説明

備品を控えたカテーテルシステム

いくつかの実施形態は、変更可能なまたは調整可能な作業長さを有するカテーテルシステムに関する。カテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部、及びカテーテル本体の少なくとも一部を通って形成されたガイドワイヤを受けるように構成された第1軸ルーメンを有する。第1開口部は、カテーテル本体の一部を通って形成され、第1ルーメンと連通する。シースは、少なくとも第1位置から第2位置まで、回転可能、軸方向に移動可能、または他の方法で変更可能であり、シースは、第1位置においてカテーテル本体の第1開口部をほぼ覆い、第2位置においてカテーテル本体の第1開口部をほぼ露出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2008年10月10日に出願した米国仮特許出願第61/104678号の利益を主張し、そのすべては、十分に本願で説明するように、参考として本願に組み込まれる。
【0002】
発明の技術分野
本開示は、経皮的カテーテルに、より詳しくは、変更可能な作業長さを有する経皮的カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
経皮経管冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty:PTCA)カテーテルと比較した末梢経皮経管的血管形成術(peripheral percutaneous transluminal angioplasty:PTA)カテーテルの使用の差異の1つは、PTAカテーテルについて異なる作業長さを偏在的に必要とすることである。冠動脈カテーテルは、アクセス点(総大腿動脈、上腕動脈または橈骨動脈)と心臓(または脳の場合もある)との間の一定の距離から治療病巣まで横断するように設計されている。このため、長さが135cmである単一基準のPTCAカテーテルは、患者の高さ及び体型にかかわらず、これら病巣を治療するために必要な距離のほぼすべてを満足する一方、同時に身体の外側に冗長すぎるカテーテルを有さない。差異点において、PTAの対象病巣は、位置及びアクセス場所からの場所が変化するので、単一のカテーテル長さは、短すぎる場合にすべての病巣に到達せず、長すぎる場合に無菌野で維持することが困難である身体の外側に長く扱いにくいセグメントを残す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、PTAカテーテルは、総大腿動脈にあるシースから病巣までの距離がたった5cmから20cmである同側腸骨アプローチ(ispsilateral iliac approach)を用いて、アクセス場所に非常に近接する病巣を治療するために使用されることがある。これを対象治療部位が大腿部のアクセス場所からしばしば100cmを超えて離間する鎖骨下動脈のような大血管にある病巣を有する患者と比較する。
【0005】
カテーテルの長さの2倍の長さであるガイドワイヤが必要なので、長すぎるカテーテルを短距離で使用する場合に問題が生じ、これらは、治療台上にある一方でしばしば患者の脚の下方に延在し、デバイスは、より体裁が悪くなり、2人でワイヤにカテーテルを取り付ける及びカテーテルを取り外す必要がある。また、これは、カテーテルの基端部が跳ね上がって殺菌されていないモニタに衝突するまたは床に到達するので、カテーテルを汚染する危険性の増大を引き起こす。これらの場合において、システム全体を廃棄しなければならず、手術全体を再度始めなければならない。したがって、目標がアクセス場所に近い場合に短いカテーテルを、そして短いカテーテルでは到達しない先端側の病巣を治療する場合に長いカテーテルを、好む。短いカテーテルは、近接近の場合において簡素であり、透視(すなわち被曝)の下において必要とする労働及び時間を短くする。
【0006】
長さの異なるカテーテルを必要とすることは、長さ及びサイズのすべての組み合わせに起因する大量の備品(inventory)を保管するために、病院のカテーテル研究室におけるエンドユーザに負担を生じさせる。カテーテルは、ガイドワイヤのサイズ(例えば0.014インチ(0.3556mm)、0.018インチ(0.4572mm)または0.035インチ(0.889mm))、バルーンの圧力/弾性(例えば高圧非弾性、または低圧弾性)、バルーン直径及びバルーン長さによって、並びに、システムがバルーンだけであるかバルーンにステントを取り付けたバルーンであるかによって、選択される。PTAの分野において、備品は、2以上の作業長さを必要とするため、2倍となっている。これは、病院のカテーテル研究室において、数千ユニットをストックし、例えば3つのワイヤサイズ×2つの圧力タイプ×10の直径×8つのバルーン長さ×2つのカテーテル長さを計上し、さらに各サイズについて複数利用可能とすることとなる。これに加えて、カテーテル法の研究室は、さまざまな製品をさまざまな病巣に対して必要とするので、複数の供給者から複数の製品タイプを必要とする。
【0007】
医療施設合同認定機構(JCAHO)のガイドラインにおける最近の変更は、病院にとって備品を維持しかつ汚染から製品を保護することをより困難にする。多くの病院は、スペースが制限されているので、閉じた(closed)備品管理システムにシフトしている。典型的な病院において、全供給コストの約60%は、手術、心臓学及び薬局の3つの臨床サービス領域で動いている(出典:VHA社の2004 VHA Supply Cost Benchmarking Database)。供給コストの40%は、インプラント、ステント及び他のデバイスに起因する(出典:2004年4月16日、ChrisのStrategic Savings、Hospitalconnect.com)。これに加えて、多くの病院は、製品を委託業者で供給するように企業を推奨しており、そして、製品を製造する企業に追加コストを注ぎ込む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成された第1ルーメンを備える、カテーテル本体を有する。第1ルーメンは、ガイドワイヤを受けるように構成されている。いくつかの形態において、第1開口部は、カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成されている。第1開口部は、第1ルーメンと連通する。いくつかの形態において、カテーテルシステムは、カテーテル本体によって支持されたシース(同様に本明細書では外側シースと称される)を有し、シースは、シースの外壁部を通って形成された第2開口部を有する。シースは、少なくとも第1及び第2位置間で移動可能に構成されている。いくつかの形態において、第2位置において、シースの第2開口部の少なくとも一部は、カテーテル本体の第1開口部とほぼ位置合わせされ、第1位置において、シースの第2開口部のどの部分も、カテーテル本体の第1開口部と位置合わせされない。
【0009】
この開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成された第1ルーメンを備える、カテーテル本体を備え、第1ルーメンが、ガイドワイヤを受けるように構成されている。第1開口部は、カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成されており、第1開口部は、第1ルーメンと連通する。さらに、シースは、カテーテル本体で支持されており、シースは、シースの外壁部を通って形成された第2開口部を有する。いくつかの形態において、シースは、少なくとも第1位置と第2位置との間で移動可能である。シースの第2開口部の少なくとも一部は、シースが第1位置にあると、カテーテル本体の第1開口部に近接する。カテーテルシステムは、シースが第2位置にあると、シースの第2開口部のどの部分もカテーテル本体の第1開口部に近接しないように構成されている。
【0010】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを備える、カテーテル本体を備え、第1ルーメンが、ガイドワイヤを受けるように構成されている。カテーテルシステムは、カテーテル本体の少なくも一部を通って形成された第1開口部を有し、第1開口部は、第1ルーメンと連通する。カテーテル本体は、カテーテル本体が弛緩構造にあると、第1開口部に近接して鈍角に角度付けされるように付勢される。
【0011】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成された第1ルーメンを有する、カテーテル本体を備える。第1ルーメンは、ガイドワイヤを受けるように構成されている。方向転換器は、カテーテル本体の長さに沿う複数の位置のいずれかに位置付けられている。いくつかの形態において、カテーテル本体は、その長さに沿ってほぼシールされており、第1ルーメンは、その長さに沿ってほぼシールされている。方向転換器は、方向転換器の少なくとも一部がカテーテル本体を通過して方向転換器に形成された開口部が第1ルーメンと連通するように構成されており、これにより、第1ルーメンを通って前進されるガイドワイヤは、方向転換器に形成された開口部を通って前進される。
【0012】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを有する、カテーテル本体を備え、第1ルーメンは、ガイドワイヤを受けるように構成されている。第1開口部は、カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成されており、第1開口部は、第1ルーメンと連通する。また、カテーテルシステムは、カテーテル本体によって支持されるシースを有し、シースは、カテーテル本体に対してスライド可能となっている。シースは、少なくとも第1位置と第2位置との間で移動可能である。第1位置において、第1開口部は、シースによってほぼ覆われる。第2位置において、第1開口部は、ほぼ覆われない。さらに、シースが第2位置にあると、カテーテルシステムは、第1ルーメン内にあるガイドワイヤを第1開口部を通過するように向ける。
【0013】
いくつかの形態において、カテーテル本体は、第1開口部の近傍に屈曲点を画定し、屈曲点は、カテーテル本体が所定角度を有する曲部を画定する概略点である。カテーテル本体は、少なくとも第1構造と第2構造との間で移動可能であり、角度は、第1構造において第2構造におけるよりも大きい。
【0014】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを有する、カテーテル本体を備え、第1ルーメンは、ガイドワイヤを受けるように構成されている。第1開口部は、カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成されており、第1開口部は、第1ルーメンと連通する。カテーテルシステムは、カテーテル本体によって支持されるシースをさらに備え、シールは、その外壁部を通って形成された第2開口部を有する。いくつかの形態において、シースは、少なくとも第1位置と第2位置との間で移動可能であり、第2位置において、シースの第2開口部の少なくとも一部は、カテーテルシステムの第1開口部とほぼ位置合わせされ、第1位置において、シースの第2開口部のどの部分も、カテーテル本体の第1開口部と位置合わせされない。
【0015】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを有する、カテーテル本体を備え、第1ルーメンは、ガイドワイヤを受けるように構成され、第1開口部は、カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成され、第1開口部は、第1ルーメンと連通する。いくつかの形態において、カテーテル本体は、第1開口部に近接して屈曲点を画定し、屈曲点は、カテーテル本体が所定角度を有する曲部を画定する概略的な位置である。さらに、カテーテル本体は、少なくとも第1構造と第2構造との間で移動可能であり、角度は、第1構造において第2構造におけるよりも大きい。
【0016】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルシステムに関し、このカテーテルシステムは、カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを備え、第1ルーメンがガイドワイヤを受けるように構成された、カテーテル本体と、カテーテル本体の長さに沿う複数の位置のいずれかに位置付けられた方向転換器と、を備える。いくつかの形態において、方向転換器は、方向転換器の少なくとも一部がカテーテル本体を通過して第1ルーメン内に入るように構成されており、方向転換器に形成された開口部は、第1ルーメンと連通し、第1ルーメンを通って前進されるガイドワイヤは、方向転換器に形成された開口部を通って前進される。
【0017】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルの使用方法に関し、この方法は、身体の血管内に位置付けられたガイドワイヤを覆うようにカテーテル本体を前進させ、ガイドワイヤがカテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを少なくとも部分的に通過しかつカテーテル本体の第1開口部を通過する工程と、カテーテル本体の周囲に位置付けられたシースを第1位置から第2位置まで移動させる工程と、シースが第2位置にあると、ガイドワイヤを覆うようにカテーテルを前進させるにしたがって、ガイドワイヤがカテーテル本体に形成された第1開口部を通過するようにガイドワイヤを方向転換させる工程と、を備える。いくつかの形態において、シースは、シースが第1位置にあると、第1開口部をほぼ覆う。いくつかの形態において、第1開口部の少なくとも一部は、シースが第2位置にあると、覆われない。
【0018】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルを使用する方法に関し、この方法は、身体の血管内に位置付けられたガイドワイヤを覆うようにカテーテル本体の先端部分を前進させ、ガイドワイヤがカテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを少なくとも部分的に通過しかつカテーテル本体の第1開口部を通過する工程と、カテーテル本体に形成された側壁開口部を通ってガイドワイヤを方向転換させる工程であって、側壁開口部がルーメンと連通する、工程と、カテーテルの先端部分を患者の身体内に位置付けられた導入シース内へ治療部位まで前進させる一方、カテーテル本体の基端部分を少なくとも導入シースの基端側にある側壁開口部に維持する工程と、を備える。
【0019】
本開示のいくつかの形態は、カテーテル本体を使用する方法に関し、この方法は、患者の脈管構造内にカテーテル本体を前進させる工程を備え、カテーテル本体は、基端部と、先端部と、ガイドワイヤを受け、当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンと、第1開口部近傍の屈曲点にある曲部と、を備える。カテーテル本体は、少なくとも第1構造と第2構造との間で移動可能であり、曲部の角度は、第1構造において第2構造における角度よりも大きい。方法は、カテーテル本体を第1構造から第2構造まで移動させ、曲部の角度を低減する工程と、身体の血管内に位置付けられたガイドワイヤを覆うようにカテーテル本体を前進させ、ガイドワイヤが第1ルーメンを通過しかつカテーテル本体の第1開口部を通過する工程と、をさらに備える。
