説明

傾斜面の吹き付け緑化工法

【課題】少ない量の植生材でもって植物の育成に必要な厚さの植生材層を形成でき、かつ、降雨等による排水によって植生材が流出するのも阻止できるようにした、傾斜面の吹き付け緑化工法を提供する。
【解決手段】傾斜した下地面(折板屋根20)上に排水機能を持つ堰き止め材1を取り付け、その上に植生材40を吹き付ける緑化工法において、排水機能を持つ堰き止め材1として、周壁と、周壁で囲まれた保水用凹部4と、保水用凹部4に立設する高さの異なる複数本の突起10a、10bを備えたものを用いる。吹き付けた植生材40は、前記複数本の突起10a、10bにより堰き止められて、雨水により流下することが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば河川の法面や建物の屋根等の傾斜面において植物を栽培するのを可能とする、傾斜面の吹き付け緑化工法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市緑化の一環として、建物の傾斜した屋根面や河川や道路等のコンクリート製の法面のような傾斜面に植生材を吹き付けて緑化することが行われており、そのための傾斜面を緑化する工法あるいは方法が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている傾斜面の緑化方法は、植栽用保水排水ブロックを人工地盤である傾斜面に、法尻側の植栽用保水排水ブロックの後側面と法肩側の植栽用保水排水ブロックの前側面とを突き合わせて順次配設し、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロック上に透水シートを介して植栽用土壌を敷設して客土層を形成している。このようにして形成した客土層は、階段状に形成された複数個の植栽用保水排水ブロックにおける水平面に安定して支持されており、豪雨時等において客土層が下流側に流失するのを防止することができる。
【0004】
また、特許文献2には、屋根部に遮水シートを敷設し、その上に厚みのあるネットを敷設し、このネットの上にブロアーを搬送・吹付手段とする吹付機械を用いて植生材を吹付けることにより屋根部を緑化基盤構造とすることが記載されている。この緑化基盤の構造では、厚みのあるネットに吹き付けられた植生材が絡まり、傾斜した屋根面であっても、植生材を安定して定着させることができる利点がある。
【0005】
特許文献3には、凸条で区画される複数個の領域が下に湾曲した凹面状の傾斜面とされ、その傾斜面に多数の凹部が形成されている植物植生用材を屋上などの施工箇所に敷き、その上に不織布のような透水性シートを掛けるなどしてから客土を盛土して緑化基盤を構成することが記載されている。ここでは、植物植生用材に形成される凹部が貯水部となり、頻繁な散水を不要としている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−169665号公報
【特許文献2】特開2001−73379号公報
【特許文献3】特開平6−225627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載されている傾斜面の緑化方法は、複数個の植栽用保水排水ブロックの上面が階段状に形成されているので、植生材に対する高い安定性が得られる一方において、植栽用保水排水ブロックに植生材を吹き付けてなだらかな傾斜面とするときに、階段部の先端部においても植物育成に必要な植生材の厚さを確保することが必要なことから、吹き付ける植生材の量を多くする必要がある。そのため、緑化基盤としての重量が重くなり、折板屋根等の積載可能な荷重が充分でないところには、重量超過となる場合が起こりうる。
【0008】
特許文献2に記載されているものは、屋根に敷設した遮水シートの上部に直接植生材を吹き付けており、排水層を考慮していないため、排水不良を起こしやすい。また、凹凸のある屋根面に適用すると、遮水シートは屋根面の凹凸面に沿った形状となりやすく、凹部に入り込む分だけ植生材の量が多くなり、やはり重量超過となる場合が起こりうる。
【0009】
特許文献3の植物植生用材は、下に湾曲した凹面状の傾斜面は実質的に平坦な面であり、雨が降ったような場合に、吹き付けた植生材は雨水とともに斜面下方向に流れ出る恐れがある。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、少ない量の植生材でもって植物の育成に必要な厚さの植生材層を形成でき、しかも、降雨等による排水によって植生材が流出するのも阻止できるようにした、傾斜面の吹き付け緑化工法を開示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る傾斜面の吹き付け緑化工法は、傾斜した下地面上に排水機能を持つ堰き止め材を取り付け、その上に植生材を吹き付ける工程を少なくとも備える傾斜面の吹き付け緑化工法において、前記排水機能を持つ堰き止め材として、周壁と、周壁で囲まれた保水用凹部と、保水用凹部に立設する複数本の突起とを少なくとも備え、前記複数本の突起は前記周壁と同じかそれよりも高くされ、かつ前記突起のうちの少なくとも1本は他の突起よりも高さが高くされている排水機能を持つ堰き止め材を用いることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、例えば、河川や道路におけるコンクリートで作られた法面等の傾斜面に、前記排水機能付き堰き止め材をアンカー等により固定して敷設し、敷設した排水機能付き堰き止め材の上に、植生材を吹き付けることにより、前記傾斜面上に安定した緑化基盤が形成され、安定して植物を育成することが可能となる。