説明

偏光板及び液晶表示装置

【課題】コントラストの視野角特性に優れる偏光板を提供する。
【解決手段】
負の固有複屈折値を有する層(a)を含んでなるλ/4波長板1と、負の二軸性位相差板2と、偏光子3とを備え、これらが、前記層(a)の遅相軸1xと前記偏光子の吸収軸3xとのなす角度が45±2度となるように積層されてなる偏光板である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板及び液晶表示装置に関し、詳しくは、VA(Vertical Alignment)方式の液晶セル用として好適な偏光板、及び、それを用いてなる液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA(携帯情報端末)等のモバイル機器に用いられる液晶表示装置において、高輝度表示性、画像の高精細性、低消費電力性等に優れる表示形式として、透過表示モードと反射表示モードとの切り替え表示又は併用表示が可能な半透過型表示形式が注目されている。このような半透過型表示形式を用いた液晶表示装置においては、直線偏光と円偏光との相互変換を可能にすることにより透過表示及び反射表示の双方の表示ができるようにするため、偏光子及びλ/4波長板を少なくとも有する円偏光板が用いられている。
【0003】
円偏光板には、波長板の特性の均一性、即ち、レターデーション(位相差)などの光学特性が波長によらずに一定であること、仰角を大きくしたときの表示品質が低下しないこと等が求められている。そして、前者については、λ/4波長板に対してλ/2波長板を適切な角度で貼り合わせることによりレターデーションの波長分散を抑えることが可能になっている(特許文献1)。
【0004】
さらに、液晶表示装置の表示面について、仰角を大きくしたときのコントラストなどの表示品質の低下をできるだけ小さくして視野角依存性を改良するため、前記のλ/4波長板とλ/2波長板との貼り合わせ板と、偏光子との間に、特定の複屈折体を介在させる方法が提案されている。具体的には、前記貼り合わせ板としてNz>0(Nz=(n−n)/(n−n):n及びnは、波長550nmの光に対する面内の主屈折率を表し、n≧nを満たす。nは、波長550nmの光に対する厚み方向の主屈折率を表す)を満たす位相板が好ましく用いられていることから、この位相板と偏光子との間に、Nz<0を満たす複屈折体を含ませることにより、視野角依存性を制御しようとするものである(特許文献2)。そして、この方法により、表示面の正面コントラストを改良できるとともに、仰角を大きくした場合のコントラスト低下もある程度までは抑制することが可能になっている。
【特許文献1】特開2000−35570号公報
【特許文献2】特開2005−326818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、当該方法によっても、コントラストの視野角依存性は十分に改良されたレベルには至っておらず、さらなる改善が求められていた。特に、VA方式の液晶セルを用いる液晶表示装置においては、VA方式液晶セルの視野角特性を最大限に引き出すことのできる偏光板が求められていた。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、液晶表示装置のコントラストの視野角依存性を最大限に小さくして視野角特性を向上し得る偏光板、及び当該偏光板を用いてなる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点によると、負の固有複屈折値を有する層(a)を含んでなるλ/4波長板と、負の二軸性位相差板と、偏光子とを備え、これらが、前記層(a)の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が45±2度となるように積層された偏光板が提供される。
【0008】
本発明の第1の観点に係る偏光板において、前記λ/4波長板としては、前記層(a)と、熱可塑性樹脂(但し、前記層(a)が熱可塑性樹脂からなる場合にはそれ以外の熱可塑性樹脂)からなる層(b)との積層体からなるものを用いることができる。
【0009】
また、本発明の第1の観点に係る偏光板において、前記層(a)としては、固有屈折率が負の値を示す熱可塑性樹脂からなるものを用いることができる。この場合において、前記固有屈折率が負の値を示す熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂を用いることができる。
【0010】
さらに、本発明の第1の観点に係る偏光板において、前記負の二軸性位相差板としては、熱可塑性樹脂からなるものを用いることができる。
【0011】