【0020】
本開示のいくつかの形態は、カテーテルを使用する方法に関し、この方法は、身体の血管内に位置付けられたガイドワイヤを覆うようにカテーテル本体の先端部分を前進させ、ガイドワイヤがカテーテル本体に軸方向に形成されたルーメンを通過する工程を備える。また、方法は、カテーテル本体の周囲に位置付けられたシースを(シースがカテーテル本体に形成された第1開口部をほぼ覆う)第1位置から(第1開口部の少なくとも一部がシースによって覆われていない)第2位置まで移動させる工程と、を備える。カテーテル本体に形成された第1開口部は、カテーテル本体に形成された第1ルーメンと連通する。また、方法は、シースが第2位置にあると、ガイドワイヤを覆うようにカテーテルを前進させるにしたがって、ガイドワイヤがカテーテル本体に形成された第1開口部を通って前進するようにガイドワイヤを方向転換させる工程を備える。
【0021】
上述の課題を解決するための手段及び本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むとより理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】一実施形態におけるカテーテルシステムを示す斜視図である。
【図1B】図1Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図である。
【図1C】図1Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムの図1Bを示す線1C−1Cに沿った断面図である。
【図2】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、挿入長さが長い構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図3】図2に示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、挿入長さが短い構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図4】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、挿入長さが短い構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図5】図4に示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、挿入長さが長い構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図6】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す斜視図である。
【図7】図6に示す実施形態におけるスライダ機構を示す斜視図である。
【図8】図6に示す実施形態におけるスライダ機構を示す側面図である。
【図9】図6に示す実施形態におけるスライダ機構を示す端面図である。
【図10】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図である。
【図11】図10に示す実施形態におけるマンドレルを示す上面図である。
【図12】図10に示す実施形態におけるマンドレルを示す側面図である。
【図13A】図10に示す実施形態におけるカテーテルシステムの一部を示す図13Aの線13B−13Bで画定した拡大断面図である。
【図13B】図10に示す実施形態におけるカテーテルシステムの一部を示す図13Aの線13B−13Bで画定した拡大断面図である。
【図13C】別の実施形態におけるカテーテルシステムの一部を示す図13Aの線13C−13Cで画定した拡大断面図である。
【図14A】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、伸長構成にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図14B】図14Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、挿入長さが短い構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図15A】図14Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す図14Bの線15A−15Aで取った断面図である。
【図15B】図14Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す図14Bの線15B−15Bで取った断面図である。
【図16A】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、第1構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図16B】図16Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、第2構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図16C】図16Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す図16Aの線16C−16Cで取った拡大断面図である。
【図16D】図16Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す図16Bの線16D−16Dで取った拡大断面図である。
【図17A】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、第1構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図17B】図17Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、第2構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図17C】図17Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す図17Bの線17C−17Cで取った拡大断面図である。
【図18A】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、伸長構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図18B】図18Aに示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す側面図であって、挿入長さが短い構造にあるカテーテルシステムを示す、側面図である。
【図18C】図18A及び図18Bに示す実施形態におけるカテーテルシステムと共に使用される実施形態におけるマンドレルを示す側面図である。
【図19】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す斜視図である。
【図20】明確さのためにハウジングの一部を取り除いた図19に示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す斜視図である。
【図21】図19に示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す拡大図である。
【図22】別の実施形態におけるカテーテルシステムを示す斜視図である。
【図23】明確さのためにハウジングの一部を取り除いた図22に示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す斜視図である。
【図24】図22に示す実施形態におけるカテーテルシステムを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施形態は、調整可能な長さを有するバルーンカテーテルまたは他の適切なカテーテルを提供することによって、カテーテルの備品を低減する。カテーテルの作業長さを調整する能力を有することによって、備品のカテーテルの数を著しく、場合によっては半分まで低減することができる。いくつかの実施形態は、ガイドワイヤが出ることを可能とするのに有利な場所において、カテーテルシャフトまたは本体にあるノッチ部または開口部を用いる。いくつかの実施形態において、ノッチ部の場所は、カテーテル長さが短いものと同様に、ほとんどの場合においてカテーテルの先端部の基端から約80cmから85cmである。また、開口部は、カテーテルの基端部に十分に近接して位置しており、導入シース(または本体)に入らない。例えば、カテーテルは、ガイドカテーテルまたは導入シースに挿入される場合に、すなわち病巣へのアクセスのために作業長さを伸長することが必要である場合に、開口部を覆うように構成されている。
【0024】
また、従来の装置を用いて、膨張ルーメンは、医者が立つ(シース近傍の)場所から約1から2フィート後方にあり、彼/彼女が膨張ルーメンを操作するために前後に移動しなければならなくさせる。このジレンマを解決するため、より詳細に説明するように、いくつかの実施形態において、カテーテルは、医者の位置を調整するために移動可能な移動可能膨張ポートを有する。
【0025】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、ガイドワイヤルーメンを有するカテーテル本体とそこに軸方向に形成された膨張ルーメンとを有するように設けられている。膨張可能なバルーンは、カテーテル本体の先端部分に支持されている。カテーテルは、カテーテル本体の作業長さ(例えば、使用中に患者の内部に位置付けられるカテーテルの長さ)が患者個別の必要性に応じて増大または減少するように構成されている。
【0026】
図1Aは、一実施形態におけるカテーテルシステム20を示す斜視図である。図1Bは、図1Aに示す実施形態におけるカテーテルシステム20を示す側面図である。図1Cは、図1Aに示す実施形態におけるカテーテルシステム20を示す断面図であって図1Bの線1C−1Cを通って取られた断面図である。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム20は、本明細書で説明される機能、構成部材、構造または他の細部に加えてまたは替えて、従来のカテーテルシステムで見られた機能、構成部材、構造または他の細部を備えてもよい。
【0027】
図1Aから図1Cを参照すると、カテーテルシステム20は、膨張ルーメン24及びガイドワイヤルーメン26を有するカテーテル本体22を備える。ガイドワイヤルーメン26の少なくとも一部または全長は、ガイドワイヤ28(明確さのために図1Aから削除されている)をスライド式に受けるように構成されている。ガイドワイヤ28は、ガイドワイヤルーメン26に連通する開口部(図示略)を通ってカテーテル本体22の先端部においてルーメン26から出る。
【0028】
インタフェース機構32は、カテーテル本体22に位置付けられており、カテーテル本体22の外面の少なくとも一部を囲む。いくつかの実施形態において、インタフェース機構32は、カテーテル本体22の長さに沿ってスライド式に位置付け可能に構成されている。また、インタフェース機構32は、カテーテル本体22から完全に取り外し可能に構成されている。例えば、インタフェース機構32及び/またはカテーテル本体22は、移動止部(detent)、クランプまたは他の機能を有し、インタフェース機構32をカテーテル本体22の長さに沿う所望位置で選択的に固定する。
【0029】
ガイドワイヤルーメン26は、インタフェース機構32によってアクセスされる開口部を除いて、その長さの十分な部分に沿って少なくとも実質的にシールされるように構成されている。いくつかの実施形態において、インタフェース機構32は、レバー腕部またはブレード34を備え、このレバー腕部またはブレードは、開口部を形成するようにまたはガイドワイヤルーメン26とカテーテル本体22の外面22aとの間においてルーメン壁部にあらかじめ存在する開口部へのアクセスをもたらすように構成されている。レバー腕部またはブレード34は、カテーテル本体22のさまざまな長手方向位置において、ガイドワイヤルーメン26に通路36を形成する。
【0030】
いくつかの実施形態において、レバーまたはブレード34は、図1Cに示すように、ルーメン壁部を押下してスリット36を開口することによって開口部を形成する。また、ブレード34は、カテーテル本体22の外面22aとガイドワイヤルーメン26との間でルーメン壁部に形成されたスリットの一部を開口するために使用される。図1Cは、あらかじめ形成された開口部またはスリット38を備えるカテーテルの横断面を示しており、このスリットは、カテーテル本体22の長さに沿って複数箇所でガイドワイヤルーメン26へのアクセスを可能とする。いくつかの実施形態において、図1A及び図1Bに示すように、レバー腕部またはブレード34は、ルーメン壁部にある開口部またはスリット38内に延在してガイドワイヤ28をルーメン26の外側に方向転換するように構成されている。いくつのかの実施形態において、レバーまたはブレード34は、開口部またはスリット38内に延在し、ガイドワイヤ28をルーメン26から方向転換する。
【0031】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステム20は、インタフェース機構32をカテーテル本体22に沿って移動させるにしたがって通路36の場所を移動させることを可能としながら、カテーテル本体22の他の部分をシールしてガイドワイヤルーメンがその長さに沿って十分にシールされたままとするように構成されている。いくつかの実施形態において、開口部またはスリット38は、ガイドワイヤルーメン26に近接するカテーテル本体22に形成されている。開口部またはスリット38は、開口部36を占めるガイドワイヤと同等に、ブレード34がカテーテル本体の所望の部分に沿って開口部を形成するように構成されている。開口部またはスリット38は、付勢されてルーメン26に近接するカテーテル本体22の長さに沿って密閉シールを形成するように自己シールされている。
【0032】
シールされた通路36は、ガイドワイヤ28を受けるように構成されており、ガイドワイヤ28のためのシールされた導管をガイドワイヤルーメン26に形成する。この構成において、インタフェース機構32は、カテーテル本体22の長さに沿って移動され、開口部36の位置の調整をもたらす。この構成において、カテーテルシステム20の作業長さは、インタフェース機構32をカテーテル本体22の長さに沿って移動させることによって変化される。
【0033】
