側溝用ブロック
【課題】 警告音や振動の発生部分の耐久性が向上すると共に製造が容易な側溝用ブロックを提供する。
【解決手段】 側溝用ブロック17は、上面部21に形成した凹部23の形状が平面視台形形状を有している。そして、その短い方の辺となる上底が歩車道境界ブロック33側に位置するように配置され、側溝用ブロック17の長手方向に対して複数の凹部23が所定間隔で形成されている。凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aは、側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜することになる。また、凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aに対向する側辺11bは、側溝用ブロック17の長手方向に対して直交するように形成されている。角度αについては、5°〜10°にすることが好ましい。
【解決手段】 側溝用ブロック17は、上面部21に形成した凹部23の形状が平面視台形形状を有している。そして、その短い方の辺となる上底が歩車道境界ブロック33側に位置するように配置され、側溝用ブロック17の長手方向に対して複数の凹部23が所定間隔で形成されている。凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aは、側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜することになる。また、凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aに対向する側辺11bは、側溝用ブロック17の長手方向に対して直交するように形成されている。角度αについては、5°〜10°にすることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は側溝用ブロックに関し、特に、車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックには、その上部に凹溝を施したものが多くある(例えば、特許文献1参照)。又、上部に格子状又は網目状の多数の凹溝が形成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。更に、表面にタイル状突出板面等を施したものがある(例えば、特許文献3参照)。又、U字溝側壁の上端部に装着されたスリップ止めの付いた金属製の保護枠がある(例えば、特許文献4参照)。これらはそれぞれに排水性が良くなったり、車や歩行者のスリップ防止といった効果がある。
【0003】
上記のような従来の側溝用ブロックの上部表面に施された溝や凹凸模様は、排水性を良くしたり、又は、人や車が通る際にスリップをしないようにする目的で設けられたものである。即ち、車道側から運転手の居眠りや脇見運転等で車両が異常に歩道側に接近した場合の警告となるものとしては不十分なものである。
【0004】
又、車両が歩道側に乗り上げないように縁石の高さを高くするように構造変更すると工費が高くなってしまい、又、小さな子供が縁石に隠れてしまい却って危険な状況が発生する虞も生じる。
【0005】
そこで、特許文献5に示されているように本出願人は車両が異常に歩道側に近付いた時、音や振動を歩行者や運転手に伝えることができる側溝用ブロックを提案した。
【0006】
図13はこの側溝用ブロックの概略形状を示した斜視図であり、図14は図13で示した側溝用ブロックの使用状態を示した概略断面図である。
【0007】
これらの図を参照して、側溝用ブロック57はほぼ直方体形状よりなる胴本体19を中心として構成されている。胴本体19にはその長手方向に貫通する空洞20が形成されている。この空洞20は、設置時において車道等から流れ込んだ雨水等を排水するために形成されているものである。又、胴本体19の上面部はその幅方向において車道側から歩道側へ傾斜するように構成されている。上面部21の歩道側の角には歩車道境界ブロック33の一部と嵌合する凹部22が長手方向の両端部まで形成されている。
【0008】
又、空洞20の上部には、上面部21から空洞20に達するように形成されたスリット64が、胴本体19の長手方向の両端部まで延びるように形成されている。更に、スリット64によって分割された上面部21のうち、車道側の部分には胴本体19の長手方向に所定間隔で形成された複数の突起体63a、突起体63bが、胴本体19に対して一体的に形成されている。
【0009】
設置時にあっては、図14に示されているように胴本体19は基礎砕石27の上に均しモルタル30を介して設置される。車道側にあっては、上面部21の面とその上面が整列するように車道アスファルト29が基礎砕石28上に施工されている。一方、歩道側にあっては、基礎砕石31の上に歩道アスファルト32が施工されており、胴本体19との境界において歩車道境界ブロック33が胴本体19の凹部22に嵌合した状態で取り付けられている。
【0010】
図15は図14で示した断面図のように側溝用ブロック57が設置された場合の使用状態を示した概略斜視図である。
【0011】
図を参照して、車道側において車道アスファルト29の上をトラック65が脇見運転等によって歩道側に異常に近付いた場合を想定する。この場合、トラック65の前輪タイヤが側溝用ブロック57の上方を通過することになる。すると、トラック65のタイヤは側溝用ブロック57の突起体63を乗り越えて行くことになる。この時、突起体63の形状による特異な接触音が発生する。すると、歩道アスファルト32を歩いている児童66等が、この警告音によってトラック65に対して注意を促され、前もって危険を回避することが可能となる。尚、この警告音は乗り上げ時の振動と共にトラック65の運転手にも伝わることになり、特に居眠り運転時等において歩道に対しての異常な接近に対する注意を促すことになり、より安全性が向上する。
【特許文献1】特許第2896891号公報
【特許文献2】実開平2−97479号公報
【特許文献3】特開平11−217803号公報
【特許文献4】実開平2−37989号公報
【特許文献5】特開2006−169854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来の側溝用ブロックでは、警告音や振動を発生して伝達する構成としては十分なものであるが、突起体63が側溝用ブロック57の上面部21上に突出する態様で形成されているため、磨耗に対する耐久性が十分とは言えない場合がある。特に寒冷地域にあっては冬季に除雪プレートによる道路上の除雪作業がなされることがある。この場合、側溝用ブロック自体は道路の端部にあるためその影響が少ないと言えるが、突起体が磨耗し易い状態にあると言える。
【0013】
又、突起体を形成するためには、従来の側溝用ブロックの製造用金型に対して突起体に対応する溝部を形成する必要があり、金型の改造は容易ではない。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、警告音や振動の発生部分の耐久性が向上すると共に、製造が容易な側溝用ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が車道の上面に整列するように配置される胴本体と、上面部の一部が凹むように形成され、上面部の残部の少なくとも一部が長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部と、凹部の底面部分における下方位置と空洞とを挿通状態とする開口とを備え、1辺の歩道側の端部を通り、長手方向に対する直交方向と1辺とがなす角度が鋭角であるものである。
【0016】
このように構成すると、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となる。又、凹部に流れ込んだ雨水は開口を介して空洞へ流れ出る。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、凹部は、平面視台形形状を有し、凹部は歩道側に台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、台形形状における1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、長手方向に直交するように形成されるものである。
【0018】
このように構成すると、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交する。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、凹部は、平面視平行四辺形形状を有するものである。
【0020】
このように構成すると、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成される。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、凹部は複数形成され、各々は前記長手方向に一定間隔で配置されるものである。
【0022】
このように構成すると、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存する。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、隣接する凹部を連結するように形成される凹みを有する連結部を更に備えるものである。
【0024】
このように構成すると、歩道側へ接近する車両は凹部と凹みを有する連結部との両方を通過する。
【0025】
請求項6記載の発明は、車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が車道の上面に整列するように配置される胴本体と、上面部の一部が凹むように形成され、上面部の残部の少なくとも一部が長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部とを備え、1辺の歩道側の端部を通り、長手方向に対する直交方向と1辺とがなす角度が鋭角であり、凹部は複数形成され、各々は長手方向に一定間隔で配置され、上面部において、隣接する凹部の歩道側の部分を長手方向に連結するように形成される凹みを有する連結部と、凹みと空洞とを挿通状態とする開口とを更に備えるものである。
