説明

健診レポート閲覧システム、データ管理プログラム、及びデータ管理方法

【課題】 自宅に居ながらにして健診レポートを閲覧することができる健診レポート閲覧システムを提供すること。
【解決手段】 健康診断を行う高度医療機関に設置され、健診レポートを作成するレポート作成装置14と、医療画像撮影装置12により撮影された受診者の画像データ及びレポート作成装置14により作成された健診レポートを記憶するデータ管理装置2と、データ管理装置2とインターネットを介して接続された受診者装置3及び診療所装置4とを備える。受診者は自宅に設置された受診者装置3からデータ管理装置2にアクセスし、自己の健診レポートを閲覧することができる。また、診療所装置4が設置された診療所に勤務する医師は、診療所装置4を介してデータ管理装置2にアクセスし、かかりつけの患者の健診レポートを閲覧することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高度医療機関において作成された健診レポートをインターネット等のネットワークを介して閲覧する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CT検査装置やPET検査装置等の医療撮影装置を用いた健康診断に対する要求が高まっているが、かかる医療撮影装置は非常に高価であり小規模乃至は中規模の病院に設置されていることは希である。そのため、このような医療撮影装置を用いた健康診断は、大学病院等の高度な医療サービスを提供する高度医療機関において実施されることが一般的である。
【0003】
健診レポートは、健康診断の実施後、受診者の自宅に郵送されるが、この場合、受診者は、健診レポートを紛失しないように大切に保管しなければならず煩わしい。また、健診レポートを紛失した場合は、健診レポートを再発行してもらうことも可能であるが、再発行の手続が煩わしい受診者に対しては大きな負担となっている。したがって、自宅に居ながらにして気軽に健診レポートを閲覧することができれば非常に便利である。
【0004】
特許文献1には、医療画像撮影設備を保有する医療機関に患者が出向き、患者の部位を撮影し、得られた画像データを医療データ管理サーバに保管し、保管した画像に対する専門医の画像読影診断報告書を医療データ管理サーバに保管し、保管した画像読影診断報告書及び画像データを医療画像撮影設備を保有していない医療機関に送信し、当該医療機関の医師が、送信された画像読影診断報告書及び画像データを基に診断を下し、患者に説明する高度医療画像診断システムが開示されている。しかしながら、このシステムでは、診断結果を知るためには、患者は医療機関に出向く必要があり、負担が大きいという問題があった。
【特許文献1】特開2002−15062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、受診者が自宅に居ながらにして健診レポートを閲覧することができる健診レポート閲覧システム、データ管理装置、及びデータ管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる健診レポート閲覧システムは、健康診断が実施される高度医療機関により所有されるレポート作成装置と、前記レポート作成装置に対し通信可能に接続されたデータ管理装置と、受診者の居所に設置され、前記データ管理装置と通信可能に接続された受診者装置とを備える健診レポート閲覧システムであって、前記レポート作成装置は、受診者の健診レポートを作成する作成手段と、前記健診レポートを受診者の識別情報と対応づけて前記データ管理装置に送信する送信手段とを備え、前記受診者装置は、前記データ管理装置に対して健診レポートの閲覧要求を行う閲覧要求手段と、前記データ管理装置から送信された健診レポートを表示する表示手段とを備え、前記データ管理装置は、前記レポート作成装置により送信された健診レポートと当該健診レポートに対応づけられた識別情報とを関連づけて記憶するレポート記憶手段と、前記受診者装置から閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有する者であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記オペレータが閲覧権限を有する者であると判定された場合、当該オペレータが閲覧権限を有する健診レポートを前記受診者装置に転送する転送手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記健診レポート閲覧システムにおいて、前記高度医療機関と業務提携された診療所に設置され、前記データ管理装置と通信可能に接続され、前記閲覧要求手段及び前記表示手段を具備する診療所装置を更に備え、前記レポート作成装置の送信手段は、医療画像撮影装置により撮影された受診者の画像データを前記健診レポートと併せて前記データ管理装置に送信し、前記健診レポートは、医療専門家向けの専門健診レポートを含み、前記データ管理装置の転送手段は、前記診療所装置に対しては、前記専門健診レポートを含む健診レポートと前記画像データとを転送し、前記受診者装置に対しては、前記専門健診レポートと前記画像データとを除く健診レポートを転送することが好ましい。
