説明

修飾顔料生成物を含む印刷版

【課題】改良された分散性を有するカーボンブラックのような顔料を含む印刷版を提供すること。
【解決手段】a)基板およびb)放射線吸収層を含む印刷版であり、その放射線吸収層は少なくとも1つの有機イオン基および少なくとも1つの両親媒性対イオンを結合した顔料からなる少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、該両親媒性対イオンは有機イオン基の電荷と反対の電荷を有することを特徴とする印刷版。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板および放射線吸収層を含む印刷板に関し、そこで放射線吸収層は少なくとも1つの修飾顔料生成物を含む。
【背景技術】
【0002】
印刷版は、画像再生のいくつかの領域で使用され、平版印刷(lithographic printing)(offset(オフセット)もしくはplanograplic printing(平版印刷)としても知られる)、フレキソ印刷(flexographic printing)およびグラビア印刷(さらに凹版(intaglio)もしくは輪転グラビア(rotogravure)ともいわれる)を含む。通常、印刷法は版上での画像の現像につづいてインクに接触させることを含む。
【0003】
平板印刷版は、印刷コピーを製造するために最も広く使用されている。通常、赤外もしくは近赤外レーザー画像形成しうる平版印刷版は少なくとも次の層:粗面化(grained)金属、もしくはポリエステルプレートもしくはシート状基板およびその上に被覆された放射線吸収層を含む。基板もしくは被覆プレートの表面のための保護層も使用されうる。基板上に被覆されるとき、この保護層も接着促進プライマーとして役立ちうる。他の層も、たとえば、層間の接着力および印刷版の耐久性を向上するために使用されうる。
【0004】
一般に、放射線吸収層は画像形成放射線およびポリマーレジンもしくはバインダーと相互作用しうる光熱変換材を含む。画像形成プロセスにおいて、版の領域は放射線吸収層を除去もしくは化学的に修飾しうるレーザー出力もしくは他の熱源に選択的に露光される。通常、感熱性平版印刷版は800から1200nmの波長を有する放射線に露光される。レーザー出力は印刷版にパターンを境界づけ、パターンを境界づける放射線吸収層のこれらの領域のみを除去するか、または化学的もしくは物理的に修飾する。その後、印刷版は、残っていればパターンを境界づける露光領域を除去することのできる溶媒にさらされることによりさらに現像され、または所望ならば版は非露光領域が除去されるように現像されうる。このような印刷版の種々の従来の成分および方法の詳細は、米国特許5,493,971;米国特許5,705,308;EP803771A1;EP770494A2;EP770495A1;ならびにPCT公開WO96/20429およびWO98/31550に記載されており、ここで示される特許は、そのすべてが引用によりここに組入れられる。
【0005】
いくつかの種類のポリマーは放射線吸収層に使用されている。典型的なポリマーはポリウレタン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリレート、ポリスチレン、スチレン−アクリレートポリマー、金属酸化物ポリマー、エポキシ樹脂およびフェノールポリマーを含む。さらに、フェノールポリマーはフォトレジスト用途に有用であることを長く示してきている。
【0006】
光熱変換材料は顔料もしくは染料のいずれであってもよい。たとえば、UVおよびIR反応性染料はフェノール印刷版用途において開示されている(DBP879025およびWO97/39894参照)。カーボンブラックのようなIR吸収顔料も平版印刷版に有用であることが示されている(たとえば、WO99/08157,WO96/20429、WO99/11458、およびUS6,060,218参照。そこではカーボンブラックがフェノールポリマー中に存在する)。
【0007】
カルボン酸塩もしくはスルホン酸塩官能基を有するように修飾されたカーボンブラックも平版印刷版に使用するために開示されている。たとえば、WO99/04974、WO99/19143、WO99/19144、WO99/37482およびWO99/37481参照。しかし、これらはフェノールポリマーにおけるこれらの修飾カーボンブラックの使用について何ら開示していないし、そしてそれらは他の修飾顔料生成物の使用を開示していない。
【0008】
さらに、他の材料もフェノールポリマーにおける光熱変換材料として検討されてきた。たとえば、フォトレジスト領域において、S=OもしくはC=O結合を含有する溶解性化合物がフェノール樹脂の溶解抑制剤として作用することを示された(YanおよびReiser,Macromolecules,1998,31,7723)。そのような基を有する光熱変換材料を含有するフェノールポリマー組成物はUV光にさらされると、フェノール基の水素結合ネットワークが分裂される。このように分裂された領域はアルカリ現像溶液に溶解性となる。
【0009】
PCT公開WO00/16987は少なくとも1つの感熱ポリマーおよび光熱変換材料、たとえば染料もしくは顔料を含有する画像形成部材を開示する。それらのポリマーは親水性から疎水性への、またはその逆の、変換を受けることができる。修飾顔料生成物、特に化学的変換を受けることのできるものは何ら開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
カーボンブラックのような顔料は幅広いバンドの放射線吸収剤であり、それ自体、染料を超える性能の向上を提供する。しかし、印刷版における光熱変換材としてカーボンブラックのような顔料の有効性はポリマーにおける顔料の分散性に依存する。このように、印刷版を製造するのに用いられるポリマーにおいて、改良された分散性を有するカーボンブラックのような顔料を含む印刷版に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基板および、放射線吸収層を含む印刷版であり、その放射線吸収層は少なくとも1つの有機イオン基および少なくとも1つの両親媒性対イオンを結合した顔料からなる少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有する印刷版に関する。
さらに、本発明は、さらに基板および放射線吸収層を含む印刷版に関し、放射線吸収層は少なくとも1つの修飾顔料生成物およびフェノールポリマーを含む。修飾顔料生成物は少なくとも1つの有機性を結合した顔料を含む。
【0012】
さらに本発明は、基板および放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はフェノールポリマー、および式−X−Sp−[A]pRで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、Aは約1〜約12の炭素を有するアルキレンオキシドを示し、pは1〜500の整数を示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基(AはPが1より大きいとき同一もしくは異なっていてもよい)を示す、に関する。好ましくはポリマーはフェノールポリマーもしくはアクリルポリマーである。
【0013】
さらに、本発明は、基板および放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層は式−X−Sp−[Vinyl]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、Vinylは置換もしくは非置換アクリルもしくはスチレンモノマー単位を繰り返すことを含むアクリルもしくはスチレンホモもしくはコポリマーを示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す、に関する。
【0014】
さらに、本発明は、基板および放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はフェノールポリマー、および式−X−Sp−[EI]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、EIはアルキレンアミンにもとづくホモもしくはコポリマーを示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す、に関する。
【0015】
さらに、本発明は、基板および放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はフェノールポリマー、および式−X−Sp−[SMA]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、SMAはスチレン−無水マレイン酸ポリマーもしくは誘導体を示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す、に関する。
【0016】
さらに、本発明は、基板および放射線吸収層を含み、放射線吸収層は、1つ以上のポリマーコーティングで少なくとも部分的に被覆されている顔料からなる少なくとも1つの修飾顔料生成物を含むことを特徴とする印刷版に関する。
さらに、本発明は、本発明の印刷版を画像形成させる方法に関する。
【0017】
前述の一般的説明および次の詳細な説明は例示的および説明的にすぎず、請求項に規定される本発明をさらに説明しようとするものであることが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は基板、ならびに少なくとも1つの修飾顔料生成物からなる放射線吸収層を含む印刷版に関する。
一般に、印刷版は基板および放射線吸収層の両方を含む。さらに他の層も含まれうる。画像形成プロセスにおいて、版の選択された領域は放射吸収層の一部を除去するか、または物理的もしくは化学的にこの層を修飾しうる放射線に露光され、その結果、それは未露光領域よりも現像剤と異なって相互作用しうる。あるいはもとの被覆のぬれ性は照射により軟化される。このように、親水性(すなわちインクをはじく)領域もしくは疎水性(すなわち、インクになじむ)領域が形成されこうして画像を境界づける。
【0019】
いくつかの種類の基板は、本発明に有用であり、当業者に知られている。好適な基板は紙、親水性金属、たとえばアルミニウム、特に陽極酸化(anodized)もしくは粗面化(grained)陽極酸化アルミニウム、ならびにポリマー、たとえばポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、を含む。しかし他の種類の基板も使用され得る。
【0020】
一般に、放射線吸収層は光熱変換材料およびポリマーもしくは樹脂を含む。本発明の放射線吸収層は修飾顔料および任意のポリマー、たとえばフェノールもしくはポリマーを含む。
【0021】
いくつかの顔料の種類は本発明に有用である。修飾される顔料は、インク組成物(インクジェット組成物を含む)、コーティング組成物(塗料配合物を含む)、液体および固体トナー、フィルム、プラスチック、ゴム等に従来使用される顔料でありうるが、これらに制限されない。例は、黒色顔料(たとえばカーボンブラックのような炭素製品)および他の着色顔料(たとえば、ポリマーおよび有機顔料)を含むが、これらに限定されない。
【0022】
適切な炭素製品の例は、黒鉛、カーボンブラック、ビトレアス炭素、炭素繊維、活性木炭、および活性炭を含むが、これに限定されない。炭素は結晶性もしくは無定形でありうる。上述のものの微細形態が好適である。さらに、異なる炭素の混合物を使用することも可能である。いかなる表面積も使用されうる。炭素製品のうち、カーボンブラックが最も好ましい。
【0023】