いくつかの実施形態において、インタフェース機構32は、ヒンジ部材40及びラッチ機構42を形成する。図1Aに最も明確に示されるヒンジ部材40及びラッチ機構42は、ユーザがインタフェース機構32のカバー部分44を開いてインタフェース機構32をカテーテル本体22から取り外すまたはカテーテル本体22と組み合わせるように構成されている。
【0034】
図2は、別の実施形態におけるカテーテルシステム50を示す側面図であり、挿入長さが長い構造であるカテーテルシステム50を示している。図3は、図2に示す実施形態におけるカテーテルシステム50の側面図であり、挿入長さが短い構造にあるカテーテルシステム50を示している。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム50は、カテーテル本体52、スライド取付部54、膨張ルーメン嵌合部56及びガイドワイヤ交換ポート58を有する。膨張バルーン62は、カテーテル本体52によって支持されている。図示のように、スライド取付部54は、カテーテル本体52にスライド式に位置付け可能であり、(その端部にあるルアー(luer)嵌合を有する)膨張ルーメン嵌合部56の位置は、調整可能である。例えば、図2に示す挿入長さが長い構造において、膨張ルーメン嵌合部56は、図3に示すカテーテルシステム50における挿入長さが短い構造と比較して、ガイドワイヤ交換ポート58からさらに離間して位置付けられている。いくつかの実施形態において、ユーザは、膨張ルーメン嵌合部56をカテーテル本体52に沿ってガイドワイヤ交換ポート58に向けてスライドさせることによって、膨張ルーメン嵌合部56までの距離を短縮し、ガイドワイヤ60は、このガイドワイヤ交換ポート58を通過して、カテーテル本体52に形成されたガイドワイヤルーメンに入るまたはガイドワイヤルーメンから出る。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤ交換ポート58は、カテーテル本体52に沿う固定位置にある。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤ交換ポート58の位置は、調整可能である。
【0035】
いくつかの実施形態において、スライド取付部54は、カテーテル本体52の先端部52aに向けて(例えば、ガイドワイヤ交換ポート58に接近して)移動され、カテーテル本体52の作業長さを短縮する。挿入長さが短い構造を図3に示す。そして、この構造において、ユーザは、膨張ポート56がガイドワイヤポート58に近接した状態で、カテーテル及びガイドワイヤの作業長さが短い状態で作業する。本発明は、医者が手術台を下降移動させてカテーテルシステム50の膨張ルーメンに結合された膨張デバイスを作動させる必要がないことを可能とする。
【0036】
いくつかの実施形態において、スライド取付部54は、カテーテル本体52の基端部52bに向けて引っ張って戻され、カテーテル本体52の作業長さまたは部分を長くする。この構造を図2に示す。
【0037】
いくつかの実施形態において、カテーテル本体52のすべてまたは一部は、補強マンドレル、編紐、ワイヤ、コイル、補強もしくは硬化材料で、または別の方法で補強され、カテーテルシステム50の使用中に曲げることなくまたは不意に撓ませることなくカテーテル本体52を押圧することを可能とする。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤポート58及び(後述する)結合部64の位置間の距離は、約40cmから約80cmである。いくつかの実施形態において、ガイドワイヤポート58及びカテーテルの先端部52aの位置間の距離は、約60cm以上である。
【0038】
図示された実施形態において、ガイドワイヤ60は、ガイドワイヤルーメンを通過し、カテーテル本体の先端部52aにおいてカテーテル本体52から出る。さらに、いくつかの実施形態において、膨張バルーン62は、カテーテル本体52の先端部52a近傍においてカテーテル本体52によって支持される。このように、カテーテルシステム50は、血管形成治療のために、ステントの送達のため、またはバルーンが有用である他の治療のために構成されている。
【0039】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステム50は、膨張ルーメン嵌合部またはポート56とカテーテル本体52の残りの部分との間に結合部と形成する膨張ルーメン結合部64を有する。管部66の長さは、膨張ポート56と結合部64との間に可撓性を有する導管を形成する。
【0040】
図4は、別の実施形態におけるカテーテルシステム80の側面図であり、挿入長さが短い構造におけるカテーテルシステム80を示している。図5は、図4に示す実施形態におけるカテーテルシステム80の側面図であり、挿入長さが長い構造におけるカテーテルシステム80を示している。図4及び図5に示すように、カテーテルシステム80は、カテーテル本体82と、膨張バルーン84と、クイック接続結合部86と、を有する。カテーテル本体82は、膨張ルーメンとガイドワイヤルーメンとを有する。図4に示すように、クイック接続結合部86は、短い延長部88をカテーテル本体82に接続するために使用される。短い延長部88は、膨張ルーメン部分92とガイドワイヤルーメンのための出口ポート94とを有する。図5に示す長い延長部90は、膨張ルーメン部分92とガイドワイヤルーメンのための出口ポート94とを有する。カテーテルシステム80は、短い延長部88及び長い延長部90がクイック接続結合部86に交換可能に連結されるように構成されている。
【0041】
長い延長部90をカテーテル本体82にクイック接続結合部86を用いて取り付けることによって、ユーザは、カテーテル本体82の作業長さを延長でき、カテーテル本体82の長さを増大する。いくつかの実施形態において、カテーテル本体82の長さは、約100cm以上である。いくつかの実施形態において、長い延長部90は、長さが約55cm以上、または約50cmから約75cmである。いくつかの実施形態において、カテーテル本体82は、カテーテル本体82の先端部からクイック接続結合部86までの長さが約80cmである。
【0042】
いくつかの実施形態において、クイック接続結合部86は、身体の血管内に挿入可能に構成されている。いくつかの実施形態において、クイック接続結合部86は、柔軟にかつ目印機能を有するように構成されており、延長部分88、90にある膨張ルーメン及びガイドワイヤルーメンは、クイック接続結合部を結合すると、カテーテル本体82内の膨張ルーメン及びガイドワイヤルーメンと位置合わせされる。クイック接続結合部は、十分に短く、カテーテル本体82に長い硬質な部分を形成しない。クイック接続結合部86は、1以上の柔軟な材料から形成されている。いくつかの実施形態において、クイック接続結合部86は、スナップ嵌合コネクタまたは同様のコネクタであり、このコネクタは、目印機能を有しており、カテーテル本体82内のルーメンの位置合わせを保持する。いくつかの実施形態において、クイック接続結合部86は、目印機能を有する捩り型またはネジ山付のコネクタであり、カテーテル本体82内のガイドワイヤまたは膨張ルーメンの位置合わせを確実にする。
【0043】
図6は、別の実施形態におけるカテーテルシステム100を示す斜視図であり、このシステムは、カテーテル本体102、膨張バルーン104及びスライダ機構106(本明細書では方向転換器とも称される)を有する。図7から図9は、図6に示すスライダ機構106をそれぞれ示す斜視図、側面図及び後面図である。スライダ機構106は、ガイドワイヤ114をガイドワイヤルーメン110の外側に方向転換させるように構成されている。従来技術において一般的に見られる主の典型的なオーバーワイヤ型膨張ルアー(over-the-wire inflation luer)は、カテーテル本体102の基端部102aに取り付けられている。
【0044】
図6を参照すると、縦方向のスリット108は、カテーテル本体102の外面とガイドワイヤルーメン110との間であるが膨張ルーメン112内に入らずにカテーテル本体102に形成されている。スリット108は、カテーテル本体102の全長に沿って、またはカテーテル本体102の一部の長さのみに沿って延在している。いくつかの実施形態において、カテーテル本体102は、スリット108がほぼ自己シールするように構成されている。いくつかの実施形態におけるスライダ機構106は、ユーザの手または指で把持されるようにサイズ付けされかつ構成された第1部分106aと、カテーテル本体102のルーメン内で支持されるように構成された第2部分106bと、を有する。例えば、いくつかの実施形態において、スライダ機構106は、カテーテルシステム100によって支持されており、スライダ機構106の第1部分106aは、カテーテル本体102及びガイドワイヤルーメン110の外側に位置する一方、スライダ機構106の第2部分106bは、ガイドワイヤルーメン110内にスライド可能に受けられている。
【0045】
いくつかの実施形態において、スライダ機構106の第2部分106bは、ガイドワイヤルーメン110の横断面形状と同様の横断面形状を有する。いくつかの実施形態において、第2部分106bは、管状をなし、1以上の湾曲面を有する。いくつかの実施形態において、第2部分106bは、図7に示す底面106cのように、平坦な底面を有し、ガイドワイヤルーメン110の同様の形状の面に当接する。平坦な底面106cは、スライダ機構106をカテーテル本体102に対して安定させるように構成されており、スライダ機構106がカテーテル本体102の長手方向軸回りでカテーテル本体102に対して移動することまたは回転することを抑制する。いくつかの実施形態において、スライダ機構106の第2部分106bは、管状またはC字状の横断面形状を有する。スライダ機構106の第1部分106aは、ユーザがスライダ機構106を容易に把持しかつ操作できるようにサイズ付けされかつ形付けられている。
【0046】
図6から図9を参照すると、ガイドワイヤ114は、ガイドワイヤ114をカテーテル本体102の先端部102bを通して前進させ、ガイドワイヤ114をガイドワイヤルーメン110を通して送ることによって、カテーテルシステム100に組み付けられる。いったんガイドワイヤ114がスライダ機構106に到達すると、上述のように、スライダ機構106は、ガイドワイヤ114をガイドワイヤルーメン110の外側に方向転換させる。スライダ106は、スライダ機構106の所望位置を到達するまで先端側にまたは基端側に前進されまたは平行移動される。ガイドワイヤ114をカテーテル本体102及びスライダ機構106を通して前進させた後、典型的なオーバーワイヤ型膨張ルアーの嵌合部は、カテーテル本体102の基端部102aに結合される。この構成において、ガイドワイヤ114は、カテーテル本体102の所定部分におけるガイドワイヤルーメン110内に留まり、この部分は、患者内に挿入され、カテーテル本体102の作業長さは、スライダ106をカテーテルの先端部に向けてまたは先端部から離間させてスライドすることによって、調整される。
【0047】
図10は、別の実施形態におけるカテーテルシステム150を示す側面図である。図1は、図10に示す実施形態におけるマンドレル162を示す上面図である。図12は、図10に示す実施形態におけるマンドレル162を示す側面図である。図13Aは、図10において曲線13A−13Aで画定された図10に示す実施形態におけるカテーテルシステム150の一部を示す拡大断面図である。図13Bは、図13Aにおいて線13B−13Bで画定された図10に示す実施形態におけるカテーテルシステム150の一部を示す拡大断面図である。
【0048】
図10から図13Bを参照すると、カテーテルシステム150は、膨張バルーン154を有するカテーテル本体152と、膨張ルーメン157と連通する膨張ポート156と、ガイドワイヤ158を受けるガイドワイヤルーメン159と、を備える。いくつかの実施形態において、カテーテル本体152は、ワイヤタイプのカテーテルにわたる典型的な同一の機能の一部またはすべてを有してもよく、ガイドワイヤ158は、カテーテル本体152の全長を通って前進され、マンドレル162をガイドワイヤルーメン159に位置付けない場合に、カテーテル本体152の基端部152aを通って出る。
【0049】
図示された構成において、ガイドワイヤ158は、カテーテル本体152の一部を通って前進され、ガイドワイヤ158は、カテーテル本体152に形成された開口部160(同様に本明細書ではポートまたはノッチと称される)を通って出る。いくつかの実施形態において、1を超える開口部160をカテーテル本体152または本明細書に記載された他のカテーテル本体に形成してもよく、ガイドワイヤ158は、幅広い範囲の位置においてカテーテル本体152から出る。マンドレル162は、カテーテル本体の基端部152aを通ってカテーテル本体152内に挿入されており、必要に応じて、開口部160を通ってガイドワイヤ158を案内することまたは方向転換することを補助する。いくつかの実施形態において、マンドレル162は、湾曲した先端部162aを有し、正確に方向付けると開口部160を通ってガイドワイヤ158を方向転換させる。いくつかの実施形態において、図13Aに示すマンドレル162を参照すると、マンドレル162の先端部分162aは、斜めにされているまたは傾斜されており、ガイドワイヤ158をガイドワイヤルーメン159から方向転換させる。
【0050】
いくつかの実施形態において、マンドレル162及び/またはカテーテル本体152は、印付けされているまたは楔止めされており、カテーテル本体152の基端部においてまたはカテーテル本体152の長さの任意の部分に沿って、ガイドワイヤルーメン159内におけるマンドレル162の所望の方向付けを確実にし、ガイドワイヤ158は、滑らかに出る。例えば、図13Bを参照すると、マンドレル162及び/またはマンドレル162を前進させるガイドワイヤルーメン159は、楔止めされ、印付けされている、または別の方法でマンドレル162の斜めにされているまたは傾斜された端部部分を開口部160に関して最適な回転配向で付勢するように構成されている。端部部分162aは、マンドレル162の端部部分162aを曲げることによって整列されている。いくつかの実施形態において、開口部160に関する最適な回転配向は、マンドレル162をガイドワイヤルーメン内で所望の軸方向位置内に前進させたときにマンドレル162の端部部分162aが開口部160から外にガイドワイヤを滑らかに方向転換させる配向である。
【0051】
図13Bに示すように、ガイドワイヤルーメン159は、凹所またはチャネル161を画定しており、この凹所またはチャネルは、端部部分162aを受けるまたは別の方法でマンドレル162が不意に回転することを防止するように構成されている。この構成において、マンドレルの回転または径方向の配向は、制御される。チャネル161は、ガイドワイヤルーメン159の長さの一部またはすべてに沿って形成されてもよい。
【0052】