【0008】
本発明にかかるデータ管理プログラムは、高度医療機関により所有されるレポート作成装置によって作成された受診者の健診レポートを当該受診者の識別情報と対応づけて記憶するレポート記憶手段、受診者の居所に設置される受診者装置から送信される閲覧要求を受け付け、当該閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有する者であるか否かを判定する判定手段、前記判定手段により前記オペレータが閲覧権限を有する者であると判定された場合、当該オペレータが閲覧権限を有する健診レポートを前記受診者装置に転送する転送手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるデータ管理方法は、コンピュータが、高度医療機関により所有されるレポート作成装置によって作成された受診者の健診レポートを当該受診者の識別情報と対応づけて記憶するステップと、コンピュータが、受診者により所有される受診者装置から送信される閲覧要求を受け付け、当該閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有する者であるか否かを判定するステップと、コンピュータが、前記判定手段により前記オペレータが閲覧権限を有する者であると判定された場合、当該オペレータが閲覧権限を有する健診レポートを前記受診者装置に転送するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、高度医療機関が所有するレポート作成装置は、健診レポートを作成してデータ管理装置に送信し、データ管理装置は、送信された健診レポートと受診者の識別情報とを対応づけてレポート記憶手段に記憶する。受診者が所持する受診者装置は、データ管理装置に対して閲覧要求を行う。閲覧要求が行われたデータ管理装置は、閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有するか否かを判定し、閲覧権限を有する場合、当該オペレータが閲覧権限を有する健診レポートを受診者装置に送信する。健診レポートを受信した受診者装置は、受信したレポートを表示する。そのため、受診者は、自宅に居ながらにして健診レポートを閲覧することができる。また、データ管理装置は、閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有するか否かを判定しているため、受診者とは無関係の第3者に対して、当該受診者の健診レポートが閲覧されることを防止することができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、医療専門家向けの専門健診レポートを含む健診レポートと医療撮影装置により撮影された受診者の画像データとは、診療所装置にのみ送信され、受診者装置には専門健診レポート及び画像データを除く健診レポートが送信されるため、受診者に明示するには不適切な専門的な健診レポートが受診者によって閲覧されることが防止される。また、診療所に属する医療専門家は、画像データ等の閲覧を行うことが可能であるため、診療所が受診者のかかりつけの診療所であるような場合、受診者は、なじみのある医師等を介して診断結果の解説を受けることができ、受診者は診断結果の理解をより深めることができる。
【0012】
請求項3及び4記載の発明によれば、受診者は自宅に居ながらにして健診レポートを閲覧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて、本発明にかかる健診レポート閲覧システムの一実施形態について説明する。図1は、本実施形態による健診レポート閲覧システムの構成を示したブロック図である。本健診レポート閲覧システムは、高度医療機関に設置されたレポート作成装置14と、データ管理センターに設置されたデータ管理装置2と、受診者の自宅(居所)に設置された受診者装置3と、提携医療機関に設置された診療所装置4とを備えている。
【0014】
レポート作成装置14及びデータ管理装置2はVPN(virtual private network)等の専用回線を介して通信可能に接続されている。データ管理装置2及び診療所装置4間は、インターネット回線を介して通信可能に接続されている。データ管理装置2及び受診者装置3はインターネット回線を介して通信可能に接続されている。なお、データ管理装置2及び診療所装置4間、データ管理装置2及び受診者装置3間をVPN等の専用回線により接続してもよい。