修飾される顔料は幅広い範囲の従来の着色顔料から選択されうる。好適には、顔料は白色顔料、黒色顔料、青色顔料、茶色顔料、シアン顔料、緑色顔料、バイオレット色顔料、マゼンダ色顔料、赤色顔料、もしくは黄色顔料、もしくは濃淡の色合いまたはそれらの組合せである。着色顔料の適切な種類は、たとえば、アンスラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピランスロン、ペリレン、ヘテロサイクリックイエロー、キナクリドンおよび(チオ)インジゴを含む。フタロシアニンブルーの典型的な例は銅フタロシアニンブルーおよびその誘導体(Pigment Blue15)を含む。キナクリドンの典型的な例は、Pigment Orange 48、Pigment Orange 49、Pigment Red 202、Pigment Red 202、Pigment Red 206、Pigment Red 207、Pigment Red 209、Pigment Violet 19およびPigment Violet 42、を含む。アンスラキノンの典型例はPigment Red 43、Pigment Red 194(Perinone Red)、Pigment Red 216(Brominated Pyanthrone Red)およびPigment Red 226(Pyranthrone Red)を含む。ペリレンの典型例は、PigmentRed 123(Vermillion)、Pigment Red 149(Scarlet)、Pigment Red 179(Maroon)、Pigment Red 190(Red)、Pigment Violet、Pigment Red 189(Yellow Shade Red)およびPigment Red 224を含む。チオインジゴの典型例は、Pigment Red 86、Pigment Red 87、Pigment Red 88、Pigment Red 181、Pigment Red 198、Pigment Violet 36、およびPigment Violet 38を含む。ヘテロサイクリックイエローの典型例はPigment Yellow 3、Pigment Yellow 12、Pigment Yellow 13、Pigment Yellow 14、Pigment Yellow 17、Pigment Yellow 65、Pigment Yellow 73、Pigment Yellow 74、Pigment Yellow、 Pigment Yellow 117、Pigment Yellow 128およびPigment Yellow 138を含む。このような顔料はBASF Corporation、Engelhard Corporation、Engelhard CorporationおよびSun Chemical Corporationを含む多数の源から粉末もしくはプレスケーキの形態で商業的に入手しうる。他の適切な着色顔料の例はColar Index、3版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。黒色顔料の典型例は種々のカーボンブラック(Pigment Black 7)、たとえばチャンネルブラック、ファーネスブラックおよびランプブラックを含み、そしてたとえばRegal(登録商標)、Black Pearls(登録商標)、Elftex(登録商標)、Monarch(登録商標)、Mogul(登録商標)、およびVulcan(登録商標)の商標でCabot Corporationから入手しうるカーボンブラックを含む(たとえばBlack Pearls(登録商標)2000、Black Pearls(登録商標)1400、Black Pearls(登録商標)1300、Black Pearls(登録商標)1100、Black Pearls(登録商標)1000、Black Pearls(登録商標)900,Black Pearls(登録商標)880、Black Pearls(登録商標)800、Black Pearls(登録商標)700、Black Pearls(登録商標)L、Elftex(登録商標)8、Monarch(登録商標)8、Monarch(登録商標)1400、Monarch(登録商標)1300、Monarch(登録商標)1100、Monarch(登録商標)1000、Monarch(登録商標)900、Monarch(登録商標)880、Monarch(登録商標)800、Monarch(登録商標)700、Mogul(登録商標)L、Regal(登録商標)330、Regal(登録商標)400、Vulcan(登録商標)P)。他の適切なカーボンブラックはPrintex 40、Printex 80、Printex 300、Printex L,Printex U、Printex V、Special Black 4,Special Black 5,FW200(Degussa Corporationから入手しうる前述のもの)、Raven 780、Raven 890、Raven1020、Raven 1040、Raven 1255、Raven 1500、Raven 5000、Raven 5250、(Columbian Chemical Corporationから入手しうる前述のもの)および三菱化学株式会社から入手しうるMA100およびMA440を含むが、これらに限定されない。
【0024】
着色顔料は窒素吸着により測定される広い範囲のBET表面積を有するのが通常である。好適には着色顔料は10m2/g以上、もっと好適には100m2/g以上の表面積を有し、それにより比較的小さな1次/凝集粒径に相当する。このような表面積は顔料表面で処理剤の比較的均一な分布および効率的なレベル、ならびに後処理後に表面修飾着色顔料の比較的高い%の収率を付与することがわかった。もし着色顔料の好適なもっと高い表面積(それにより比較的小さな粒径に相当する)が容易に入手し得ないならば、着色顔料は従来のサイズを細分化もしくは減少させる方法、たとえばボールもしくはジェットミル粉砕、に供され、顔料を所望の粒径に減少させ得ることは当業者によく知られている。
【0025】
使用される顔料の量は放射線吸収層の所望性能に依存する。好ましくは、顔料は約1〜約50%、そしてもっと好ましくは約10〜40%の範囲で存在する。
【0026】
本発明の印刷版に使用される修飾顔料生成物は好適には少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む。顔料は、化学基(たとえば、ポリマーもしくは有機の)が顔料に結合し、吸着される基、たとえばポリマー、界面活性剤等に比べて顔料への基の安定な結合を与えるように、当業者に知られている方法を用いて修飾される。たとえば、本発明の修飾顔料生成物は米国特許5,554,739、5,851,280、6,042,643、5,707,432、および5,837,045、およびPCT公開WO99/23174に記載される方法を用いて調製され得、それらの記載は引用によりすべてをここに組入れられる。
【0027】
結合される有機基は放射線吸収層に使用されるポリマーの種類ならびに画像形成の方法に依存して選ばれる。これは、特定の用途に顔料を適合させることにより比較的大きい柔軟性を可能にする。
【0028】
1つの態様において、有機基はイオン基、イオン化しうる基、またはイオン基とイオン化しうる基の混合物を含む。イオン基はアニオンもしくはカチオンであり、Na+、K+,LI+,NH4+,NR’4+,酢酸塩、NO3-,SO4-2,OH-,およびCl-のような無機もしくは有機の対イオンを含む反対電荷の対イオンと関連し、ここでR’は水素もしくは有機基、たとえば置換もしくは非置換アリールおよび/またはアルキル基である。イオン化しうる基は使用する媒体においてイオン基を生成しうる基である。このように、好適な態様において、有機基は有基イオン基である。有基イオン基は米国特許5,698,016に記載されるものを含み、その記載は引用によりすべてここに組入れられる。
【0029】
負に電荷された有機イオン基は、酸性置換基のようなアニオンを生成することができるイオン化しうる置換基を有する基が発生され得、またはイオン化しうる置換基の塩におけるアニオンでありうる。好適には、イオン化しうる置換基がアニオンを生成するとき、イオン化しうる置換基は11より小さいpKaを有する。有機イオン基は11より小さいpKaをもつイオン化しうる基を有する種および11より小さいpKaをもつイオン化しうる置換基の塩からも発生されうる。イオン化しうる置換基のpKaは、酸性置換基のみではなくイオン化しうる置換基全体のpKaをいう。もっと好適にはそのpKaは10より小さく、そして最も好適には9より小さい。
【0030】
イオン基の典型的な例は−COO-,−SO3-,−HPO3-,および−PO3-2を含む。イオン化しうる基の典型的な例は−COOH,−SO3H,−PO32,−SO2NH2,および−SO2NHCOR’を含み、ここでR’は水素または置換もしくは非置換アリ−ルおよび/またはアルキル基のような有機基を表わす。特に好適な種は−COO-および−SO3-である。好適には有機イオン基は置換もしくは非置換カルボキシフェニル基または置換もしくは非置換スルホフェニル基から発生される。具体的な有機イオン基は−C64CO2-および−C64SO3-である。
【0031】
正に荷電された有機イオン基は顔料に結合されたプロトン化アミンから発生されうる。好適にはアミン置換基を持つ有機基は5より小さいpKbを有する。正に電荷された有機イオン基は4級アンモニウム基(−NR’3+)および4級ホスホニウム基(−PR’3+)であり得、ここでR’は水素または有機基、たとえば置換もしくは非置換アリールおよび/またはアルキル基を示す。たとえば、アミンは酸性触媒中でプロトン化されて、アンモニウム基を生成しうる。4級化された環境アンモニウムイオンおよび4級化された芳香族アンモニウムイオンも有機イオン基として使用されうる。このように、N−メチルピリジルのようなN−置換ピリジニウム種がこのことについて使用されうる。カチオン有機基の例は、−3−C54N(C25+,−3−C54N(CH3+,−3−C54N(CH265+,−C64(NC55+),−C64COCH2N(CH33+,−C64COCH2(NC55+),−C64SO2NH(C432+),−C64N(CH33+,−C64NH3+,−C64NH2(CH3+,−C64NH(CH32+,−C64N(CH33+,−C64CH2NH3+,−C64CH2NH2(CH3+,−C64CH2NH(CH32+,−C64CH2N(CH33+,−C64CH2CH2NH3+,−C64CH2CH2NH2(CH3+,−C64CH2CH2NH(CH32+,および−C64CH3CH2N(CH33+を含むが、これらに限定されない。他の置換もしくは非置換アリーレンもしくはヘテロアリ−レン基が上述の構造に示されるC64基の代わりに使用されうる。好適にはカチオン有機基は−NR’3であり、そこでR’はアルキル基もしくはアリ−ル基である。もう1つの好適な基は−C54N−R’+であり、そこでR’はメチル基のようなアルキル基、またはベンジル基である。
【0032】
もう1つの態様において、本発明の印刷版は基板、ならびに少なくとも1つの有機イオン基およびすくなくとも1つの両親媒性対イオンからなる修飾顔料生成物を含む放射線吸収層、を含む。両親媒性対イオンは親水性極性「頭部」および疎水性有機「尾部」を有する分子である。カチオンおよびアニオン両親媒性対イオンの典型例はAdamsらの米国特許5,698,016に示され、記載されるものを含み、その全説明は引用によりここに組入れられる。
【0033】
本発明の両親媒性対イオンは有機イオン基の電荷と反対の電荷を有する。このように、もし修飾顔料生成物がアニオンであると、両親媒性対イオンはカチオンもしくは正に荷電している。同様に、もし修飾顔料生成物がカチオンであると、両親媒性対イオンはアニオンもしくは負に荷電している。
【0034】
カチオン両親媒性対イオンの例は、次のものに酸を添加することにより形成されうるこれらのアンモニウム塩を含むがこれらに限定されない:脂肪族アミン、アミノアルコールエステル、アルキルアミン、アミン官能基含有ポリマー、ポリエトキシ化アミン、ポリプロポキシ化アミン、ポリエトキシル化ポリプロポキシル化アミン、アニリンおよびその誘導体、アミノ酸の脂肪族アルコールエステル、コハク酸ジアルキルエステル、ヘテロ環アミン、脂肪酸由来のグアニジン、アルキルアミン由来のグアニジン、アリ−ルアミン由来のグアニジン、脂肪族由来のアミジン、脂肪酸由来のアミジン、アルキルアミン由来のアミジン、またはアリ−ルアミン由来のアミジンである。アンモニウムのpKaは顔料における有機イオン基のプロトン化形態のpKaよりも大きいのが好ましい。
【0035】
一般に、上述のアンモニウムイオンを形成させるために、脂肪族アミン、アミノアルコールエステル等のような上述の種々の化合物が、カルボン酸、鉱酸、アルキルスルホン酸、もしくはアリ−ルスルホン酸のような酸と反応される。好適な両親媒性基はエトキシ化アンモニウム、プロポキシ化アンモニウム、エトキシプロポキシ化アンモニウムを含む。それらは対応するアミノエトキシ化物から調製され得、Huntsman Chemicalにより供給されるJeffamine材料およびTriquestにより供給されるアミノアルキルアリールプロポキシ化物を含む。
【0036】
4級アンモニウム塩もカチオン両親媒性対イオン源として使用され得る。例は脂肪族アルキルトリメチルアンモニウム、ジ(脂肪族アルキル)ジメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウム、もしくは1−アルキルピリジニウム塩、ここで対イオンはハロゲン化物、メト硫酸塩(methosulfate)、スルホン酸塩、硫酸塩等を含むが、これらに限定されない。さらに、塩化テトラフェニルホスホニウムのようなホスホニウム塩も両親媒対イオン源として使用されうる。
【0037】
本発明において使用するためのカチオン両親媒対イオンは式R”4+により示されるものであり、ここでR”は、独立して水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしくは非置換アルカリ−ル基、置換もしくは非置換アラルキル基、または置換もしくは非置換アルキレン基である。例はC1〜C30アルキル、C1〜C30アルケニル、C7〜C30アルキル、およびC7〜C30アルカリ−ルを含むが、これらに限定されない。好適には、カチオン両親媒性対イオンはベンジルトリアルキルアンモニウムである。