本発明の第2の観点によると、前記本発明の第1の観点に係る偏光板を有する液晶表示装置が提供される。この場合において、前記偏光板は、液晶セルの片側又は両側に配置することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の偏光板は、液晶表示装置に用いた場合に、表示面のコントラストの視野角依存性を最大限に小さくすることができる。そして、当該偏光板を用いた液晶表示装置は、仰角を大きくしていってもコントラストが低下せず、視野角特性が向上したものとなる。本発明の偏光板は、特に、VA方式の液晶セルと組み合わせた場合に、液晶セルの特性を十分に引き出すことができるため、これらを用いた液晶表示装置の視野角特性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0014】
[偏光板]
本発明の偏光板は、負の固有複屈折値を有する層(a)を含んでなるλ/4波長板と、負の二軸性位相差板と、偏光子とを備え、これらが、前記層(a)の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が45±2度となるように積層されてなるものである。
【0015】
[λ/4波長板]
本発明に用いるλ/4波長板は負の固有複屈折値を有する層(a)を含んでなる。負の固有複屈折値を有する層(a)は、固有複屈折が負の値を示す樹脂からなるものが好ましい。固有複屈折が負の値を示す樹脂とは、分子の配向方向の屈折率が他の方向の屈折率よりも小さい樹脂のことであり、例えば、それを用いた成形体を延伸した場合に延伸方向の屈折率が最も小さくなる樹脂が挙げられる。固有複屈折が負の値を示す樹脂としては、特に制限されないが、溶融押出成形などの連続成形加工が可能であること、延伸が容易であることなどの点から熱可塑性樹脂が好ましい。固有複屈折が負の値を示す熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂などが挙げられるが、ポリスチレン樹脂がより好ましい。
【0016】
ポリスチレン樹脂は、スチレン構造を繰り返し単位の一部又は全部として有するポリマー樹脂であり、ポリスチレン、又は、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン、p-ニトロスチレン、p-アミノスチレン、p-カルボキシスチレン、p-フェニルスチレンなどのスチレン系単量体と、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、アクリルニトリル、メタクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニルなどのその他の単量体との共重合体などを挙げることができる。これらの中で、ポリスチレン、又はスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。
【0017】
前記ポリスチレン樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサンを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンの重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000である。
【0018】
本発明において、固有複屈折が負の値を示す樹脂は、そのガラス転移温度が120℃以上であることが好ましく、120〜200℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。
【0019】
本発明に用いるλ/4波長板は、前記層(a)と、熱可塑性樹脂からなる層(b)との積層体からなる複層フィルムであることが好ましい。層(b)を構成する熱可塑性樹脂は、前記層(a)が熱可塑性樹脂からなる場合にはそれ以外の熱可塑性樹脂を用いる。層(b)を構成する熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリ塩化ビエル、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、脂環式オレフィン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、光学特性などの観点から、脂環式オレフィン樹脂やアクリル樹脂が好ましい。
【0020】
脂環式オレフィン樹脂は、飽和脂環炭化水素(シクロアルカン)構造や不飽和脂環炭化水素(シクロアルケン)構造のごとき脂環式構造を有するポリマーである。脂環式構造を構成する炭素原子数には、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械強度、耐熱性、及びフィルムの成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。脂環式オレフィンポリマー中の脂環式構造を含有してなる繰り返し単位の割合は、適宜選択すればよいが、好ましくは55重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。脂環式ポリオレフィン樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあると、フィルムの透明性および耐熱性が向上するので好ましい。
【0021】