【0015】
高度医療機関は、大学病院、健康診断を専門に取り扱う診療所等、高価な医療設備を所持し、高度な医療サービスを提供しうる医療機関が該当する。提携医療機関は、高度医療機関と業務提携している医療機関であり、例えば所属する医師が1〜2名程度の小規模な診療所や、主に健康診断を取り扱う医療機関あるいは中規模の医療機関であって、高価な医療設備を所持していない医療機関が該当する。
【0016】
自宅は、高度医療機関において、健康診断を受診した受診者の住居が該当する。データ管理センターは、本レポート閲覧システムを技術的にサポートする情報サービス会社が所有するビルディングが該当する。
【0017】
高度医療機関には、レポート作成装置14の他、予約サーバ11、医療画像撮影装置12、医療画像表示装置15、会計装置13、レポート作成装置14及びプリンタ16等が設置されている。予約サーバ11〜プリンタ16は、LAN(local area network)回線Lにより種々のデータが送受信可能に接続されている。
【0018】
予約サーバ11は、一般的なパーソナルコンピュータから構成され、健康診断の依頼を受け付け、健康診断のスケジュール管理を行う装置であり、健康診断の依頼受付時に受診者を識別するためのID番号及びID番号に対応するパスワードを発行する。ID番号(識別情報)は、各受診者に対し固有の番号が付与される。このID番号に従って、受診者に対する健診レポートや、医療画像撮影装置12により撮影された受診者の画像データ等が管理される。パスワードは、受診者によって任意に決められた記号列からなる。なお、ID番号及びパスワードは、受診者がデータ管理装置にログインする際にも用いられる。
【0019】
医療画像撮影装置12は、MRI(magnetic resonance imaging;磁気共鳴断層撮影法)検査装置、CT(computed tomography;コンピュータ断層撮影法)検査装置、PET(positron emission tomography;ポジトロン断層撮影法)検査装置、連続X血管撮影装置(DSA)、及び放射性同位元素画像診断装置(RI)等の装置が含まれる。医療画像撮影装置12により撮影された画像データは、DICOMと呼ばれる主に医療画像用に開発されたデータフォーマットに変換され保存される。
【0020】
会計装置13は、一般的なパーソナルコンピュータから構成され、受診者が受診する健康診断のコースや、コース毎に設けられた受診項目のうち、受診者が受診した受診項目等から、健康診断に要した費用を算出して領収書を作成する。
【0021】
医療画像表示装置15は、DICOM形式の画像データを表示装置に表示することができるDICOMビュワーがインストールされた一般的なパーソナルコンピュータから構成され、医療画像撮影装置12により撮影された画像を表示する。
【0022】
プリンタ16は、会計装置13により生成された領収書及び医療画像撮影装置12により撮影された画像を記録紙に印刷する。
【0023】
レポート作成装置14は、通信装置を備える一般的なパーソナルコンピュータから構成され、健康診断に対する診断結果を示すデータの入力を受け付け、入力されたデータにしたがって、受診者毎の健診レポートを作成し、作成した健診レポートを当該受診者の個人情報と併せてデータ管理装置2に送信する。健診レポートは、提携医療機関に属する医師に閲覧させるための専門健診レポートと、受診者に閲覧させるための一般健診レポートとを含む。さらに、専門健診レポートは、医療画像撮影装置12により撮影された画像に対する医師の診断結果が示された画像診断レポートとを含む。
【0024】
個人情報には、受診者のID番号、ID番号に対応するパスワード、氏名、年齢、性別、居所、及び受診者の健診レポートを閲覧することができる診療所を示す情報(診療所情報)等が含まれる。ここで、診療所情報は、受診者の健診レポートを閲覧することができる1又は複数の診療所を示す診療所ID番号から構成されている。診療所ID番号は、高度医療機関と業務提携している診療所に対して付与された固有の番号である。
【0025】
次に、データ管理装置2について説明する。図2は図1に示すデータ管理装置のブロック図を示している。データ管理装置2は、WEBサーバとしての機能を備える一般的なコンピュータから構成され、CPU21、ROM22、RAM23、ハードディスクドライブ(HDD)24、及び通信装置25等を備えている。CPU21〜通信装置25は、バスラインにより種々のデータが送受信可能に接続されている。
【0026】