さらに、図13Cを参照すると、ガイドワイヤルーメン159は、そこに凹所またはチャネル161を画定し、この凹所またはチャネルは、そこにマンドレル162の尾根部または突出部163を受けるまたは別の方法でマンドレル162が不意に回転することを防止するように構成されている。図13Cに示す実施形態におけるマンドレル162は、カテーテル本体152の開口部160を通ってガイドワイヤ158を方向転換させるように構成された斜めにされているまたは傾斜した端部(図示略)を有する。この構成において、マンドレル162の回転または径方向の配向は、制御される。図13Cに示すチャネル161は、ガイドワイヤルーメン159の長さの一部またはすべてに沿って形成されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、ハンドル164は、任意の実施形態におけるマンドレル162または本明細書で開示した他のマンドレルの基端部162bにおいて支持されており、ユーザがマンドレルを操作するまたは取り除くことに役立つ。また、マンドレル162の基端部162bにおいて支持されているハンドル164は、楔止めされており、ハンドルをカテーテル152の基端部152aにある機構と結合すると、マンドレルの傾斜したまたは湾曲した先端部162aは、開口部160を通ってガイドワイヤ158を方向転換させるように配向される。
【0054】
いくつかの実施形態において、開口部160は、カテーテル本体152の先端部152bから約80cmのところに位置付けられている。いくつかの実施形態において、開口部160は、カテーテル本体152の長さに沿う任意の所望のまたは適切な位置に位置付けられている。上述のように、マンドレル162をガイドワイヤルーメンから取り除くと、ガイドワイヤ158は、カテーテル本体152の全長にわたって延びており、カテーテル本体152の全長は、作業長さである。いくつかの実施形態において、カバーまたはプラグ(図示略)は、開口部160を覆うように位置付けられ、カテーテル本体152のほぼ全長を患者内に挿入すべき場合に、開口部160をほぼ覆ってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、カテーテル本体152は、開口部160の領域でまたは開口部に近接して補強されまたは支持されてもよく、カテーテルの外面が遮断されることまたは開口部160の横断面積が減少することに起因してカテーテル本体152が開口部160においてまたは開口部に近接して座屈するまたは捩れることを防止する。いくつかの実施形態において、中実のマンドレルまたは支持部を隣接するバルーン膨張ルーメンまたはカテーテル本体152に形成された別のルーメン内に挿入してもよく、開口部160の領域におけるカテーテル本体152を補強する。マンドレルまたは支持部は、開口部160の位置を過ぎて延在し、接着剤、溶接、留具または他の適切な手段を用いてカテーテルの基端部に取外可能にまたは取外不能に固定されてもよい。マンドレルは、先端部においてテーパ状とされまたはその剛性を低下させるように変更されており、ワイヤの端部が不意にルーメンに穴を開けてカテーテルシャフトから出ることを防止する。
【0056】
いくつかの実施形態(図示略)において、取外可能なクリップは、開口部160を囲むようにまたは開口部に近接してカテーテル本体152の外側に位置付けられてもよく、短いカテーテル長さを必要とする場合に、ユーザが開口部160の位置を突き止めること及び開口部160から外にガイドワイヤを方向転換させることに役立つこと補助する。上述したスライドインタフェース機構32のようなインタフェース機構は、カテーテル本体152に取り付けられており、膨張ルーメンへの入口の場所を開口部160に近接させることを可能とする。
【0057】
図14A及び図14Bは、別の実施形態におけるカテーテルシステム170を示す側面図であり、外側カバーまたはシース174と協働する一実施形態におけるスライド可能組立体172を示し、この外側カバーまたはシースは、長さが長いカテーテルを使用する場合に、カテーテル本体178に形成された開口部176(同様に、本明細書ではポートまたはノッチと称される)を覆うために使用される。いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム170は、本明細書で開示した実施形態における他のカテーテルシステムと同一の機能、構成部材、構造または細部の1つまたは任意の組合せを有してもよい。図14Aは、挿入長さが長い構造におけるカテーテルシステム170を示しており、スライド可能な組立体172は、カテーテル本体178の基端部178aから離間するように軸方向に前進され、カテーテルシステム170は、伸長位置にある。図14Bは、挿入長さが短い構造におけるカテーテルシステム170を示しており、スライド可能な組立体172は、軸方向で後退されてカテーテル本体178の基端部178aに近接して位置付けられており、カテーテルシステム170は、挿入長さが短い構造にある。図14A及び図14Bを参照すると、(図14Aにおいて符号D1で示される)第1のすなわち挿入長さが長い構造におけるカテーテルシステム170の作業長さ(すなわち、導入シースまたは患者内に挿入可能に構成された長さ)は、(図14Bにおいて符号D2で示される)第2のすなわち挿入長さが短い構造におけるカテーテルシステム170の作業長さよりも十分に長い。
【0058】
いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム170または本明細書で開示された実施形態におけるカテーテルシステムにおいて、(図14Aにおいて符号D1で示される)第1のすなわち挿入長さが長い構造におけるカテーテルシステム170の作業長さは、125cm以下から約150cm以上までである、または約130cmから約140cmまでである、または約133cmから約137cmまでである、またはこれら範囲内にある任意の値から任意の値までである。いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム170または本明細書で開示された実施形態におけるカテーテルシステムにおいて、(図14Bにおいて符号D2で示される)第2のすなわち挿入長さが短い構造におけるカテーテルシステム170の作業長さは、65cm以下から約100cmまでである、または約70cmから約90cmまでである、または約75cmから約85cmまでである、またはこれら範囲内にある任意の値から任意の値までである。
【0059】
図14Aに示すような伸長位置において、スライド可能な組立体172のシース174は、図14Aの矢印A1で示される方向に伸長されており、シース174は、開口部176をほぼ覆う。この位置において、シース174または本明細書で開示された他の実施形態におけるカテーテルシステムのシースは、開口部176の位置においてまたは開口部の位置に近接してカテーテル本体178に対してさらなる構造的な支持部を形成する。さらに、いくつかの実施形態において、シース174または本明細書で開示された他の実施形態のカテーテルシステムにおけるシースは、(限定することなくカテーテル本体178のような)カテーテル本体の外面の周囲に比較的液密なシールを形成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、シース174または本明細書における他のシースがカテーテル本体の開口部を覆うように位置付けられた状態で、ガイドワイヤルーメンは、流体を患者の脈管構造内に注入するために使用されてもよい。
【0060】
挿入長さが短い構造において、図14Bに示すように、スライド可能な組立体172のシース174は、図14Bの矢印A2で示される方向に後退されており、シース174は、開口部176を覆わない。この位置において、ガイドワイヤは、開口部176を通過できる。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム170は、マンドレルまたは他の適切な装置もしくは機能が選択的に開口部176を通ってガイドワイヤを方向転換させるように構成されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、スライド可能な組立体172をカテーテルシステム150または本明細書で開示された他のカテーテルシステムを含むがこれに限定されない本明細書で開示されたまたは技術的に公知の他のカテーテルまたはカテーテルシステムに組み込んでもよい。さらに、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム170は、本明細書で開示されたカテーテルシステムまたは技術的に公知の他のカテーテルシステムの構成部材、機能または他の細部を有してもよい。
【0062】
この構成において、スライド可能組立体172を図14Aに示すように開口部176を覆うように前進させると、開口部176は、ほぼ覆われ、カテーテルルーメンの基端部または先端部を通って前進されたガイドワイヤ及び他のデバイスが不意に開口部176から出ることを防止する。短いカテーテル本体178(または短い作業長さ)が好ましい場合、スライド可能組立体172は、基端側に(すなわち図14Bの矢印A2で示された方向に)後退し、(図10に示しかつ上述したマンドレル162などであるがこれに限定しない)任意の方向転換ロッドは、ガイドワイヤルーメンを位置付けてガイドワイヤを開口部176から外に方向転換させる。そして、カテーテルをガイドワイヤに装填し、ガイドワイヤが開口部176から出るまで前進させる。この時点で、ガイドワイヤ及びカテーテル170は、別個に操作される。述べたように、長いカテーテルシステム170(例えば長い作業長さ)を必要な場合、スライド可能組立体172は、先端側に伸長されて開口部176を覆い、方向転換ロッドを取り外す。そして、カテーテルをガイドワイヤに装填し、ガイドワイヤがカテーテル本体178の基端部178aを通過するまで前進させる。
【0063】
いくつかの実施形態において、開口部176または本明細書における他のポートもしくはノッチは、カテーテル本体178の先端部に対して位置付けられており、十分な長さのカテーテル本体178を開口部176の先端側に設けることを確実にする。説明したように開口部176を位置付けることにより、ガイドワイヤを開口部176を通って前進させたときに開口部176が導入シースの外側に、すなわち基端側にあるままとなることが確実になる。これら特徴により、脈管構造内の組織がガイドワイヤとカテーテル170の本体または開口部176との間で捕捉される可能性であって患者に負傷を招くことがある可能性を最小化する。
【0064】
図15A及び図15Bは、図14A及び図14Bに示す2つの実施形態におけるカテーテルシステムを示す図14Bの線15A−15Aで取った断面図である。いくつかの実施形態において、本明細書で開示された他の実施形態におけるカテーテルと同様に、カテーテル本体178は、そこで補強マンドレルまたは支持部182を取外し可能にまたは取外し不能に構成されたルーメン180を有する。ルーメン180は、ガイドワイヤルーメン184と平行に配置されている。補強マンドレル182は、開口部176に近接するカテーテル本体178の強度及び/または剛性を増大させるようにサイズ付け及び構成されている。あるいは、図15Bを参照すると、カテーテルシステム170は、補強マンドレルまたは支持部182をカテーテル本体178に形成された膨張ルーメン186のすべてまたは一部内で受けるように構成されている。本明細書で開示された実施形態において、補強マンドレル182は、断面中実、断面中空またはその組み合わせを有してもよい。
【0065】
図16A及び図16Bは、別の実施形態におけるカテーテルシステム200を示しており、このカテーテルシステムは、第1のすなわち挿入長さが長い構造と第2のすなわち挿入長さが短い構造とをそれぞれ有する。いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム200は、本明細書で開示された実施形態における他のカテーテルシステムと同一の機能、構成部材、構造または細部の1つまたは組み合わせを有してもよい。カテーテルシステム200は、外側カバーまたはシース204と協働するスライド可能組立体202を有し、この外側カバーまたはシースは、長さが長いカテーテルを使用する場合に、カテーテル本体208に形成されたノッチまたは開口部206を覆うために使用される。いくつかの実施形態において、シース204、より具体的にはカテーテル本体208は、施術者にカテーテルシステム200のさまざまな異なる作業長さを提供するために独立して露出された1以上の開口部を備える。カテーテルシステム200または本明細書の他のカテーテルシステムは、シース204とカテーテル本体208との間で血液が流動することまたは他の漏洩を防止するまたは阻止するように十分にシールされているまたは隙間がない。
【0066】
図16Aは、挿入長さが長い構造にあるカテーテルシステム200を示しており、スライド可能組立体202は、カテーテル本体208の基端部208aに向けて軸方向に後退されており、カテーテルシステム200は、伸長位置にある。図16Bは、挿入長さが短い構造にあるカテーテルシステム200を示しており、スライド可能組立体202は、カテーテル本体208の基端部208aから離間するように軸方向で前進されており、カテーテルシステム200は、挿入長さが短い構造にある。図16Aに示すような後退位置において、スライド可能組立体202の外側カバー204は、図16Aの矢印A3で示す方向に後退され、外側カバー204にあるノッチまたは開口部210(同様に第2開口部と称される)は、カテーテル本体208に形成されたノッチまたは開口部206と位置合わせされない。この位置において、開口部206、210が位置合わせされずかつ開口部206が露出していない場合、外側カバー204は、開口部206においてまたは開口部に近接してカテーテル本体208に構造的な支持部を形成する。
【0067】
軸方向で前進した位置において、図16Bに示すように、スライド可能組立体202のシース204は、図16Bの矢印A4で示す方向に前進され、開口部210は、開口部206と位置合わせされてシース204を通した開口部206へのアクセスを形成する。この位置において、ガイドワイヤは、ほぼ位置合わせした開口部206、210を通過する。有利には、開口部210に近接するシース204の一部は、開口部206の軸方向位置において追加の構造的な支持部を形成する。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム200は、マンドレルまたは他の適切なデバイスもしくは機構が開口部206及び210を通ってガイドワイヤを選択的に方向転換させるように構成されている。いくつかの実施形態において、軸方向で移動可能であることに替えて、スライド可能組立体202のシース204は、開口部206、210を位置合わせするためまたは開口部206、210を位置ズレさせるために、回転可能である。
【0068】
いくつかの実施形態において、スライド可能組立体202は、カテーテルシステム150または170を含むがこれに限定されない本明細書で開示したまたは技術的に公知の他のカテーテルまたはカテーテルシステムに組みこまれてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム200は、本明細書で開示したまたは技術的に公知の他のカテーテルにおける構成部材、機構または他の細部を有してもよい。
【0069】