脂環式オレフィン樹脂としては、ノルボルネン系樹脂、単環の環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂、及び、これらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系樹脂は、透明性と成形性が良好なため、好適に用いられる。ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環共重合体又はそれらの水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加共重合体又はそれらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環(共)重合体水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適に用いられる。
【0022】
脂環式オレフィン樹脂のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃の範囲である。ガラス転移温度がこのような範囲にあると、位相差フィルムを、高温下での使用における変形や応力が生じることがなく耐久性に優れるものにすることができる。
【0023】
アクリル樹脂は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合繰り返し単位を主成分とする樹脂であり、本発明においては、メタクリル酸エステルの重合繰り返し単位を主成分とする樹脂(以降、メタクリル酸エステル重合体と略記することがある)が好ましく、メタクリル酸エステルの単独重合体や、メタクリル酸エステルとその他の単量体との共重合体が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、通常、メタクリル酸アルキルエステルが用いられる。共重合体とする場合は、メタクリル酸エステルと共重合するその他の単量体としては、アクリル酸エステルや、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合物などが用いられる。
【0024】
より具体的には、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルと、アクリル酸エステルと、必要に応じてこれらに共重合可能なビニル基を有する化合物とを含む単量体の重合により得られる樹脂であることが好ましい。なお、本明細書において単に「単量体」というときは、ある単量体1種からなる場合のみならず、複数の単量体が混合された状態、いわゆる単量体混合物も包含するものとする。
【0025】
前記メタクリル酸エステル重合体は、得られるλ/4波長板の耐熱性等の観点から、ガラス転移温度が40℃以上であるのが好ましく、60℃以上であるのがより好ましい。
【0026】
前記層(a)や層(b)には、必要に応じて酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム粒子などの公知の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で含有していてもよい。
【0027】
本発明においては、層(a)を構成する固有複屈折率が負の樹脂のガラス転移温度をTg(a)(℃)、前記層(b)を構成する熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg(b)(℃)としたときに、Tg(a)>Tg(b)+20℃であるのが好ましい。このような関係を満たすことにより、延伸した際に層(a)に光学的異方性を効率的に与え、良好な延伸複層フィルムを得ることができる。
【0028】
本発明に用いるλ/4波長板は、前記の固有複屈折が負の値を示す樹脂をフィルムに成形し延伸することにより、また、好ましくは前記フィルムに層(b)が積層された複層フィルムを成形し延伸することにより得ることができる。フィルムの成形方法は、特に限定されず、押出成形法、キャスト成形法などを用いることができる。複層フィルムを成形する方法も、特に限定されず、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法、共押出ラミネーション法等の共押出による成形方法、ドライラミネーション等のフィルムラミネーション成形方法、及びコーティング成形方法などの公知の方法が適宜利用され得る。中でも、製造効率や、溶剤などの揮発性成分をフィルム中に残留させないという観点から、共押出による成形方法が好ましい。
【0029】
前記複層フィルムをλ/4波長板に用いる場合には、前記層(a)の両面に、前記層(b)を積層してなる複層フィルムを用いるのが好ましい。層(a)と層(b)との間には、接着層や粘着層を設けることができるが、層(a)と層(b)とを直接に積層させることが好ましい。層(a)及び層(b)の厚みは、好ましくはそれぞれ10〜300μm及び10〜400μmとする。
【0030】
