修理情報データベースの説明図である。
【図9】顧客情報データベースの説明図である。
【図10】修理受付管理サーバの処理手順を示すフローチャートである。
【図11】修理受付管理システムの全体動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
10 修理受付端末
14 カメラ
16 ICタグ読み書き部
20 修理品管理倉庫
23 自動出庫装置
24 搬送装置
30 修理受付管理サーバ
32 修理情報データベース
33 顧客情報データベース
40 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
修理受付カウンタに設置され、修理受付時にICタグ付きの修理受付伝票を発行する修理受付端末と、修理受付情報、修理進捗情報及び顧客情報を管理する修理受付管理サーバと、これらを通信可能に接続するネットワークとを備える修理受付管理システムであって、
前記修理受付端末が、
来店時に顧客の顔を撮影するとともに、前記ICタグの読み取りを試み、顔情報及び/又はICタグ情報を前記修理受付管理サーバに送信する顧客特定情報送信手段と、
前記修理受付管理サーバから修理受付情報、修理進捗情報及び/又は顧客情報を受信したとき、受信情報を表示部に表示する受信情報表示手段と、を備え、
前記修理受付管理サーバが、
修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付伝票のICタグ情報に関連付けて記憶する修理情報データベースと、
顧客情報を顔情報に関連付けて記憶する顧客情報データベースと、
前記修理受付端末から顔情報及び/又はICタグ情報を受信する顧客特定情報受信手段と、
ICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索し、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付端末に送信する修理情報送信手段と、
顔情報を受信したとき、顔情報をもとに前記顧客情報データベース内を検索し、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を前記修理受付端末に送信する顧客情報送信手段と、を備える
ことを特徴とする修理受付管理システム。
【請求項2】
前記修理受付管理サーバが、
前記修理受付端末からICタグ情報及び修理受付情報を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて前記修理情報データベースに登録する修理受付情報登録手段を備えることを特徴とする請求項1記載の修理受付管理システム。
【請求項3】
前記修理受付管理サーバが、
前記修理受付端末から顔情報及び顧客情報を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて前記顧客情報データベースに登録する顧客情報登録手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の修理受付管理システム。
【請求項4】
前記修理受付管理サーバが、
前記修理受付端末からICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索して、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断し、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫に送信する出庫指令送信手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の修理受付管理システム。
【請求項5】
前記修理品管理倉庫が、
前記修理受付管理サーバから出庫指令を受信したとき、該当修理品を自動的に出庫する自動出庫装置と、
出庫された修理品を前記修理受付カウンタまで搬送する搬送装置と、を備える
ことを特徴とする請求項4記載の修理受付管理システム。
【請求項6】
修理受付カウンタに設置され、修理受付時にICタグ付きの修理受付伝票を発行する修理受付端末に、ネットワークを介して通信可能に接続され、修理受付情報、修理進捗情報及び顧客情報を管理する修理受付管理サーバであって、
修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付伝票のICタグ情報に関連付けて記憶する修理情報データベースと、
顧客情報を顔情報に関連付けて記憶する顧客情報データベースと、
前記修理受付端末から顔情報及び/又はICタグ情報を受信する顧客特定情報受信手段と、
ICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索し、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付端末に送信する修理情報送信手段と、
顔情報を受信したとき、顔情報をもとに前記顧客情報データベース内を検索し、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を前記修理受付端末に送信する顧客情報送信手段と、を備える
ことを特徴とする修理受付管理サーバ。
【請求項7】
前記修理受付端末からICタグ情報及び修理受付情報を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて前記修理情報データベースに登録する修理受付情報登録手段を備えることを特徴とする請求項6記載の修理受付管理サーバ。
【請求項8】
前記修理受付端末から顔情報及び顧客情報を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて前記顧客情報データベースに登録する顧客情報登録手段を備えることを特徴とする請求項6又は7記載の修理受付管理サーバ。
【請求項9】
前記修理受付端末からICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索して、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断し、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫に送信する出庫指令送信手段を備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の修理受付管理サーバ。
【請求項10】
修理受付カウンタに設置され、修理受付時にICタグ付きの修理受付伝票を発行する修理受付端末に、ネットワークを介して通信可能に接続され、修理受付情報、修理進捗情報及び顧客情報を管理する修理受付管理サーバ用のプログラムであって、
前記修理受付管理サーバに、
修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付伝票のICタグ情報に関連付けて記憶する修理情報データベースと、顧客情報を顔情報に関連付けて記憶する顧客情報データベースとを構築させ、
前記修理受付端末から顔情報及び/又はICタグ情報を受信させ、
ICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索させ、該当する修理受付情報及び修理進捗情報を前記修理受付端末に送信させ、
顔情報を受信したとき、顔情報をもとに前記顧客情報データベース内を検索させ、該当する顧客情報があるときは、その顧客情報を前記修理受付端末に送信させる
ことを特徴とする修理受付管理プログラム。
【請求項11】
前記修理受付端末からICタグ情報及び修理受付情報を受信したとき、修理受付情報をICタグ情報に関連付けて前記修理情報データベースに登録させることを特徴とする請求項10記載の修理受付管理プログラム。
【請求項12】
前記修理受付端末から顔情報及び顧客情報を受信したとき、顧客情報を顔情報に関連付けて前記顧客情報データベースに登録させることを特徴とする請求項10又は11記載の修理受付管理プログラム。
【請求項13】
前記修理受付端末からICタグ情報を受信したとき、ICタグ情報をもとに前記修理情報データベース内を検索させて、該当修理品の修理が完了しているか否かを判断させ、修理が完了している場合は、該当修理品の出庫指令を修理品管理倉庫に送信させることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の修理受付管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−113963(P2006−113963A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302983(P2004−302983)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】