この構成において、図16Aに示すように、スライド可能組立体202を後退させて開口部206を覆うと、開口部206は、ほぼ覆われ、ガイドワイヤ及びカテーテルルーメンの基端部または先端部を通って前進される他のデバイスが不意に開口部206から出ることを防止する。作業長さが短い型のカテーテル本体208が好ましい場合、スライド可能組立体202は、先端側に(すなわち、図16Bの矢印A4で示される方向に)前進される。いくつかの技術において、(図10に示しかつ上述したマンドレル162などであるがこれに限定されない)方向転換ロッドは、ガイドワイヤルーメン内に位置付けられ、ガイドワイヤを開口部206から外に方向転換させる。そして、カテーテルは、ガイドワイヤに充填され、ガイドワイヤが開口部206から出るまでカテーテル本体208の先端部のポートから基端側に前進される。この時点で、ガイドワイヤ及びカテーテルシステム200は、別個に操作される。述べたように、長い型のカテーテルシステム200を必要とする場合、スライド可能組立体202は、先端側に伸長され、開口部206を覆い、方向転換ロッドは、取り除かれる。そして、カテーテルは、ガイドワイヤに充填され、ガイドワイヤがカテーテル本体208の基端部208aを通過するまで前進される。
【0070】
本明細書で開示した実施形態において、カテーテルシステム(例えば、限定されないがカテーテルシステム200)の1以上の構成部材は、印付けされておりまたは別の方法で所望の径方向の配向、軸方向の位置もしくはカテーテルシステムの構成部材を維持するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態において、シース204は、カテーテル本体208に対して軸方向で移動可能に構成されており、シース204、カテーテル本体208及び/またはカテーテルシステム200の他の構成部材は、チャネル、凹部、突出部、タブまたは他の印付機能もしくは楔止機能を有し、シース204に形成された開口部210がカテーテル本体208に形成された開口部206に対して径方向で位置ズレすることを防止する。
【0071】
例えば、シース204の内面は、シース204の長さの少なくとも一部に沿ってそこに長手方向に形成されたチャネル212を画定し、カテーテル本体208の外面は、そこに形成された突出部またはタブ214を有し、この突出部またはタブは、シース204に形成されたチャネル212と係合するように構成されている。代替の実施形態(図示略)において、(タブ214のような)タブは、シース204に配置されており、(チャネル212のような)チャネルは、カテーテル本体208に配置されている。これら構成において、開口部206、210それぞれを位置合わせするため、医療施術者は、開口部206、210の軸方向の位置のみを心がける必要があり、単にシース204の軸方向の位置をカテーテル本体208に対して変更することによって、これら構成部材を位置合わせする。
【0072】
本明細書で開示した実施形態において、必要ではないが、カテーテルシステム(限定しないが、上述したカテーテルシステム200)の1以上の構成部材は、凹部もしくは移動止部またはそこに形成された他の付勢もしくは印付機能を有する。凹部、移動止部またはそこに形成された他の付勢もしくは印付機能は、互いに2以上の所望の位置のうちの1つにおいてシース204及びカテーテル本体208のような関連する構成部材を選択的に付勢するように構成されている。
【0073】
図16Dは、図16Aに示す実施形態におけるカテーテルシステム200を示す図16Bの線16D−16Dで取った拡大断面図である。図16Dによって形成された断面図は、カテーテル本体208の膨張ルーメン216を通って取られている。図16Dを参照すると、シース204の内面は、シース204の内面においてさまざまな位置でそこに形成された1以上の凹部または移動止部236を画定しており、カテーテル本体208の外面は、丸められているまたは別の方法で形付けられてそこに形成された突出部もしくはタブ238を有しており、この突出部またはタブは、シース204に形成された1以上の凹部236のうちの1つと選択的に係合するように構成されている。代替の実施形態(図示略)において、タブまたは突出部238は、シース204に配置されており、1以上の凹部236は、カテーテル本体208に配置されている。凹部及び突出部または他の同様の機能は、カテーテル本体208に対してシース204が軸方向に移動可能であるか、径方向に移動可能かまたは軸方向及び径方向の双方で移動可能であるかに応じて、さまざまな所定の径方向または長手方向の位置に配置されている。
【0074】
この構成において、凹部またはシース204及び/もしくはカテーテル本体208に形成された他の付勢もしくは印付機能は、(医療施術者である)ユーザに例えば触覚的なフィードバックなどのシース204及びカテーテル本体208の相対的な位置における物理的な印をもたらす。ユーザにもたらされ、外側スリーブとカテーテル本体との相対的な位置付けを示す触覚的なフィードバックは、外側スリーブまたはカテーテル本体に形成された印付機能によって、並びに、ボタンを2以上のスロットのうちの1つに付勢するバネを本明細書で開示された実施形態におけるカテーテルシステムの基端側ハンドルを組み込むように構成することによって、達成される。例えば、第1スロットは、先端側のスリーブ位置(すなわち長いカテーテル構造)のために構成されており、第2スロットは、基端側のスリーブ位置(すなわち短いカテーテル構造)のために構成されている。
【0075】
いくつかの実施形態において、1つの凹部236は、カテーテルシステム200における第1のすなわち挿入長さが長い構造に関連する1つの位置でシース204に形成されている一方、別の凹部236は、カテーテルシステム200の第2のすなわち挿入長さが短い構造に関連する第2の位置でシース204に形成されている。カテーテル本体208に形成された突出部またはタブ238は、シース204に形成された2以上の凹部236の各別と係合するように構成されており、医療施術者は、シース204をカテーテル本体208に対して所望の軸方向または径方向の位置に位置付けると、感知する。さらに、これら機能は、シース204を付勢してカテーテル本体208に対して選択した軸方向または径方向の位置のままとするように構成されている。
【0076】
本明細書で開示された実施形態において、開口部206または本明細書で開示された他のノッチもしくはポートは、カテーテル本体208の先端部に対して位置付けられており、十分な長さのカテーテル本体208を開口部206の先端側に設けることを確実にする。いくつかの実施形態において、述べたように開口部206を位置付けることにより、ガイドワイヤを開口部または開口部206を通して前進させたときに開口部206が導入シースまたは患者の脈管構造に入らないことを確実にし、このため、患者がガイドワイヤから負傷する可能性を防止する。
【0077】
図17Aは、別の実施形態におけるカテーテルシステム220を示す側面図であり、第1の構成にあるカテーテルシステム220を示している。図17Bは、図17Aに示す実施形態におけるカテーテルシステム220を示す側面図であり、第2の構成にあるカテーテルシステム220を示している。図17Cは、図17Aに示す実施形態におけるカテーテルシステム220を示す図17Bの線17C−17Cで取った拡大断面図である。図17Cにより画定された断面図は、カテーテル本体228の膨張ルーメン240を通って取られている。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム220は、カテーテルシステム200のような本明細書で開示した他のカテーテルシステムにおける機能、構成部材または細部、さらにまたは代替的に、後述するまたは図面で示される機能を有してもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、図17Aから図17Cで示されるように、シース224は、カテーテル本体228に対して径方向または回転して移動可能であり、開口部226、230を位置合わせするように構成されてもよい。例えば、回転可能組立体222は、シース224、したがってシース224に形成された開口部230を回転させるために回転される。さらに、シース224、カテーテル本体228及び/またはカテーテルシステム220の他の構成部材は、チャネル、凹部、突出部、タブまたは他の印付機能もしくは楔止機能を有し、シース224に形成された開口部226がカテーテル本体228に形成された開口部226に対して軸方向で位置ズレすることを防止する。例えば、図17Cを参照すると、シース224の内面は、そこに周方向で部分的にまたは全周にわたって形成されたチャネル232を画定しており、カテーテル本体228の外面は、そこに形成された突出部またはタブ234を有しており、この突出部またはタブは、シース224に形成されたチャネル232と係合するように構成されている。
【0079】
カテーテルシステム200と同様に、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム220は、凹部もしくは移動止部またはそこに形成された他の付勢もしくは印付機能を有する。凹部、移動止部または他の付勢もしくは印付機能は、シース224及びカテーテル本体228のような相対的な構成部材を互いに2以上の所望の位置のうちの1つに選択的に付勢するように構成されている。いくつかの実施形態において、チャネル232は、突出部、タブ、停止部または他の同様な機能を有し、カテーテル本体228に対するシース224の回転角度を制限するまたは開口部226、230を位置合わせすることに役立つ。
【0080】
代替的な実施形態(図示略)において、タブ234は、シース224に配置されており、チャネル232は、カテーテル本体228に配置されている。この構成において、開口部226、230それぞれを位置合わせするため、医療施術者は、開口部226、230の径方向または回転方向の位置付けのみを考慮する必要があり、カテーテル本体228に対するシース224の回転方向の位置を変更することによって、開口部226、230を位置合わせする。カテーテル本体228に対するシース224の回転方向の位置、したがって開口部226に対する開口部230の回転方向の位置は、カテーテル本体228の長手方向軸回りでシース224を回転させることによって調整される。
【0081】
図18A及び図18Bは、別の実施形態におけるカテーテルシステム260を示す側面図であり、外側カバーまたはシース264を組み込んだ実施形態におけるスライド可能組立体262を示しており、この外側カバーまたはシースは、長さが長いカテーテルを使用する場合に、カテーテル本体268に形成された開口部266(同様に本明細書ではポートまたはノッチと称される)を覆うために使用される。いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム260は、本明細書で開示された実施形態における他のカテーテルシステムと同じ機能、構成部材、構造または細部の1つまたは組み合わせを有する。図18Aは、挿入長さが長い構造におけるカテーテルシステム260を示しており、スライド可能組立体262は、カテーテル本体268の基端部268aから離間するように軸方向に前進され、カテーテルシステム260は、伸長位置にある。図18Bは、挿入長さが短い構造におけるカテーテルシステム260を示しており、スライド可能組立体262は、軸方向で後退されてカテーテル本体268の基端部268aに近接して位置付けられており、カテーテルシステム260は、挿入長さが短い構造にある。いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム300は、本明細書で開示された他のカテーテルシステムと同じ機能、構成部材、構造または細部の1つまたは組み合わせを有する。
【0082】
図18Aに示すような伸長位置において、スライド可能組立体262のシース264は、図18Aの矢印A5で示す方向に伸長されており、シース264は、開口部266をほぼ覆う。この位置において、シース264または本明細書で開示された他の実施形態におけるカテーテルシステムのシースは、開口部266の位置においてまたは開口部の位置に近接してカテーテル本体268に追加の構造的な支持部をもたらしてもよい。さらに、いくつかの実施形態において、シース264または本明細書で開示された他の実施形態におけるカテーテルシステムのシースは、(限定しないが、カテーテル本体268のような)カテーテル本体の外面の周囲に比較的液密なシールをもたらすように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル本体の開口部266を覆うように位置付けられたシース264を用いて、ガイドワイヤルーメンは、流体を患者の脈管構造に注入するために使用される。
【0083】
挿入長さが短い構造において、図18Bに示すように、スライド可能組立体262のシース264は、図18Bの矢印A6で示す方向に後退されており、シース264は、開口部266を覆っていない。この位置において、ガイドワイヤは、開口部266を通過する。説明されるように、カテーテルシステム300は、カテーテルシステム260が図18Bに示すような挿入長さが短い構造にある場合に、マンドレルまたは他の方向転換デバイスは、開口部または開口部266を通してガイドワイヤを方向転換させるためには必要でない。むしろ、開口部266に近接するカテーテル本体268の角部分は、マンドレルまたは方向転換器を用いずに、開口部266に向けてガイドワイヤを付勢する。
【0084】
この構成において、開口部266を覆うようにスライド可能組立体262を前進させると、図18Aに示すように、開口部266は、ほぼ覆われ、カテーテルルーメンの基端部または先端部を通って前進されたガイドワイヤ及び他のデバイスが不意に開口部266から出ることを防止する。作業長さが短い型のカテーテル本体268が好ましい場合、スライド可能組立体262は、基端側に(すなわち、図18Bの矢印A6で示す方向に)後退される。カテーテルシステム260は、図18Bに示すような挿入長さが短い構造において、開口部266に近接するカテーテル本体268の部分においてカテーテル本体268が(例えば、これに限定されないが、カテーテルが開口部266から離間する方向に湾曲するように)上向きに湾曲するまたは曲がるように構成されている。いくつかの実施形態において、カテーテル本体268は、屈曲点回りに湾曲または曲がる。屈曲点は、開口部266の中心点のまたは端点の近傍である。
【0085】
いくつかの実施形態において、カテーテル本体268は、開口部266の基端側及び先端側においてカテーテル本体268の長さに沿ってほぼ直線状(弛緩状態において)である。この構造において、ガイドワイヤ270を覆うようにカテーテルシステム260を前進させるにしたがって、開口部266の近傍においてカテーテル本体268が湾曲していることにより、ガイドワイヤは、ガイドワイヤルーメンの基端側の位置に配置されたマンドレルまたは方向転換器を用いることなく、開口部266から外に方向付けられる。
【0086】
