説明

傾斜部の輪郭を改良したカップリングアセンブリ

【課題】雄部材を雌部材に接続させるのに要する最大の力を減少させるカップリングアセンブリを提供する。
【解決手段】
雄部材20と雌部材30とスプリット状のロッキングリング60を有するカップリングアセンブリである。特に、雄部材20は、傾斜部28’を有するリブ15’を備えるが、この傾斜部28’は頂部に向って外側に湾曲したり、又は平坦部29に向って外側に湾曲したり、又は平坦部29から比較的短い距離まで直線状に高さを増大させて、この短い距離の部分を外側に湾曲させ、平坦部と接続させるようにする。さらに、リブ15’に肩部31を備える。雄部材20を雌部材30に挿入するとき、このリブ15’上をロッキングリング60が進んで、内径を拡径させる。さらに雄部材20を挿入すると、ロッキングリング60がリブ15’の肩部31上で内径を縮径させて、雌部材30に対し雄部材20を固定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押し込み型のフルイドコネクタに関する。より具体的には、本発明は、ラッチリングを用いる押し込み型のフルイドコネクタであって、特に、雄部材のリッジ部に、接続を容易にするために改良した傾斜部の輪郭を備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの工業分野では、高圧流体システムを構成する際、ホースと部品、例えば、ポンプ、モーター、バルブ等との間に幾つかの接続部を設けることを必要としている。従来技術では、高圧下で満足に操作できる押し込み型(非螺合型)の接続システムが利用できなかったため、この接続を行うために螺合型のフィッティングを用いていた。近年、高圧化でも操作できるような、押し込み型の接続が利用可能になってきたが、幾つかの事例では、要求されている以上にこの接続が難しいことが知られている。このため、組付けを容易にするために、接続に要する力を減少させたり、調整させるように改良させて、誤った接続が生じるおそれを減少させることが求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、上述した課題を解決するように、カップリングアセンブリを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、雄部材を雌部材に接続させるのに要する最大の力を減少させるように、押し込み型のフルイドコネクションシステムを構成できるようにする。このため、本発明では、ラッチリングが傾斜部を登り、頂部を超えて、肩部に達するように押し込むのに要する最大の力を減少させるように、雄部材の輪郭を改良させる。このラッチリングは保持され、同時に雄部材の肩部と雌部材のチャンファと当接して、雄部材を雌部材に対して保持させる。
【0005】
本発明では、雄部材を雌部材に対して接続させるとき、ラッチリングを定位置まで押し込むのに要する最大の力を減少させるように、雄部材上のリッジ部に対して、一つ又は複数の丸みをおびた区間を設けるようにする。丸みは、傾斜部と平坦部との間の移行領域に設けたり、及び/又は、システムの接続性を向上させるように、接続に要する力−対−変位の曲線を所望なように提供できるように、傾斜部に丸みをもうけてもよい。本発明に係る変更例の一つでは、平坦部を含まずに、丸みをおびた傾斜部と肩部の区間を有するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明に係る好適な実施形態について添付した図を参照して説明する。
以下、本明細書では、幾つかの用語が用いられるが、これらは参照上に利用されているに過ぎず、本発明を限定させるものではない。例えば、「前方」や「後方」という用語が用いられるが、これらは図面上でカップリングの前方と後方の方向を示しているに過ぎない。また、「右方」や「左方」という用語が用いられるが、これらは図面上で、これら用語が用いられている方向を示しているに過ぎない。また、「内方」や「外方」という用語が用いられるが、これらは装置の幾何学上の中心に対し、向ったり、離れたりする方向を示しているに過ぎない。また、「上方」や「下方」という用語が用いられるが、これらは図面上で、これら用語が用いられている方向を示しているに過ぎない。上述した用語には、通常の派生的な意味や同等の意味が含まれることを理解されたい。
【0007】
まず、図1〜3を参照すると、本発明の実施形態に係るカップリングアセンブリには、雄部材20と雌部材30が含まれることが示されている。図1と2に示すように、雄部材20と雌部材30の各々とも、このアセンブリがカップリング位置に移動したとき、軸7に沿って延在する。雄部材20は、雌部材30内に挿入させる側の、導入側の端部21から後縁側の端部22まで延びており、さらに貫通するように流路23を備えている。必要に応じて、後縁側の端部22に外側にスレッド部24を備えて、スレッド部を備えたカップリング(図示せず)に対して取り付けられるようにしてもよく、また、断面が六角形状になるように一連の平坦部25を備えて、レンチによって挟持されるようにしてもよい。
【0008】
雄部材20は、平坦部25によって定められる断面が六角形状の区間の前方に、後縁側の円筒形状の外面26と、さらにリブによって区別されるように、導入側の外面27を設けている。このリブには、軸7に対して10度から25度の範囲内で、好ましくは18度の角度Yで、導入側の外面27から後方かつ外側に向って延びるように、テーパ付けられた、丸みをおびた傾斜部28が設けられている(図5参照)。傾斜部28’’は、軸に対して平行な円筒形状の表面29まで延びているが、この円筒形状の表面29は、少なくとも0.010インチ(0.0254cm)、好ましくは少なくとも0.030インチ(0.0762cm)の距離Aで、傾斜部28’’から後方に延びている。リブの残りの部分は肩部31であって、上記円筒形状の表面29から後方かつ内側に向ってテーパ付けられており、上記後縁側の外面26に至っている。この肩部31は、軸7に対して35度から55度の範囲内で、好ましくは45度の角度Mでテーパ付けられている(図5参照)。