【0038】
適切な両親媒性対イオンのもう1つの例はアミン含有ポリマーに由来するアンモニウム塩を含むポリマーである。そのアミン含有ポリマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレートもしくはアクリレート、またはビニルピロリドンもしくはビニルイミダゾールのようなアミン含有モノマー、ならびにメチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン等のようなもう1つのモノマーのコポリマーでありうる。さらにポリマーはそれぞれアミン含有モノマーおよび2もしくは3つの他のアミン含有モノマーの混合物を含むターもしくはテトラポリマーでありうる。さらにそのポリマーはアルキレンイミンポリマーもしくは誘導体、たとえばポリエチレンイミン(PEI)、エトキシ化PEI,ヒドロキシプロピル化PEI、エピクロロヒドリン修飾PEI、およびアシル化PEI、でありうる。これらのポリマーは、ラジカル(エマルジョン、懸濁、もしくは溶液)、アニオンもしくはカチオン重合のような、この分野で知られている方法により調製されうる。
【0039】
あるいは、前述のように、両親媒性対イオンはアニオン両親媒性対イオンでありうる。このようなアニオン両親媒性対イオンの例はアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、スルホサクシネート、サルコシン、アルコールエトキレート硫酸塩、アルコールエトキシレートスルホネート、アルキルリン酸塩、アルキルエトキシ化リン酸塩、エトキシ化アルキルフェノール硫酸塩、脂肪族(fatty)カルボン酸、タウリン酸塩、イセチオン酸塩・脂肪族(aliphatic)カルボン酸塩、または酸性基を含有するポリマーに由来するイオン、を含むが、これらに限定されない。アニオン両親媒性対イオンの特定の好適な例の源は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、アロエゾル(Aerosol)OT、オレイン酸塩、リシノール酸塩、ミリスチン酸塩、カプロイン酸塩、2−オクチルドデカン酸ナトリウム、またはビス(2−エチルへキシル)スルホコハク酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0040】
さらに、アニオン両親媒性対イオンはアニオン基を含有するポリマーでありうる。例はスルホン化もしくはカルボキシル化スチレンポリマー、アクリル酸もしくはメタクリル酸またはそれらの塩のホモもしくはコポリマー、またはマレイン酸もしくはその塩のホモもしくはコポリマーを含む。これらのポリマーはアクリルもしくはメタクリル酸エステル(たとえばメタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、もしくはアクリル酸ブチル)、アクリロニトリル、および酢酸ビニルを含みうる。
【0041】
一般に、上述の両親媒性対イオンおよび関連化合物は塩の形態で商業的に入手し得、または当業者により日常的に製造されうる。
【0042】
少なくとも1つの有機イオン基および少なくとも1つの両親媒性対イオンを含む修飾顔料生成物は、有機イオン基を有する修飾顔料粒子の両親媒性塩との反応により調製されうる。たとえば、アニオン的に修飾されたカーボンブラックの水生分散体はアミン含有化合物および1当量以上の酸と結合され得る;または4級アンモニウム塩と結合され得る;またはアミン含有ポリマーおよび1当量以上の酸と結合されうる。あるいは、カチオン的に修飾されたカーボンブラックはアニオン両親媒性のものと結合されうる。得られる生成物は、アニオンであってカチオンであっても、ろ過のような洗浄により精製され、未反応原料、副生物の塩および他の反応不純物を除去しうる。さらに生成物はたとえば蒸発により単離され得、またはそれは当業者に知られる方法を用いて、ろ過および乾燥により回収されうる。
【0043】
あるいは、修飾カーボンブラックもしくは顔料粒子の水性分散体は、その遊離酸として、アミン含有両親媒性のものに結合されうる。このように、修飾炭素生成物はアミンをプロトン化し、2つの成分それぞれからイオンを形成する。補足的な場合は、酸性両親媒性化合物とともに遊離塩基を有する修飾カーボンブラックに対して有用でありうる。
【0044】
加えて、イオン基を結合した修飾カーボンブラックもしくは顔料粒子は当業者に知られる方法を用いて、たとえば水性溶液中に反対の電荷の両親媒性イオンを有する連続的に操作するピンミキサー(pin mixer)に修飾カーボンブラックもしくは顔料粒子を添加することにより、さらに調製されうる。あるいは、カーボンブラックもしくは顔料粒子、カーボンブラックもしくは顔料粒子へ有機イオン基を結合するための試薬、および両親媒性対イオン源は適切なバッチもしくは連続的ミキサー内に同時に添加されうる。得られる材料はトナーおよび現像剤用途としての用途、のような用途に使用するために任意に精製され、続いて乾燥される。
【0045】
これらのプロセスにより、存在する両親媒性対イオンの量は修飾顔料の荷電基の量と等量である必要はないことが認識される。しかし、両親媒性対イオンの量が多いと、両親媒性物質は本質的に修飾顔料へのコーティングとなりうる。このように、両親媒性イオンの量と種類を適切に選定することにより修飾顔料生成物を部分的にもしくは完全にカプセル化することができる。
【0046】
1つより多い荷電基を含有する両親媒性対イオンも本発明の印刷版に使用される修飾顔料生成物のために使用されうる。そのような両親媒性物質は通常ポリマーである。多官能性の両親媒性物が使用されるとき、荷電された基のすべてがイオン的に修飾顔料に結合されることになるわけではない。これらの過剰の荷電基が存在しうる。このように多官能性の両親媒性対イオンの使用は初期の修飾顔料生成物の電荷と反対である電荷を有する顔料をもたらしうる。たとえば、アニオン基を有する修飾された顔料生成物は、もし過剰の多カチオン両親媒性対イオンが使用されると性質がカチオンとなりうる。さらに、部分的にもしくは完全にカプセル化された製品も生成しうる。
【0047】
本発明の印刷版に使用される修飾顔料生成物に結合される有機基もポリマーでありうる。結合されるポリマー基は、下記のように、個別の結合鎖として、または顔料へのコーティングとして存在しうる。
【0048】
1つの態様において、修飾顔料生成物は式―X−Sp−[A]pRにより示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む。Aは約1〜約12の炭素を有するアルキレンオキシドを示し、pは1〜500の整数であり、そしてRは水素置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換非置換アリール基を示す。Aは、Pが1より大きいとき同一もしくは異なってもよい。好適なアルキレンオキシドの例は−CH2−CH2−O−,−CH(CH3)−CH2−O,−CH2−CH(CH3)−O,−CH2−CH2−CH2−O−,もしくはそれらの組合せ、を含むがそれらに限定されない。
【0049】
基Spは上述のようにスペーサ基を示す。ここで用いられるスペーサ基は2つの基の間の連結であり、結合もしくは化学基でありうる。化学基の例は、−CO2−,−O2C−,CO−,−OSO2−,−SO3−,−SO2−,−SO224O−,−SO224S−,−SO224NR−,−O−,−S−,−NR−,−NRCO−,−CONR−,−NRCO2−,−O2CNR−,−NRCONR−,−NRCOCH(CH2CO2R)−,−NRCOCH2CH(CO2R)−,−N(COR)(CO)−,イミド基、アリーレン基、アルキレン基等を含むが、これらに限定されない。Rは同一でも異なっていてもよく、水素または有機基、たとえば置換もしくは非置換アリ−ルもしくはアルキル基を示し、そしてpは1〜10の整数である。
【0050】
基Xはアリ−レン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示す。Xは顔料に直接に結合される。さらに、芳香族基も1つ以上のアルキル基もしくはアリール基のようないかなる基で置換されていてもよい。好適には、アリーレンもしくはヘテロアリーレン基は、フェニレン、ナフチレン、もしくはビフェニレンである。Xがアルキレン基を示すとき、例は置換もしくは非置換アルキレン基であり、分枝もしくは非分枝でありうるが、これらに限定されない。アルキレン基は1つ以上の基、たとえば芳香族基で置換されうる。好適な例は、メチレン、エチレン、プロピレンおよびブチレン基のようなC1〜C12基を含むが、これらに限定されない。好適には、Xはアリーレン基である。
【0051】
基Xは1つ以上の官能基で置換されていてもよい。官能基の例はR’’’、OR’’’,COR’’’、COOR’’’,OCOR’’’,カルボン酸塩、ハロゲン、CN、NR2’’’、SO3H,スルホン酸塩、−OSO3,NR’’’(COR’’’),CONR’’’2,NO2,PO32,ホスホン酸塩、リン酸塩、N=NR’’’,SOR’’’,NSO2R’’’を含むがこれらに限定されず、ここでR’’’は同一もしくは異なっていてもよく、独立して水素、分枝もしくは非分枝C1〜C20の置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和炭化水素、たとえばアルキル、アルケニル、アルキニル、置換もしくは非置換アリ−ル、置換もしくは非置換へテロアリ−ル、置換もしくは非置換アルカリール、または置換もしくは非置換アラルキルである。
【0052】
もう1つの態様において、本発明の印刷版に使用される修正顔料生成物は式−X−Sp−[Vinyl]Rにより示される少なくとも1つの有機基を決合する顔料を含む。XおよびSpは上述のとおりであり;そしてRは水素、結合、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリ−ル基、を示す。Vinylは置換もしくは非置換アクリルもしくはスチレンモノマー単位を繰り返すことを含むアクリルもしくはスチレンもしくはコポリマーを示す。好適には少なくともいくつかのこれらのモノマー単位はイオン基、イオン化しうる基またはイオンもしくはイオン化しうる基の混合物を含む。好適なVinyl基の例はアクリルもしくはメタクリル酸のホモ−およびコポリマー、アクリルもしくはメタクリル酸エステルのホモ−およびコポリマー、スチレン−アクリル酸ポリマー、スルホン化もしくはカルボキシル化スチレン−アクリルポリマー、およびエチレン−アクリル酸ポリマーを含む。さらに好適なのは、アクリルもしくはメタクリル酸ホモ−およびコポリマーもしくはその塩であり、それらはNa+,K+,Li+,NH4+,NR’4+のような対イオンを有し、ここでR’は水素もしくは有機基、たとえば置換もしくは非置換アリールおよび/またはアルキル基を示す。基Vinylを含むモノマーの繰り返し単位合計数は好ましくは約500以下である。
【0053】
もう1つの態様において、本発明の印刷版に使用される修飾顔料生成物は式−X−Sp−[EI]Rにより示される少なくとも1つの有機基を結合する顔料を含む、XおよびSpは上述のとおりであり、そしてRは水素、結合、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリ−ル基を示す。基EIはアルキレンイミンにもとづくポリマーもしくはコポリマーを示す。基EIはアルキレンにもとづくポリマーもしくはコポリマーを示す。例はポリエチレンイミン(PEI),エトキシ化PEIのようなPEI誘導体、ヒドロキシプロピル化PEI、エピクロロヒドリン修飾PEI、およびアシル化PEI、ならびにプロトン化もしくはアルキル化により製造されるPEI塩、を含み、酢酸塩、NO3-,SO4-2,OH-およびCl-のような対イオンを有する。好ましくはEIはポリエチレンイミンである。基EIを含むモノマー繰り返し単位の合計数は約500以下が好ましい。
【0054】
もう1つの態様において、本発明の印刷版に使用される修飾顔料生成物は、式−X−Sp−[SMA]Rにより示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む。XおよびSpは上述のとおりであり、Rは水素、結合、置換もしくは非置換アルキル基、または置換もしくは非置換アリ−ル基を示す。SMAはスチレン−無水マレイン酸ポリマーまたはスチレン−無水マレイン酸の誘導体、たとえばエステル、アミド、イミド、ならびにカルボン酸残基を有する部分的にエステル化もしくはアミド化された材料、または、Na+,K+,Li,NH4+,NR’4+,のような対イオンを有するそれらの塩を示し、ここでR’は水素、または有機基、たとえば置換もしくは非置換アリ−ルおよび/またはアルキル基を示す。好ましくは少なくともいくつかのこれらのモノマー単位は、イオン基、イオン化しうる基、またはイオンもしくはイオン化しうる基の混合物を含む。例はスルホン化もしくはカルボキシル化スチレン単位および加水分解された無水マレイン酸単位(マレイン酸単位)を含む。基SMAを含有するモノマー繰り返し単位の合計数は約500以下であるのが好ましい。
【0055】