HDD24は、ID番号記憶部241、健診レポート記憶部242及び提携診療所記憶部243を備えている。ID番号記憶部241は、レポート作成装置14から送信された個人情報から、CPU21により抽出された受診者のID番号と、当該ID番号に対応するパスワードとを関連づけて記憶する。
【0027】
健診レポート記憶部242は、レポート作成装置14から送信された個人情報、健診レポート及び画像データを記憶する。図3は、健診レポート記憶部242が記憶するデータを概念的に示した図面である。健診レポート記憶部242は、ID番号を主キーとする受診者毎のレコードから構成され、各レコードには、ID番号、個人情報、一般健診レポート、専門健診レポート、及び画像データをそれぞれ記憶するフィールドが含まれている。また、健診レポート記憶部242は、受診者の個人情報の詳細を示すサブレコードを記憶している。このサブレコードは、ID番号、氏名、年齢、性別、居所、及び診療所情報をそれぞれ格納するためのフィールドを含んでいる。
【0028】
図2に示す提携診療所記憶部243は、前記診療所ID番号と、当該ID番号に対応するパスワードとを記憶している。その他、HDD24は、オペレーティングシステム、及びコンピュータをデータ管理装置として機能させるプログラム、コンピュータをWEBサーバとして機能させるプログラム等を記憶している。
【0029】
CPU21は、データ管理装置2から送信されたID番号及びパスワードを受信したとき、ID番号記憶部241を参照し、受信したID番号及びパスワードが健診レポートを閲覧する権限を有する者が所有するID番号及びパスワードであるか否かの判定を行う。
【0030】
RAM23はCPU21の作業領域として使用され、ROM22はBIOS等のプログラムを記憶している。通信装置25は、モデム等から構成され、レポート作成装置14及びデータ管理装置間におけるデータの送受信を制御する。また、通信装置25は、受診者装置3及びデータ管理装置2間におけるデータの送受信制御、並びに、診療所装置4及びデータ管理装置2間におけるデータの送受信の制御を行う。
【0031】
図1に示す受診者装置3は、一般的なパーソナルコンピュータから構成され、データ管理装置2に対して受診者のID番号及びパスワードを送信する。また、受診者装置3は、データ管理装置2から送信された一般健診レポートを表示部に表示する。
【0032】
診療所装置4は、一般的なパーソナルコンピュータから構成され、データ管理装置2に対して、受診者のID番号及びパスワードを送信する。また、診療所装置4は、データ管理装置2から送信された健診レポートを表示部に表示する。
【0033】
次に、図4に示すフローチャートに従って、レポート作成装置14及びデータ管理装置2間で行われるデータの送受信処理について説明する。まず、ステップS101において、レポート作成装置14は、予約サーバ11から受診者の個人情報を取得する。ここで個人情報は、例えば、受診者が健康診断に訪れた際、受付係等のオペレータが予約サーバ11に対して、受診者の個人情報を入力することにより作成され、レポート作成装置14に送信されることによりレポート作成装置14は、個人情報を取得する。レポート作成装置14は、この個人情報をハードディスク等の記憶装置に記憶する。
【0034】
ステップS102において、レポート作成装置14は、オペレータによる健診結果を示すデータの入力を受け付け、健診結果を示すデータを取得する。ここで、レポート作成装置14は、例えば、健診項目に対する入力欄を具備する所定の入力用のフォーマット画像を表示部に表示させ、オペレータに各健診項目に対する健診結果を入力させることにより健診結果を取得する。この入力用のフォーマット画像は、一般健診レポート、専門健診レポートのそれぞれに対応する入力用のフォーマット画像が存在している。また、専門健診レポートに対応する入力用のフォーマット画像は、画像診断結果の入力用のフォーマット画像と、画像診断結果以外の診断結果の入力用のフォーマット画像とが存在する。
【0035】
ステップS103において、レポート作成装置14は、医療画像撮影装置12により撮影された画像データを取得する。ステップS104において、レポート作成装置14は、取得した健診結果を示すデータ及び画像データを用いて健診レポートを作成する。
【0036】
ステップS105において、レポート作成装置14は、作成した健診レポート並びに取得した個人情報及び画像データをデータ管理装置2に送信する。
【0037】
ステップS201において、データ管理装置2が、健診レポート、個人情報及び画像データを受信した場合(ステップS201でYES)、データ管理装置2は、受信した個人情報から、ID番号及びパスワードを抽出し、抽出したID番号及びパスワードを対応づけてID番号記憶部241に記憶させる(ステップS202)。
【0038】