【0009】
再度、図1を参照すると、雄部材20の他の部分と別体に形成された解除用スリーブ(リリーススリーブ)33の断面図が示されているが、この解除用スリーブ33は金属部34と熱可塑性樹脂及び/又はエラストマー(TPE)部35が含まれている。この金属部34は複数の軸方向のスロットを備えた、スプリット状の円筒形状の壁部36を有している。図3から理解できるように、TPE部35は、フランジ42の周りで成形されていてもよく、そして、金属部34のスプリット状の円筒形状の壁部36から離間して、かつ実質的に平行となるように、フランジ部44と円筒形状の壁部45を備えていてもよい。金属部34のフランジ42の周りでTPE部35を成形する際、樹脂及び/又はエラストマー材料をフランジ42に形成された開口部(図示せず)内に流入させて、金属部34に対して固定されるようにしてもよい。また、TPE部35には、フランジ部44からラジアル方向内側に延びるようにシーリングフィン47を含むようにする。このシーリングフィン47は、後縁側の円筒形状の外面26に対して当接して(スナッグ状に)係合できるように、十分に内側に向って延びており、この結果、周囲のごみから保護できるようにダストシールとして機能したり、又は、少なくとも、解除用スリーブ33と後縁側の外面26との間で係合されたカップリング内にごみが侵入する可能性を最小にとどめるように機能させる。解除用スリーブ33に関する他の実施例については、本明細書に参考として包含される、米国特許出願番号09/784,258号及び09/964,319号明細書の開示内容を参照されたい。
【0010】
再度、図1〜3を参照すると、第二の雌部材30は受取り側の端部50から離間した端部51まで延びているのが示されているが、端部51と近接して外部のスレッド部52や他の適当な接続手段を備えて、別体の接続部(図示せず)と固定できるようにしていてもよい。受取り側の端部50と近接した、第二の雌部材30の部分には、外側に円筒形状の表面52を備えるが、この大きさは、解除用スリーブ33の円筒形状の壁部45内に当接して受取れられるように定められており、また、内側に円筒形状の表面53を備えるが、この大きさは、内部に解除用スリーブ33の金属部34のスプリット状の円筒形状の壁部36を取り付けられるように定められている。内側に面する環状の溝部54は、内側の円筒形状の表面53から外側に延びており、かつこの中にスプリット状の金属製のロッキングリング60を取り付けられるように大きさを定めている。さらに、環状の溝部54から受取り側の端部50に向って、内側に角度付けられるように、チャンファ55を延在させて、内側の円筒形状の表面53に至るようにしている。チャンファ55と内側の円筒形状の表面53の間の角度N(図5参照)は、20度から40度の間の範囲内にあり、好ましくは30度である。
【0011】
環状の溝部54から離れた端部51に向って、第一の円筒形状の表面53よりも小さな大きさの第二の内側の円筒形状の表面56が設けられているが、これは内側に向ってテーパ付けられた壁部57と接続されている。第二の内側の円筒形状の表面56の大きさは、第一の雄部材20の導入側の外面27を受取れられるように定められている。第二の内側の円筒形状の壁部の表面56の内側には、内側に面するように環状の溝部58が備えられているが、この中にはネオプレンや他の適当なシーリング部材から形成される環状のシール部59が配置されており、また剛性の樹脂(プラスチック)製のリング61が、環状のシール部59と受取り側の端部50の間で、溝部58内に配置されている。樹脂製のリング61は、第一の雄部材の導入側の外面27を当接して受取れるような大きさの開口部を有しており、また環状のシール部59は、上述のような導入側の外面27をシーリング状に受取り、かつ係合できるように大きさが定められている。剛性の樹脂製のリング61は、第一の雄部材20の導入側の端部21によって係合されるように配置されており、環状のシール部59が、ここを通る導入側の外面27によって、挿入時にカッティングされたり、損傷を受けることがないようにしている。また、剛性の樹脂製のリング61は、システム内に導入される流体の流れの衝撃が高い場合であっても、環状のシール部59が損傷を受けることがないように機能している。
【0012】
環状の溝部54内にはスプリット状のロッキングリング60が配置されるが、このリングはスプリング テンパード フォスフォリック ブロンズ材料から形成され、又は、好ましくは、スプリング テンパード ステンレス スチールから形成される。このスプリット状のロッキングリング60には第一の端部と第二の端部が備えられるが、第二の雌部材30から第一の雄部材20を取外すとき、これら端部は互いに当接されるか、又は、通常、0.030インチ(0.0762cm)の隙間を有するように設けられている。スプリット状のロッキングリング60は、部品の接続が外された状態では、環状の溝部54の最も外側の部分によって定められる直径よりも小さな大きさの外径を有するが、この大きさは第一の内側の円筒形状の表面53の直径よりは大きいものとする。また、スプリット状のロッキングリング60の内径は、雄部材20の後縁側の外面26のものと実質的に等しいか、又は好ましくは、わずかに小さな大きさを有し、雄部材20を雌部材30に対して係合させるとき、後縁側の外面26と当接して係合できるようにする。従って、スプリット状のロッキングリング60の内径は、円筒形状の表面29の直径よりもわずかに小さいことを理解されたい。スプリット状のロッキングリング60は、この大きさでは、第一の雄部材20を第二の雌部材21から取外すとき、環状の溝部54内に保持される。しかしながら、スプリット状であることより、ロッキングリング60の直径は大きさを拡径することができ、第一の雄部材20を第二の雌部材30内に挿入するときは、ロッキングリング60が傾斜部28’’と円筒形状の表面29上を移動するにつれて、ロッキングリング60の端部を互いに離間させることができる。