カテーテル本体268は、多数のさまざまな方法で開口部266の近傍で上向きに曲がるように付勢されるように構成されている。いくつかの実施形態において、これに限定されないが図18Cに示す造形したマンドレル272のようなあらかじめ成形された造形したマンドレルは、カテーテル本体268内に組み込まれているまたは他の方法で位置付けられており、カテーテル本体268を開口部266の近傍で上向きに曲げている。図18Cに示すように、造形したマンドレル272は、曲部または角部274を有しており、この曲部または角部は、マンドレル272をカテーテル本体268内に位置付けると、カテーテル本体268に形成された開口部266の位置と一致するように構成されている。
【0087】
いくつかの実施形態において、カテーテル本体268は、カテーテルが挿入長さが短い構造にあると、図18Bに示すように、開口部266においてまたは開口部の近傍でカテーテル本体268の曲部の角度(図18Bに示すように角度Xで示される)がカテーテル本体268の基端側の部分に対して約30°となるように構成されている。いくつかの実施形態において、開口部266におけるまたは開口部近傍におけるカテーテル本体268の曲部の角度は、カテーテル本体268の基端部分に対して約5°以下から約30°以上、または、約30°以上から約50°以上である。さらに、いくつかの実施形態において、開口部266におけるまたは開口部近傍におけるカテーテル本体268の曲部の望ましい角度は、カテーテル本体268に形成された開口部266のサイズ、開口部266を通って前進されるガイドワイヤのサイズ、及び/またはシース264を前進させることによってほぼ直線状にされる最小の曲げ半径に基づいて選択される。
【0088】
したがって、いくつかの実施形態において、第1位置にあるカテーテル本体268の角度は、第2位置にあるカテーテル本体268の角度よりも大きい。第1位置にあるカテーテル本体268の角度は、第2位置にあるカテーテル本体268の角度よりも十分に大きくてもよい。
【0089】
以下で詳述するように、いくつかの実施形態において、取外し可能なマンドレル(図示略)は、第1及び第2構造間でカテーテル本体268を移動させる。マンドレルは、カテーテル本体の屈曲点に対応する屈曲点において所定角度を有する。
【0090】
その結果、いくつかの実施形態において、造形したマンドレルは、カテーテル本体268の膨張ルーメン内に位置付けられている、カテーテル本体の壁部内に組み込まれている、または造形したマンドレルを受けるように構成された別個のルーメン内に位置付けられている。造形したマンドレルは、角度を付けた形状でヒートセット(heat set)されたニチノール(Nitinol)から、またはステンレススチールもしくは他の適切な材料から形成される。いくつかの実施形態において、カテーテル本体268は、開口部266の近傍において所望の角度を有するように形成されるまたはヒートセットされ、角度を付けたまままたは形付けられたマンドレルを必要としない。
【0091】
カテーテル本体268は、図18Aに示すように挿入長さが長い構造のカテーテル本体268が望ましい場合、スライド可能組立体262は、方向A5で先端側に向けて伸長され、シース264は、開口部266を覆う。いくつかの実施形態において、必要ではないが、シース264は、カテーテル本体268の開口部266を覆うようにシース264を前進させるにしたがって、カテーテル本体268における角度を付けているまたは曲げている付勢を克服してカテーテル本体268をほぼ直線状にするように構成されている。さらに、いくつかの実施形態において、挿入長さが長い構造が望ましい場合、マンドレルは、膨張ルーメンのようなカテーテル本体のルーメンを通って前進され、開口部266近傍においてカテーテル本体268をほぼ直線状にする。しかしながら、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム260は、挿入長さが長い構造においてカテーテル本体268が開口部266少なくとも部分的に開口部266の近傍において曲げられているまたは角度が付けられているままであるように構成されている。そして、カテーテルは、ガイドワイヤに充填され、ガイドワイヤがカテーテル本体268の基端部268aを通過するまで前進される。
【0092】
いくつかの実施形態において、開口部266または本明細書の他のポートもしくはノッチは、カテーテル本体268の先端部に対して位置付けられており、十分な長さのカテーテル本体268を開口部266の先端側に形成することを確実にする。説明したように開口部266を位置付けることにより、ガイドワイヤが開口部266を通過させると及びいくつかの場合において手術中にわたって、開口部266が導入シースの外面(すなわち基端側)にあるままである。これら特徴により、脈管構造にある組織がガイドワイヤとカテーテル260の本体または開口部266との間で捕捉される可能性であって患者に負傷を招くことがある可能性を最小化する。
【0093】
図19は、別の実施形態におけるカテーテルシステム300を示す斜視図である。いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム300は、本明細書で開示された実施形態における他のカテーテルシステムと同じ機能、構成部材、構造または細部の1つまたは組み合わせを有してもよい。図19に示すように、カテーテルシステムは、膨張ルーメンに連通する膨張ポート304とガイドワイヤを受けるガイドワイヤルーメンとを有するカテーテル本体302を有する。いくつかの実施形態において、カテーテル本体302は、上述した実施形態におけるカテーテル本体268のように、曲げられているもしくは角度付けされており、または、いくつかの実施形態において、カテーテル本体302は、上述のように直線状とされている。ハウジング308及び解放機構310を有するスライダ機構306は、カテーテル本体302によって支持されている。ハウジング308は、第1カバー308a及び第2カバー308bを有しており、これら第1及び第2カバーは、接着剤、スナップ嵌合機能、圧入機能、音波溶接または他の適切な構成部材もしくは機能を用いてカテーテル本体302に対して共に保持されている。
【0094】
図20は、一実施形態におけるカテーテルシステム300を示す斜視図であって明確性のために第2カバー308bを取り外した斜視図である。図21は、カテーテルシステム300を示す拡大図である。図19から図21を参照すると、スライダ機構306は、ハウジング308の先端部分から突出する先端部材314を有する。先端部材314は、カテーテル本体302に対して追加の支持部を形成し、カテーテル本体302がハウジング308の先端側の位置で捩れることまたは崩壊することを十分に防止する。先端部材314は、適切な構造における緊張解放デバイスであってもよい。さらに、スライダ機構306または先端部材314は、外側シース316を支持しており、この外側シースは、先端部材314の端部から先端側に突出する。図20を参照すると、いくつかの実施形態において、先端部材314は、ハウジング308内で径方向及び軸方向で支持されており、先端部材314及び外側シースは、ハウジング308に対して軸方向で移動することを防止されている。いくつかの実施形態において、ハウジング308及び/または先端部材314は、環状突出部、環状チャネル、タブ、凹部または他の機能を有しており、先端部材314及び外側シースがハウジング308に対して軸方向で平行移動することをほぼ防止する。この構成において、先端部材314及び外側シース316は、スライダ機構306を少なくとも第1及び第2位置間で移動させると、ハウジング308及びスライダ機構306の他の構成部材と共に移動する。
【0095】
外側シース316は、カテーテル本体302の一部の外面を覆うように延在するように構成されており、このカテーテル本体は、ハウジング308を越えて先端側に延出している。本明細書で開示した他の実施形態におけるカテーテルシステムと同様に、外側シース316は、少なくとも第1及び第2位置間で軸方向に平行移動するように構成されており、カテーテル本体302の開口部(図示略)を選択的に露出するまたは覆い、この開口部を通ってガイドワイヤ(図示略)が前進される。例えば、スライダ機構を第1位置に平行移動させてカテーテルシステム300が第1のすなわち挿入長さが長い構造にあると、シース316は、カテーテル本体302の開口部を覆う。この構造において、ガイドワイヤは、カテーテル本体302の開口部を通って基端側に前進し、ガイドワイヤルーメンを通ってカテーテル本体302の基端部まで進み続ける。あるいは、スライダ機構を第2位置に平行移動させてカテーテルシステム300が第2のすなわち挿入長さが短い構造にあると、シース316は、カテーテル本体302の開口部を露出させ、ガイドワイヤは、カテーテル本体の開口部を通って前進され、開口部を通ってカテーテル本体302から出る。
【0096】
説明するように、スライダ機構306は、図20に示すように第1位置であってスライダ機構306がカテーテル本体302に対して前方位置にある第1位置から第2位置(図示略)であってスライダ機構306がカテーテル本体302に対して後方位置にある第2位置まで移動される。いくつかの実施形態において、スライダ機構306は、カテーテル本体302に形成された少なくとも2つのチャネル320、322と係合するように構成されている。スライダ機構306は、(図20に示すように)チャネル320と係合すると第1のすなわち前方位置にあり、チャネル322と係合すると第2のすなわち後方位置にある。図21を参照すると、ハウジング308内に支持されている解放機構310は、チャネル320、322と選択的に係合するように構成されている。片持ち梁状のバネ部材であってもよいバネ部材324は、解放機構310によって支持されているタブまたは他の突出部(図示略)を図20に示す矢印A7で規定される方向に付勢し、チャネル320、322と選択的に係合させる。
【0097】
解放機構310の一部は、ハウジング308の開口部330を貫通して突出し、ユーザは、バネ部材324の付勢に抗して解放機構310を押下し、ハウジング308及びシース316を少なくとも第1及び第2位置間で軸方向に移動させる。この構成において、ユーザは、図20の矢印A8で示す方向に解放機構310を押下して、ハウジング308がカテーテル本体302に対して軸方向にスライドまたは移動することを可能とする。ハウジング308の内側に形成されたチャネル334のようなチャネル、突出部または他の機構は、カテーテル本体302と係合またはカテーテル本体302を受けるように構成されており、ハウジング308をカテーテル本体302に対して移動させるにしたがってハウジング308に強化した支持部を提供する。また、いくつかの実施形態において、停止部またはタブ336は、カテーテル本体302に形成されており、ハウジング308がカテーテル本体302に対して移動しすぎることを防止する。
【0098】
いくつかの実施形態において、開口部338は、ハウジング308に形成されており、ユーザがハウジング308のカテーテル本体302に対する位置を視認すること、または他の態様におけるカテーテル本体302を見ることを可能とする。さらに、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム300は、ハンドル部分342を有するマンドレル340を支持する。マンドレル340は、カテーテル本体302に形成された、マンドレル340を受けるように構成された膨張ルーメンまたは別個のルーメンなどのルーメン内で前進可能である。マンドレル340は、本明細書で開示された他のマンドレルと同様の機能または形状を有してもよい。
【0099】
図22は、別の実施形態におけるカテーテルシステム400を示す斜視図である。いくつかの実施形態におけるカテーテルシステム400は、本明細書で開示した実施形態における他のカテーテルシステムと同一の機能、構成部材、構造または細部の1つまたは任意の組合せを有してもよい。図22に示すように、カテーテルシステムは、カテーテル本体402を有しており、このカテーテル本体は、膨張ルーメンに連通する膨張ポート404と、ガイドワイヤを受けるガイドワイヤルーメンと、を有する。いくつかの実施形態において、カテーテル本体402は、上述した実施形態におけるカテーテル本体268のように湾曲されまたは角度が付けられている、または、いくつかの実施形態において、カテーテル本体402は、上述のように直線状であってもよい。スライダ機構406は、ハウジング408内で支持されている。スライダ機構は、2以上の所定の位置のうちの1つに軸方向でスライダ機構406を選択的に固定するように構成された解放機構410を有する。ハウジング408は、第1カバー408a及び第2カバー408bを有しており、これら第1及び第2カバーは、接着剤、スナップ嵌合機能、圧入機能、音波溶接または他の適切な構成部材もしくは機能を用いてカテーテル本体402に対して共に保持されている。
【0100】
図23及び図24それぞれは、実施形態におけるカテーテルシステム400を示す斜視図及び上面図であり、第2カバー408bを明確性のために除去している。図22及び図23を参照すると、スライダ機構406は、上述した先端部材314と同様の先端部材または緊張解放デバイス(図示略)を有しており、この先端部材または緊張解放デバイスは、ハウジング408の先端部分から突出する。先端部材は、カテーテル本体402にさらなる支持をもたらし、カテーテル本体402がハウジング408の先端側の位置において捩れるまたは潰れることをほぼ防止する。さらに、スライダ機構406は、外側シース416を支持しており、この外側シースは、先端部材の端部から先端側に突出している。いくつかの実施形態において、先端部材は、ハウジング408内で径方向及び軸方向で支持されており、先端部材及び外側シースは、ハウジング408に対して軸方向で移動することがほぼ防止されている。いくつかの実施形態において、ハウジング408及び/または先端部材は、環状突出部、環状チャネル、タブ、凹部または他の機能を有し、先端部材及び外側シースがハウジング408に対して軸方向に移動することをほぼ防止する。この構成において、先端部材及び外側シース416は、スライダ機構406を少なくとも第1及び第2位置間で移動させると、ハウジング408及びスライダ機構406の他の構成部材と共に移動する。
【0101】
外側シース416は、カテーテル本体402の一部の外面を覆って延在するように構成されており、このカテーテル本体の一部は、ハウジング408を越えて先端側に延出する。本明細書で開示した他の実施形態におけるカテーテルシステムと同様に、外側シース416は、少なくとも第1及び第2位置間で軸方向に移動するように構成されており、カテーテル本体402の開口部(図示略)を選択的に露出させるまたは覆い、この開口部を通ってガイドワイヤ(図示略)を前進させる。例えば、スライダ機構を第1位置に移動させてカテーテルシステム400を第1のすなわち挿入長さが長い構造とすると、シース416は、カテーテル本体402の開口部を覆う。この構造において、ガイドワイヤは、カテーテル本体402の開口部を通過して基端側に前進され、ガイドワイヤルーメンを通ってカテーテル本体402の基端部まで進む。あるいは、スライダ機構を第2位置に移動させてカテーテルシステム400を第2のすなわち挿入長さが短い構造とすると、シース416は、カテーテル本体402の開口部を露出させ、ガイドワイヤは、カテーテル本体の開口部を通って前進され、開口部を通ってカテーテル本体402から出る。