【0026】
このように構成すると、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となる。更に、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存する。更に、凹部に流入する雨水等は、連結部に移動し、開口を介して空洞へ流れ出る。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、凹部は、平面視台形形状を有し、凹部は歩道側に台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、台形形状における1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、長手方向に直交するように形成されるものである。
【0028】
このように構成すると、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交する。
【0029】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、凹部は、平面視平行四辺形形状を有するものである。
【0030】
このように構成すると、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成される。
【0031】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明の構成において、鋭角は5〜10°に設定されるものである。
【0032】
このように構成すると、歩道側へ接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り、側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度が5〜10°となる。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となるため、車両のタイヤと凹部の1辺との接触時間が短くなり、車両のタイヤと凹部とによる特異な接触音や振動が発生する。又、残部は車道の上面に整列しているため、耐久性に優れると共に、冬季における除雪プレートの作業時の影響を受けることが少なくなる。更に、凹部に流れ込んだ雨水は開口を介して空洞へ流れ出るため、残部や凹部に雨水等が残りにくくなるため、走行車による泥跳ねやスリップの虞が低減する。
【0034】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交するため、車両が歩道側に接近するときの車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向とがなす角度が、第1の側辺が有する鋭角よりも小さいとき、接触音や振動が安定して発生する。
【0035】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成されるため、特異な接触音や振動が更に発生する。
【0036】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存するため、接触音や振動が一定間隔で連続的に発生することにより、警告に安定性が生じる。
【0037】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、歩道側へ接近する車両は凹部と凹みを有する連結部との両方を通過するため、更に多くの接触音や振動が発生する。
【0038】
請求項6記載の発明は、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となるため、車両のタイヤと凹部の1辺との接触時間が短くなり、車両のタイヤと凹部とによる特異な接触音や振動が発生する。又、残部は車道の上面に整列しているため、耐久性に優れると共に、冬季における除雪プレートの作業時の影響を受けることが少なくなる。更に、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存するため、接触音や振動が一定間隔で連続的に発生することにより、警告に安定性が生じる。更に、凹部に流入する雨水等は、連結部に移動し、開口を介して空洞へ流れ出るため、各々の凹部に開口を設ける必要がなくなると共に、残部や凹部に雨水等が残りにくくなるため、走行車による泥跳ねやスリップの虞が低減する。
【0039】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交するため、車両が歩道側に接近するときの車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向とがなす角度が、第1の側辺が有する鋭角よりも小さいとき、接触音や振動が安定して発生する。
【0040】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成されるため、特異な接触音や振動が更に発生する。
【0041】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、歩道側へ接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度が5〜10°となるため、歩道側へと接近する車両の進行方向とより直角に近い角度で交差することから、車両のタイヤと凹部の1辺との接触時間が短くなり、更に安定した接触音や振動が発生する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1は、この発明の第1の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【0043】
これらの図を参照して、側溝用ブロック17は、ほぼ直方体形状よりなる胴本体19を中心として構成されており、胴本体19には、その長手方向に両端部まで貫通する空洞20が形成されている。この実施の形態による側溝用ブロック17にあっては、従来例として示した図13の側溝用ブロック57におけるスリット64に対応するものが形成されておらず、その上面部21は全面的に閉鎖された状態となっている。
【0044】
胴本体19は基礎砕石27の上に均しモルタル30を介して設置されている。車道側にあっては、その上面が側溝用ブロック17の上面部21の面に整列するように車道アスファルト29が基礎砕石28上に施工されている。一方、歩道側にあっては、基礎砕石31の上に歩道アスファルト32が施工されており、側溝用ブロック17との境界において歩車道境界ブロック33が胴本体19の凹部22に嵌合した状態で取り付けられている。
【0045】
胴本体19の上面部21には、平面視矩形状の複数の凹部23が胴本体19の長手方向に一定間隔で配置されて形成されている。尚、胴本体19の上面部21は車道アスファルト29から歩車道境界ブロック33に向かって下がるように傾斜状態に形成されている。従って、凹部23の底面も同様に歩車道境界ブロック33側に傾斜した状態となる。そして、凹部23の歩車道境界ブロック33側の位置、即ち、凹部23の下方位置に相当する部分と空洞20とを挿通状態とする丸穴24よりなる開口が形成されている。丸穴24は図2に示されているように、凹部23の底面から空洞20に向かうにつれて開口面積が拡大するような断面形状を有している。この効果については後述する。
【0046】
凹部23は上述のように胴本体19の上面部21に形成されているため、凹部23が形成されていない上面部21の残部25の少なくとも一部が胴本体19の長手方向に対して横切る方向に位置することになる。
【0047】
次に、図1を参照して、車両が歩車道境界ブロック33の方向に近付きその前輪タイヤが矢印で示す方向に侵入したものと想定する。この場合、胴本体19の上面部21の残部25が胴本体19の長手方向に対して横切る方向に形成されているため、前輪タイヤは歩車道境界ブロック33に近づくにつれてこれを乗り越えて行くことになる。その結果、異常な接触音と振動とが発生することになる。残部25は長手方向に等間隔に存在することになるため、接触音や振動が一定間隔で連続的に発生することになり、安定した警告となる。これによって歩行者や運転者に注意を促すことになり、安全性が向上する。
【0048】
次に、この実施の形態による側溝用ブロックにおける雨水等の排出作用について説明する。
【0049】
車道アスファルト29上に生じた雨水等は車道アスファルト29の傾斜により歩車道境界ブロック33側に流れ込むことになる。この流れ込んだ雨水は胴本体19の上面部21から凹部23に流れ込む。胴本体19の上面部21は上述のように歩車道境界ブロック33側に下がるように傾斜しているため、凹部23に流れ込んだ雨水も歩車道境界ブロック33側に集まることになる。この部分に空洞20に挿通する丸穴24が形成されているため、凹部23に流入した雨水は丸穴24を介して空洞20に排出されることになる。この丸穴24の排出作用は常時行われることになるため、胴本体19の上面部21や凹部23には雨水が残存する虞がない。従って、胴本体19の上面部21上を通過する車両による泥跳ねやスリップ等の問題も低減されることになる。又、丸穴24は上述のように空洞20に向かうにつれてその断面積が広がる形状に形成されているため、凹部23に流入した雨水と共に流れ込んだ砂やごみ等の異物も丸穴24において詰まることもなく空洞20に排出される。そのため、胴本体19の上面部21における清浄効果としても好ましいものである。
【0050】
次に、この実施の形態による側溝用ブロック17の上面部21の耐久性について説明する。
【0051】