【0013】
従って、図1、2及び3から理解できるように、第一の雄部材20を第二の雌部材30内に挿入すると、傾斜部28’’がスプリット状のロッキングリング60に達するまで、導入側の端部21と導入側の外面27は移動する。第一の雄部材20をさらに内側に向って移動させると、傾斜部28’’によってロッキングリング60を拡径させるように作用させて、ロッキングリング60が傾斜部28’’の最大直径部上を移動して、円筒形状の表面29に達するまで、これに相当する増大する量で端部62と63の間の隙間を広げさせる。第一の雄部材20をさらに内側に向って移動させると、円筒形状の表面29はスプリット状のロッキングリング60を超えて進み、スプリット状のロッキングリング60は、この金属の弾力性によって、初めの大きさに近づくように縮径して、スプリット状のロッキングリング60が肩部31と雌部材30に形成されたチャンファ55の間でトラップされることにより、第二の雌部材30から第一の雄部材20を引き抜くことが防がれるようにする。
【0014】
図1から理解できるように、第一の雄部材20を第二の雌部材30に対して係合させるとき、テーパ付けられた肩部31とチャンファ55は、環状の溝部54に向って収束する角度で配置される。この収束は、テーパ付けられた肩部31の角度が、軸7に対して、チャンファ55の角度よりも大きいように予め設定されていることに基いている。
【0015】
第一の雄部材20を第二の雌部材30に対して十分に係合させるとき、導入側の外面27は環状のシール部59に対してシーリング状に係合されるため、流体の漏れが生じることを防ぐことができる。さらに、受取り側の端部50とこれに近接した第二の雌部材の部分には、TPE部35の円筒形状の壁部45と金属部のスプリット状の円筒形状の壁部36との間の隙間46内に配置される。外側の円筒形状の表面52は、円筒形状の壁部45の内側と当接して接触するため、図1に示すように部材が互いに係合されているときには、シーリングフィン47に沿ってスプリット状の金属製のロッキングリング60の周りの領域でごみや汚染物等が侵入することを防ぐことができる。
【0016】
再度、図1を参照すると、第二の雌部材30に対して、第一の雄部材20が十分に接続されている、つまり係合位置にあるとき、受取り側の端部50とフランジ部44の内側、つまり、実際には、隙間46の端部との間にスペースが設けられる。さらに、解除用スリーブのスプリット状の円筒形状の壁部36の導入側の端部38は、スプリット状の金属製のロッキングリング60に対してかろうじて接触しているか、好ましくはわずかに離間して設けられるようにする。そして、第二の雌部材30から第一の雄部材20の接続を外すことが必要になる場合には、単に解除用のスリーブ33を導入側の端部21に向かって移動させて、スプリット状の円筒形状の壁部の導入側の端部38がスプリット状の金属製のロッキングリング60を軸方向にリブに向うように強制して、このため、スプリット状の金属製のロッキングリング60が解除用のスリーブによって強制されるにつれて、テーパ付けられた肩部31によってロッキングリング60が外側に向うように強制されるようにする。
【0017】
上述した説明から理解できるように、スプリット状の金属製のロッキングリング60をリブの円筒形状の表面29と並ぶ位置に向うように強制すると、第一の雄部材20は第二の雌部材30から解除されて、ここから取外すことが可能になる。解除用スリーブ33はスロット37を備えるようにスプリット状の円筒形状の壁部36を有しているため、スロット37の間のスプリット状の円筒形状の壁部36の区間は、テーパ付けられた肩部31によって外側に向って反らされることができ、この結果、解除用スリーブ33が導入側の端部21に向かって十分に移動できるようにして、スプリット状の金属製のロッキングリング60がテーパ付けられた肩部31との係合を外して、円筒形状の表面29と係合するにつれて、環状の溝部54内に入りこむようにして、雄部材20を雌部材から解除できるようにする。導入側の端部21に向かって最大の解除位置まで移動させると、解除用スリーブのスプリット状の円筒形状の壁部36のうち導入側の端部38と近接した部位は、テーパ付けられた肩部31に対する導入側の端部38の移動によって外側に反らされていく。
【0018】
アメリカ自動車技術会(SAE:Society of Automotive Engineers)の規格を満たすように、所望のカップリングを製造するためには、SAEとアメリカ鉄鋼協会規格(AISI:American Iron and Steel Institute)用に統一されたナンバリングシステムに定められているG12000シリーズからカップリングを製造し、また、SAEによって定められているスタンダードを満たすように、ハイドロリックホースを用いられるように構成することが慣習的に行われている。例えば、米国特許第5,226,682号公報に開示されている図7〜9に示されている従来技術の装置では、SAEスタンダードのJ517−シリーズの100R2を満たすハイドロリックホースを操作するのに適するように構成されている。また、欧州で実施されている自動車用のカップリングは、同様にG12000シリーズのスチールから製造されているが、ドイツ国、ベルリンで定められているドイツ連邦規格(DIN:Deutsches Institut fur Normung)によって規定されているスタンダードを満たすことを必要としている。DINスタンダードの20022のパート2には、タイプ2STホース用のスタンダードが含まれているが、これは、SAE J517−シリーズの100R2の圧力スタンダードに相当するものよりもより厳格である。