本発明においては、前記成形方法により得られた、層(a)からなるフィルム又は層(a)と層(b)との複層フィルムを延伸することにより、λ/4波長板を得ることができる。延伸は、λ/4波長板となるための条件として、波長550nmにおける面内方向の位相差(Re)が140±5nmとなるように、公知の方法により行うことができる。延伸方法は限定されないが、テンターによる斜め延伸が好ましい。
【0031】
未延伸フィルムを上記方法により斜め延伸するときの温度は、前記層(a)に用いる樹脂のガラス転移温度をTg(a)(℃)とすると、好ましくはTg(a)−10℃からTg(a)+20℃の間、より好ましくはTg(a)−15℃からTg(a)+15℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、好ましくは1.05〜30倍、より好ましくは1.1〜10倍である。
【0032】
さらに、偏光子と貼り合わせる際に、いわゆるロールトゥロールなどの連続処理により、前記層(a)の遅相軸と偏光子の透過軸とのなす角度が一定の角度になるように貼り合わせることができるようにするのが好ましい。そのために、未延伸フィルムを延伸後の巻き取り方向に対して任意の角度θ(1度<θ<50度)の方向に連続的に斜め延伸することにより、フィルムの長手方向に対して角度θの配向軸を有する長尺の延伸フィルムを得るのが好ましい。
【0033】
層(a)の遅相軸と偏光子の透過軸とのなす角度が45±5度になるようにするには、斜め延伸により長手方向に対して45度の遅相軸を有する長尺の延伸フィルムを得つつ、これを偏光子を有するフィルムと連続処理で貼り合わせることにより実現することができる。
【0034】
以上の方法により得られた、本発明に用いるλ/4波長板は、厚み方向の位相差(Rth)が、通常は、Rth<−70nm、好ましくはRth<−80nmであり、厚みは、通常30〜300μm、好ましくは60〜150μmである。
【0035】
[負の二軸性を有する位相差板]
本発明に用いる負の二軸性を有する位相差板は、フィルムの遅相軸方向の屈折率をnx、進相軸方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとして、nx>ny>nzを満たす二軸性位相差板であり、Nz係数が1.2以上に設定されたものである。Nz係数は、下記式(1)で表される。
【0036】
Nz=(nx−nz)/(nx−ny) (1)
前記負の二軸性を有する位相差板には、主として熱可塑性樹脂の延伸フィルムが用いられる。原料の熱可塑性樹脂としては、λ/4波長板の欄で層(b)を構成する熱可塑性樹脂として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの中でも、所望のNz係数を容易に達成可能であるなどの観点から、固有複屈折値が正の値を示す樹脂が好ましく、例えば、脂環式オレフィン樹脂、ポリカーボネート、鎖状ポリオレフィンなどが挙げられるが、低複屈折性や低吸湿性などの観点から、脂環式オレフィン樹脂が好ましい。
【0037】
負の二軸性位相差板を構成する熱可塑性樹脂の光弾性係数の絶対値は、10×10−12Pa−1以下であることが好ましく、7×10−12Pa−1以下であることがより好ましく、4×10−12Pa−1以下であることが特に好ましい。光弾性係数Cは、複屈折をΔn、応力をσとしたとき、C=Δn/σで表される値である。透明樹脂の光弾性係数がこのような範囲にあると、負の二軸性を有する位相差板の面内方向の位相差(Re)のバラツキを小さくすることができる。
【0038】
本発明に用いる負の二軸性を有する位相差板は、前記の熱可塑性樹脂をフィルムに成形し延伸することにより得ることができる。フィルムの成形方法は、特に限定されず、押出成形法、キャスト成形法などを用いることができるが、製造効率や、フィルム中に溶剤などの揮発性成分を残留させないという観点から、押出成形法が好ましい。
【0039】
延伸は、Nz係数が1.2以上となるように公知の方法により行うことができ、一軸延伸法、二軸延伸法などいずれの方法によっても行うこともできる。二軸延伸法による場合は、延伸倍率を変えて行う。延伸方法は限定されないが、テンターによる延伸が好ましい。
【0040】
未延伸フィルムを上記方法により延伸するときの温度は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg(c)(℃)とすると、好ましくはTg(c)−30℃からTg(c)+60℃の間、より好ましくはTg(c)−10℃からTg(c)+50℃の温度範囲である。また、延伸倍率は、通常、1.01〜30倍、好ましくは1.01〜10倍、より好ましくは1.01〜5倍である。
【0041】
以上の方法により得られた、本発明に用いる負の二軸性を有する位相差板は、面内方向の位相差(Re)が、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下であり、厚み方向の位相差(Rth)が、好ましくは20〜300nm、より好ましくは50〜200nmである。Re及びRthがこの範囲にあると、視野角特性に優れる。また、厚みは、通常20〜200μm、好ましくは30〜150μm、より好ましくは40〜100μmである。厚みがこの範囲にあると、製造適性に優れる。
