説明

充放電検査システムおよび充放電検査装置の校正装置

【課題】高精度かつ安定に校正可能な充放電検査装置を提供する。
【解決手段】充放電検査システム4は、検査対象の2次電池1を充放電する。標準抵抗器30は、校正プロセスにおいて、コネクタ10に2次電池に代えて装着される。計測器32は、校正プロセスにおいて、標準抵抗器30の電圧降下にもとづき、標準抵抗器30に流れる電流を示す電流校正値S4を生成する。校正制御回路34は、校正プロセスにおいて、電流設定値S2を複数の値で切りかえ、各電流設定値S2ごとに、それに対応する電流校正値S4を取得し、校正用パラメータS3を演算する。校正制御回路34は、電流設定値S2の各値、および電流設定値S2を切りかえてから電流校正値S4を取得するまでの通電時間がプログラマブルに構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次電池を検査する充放電検査装置に関し、特にその校正技術に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池、ニッケル水素電池をはじめとする繰り返し充電可能な2次電池が広く利用されている。2次電池はその出荷前に、充放電検査装置を用いて正常に機能するかが検査される(特許文献1)。2次電池の良否を正確に検査するためには、充電検査装置そのものを定期的に校正(キャリブレーション)する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−219565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、高精度かつ安定に校正可能な充放電検査装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、充放電検査システムに関する。充放電検査システムは、2次電池を充電する充放電検査装置と、その校正装置とを備える。充放電検査装置は、2次電池が着脱可能に装着されるコネクタと、コネクタを介して2次電池に電力を供給するコンバータと、コンバータの出力端子からコネクタの間の充放電経路上に設けられた検出抵抗と、検出抵抗に生ずる電圧降下をアナログ/デジタル変換し、検出抵抗に流れる電流を示すデジタルの電流検出値を生成するA/Dコンバータと、検査プロセスにおいて、校正プロセスであらかじめ取得された校正用パラメータを利用し、電流検出値が電流設定値に近づくように、コンバータをフィードバック制御するコンバータ制御回路と、を備えるものであり、校正装置は、校正プロセスにおいて、コネクタに2次電池に代えて装着される標準抵抗器と、校正プロセスにおいて、標準抵抗器の電圧降下にもとづき、標準抵抗器に流れる電流を示す電流校正値を生成する計測器と、校正プロセスにおいて、電流設定値を複数の値で切りかえ、各電流設定値ごとに、それに対応する電流校正値を取得し、校正用パラメータを演算する校正制御回路と、を備える。校正制御回路は、電流設定値の各値、および電流設定値を切りかえてから電流校正値を取得するまでの通電時間がプログラマブルに構成される。
【0006】
この態様によると、検出抵抗や標準抵抗器、A/Dコンバータなどの種類、検査対象の2次電池の種類などに応じて、校正に利用する電流設定値および通電時間を、自由に設定できるため、高精度かつ安定な校正が実現できる。また校正プロセスを自動で行うことができ、ユーザが手動で行う場合に比べて、不確定な要素が排除されるため、これによっても校正の精度や安定性を高めることができる。特に大量の、たとえば車両用、携帯電話端末用の電池を一斉に検査する場合に複数の充放電検査装置が必要となるところ、各充放電検査装置の校正を手作業で実行する場合、各装置の校正条件を常に一定にすることは難しく、検査の結果得られる電池の品質がばらつくが、この態様によればそれを防止できる。
【0007】
校正制御回路は、最初の電流設定値の通電時間の前に、その長さがプログラマブルな休止時間を挿入可能に構成されてもよい。これにより、校正プロセスにおいて、システムの温度が安定した後に、校正プロセスを行うことができる。
【0008】
校正制御回路は、複数の電流設定値の通電時間の間に、その長さがプログラマブルな休止時間を挿入可能に構成されてもよい。
【0009】
校正制御回路は、時間とともに電流設定値を増加させるとともに、電流設定値が大きいほど、その通電時間を長くしてもよい。
電流設定値が大きいほど、システムの周囲温度が安定化するのに要する時間が長くなる場合がある。この態様によれば、温度が安定化した後の電流校正値を用いることで、校正の精度、安定性を高めることができる。
【0010】
ある態様において、校正装置は、充放電検査装置の周囲温度を測定する温度測定素子をさらに備えてもよい。校正制御回路は、校正プロセスにおいて、測定された周囲温度が所定の温度範囲に含まれるとき、電流設定値の設定を開始してもよい。
この態様によれば、充放電検査装置が2次電池を検査する検査プロセス時の温度と、校正時の温度を近づけることができ、校正の精度、安定性を高めることができる。
【0011】