上述の構造に示されるように、Vinyl、EIおよびSMAはスペーサ基Spにより顔料に結合される。しかし、Rが結合であるとき、利用しうる結合も顔料に結合されうることが認識される。加えて、Vinyl、EIおよびSMAも繰り返しモノマー単位上の置換基の適切な選択によりポリマー鎖に沿った多数の点で顔料に結合されうる。これらの置換基もスペーサ基もしくは上述の−X−Sp−基を含有しうる。このように、これらの基は末端もしくは主鎖(backbone)に沿う点で顔料に結合されうる。さらにこれらの基はいかなる種類のポリマー基、たとえばランダムポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、星形ポリマーおよび/またはくし型ポリマー、でありうる。
【0056】
本発明のポリマー基は数多くの方法で調製され得、そしてそのような方法は当業者に知られている。上述のKIRK−OTHMER、Modern Plastics Encyclopedia、およびC.A.Daniels文献はこれらのポリマー基が調製され得る方法を提供する。
【0057】
修飾顔料上に存在するポリマーの量は顔料の実質的な量を被覆するのが十分に大きくありうる。このように、もう1つの態様において、本発明の印刷版に使用される修飾顔料生成物は1つ以上のポリマーコーティングで少なくとも部分的に被覆されている顔料を含み、そして1つ以上のポリマーで実質的にもしくは完全に被覆される。「被覆される」(”coated”)という用語の使用は部分的に、および完全に被覆された顔料および修飾顔料の両方を含み−そのポリマーは部分的に、もしくは完全に修飾顔料をカプセル化し、そこで修飾顔料はコアであり、そしてポリマーはシェルである。被覆され、もしくは修飾顔料をカプセル化するのに使用されるポリマーは、ポリマーが有機溶媒により実質的に抽出され得ないように修飾顔料上に存在するのが好ましい。もっと好ましくは、修飾顔料上のポリマーは物質的(たとえば吸着)および/または化学的手段(たとえば、結合もしくはグラフト化)により結合される。
【0058】
修飾顔料は1つ以上のコーティングもしくはシェルを有しうる。すなわち、修飾顔料は多層またはシェルもしくは被覆を有し得、修飾顔料またはコーティングもしくはシェルを部分的に、もしくは完全にカプセル化する。種々の層を含むポリマーは同一もしくは異なっていてもよい。たとえば、1つの層は架橋され得、同時に次の層は架橋されていないようにしうる。種々のそれぞれのコーティングは、もし1つ以上が修飾顔料上に存在すると、所望ならば厚さが実質的に同一、または異なっていてもよい。
【0059】
修飾顔料上へ被覆されるポリマーはホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、および/またはいかなる数の異なる繰り返し単位をも含むポリマーでありうる。ポリマーはいかなる種類のポリマーでもよく、たとえばランダムポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、星形ポリマー、および/またはくし型ポリマーである。さらにポリマーは1つ以上の多ブレンド(polyblends)であってもよい。ポリマーは相互貫入ポリマーネットワーク(interpenetrating polymer network)(IPN)、同時貫入ネットワーク(simultaneous interpenetrating network)(SIN),もしくは相互貫入エラストマ−ネットワーク(interpenetrating elastomeric network)(IEN)であってもよい。ポリマーは熱可塑性もしくは熱硬化性でありうる。
【0060】
ポリマーの具体的な例は、線状および非線状ポリマー、たとえばポリエチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリカプロラクタム(ナイロン)、ポリイソプレン等、を含むが、これらに限定されない。他の一般的な種類のポリマーは、ポリアミド、ポリカーボネート、高分子電解質(polyelectrolytes)、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスルフィド、ポリオレフィン、アクリルおよびメタクリルポリマー、ハロゲン化ポリマー(たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、およびフルオロポリマー)等を含む。好適には、ポリマーはアクリルポリマー、メタクリルポリマー、もしくはスチレンポリマーであるが、目的とする版構成に大きく依存する。
【0061】
ポリマー被覆される修飾顔料は、数多くの方法で製造されうる。好適には、修飾顔料はエマルション重合もしくは懸濁重合法、ならびに溶媒にもとづく重合のような水性媒体重合環境により製造されるが、これらに限定されない。含まれる重合は、連鎖成長(chain growth)重合および/または逐次成長(step growth)重合であるのが通常である。
ポリマー被覆顔料およびそれらの製造法に関する、さらなる詳細は国際公開WO00/22051に示され、それは引用により全てここに組入れられる。
【0062】
本発明の印刷版に有用な結合有機基の量は所望の性能特性、たとえばポリマーレジン(polymeric resin)もしくはバインダーにおける分散性、を得るために変動されうる。加えて、多くの結合有機基を含有する修飾顔料生成物は改良された性質をもたらしうる。一般に、結合有機基の量は、窒素吸着(BET法)で測定して、顔料の表面積m2あたり、約0.001〜約10.0μmolesの有機性である。好適には結合有機基の量は約0.005〜約0.4μmoles/m2である。
【0063】
顔料生成物は、洗浄によって、たとえばろ過、遠心分離もしくはその2つの方法の組合せにより、精製され、未反応原料、副生物塩および他の反応不純物を除去されうる。さらに生成物はたとえば蒸発により単離され得、またはそれは当業者に公知の方法を用いて、ろ過および乾燥により回収されうる。本発明の顔料の分散体はさらに精製もしくは分級され、製造工程の結果として分散体に共存しうる不純物および他の望ましくない遊離種が除去されうる。好適な態様において、顔料分散体は遠心分離のような分級段階に供され、約1.0μmを超える、好ましくは約0.5μmを超える粒径を有する粒子を実質的に除去する。加えて、分散体は好適には精製されて未反応処理剤のような望ましくない遊離種を除去される。メンブランもしくはイオン交換を用いる超ろ過/ダイアフィルトレーションの公知方法でも分散体を精製し、そして遊離イオン性で望ましくない種の実質的な量を除去するのに用いられうる。さらに好適なのは対イオンの任意の交換であり、それにより表面修飾顔料の一部を形成する対イオンが、公知のイオン交換法、たとえば、超ろ過、逆浸透、イオン交換カラム等を利用して代わりの対イオン(たとえば両親媒性イオンを含む)で交換もしくは置換される。交換される対イオンの具体的な例はNa+,K+,Li,NH4+、Ca2+,Mg2+,Cl-,NO3-,NO2-,酢酸塩およびBr-を含むが、これらに限定されない。このような付加的な分級および精製方法は1999年1月29日に出願された米国特許出願No.09/240,291にもっと詳しく記載され、それは引用によりここに組入れられる。顔料生成物からの不純物の除去は下記にもっと詳しく述べるように印刷版、ブラックマトリックス材料、プルーフィング材料、もしくは感熱転写記録材料に使用されるとき、それらの性質を改良する。
【0064】
本発明の印刷版はさらにポリマーレジンもしくはバインダーを含みうる放射線吸収層を含む。ポリマーは柔軟化、硬さ、およびインク適合性のような望ましい物理的および化学的性質をもつ印刷版を与えるように選ばれる。いくつかの異なるポリマー系が本発明の印刷版に使用されうる。例えば、ポリウレタン、ビニルアルコール含有ポリマーたとえばポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリレート(特に、アクリル酸、メタクリル酸、またはそのエステルもしくは塩を含むポリマー)、ポリスチレン、スチレン−アクリレートポリマー、金属酸化物ポリマー、エポキシ樹脂、およびフェノールポリマーを含むが、これらに限定されない。種々のコモノマーがポリマーレジンの最終特性をさらに調節するためにこれらのポリマーに含まれうる。
【0065】
ポリマーレジンもしくはバインダーの好適な種類はフェノールポリマーである。フェノールポリマーは置換もしくは未置換フェノール基を含むポリマーであり、たとえば、4−ヒドロキシスチレンのホモ−およびコポリマー、3−メチル−4−ヒドロキシスチレンのホモ−およびコポリマー、4−メトキシスチレンのホモ−およびコポリマー、および置換もしくは非置換フェノールのコポリマーを含む。これらのフェノールポリマーのブレンドも有用である。他のフェノールポリマーも当業者に知られている。最も好ましいのはフェノール、クレゾールおよび4−t−ブチルフェノールのような置換もしくは非置換フェノールと、ホルムアルデヒドのようなアルデヒドとの縮合生成物であるフェノール樹脂である。特に好適な使用はノボラック樹脂およびレゾール樹脂ならびにこれらの樹脂のブレンドである。
【0066】
上述の樹脂は当業者に知られているいかなる方法によっても製造され得、フリーラジカル、アニオン、カチオン、および縮重合を含む。分子量のようなポリマー特性は最終的な版の所望の物理的および化学的性質に依存して選ばれる。たとえば、もし分子量が高すぎると、これは、その中で照射領域を溶解させるのに好適である、たとえばアルカリ媒体中で現像されるべき最終照射版の能力に影響しうる。さらに、もし分子量が低すぎると、版は粘着性で取扱いが困難になりうる。
【0067】
特にいかなる理論にも制限されるのを望むものではないが、上述の修飾顔料生成物は、ポリマーの水素結合ネットワークを強化するような方法で、ポリマーレジンもしくはバインダー、特にフェノールポリマーと相互作用すると考えられる。このネットワークはたとえば水性アルカリ現像溶液中でフェノールポリマーを不溶性にする。しかし、照射に際して、水素結合ネットワークは分裂され、少なくとも一部の照射領域を水性アルカリ溶液中で可溶性になることを可能にする。このように、修飾顔料生成物は溶解抑制剤ならびに光熱剤として作用する。
【0068】
本発明の印刷版は当業者に知られているいかなる方法を用いても調製されうる。上述の修飾顔料生成物は、たとえば溶媒キャスティングを含むいかなる標準的な配合法を用いても任意のポリマーレジンもしくはバインダーに配合されうる。修飾顔料生成物は溶媒中(水性もしくは非水性)の予備分散体として、ならびに乾燥もしくは部分乾燥された粉末状態で配合されうる。
【0069】
本発明の版の1つの具体的利点は、修飾顔料生成物が、照射に際して化学的変換を受けるように設計されうることである。このように、たとえば、ポリマーレジンもしくはバインダー、特にフェノールポリマーの水素結合ネットワーク最初に相互作用し、ついで照射に際してこの水素結合ネットワークと相互作用する能力を低減させる化学的変換を受けるような、有機基および/または両親媒性対イオンを選定することが可能である。さらなる例として、修飾顔料生成物は、有機基が照射に際してイオン性から中性に化学的変換を受け、このように印刷版の照射領域のぬれ特性を変えるように、調製されうる。追加の例として、修飾顔料生成物は、照射に際して有機基が放射線吸収層、たとえばポリマー、における他の成分と化学反応を受け、照射領域がアルカリ溶液中でもはや現像しえないような方法で層の現像性を変化させる、ように調製されうる。
【0070】
さらに本発明は任意のポリマーおよび少なくとも1つの修飾顔料生成物からなる放射線吸収層を含む印刷版の画像形成方法に関し、画像を示すパターンにレーザー出力に版を選択的に露出させることを含む。照射はパターンを境界づける放射線吸収層の少なくとも一部を選択的に除去もしくは化学的に修飾するようになされる。さらにこの方法は、パターンを境界づける画像形成された層の部分を除去することのできる溶媒を用いて照射された版を現像することを含む。好適な現像溶液は水性アルカリ溶液である。他の種類のポリマーレジンについて、現像溶液は必要とされない。たとえば、さらに本発明の版の照射はたとえば疎水性から親水性への化学的変化をもたらし、こうしてインクとは別に相互作用する領域を有する版を製造する。
【0071】
本発明は、赤外もしくは近赤外レーザー画像形成しうる印刷版のような、平版印刷版に関する。上述のように赤外もしくは近赤外レーザー画像形成しうる平版印刷版は少なくとも次の層:粗面化金属、ポリエステルもしくは紙版もしくはシート状基板およびその上に被覆された放射線吸収層、を含む。本発明において、放射線吸収層は少なくとも1つの修飾顔料生成物および任意のポリマーレジンもしくはバインダーを含む。基板もしくは被覆された版の表面のための保護層も本発明において使用されうる。基板上に被覆されるとき、さらに保護層は接着促進プライマーとして役立ちうる。他の層もたとえば層間の接着力および印刷版の耐久性を向上するために使用されうる。画像形成プロセスは上述のとおりである。
【0072】