【0042】
[偏光子]
本発明に用いる偏光子は、液晶表示装置用の偏光板に一般的に用いられ、入射光に対して特定の偏光成分の光のみを透過させる機能を有するものであれば限定されない。具体的には、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を含有するポリビニルアルコール(PVA)等からなる偏光層を有するものが挙げられる。偏光子は、前記偏光層に必要に応じてトリアセチルセルロース(TAC)等の保護層が積層されたものを用いることができる。
【0043】
本発明の偏光板は、前記の負の固有複屈折値を有する層(a)を含んでなるλ/4波長板と、前記負の二軸性を有する位相差板と、偏光子とを備え、これらが、前記層(a)の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が45±2度となるように積層されてなる。積層の順序は、液晶セル側から、λ/4波長板、負の二軸性を有する位相差板、偏光子の順が好ましい。
【0044】
積層の方法としては、λ/4波長板、負の二軸性を有する位相差板、偏光子を個別にフィルムに成形し、貼り合わせ角度が本発明規定の範囲になるようにそれぞれ切断してから貼り合わせることもできるが、予め貼り合わせる角度が規定の範囲になるようにフィルムを斜め延伸等しながら、又は斜め延伸等の後に一旦ロールに巻き取った後に、ロールトゥロールで貼り合わせるのが、生産性等の観点から好ましい。また、各フィルムの貼り合わせは、従来の偏光板の各フィルムの貼り合わせに通常用いられている方法によることができ、必要に応じて、接着剤や粘着剤を使用することもできる。
【0045】
本発明の偏光板の具体的な積層構造を図1及び図2に示す。図1は、本発明の偏光板の好ましい実施形態の概略を示す斜視図である。図2は、図1に示す偏光板のX−Y断面図である。
【0046】
図1において、λ/4波長板の遅相軸(a)と、偏光子の吸収軸(b)とのなす角度は45度であり、負の二軸性を有する位相差板の配向軸(c)と、偏光子の吸収軸(b)とのなす角度は90度である。
【0047】
図2において、λ/4波長板は、負の固有複屈折値を有する層(a)の両側に、熱可塑性樹脂の層(b)が積層されている。また、偏光子は、PVA(ポリビニルアルコール)から成る偏光層の片側又は両側に保護層が積層されていてもよい。図2において、負の二軸性位相差板2は、偏光層の保護層を兼ねてもよい。
【0048】
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、本発明の前記偏光板を備えており、具体的には、液晶セルに本発明の偏光板を積層して構成される。本発明の液晶表示装置の具体的な実施形態を図3及び図4に示す。図3は、前記図1及び図2に示す偏光板を液晶セルと組み合わせた第1実施形態に係る液晶表示装置の断面図、図4は、図1及び図2に示す偏光板を液晶セルと組み合わせた第2実施形態に係る液晶表示装置の断面図である。
【0049】
本発明の液晶表示装置において、λ/4波長板1、負の二軸性を有する位相差板2及び偏光子3を備える本発明の偏光板は、液晶セルの反表示面(表示面と反対の面)側に、前記λ/4波長板1が液晶セル5側になるように積層して構成される。液晶セル5の表示面側には、本発明の偏光板に用いられるλ/4波長板1と、偏光子3とを積層してなる偏光板を、同じくλ/4波長板1が液晶セル5側になるように積層して用いることができるが(図3:第1実施形態)、液晶セル5の表示面側にも、λ/4波長板1、負の二軸性を有する位相差板2及び偏光子3を備える本発明の偏光板を、λ/4波長板1が液晶セル5側になるようにして積層して用いるのがより好ましい(図4:第2実施形態)。
【0050】
また、前記第1実施形態及び第2実施形態のいずれの場合においても、液晶セル5と偏光板(本発明の偏光板及び、前記第1実施形態において液晶セル5の表示面側に積層する偏光板)との間に、一般的にネガティブCプレートといわれる負の一軸性を有する位相差板を積層するのが、視野角補償などの観点より好ましい。
【0051】
[ネガティブCプレート]
ネガティブCプレートは、本発明の偏光板に用いる前記負の二軸性を有する位相差板のNz係数を示す式におけるのと同じnx、ny及びnzを用いたときに、nx=ny>nzを満たす負の一軸性を有する位相差板のことである。本発明の液晶表示装置に用いるネガティブCプレートは、厚み方向の位相差(Rth)がRth≧140nmであるものを用いるのが、視野角補償などの観点より好ましい。尚、Rthは、上記nx、ny、nz及び位相差板の厚み(d)を用いて、Rth=((nx+ny)/2−nz)×dで表される。
【0052】
前記ネガティブCプレートは、本発明の偏光板に用いる前記負の二軸性を有する位相差板のものと同一の材料および同様の成形方法を用いて、二軸延伸により製造することができる。
【0053】