【0019】
従来技術におけるリブとスプリット状の金属製のロックリングを用いるタイプのカップリングでは、SAE 100R2のスタンダード用に定められた操作圧力の4倍の圧力に耐えることがテストされているが、DINのタイプ2STのスタンダードについてはテストされていない。これに対して、本発明の実施形態に係るカップリングアセンブリでは、SAE 100R2のスタンダードとDINのタイプ2STのスタンダードの双方に定められた操作圧力の4倍の圧力に耐えられるように構成されている。
【0020】
次に図4を参照すると、従来技術に係る雄部材10の要部の断面図が示されている。この実施例は、米国特許第5,226,682号と第5,553,895号公報の明細書に開示されたものであるが、これらは本明細書に参考として包含されている。この図に示された雄部材20に含まれる傾斜部13は、導入側の外面11Aから頂部14に向って、中心軸7から軸方向距離で、角度Xで均一に増大するように角度付けられている。次に、肩部15は頂部14を後縁側の外面11Bに対して接続させている。導入側の端部12は、雌部材に対して導入される。
【0021】
図5を参照すると、従来技術に係る雄部材20の要部の断面図を示しているが、これは米国特許第5,553,895号公報の明細書に添付された図2に示されたものである。平坦部25によって定められる六角形状の断面部の前方に、雄部材10’は後縁側の円筒形状の外面11Bと導入側の外面11Aを有するが、これらはリブによって分けられている。このリブ又はリッジには、軸7に対して10度から25度の範囲内で、好ましくは18度の角度X’で、導入側の外面11Aから後方かつ外側に向って延びるようにテーパ付けられた傾斜部13’が設けられている。この傾斜部13’は、軸に対して平行な円筒形状の表面又は平坦部29まで延びているが、これは、少なくとも0.010インチ(0.0254cm)、好ましくは少なくとも0.030インチ(0.0762cm)の距離Aで傾斜部13’から後方に延びている。リブの残りの部分は肩部31であって、これは上記円筒形状の表面29から後方かつ内側に向ってテーパ付けられており、上記後縁側の外面11Bに至っている。この肩部31は、軸7に対して35度から55度の範囲内で、好ましくは45度の角度Mでテーパ付けられている。
【0022】
図6を参照すると、本発明の実施形態に係る雄部材20’の第一の実施形態が示されている。ここで、従来技術に関する雄部材の傾斜部の構成として、本明細書に添付された図4及び5と、米国特許第5,553,895号公報の明細書に添付された図1及び2を参照されたい。図1に示されたように、雄部材20’は、導入側の端部21から後縁側の端部23まで延びている。この雄部材20’は、後縁側の円筒形状の外面26と導入側の円筒形状の外面27を有するが、これらはリッジ又はリブ15’によって分けられている。導入側の端部21は、雌部材30内に装着される。このリブ15’に含まれる傾斜部28’は、境界部22から開始して、湾曲状の角度で、導入側の外面27から後方(図では右側)かつ外側に向って延びている。図6に示されているように、参照上示された角度Yは、軸7に対して約10度から25度の範囲内で、傾斜部28’の角度とともに変化できるが、好ましくはYの角度は18度である。本発明に係る実施形態では、傾斜部28’の輪郭(プロファイル)は、均一で、まっすぐな、略円錐面から、外側に向って曲げられた表面に変更されている。本発明に係る第一の実施形態では、導入側の外面27から傾斜部28’の頂部14まで延びる傾斜部28’の輪郭は、概略的に、半径R’を有する円の一部として定められている。尚、傾斜部28’の湾曲状の形状は、半径R’の円の一部である必要はなく、スプリット状のロッキングリング60に対して、所望の力−対−変位の曲線が得られるように異なる湾曲形状に変更可能であり、また、より複雑な形状に変更されることができる。本発明の第一の実施形態に係るリブ15’は、雄部材20’を雌部材30内に挿入するときに、スプリット状の金属製のロッキングリング60がリブ28’上を進行するにつれて、このスプリット状の金属製のロッキングリング60用に、より望ましい力/変位の曲線を提供できるようにする。
【0023】
次に図7を参照すると、本発明の第二の実施形態に係る雄部材20’’が示されている。図7に示すように、雄部材20’’は、導入側の端部21から後縁側の端部23まで延びている。この雄部材20’’は、後縁側の円筒形状の外面26と導入側の円筒形状の外面27を有するが、これらはリッジ又はリブ15’’によって分けられている。導入側の端部21は、雌部材30内に装着される。このリブ15’’に含まれる傾斜部28’’は、導入側の外面27から後方(図では右側)かつ外側に向って延びている。幅A’の平坦部29は、符合16で示す場所で傾斜部28’’の端部から肩部31の頂部14’まで延びている。平坦部29の表面は、雄部材20’’の軸7と略平行に延びている。肩部31は、雄部材20’’の軸7に関して角度Mで角度付けられており、境界部22から符合16に示す場所までの点線19は、約10度から25度の範囲内で、好ましくは18度の角度Yで角度付けられている。傾斜部28’’の実際の表面は、破線19から外側に延びるように丸みをおびており、図に示された形態では、半径R’’の円の一部のように形成されており、境界部22と符合16に示す場所で交差している。半径R’’は、傾斜部28’’の最大高さが雄部材20’’の軸7の上方で平坦部29の高さを超えないように選ばれている。