ステップS203において、データ管理装置2は、個人情報からID番号を抽出し、抽出したID番号を主キーとするレコードを作成し、作成したレコードに、個人情報、一般健診レポート、専門健診レポート、及び画像データを格納し、健診レポート記憶部242に記憶させる。一方、ステップS201において、データ管理装置2が、健診レポート、個人情報及び画像データを受信していない場合(ステップS201でNO)、処理がステップS201に戻される。
【0039】
次に、図5に示すフローチャートに従って、データ管理装置2及び受診者装置3間で行われるデータの送受信処理について説明する。まず、ステップS401において、受診者装置3は、データ管理装置2に対してID番号及びパスワードを送信する。この場合、受診者装置3は、オペレータの操作指令に従ってデータ管理装置2のホームページにアクセスし、このホームページに表示されるID番号入力欄及びパスワードの入力欄に、自己のID番号及びパスワードを入力し、送信ボタンをクリックすることにより、ID番号及びパスワードをデータ管理装置2に送信する。ここで、オペレータとしては、受診者が該当する。
【0040】
ステップS301において、データ管理装置2が、ID番号及びパスワードを受信した場合(ステップS301でYES)、ID番号記憶部241を参照し、当該ID番号及びパスワードを入力したオペレータが健診レポートを閲覧する権限を有するか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、データ管理装置2は、受信したID番号がID番号記憶部241に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合、受信したパスワードが当該ID番号に対応するパスワードであるか否かを判定し、対応するパスワードである場合、当該オペレータは、健診レポートの閲覧権限を有すると判定する。これにより、オペレータはデータ管理装置2にログインする。
【0041】
一方、データ管理装置2が、ID番号及びパスワードを受信していない場合(ステップS301でNO)、処理がステップS301に戻される。
【0042】
ステップS303において、データ管理装置2は、ID番号及びパスワードを入力したオペレータが閲覧権限を有していると判定した場合(ステップS303でYES)、データ管理装置2は、健診レポート記憶部242に記憶されている当該ID番号のレコードに格納された一般健診レポートを読み出し、受診者装置3に送信する(ステップS304)。
【0043】
一方、ステップS303において、データ管理装置2が閲覧権限を有しないと判定した場合(ステップS303でNO)、データ管理装置2は、閲覧できないことを示す情報(閲覧不許可情報)を受診者装置3に送信する(ステップS305)。
【0044】
ステップS402において、受診者装置3が、データ管理装置2から送信された一般健診レポートを受信した場合(ステップS402でYES)、受診者装置3は、受信した一般健診レポートを表示部に表示し(ステップS403)、処理が終了される。ここで、一般健診レポートは、HTML形式のデータで送信され、受診者装置3は、受診した一般健診レポートをWEBブラウザ上に表示する。
【0045】
受診者装置2が、データ管理装置2から一般健診レポートを受信していない場合(ステップS402でNO)、処理がステップS404に進められる。
【0046】
ステップS404において、受診者装置3が、データ管理装置2から閲覧不許可情報を受信した場合(ステップS404でYES)、データ管理装置2は、閲覧不許可情報を表示部に表示し(ステップS405)、処理が終了される。一方、データ管理装置2が、閲覧不許可情報を受信していない場合(ステップS404でNO)、処理がステップS402に戻される。
【0047】
次に、図6に示すフローチャートにしたがって、データ管理装置2及び診療所装置4間で行われるデータの送受信処理について説明する。まず、ステップS601において、診療所装置4は、オペレータの指示に従って診療所ID番号及びパスワードをデータ管理装置2に送信する。ここで、オペレータとしては、当該診療所で働いている医師、看護婦等が該当する。
【0048】
ステップS501において、データ管理装置2が、診療所ID番号及びパスワードを受信すると(ステップS501でYES)、データ管理装置2は、提携診療所記憶部243を参照することにより、受信した診療所ID番号及びパスワードが、閲覧権限を有する診療所のものであるか否かを判定する(ステップS502)。具体的には、受信した診療所ID番号が提携診療所記憶部243に記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合、さらに、受信したパスワードが記憶されている診療所ID番号に対応するものであるか否かを判定し、オペレータの閲覧権限の有無を判定する。これにより、オペレータはデータ管理装置2にログインする。