図2を参照して、胴本体19の上面部21は車道アスファルト29の上面と整列するように構成されている。従って、この整列面から上面部21において従来例で示したような突起体が形成されていない。そのため、従来例のような突起体における磨耗等を心配する必要がない。一方、整列面から下方に凹部23が形成されており、これによって上面部21の残部25が凹部23の底面に対して相対的に高くなることから、従来例で示した突起体と同様の警告音や振動を発生させることが可能となる。
【0052】
又、寒冷地における除雪作業において除雪プレート34が胴本体19の上面部21の上を通過した際にも、上面部21の上に突起体等が形成されていないため、除雪プレート34による上面部21の磨耗等を心配する虞は全く無いと言える。
【0053】
図3は図1で示した側溝用ブロックの製造上の利点を説明するための概略模式図である。
【0054】
図を参照して、その(1)にあっては、側溝用ブロック17の上面部21に凹部23が形成されていない通常の側溝用ブロック57を製造するための上金型36の断面形状が示されている。即ち、上金型36の内面37は側溝用ブロック57の上面部21に対応した平坦面となっている。
【0055】
その(2)にあっては、図1で示したような側溝用ブロック57に対応した側溝用ブロック17であって、その上面部21に凹部23が形成された場合の上金型36の断面形状が示されている。上金型36の内面37には側溝用ブロック17の凹部23に対応するプレート38が取り付けられている。これによって側溝用ブロック17の上面部21に凹部23が形成されることになる。即ち、上金型36としては従来用いられて来た通常の側溝用ブロックを製造するための金型の内面37にプレート38を取り付けるだけで容易に側溝用ブロック17を製造することが可能となる。従って、プレート38として種々の形態のものを金型36に脱着することによって、上面部21に形成する凹部23の形状も任意のものとすることが可能となる。
【0056】
このように、本願発明にあっては、既存の上金型36を用いて容易に側溝用ブロック17を製造することができるため、側溝用ブロック17の製造面においても大きなメリットがある。
【0057】
図4はこの発明の第2の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0058】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0059】
図を参照して、この実施の形態にあっては、上面部21に形成した凹部23の形状が大きく異なっている。即ち、凹部23は平面視台形形状を有している。そして、その短い方の辺となる上底12が歩車道境界ブロック33側に位置するように配置され、側溝用ブロック17の長手方向に対して複数の凹部23が所定間隔で形成されている。凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aは、側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜している。また、凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aに対向する側辺11bは、側溝用ブロック17の長手方向に対して直交するように形成されている。角度αについては、1〜30°でも良いが5〜10°にすることがより好ましく、その利点は図5の説明で後述する。
【0060】
又、丸穴24は凹部23の平面視台形形状の上底12側に配置されているため、凹部23に流れ込んだ雨水を集中的に側溝用ブロック17の空洞20に排出することが可能となる。
【0061】
図5は図4で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【0062】
図5にあっては、実線で囲った台形形状が図4の凹部23を示しており、点線が矩形形状の凹部を示している。そして、図5の右側が車道X、左側が歩道Yを示している。また、一点鎖線の矢印Nは、側溝用ブロック17の長手方向を示し、実線の矢印Mは、車両のタイヤの進行方向を示している。
【0063】
点線で示した矩形形状の側辺BDは、矢印Nに直交する方向に位置しているから、この実施の形態による発明の側辺ACが側辺BDとなす角度αは∠AOBとなる。次に、矢印Nと矢印Mがなす角度yは∠EOFとなる。又、矢印Mと側辺AC及び側辺BDの各々とがなす角度θ1及びθ2は、各々∠COG及び∠DOGとなる。
【0064】
一般に、車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度は10°を超えるものと予想すると、
y>10°・・・・・・・・(1)
となる。
【0065】
一方、図5から
θ2>θ1=y+90°−α=90°+(y−α)・・・・・・・・(2)
この実施の形態による発明にあっては、
10°≧α≧5°・・・・・・・・(3)
であるから、(1)及び(3)式から
y−α>0
となる。ゆえに、(2)式から
θ2>θ1>90°
となる。
【0066】
この結果、車両のタイヤが10°を越えた進入角度yで歩道側に近づく際、矩形形状の凹部の側辺BDと矢印Mがなす角度θ2より、この実施の形態の発明の側辺ACと矢印Mとがなす角度θ1のほうが90°に近づくことになる。
【0067】
θ1が90°に近づくと、車両のタイヤが側辺ACに乗り上げる際のタイヤと側辺との接触時間が短くなるから、接触音や振動が大きくなる。
【0068】
尚、平面視台形形状のもう一方の側辺HIについては、車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度yが、この実施の形態による発明の側辺ACが側辺BDとなす角度α以下になった場合、矢印Mと側辺HIの角度θ3は、角度yが0に近づくほど90°に近づくことになる。
【0069】
従って、この実施の形態による発明は、車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度yが、この実施の形態による発明の側辺ACが側辺BDとなす角度α以下であるとき、安定した接触音や振動が発生することが可能である。
【0070】
図6はこの発明の第3の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0071】
この実施の形態にあっても、第1の実施の形態によるものと基本的には同一であるため、その相違点を主に説明する。
【0072】
図を参照して、この実施の形態にあっては、上面部21に形成した凹部23の形状が大きく異なっている。即ち、凹部23は平面視平行四辺形形状を有している。そして、側溝用ブロック17の長手方向に対して複数の凹部23が所定間隔で形成されている。凹部23の平行四辺形形状の車両進行方向側の辺11aは、側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜している。また、凹部23の平行四辺形形状の車両進行方向側の辺11aと対向する辺11bも、当然側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜することになる。角度αについては、図5の説明で前述した通り、5〜10°にすることが接触音や振動の増大の観点から好ましい。
【0073】
図7は図6で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【0074】
尚、説明に当たっては、基本的には図5で示した第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0075】
図7にあっては、実線で囲った平行四辺形形状が本願発明の凹部を示しており、点線が矩形形状の凹部を示している。
【0076】
点線で示した矩形形状の辺BDは、矢印Nに直交する方向に位置しているから、この実施の形態による発明の辺ACが辺BDとなす角度αは∠AO1Bとなり、辺ACが一般に車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度であって、10°を超えるものに対して有効である説明は前述した通りである。
【0077】
次に、点線で示した矩形形状の辺KIは、矢印Nに直交する方向に位置しているから、この実施の形態による発明の辺JHが辺KIとなす角度αは∠JO2Kとなる。又、矢印Mと辺JH及び辺KIの各々とがなす角度θ3及びθ4は、各々∠HO2Z及び∠IO2Zとなる。この実施の形態による側溝用ブロックの凹部は平面視平行四辺形形状であることから、θ1=θ3及びθ2=θ4が成立する。従って、辺JHも一般に車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度であって、10°を超えるものに対して有効である。
【0078】
以上より、この実施の形態による側溝用ブロックでは、一般に車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度であって、10°を超えるものに対して有効である辺が、各々の凹部に2辺あるため、車両のタイヤとこの実施の形態による側溝用ブロックの凹部が接触したとき、特異な接触音や振動が更に発生する。
【0079】
図8はこの発明の第4の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0080】
尚、説明に当たっては、基本的には図6で示した第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0081】
図を参照して、側溝用ブロック17の上面部21に平面視平行四辺形形状で等間隔で配置されている凹部23と、隣接する凹部23の間を接続する平面視平行四辺形形状の連結部分41a、連結部分41bとから構成されている。これによって上面部21の残部25は更に分断された状態となり、矢印の方向に進入するタイヤと接触する凹みが多くなり、更に多くの特異な接触音や振動の発生が期待できる。
【0082】
図9はこの発明の第5の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0083】
この実施の形態にあっても、基本的には図6で示した第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を主に説明する。
【0084】