特に、使用する排水機能付き堰き止め材は、保水用凹部に立設する高さの異なる複数本の突起を備えており、所要の保水機能と排水機能を備えなから、同時に、前記突起が吹き付けた植生材に対する障害物として機能し、降雨時等に、植生材が傾斜面下方へ移動するのを確実に阻止することができる。さらに、排水機能付き堰き止め材が持つ排水性により、植生材に排水不良が生じることもなく、過剰水による植生不良が生じるのも回避できる。
【0013】
また、傾斜した下地面上に取り付けた複数枚の前記排水機能を持つ堰き止め材で形成される面は、実質的に平面であり、その全面にわたり植物の育成に必要な等しい厚さの植生材を吹き付ければよいので、階段状をなす堰き止め材を用いる場合と比較して、吹き付ける植生材の量を少なくすることができる。そのために、積載荷重の小さい折板屋根等の上においても、本発明を好適に施工することができる。
【0014】
本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法において、前記排水機能付き堰き止め材にネットを敷設する工程をさらに行い、ネットを敷設した後に植生材の吹き付けを行うようにしてもよい。ネットとしては、吹き付ける植生材が通過できる編み目を備えたものであり、好ましくは、1〜5cm程度の編み目を持つネットを用いる。このようなネットを取り付けることにより、吹き付ける植生材はネットに衝突して緩衝された後、排水機能付き堰き止め材内に落下する。それにより、植生材が排水機能付き堰き止め材から跳ね返されて飛び出るのを防止することできる。特に、後記するようにモルタルガンによって植生材を吹き付ける場合に、ノズルから吹き出される植生材の速度が速く、運動量も大きいので跳ね返りが大きくなるが、このような場合に、ネットを取り付けて緩衝作用を持たせることの作用効果が一層顕著となる。
【0015】
本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法において、排水機能付き堰き止め材と植生材との接合や植生材相互の接合を良好にし、植生材が強風により飛散することや降雨により侵食されるのを防止する等の目的で、植生材として、接合剤を混入したものを用いることは好ましい。接合剤として、(1)酢酸ビニル系樹脂やアクリル系樹脂のような高分子系樹脂、(2)普通ポルトランドセメント、(3)セメントと同様に水和物(エトリンガイド、ポゾラン反応等)によって結合効果を発揮する無機系接合剤、等が好適であるが、中でも、無機系接合剤は好適である。
【0016】
本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法において、植生材を吹き付ける手法は任意であり、特に制限はない。植生材の吹き付けには、一般に、圧縮空気で植生材を搬送・吹付する方式、湿式のスクイズポンプ方式、ブロワー方式等があるが、モルタルガンで植生材を搬送・吹付する方式は、圧送空気で植生材を搬送するために、比較的高い搬送能力を持っており、短い施工時間で植生材を吹き付けることができるので好ましい。
【0017】
また、モルタルガンにより植生材を吹き付ける方法は、予め土壌に種子や接合剤を混合・攪拌して植生材を構成しておく必要がなく、施工現場で、ベルトコンベア等を介して土壌、種子、接合剤といった植生材の材料を所定の量だけモルタルガンに投入することにより、モルタルガン内で攪拌混合した植生材とされ、それが供給ホースを介して吹付ノズルから屋根等に敷設された排水機能付き堰き止め材に吹き付けられるので、作業としての容易化が図られる。また、ブロワー方式による植生材の吹き付けは、搬送に用いる空気の圧力が小さい(0.3〜2kg/cm)ため、吹付機械システム全体を小さくすることでき、騒音が少ないという利点がある。
【0018】
なお、本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法において、植生材への植物の導入方法は従来知られている任意の方法で行えばよい。例えば、(1)植生材の吹付前に植生材中に種子を配合する、(2)植生材の吹付後に種子を散布する、(3)植生材の吹付後に種子を貼り付けたシートを敷設する、(4)植生材の吹付後に芝を張りつける、(5)植生材の吹付後に苗を植え付ける、などの方法によって実施することができる。なお、本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法を折板屋根に対して施工する場合に、一般に折板屋根は積載できる荷重が小さいため、吹き付ける植生材の厚さを薄くせざるを得ない。そのために、植栽植物は、乾燥に強い種類の植物を、例えば上記(1)〜(3)の導入方法により、種子から導入することが推奨される。また、土壌として、軽量人工土壌を用いることによって積載を軽減することができる。
【0019】