【0049】
ステップS503において、データ管理装置2が、受信した診療所ID番号が閲覧権限を有する診療所のものであると判定した場合(ステップS503でYES)、データ管理装置2は、健診レポート記憶部242に記憶された各レコードの診療所情報のフィールドを参照することにより、当該診療所に対して健診レポートの閲覧が許可されている受診者の受診者リストを作成し、診療所装置4に送信する(ステップS504)。この受診者のリストには、例えば受診者の氏名及びID番号が一覧表示されている。
【0050】
ステップS602において、診療所装置4が受診者のリストを受信した場合(ステップS602でYES)、診療所装置4は、オペレータにより選択された受診者を特定する情報をデータ管理装置2に送信する(ステップS603)。具体的には、オペレータは、受診者のリストの中から健診レポートを閲覧したい受診者が表示された欄をクリックすることにより受診者の選択し、受診者を特定する情報を送信する。一方、ステップS602において、診療所装置4が受診者のリストを受信しなかった場合(ステップS602でNO)、処理がステップS606に進められる。
【0051】
ステップS505において、データ管理装置2が、受診者を特定するための情報を受信した場合(ステップS505でYES)、データ管理装置2は、受診者を特定するための情報が示す受診者のレコードに格納された一般健診レポート、専門健診レポート、及び画像データを健診レポート記憶部242から読み出し、診療所装置4に送信する(ステップS506)。一方、ステップS505において、データ管理装置2が、受診者を特定するための情報を受信しなかった場合(ステップS505でNO)、処理がステップS505に戻される。
【0052】
一方、ステップS503において、データ管理装置2が閲覧権限を有しないと判定した場合(ステップS503でNO)、データ管理装置2は、閲覧不許可情報を診療所装置4に送信する(ステップS507)。
【0053】
ステップS604において、診療所装置4が一般健診レポート、専門健診レポート、及び画像データを受信した場合(ステップS604でYES)、診療所装置4は、オペレータの操作指令に従って、受信した一般健診レポート、専門健診レポート、及び画像データを表示部に表示し(ステップS605)、処理が終了される。ステップS604において、診療所装置4が一般健診レポート、専門健診レポート、及び画像データを受信しなかった場合(ステップS604でNO)、処理がステップS604に戻される。
【0054】
ステップS606において、診療所装置4が閲覧不許可情報を受信した場合(ステップS606でYES)、診療所装置4は、閲覧不許可情報を表示部に表示し(ステップS607)、処理が終了される。一方、ステップS606において、診療所装置4が閲覧不許可情報を受信しなかった場合(ステップS606でNO)、処理がステップS602に戻される。
【0055】
以上、説明したように、本診断レポート閲覧システムによれば、受診者のID番号と健診レポートとが対応づけられてデータ管理装置2に記憶されており、受診者は、自宅の受診者装置3を介してID番号及びパスワードを入力すると、受診者装置3に対して、当該受診者の健診レポートが送信されるため、受診者は、自宅に居ながらにして自己の健診レポートを閲覧することができる。
【0056】
また、診療所装置4は、健診レポートを閲覧の閲覧が許可されている受診者の中から所望する受診者の健診レポートを閲覧することができるため、診療所装置4の医師等は、かかりつけの患者の健診レポートを、診療所に居ながらにして閲覧することができる。そのため、医師はかかりつけの患者の健診レポートを参照して、当該患者に対してより適切な治療方法を見いだすことができる。
【0057】
なお、上記実施形態では、データ管理装置2は、受診者の各レコードには、一般健診レポート、専門健診レポート及び画像データが格納されるものとしたが、これに限定されず、例えば、医療画像撮影装置12による撮影が健診項目に含まれていない健診コースを選択した受診者のレコードには、画像データが記憶されず、また、専門健診レポートの作成を希望しない健診コースを選択した受診者のレコードには、専門健診レポートが含まれないというように、受診者が選択する健診コースに応じて、各受診者のレコードに格納されるデータの種類は異なるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態による健診レポート閲覧システムの構成を示したブロック図である。
【図2】データ管理装置のブロック図を示している。
【図3】健診レポート記憶部記憶するデータを概念的に示した図面である。