図を参照して、側溝用ブロック17の上面部21に平面視平行四辺形形状で等間隔で配置されている凹部23と、隣接する凹部23の底面部分における下方位置を接続する平面視平行四辺形形状の連結部分41とから構成されている。
【0085】
連結部分41は、隣接する凹部23と同一深さを有すると共に、その底面部分における下方位置(歩道側端部)を接続しており、側溝用ブロック17の長手方向に連続して形成されている。そのため、車道アスファルト29上に生じた雨水等が凹部23から連結部分41に流れ込むため、連結部分41と空洞20とを挿通状態とする丸穴24は、図6のように凹部23の各々に設ける必要がなくなる。
【0086】
図10はこの発明の第6の実施の形態による側溝用ブロックの概略構造を示した部分斜視図である。
【0087】
図を参照して、側溝用ブロック17の上面部21は先の各実施の形態のような傾斜面ではなく、水平な平坦面となっている。そして、凹部23は矩形平板形状を有しており、その平坦面44の凹部22側には、空洞20に挿通する長穴43が開口として形成されている。凹部23の平坦面44は傾斜していないため、若干雨水の排水効率が低下するが、その下方位置とも言える位置に開口面積の大きな長穴43が形成されているため、雨水を凹部23に残存させることなく空洞20に排出することが可能となる。車両の進入による接触音や振動の発生効果は第1の実施の形態によるものとほぼ同一である。
【0088】
図11はこの発明の第7の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図であり、第6の実施の形態による図10に対応したものである。
【0089】
この側溝用ブロックは基本的には図10で示したものと同一であるため、その相違点を主に説明する。
【0090】
図を参照して、凹部23の形状が図10のものとは異なっている。即ち、凹部23の低部は凹部22側に傾斜する傾斜面46となっている。道路側の凹部23の深さが若干浅くなるため、車両の進入開始時の接触音等は若干低下するが、凹部23に流入した雨水の排出効果がより向上する。
【0091】
図12はこの発明の第8の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図であり、第6の実施の形態による図10に対応したものである。
【0092】
この実施の形態にあっても、その相違点を主に説明する。
【0093】
図を参照して、凹部23の形状が異なっており、その底部が道路側と歩道側との位置からその中央に向かって低くなるように傾斜する傾斜面47a、傾斜面47bによって構成されている。そしてその中央部には、空洞20に挿通する長穴43が開口として形成されている。これによって警告音等の大きさは第6の実施の形態と第7の実施の形態との中間程度となるが、凹部23に流入した雨水等の排水効率は最大となる。
【0094】
尚、上記の第4の実施の形態では、連結部の形状を特定しているが、隣接する凹部を連結する凹みを有するものであれば良い。
【0095】
又、上記の第5の実施の形態では、凹部を第3の実施の形態と同一の平面視平行四辺形形状としているが、凹部を第1の実施の形態や第2の実施の形態による平面視形状としても良い。
【0096】
又、上記の第5の実施の形態では、連結部の形状を特定しているが、隣接する凹部の底面における下方位置を接続するような凹みを有するものであれば良い。
【0097】
更に、上記の第2から第8の実施の形態では、凹部の形状を特定しているが、凹部における車両進行方向側の1辺が、1辺の歩道側の端部を通り、側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向と1辺とがなす角度が鋭角であれば良い。
【0098】
更に、上記の各実施の形態では、凹部の形状を特定しているが、平面視、深さ方向等において他の形状であっても良く、凹部同士の間隔も任意に設定しても良い。
【0099】
更に、上記の各実施の形態では、スリットの無い側溝用ブロックを対象としているが、スリットを備えた側溝用ブロックにも同様に適用できる。この場合、スリットによって分割された上面部のうち少なくとも車道側に凹部を設けることが好ましい。
【0100】
更に、上記の各実施の形態では、凹部と空洞とを挿通する開口を特定しているが、その数、形状、位置等は任意に設定すれば良い。又、その断面形状も空洞に向かって必ずしも拡大するものでなくても良い。
【0101】
更に、上記の各実施の形態では、胴本体は上面部も含めて一体型であるが、例えば門型側溝ブロックや、上部蓋(固定型、分離型)を本体に備えた側溝ブロックに対しても同様に適用できる。すなわち、本願の側溝用ブロックはこのような側溝ブロックを含むものである。
【0102】
更に、上記の各実施の形態では、胴本体に形成される空洞の断面形状を特定しているが、卵形や矩形等の他の断面形状でも良いことは言うまでも無い。
【0103】
更に、上記の各実施の形態では、歩車道境界ブロックは側溝用ブロックと別体となっているが、これらが一体となった側溝用ブロックにも同様に適用できる。この場合、歩車道境界ブロックが胴本体と一体となっても良く、あるいは、本体に取付けられた上部蓋に一体となったものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】この発明の第1の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図2】図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【図3】図1で示した側溝用ブロックの製造上の利点を説明するための概略模式図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図5】図4で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図7】図6で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【図8】この発明の第4の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図9】この発明の第5の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図10】この発明の第6の実施の形態による側溝用ブロックの概略構造を示した部分斜視図である。
【図11】この発明の第7の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図である。
【図12】この発明の第8の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図である。
【図13】従来の側溝用ブロックの概略形状を示した斜視図である。
【図14】図13で示した側溝用ブロックの使用状態を示した概略断面図である。
【図15】図14で示した断面図のように側溝用ブロック57が設置された場合の使用状態を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
11 辺
12 上底
17 側溝用ブロック
19 胴本体
20 空洞
21 上面部
23 凹部
24 丸穴
25 残部
26 底面部分
41 連結部分
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は側溝用ブロックに関し、特に、車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックには、その上部に凹溝を施したものが多くある(例えば、特許文献1参照)。又、上部に格子状又は網目状の多数の凹溝が形成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。更に、表面にタイル状突出板面等を施したものがある(例えば、特許文献3参照)。又、U字溝側壁の上端部に装着されたスリップ止めの付いた金属製の保護枠がある(例えば、特許文献4参照)。これらはそれぞれに排水性が良くなったり、車や歩行者のスリップ防止といった効果がある。
【0003】
上記のような従来の側溝用ブロックの上部表面に施された溝や凹凸模様は、排水性を良くしたり、又は、人や車が通る際にスリップをしないようにする目的で設けられたものである。即ち、車道側から運転手の居眠りや脇見運転等で車両が異常に歩道側に接近した場合の警告となるものとしては不十分なものである。
【0004】
又、車両が歩道側に乗り上げないように縁石の高さを高くするように構造変更すると工費が高くなってしまい、又、小さな子供が縁石に隠れてしまい却って危険な状況が発生する虞も生じる。
【0005】
そこで、特許文献5に示されているように本出願人は車両が異常に歩道側に近付いた時、音や振動を歩行者や運転手に伝えることができる側溝用ブロックを提案した。
【0006】
図13はこの側溝用ブロックの概略形状を示した斜視図であり、図14は図13で示した側溝用ブロックの使用状態を示した概略断面図である。
【0007】
これらの図を参照して、側溝用ブロック57はほぼ直方体形状よりなる胴本体19を中心として構成されている。胴本体19にはその長手方向に貫通する空洞20が形成されている。この空洞20は、設置時において車道等から流れ込んだ雨水等を排水するために形成されているものである。又、胴本体19の上面部はその幅方向において車道側から歩道側へ傾斜するように構成されている。上面部21の歩道側の角には歩車道境界ブロック33の一部と嵌合する凹部22が長手方向の両端部まで形成されている。
【0008】
又、空洞20の上部には、上面部21から空洞20に達するように形成されたスリット64が、胴本体19の長手方向の両端部まで延びるように形成されている。更に、スリット64によって分割された上面部21のうち、車道側の部分には胴本体19の長手方向に所定間隔で形成された複数の突起体63a、突起体63bが、胴本体19に対して一体的に形成されている。
【0009】