さらに、本発明は赤外もしくは近赤外レーザー画像形成しうる印刷版のようなフレキソ印刷版に関する。通常、赤外もしくは近赤外レーザー画像形成しうるフレキソ印刷版は少なくとも次の層:ポリエステル板もしくはシート様基板、UV硬化性層、およびその上に被覆される放射線吸収層を含む。本発明において、放射線吸収層は少なくとも1つの修飾顔料生成物および任意のポリマーレジンもしくはバインダーを含む。基板もしくは被覆版の表面も本発明において使用されうる。他の層は、たとえば層間の接着力および印刷版の耐久性を向上するために使用されうる。画像形成プロセスにおいて、グラビアもしくはフレキソ印刷版は放射線吸収層もしくはそれに隣接する層を除去すること、または化学的に修飾することのできるレーザー出力もしくは他の源に選択的に露光される。レーザー出力は印刷版上にパターンを境界づけ、そしてパターンを境界づける放射線吸収層のこれらの部分のみを除去もしくは修飾する。版はついでUVエネルギーに露光される。その後、印刷版は、もし残っていれば同一のパターンを境界づける非露光層を除去することのできる溶媒にそれを供することによりさらに現像されうる。このような印刷版についての種々の従来の成分および方法の詳細はヨーロッパ特許出願EP0928685A2に記載されており、それは引用によりここに全てを組入れられる。
【0073】
さらに本発明は感熱転写記録材料に関する。通常、感熱転写記録材料はインク層、光熱層、および支持体を含む。本発明において、光熱層は少なくとも1つの修飾顔料生成物および任意のポリマーレジンもしくはバインダーを含む。基板もしくは被覆版の表面のための保護層も本発明において使用されうる。他の層も、たとえば記録材料の層間の接着力を改良し、または層間にクッションを付与するために使用されうる。画像形成プロセスにおいて、記録材料は支持体を通してレーザーにより露光され得、同時に感熱転写記録材料は受容材料と接触される。レーザー出力は記録材料上にパターンを境界づけ、画像を受容材料に転写させる。このような光熱記録材料についての種々の従来の成分および方法の詳細は日本特許公開JP10−16395に記載されており、それは引用よりここに全てを組入れられる。さらに、これらの感熱転写記録材料は印刷システムにおけるカラープルーフィング(color proofing)に使用され得、またはそれらは医療診断システムに使用されうる。
【0074】
さらに本発明は、他の種類のプルーフィング材料に関する。一般に、これらのプルーフィング材料は少なくとも次の層:放射線透過(radiation transparent)支持体、放射線硬化性層および受容層、を含む。本発明において放射線硬化性層、は少なくとも1つの修飾顔料生成物および任意のポリマーレジンもしくはバインダーを含む。基板もしくは被覆版表面のための保護層も本発明において使用されうる。他の層もたとえばプルーフィング材料の耐久性および層間の接着力を改良するために使用されうる。画像形成プロセスにおいて、プルーフィング材料は支持体を通して、レーザー出力または放射線硬化性層の硬化を生じさせることのできる他の源に選択的に露光される。レーザー出力はプルーフィング材料上にパターンを境界づけ、パターンを境界づける放射線硬化性層のこれらの部分のみを硬化する。つづいて、支持体が除去される。硬化された画像は受容層に接着され、そして放射線硬化性層の未硬化部分は支持体とともに除去される。このようなプルーフィング材料についての種々の従来の成分および方法の詳細はヨーロッパ特許出願EP924568に記載されており、それは引用によりここに全部を組入れられる。
【0075】
さらに本発明はカラーフィルター用のブラックマトリックスに関する。ブラックマトリックスは画像ディスプレイ、特に液晶ディスプレイ(LCD)の不可欠(integral)成分である。液晶ディスプレイの例は、たとえば、スーパーツイステッドネマチック(STN)ディスプレイおよび薄膜トランジスタ(TFT)ディスプレイを含む。これらの種類の各液晶ディスプレイはブラックマトリックス部分を含む。ブラックマトリックスは、透明な基板上に光熱コーティングを付着させ、そのコーティングを画像態様に(imagewise)に露出し、現像し、そしてコーティングを乾燥することにより形成されるのが通常である。本発明において光熱コーティングは少なくとも1つの修飾顔料生成物および溶媒を含む。さらに、これは感光性樹脂のような樹脂を含みうる。さらに、カラーフィルターは着色層を含む。たとえば着色層は赤、緑、および黄色、またはシアン、マゼンダおよび黄色であってもよい。このようなブラックマトリックスについての種々の従来の成分および方法の詳細は日本特許公開JP11−62119;JP10−300921;JP11−6914;JP11−14822およびJP11−142639に記載されており、これらは引用によりここに全部を組入れられる。
【0076】
本発明は次の例によりさらに明らかにされるが、それは本発明を説明しようとするものにすぎない。
【実施例】
【0077】
[例1]
修飾カーボンブラック製品の水性分散体が調製された。ピンペレタイザーに、表面積110m2/gおよびDBPA114mL//100gを有するカーボンブラック1部が装入された。水0.18部中のN−(4−アミノフェニル)ピリジニウム硝酸塩0.06部の溶液が添加され、同時にペレタイザーは600rpmで作動された。水中の硝酸水性溶液(0.8部、22%HNO3)が添加され、混合が数分間、継続され、p−C64(N+55)NO3-基0.21mmol/gを結合した生成物を得た。数日間、放置した後に、生成物は水中に分散された。不純物が遠心分離および水を用いたダイアフィルトレーションで除去された。得られる分散体は固形分12%であった。
【0078】
ポリマー溶液がCarboset(登録商標)527アクリル樹脂(B.F.Goodrich,Cleveland,オハイオ州から入手しうる)20gを水100gおよび28%水性アンモニア1.75gと攪拌することにより調製された。Carboset(登録商標)527アクリル樹脂はMW40,000および酸価80を有している。
修飾カーボンブラック製品(83g)の分散体が高せん断混合下にポリマー溶液50gに添加された。生成物は遠心分離によりいくらかの固体を除去することにより精製された。得られる生成物は結合イオン基およびポリマー対イオンを有するカーボンブラック生成物の水性分散体であった。
【0079】
[例2]
プロー(plow)ミキサーに表面積200m2/gおよびDBPA117mL//100gを有するカーボンブラック1部、N−(4−アミノフェニル)ピリジニウム硝酸塩0.095部、および水1.5部が装入され、ミキサーは温度が45℃に達するまで作動された。水0.35部中の濃硝酸0.039部溶液が添加され、そして混合がさらに2時間、継続され、結合p−C64(N+55)NO3-基0.31mmol/gを有する修飾カーボンブラック生成物を得た。数日間放置後に、生成物は水中に分散された。不純物は遠心分離および水を用いたダイアフィルトレーションにより除去された。得られた分散体は固形分15%になるように水で希釈された。
【0080】
ポリマー溶液がCarboset(登録商標)527アクリル樹脂(B.F.Goodrich,Cleveland,オハイオ州から入手しうる)20gを水100gおよび28%水性アンモニウム1.75gと攪拌することにより調製された。Carboset(登録商標)527アクリル樹脂はMW40,000および酸価80を有している。
【0081】
修飾カーボンブラック製品(123g)の分散体が高せん断混合下にポリマー溶液61gに添加された。静置によりいくらかの固体を除去した後に、得られる生成物は結合イオン基およびポリマー対イオンを有するカーボンブラック生成物の水性分散体であった。
【0082】
[例3]
プロー(plow)ミキサーに、表面積200m2/gおよびDBPA117mL//100gを有するカーボンブラック1部、N−(4−アミノフェニル)ピリジニウム硝酸塩0.095部、および水1.5部が装入され、ミキサーは温度が45℃に達するまで作動された。水0.35部中の濃硝酸0.039部溶液が添加され、そして混合がさらに2時間、継続され、結合p−C64(N+55)NO3-基0.31mmol/gを有する修飾カーボンブラック生成物を得た。数日間放置後に、生成物は水中に分散された。不純物は遠心分離および水を用いたダイアフィルトレーションにより除去された。得られた分散体は固形分15%になるように水で希釈された。
【0083】
修飾カーボンブラック生成物の分散体(243g)が高せん断混合下にJoncryl(登録商標)637アクリルポリマーエマルジョン184gに添加された。Joncryl(登録商標)637アクリルポリマーエマルジョンはS.C.Johnson,Sturtevant、ウィスコンシン州、から入手し得、そしてMW65,000および酸価130を有し、固形分20wt%を有する。生成物は遠心分離によりいくらかの固形分を除去することにより精製された。得られる生成物は結合イオン基およびポリマー対イオンを有するカーボンブラック生成物の水性分散体であった。生成物はゼータ電位−20mVを有していた。
【0084】
[例4]
Cab−O−Jet(登録商標)200カーボンブラック分散体(Cabot
Corp.,Billerica,マサチューセッツ州から商業的に入手しうる)99g、アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド1.64g、濃NH4OH1.77gおよび水106gの混合物が窒素雰囲気下で70℃で攪拌された。メチルメタクリレート6.1g、エチルアクリレート10.2g、およびアクリル酸2.7gの混合物が1.5時間にわたって添加された。70℃での混合がさらに3.5時間、継続された。得られる生成物はポリマーコーティングを有する修飾カーボンブラックの水性分散体である。
【0085】
[例5]
Cab−O−Jet(登録商標)300カーボンブラック分散体(Cabot
Corpration,Billerica,マサチューセッツ州から商業的に入手しうる)34.2g、の水性分散体がArquad DMHTB0.8gと反応された。凝集された炭素およびカーボンブラック生成物がろ過により単離され、水で洗浄され、そして70℃で乾燥された。得られるカーボンブラック生成物1.5gが1−メトキシ−2−プロパノ−ル中の24wt%フェノール樹脂溶液25gおよび1−メトキシ−2−プロパノ−ル25gと混合された。混合物はステンレス鋼球(shot)200gを含むMidgetミルに入れられた。ミルは密封され、塗料シェーカー内に2時間置かれた。分散体の品質がHegemanグラインドゲージで検査され、そしてゲージ尺度で少なくとも7であることがわかった。得られる分散体は25μmの厚さを有する均一な湿ったコーティングを与えるために粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板上に被覆された。被覆された板は空気乾燥された。得られる複合体は赤外放射線(たとえば830もしくは1064nmで放射するダイオードレーザーで)への選択的露光により画像形成され得、ケイ酸ナトリウム現像剤で現像され得た。
【0086】
[例6]
カルボン酸基を結合したカーボンブラック15gがCab−O−Jet(登録商標)300カーボンブラック分散体(CabotCorpration,Billerica,マサチューセッツ州から商業的に入手しうる)110gの酸性化により調製された。凝集ブラックは水で洗浄され過剰の酸を除され、そして乾燥された。カーボンブラック生成物が1−メトキシ−2−プロパノ−ル135gに混合され、ついでベンシルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイドの40wtメタノール溶液1.65gと反応された。得られるカーボンブラック分散体34.5gがフェノール樹脂12gおよび1−メトキシ−2−プロパノ−ル3.6gと混合された。混合物はステンレス鋼球の200gを含むMidgetミル内に入れられた。ミルは密封され、塗料シェーカー内に2時間置かれた。分散体の品質がHegemanグラインドゲージで検査され、そしてゲージ尺度で少なくとも7であることがわかった。得られる分散体は25μmの厚さを有する均一な湿ったコーティングを与えるために粗面化され,陽極酸化されたアルミニウム板上に被覆された。被覆された板は空気乾燥された。得られた複合体は赤外放射線(たとえば830もしくは1064nmで放射するダイオードレーザーで)への選択的露光により画像形成され得、ケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
【0087】
[例7]