本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法において、植生材へ導入する植物としては、法面の緑化に多用されるイネ科牧草類(トールフェスク、クリーピングレッドフェスク、バミューダグラスなど)や美しい花の咲く草本類(ホワイトクローバー、ナデシコ類、カモミール類、シャスターデージー、イングリッシュデージー、ヤツシロソウなど)などが挙げられる。これらを複数種類を混合して導入することで、1年を通して、また干ばつなどの気象の変動にも対応して緑を維持することができる。特に美しい花の咲く草本類の種類を適切に用いることで、四季折々の花が咲く景観を演出することができる。屋上に積載できる荷重が大きくて植生材層の厚さを厚くできる場合は、張り芝や苗植栽といった植物導入方法によっても植栽することができる。
【0020】
本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法において、前記傾斜した下地面が傾斜した折板屋根の場合には、前記排水機能を持つ堰き止め材を取り付ける前の工程として、折板屋根の上に板材を取り付けてフラット化する工程をさらに行うことが好ましい。この態様では、施工面がフラット化しており、排水機能を持つ堰き止め材を取り付ける作業の施工性を向上させることができる。板材は屋根面をフラット化できるものであれば任意の材料を用いることができるが、屋根面からの輻射熱を防止すること等を目的とする場合には、板材として、好ましくは発泡樹脂板が用いられる。他に、非発泡樹脂製、発泡モルタル製や木材製のような材料を用いることもできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、少ない量の植生材でもって植物の育成に必要な厚さの植生材層を形成でき、しかも、降雨等による排水によって植生材が流出するのも阻止できるようにした、傾斜面の吹き付け緑化工法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る傾斜面吹き付け緑化工法の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は本発明の傾斜面の吹き付け緑化工法で使用する排水機能付き堰き止め材を正面側から見た斜視図(図1(a))と断面図(図1(b))であり、図2、図3は、本発明に係る傾斜面吹き付け緑化工法を折板屋根の傾斜面を緑化するのに用いる場合を説明するための図である。
【0024】
まず、排水機能付き堰き止め材について説明する。排水機能付き堰き止め材1はほぼ矩形状であり、この例では、全体が発泡樹脂(例えば発泡ポリスチレン)の一体成形品である。排水機能付き堰き止め材1は、図示のように、左右の周壁2a,2bおよび前後の周壁3a,3bと、該周壁で囲まれた凹部4と、凹部4に立設する複数本の突起物を構成する突起10とを備える。必須ではないが、この例において、凹部4は、前方の周壁3aとほぼ等しい高さの横隔壁5aと、それに交差する縦隔壁5bとで複数個(図示のものでは8個)の区分凹部4aに区画されている。
【0025】
区分凹部4aのそれぞれに前記突起10が形成される。形成される突起10の高さはすべてが同じではなく、少なくとも1本の突起は他の突起よりも高さが高くされている。図示の例で、前方の周壁3aに最も近い2つの区分凹部4a1には、左右の周壁2a,2bの高さとほぼ等しい高さの第1の突起10aがそれぞれ2本形成され、次列の2つの区分凹部4a2には、前記第1の突起10aよりも高さの高い第2の突起10bがそれぞれ2本形成されている。第3列の2つの区分凹部4a3には、前記第1の突起10aがそれぞれ2本形成されており、第4列の2つの区分凹部4a4には、前記第2の突起10bがそれぞれ2本形成されている。
【0026】
図1bの断面図に示すように、前方の周壁3aの裏側には凹溝6が形成され、後方の周壁3bの厚さと高さは、2つの排水機能付き堰き止め材1、1を平面上に置いたときに、前記凹溝6内に嵌入できる大きさとされている。上下方向の隣接する2つの排水機能付き堰き止め材1、1は、一方の凹溝6内に他方の後方の周壁3bを嵌入することにより連接することが可能となる。
【0027】
前方の周壁3aおよび横隔壁5aと縦隔壁5bの頂面のそれぞれには、溢流凹部7が形成されており、区分凹部4a内に貯留した水は、該溢流凹部7を通って、左右および下流に流れていく。また、排水機能付き堰き止め材1の裏面に複数の凸部8が形成されており、その間に、通水路あるいは通気路として機能する流路9を形成している。
【0028】
次に、図2、3に基づいて、傾斜した折板屋根の上に、本発明による傾斜面の吹き付け緑化工法を施工して緑化基盤を構築する方法について説明する。
【0029】
図3に示すように、折板屋根20は金属製の折板によって凹凸面に形成されている。ここでは、その折板屋根20上に、板材の一例として板状断熱材30を敷設して、傾斜した折板屋根20の凹凸面をフラット化している。この例で、板状断熱材30は発泡樹脂で構成されており、折板屋根20に対して、ボルト・ナットからなる固定手段21により固定されている。そして、この板状断熱材30の上に、前記した排水機能付き堰き止め材1を、下方に位置する堰き止め材1の周壁3bに上方に配置する堰き止め材1の前方周壁3aの凹溝6を嵌め込みながら、傾斜面の下方から上方に敷設する。敷設時に、各排水機能付き堰き止め材1を、前記固定手段21を利用して、板状断熱材3に対して固定する。
【0030】