設置時にあっては、図14に示されているように胴本体19は基礎砕石27の上に均しモルタル30を介して設置される。車道側にあっては、上面部21の面とその上面が整列するように車道アスファルト29が基礎砕石28上に施工されている。一方、歩道側にあっては、基礎砕石31の上に歩道アスファルト32が施工されており、胴本体19との境界において歩車道境界ブロック33が胴本体19の凹部22に嵌合した状態で取り付けられている。
【0010】
図15は図14で示した断面図のように側溝用ブロック57が設置された場合の使用状態を示した概略斜視図である。
【0011】
図を参照して、車道側において車道アスファルト29の上をトラック65が脇見運転等によって歩道側に異常に近付いた場合を想定する。この場合、トラック65の前輪タイヤが側溝用ブロック57の上方を通過することになる。すると、トラック65のタイヤは側溝用ブロック57の突起体63を乗り越えて行くことになる。この時、突起体63の形状による特異な接触音が発生する。すると、歩道アスファルト32を歩いている児童66等が、この警告音によってトラック65に対して注意を促され、前もって危険を回避することが可能となる。尚、この警告音は乗り上げ時の振動と共にトラック65の運転手にも伝わることになり、特に居眠り運転時等において歩道に対しての異常な接近に対する注意を促すことになり、より安全性が向上する。
【特許文献1】特許第2896891号公報
【特許文献2】実開平2−97479号公報
【特許文献3】特開平11−217803号公報
【特許文献4】実開平2−37989号公報
【特許文献5】特開2006−169854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来の側溝用ブロックでは、警告音や振動を発生して伝達する構成としては十分なものであるが、突起体63が側溝用ブロック57の上面部21上に突出する態様で形成されているため、磨耗に対する耐久性が十分とは言えない場合がある。特に寒冷地域にあっては冬季に除雪プレートによる道路上の除雪作業がなされることがある。この場合、側溝用ブロック自体は道路の端部にあるためその影響が少ないと言えるが、突起体が磨耗し易い状態にあると言える。
【0013】
又、突起体を形成するためには、従来の側溝用ブロックの製造用金型に対して突起体に対応する溝部を形成する必要があり、金型の改造は容易ではない。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、警告音や振動の発生部分の耐久性が向上すると共に、製造が容易な側溝用ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が車道の上面に整列するように配置される胴本体と、上面部の一部が凹むように形成され、上面部の残部の少なくとも一部が長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部と、凹部の底面部分における下方位置と空洞とを挿通状態とする開口とを備え、1辺の歩道側の端部を通り、長手方向に対する直交方向と1辺とがなす角度が鋭角であるものである。
【0016】
このように構成すると、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となる。又、凹部に流れ込んだ雨水は開口を介して空洞へ流れ出る。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、凹部は、平面視台形形状を有し、凹部は歩道側に台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、台形形状における1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、長手方向に直交するように形成されるものである。
【0018】
このように構成すると、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交する。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、凹部は、平面視平行四辺形形状を有するものである。
【0020】
このように構成すると、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成される。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、凹部は複数形成され、各々は前記長手方向に一定間隔で配置されるものである。
【0022】
このように構成すると、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存する。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、隣接する凹部を連結するように形成される凹みを有する連結部を更に備えるものである。
【0024】
このように構成すると、歩道側へ接近する車両は凹部と凹みを有する連結部との両方を通過する。
【0025】
請求項6記載の発明は、車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が車道の上面に整列するように配置される胴本体と、上面部の一部が凹むように形成され、上面部の残部の少なくとも一部が長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部とを備え、1辺の歩道側の端部を通り、長手方向に対する直交方向と1辺とがなす角度が鋭角であり、凹部は複数形成され、各々は長手方向に一定間隔で配置され、上面部において、隣接する凹部の歩道側の部分を長手方向に連結するように形成される凹みを有する連結部と、凹みと空洞とを挿通状態とする開口とを更に備えるものである。
【0026】
このように構成すると、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となる。更に、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存する。更に、凹部に流入する雨水等は、連結部に移動し、開口を介して空洞へ流れ出る。
【0027】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、凹部は、平面視台形形状を有し、凹部は歩道側に台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、台形形状における1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、長手方向に直交するように形成されるものである。
【0028】
このように構成すると、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交する。
【0029】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明の構成において、凹部は、平面視平行四辺形形状を有するものである。
【0030】
このように構成すると、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成される。
【0031】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明の構成において、鋭角は5〜10°に設定されるものである。
【0032】
このように構成すると、歩道側へ接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り、側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度が5〜10°となる。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となるため、車両のタイヤと凹部の1辺との接触時間が短くなり、車両のタイヤと凹部とによる特異な接触音や振動が発生する。又、残部は車道の上面に整列しているため、耐久性に優れると共に、冬季における除雪プレートの作業時の影響を受けることが少なくなる。更に、凹部に流れ込んだ雨水は開口を介して空洞へ流れ出るため、残部や凹部に雨水等が残りにくくなるため、走行車による泥跳ねやスリップの虞が低減する。
【0034】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交するため、車両が歩道側に接近するときの車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向とがなす角度が、第1の側辺が有する鋭角よりも小さいとき、接触音や振動が安定して発生する。
【0035】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成されるため、特異な接触音や振動が更に発生する。
【0036】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存するため、接触音や振動が一定間隔で連続的に発生することにより、警告に安定性が生じる。
【0037】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、歩道側へ接近する車両は凹部と凹みを有する連結部との両方を通過するため、更に多くの接触音や振動が発生する。
【0038】
請求項6記載の発明は、車両が歩道側に接近したとき、車両のタイヤは、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺を通過する。又、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角である凹部の1辺とがなす角度は、歩道側へと接近する車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度に比べ、より直角に近い角度となるため、車両のタイヤと凹部の1辺との接触時間が短くなり、車両のタイヤと凹部とによる特異な接触音や振動が発生する。又、残部は車道の上面に整列しているため、耐久性に優れると共に、冬季における除雪プレートの作業時の影響を受けることが少なくなる。更に、凹部の1辺が側溝用ブロックの長手方向に対して一定間隔で残存するため、接触音や振動が一定間隔で連続的に発生することにより、警告に安定性が生じる。更に、凹部に流入する雨水等は、連結部に移動し、開口を介して空洞へ流れ出るため、各々の凹部に開口を設ける必要がなくなると共に、残部や凹部に雨水等が残りにくくなるため、走行車による泥跳ねやスリップの虞が低減する。