【0024】
次に図8を参照すると、本発明の第三の実施形態に係る雄部材20’’’の断面図が示されている。図8に示すように、雄部材20’’’は、導入側の端部21から後縁側の端部23まで延びている。この雄部材20’’’は、後縁側の円筒形状の外面26と導入側の円筒形状の外面27を有するが、これらはリブ15’’’によって分けられている。導入側の端部21は、雌部材30内に装着される。このリブ15’’’に含まれる傾斜部28’’’は、符合17に示す場所まで後方(図では右側)に、導入側の外面27から外側に向って延びている。肩部31は、雄部材20’’’の軸7に関して角度Mで角度付けられている。傾斜部28’’’は、境界部22から符合17に示す場所まで、軸7に関して角度Yでまっすぐに直線状に延びているが、この傾斜部28’’’は、例えば湾曲形状のように、他の形状に形成されていてもよい。そして、半径R’’’を有する丸みをおびた区間が、符合17に示す場所から頂部14’まで延びて、丸みをおびた区間9を形成している。この半径R’’’は、傾斜部28’’’の最大高さが軸7から傾斜部28’’’を頂部14’に対して接続させる平坦部29の最大高さを超えず、所望の挿入力−対−変位の曲線が得られるように選ばれる。
【0025】
次に図8Aを参照すると、本発明の第四の実施形態に係る雄部材20’’’’の断面図が示されている。この雄部材20’’’’は、図8に示した雄部材20’’’と同様に構成されるが、相違点として、約0.10インチで、幅A’’の平坦部29’を用いて、符合17に示す場所から符合16’に示す場所まで延びる丸みをおびた区間19’を頂部14’に対して接続させている。符合17に示す場所から符合16’に示す場所まで延びるように定められる、丸みをおびた区間9’は、半径R’’’’を有し、傾斜部28’’’を円筒形状の表面29’に対して接続させるように交わっている。
【0026】
図8Aに示すように、雄部材20’’’は、導入側の端部21から後縁側の端部23まで延びている。この雄部材20’’’は、後縁側の円筒形状の外面26と導入側の円筒形状の外面27を有するが、これらはリッジ又はリブ15’’’’によって分けられている。この導入側の端部21は、雌部材30内に装着される。リブ15’’’’に含まれる傾斜部28’’’は、境界部22から開始して、後方(図の右側)に向って延びるとともに、導入側の外面27から外側に延びている。この傾斜部28’’’は、まず符合17に示す場所から符合16’に示す場所まで延びる、曲げられた区間19’と、次に、円筒形状の区間つまり平坦部29’を介して、頂部14’と接続している。
【0027】
傾斜部28’’’は、軸7から角度Yで境界部22から符合17に示す場所までまっすぐに直線状に延びている。この傾斜部28’’’は異なる形状で延びていてもよく、例えば、断面形状が丸みをおびた形状や、他の曲面、さらには複数の直線状の組合せのように形成されていてもよい。この半径R’’’’は、傾斜部28’’’と平坦部29’との間で交わるように選択されている。これら傾斜部28’’’、丸みをおびた区間9’及び平坦部29’の組合せは、雄部材20’’’を雌部材30内に挿入する際の挿入力の特性を決定付ける。
【0028】
次に図9を参照すると、本発明の第4の実施形態に係る雄部材20’’’’’の断面図の要部が示されている。図9に示すように、雄部材20’’’’’は、導入側の端部21から後縁側の端部23まで延びている。この雄部材20’’’’’は、後縁側の円筒形状の外面26と導入側の円筒形状の外面27を有するが、これらはリブ15’’’’’によって分けられている。この導入側の端部21は、雌部材30内に装着される。このリブ15’’’’’に含まれる傾斜部28’’’’は、図8に示した角度Yとは異なり、角度Zで、導入側の外面27から後方(図の右側)で、かつ外側に向って延びている。図示した傾斜部28’’’’は、比較的まっすぐな直線状に、境界部22から符合17’に示す場所まで延びているが、軸7から外側に向ってわずかに曲げられていてもよい。符合17’に示す場所から頂部14’まで、外側に向って曲げられた曲線は、角度R’’’’’によって形成されており、符合40に示す場所で軸7から最も離れている。軸7から符合40に示す場所までのラジアル方向の距離は、軸7からの頂部14’までのラジアル方向の距離よりも大きい。この広げられた距離は、本発明の第4の実施形態では、図12に示す、好適な力−対−変移の曲線に基いている。ロッキングリング60は、上述したように、肩部31とチャンファ55の間でトラップされる。
【0029】
次に、図10を参照すると、例えば、米国特許第5,553,895号公報に開示されているような、従来技術におけるコネクターシステム用の、ポンドで示された挿入力と、インチで示された変移との関係をグラフで示している。雄部材20を雌部材30と係合させ、接続を完了させるためには、最小の力(lbf)を必要とする。このことは、図10に示されたグラフでは、従来技術のカップリングについてグラフィカルに表示しているが、この際、曲線Cは、傾斜部28の開始地点から約0.15インチ(0.381cm)離れた場所Pで、14lbfの力でピークに達している。
【0030】
図11を参照すると、本発明のはじめの3つの実施形態に係るカップリングについて、ポンドで示された挿入力と、インチで示された変移との関係をグラフで示している。図6〜8に示された三つの実施形態では、力−対−変移の曲線の特性をわずかに相違させているが、図11では、雄部材20を雌部材30内に挿入したときの典型的な結果について示している。曲線C’は、はじめは曲線Cと同様に向上しているが、本発明の実施形態に係るカップリングでは、ピークの力P’は、12lbfよりも実質的に小さい。この結果、組付け作業を行う人は、より容易に接続を行うことができる。
【0031】