攪拌しながら、例3に記載された15%水性カーボンブラック分散体33.6gがグリコール酸ノナエトキシレートオレイルエーテル0.53gと反応された。カーボンブラック生成物はろ過により単離され、水で洗浄され、そして70℃で乾燥された。得られるカーボンブラック生成物1.5gは1−メトキシ−2−プロパノ−ル中のフェノール樹脂24%溶液25gおよび1−メトキシ−2−プロパノ−ル25gと混合された。混合物はステンレス鋼球の200gを含むMidgetミル内に入れられた。ミルは密封され、塗料シェーカー内に2時間置かれた。分散体の品質がHegemanグラインドゲージで検査され、そしてゲージ尺度で少なくとも7であることがわかった。得られる分散体は25μmの厚さを有する均一な湿ったコーティングを与えるために粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板上に被覆された。被覆された板は空気乾燥された。得られた複合体は赤外放射線(たとえば830もしくは1064nmで放射するダイオードレーザーで)への選択的露光により画像形成され得、ケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
【0088】
[例8]
10gフタロシアニンブルー15:4の70℃スラリーを強く攪拌し、4−アミノ安息香酸3.6g、70wt%硝酸1,2gおよび亜硝酸ナトリウム1.8gが添加された。生成物は水で透析して精製され固形分9.8wt%を有する分散体を生成した。乾燥基準でカルボン酸ナトリウム基を0.12meq/g付着した。顔料分散体51gがArquad DMHTB0.25gと反応された。顔料生成物はろ過により単離され、水で洗浄され、70℃で乾燥された。得られるフタロシアニンブルー顔料生成物1.5gは、1−メトキシ−2−プロパノ−ル中のフェノール樹脂24wt%溶液25gおよび1−メトキシ−2−プロパノ−ル25gと混合された。混合物はステンレス鋼球の200gを含むMidgetミル内に入れられた。ミルは密封され、塗料シェーカー内に2時間置かれた。分散体の品質がHegemanグラインドゲージで検査され、そしてゲージ尺度で少なくとも7であることがわかった。得られる分散体は25μmの厚さを有する均一な湿ったコーティングを与えるために粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板上に被覆された。被覆された板は空気乾燥された。得られた複合体は赤外放射線(たとえば830もしくは1064nmで放射するダイオードレーザーで)への選択的露光により画像形成され得、ケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
【0089】
[例9]
ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル(Mn〜1000)100gおよびトルエン300mL中のNEt,10.1gがトルエン100mL中の4−ニトロベンゾイルクロライド18.6g溶液に滴下しながら添加された。発熱反応は50℃を超えないように調節された。添加が完了すると、反応混合物は10〜15分間攪拌され、得られるスラリーはNEt3HClを除去するためにろ過された。
【0090】
トルエン溶液は水素化びんに入れられ、そして系はN2でパージされた。乾燥5%Pd/C2.65gが添加された、水素化びんは、3回排気され、窒素を再充填された。ついで、系は排気され、水素を充填された。水素補足が止むまで水素を周期的に添加しながら還元が続けられた。スラリーはPd/Cを除去するためにろ過され、そしてろ液は硫酸ナトリウムが析出するまで乾燥された(dried over)。ついで、乾燥溶液は再びろ過され、硫酸ナトリウムが除去された。最後に、トルエンが回転蒸発器で減圧下に除去され、ポリ(プロピレングリコールモノブチルエーテル)−4−アミノベンゾエートを生成した。
【0091】
ポリ(プロピレングリコールモノブチルエーテル)−4−アミノベンゾエート26.9g,メチルエチルケトン(MEK)90mL,水10mL、トルエンスルホン酸1.9g、およびカーボンブラック10gの攪拌混合物に、ジシクロへキシルアンモニウム亜硝酸塩2.8gが添加された。カーボンブラックは表面積200m2/gおよびDBPA117mL/100gを有していた。生成物はダイアフィルトレーション装置において1−メトキシ−2−プロパノ−ルで精製され、結合した−C64CO2[CH(CH3)CH2O]nCH2CH2CH2CH3基。17meq/gを有することがわかった。コーティング組成物は−メトキシ−2−プロパノ−ル中の上記カーボンブラック生成物の10.7wt%分散体28g、フェノール樹脂12gおよび1−メトキシ−2−プロパノ−ル10gを一緒に混合することにより調製された。得られる分散体は25μmの厚さを有する均一な湿ったコーティングを与えるために粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板上に被覆された。被覆された板は空気乾燥された。得られた複合体は赤外放射線(たとえば830もしくは1064nmで放射するダイオードレーザーで)への選択的露光により画像形成され得、ケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
【0092】
[例10]
窒素パージされたフラスコに、ポリアクリル酸(Mw〜2000)100g、ジメトキシエチルエーテル50gおよび4−ニトロフェンエチルアルコール17gが装入された。フラスコは水冷却凝縮器を取付けられ、170〜180℃に4時間、加熱された。
【0093】
反応の過程で、窒素導入口で凝縮した水は除去された。ついで得られる生成物はTHF100mLで希釈された。湿った5%Pd/C(50%水)5.2gと一緒にParr水素化器に入れられた。水素化はニトロ基がアミンに変換されるまで実行された。得られた生成物は4−アミノフェンエチルエステル基を含むポリアクリル酸であった。
【0094】
水250mL、エタノール250mLおよび上述の置換ポリアクリル酸50gの溶液に、表面積200m2/gおよびDBPA117mL/100gを有するカーボンブラック50gが添加された。ついで、攪拌スラリーに亜硝酸ナトリウム3.6gおよび水20mLからなる溶液が添加された。30分間攪拌後に、得られる分散体は水でのダイアフィルトレーションにより精製された。最終生成物は固形分10%を有する分散体であった。乾燥基準で、カーボンブラック生成物のグラムあたり、結合したポリアクリル酸(Mw約2000)0.10meq/gを含んでいた。
【0095】
[例11]
ジメチルホルムアミド60g中のGA2299樹脂60gの溶液が還流下に混合物を加熱することにより調製された。GA2299スチレン化アクリル樹脂はB.F.Goodrich,Cleveland、オハイオ州から入手し得、MW11,000および酸価200を有する。ジメチルホルムアミド20g中のp−フェニレンジアミン1.18gの溶液が添加され、そして溶液は還流下にさらに30分間、加熱された。反応生成物はポリマーのアミノフェニル誘導体溶液であった。
【0096】
アミノフェニルポリマー溶液120g、カーボンブラック60g、およびアセトン350mLの攪拌混合物が調製された。カーボンブラックは表面積で200m2/gおよびDBPA117mL/100gを有していた。水50g中のメタンスルホン酸1.05gの溶液が添加された。水50g中のNaNO20.75g溶液が滴下しながら添加され、そして混合はさらに90分間続けられた。水性の水酸化アンモニウム(28%溶液39g)が添加され、そして生成物はダイアフィルトレーション装置において水で精製され、結合ポリマーを有するカーボンブラック生成物の分散体が得られた。
【0097】
[例12]
例11の手順が繰り返されたが、表面積110m2/gおよびDBPA114mL/100gを有するカーボンブラックが使用された。
【0098】
[例13]
ジメチルホルムアミド275g中のNeoCry1 BT520樹脂分散体150gの溶液が還流下に混合物を加熱することにより調製された。NeoCryl BT520アクリル樹脂分散体はNeoResins,Wilmington,マサチューセッツ州から入手し得、」MW10,000〜15,000、酸化65および固形分40%を有する。DMF20g中のp−フェニレンジアミン1.04gの溶液が添加され、そして溶液は還流下でさらに8時間、加熱された。反応生成物はポリマーのアミノフェニル誘導体であった。
【0099】
アミノフェニルポリマー溶液425g、カーボンブラック60g、およびアセトン200mLの攪拌混合物が40℃に加熱された。カーボンブラックは表面積200m2/gおよびDBPA117mLを有していた。水20gの中のメタスルホン酸0.92gの溶液が添加された。水20g中のNaNO20.66gの溶液が滴下しながら添加され、高せん断混合がさらに90分間、続けられた。水性の水酸化アンモニウム(水200gでさらに希釈された28%溶液の13g)が添加され、そして生成物はダイアフィルトレーション装置において、水で精製され、結合ポリマーを有するカーボンブラック生成物の分散体が得られた。
【0100】
[例14]
例10で調製されたカーボンブラック分散体10gに水酸化ナトリウム0.06g、ついでArquad BMHTB0.635gが添加された。凝集材料はろ過され、水で洗浄され、そして70℃で乾燥された。コーティング組成物は1−メトキシ−2−プロパノ−ル中の24%フェノール樹脂16.7gにおけるカーボンブラック1g、および1−メトキシ−2−プロパノ−ル15.6gとともに混合することにより調製された。混合物はステンレス鋼球の200gを含むMidgetミル内に入れられた。ミルは密封され、塗料シェーカー内に2時間置かれた。分散体の品質がHegemanグラインドゲージで検査され、そしてゲージ尺度で少なくとも7であることがわかった。得られる分散体は25μmの厚さを有する均一な湿ったコーティングを与えるために粗面化され,陽極酸化されたアルミニウム板上に被覆された。被覆された板は空気乾燥された。得られた複合体は赤外放射線(たとえば830もしくは1064nmで放射するダイオードレーザーで)への選択的露光により画像形成され得、ケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
【0101】
[例15]
Cab−O−Jet(登録商標)300カーボンブラック分散体(Cabot
Corpration,Billerica,マサチューセッツ州から商業的に入手しうる)34.2g、の水性分散体がArquad DMHTBと反応された。カーボンブラック生成物からろ過により単離され、水で洗浄され、そして70℃で乾燥された。得られるカーボンブラック生成物1.5gが1−メトキシ−2−プロパノ−ル中の24%HRJ−2606フェノール樹脂溶液25gおよび1−メトキシ−2−プロパノ−ル25gと混合された。混合物はステンレス鋼球(shot)を含むMidgetミルに入れられた。ミルは密封され、塗料シェーカー内に2時間置かれた。分散体の品質がHegemanグラインドゲージで検査され、そしてゲージ尺度で少なくとも7であることがわかった。得られる分散体は25μmの厚さを有する均一な湿ったコーティングを与えるために粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板上に被覆された。被覆された板は空気乾燥された。得られる複合体は赤外放射線(たとえば830もしくは1064nmで放射するダイオードレーザーで)への選択的露光により画像形成され得、ケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
[例16]
例1で調製された水性カーボンブラックが、赤外吸収コーティング組成物を製造するために特定された比を用いて表1に示される材料と混合された。組成物は粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム上に被覆され厚さ25μmの均一な湿ったコーティングをあたえた。
【0102】
【表1】

【0103】
コーティング組成物は例2〜4および10で調製された修飾カーボンブラック生成物の分散体と同様に調製された。それぞれが粗面化され、陽極酸化されたアルミニウムに被覆され、厚さ25μmの均一な湿ったコーティングを与えた。
【0104】
[例17]
この例は例16の赤外吸収コーティング組成物の、平版印刷版の製造への付着を説明する。赤外感受性平板印刷版はケイ酸塩オーバー層を有する、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウムシートを用いて調製されうる。アルミニウムシートはまず表2のコーティング組成物で25μmに被覆される。コーティング組成物はナイフコータ−もしくは巻線ロッドもしくは他の適切な手段でアルミニウム基板に付着されうる。
【0105】
【表2】

【0106】
145℃で2分間、コーティングを硬化させた後に、例16の赤外吸収コーティングはアルミニウム板に25μmの湿ったコーティング厚さで付着された。揮発性溶媒を除去し、コーティングを硬化させるために乾燥した後、得られる複合体は赤外放射線(たとえば波長800〜1200nmで照射するダイオードレーザー)を用いてカーボンブラックを含む層を選択的に切除(ablation)することにより画像形成されうる。
【0107】
[例18]
アスコルビン酸0.9gおよび過硫酸カリウム1.47gが、Carbosetアクリル樹脂15g、28%水酸化アンモニウム10mLおよび水227gから調製された溶液に添加された。スチレン71.3g、グリシジルメタクリレート3.8gおよびブロモトリクロロメタン3gの添加後に、混合物は窒素雰囲気下に7時間、35℃に加熱され、そしてポリマーラテックスを生成した。そのポリマーラテックスは水で固形分12%に希釈された。