【0102】
説明するように、スライダ機構406は、図23に示すようにスライダ機構406がカテーテル本体402に対して前方位置にある第1位置から、スライダ機構406がカテーテル本体402に対して後方位置にある第2位置(図示略)まで移動される。いくつかの実施形態において、スライダ機構406は、ハウジング408に形成された少なくとも2つのチャネル420、422と係合するように構成されている。スライダ機構406は、(図23に示すように)チャネル420と係合すると、第1のすなわち前方位置にあり、チャネル422と係合すると、第2のすなわち後方位置にある。図21を参照すると、解放機構410は、チャネル420、422と選択的に係合する1以上の対向するタブ411を有する。チャネル420、422は、ハウジング408の径方向で向かい合う位置に形成されている。片持ち梁状のバネ部材であってもよいバネ部材424は、図20に示す矢印A9で規定される方向で解放機構410によって支持されており、チャネル420、422と選択的に係合する。
【0103】
図示のように、タブ411は、チャネル420、422と係合してハウジング408を通って延出し、ユーザは、タブ411を図23に示す矢印A10で規定する方向で共に圧迫することによってバネ部材424の付勢に抗して解放機構410を押下し、スライダ機構406及びシース416は、少なくとも第1及び第2位置間で軸方向に移動される。ハウジング408の内側に形成された突出部434のようなチャネル、突出部または他の機能は、スライダ機構406と係合するまたはスライダ機構406を受けるように構成されており、スライダ機構406をカテーテル本体402に対して移動させるにしたがって、スライダ機構406に強化した支持部を提供する。
【0104】
いくつかの実施形態において、開口部(図示略)は、ハウジング408に形成されており、ユーザがカテーテル本体402に対するハウジング408の位置を視認すること、または他の態様におけるカテーテル本体402を視認することを可能とする。さらに、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム400は、ハンドル部分442を有するマンドレル440を支持する。マンドレル440は、カテーテル本体402に形成された、カテーテル本体402を受けるように構成された膨張ルーメンまたは別個のルーメンなどのルーメン内で前進可能である。マンドレル440は、本明細書で開示された他のマンドレルと同様の機能または形状を有してもよい。
【0105】
発明は、ある好ましい実施形態及び実施例で開示されているが、当業者が理解すべきことは、本発明が具体的に開示された実施形態を超えて他の代替の実施形態及び/または本発明の用途並びに明らかな変更及びその等価物まで及んでもよいことである。さらに、複数の本発明の変形例は、詳細に説明されているが、発明の範囲内にある他の変形は、この開示に基づいて当業者にすでに明らかである。同様に、想定されることは、実施形態の具体的な機能及び態様におけるさまざまな組合せ及びサブコンビネーションをなしてもよく、本発明の範囲内であることである。したがって、理解すべきことは、開示された発明の変形例を形成するために、開示した実施形態におけるさまざまな機能及び態様が互いに組み合わされるまたは置換されることである。このため、本明細書で開示された本発明の範囲が上述の特定の開示された実施形態によって限定されないことを意図する。
【符号の説明】
【0106】
20,50,80,100,150,170,200,220,260,300,400 カテーテルシステム、22,52,82,102,152,178,208,228,268,302,402 カテーテル本体,カテーテル、22a 外面、24,112,157,186,216,240 膨張ルーメン、26,110,159,184 ガイドワイヤルーメン,ルーメン、28,60,114,158,270 ガイドワイヤ、32 スライドインタフェース機構,インタフェース機構、34 ブレード、36,38 スリット,開口部,通路、40 ヒンジ部材、42 ラッチ機構、44 カバー部分、52a,102b,152b 先端部、52b,102a,152a,178a,208a,268a 基端部、54 スライド取付部、56,156,304,404 膨張ルーメン嵌合部,膨張ポート,ポート、58 ガイドワイヤ交換ポート,ガイドワイヤポート、62,84,104,154 膨張バルーン、64 膨張ルーメン結合部,結合部、66 管部、86 クイック接続結合部、88 長い延長部,延長部分、90 短い延長部,延長部分、92 膨張ルーメン部分、94 出口ポート、106,306,406 スライダ機構,スライダ、106a 第1部分、106b 第2部分、106c 底面、108 スリット、160,176,206,210,266,330,338 開、口部、161,212,232,320,322,334,420,422 チャネル、162,272,340,440 マンドレル、162a 先端部,先端部分,端部部分、162b 基端部、163,214,234,238,336,411 タブ,突出部、164 ハンドル、172,202,262 スライド可能組立体、174,204,224,264,316,416 外側シース,シース、180 ルーメン、182 支持部、182 補強マンドレル、222 回転可能組立体、226,230 開口部、236 移動止部,凹部、274 角部、308,408 ハウジング、308a,408a 第1カバー、308b,408b 第2カバー、310 解放機構、314 先端部材、324,424 バネ部材、342,442 ハンドル部分、410 解放機構、434 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムであって、
カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを備え、前記第1ルーメンがガイドワイヤを受けるように構成された、カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成された第1開口部であって、前記第1ルーメンと連通する、第1開口部と、
前記カテーテル本体によって支持されたシースであって、前記カテーテル本体に対してスライド可能である、シースと、
を備え、
前記シースが、少なくとも第1位置と第2位置との間で移動可能であり、
前記第1位置において、前記第1開口部が前記シースによってほぼ覆われ、
前記第2位置において、前記第1開口部がほぼ覆われておらず、
前記シースが第2位置にあると、当該カテーテルシステムが前記第1開口部を通過するように前記第1ルーメンにあるガイドワイヤを方向付けるように構成されていることを特徴とするカテーテルシステム。
【請求項2】
前記第1開口部が、前記カテーテル本体の側壁部を通って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記シースが、前記カテーテル本体に対して回転可能であることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記シースが、前記カテーテル本体に対して軸方向で移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記シースに形成された第2開口部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記シースに形成された前記第2開口部が、前記シースが前記第2位置にあると、前記カテーテル本体に形成された前記第1開口部とほぼ位置合わせされることを特徴とする請求項5に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
前記カテーテル本体が、前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第2ルーメンをさらに備え、
前記第2ルーメンが、前記カテーテル本体の先端部において支持された膨張可能なバルーンと連通するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記カテーテル本体が、マンドレルを受けて前記第1開口部に近接する前記カテーテル本体の剛性を増大させるように構成されたルーメンを備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記第1開口部に近接して前記カテーテルの少なくとも一部を通って延在可能であり、前記第1開口部に近接する前記カテーテル本体の剛性を増大させるマンドレルをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記第1ルーメンの少なくとも一部を通って前進可能なマンドレルをさらに備え、
前記マンドレルが、前記第1開口部を通過するように前記第1ルーメンにあるガイドワイヤを向けるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記マンドレルが、その先端部において角度の付いた面を備えることを特徴とする請求項10に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
前記カテーテル本体に対して複数の軸方向または径方向の位置の1つに前記シースを選択的に位置付けるように構成されたスライダ機構をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
前記カテーテル本体に対して複数の軸方向または径方向の位置の1つに前記シースを選択的に付勢する移動止部、凹部及び突出部の少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記カテーテル本体が、前記第1開口部の近傍に屈曲点を画定し、
前記屈曲点が、前記カテーテル本体が所定角度を有する曲部を画定する近似点であり、
前記カテーテル本体が、少なくとも第1構造と第2構造との間で移動可能であり、
前記第1構造における前記所定角度が、前記第2構造における前記所定角度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記第1構造における前記所定角度が、前記第2構造における前記所定角度よりも十分に大きいことを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記第1構造における前記所定角度が、約30°であることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記第1構造における前記所定角度が、約10°から約30°であることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記第2構造における前記所定角度が、約0°から約5°であることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
前記カテーテル本体が、前記第1構造に向けて付勢されていることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
前記カテーテル本体内で支持されているマンドレルを備え、
前記マンドレルが、前記カテーテル本体を前記第1構造に向けて付勢するように構成されていることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項21】
前記カテーテル本体が、前記第1構造でヒートセットされていることを特徴とする請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項22】
カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを備え、前記第1ルーメンがガイドワイヤを受けるように構成された、カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成された第1開口部であって、当該第1開口部が前記第1ルーメンに連通する、第1開口部と、
前記カテーテル本体によって支持されたシースであって、当該シースがその外壁部を通って形成された第2開口部を有する、シースと、
を備え、
前記シースが、少なくとも第1位置と第2位置との間で移動可能であり、
前記第2位置において、前記シースの前記第2開口部の少なくとも一部が、前記カテーテル本体の前記第1開口部とほぼ位置合わせされ、
前記第1位置において、前記シースの前記第2開口部のどの部分も、前記カテーテル本体の前記第2開口部と位置合わせされていないことを特徴とするカテーテルシステム。
【請求項23】
前記シースが、前記カテーテル本体に対して回転可能であることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項24】
前記シースが、前記カテーテル本体に対して軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項25】
前記第2開口部が、前記第1開口部とほぼ同じサイズであることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項26】
前記シースの前記第2開口部が、前記シースが前記第2位置にあると、前記カテーテル本体の前記第1開口部とほぼ位置合わせされることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項27】
前記カテーテル本体が、前記カテーテル本体の先端部で支持された膨張可能なバルーンに連通するように構成された前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第2ルーメンをさらに備えることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項28】
前記カテーテル本体が、当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成された第2開口部をさらに備え、
前記第2開口部が、前記第1ルーメンに連通し、
当該カテーテルシステムが、ガイドワイヤが前記第1ルーメンの少なくとも先端部分を通過して前記カテーテル本体の基端部においてまたは前記第1開口部もしくは前記第2開口部を通って前記カテーテル本体から出るように選択的に構造化可能であることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項29】
前記第1開口部が、前記シースが前記第2位置にあると前記シースによってほぼ覆われ、ガイドワイヤが前記第1開口部を通過することを少なくとも阻止することを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項30】
前記カテーテル本体が、マンドレルを受けるように構成されたルーメンを備え、前記第1開口部近傍において前記カテーテル本体の剛性を増大させることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項31】