次に、図12を参照すると、雌部材30内に雄部材20’’’’を接続するときに要する力についてグラフィカルに表示している。図12では、図9に示した雄部材20’’’’の形状に基くデータが示されている。図11に示された力−対−変移のグラフは、図6〜8に示した雄部材について一般に適用することができる。
【0032】
図9と12の双方を参照すると、図12では、ロッキングリング60が傾斜部28’’’’と係合し、この上を進み、符合17で示す場所に達するにつれて、力の曲線C’’はかなり早いレートで向上して、約15lbfでピーク値P’’に達し、この後、ロッキングリング60が雄部材20’’’’上の符合40で示す場所に達すると、急に減少する。ロッキングリング60が符合40で示す場所の右側に越えて進んだ後、ロッキングリング60が通常の状態から直径を拡径させたときに生じた力によって、雄部材20’’’’を雌部材30内に引っ張ることを助けるようにし、従って、ロッキングリング60がもとの直径の大きさまで戻るにつれて、ロッキングリング60が肩部31とチャンファ55との間で係合する場所で最終的に接続を行うことを効果的にする。
【0033】
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、当該分野における通常の知識を有する者ならば、本発明に関する構成とこの材料について様々な変更を行うことが可能であると思料する。従って、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲の記載によって限定されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るフルイドコネクションシステムを示す断面図である。
【図2】雌部材と部分的に接続された本発明に係る雄部材を示す断面図である。
【図3】雌部材と、本発明に係る雄部材を示す断面図である。
【図4】第一の従来技術に係る雄部材の要部を示す図である。
【図5】第二の従来技術に係る雄部材の要部を示す断面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係る雄部材の要部を示す断面図である。
【図7】本発明の第二の実施形態に係る雄部材の要部を示す断面図である。
【図8】本発明の第三の実施形態に係る雄部材の要部を示す断面図である。
【図8A】本発明の第四の実施形態に係る雄部材の要部を示す断面図である。
【図9】本発明の第五の実施形態に係る雄部材の要部を示す断面図である。
【図10】従来技術のフルイドコネクションシステムにおける接続力−対−変移の関係をグラフ状に示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るフルイドコネクションシステムにおける接続力−対−変移の関係をグラフ状に示す図である。
【図12】本発明の第三の実施形態に係るフルイドコネクションシステムにおける接続力−対−変移の関係をグラフ状に示す図である。
【符号の説明】
【0035】
7 軸
15'、15''、15'''、15''''、15''''' リブ(リッジ)
20、20'、20''、20'''、20''''、20''''' 雄部材
21 導入側の端部
22 後縁側の端部
26 後縁側の円筒形状の外面
27 導入側の外面
28'、28''、28'''、28'''' 傾斜部
29、29' 円筒形状の表面(平坦部)
30 雌部材
31 肩部
33 解除用スリーブ
50 受取り側の端部
53 第一の円筒形状の表面
54 環状の溝部
55 チャンファ
56 第二の内側の円筒形状の表面
58 環状の溝部
60 ロッキングリング


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びるカップリングアセンブリであって、雄部材と雌部材とスプリット状のロッキングリングを有し、
(a)前記雄部材は、導入側の端部から後縁側の端部まで延び、前記導入側の端部から延びる第一の円筒形状の外面と、該第一の円筒形状の外面から離間された第二の円筒形状の外面と、前記第一の円筒形状の外面と前記第二の円筒形状の外面の間にリブを有し、該リブは、(i)前記導入側の端部から軸方向に離れるとともに、丸みをおびて前記第一の円筒形状の外面から外側に向うように延びる傾斜部と、(ii)内側に向うとともに、前記第一の円筒形状の外面部分から軸方向に離れるようにテーパ付けられる肩部とを有し、
(b)前記雌部材は、前記雄部材を受取れる大きさのキャビティを備えた受取り側の端部を有し、前記キャビティは、前記受取り側の端部の近くに前記リブを受取れる大きさの第一の内側に面した円筒形状の表面と、該第一の内側に面した円筒形状の表面から外側に向って延びるように第一と第二の表面を離間して備える内側に面した環状の溝部を有し、前記第二の溝部の表面は、前記受取り側の端部と前記第一の溝部の表面との間に設けられ、前記軸方向と前記受取り側の端部に向ってテーパ付けられるチャンファを有するが、この軸方向に関する角度は、前記肩部と前記軸方向の間の角度よりも小さく、さらに、前記雌部材は、前記雄部材の前記導入側の端部と前記第一の円筒形状の外面とを受取れる大きさの第二の内側に面した表面を有し、
(c)前記スプリット状のロッキングリングは、前記雌部材の前記内側に面した環状の溝部内に設けられるとともに、前記環状の溝部内で移動可能な大きさを有し、前記スプリット状のロッキングリングは、互いに当接可能なように並ぶとともに、隙間を有するように第一と第二の端部を有し、前記スプリット状のロッキングリングの内径は、前記雄部材の前記第一の円筒形状の外面部分を受取ることができるとともに、前記雄部材を前記キャビティ内にさらに移動させるにつれて、前記傾斜部と係合し、径の大きさをラジアル方向に拡径できるような大きさを有し、さらに、前記スプリット状のロッキングリングは、前記テーパ付けられた肩部が前記スプリット状のロッキングリングと軸方向に並ぶ場所まで前記雄部材を移動させると、前記肩部と前記チャンファの間でトラップされるように、弾力的に径の大きさを縮径させることを特徴とするカップリングアセンブリ。