【0039】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、凹部における第2の側辺は側溝用ブロックの長手方向に直交するため、車両が歩道側に接近するときの車両の進行方向と側溝用ブロックの長手方向とがなす角度が、第1の側辺が有する鋭角よりも小さいとき、接触音や振動が安定して発生する。
【0040】
請求項8記載の発明は、請求項6記載の発明の効果に加えて、凹部における側溝用ブロックの長手方向において対向する2辺は、歩道側へと接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向となす角度が鋭角に形成されるため、特異な接触音や振動が更に発生する。
【0041】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、歩道側へ接近する車両の進行方向と、歩道側の端部を通り側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向とがなす角度が5〜10°となるため、歩道側へと接近する車両の進行方向とより直角に近い角度で交差することから、車両のタイヤと凹部の1辺との接触時間が短くなり、更に安定した接触音や振動が発生する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1は、この発明の第1の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図であり、図2は図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【0043】
これらの図を参照して、側溝用ブロック17は、ほぼ直方体形状よりなる胴本体19を中心として構成されており、胴本体19には、その長手方向に両端部まで貫通する空洞20が形成されている。この実施の形態による側溝用ブロック17にあっては、従来例として示した図13の側溝用ブロック57におけるスリット64に対応するものが形成されておらず、その上面部21は全面的に閉鎖された状態となっている。
【0044】
胴本体19は基礎砕石27の上に均しモルタル30を介して設置されている。車道側にあっては、その上面が側溝用ブロック17の上面部21の面に整列するように車道アスファルト29が基礎砕石28上に施工されている。一方、歩道側にあっては、基礎砕石31の上に歩道アスファルト32が施工されており、側溝用ブロック17との境界において歩車道境界ブロック33が胴本体19の凹部22に嵌合した状態で取り付けられている。
【0045】
胴本体19の上面部21には、平面視矩形状の複数の凹部23が胴本体19の長手方向に一定間隔で配置されて形成されている。尚、胴本体19の上面部21は車道アスファルト29から歩車道境界ブロック33に向かって下がるように傾斜状態に形成されている。従って、凹部23の底面も同様に歩車道境界ブロック33側に傾斜した状態となる。そして、凹部23の歩車道境界ブロック33側の位置、即ち、凹部23の下方位置に相当する部分と空洞20とを挿通状態とする丸穴24よりなる開口が形成されている。丸穴24は図2に示されているように、凹部23の底面から空洞20に向かうにつれて開口面積が拡大するような断面形状を有している。この効果については後述する。
【0046】
凹部23は上述のように胴本体19の上面部21に形成されているため、凹部23が形成されていない上面部21の残部25の少なくとも一部が胴本体19の長手方向に対して横切る方向に位置することになる。
【0047】
次に、図1を参照して、車両が歩車道境界ブロック33の方向に近付きその前輪タイヤが矢印で示す方向に侵入したものと想定する。この場合、胴本体19の上面部21の残部25が胴本体19の長手方向に対して横切る方向に形成されているため、前輪タイヤは歩車道境界ブロック33に近づくにつれてこれを乗り越えて行くことになる。その結果、異常な接触音と振動とが発生することになる。残部25は長手方向に等間隔に存在することになるため、接触音や振動が一定間隔で連続的に発生することになり、安定した警告となる。これによって歩行者や運転者に注意を促すことになり、安全性が向上する。
【0048】
次に、この実施の形態による側溝用ブロックにおける雨水等の排出作用について説明する。
【0049】
車道アスファルト29上に生じた雨水等は車道アスファルト29の傾斜により歩車道境界ブロック33側に流れ込むことになる。この流れ込んだ雨水は胴本体19の上面部21から凹部23に流れ込む。胴本体19の上面部21は上述のように歩車道境界ブロック33側に下がるように傾斜しているため、凹部23に流れ込んだ雨水も歩車道境界ブロック33側に集まることになる。この部分に空洞20に挿通する丸穴24が形成されているため、凹部23に流入した雨水は丸穴24を介して空洞20に排出されることになる。この丸穴24の排出作用は常時行われることになるため、胴本体19の上面部21や凹部23には雨水が残存する虞がない。従って、胴本体19の上面部21上を通過する車両による泥跳ねやスリップ等の問題も低減されることになる。又、丸穴24は上述のように空洞20に向かうにつれてその断面積が広がる形状に形成されているため、凹部23に流入した雨水と共に流れ込んだ砂やごみ等の異物も丸穴24において詰まることもなく空洞20に排出される。そのため、胴本体19の上面部21における清浄効果としても好ましいものである。
【0050】
次に、この実施の形態による側溝用ブロック17の上面部21の耐久性について説明する。
【0051】
図2を参照して、胴本体19の上面部21は車道アスファルト29の上面と整列するように構成されている。従って、この整列面から上面部21において従来例で示したような突起体が形成されていない。そのため、従来例のような突起体における磨耗等を心配する必要がない。一方、整列面から下方に凹部23が形成されており、これによって上面部21の残部25が凹部23の底面に対して相対的に高くなることから、従来例で示した突起体と同様の警告音や振動を発生させることが可能となる。
【0052】
又、寒冷地における除雪作業において除雪プレート34が胴本体19の上面部21の上を通過した際にも、上面部21の上に突起体等が形成されていないため、除雪プレート34による上面部21の磨耗等を心配する虞は全く無いと言える。
【0053】
図3は図1で示した側溝用ブロックの製造上の利点を説明するための概略模式図である。
【0054】
図を参照して、その(1)にあっては、側溝用ブロック17の上面部21に凹部23が形成されていない通常の側溝用ブロック57を製造するための上金型36の断面形状が示されている。即ち、上金型36の内面37は側溝用ブロック57の上面部21に対応した平坦面となっている。
【0055】
その(2)にあっては、図1で示したような側溝用ブロック57に対応した側溝用ブロック17であって、その上面部21に凹部23が形成された場合の上金型36の断面形状が示されている。上金型36の内面37には側溝用ブロック17の凹部23に対応するプレート38が取り付けられている。これによって側溝用ブロック17の上面部21に凹部23が形成されることになる。即ち、上金型36としては従来用いられて来た通常の側溝用ブロックを製造するための金型の内面37にプレート38を取り付けるだけで容易に側溝用ブロック17を製造することが可能となる。従って、プレート38として種々の形態のものを金型36に脱着することによって、上面部21に形成する凹部23の形状も任意のものとすることが可能となる。
【0056】
このように、本願発明にあっては、既存の上金型36を用いて容易に側溝用ブロック17を製造することができるため、側溝用ブロック17の製造面においても大きなメリットがある。
【0057】
図4はこの発明の第2の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0058】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0059】
図を参照して、この実施の形態にあっては、上面部21に形成した凹部23の形状が大きく異なっている。即ち、凹部23は平面視台形形状を有している。そして、その短い方の辺となる上底12が歩車道境界ブロック33側に位置するように配置され、側溝用ブロック17の長手方向に対して複数の凹部23が所定間隔で形成されている。凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aは、側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜している。また、凹部23の台形形状の車両進行方向側の側辺11aに対向する側辺11bは、側溝用ブロック17の長手方向に対して直交するように形成されている。角度αについては、1〜30°でも良いが5〜10°にすることがより好ましく、その利点は図5の説明で後述する。
【0060】
又、丸穴24は凹部23の平面視台形形状の上底12側に配置されているため、凹部23に流れ込んだ雨水を集中的に側溝用ブロック17の空洞20に排出することが可能となる。
【0061】
図5は図4で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【0062】
図5にあっては、実線で囲った台形形状が図4の凹部23を示しており、点線が矩形形状の凹部を示している。そして、図5の右側が車道X、左側が歩道Yを示している。また、一点鎖線の矢印Nは、側溝用ブロック17の長手方向を示し、実線の矢印Mは、車両のタイヤの進行方向を示している。
【0063】