【0108】
例1〜4および10〜13のカーボンブラック生成物は水で希釈され固形分9.9%の分散体を形成した。コーティング組成物はポリマーラテックス1部、カーボンブラック生成物分散体0.84部およびイソプロパノ−ル0.79部から調製された。コーティングはナイフコーターを用いて、粗面化、陽極酸化されたアルミニウム板に付着され、湿った膜厚20μmを与え、ついで乾燥された。得られる複合体は赤外線放射(たとえば830もしくは1064nmで放射されるダイオードレーザー)に選択的に露光することにより画像形成され得、そしてケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
【0109】
[例19]
ドデシル硫酸ナトリウム0.77g、および水135g中の過硫酸アンモニウム0.48gの溶液が窒素雰囲気下に70℃で攪拌された。スチレン36.8g、グリシジルメタクリレート2.53gおよびジビニルベンゼン1.92gの混合物が105分間にわたって添加された。反応はさらに3時間継続され、そしてミクロゲルを生成した。ミクロゲルは水で固形分12%に希釈された。
【0110】
例1〜4および10〜13のカーボンブラック生成物が水で希釈され、固形分9.9%を有する分散体を形成した。コーティング組成物はミクロゲル1部、カーボンブラック生成物分散体0.75部、イソプロパノ−ル1.7部、から調製された。コーティングはPolychrome Vector P95正帯電UV感受性平版印刷版に付着され得た。乾燥後に、版は赤外光放射(たとえば830もしくは1064nmで照射するダイオードレーザーで)に選択的に露光して画像形成され、水に10%に希釈されたPolychrome PC955で現像され得た。版は従来の接触露光フレームUV放射に露光され得、ついでPolychrome PC4000ポジティブ現像剤で現像され得た。
【0111】
[例20]
ドデシル硫酸ナトリウムおよび0.77gおよび水135g中の過硫酸アンモニウム0.48gの溶液が窒素雰囲気下に70℃で攪拌された。スチレン36.8g、グリシジルメタクリレート2.53gおよびジビニルベンゼン1.92gの混合物が105分間にわたって添加された。反応はさらに3時間続けられ、ミクロゲルを生成した。ミクロゲルは水で固形分12%に希釈された。
【0112】
例1〜4および10〜13のカーボンブラック生成物は水で希釈され固形分9.9%の分散体を形成した。コーティング組成物はミクロゲル1部、カーボンブラック生成物分散体0.75部およびイソプロパノ−ル1.79部から調製された。コーティングはナイフコーターを用いて、粗面化、陽極酸化されたアルミニウム板に付着され、湿った膜厚20μmを与え、ついで乾燥された。得られる複合体は赤外線放射(たとえば830もしくは1064nmで放射されるダイオードレーザー)に選択的に露光することにより画像形成され得、そしてケイ酸ナトリウム現像剤で現像された。
【0113】
[例21]
固形分31%を有する、テトラヒドロフラン(THF)中のJoncryl(登録商標)611アクリル樹脂の溶液は3Aモレキュラーシーブを用いて乾燥された。Joncryl(登録商標)611アクリル樹脂はS.C.Johnson,Sturtevant,ウィスコンシン州から入手し得、MW8100および酸価53を有する。パラフェニレンジアミン4.7g、ついで1,3−ジシクロへキシルカルボジイミド8.9gがJoncryl(登録商標)611アクリル樹脂溶液1126gに添加され、そして混合物は還流下に30分間、加熱された。混合物はろ過され、固形分36wt%を有する、ポリマーのアミノフェニル誘導体溶液を得た。
【0114】
ローターステ−ター(rotar stator)が、アミノフェニルポリマー溶液853g、カーボンブラック300gおよびTHF400mLを攪拌するのに用いられた。カーボンブラックは表面積50m2/gおよびDBPA46mL/100gを有していた。メタンスルホン酸3.54gが添加された。水150gのNaNO22.55gの溶液が滴下しながら添加され、そして混合がさらに2時間継続された。得られる分数体はダイアフィルトレーション装置を用いて、20%/80%水/THF溶液、THF,および最後にポリエチレングリコールメチルエーテル酢酸塩で精製された。分散体はTHFで希釈され、20μm、10μm、5μm、3μm、1μm、および0.5μmフィルターでろ過され、そして真空下に固形分14.5%に濃縮された。得られる材料は結合ポリマーを有するカーボンブラック生成物の分散体であった。熱重量分析は、固体がカーボンブラック93%およびポリマー7%を含むことを示した。
【0115】
カーボンブラック生成物はブラックマトリックス用途のためのコーティング配合物に使用され得た。このようなコーティングの体積抵抗(volume resistivity)の評価は、カーボンブラック生成物分散体1部、Joncryl 611樹脂0.191部およびプロピレングリコールメチルエーテル酢酸塩1.6部から調製されるコーティングの抵抗率(resistivity)を測定することによりなされた。得られる固体はカーボンブラック40%およびポリマー60%であった。膜の低効率は10-12ohm−cmであった。
【0116】
上述のように、上述の基を含有する修飾顔料生成物は幅広い種類の画像形成用途に有用である。
【0117】
本発明の好適な態様の前述の説明は例示および説明のために示されたものである。開示されたとおりに本発明を限定しようとするものではない。修正および変更は上述の教示に照らして可能であり、そして本発明の実施から得られうる。態様は本発明の原理および実際的な適用を説明するために選ばれ、記述されたものであり、当業者が種々の態様で、そして意図された特定の用途に適合するように種々の変更をおこなって本発明を利用することを可能にするものである。本発明の範囲は特許請求の範囲およびそれらの均等物に規定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)基板およびb)放射線吸収層を含む印刷版であり、その放射線吸収層は少なくとも1つの有機イオン基および少なくとも1つの両親媒性対イオンを結合した顔料からなる少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、該両親媒性対イオンは有機イオン基の電荷と反対の電荷を有することを特徴とする印刷版。
【請求項2】
有機イオン基がアニオン基であり、そして両親媒性対イオンがカチオン両親媒性対イオンである請求項1記載の印刷版。
【請求項3】
アニオン基がカルボン酸基もしくはスルホン酸基である請求項2記載の印刷版。
【請求項4】
アニオン基が置換もしくは非置換カルボキシフェニルまたは置換もしくは非置換スルホフェニル基に由来するアニオンである請求項2記載の印刷版。
【請求項5】
カチオン両親媒性対イオンがアンモニウム基を含む請求項2記載の印刷版。
【請求項6】
カチオン両親媒性対イオンが式R4+で示されるイオンであり、そこでRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、置換もしく非置換アルカリール(alkaryl)基、置換もしくは非置換アラルキル基、または置換もしくは非置換アルケニル基である、請求項2記載の印刷版。
【請求項7】
カチオン両親媒性対イオンが4級アンモニウムイオンである請求項2記載の印刷版。
【請求項8】
カチオン両親媒性対イオンがベンジルトリアルキルアンモニウムイオンである請求項2記載の印刷版。
【請求項9】
アニオン基がカルボン酸基であり、そしてカチオン両親媒性対イオンがベンジルトリアルキルアンモニウムイオンである請求項2記載の印刷版。
【請求項10】
有機イオン基がカチオン基であり、そして両親媒性対イオンがアニオン両親媒性対イオンである請求項1記載の印刷版。
【請求項11】
カチオン基がアンモニウム基を含む請求項10記載の印刷版。
【請求項12】
カチオン基が−C64−NC55+である請求項10記載の印刷版。
【請求項13】
カチオン基が−C54+N−Rであり、そこでRはアルキル基、アリール基、アルカリール基、アラルキル基、もしくはアルケニル基である請求項10記載の印刷版。
【請求項14】
アニオン両親媒性対イオンが少なくとも1つのカルボン酸基もしくはスルホン酸基を含むイオンである請求項10記載の印刷版。
【請求項15】
アニオン両親媒性対イオンがアルキルカルボン酸イオンである請求項10記載の印刷版。
【請求項16】
放射線吸収層がさらにポリマーを含む請求項1記載の印刷版。
【請求項17】
ポリマーがフェノールポリマーである請求項16記載の印刷版。
【請求項18】
フェノールポリマーがヒドロキシスチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはフェノール−ホルムアルデヒドポリマーである請求項17記載の印刷版。
【請求項19】
ポリマーがアクリルポリマーである請求項16記載の印刷版。
【請求項20】
アクリルポリマーがアクリル酸、メタクリル酸、もしくはそれらの塩を含むポリマーである請求項19記載の印刷版。
【請求項21】
基板が親水性金属基板である請求項1記載の印刷版。
【請求項22】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項1記載の印刷版。
【請求項23】
a)基板、およびb)放射線吸収層を含み、そこで放射線吸収層はフェノールポリマーおよび少なくとも1つの修飾顔料生成物を含むことを特徴とする印刷版。
【請求項24】
フェノールポリマーがヒドロキシスチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはフェトル−ホルムアルデヒドポリマーである請求項23記載の印刷版。
【請求項25】
修飾顔料生成物が少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む請求項23記載の印刷版。
【請求項26】
有機基が少なくとも1つのイオン基、少なくとも1つのイオン化しうる基、もしくはそれらの混合物を含む請求項25記載の印刷版。
【請求項27】
有機基がアニオン基を含む請求項25記載の印刷版。
【請求項28】
有機基がカルボン酸基、スルホン酸基、もしくはそれらの塩を含む請求項25記載の印刷版。
【請求項29】
有機基がカルボキシフェニル基、スルホフェニル基、もしくはそれらの塩である請求項25記載の印刷版。
【請求項30】
有機基がカチオン基を含む請求項25記載の印刷版。
【請求項31】
有機基がアンモニウムである請求項25記載の印刷版。
【請求項32】
有機基が対イオンを有する−C65+N−Rであり、そこでRはアルキル基もしくは芳香族基である請求項25記載の印刷版。
【請求項33】
Rがメチル基もしくはベンジル基である請求項32記載の印刷版。
【請求項34】
基板が親水性金属基板である請求項23記載の印刷版。
【請求項35】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項23記載の印刷版。
【請求項36】
a)基板およびb)放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はフェノールポリマー、および式−X−Sp−[A]pRで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、Aは約1〜約12の炭素を有するアルキレンオキシドを示し、pは1〜500の整数を示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基(AはPが1より大きいとき同一もしくは異なっていてもよい)を示す。
【請求項37】
Aは−CH2−CH2−O−,−CH(CH3)−CH2−O,−CH2−CH(CH3)−O,−CH2−CH2−CH2−O−,もしくはそれらの組合せである請求項36記載の印刷版。
【請求項38】
フェノールポリマーがヒドロキシスチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはフェノール−ホルムアルデヒドポリマーである請求項36記載の印刷版。
【請求項39】
基板が親水性金属基板である請求項36記載の印刷版。
【請求項40】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項36記載の印刷版。
【請求項41】
a)基板およびb)放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はアクリルポリマー、および式−X−Sp−[A]pRで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、Aは約1〜約12の炭素を有するアルキレンオキシドを示し、pは1〜500の整数を示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基(AはPが1より大きいとき同一もしくは異なっていてもよい)を示す。
【請求項42】