【請求項2】
軸方向に延びるカップリングアセンブリであって、雄部材と雌部材とスプリット状のロッキングリングを有し、
(a)前記雄部材は、導入側の端部から後縁側の端部まで延び、前記導入側の端部から延びる第一の円筒形状の外面と、該第一の円筒形状の外面から離間された第二の円筒形状の外面と、前記第一の円筒形状の外面と前記第二の円筒形状の外面の間にリブを有し、該リブは、(i)前記導入側の端部から軸方向に離れるとともに、前記第一の円筒形状の外面から一定の割合で距離を増大させながら外側に向うように延びて、湾曲状の丸みをおびた部位と結合する傾斜部と、該傾斜部と接続されるように、(ii)前記軸方向と実質的に平行で、最小で0.010インチの軸方向距離を有する円筒形状の外面と、該円筒形状の外面と接続されるように、(iii)内側に向うとともに、前記第一の円筒形状の外面部分から軸方向に離れるようにテーパ付けられる肩部とを有し、
(b)前記雌部材は、前記雄部材を受取れる大きさのキャビティを備えた受取り側の端部を有し、前記キャビティは、前記受取り側の端部の近くに前記リブを受取れる大きさの第一の内側に面した円筒形状の表面と、該第一の内側に面した円筒形状の表面から外側に向って延びるように第一と第二の表面を離間して備える内側に面した環状の溝部を有し、前記第二の溝部の表面は、前記受取り側の端部と前記第一の溝部の表面との間に設けられ、前記軸方向と前記受取り側の端部に向ってテーパ付けられるチャンファを有するが、この軸方向に関する角度は、前記肩部と前記軸方向の間の角度よりも小さく、さらに、前記雌部材は、前記雄部材の前記導入側の端部と前記第一の円筒形状の外面とを受取れる大きさの第二の内側に面した表面を有し、
(c)前記スプリット状のロッキングリングは、前記雌部材の前記内側に面した環状の溝部内に設けられるとともに、前記環状の溝部内で移動可能な大きさを有し、前記スプリット状のロッキングリングは、互いに当接可能なように並ぶとともに、隙間を有するように第一と第二の端部を有し、前記スプリット状のロッキングリングの内径は、前記雄部材の前記第一の円筒形状の外面部分を受取ることができるとともに、前記雄部材を前記キャビティ内にさらに移動させるにつれて、前記傾斜部と係合し、径の大きさをラジアル方向に拡径できるような大きさを有し、さらに、前記スプリット状のロッキングリングは、前記テーパ付けられた肩部が前記スプリット状のロッキングリングと軸方向に並ぶ場所まで前記雄部材を移動させると、前記肩部と前記チャンファの間でトラップされるように、弾力的に径の大きさを縮径させることを特徴とするカップリングアセンブリ。
【請求項3】
軸方向に延びるカップリングアセンブリであって、雄部材と雌部材とスプリット状のロッキングリングを有し、
(a)前記雄部材は、導入側の端部から後縁側の端部まで延び、前記導入側の端部から延びる第一の円筒形状の外面と、該第一の円筒形状の外面から離間された第二の円筒形状の外面と、前記第一の円筒形状の外面と前記第二の円筒形状の外面の間にリブを有し、該リブは、(i)前記導入側の端部から軸方向に離れるとともに、丸みをおびて前記第一の円筒形状の外面から外側に向うように延びる傾斜部と、該傾斜部と接続されるように、(ii)前記軸方向と実質的に平行で、最小で0.010インチの軸方向距離を有する円筒形状の外面と、該円筒形状の外面と接続されるように、(iii)内側に向うとともに、前記第一の円筒形状の外面部分から軸方向に離れるようにテーパ付けられる肩部とを有し、
(b)前記雌部材は、前記雄部材を受取れる大きさのキャビティを備えた受取り側の端部を有し、前記キャビティは、前記受取り側の端部の近くに前記リブを受取れる大きさの第一の内側に面した円筒形状の表面と、該第一の内側に面した円筒形状の表面から外側に向って延びるように第一と第二の表面を離間して備える内側に面した環状の溝部を有し、前記第二の溝部の表面は、前記受取り側の端部と前記第一の溝部の表面との間に設けられ、前記軸方向と前記受取り側の端部に向ってテーパ付けられるチャンファを有するが、この軸方向に関する角度は、前記肩部と前記軸方向の間の角度よりも小さく、さらに、前記雌部材は、前記雄部材の前記導入側の端部と前記第一の円筒形状の外面とを受取れる大きさの第二の内側に面した表面を有し、
(c)前記スプリット状のロッキングリングは、前記雌部材の前記内側に面した環状の溝部内に設けられるとともに、前記環状の溝部内で移動可能な大きさを有し、前記スプリット状のロッキングリングは、互いに当接可能なように並ぶとともに、隙間を有するように第一と第二の端部を有し、前記スプリット状のロッキングリングの内径は、前記雄部材の前記第一の円筒形状の外面部分を受取ることができるとともに、前記雄部材を前記キャビティ内にさらに移動させるにつれて、前記傾斜部と係合し、径の大きさをラジアル方向に拡径できるような大きさを有し、さらに、前記スプリット状のロッキングリングは、前記テーパ付けられた肩部が前記スプリット状のロッキングリングと軸方向に並ぶ場所まで前記雄部材を移動させると、前記肩部と前記チャンファの間でトラップされるように、弾力的に径の大きさを縮径させることを特徴とするカップリングアセンブリ。
【請求項4】
軸方向に延びるカップリングアセンブリであって、雄部材と雌部材とスプリット状のロッキングリングを有し、