点線で示した矩形形状の側辺BDは、矢印Nに直交する方向に位置しているから、この実施の形態による発明の側辺ACが側辺BDとなす角度αは∠AOBとなる。次に、矢印Nと矢印Mがなす角度yは∠EOFとなる。又、矢印Mと側辺AC及び側辺BDの各々とがなす角度θ1及びθ2は、各々∠COG及び∠DOGとなる。
【0064】
一般に、車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度は10°を超えるものと予想すると、
y>10°・・・・・・・・(1)
となる。
【0065】
一方、図5から
θ2>θ1=y+90°−α=90°+(y−α)・・・・・・・・(2)
この実施の形態による発明にあっては、
10°≧α≧5°・・・・・・・・(3)
であるから、(1)及び(3)式から
y−α>0
となる。ゆえに、(2)式から
θ2>θ1>90°
となる。
【0066】
この結果、車両のタイヤが10°を越えた進入角度yで歩道側に近づく際、矩形形状の凹部の側辺BDと矢印Mがなす角度θ2より、この実施の形態の発明の側辺ACと矢印Mとがなす角度θ1のほうが90°に近づくことになる。
【0067】
θ1が90°に近づくと、車両のタイヤが側辺ACに乗り上げる際のタイヤと側辺との接触時間が短くなるから、接触音や振動が大きくなる。
【0068】
尚、平面視台形形状のもう一方の側辺HIについては、車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度yが、この実施の形態による発明の側辺ACが側辺BDとなす角度α以下になった場合、矢印Mと側辺HIの角度θ3は、角度yが0に近づくほど90°に近づくことになる。
【0069】
従って、この実施の形態による発明は、車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度yが、この実施の形態による発明の側辺ACが側辺BDとなす角度α以下であるとき、安定した接触音や振動が発生することが可能である。
【0070】
図6はこの発明の第3の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0071】
この実施の形態にあっても、第1の実施の形態によるものと基本的には同一であるため、その相違点を主に説明する。
【0072】
図を参照して、この実施の形態にあっては、上面部21に形成した凹部23の形状が大きく異なっている。即ち、凹部23は平面視平行四辺形形状を有している。そして、側溝用ブロック17の長手方向に対して複数の凹部23が所定間隔で形成されている。凹部23の平行四辺形形状の車両進行方向側の辺11aは、側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜している。また、凹部23の平行四辺形形状の車両進行方向側の辺11aと対向する辺11bも、当然側溝用ブロック17の長手方向に対する直交方向に対して角度αだけ傾斜することになる。角度αについては、図5の説明で前述した通り、5〜10°にすることが接触音や振動の増大の観点から好ましい。
【0073】
図7は図6で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【0074】
尚、説明に当たっては、基本的には図5で示した第2の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0075】
図7にあっては、実線で囲った平行四辺形形状が本願発明の凹部を示しており、点線が矩形形状の凹部を示している。
【0076】
点線で示した矩形形状の辺BDは、矢印Nに直交する方向に位置しているから、この実施の形態による発明の辺ACが辺BDとなす角度αは∠AO1Bとなり、辺ACが一般に車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度であって、10°を超えるものに対して有効である説明は前述した通りである。
【0077】
次に、点線で示した矩形形状の辺KIは、矢印Nに直交する方向に位置しているから、この実施の形態による発明の辺JHが辺KIとなす角度αは∠JO2Kとなる。又、矢印Mと辺JH及び辺KIの各々とがなす角度θ3及びθ4は、各々∠HO2Z及び∠IO2Zとなる。この実施の形態による側溝用ブロックの凹部は平面視平行四辺形形状であることから、θ1=θ3及びθ2=θ4が成立する。従って、辺JHも一般に車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度であって、10°を超えるものに対して有効である。
【0078】
以上より、この実施の形態による側溝用ブロックでは、一般に車両の側溝用ブロック17の長手方向への進行が逸れて歩道に近づく場合のタイヤの進入角度であって、10°を超えるものに対して有効である辺が、各々の凹部に2辺あるため、車両のタイヤとこの実施の形態による側溝用ブロックの凹部が接触したとき、特異な接触音や振動が更に発生する。
【0079】
図8はこの発明の第4の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0080】
尚、説明に当たっては、基本的には図6で示した第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0081】
図を参照して、側溝用ブロック17の上面部21に平面視平行四辺形形状で等間隔で配置されている凹部23と、隣接する凹部23の間を接続する平面視平行四辺形形状の連結部分41a、連結部分41bとから構成されている。これによって上面部21の残部25は更に分断された状態となり、矢印の方向に進入するタイヤと接触する凹みが多くなり、更に多くの特異な接触音や振動の発生が期待できる。
【0082】
図9はこの発明の第5の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【0083】
この実施の形態にあっても、基本的には図6で示した第3の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を主に説明する。
【0084】
図を参照して、側溝用ブロック17の上面部21に平面視平行四辺形形状で等間隔で配置されている凹部23と、隣接する凹部23の底面部分における下方位置を接続する平面視平行四辺形形状の連結部分41とから構成されている。
【0085】
連結部分41は、隣接する凹部23と同一深さを有すると共に、その底面部分における下方位置(歩道側端部)を接続しており、側溝用ブロック17の長手方向に連続して形成されている。そのため、車道アスファルト29上に生じた雨水等が凹部23から連結部分41に流れ込むため、連結部分41と空洞20とを挿通状態とする丸穴24は、図6のように凹部23の各々に設ける必要がなくなる。
【0086】
図10はこの発明の第6の実施の形態による側溝用ブロックの概略構造を示した部分斜視図である。
【0087】
図を参照して、側溝用ブロック17の上面部21は先の各実施の形態のような傾斜面ではなく、水平な平坦面となっている。そして、凹部23は矩形平板形状を有しており、その平坦面44の凹部22側には、空洞20に挿通する長穴43が開口として形成されている。凹部23の平坦面44は傾斜していないため、若干雨水の排水効率が低下するが、その下方位置とも言える位置に開口面積の大きな長穴43が形成されているため、雨水を凹部23に残存させることなく空洞20に排出することが可能となる。車両の進入による接触音や振動の発生効果は第1の実施の形態によるものとほぼ同一である。
【0088】
図11はこの発明の第7の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図であり、第6の実施の形態による図10に対応したものである。
【0089】
この側溝用ブロックは基本的には図10で示したものと同一であるため、その相違点を主に説明する。
【0090】
図を参照して、凹部23の形状が図10のものとは異なっている。即ち、凹部23の低部は凹部22側に傾斜する傾斜面46となっている。道路側の凹部23の深さが若干浅くなるため、車両の進入開始時の接触音等は若干低下するが、凹部23に流入した雨水の排出効果がより向上する。
【0091】
図12はこの発明の第8の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図であり、第6の実施の形態による図10に対応したものである。
【0092】
この実施の形態にあっても、その相違点を主に説明する。
【0093】
図を参照して、凹部23の形状が異なっており、その底部が道路側と歩道側との位置からその中央に向かって低くなるように傾斜する傾斜面47a、傾斜面47bによって構成されている。そしてその中央部には、空洞20に挿通する長穴43が開口として形成されている。これによって警告音等の大きさは第6の実施の形態と第7の実施の形態との中間程度となるが、凹部23に流入した雨水等の排水効率は最大となる。
【0094】
尚、上記の第4の実施の形態では、連結部の形状を特定しているが、隣接する凹部を連結する凹みを有するものであれば良い。
【0095】
又、上記の第5の実施の形態では、凹部を第3の実施の形態と同一の平面視平行四辺形形状としているが、凹部を第1の実施の形態や第2の実施の形態による平面視形状としても良い。
【0096】
又、上記の第5の実施の形態では、連結部の形状を特定しているが、隣接する凹部の底面における下方位置を接続するような凹みを有するものであれば良い。
【0097】
更に、上記の第2から第8の実施の形態では、凹部の形状を特定しているが、凹部における車両進行方向側の1辺が、1辺の歩道側の端部を通り、側溝用ブロックの長手方向に対する直交方向と1辺とがなす角度が鋭角であれば良い。
【0098】
更に、上記の各実施の形態では、凹部の形状を特定しているが、平面視、深さ方向等において他の形状であっても良く、凹部同士の間隔も任意に設定しても良い。
【0099】
更に、上記の各実施の形態では、スリットの無い側溝用ブロックを対象としているが、スリットを備えた側溝用ブロックにも同様に適用できる。この場合、スリットによって分割された上面部のうち少なくとも車道側に凹部を設けることが好ましい。