Aは−CH2−CH2−O−,−CH(CH3)−CH2−O,−CH2−CH(CH3)−O,−CH2−CH2−CH2−O−,もしくはそれらの組合せである請求項41記載の印刷版。
【請求項43】
アクリルポリマーがアクリル酸、メタクリル酸、もしくはそれらの塩を含むポリマーである請求項41記載の印刷版。
【請求項44】
基板が親水性金属基板である請求項41記載の印刷版。
【請求項45】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項41記載の印刷版。
【請求項46】
a)基板およびb)放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はフェノールポリマー、および式−X−Sp−[Vinyl]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、Vinylは置換もしくは非置換アクリルもしくはスチレンモノマー単位を繰り返すことを含むアクリルもしくはスチレンホモもしくはコポリマーを示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す。
【請求項47】
Vinylはアクリルもしくはメタクリル酸ホモもしくはコポリマー、またはそれらの塩である請求項46記載の印刷版。
【請求項48】
Vinylはアクリル酸もしくはメタクリル酸のエステルである請求項46記載の印刷版。
【請求項49】
放射線吸収層がさらにポリマーを含む請求項46記載の印刷版。
【請求項50】
ポリマーがフェノールポリマーである請求項49記載の印刷版。
【請求項51】
フェノールポリマーがヒドロキシスチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはフェノール−ホルムアルデヒドポリマーである請求項50記載の印刷版。
【請求項52】
ポリマーがアクリルポリマーである請求項49の印刷版。
【請求項53】
アクリルポリマーがアクリル酸、メタクリル酸、もしくはそれらの塩を含むポリマーである請求項52記載の印刷版。
【請求項54】
基板が親水性金属基板である請求項46記載の印刷版。
【請求項55】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項46記載の印刷版。
【請求項56】
a)基板およびb)放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はフェノールポリマー、および式−X−Sp−[EI]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、EIはアルキレンアミンにもとづくホモもしくはコポリマーを示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す。
【請求項57】
EIがポリエチレンイミンもしくはポリエチレンイミンの誘導体である請求項56記載の印刷版。
【請求項58】
放射線吸収層がさらにポリマーを含む請求項56記載の印刷版。
【請求項59】
ポリマーがフェノールポリマーである請求項58記載の印刷版。
【請求項60】
フェノールポリマーがヒドロキシスチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはフェノール−ホルムアルデヒドポリマーである請求項59記載の印刷版。
【請求項61】
ポリマーがアクリルポリマーである請求項58の印刷版。
【請求項62】
アクリルポリマーがアクリル酸、メタクリル酸、もしくはそれらの塩を含むポリマーである請求項61記載の印刷版。
【請求項63】
基板が親水性金属基板である請求項56記載の印刷版。
【請求項64】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項56記載の印刷版。
【請求項65】
a)基板およびb)放射線吸収層を含む印刷版であり、放射線吸収層はフェノールポリマー、および式−X−Sp−[SMA]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、SMAはスチレン−無水マレイン酸ポリマーもしくは誘導体を示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す。
【請求項66】
SMAがスチレン−無水マレイン酸もしくはスチレン−無水マレイン酸誘導体である請求項65記載の印刷版。
【請求項67】
放射線吸収層がさらにポリマーを含む請求項65記載の印刷版。
【請求項68】
ポリマーがフェノールポリマーである請求項67記載の印刷版。
【請求項69】
フェノールポリマーがヒドロキシスチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはフェノールル−ホルムアルデヒドポリマーである請求項68記載の印刷版。
【請求項70】
ポリマーがアクリルポリマーである請求項67の印刷版。
【請求項71】
アクリルポリマーがアクリル酸、メタクリル酸、もしくはそれらの塩を含むポリマーである請求項70記載の印刷版。
【請求項72】
基板が親水性金属基板である請求項65記載の印刷版。
【請求項73】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項65記載の印刷版。
【請求項74】
a)基板およびb)放射線吸収層を含み、放射線吸収層は、1つ以上のポリマーコーティングで少なくとも部分的に被覆されている顔料からなる少なくとも1つの修飾顔料生成物を含むことを特徴とする印刷版。
【請求項75】
ポリマーコーティングがアクリルもしくはスチレンポリマーを含む請求項74記載の印刷版。
【請求項76】
放射線吸収層がさらにポリマーを含む請求項74記載の印刷版。
【請求項77】
ポリマーがフェノールポリマーである請求項76記載の印刷版。
【請求項78】
フェノールポリマーがヒドロキシスチレンのホモポリマーもしくはコポリマー、またはフェノール−ホルムアルデヒドポリマーである請求項77記載の印刷版。
【請求項79】
ポリマーがアクリルポリマーである請求項76の印刷版。
【請求項80】
アクリルポリマーがアクリル酸、メタクリル酸、もしくはそれらの塩を含むポリマーである請求項79記載の印刷版。
【請求項81】
基板が親水性金属基板である請求項74記載の印刷版。
【請求項82】
基板がアルミニウムもしくはポリエステルである請求項74記載の印刷版。
【請求項83】
放射線吸収層により吸収される放射線が赤外もしくは近赤外線である請求項1記載の印刷版。
【請求項84】
顔料がカーボンブラック、黒鉛、ビトレアス炭素、微細炭素、活性炭、活性木炭、もしくはそれらの混合物である請求項1記載の印刷版。
【請求項85】
顔料がカーボンブラックである請求項1記載の印刷版。
【請求項86】
顔料が白色顔料、黒色顔料、青色顔料、茶色顔料、シアン色顔料、緑色顔料、バイオレット色顔料、マゼンダ色顔料、赤色顔料、黄色顔料、それらの種々の色合い、またはそれらの組合せを含む請求項1記載の印刷版。
【請求項87】
有機基がフェノールポリマーの溶解抑制剤である請求項17記載の印刷版。
【請求項88】
両親媒性対イオンがフェノール樹脂の溶解抑制剤である請求項17記載の印刷版。
【請求項89】
有機基がIRレーザーにより化学的に変換される請求項87記載の印刷版。
【請求項90】
両親媒性対イオンがIRレーザーにより化学的に変換される請求項88記載の印刷版。
【請求項91】
画像を示すパターンにレーザー出力に版を選択的に露出させて、少なくとも放射線吸収層を選択的に除去もしくは化学的に修飾することを含む、請求項1記載の印刷版の画像形成方法。
【請求項92】
画像形成層の部分を除去しうる溶媒に版をさらすことをさらに含む請求項91記載の方法。
【請求項93】
a)基板、b)UV硬化しうる層およびc)放射線吸収層を含み、放射線吸収層は少なくとも1つの修飾顔料生成物を含むことを特徴とするフレキソ印刷版。
【請求項94】
放射線吸収層がポリマーをさらに含む請求項93記載のフレキソ印刷版。
【請求項95】
a)インク層、b)光熱層、およびc)支持体を含み、光熱層は少なくとも1つの修飾顔料生成物を含むことを特徴とする感熱転写記録材料。
【請求項96】
光熱層がポリマーをさらに含む請求項95記載の感熱転写材料。
【請求項97】
a)放射線透過支持体、b)放射線硬化しうる層、およびc)受容層を含み、放射線硬化しうる層は少なくとも1つの修飾顔料生成物を含むことを特徴とするプルーフィング材料。
【請求項98】
放射線硬化しうる層がポリマーをさらに含む請求項97記載のプル−フ材料。
【請求項99】
透明な(clear)基板上に感光性コーティングを付着させ、そのコーティングを画像態様に露光し、そしてコーティングを現像し、乾燥することにより形成されるブラックマトリックスであり、そこで感光性コーティングは少なくとも1つの有機イオン基および少なくとも1つの両親媒性対イオンを結合した顔料からなる少なくとも1つの修飾顔料生成物ならびに溶媒を含有し、反対の電荷を有する。
【請求項100】
感光性樹脂をさらに含有する請求項99記載のブラックマトリックス。
【請求項101】
透明な基板上に感光性コーティングを付着させ、そのコーティングを画像態様に露光し、そしてコーティングを現像し、乾燥することにより形成されるブラックマトリックスであり、そこで感光性コーティングは少なくとも式−X−Sp−[A]pRで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、Aは約1〜約12の炭素を有するアルキレンオキシドを示し、pは1〜500の整数を示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基(Aはpが1より大きいとき同一もしくは異なっていてもよい)を示す。
【請求項102】
感光性樹脂をさらに含む請求項101記載のブラックマトリックス。
【請求項103】
透明な基板上に感光性コーティングを付着させ、そのコーティングを画像態様に露光し、そしてコーティングを現像し、乾燥することにより形成されるブラックマトリックスであり、そこで感光性コーティングは式−X−Sp−[Vinyl]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、Vinylは置換もしくは非置換アクリルもしくはスチレンモノマー単位を繰り返すことを含むアクリルもしくはスチレンホモもしくはコポリマーを示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す。
【請求項104】
感光性樹脂をさらに含む請求項103記載のブラックマトリックス。
【請求項105】
透明な基板上に感光性コーティングを付着させ、そのコーティングを画像態様に露光し、そしてコーティングを現像し、乾燥することにより形成されるブラックマトリックスであり、そこで感光性コーティングは式−X−Sp−[EI]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、EIはアルキレンアミンにもとづくホモもしくはコポリマーを示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す。
【請求項106】
感光性樹脂をさらに含む請求項105記載のブラックマトリックス。
【請求項107】
透明な基板上に感光性コーティングを付着させ、そのコーティングを画像態様に露光し、そしてコーティングを現像し、乾燥することにより形成されるブラックマトリックスであり、そこで感光性コーティングは式−X−Sp−[SMA]Rで示される少なくとも1つの有機基を結合した顔料を含む少なくとも1つの修飾顔料生成物を含有し、そこで顔料に直接に結合されているXはアリーレン、ヘテロアリーレンもしくはアルキレン基を示し、Spはスペーサ基を示し、SMAはスチレン−無水マレイン酸ポリマーもしくは誘導体を示し、そしてRは水素、置換もしくは非置換アルキル基、もしくは置換もしくは非置換アリール基を示す。
【請求項108】
感光性樹脂をさらに含む請求項107記載のブラックマトリックス。
【請求項109】
透明な基板上に感光性コーティングを付着させ、そのコーティングを画像態様に露光し、そしてコーティングを現像し、乾燥することにより形成されるブラックマトリックスであり、そこで感光性コーティングは1つ以上のポリマーコーティングで少なくとも部分的に被覆されている顔料からなる少なくとも1つの修飾顔料を含む。
【請求項110】
感光性樹脂をさらに含む請求項109記載のブラックマトリックス。

【公開番号】特開2012−63785(P2012−63785A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−259127(P2011−259127)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2002−508897(P2002−508897)の分割
【原出願日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】