以上のようにして得られた、本発明に用いるネガティブCプレートは、面内方向の位相差(Re)が、好ましくは10nm以下、より好ましくは5nm以下であり、厚み方向の位相差Rthが、さらに好ましくは140〜280nmである。Re及びRthがこの範囲にあると、視野角補償に優れる。また、厚みは、通常30〜200μm、好ましくは50〜150μm、より好ましくは60〜100μmである。厚みがこの範囲にあると、製造適性に優れる。
【0054】
本発明の液晶表示装置は、携帯電話、PDA及びモバイル型パーソナルコンピューターなどのモバイル機器用の液晶表示装置、ノートブック型やデスクトップ型のパーソナルコンピューター用や液晶テレビ用の液晶表示装置などとして用いることができる。また、表示形式としては、透過型、反射型及び半透過型のいずれの表示形式の液晶表示装置としても用いることができる。さらに、液晶セルの形式として、IPS方式やVA方式などいずれの形式の液晶セル用にも用いることができる。そして、これらの中でも、VA方式の液晶セルと組み合わせて好適に用いることができる。
【実施例】
【0055】
以下、実施例及び比較例を示しながら、さらに詳細に説明する。本実施例における、各フィルム等の物性測定及び液晶表示装置の表示性能等の評価は、以下の方法によって行う。
【0056】
(1)ガラス転移温度(Tg)
フィルム用樹脂等のガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に基づいてDSCにて測定した。
【0057】
(2)フィルム厚み
スナップゲージ(ミツトヨ社製、ID−C112BS)を用いて、フィルムの幅方向50mm間隔で厚みを測定し、平均値T(μm)を求めた。
【0058】
(3)面内方向の位相差(Re)及び厚み方向の位相差(Rth)
位相差計(王子計測社製、KOBRA−21ADH)を用いて、フィルムの幅方向50mm間隔で、波長550nmにおけるRe及びRthを求め、その平均値を測定値とした。
【0059】
(4)配向角θ
偏光顕微鏡(オリンパス社製、BX51)を用いて、フィルムの幅方向50mm間隔で測定し、面内の遅相軸を測定し、遅相軸の方向とフィルム長手方向(MD方向)とのなす角度(配向角θ)の平均値を求め測定値とした。
【0060】
(5)正面コントラスト及び視野角依存性の評価
偏光板及びネガティブCプレートを、VA方式の液晶セルの両面に配置し、正面及び各方位におけるコントラストを目視観察にて相対評価した(表1)。また、4×4マトリクス法を用いた光学シミュレーションによりコントラストを計算し、これに基づくコントラスト等高線図を描画して評価した(図5)。
【0061】
実施例1
[λ/4波長板の製造]
(1-1:メタクリル酸エステル重合体の製造)
メタクリル酸メチル97.8重量%とアクリル酸メチル2.2重量%とからなるモノマー組成物を、バルク重合法により重合させ、樹脂ペレットを得た。
【0062】
(1-2:ゴム層を内層とする粒子の製造)
特公昭55-27576号公報の実施例3に準じて、ゴム層を内層とする粒子を製造した。この粒子は、球形3層構造を有し、芯内層が、メタクリル酸メチル及び少量のメタクリル酸アリルの架橋重合体であり、内層が、主成分としてのアクリル酸ブチルとスチレン及び少量のアクリル酸アリルとを架橋共重合させた軟質の弾性共重合体であり、外層が、メタクリル酸メチル及び少量のアクリル酸エチルの硬質重合体である。また、内層の平均粒子径は0.19μmであり、外層をも含めた粒径は0.22μmであった。
【0063】
(1-3:メタクリル酸エステル重合体の組成物の製造)
1-1で得た樹脂ペレット70重量部と、1-2で得たゴム層を内層とする粒子30重量部とを混合し、二軸押出機で溶融混練して、メタクリル酸エステル重合体(ガラス転移温度105℃)の組成物を得た。
【0064】
(1-4:複層フィルム及び延伸複層フィルムの製造)
1-3で得たメタクリル酸エステル重合体の組成物(層(b))、及び、負の固有複屈折値を有する樹脂であるポリスチレン樹脂(層(a):スチレン−無水マレイン酸共重合体、ガラス転移温度130℃)を、温度280℃で共押出成形することにより、層(b)/層(a)/層(b)の三層構造で、各層が45/70/45(μm)の厚みを有する複層フィルムを得た。
【0065】
得られた前記の未延伸3層複層フィルムをテンター延伸機で、配向角θが長手方向に対して45度傾いた方向になるように、延伸温度135℃、延伸倍率1.8倍で斜め延伸して延伸フィルムを得た。この延伸フィルムのReは140nm、Rthは−85nm、配向角θは長手方向に対して45度、厚みは90μmであった。これをλ/4波長板とした。
【0066】
[負の二軸性を有する位相差板の製造]
脂環式オレフィンポリマーである熱可塑性ノルボルネン樹脂の100μmのフィルム(オプテス社製、商品名:ゼオノアフィルムZF−14)を147℃にてパンタグラフ方式の同時二軸延伸機を用いて、フィルム押出成形時の樹脂の流れ方向(即ち、フィルム巻き取り方向:MD方向)に1.5倍、フィルムの幅方向(TD方向)に1.7倍に同時二軸延伸を行い二軸性延伸フィルムを得た。この二軸性延伸フィルムのNz係数は2.39、Reは90nm、Rthは170nm、配向角θは長手方向に対して0度、厚みは40μmであった。これを負の二軸性を有する位相差板aとした。