【図4】レポート作成装置及びデータ管理装置間で行われるデータの送受信処理について説明する。
【図5】データ管理装置及び受診者装置間で行われるデータの送受信処理を示すフローチャートである。
【図6】データ管理装置及び診療所装置間で行われるデータの送受信処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
2 データ管理装置
3 受診者装置
4 診療所装置
11 予約サーバ
12 医療画像撮影装置
13 会計装置
14 レポート作成装置
15 医療画像表示装置
16 プリンタ
25 通信装置
241 ID番号記憶部
242 健診レポート記憶部
243 提携診療所記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康診断が実施される高度医療機関により所有されるレポート作成装置と、前記レポート作成装置に対し通信可能に接続されたデータ管理装置と、受診者の居所に設置され、前記データ管理装置と通信可能に接続された受診者装置とを備える健診レポート閲覧システムであって、
前記レポート作成装置は、
受診者の健診レポートを作成する作成手段と、
前記健診レポートを受診者の識別情報と対応づけて前記データ管理装置に送信する送信手段とを備え、
前記受診者装置は、
前記データ管理装置に対して健診レポートの閲覧要求を行う閲覧要求手段と、
前記データ管理装置から送信された健診レポートを表示する表示手段とを備え、
前記データ管理装置は、
前記レポート作成装置により送信された健診レポートと当該健診レポートに対応づけられた識別情報とを関連づけて記憶するレポート記憶手段と、
前記受診者装置から閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有する者であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記オペレータが閲覧権限を有する者であると判定された場合、当該オペレータが閲覧権限を有する健診レポートを前記受診者装置に転送する転送手段とを備えることを特徴とする健診レポート閲覧システム。
【請求項2】
前記高度医療機関と業務提携された診療所に設置され、前記データ管理装置と通信可能に接続され、前記閲覧要求手段及び前記表示手段を具備する診療所装置を更に備え、
前記レポート作成装置の送信手段は、医療画像撮影装置により撮影された受診者の画像データを前記健診レポートと併せて前記データ管理装置に送信し、
前記健診レポートは、医療専門家向けの専門健診レポートを含み、
前記データ管理装置の転送手段は、前記診療所装置に対しては、前記専門健診レポートを含む健診レポートと前記画像データとを転送し、前記受診者装置に対しては、前記専門健診レポートと前記画像データとを除く健診レポートを転送することを特徴とする請求項1記載の健診レポート閲覧システム。
【請求項3】
高度医療機関により所有されるレポート作成装置によって作成された受診者の健診レポートを当該受診者の識別情報と対応づけて記憶するレポート記憶手段、
受診者の居所に設置される受診者装置から送信される閲覧要求を受け付け、当該閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有する者であるか否かを判定する判定手段、
前記判定手段により前記オペレータが閲覧権限を有する者であると判定された場合、当該オペレータが閲覧権限を有する健診レポートを前記受診者装置に転送する転送手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするデータ管理プログラム。
【請求項4】
コンピュータが、高度医療機関により所有されるレポート作成装置によって作成された受診者の健診レポートを当該受診者の識別情報と対応づけて記憶するステップと、
コンピュータが、受診者により所有される受診者装置から送信される閲覧要求を受け付け、当該閲覧要求を行ったオペレータが閲覧権限を有する者であるか否かを判定するステップと、
コンピュータが、前記判定手段により前記オペレータが閲覧権限を有する者であると判定された場合、当該オペレータが閲覧権限を有する健診レポートを前記受診者装置に転送するステップとを備えることを特徴とするデータ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−236061(P2006−236061A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50717(P2005−50717)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【Fターム(参考)】