必須の工程ではないが、板状断熱材3に対して固定した複数の排水機能付き堰き止め材1の全面に、開口が2〜3cm程度のネット41を掛け渡し、適宜の手段により屋根面に固定する。その後、前記した適宜の植生材40を図示しないモルタルガンで吹き付ける。通常、折板屋根ではその上に載置する荷重が制限されているために、好ましくは、植生材40として、パーライト、ゼオライト、ピートモスや腐葉土等の繊維材等からなる軽量人工土壌に、無機系接合剤および種子を配合したものを用いる。
【0031】
モルタルガンは周知のものであり、ベルトコンベアによって吹付機内に搬送した植生材料を攪拌・混合し、エアコンプレッサからの圧縮空気によって供給ホースを介して搬送して吹付ノズルから植生材を吹き付ける。前記のように、排水機能付き堰き止め材1にネット41が掛けられており、吹き付けた植生材がネット41によって緩衝された後に、排水機能付き堰き止め材1内に落下するので、植生材40が排水機能付き堰き止め材1から跳ね返って外に出るのは防止される。
【0032】
植生材40の吹き付けは、まず、排水機能付き堰き止め材1の低い突起10aが被覆されるまで吹き付け、次に、高い突起10bが被覆されるように吹き付ける。このように、突起10a,10bは、植生材40の吹き付け時の目安として有効に利用することができる。また、高い突起10bは吹き付け厚みの調整にも有効に利用できる。
【0033】
このようにして形成された緑化基盤は、吹き付けられた植生材40が排水機能付き堰き止め材1の前記第1の突起10aと第2の突起10bとによって効果的に堰き止められるので、植生材40が雨水等とともに流出することがない。また、吹き付けられた植生材40の厚さは、全域にわたって実質的に均一であり、少ない量の植生材でもって、植物の育成に必要とされる所要厚さの植生材層を得ることができる。そのために、積載荷重の小さい折板屋根20の上にも本発明による工法を支障なく施工することができる。
【0034】
なお、上記では本発明に係る傾斜面吹き付け緑化工法を折板屋根の傾斜面を緑化するのに用いる場合を説明したが、本発明は、特に図示しないが、河川や道路におけるコンクリートで作られた法面等の傾斜面にも、前記排水機能付き堰き止め材をアンカー等により固定することにより、そのまま適用することができる。また、前記したように、排水機能付き堰き止め材1にネット41を掛けることなく、植生材40を吹き付けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1(a)は本発明の傾斜面の吹き付け緑化工法に使用する排水機能付き堰き止め材を正面側から見た斜視図、図1(b)は図1(a)のb−b線による断面図。
【図2】本発明の傾斜面の吹き付け緑化工法によって吹き付け緑化した折板屋根の一形態を示す屋根勾配方向の断面図。
【図3】本発明の傾斜面の吹き付け緑化工法によって吹き付け緑化した折板屋根の一形態状態を示す折板屋根傾斜面に沿った断面図。
【符号の説明】
【0036】
1…排水機能付き堰き止め材、4…保水用凹部、7…溢流凹部、10a…高さの低い第1の突起、10b…高さの高い第2の突起、20…折板屋根、21…固定手段、30…板状断熱材(板材)、40…植生材、41…ネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜した下地面上に排水機能を持つ堰き止め材を取り付け、その上に植生材を吹き付ける工程を少なくとも備える傾斜面の吹き付け緑化工法において、
前記排水機能を持つ堰き止め材として、周壁と、周壁で囲まれた保水用凹部と、保水用凹部に立設する複数本の突起とを少なくとも備え、前記複数本の突起は前記周壁と同じかそれよりも高くされ、かつ前記突起のうちの少なくとも1本は他の突起よりも高さが高くされている排水機能を持つ堰き止め材を用いることを特徴とする傾斜面の吹き付け緑化工法。
【請求項2】
前記排水機能付き堰き止め材にネットを敷設する工程をさらに有し、ネットを敷設した後に植生材の吹き付けを行うことを特徴とする請求項1に記載の傾斜面の吹き付け緑化工法。
【請求項3】
前記植生材として、接合剤が混入されている植生材を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜面の吹き付け緑化工法。
【請求項4】
前記植生材の吹き付けをモルタルガンによる吹き付けで行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の傾斜面の吹き付け緑化工法。
【請求項5】
前記傾斜した下地面が傾斜した折板屋根であり、前記排水機能を持つ堰き止め材を取り付ける前の工程として、折板屋根の上に板材を取り付けてフラット化する工程をさらに有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の傾斜面の吹き付け緑化工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−248535(P2008−248535A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89500(P2007−89500)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【出願人】(000235543)飛島建設株式会社 (132)
【Fターム(参考)】