【0067】
[偏光板の製造]
ポリビニルアルコールのフィルム(平均重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚み80μm)にヨウ素を吸着させて得られた偏光子の両面に、平均厚み60μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルムが積層された偏光フィルムと、前記λ/4波長板である延伸フィルムと、前記ネガティブバイアキシャル板である二軸性延伸フィルムとを、ロールトゥロールにより、偏光フィルム−負の二軸性位相差板−λ/4波長板の積層順になるように貼り合わせて本発明の長尺の偏光板Aを得た。λ/4波長板の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は45度であった。
【0068】
また、前記偏光フィルムと前記λ/4波長板である延伸フィルムとを同様に貼り合わせて偏光板Dを得た。λ/4波長板の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は45度であった。
【0069】
[ネガティブCプレートの製造]
脂環式オレフィンポリマーである熱可塑性ノルボルネン樹脂の200μmのフィルム(オプテス社製、商品名:ゼオノアフィルムZF−14)を145℃にてパンタグラフ方式の同時二軸延伸機を用いて、MD方向及びTD方向のいずれにも1.5倍に同時二軸延伸を行い延伸フィルムを得た。この延伸フィルムのReは0nm、Rthは183nm、厚みは90μmであった。これをネガティブCプレートとした。
【0070】
[液晶表示装置の作製及び表示性能の評価]
VA方式の液晶セルの両面に前記ネガティブCプレートを貼り合わせた。さらにその上に、前記方法で得られた本発明の偏光板Aを液晶セルの反表示面側に、前記方法で得られた偏光板Dを液晶セルの表示面側に、いずれもλ/4波長板が液晶セル側になるように貼り合わせて本発明の液晶表示装置を作製した。偏光板A、偏光板Dを液晶セルに貼り合わせる際、偏光板Aの偏光フィルムの吸収軸と偏光板Dの偏光フィルムの吸収軸との交差角度が90度となるようにした。
【0071】
得られた前記液晶表示装置に、バックライトを装着して、前記方法により正面コントラスト及びコントラスの視野角依存性を目視観察して相対評価した。液晶表示装置の構成及び評価結果を表1に、コントラスト等高線図を図5に示す。
【0072】
実施例2
[負の二軸性を有する位相差板の製造]
脂環式オレフィンポリマーである熱可塑性ノルボルネン樹脂の100μmのフィルム(オプテス社製、商品名:ゼオノアフィルムZF−100)を156℃にて、テンター延伸機を用いて、2.8倍に横一軸延伸を行い二軸性延伸フィルムを得た。この二軸性延伸フィルムのNz係数は1.24、Reは85nm、Rthは62.5nm、配向角θは長手方向に対して0度、厚みは35μmであった。これを負の二軸性を有する位相差板bとした。
【0073】
[偏光板の製造]
負の二軸性を有する位相差板aに代えて、負の二軸性を有する位相差板bを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により偏光板Bを製造した。λ/4波長板の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は45度であった。
【0074】
[液晶表示装置の作製及び表示性能の評価]
偏光板A及び偏光板Dを、いずれも偏光板Bに代えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、液晶表示装置を作製して表示性能を評価した。液晶表示装置の構成及び評価結果を表1に、コントラスト等高線図を図5に示す。
【0075】
比較例1
[ポジティブCプレートの製造]
実施例1で得られた未延伸3層複層フィルムをパンタグラフ方式の同時二軸延伸機で、MD方向及びTD方向のいずれにも1.5倍に同時二軸延伸を行い延伸フィルムを得た。この延伸フィルムのReは0nm、Rthは−70nm、厚みは72μmであった。これをポジティブCプレートとした。
【0076】
[λ/4波長板の製造]
脂環式オレフィンポリマーである熱可塑性ノルボルネン樹脂の100μmのフィルム(オプテス社製、商品名:ゼオノアフィルムZF−14)を141℃にてフロート方式の縦延伸機を用いて、フィルム押出成形時の樹脂の流れ方向(即ち、フィルム巻き取り方向:MD方向)に1.3倍、縦一軸軸延伸を行い延伸フィルムを得た。この延伸フィルムのReは140nm、厚みは88μmであった。この延伸フィルムをλ/4波長板とした。
【0077】
[λ/2波長板の製造]