【0100】
更に、上記の各実施の形態では、凹部と空洞とを挿通する開口を特定しているが、その数、形状、位置等は任意に設定すれば良い。又、その断面形状も空洞に向かって必ずしも拡大するものでなくても良い。
【0101】
更に、上記の各実施の形態では、胴本体は上面部も含めて一体型であるが、例えば門型側溝ブロックや、上部蓋(固定型、分離型)を本体に備えた側溝ブロックに対しても同様に適用できる。すなわち、本願の側溝用ブロックはこのような側溝ブロックを含むものである。
【0102】
更に、上記の各実施の形態では、胴本体に形成される空洞の断面形状を特定しているが、卵形や矩形等の他の断面形状でも良いことは言うまでも無い。
【0103】
更に、上記の各実施の形態では、歩車道境界ブロックは側溝用ブロックと別体となっているが、これらが一体となった側溝用ブロックにも同様に適用できる。この場合、歩車道境界ブロックが胴本体と一体となっても良く、あるいは、本体に取付けられた上部蓋に一体となったものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】この発明の第1の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図2】図1で示したII−IIラインの拡大断面図である。
【図3】図1で示した側溝用ブロックの製造上の利点を説明するための概略模式図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図5】図4で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【図6】この発明の第3の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図7】図6で示した実施の形態による側溝用ブロックの凹部と車両との関係を示す図である。
【図8】この発明の第4の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図9】この発明の第5の実施の形態による側溝用ブロックの使用状態を示した概略斜視図である。
【図10】この発明の第6の実施の形態による側溝用ブロックの概略構造を示した部分斜視図である。
【図11】この発明の第7の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図である。
【図12】この発明の第8の実施の形態による側溝用ブロックの概略形状を示した部分斜視図である。
【図13】従来の側溝用ブロックの概略形状を示した斜視図である。
【図14】図13で示した側溝用ブロックの使用状態を示した概略断面図である。
【図15】図14で示した断面図のように側溝用ブロック57が設置された場合の使用状態を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
【0105】
11 辺
12 上底
17 側溝用ブロック
19 胴本体
20 空洞
21 上面部
23 凹部
24 丸穴
25 残部
26 底面部分
41 連結部分
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、
ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が前記車道の上面に整列するように配置される胴本体と、
前記上面部の一部が凹むように形成され、前記上面部の残部の少なくとも一部が前記長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部と、
前記凹部の底面部分における下方位置と前記空洞とを挿通状態とする開口とを備え、
前記1辺の前記歩道側の端部を通り、前記長手方向に対する直交方向と前記1辺とがなす角度が鋭角である、側溝用ブロック。
【請求項2】
前記凹部は、平面視台形形状を有し、前記凹部は前記歩道側に前記台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、前記台形形状における前記1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、前記長手方向に直交するように形成される、請求項1記載の側溝用ブロック。
【請求項3】
前記凹部は、平面視平行四辺形形状を有する、請求項1記載の側溝用ブロック。
【請求項4】
前記凹部は複数形成され、各々は前記長手方向に一定間隔で配置される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の側溝用ブロック。
【請求項5】
隣接する前記凹部を連結するように形成される凹みを有する連結部を更に備える、請求項4記載の側溝用ブロック。
【請求項6】
車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、
ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が前記車道の上面に整列するように配置される胴本体と、
前記上面部の一部が凹むように形成され、前記上面部の残部の少なくとも一部が前記長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部とを備え、
前記1辺の前記歩道側の端部を通り、前記長手方向に対する直交方向と前記1辺とがなす角度が鋭角であり、
前記凹部は複数形成され、各々は前記長手方向に一定間隔で配置され、
前記上面部において、隣接する前記凹部の前記歩道側の部分を前記長手方向に連結するように形成される凹みを有する連結部と、
前記凹みと前記空洞とを挿通状態とする開口とを更に備える、側溝用ブロック。
【請求項7】
前記凹部は、平面視台形形状を有し、前記凹部は前記歩道側に前記台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、前記台形形状における前記1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、前記長手方向に直交するように形成される、請求項6記載の側溝用ブロック。
【請求項8】
前記凹部は、平面視平行四辺形形状を有する、請求項6記載の側溝用ブロック。
【請求項9】
前記鋭角は5〜10°に設定される、請求項1から請求項8のいずれかに記載の側溝用ブロック。
【請求項1】
車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、
ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が前記車道の上面に整列するように配置される胴本体と、
前記上面部の一部が凹むように形成され、前記上面部の残部の少なくとも一部が前記長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部と、
前記凹部の底面部分における下方位置と前記空洞とを挿通状態とする開口とを備え、
前記1辺の前記歩道側の端部を通り、前記長手方向に対する直交方向と前記1辺とがなす角度が鋭角である、側溝用ブロック。
【請求項2】
前記凹部は、平面視台形形状を有し、前記凹部は前記歩道側に前記台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、前記台形形状における前記1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、前記長手方向に直交するように形成される、請求項1記載の側溝用ブロック。
【請求項3】
前記凹部は、平面視平行四辺形形状を有する、請求項1記載の側溝用ブロック。
【請求項4】
前記凹部は複数形成され、各々は前記長手方向に一定間隔で配置される、請求項1から請求項3のいずれかに記載の側溝用ブロック。
【請求項5】
隣接する前記凹部を連結するように形成される凹みを有する連結部を更に備える、請求項4記載の側溝用ブロック。
【請求項6】
車道と歩道との境界に設置される側溝用ブロックであって、
ほぼ直方体形状を有し、その長手方向に貫通する空洞を有すると共に、その上面部が前記車道の上面に整列するように配置される胴本体と、
前記上面部の一部が凹むように形成され、前記上面部の残部の少なくとも一部が前記長手方向に対して横切る方向に位置すると共に、車両の進行方向側に平面視直線状の1辺を有するように形成される凹部とを備え、
前記1辺の前記歩道側の端部を通り、前記長手方向に対する直交方向と前記1辺とがなす角度が鋭角であり、
前記凹部は複数形成され、各々は前記長手方向に一定間隔で配置され、
前記上面部において、隣接する前記凹部の前記歩道側の部分を前記長手方向に連結するように形成される凹みを有する連結部と、
前記凹みと前記空洞とを挿通状態とする開口とを更に備える、側溝用ブロック。
【請求項7】
前記凹部は、平面視台形形状を有し、前記凹部は前記歩道側に前記台形形状の短い方の辺となる上底を向けた状態に形成され、前記台形形状における前記1辺に相当する第1の側辺に対向する第2の側辺は、前記長手方向に直交するように形成される、請求項6記載の側溝用ブロック。
【請求項8】
前記凹部は、平面視平行四辺形形状を有する、請求項6記載の側溝用ブロック。
【請求項9】
前記鋭角は5〜10°に設定される、請求項1から請求項8のいずれかに記載の側溝用ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−144375(P2009−144375A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321462(P2007−321462)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(303065728)有限会社インパクト (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(303065728)有限会社インパクト (16)
【Fターム(参考)】
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