前記第1開口部近傍において前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って延在可能なマンドレルをさらに備え、前記第1開口部近傍における前記カテーテル本体の剛性を増大させることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項32】
前記マンドレルが、前記カテーテル本体の膨張ルーメンの少なくとも一部を通って延在することを特徴とする請求項31に記載のカテーテルシステム。
【請求項33】
前記マンドレルが、前記カテーテル本体から軸方向に取外し可能であることを特徴とする請求項31に記載のカテーテルシステム。
【請求項34】
前記マンドレルが、その少なくとも一部を軸方向で通る開口部を備えることを特徴とする請求項31に記載のカテーテルシステム。
【請求項35】
前記第1ルーメンの少なくとも一部を通って前進可能なマンドレルをさらに備え、
前記マンドレルが、前記第1ルーメンの先端部を通過するガイドワイヤを前記カテーテル本体の前記第1開口部を通って方向転換させるように構成されていることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項36】
前記マンドレルが、その先端部において角度の付いた面を備えることを特徴とする請求項35に記載のカテーテルシステム。
【請求項37】
前記カテーテル本体に対する前記シースの軸方向または径方向で位置合わせを保持する印付機能をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項38】
前記シースを前記カテーテル本体に対する複数の軸方向または径方向の位置のうちの1つに選択的に付勢するように構成された移動止部、凹部または突出部をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載のカテーテルシステム。
【請求項39】
カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを備え、前記第1ルーメンがガイドワイヤを受けるように構成された、カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って形成された第1開口部であって、当該第1開口部が前記第1ルーメンに連通する、第1開口部と、
を備え、
前記カテーテル本体が、前記第1開口部近傍に屈曲点を画定し、
前記屈曲点が、前記カテーテル本体が所定角度を有する曲部を画定する概略位置であり、
前記カテーテル本体が、少なくとも第1構造と第2構造との間で移動可能であり、
前記第1構造における前記所定角度が、前記第2構造における前記所定角度よりも大きいことを特徴とするカテーテルシステム。
【請求項40】
前記第1構造における前記所定角度が、前記第2構造における前記所定角度よりも十分に大きいことを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項41】
前記第1構造における前記所定角度が、約30°であることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項42】
前記第1構造における前記所定角度が、約10°から約30°であることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項43】
前記第2構造における前記所定角度が、約0°であることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項44】
前記第2構造における前記所定角度が、約0°から約5°であることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項45】
前記カテーテル本体が、前記第1構造に向けて付勢されることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項46】
前記カテーテル本体内で支持されるマンドレルを備え、
前記マンドレルが、前記カテーテル本体を前記第1構造に向けて付勢するように構成されていることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項47】
前記カテーテル本体が、前記第1構造にヒートセットされていることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項48】
前記カテーテル本体によって支持されるシースをさらに備え、
前記シースが、少なくとも第1位置と第2位置との間で移動可能であり、
前記シースが、前記第1位置において前記第1開口部をほぼ覆い、前記第2位置において前記第1開口部をほぼ露出させることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項49】
当該カテーテルシステムが、前記シースを前記第1位置から前記第2位置まで移動させると前記カテーテル本体を前記第1構造から前記第2構造まで移動させるように構成されていることを特徴とする請求項48に記載のカテーテルシステム。
【請求項50】
前記カテーテル本体の基端部分の周囲に支持されたハウジングをさらに備え、
前記ハウジングが、前記シースに連通し、前記シースを前記第1及び第2位置間で移動するように構成されていることを特徴とする請求項48に記載のカテーテルシステム。
【請求項51】
前記ハウジングが、前記シースを前記第1位置または前記第2位置で選択的に固定するように構成された解放機構を備えることを特徴とする請求項50に記載のカテーテルシステム。
【請求項52】
前記解放機構が、バネ部材を備えることを特徴とする請求項51に記載のカテーテルシステム。
【請求項53】
前記カテーテル本体が、前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第2ルーメンであって当該カテーテル本体の先端部で支持された膨張可能なバルーンに連通するように構成された第2ルーメンをさらに備えることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項54】
前記第1開口部近傍において前記カテーテルの少なくとも一部を通って延在可能なマンドレルをさらに備え、前記第1開口部近傍において前記カテーテル本体の剛性を増大させることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項55】
前記マンドレルが、前記カテーテル本体の膨張ルーメンの少なくとも一部を通って延在することを特徴とする請求項54に記載のカテーテルシステム。
【請求項56】
前記カテーテル本体に対して複数の位置のうちの1つに前記シースを選択的に付勢する移動止部、凹部または突出部をさらに備えることを特徴とする請求項39に記載のカテーテルシステム。
【請求項57】
カテーテル本体であって、基端部、先端部及び当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを備え、前記第1ルーメンがガイドワイヤを受けるように構成された、カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の長さに沿う複数の位置のいずれかに位置付ける方向転換器と、
を備え、
前記方向転換器が、当該方向転換器の少なくとも一部が前記カテーテル本体を通って前記第1ルーメン内に入り、当該方向転換器に形成された開口部が前記第1ルーメンに連通し、これにより前記第1ルーメンを通って前進されたガイドワイヤが当該方向転換器に形成された前記開口部を通って前進されるように構成されていることを特徴とするカテーテルシステム。
【請求項58】
前記第1ルーメンが、その長さに沿ってほぼシールされていることを特徴とする請求項57に記載のカテーテルシステム。
【請求項59】
カテーテルを使用する方法であって、
身体の血管内に位置付けられたガイドワイヤを覆うようにカテーテル本体を前進させ、前記ガイドワイヤが前記カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンを少なくとも部分的に通過しかつ前記カテーテル本体の第1開口部を通過する工程と、
前記カテーテル本体の周囲に位置付けられたシースを第1位置であって前記シースが前記第1開口部をほぼ覆う第1位置から第2位置であって前記第1開口部の少なくとも一部が前記シースによって覆われない第2位置まで移動させる工程と、
を備え、
前記シースが前記第2位置にあると、前記ガイドワイヤを覆うように前記カテーテルを前進させるにしたがって、前記カテーテル本体に形成された前記第1開口部を通過するように、前記ガイドワイヤを方向転換させることを特徴とする方法。
【請求項60】
前記カテーテル本体の周囲に位置付けられた前記シースを前記第1位置から前記第2位置まで移動させる工程が、前記カテーテル本体に対して軸方向において前記第1位置から前記第2位置まで前記シースを移動させる工程を備えることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記カテーテル本体の周囲に位置付けられた前記シースを前記第1位置から前記第2位置まで移動させる工程が、前記カテーテル本体に対して径方向において前記第1位置から前記第2位置まで前記シースを移動させる工程を備えることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記シースが、当該シースが前記第2位置にあると前記カテーテル本体に形成された前記第1開口部と位置合わせ可能な第2開口部を備えることを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記カテーテル本体に対して前記シースを前記第1位置から前記第2位置まで回転させる工程をさらに備えることを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記ガイドワイヤを覆うように前記カテーテルを前進させるにしたがって、前記シースに形成された前記第2開口部を通って前記ガイドワイヤを方向転換させる工程をさらに備えることを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項65】
カテーテルを使用する方法であって、
身体の血管内に位置付けられたガイドワイヤを覆うようにカテーテル本体の先端部分を前進させ、前記ガイドワイヤが前記カテーテル本体に軸方向に形成されたルーメンを通過する工程と、
前記カテーテル本体に形成された側壁開口部を通って前記ガイドワイヤを方向転換させる工程であって、前記側壁開口部が前記ルーメンに連通する、工程と、
前記カテーテルの前記先端部分を患者の身体内に位置付けられた導入シース内へ治療部位まで前進させる一方、前記カテーテル本体の基端部分を少なくとも前記導入シースの基端側にある前記側壁開口部に維持する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項66】
カテーテルを使用する方法であって、
患者の脈管構造内にカテーテル本体を前進させる工程であって、前記カテーテル本体が基端部と先端部とガイドワイヤを受け、当該カテーテル本体の少なくとも一部を通って軸方向に形成された第1ルーメンと前記第1開口部近傍の屈曲点にある曲部とを備え、前記カテーテル本体が少なくとも第1構造と第2構造との間で移動可能であり、前記第1構造における前記曲部の角度が前記第2構造における前記角度よりも大きい、工程と、
前記カテーテル本体を前記第1構造から前記第2構造まで移動させ、前記曲部の前記角度を低減する工程と、
身体の血管内に位置付けられたガイドワイヤを覆うように前記カテーテル本体を前進させ、前記ガイドワイヤが前記第1ルーメンを通過しかつ前記カテーテル本体の前記第1開口部を通過する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項67】
前記第1構造における前記角度が、約30°であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1構造における前記角度が、約10°から約30°であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記第2構造における前記角度が、約0°であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記第2構造における前記角度が、約0°から約5°であることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項71】
カテーテルシステムが、前記カテーテル本体内で支持されるマンドレルをさらに備え、
前記マンドレルが、前記カテーテル本体を前記第1構造に向けて付勢するように構成されていることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記カテーテル本体が、前記第1構造にヒートセットされていることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項73】
前記カテーテル本体を前記第1構造から前記第2構造まで移動させる工程が、前記カテーテル本体の周囲に支持されたシースを第1位置から第2位置まで移動させる工程であって前記シースが前記第2位置において前記屈曲点を覆う工程を備えることを特徴とする請求項66に記載の方法。
【請求項74】
前記カテーテル本体が、前記カテーテル本体の基端部分の周囲に支持されたハウジングをさらに備え、
前記ハウジングが、前記シースに連通し、前記第1及び第2位置間で前記シースを移動させるように構成されていることを特徴とする請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記ハウジングが、前記第1位置または前記第2位置に前記シースを選択的に固定するように構成された解放機構を備えることを特徴とする請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記解放機構が、バネ部材を備えることを特徴とする請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記カテーテル本体に対して複数の位置のうちの1つに前記シースを選択的に付勢する移動止部、凹部または突出部をさらに備えることを特徴とする請求項66に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2012−505053(P2012−505053A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531231(P2011−531231)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060259
【国際公開番号】WO2010/042882
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(511090349)ネクセオン・メッドシステムズ・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】