脂環式オレフィンポリマーである熱可塑性ノルボルネン樹脂の100μmのフィルム(オプテス社製、商品名:ゼオノアフィルムZF−14)を139℃にてフロート方式の縦延伸機を用いて、フィルム押出成形時の樹脂の流れ方向(即ち、フィルム巻き取り方向:MD方向)に1.5倍、縦一軸軸延伸を行い延伸フィルムを得た。この延伸フィルムのReは275nm、厚みは82μmであった。この延伸フィルムをλ/2波長板とした。
【0078】
[偏光板の製造]
実施例で用いた偏光フィルム、前記ポジティブCプレート、前記λ/2波長板及び前記λ/4波長板を、長方形にカットし、この記載の順に、貼り合わせて偏光板Eを製造した。貼り合わせの際、λ/2波長板の遅相軸と偏光フィルムの吸収軸との交差角度が15度、λ/4波長板の遅相軸と偏光フィルムの吸収軸との交差角度が75度となるようにした。
【0079】
[液晶表示装置の作製及び表示性能の評価]
偏光板Bに代えて偏光板Eを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法により、液晶表示装置を作製して表示性能を評価した。液晶表示装置の構成及び評価結果を表1に、コントラスト等高線図を図5に示す。
【表1】

【0080】
表1及び図5に示した評価結果より、本発明の偏光板を用いて作製した本発明の液晶表示装置は、λ/4波長板、λ/2波長板、及びポジティブCプレートを貼り合わせた偏光板を用いた比較例の液晶表示装置と比較して、仰角を大きくしていった場合でもそのコントラストが低下することが少なく、コントラストの視野角依存性に優れており(実施例1及び実施例2)、また、本発明の偏光板を液晶セルの両面に用いた場合には、そのコントラストの視野角依存性はさらに向上することが確認できた(実施例2)。
【0081】
図5に示すコントラスト等高線図において、中心から同心円で描かれている複数の円形状の目盛り線は、直角方向(表示面の法線方向)と観察方向とのなす角度であり、内側から20度、40度、60度、及び最外周が80度を示している。また、中心から放射状に配置される目盛り線は、横軸右方向に延びる線を0度として、反時計回りに30度、60度、90度、120度、150度、180度、210度、240度、270度、300度、330度を示している。コントラストを示す等高線は、内側から500(cd/m)、100(cd/m)、50(cd/m)、10(cd/m)を示している。比較例1と比較して、実施例1、さらに実施例2のコントラストの視野角依存性が小さくなっており、視野角特性が向上していることがわかる。
【0082】
なお、本発明の偏光板は、ロールトゥロールなどの連続処理による貼り合わせが可能なため、生産性にも優れている。
【0083】
以上説明した実施形態及び実施例は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態及び実施例に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態に係る偏光板の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る偏光板の概略構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図5】比較例との比較における実施例のコントラスト等高線図である。
【符号の説明】
【0085】
1 …λ/4波長板
1x…λ/4波長板の遅相軸
1a…層(a)
1b…層(b)
2 …負の二軸性位相差板
2x…負の二軸性位相差板の遅相軸
3 …偏光子
3x…偏光子吸収軸
4 …ネガティブCプレート
5 …液晶セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の固有複屈折値を有する層(a)を含んでなるλ/4波長板と、
負の二軸性位相差板と、
偏光子とを備え、
これらが、前記層(a)の遅相軸と前記偏光子の吸収軸とのなす角度が45±2度となるように積層されてなる偏光板。
【請求項2】
前記λ/4波長板は、前記層(a)と、熱可塑性樹脂からなる層(b)との積層体である請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記層(a)は、固有屈折率が負の値を示す熱可塑性樹脂からなる請求項1又は2のいずれかに記載の偏光板。
【請求項4】
前記固有屈折率が負の値を示す熱可塑性樹脂は、ポリスチレン樹脂である請求項3に記載の偏光板。
【請求項5】
前記負の二軸性位相差板は、熱可塑性樹脂からなる請求項1に記載の偏光板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板を有する液晶表示装置。
【請求項7】
前記偏光板は、液晶セルの両側の少なくとも一方に配置された請求項6に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−225283(P2008−225283A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66109(P2007−66109)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】