(a)前記雄部材は、導入側の端部から後縁側の端部まで延び、前記導入側の端部から延びる第一の円筒形状の外面と、該第一の円筒形状の外面から離間された第二の円筒形状の外面と、前記第一の円筒形状の外面と前記第二の円筒形状の外面の間にリブを有し、該リブは、(i)前記導入側の端部から軸方向に離れるように延びる傾斜部と、該傾斜部と接続されるように、(ii)前記第一の円筒形状の外面から離れるように湾曲して延びる丸みをおびた部分と、該部分と接続されるように、(iii)内側に向うとともに、前記第一の円筒形状の外面部分から軸方向に離れるようにテーパ付けられる肩部とを有し、この際、前記第一の円筒形状の外面から離れるように延びる前記丸みをおびた部分の最大の距離は、前記第一の円筒形状の外面部分から離れるように延びる前記肩部の最大の距離を上回り、
(b)前記雌部材は、前記雄部材を受取れる大きさのキャビティを備えた受取り側の端部を有し、前記キャビティは、前記受取り側の端部の近くに前記リブを受取れる大きさの第一の内側に面した円筒形状の表面と、該第一の内側に面した円筒形状の表面から外側に向って延びるように第一と第二の表面を離間して備える内側に面した環状の溝部を有し、前記第二の溝部の表面は、前記受取り側の端部と前記第一の溝部の表面との間に設けられ、前記軸方向と前記受取り側の端部に向ってテーパ付けられるチャンファを有するが、この軸方向に関する角度は、前記肩部と前記軸方向の間の角度よりも小さく、さらに、前記雌部材は、前記雄部材の前記導入側の端部と前記第一の円筒形状の外面とを受取れる大きさの第二の内側に面した表面を有し、
(c)前記スプリット状のロッキングリングは、前記雌部材の前記内側に面した環状の溝部内に設けられるとともに、前記環状の溝部内で移動可能な大きさを有し、前記スプリット状のロッキングリングは、互いに当接可能なように並ぶとともに、隙間を有するように第一と第二の端部を有し、前記スプリット状のロッキングリングの内径は、前記雄部材の前記第一の円筒形状の外面部分を受取ることができるとともに、前記雄部材を前記キャビティ内にさらに移動させるにつれて、前記傾斜部と係合し、径の大きさをラジアル方向に拡径できるような大きさを有し、さらに、前記スプリット状のロッキングリングは、前記テーパ付けられた肩部が前記スプリット状のロッキングリングと軸方向に並ぶ場所まで前記雄部材を移動させると、前記肩部と前記チャンファの間でトラップされるように、弾力的に径の大きさを縮径させることを特徴とするカップリングアセンブリ。
【請求項5】
軸方向に延びるカップリングアセンブリであって、雄部材と雌部材とスプリット状のロッキングリングを有し、
(a)前記雄部材は、導入側の端部から後縁側の端部まで延び、前記導入側の端部から延びる第一の円筒形状の外面と、該第一の円筒形状の外面から離間された第二の円筒形状の外面と、前記第一の円筒形状の外面と前記第二の円筒形状の外面の間にリブを有し、該リブは、(i)前記導入側の端部から軸方向に離れるように延びる傾斜部と、該傾斜部と接続されるように、(ii)前記第一の円筒形状の外面から離れるように湾曲して延びる丸みをおびた部分と、該部分と接続されるように、(iii)前記軸方向と実質的に平行に延びる円筒形状の外面と、該円筒形状の外面と接続されるように、(iv)内側に向うとともに、前記第一の円筒形状の外面部分から軸方向に離れるようにテーパ付けられる肩部とを有し、この際、前記第一の円筒形状の外面から離れるように延びる前記丸みをおびた部分の最大の距離は、前記第一の円筒形状の外面部分から離れるように延びる前記肩部の最大の距離を上回り、
(b)前記雌部材は、前記雄部材を受取れる大きさのキャビティを備えた受取り側の端部を有し、前記キャビティは、前記受取り側の端部の近くに前記リブを受取れる大きさの第一の内側に面した円筒形状の表面と、該第一の内側に面した円筒形状の表面から外側に向って延びるように第一と第二の表面を離間して備える内側に面した環状の溝部を有し、前記第二の溝部の表面は、前記受取り側の端部と前記第一の溝部の表面との間に設けられ、前記軸方向と前記受取り側の端部に向ってテーパ付けられるチャンファを有するが、この軸方向に関する角度は、前記肩部と前記軸方向の間の角度よりも小さく、さらに、前記雌部材は、前記雄部材の前記導入側の端部と前記第一の円筒形状の外面とを受取れる大きさの第二の内側に面した表面を有し、
(c)前記スプリット状のロッキングリングは、前記雌部材の前記内側に面した環状の溝部内に設けられるとともに、前記環状の溝部内で移動可能な大きさを有し、前記スプリット状のロッキングリングは、互いに当接可能なように並ぶとともに、隙間を有するように第一と第二の端部を有し、前記スプリット状のロッキングリングの内径は、前記雄部材の前記第一の円筒形状の外面部分を受取ることができるとともに、前記雄部材を前記キャビティ内にさらに移動させるにつれて、前記傾斜部と係合し、径の大きさをラジアル方向に拡径できるような大きさを有し、さらに、前記スプリット状のロッキングリングは、前記テーパ付けられた肩部が前記スプリット状のロッキングリングと軸方向に並ぶ場所まで前記雄部材を移動させると、前記肩部と前記チャンファの間でトラップされるように、弾力的に径の大きさを縮径させることを特徴とするカップリングアセンブリ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−516318(P2006−516318A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−532367(P2004−532367)
【出願日】平成15年8月14日(2003.8.14)
【国際出願番号】PCT/IB2003/003313
【国際公開番号】WO2004/020892
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(500197268)イートン エアロクイップ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】