本発明の別の態様は、検査対象の2次電池を充放電するための充放電検査装置を校正する校正装置に関する。充放電検査装置は、2次電池が着脱可能に装着されるコネクタと、コネクタを介して2次電池に電力を供給するコンバータと、コンバータの出力端子からコネクタの間の充放電経路上に設けられた検出抵抗と、検出抵抗に生ずる電圧降下をアナログ/デジタル変換し、検出抵抗に流れる電流を示すデジタルの電流検出値を生成するA/Dコンバータと、検査プロセスにおいて、校正プロセスであらかじめ取得された校正用パラメータを利用し、電流検出値が電流設定値に近づくように、コンバータをフィードバック制御するコンバータ制御回路と、を備える。校正装置は、校正プロセスにおいて、コネクタに2次電池に代えて装着される標準抵抗器と、校正プロセスにおいて、標準抵抗器の電圧降下にもとづき、標準抵抗器に流れる電流を示す電流校正値を生成する計測器と、校正プロセスにおいて、電流設定値を複数の値で切りかえ、各電流設定値ごとに、それに対応する電流校正値を取得し、校正用パラメータを演算する校正制御回路と、を備える。校正制御回路は、電流設定値の各値、および電流設定値を切りかえてから電流校正値を取得するまでの通電時間がプログラマブルに構成される。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のある態様の充放電検査システムによれば、高精度かつ安定な校正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る充放電検査装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の充放電検査装置を備える充放電検査システムを示すブロック図である。
【図3】校正プロセスの一例を示す図である。
【図4】図2の充放電検査システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
【図5】図2の充放電検査システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、実施の形態に係る充放電検査装置2の構成を示すブロック図である。充放電検査装置2は、検査対象の2次電池1を充電し、あるいは放電することにより、2次電池1の電気的特性が仕様を満たしているかを検査する。2次電池1は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などが例示されるが、特に限定されない。
【0016】
充放電検査装置2は、コネクタ10、コンバータ12、検出抵抗R1、A/Dコンバータ14、アンプ16、コンバータ制御回路20、不揮発性メモリ22を備える。
【0017】
コネクタ10には、2次電池1が着脱可能に接続される。コンバータ12は、コネクタ10に装着される2次電池1に電力を供給し、2次電池1を充放電する。検出抵抗R1は、コンバータ12の出力端子とコネクタ10の間の、2次電池1の充放電電流の経路上に設けられる。検出抵抗R1には、充放電電流に比例した電圧降下が発生する。
【0018】
A/Dコンバータ14は、検出抵抗R1に生ずる電圧降下VR1をアナログ/デジタル変換し、検出抵抗R1に流れる電流を示すデジタルの電流検出値S1を生成する。A/Dコンバータ14の前段には、検出抵抗R1の電圧降下VR1を増幅するアンプ16が設けられてもよい。
【0019】
コンバータ制御回路20は、外部からの電流設定値S2を受信するためのインタフェースを有する。検査プロセスにおいて、コンバータ制御回路20は、電流検出値S1が外部から設定される電流設定値S2に近づくように、コンバータ12をフィードバック制御する。コンバータ12の構成や、フィードバック制御の方式については公知の技術を用いればよく、ここでは説明を省略する。
【0020】
電流検出値S1が示す充放電電流の値は、検出抵抗R1の抵抗値、アンプ16の利得、オフセット、A/Dコンバータ14の利得、オフセットなどの、ばらつき、温度依存性、経時的変動の影響を受ける。これらによって、電流検出値S1は、必ずしも充放電電流の真の値を示しているとは限らない。このことは、電流設定値S2によって、充放電電流のある目標値を設定したときに、実際の充放電電流が、その目標値とは異なった値に安定化されることを意味する。
【0021】
そこでコンバータ制御回路20は、定期的な校正プロセスにおいてあらかじめ取得される校正用パラメータS3を用いて電流検出値S1や電流設定値S2を校正し、電流検出値S1が、電流設定値S2と一致するようにフィードバック制御を行う。具体的には、後述する校正プロセスにおいて、校正用パラメータS3が演算され、それを不揮発性メモリ22に格納しておく。コンバータ制御回路20は、検査プロセスにおいて不揮発性メモリ22にアクセスすることにより、校正用パラメータを取得する。
【0022】
以上が充放電検査装置2の構成である。続いて充放電検査装置2の構成について説明する。図2は、図1の充放電検査装置2を備える充放電検査システム4を示すブロック図である。
【0023】
充放電検査システム4は、充放電検査装置2および校正装置6で構成される。校正プロセスにおいて、コネクタ10には2次電池1に代えて校正装置6が接続される。校正装置6は、充放電検査装置2の校正プロセスを制御する。
【0024】
校正装置6は、標準抵抗器30、計測器32、校正制御回路34、熱電対40、アンプ42を備える。
【0025】
標準抵抗器30は、校正プロセスにおいて、2次電池1に代えてコネクタ10の端子間に装着される。校正プロセスにおいてコンバータ12から標準抵抗器30に電流が供給されると、標準抵抗器30には、電流に比例した電圧降下が発生する。計測器32は、校正プロセスにおいて、標準抵抗器30の電圧降下にもとづき、標準抵抗器30に流れる電流を示す電流校正値S4を生成する。
【0026】
標準抵抗器30の抵抗値は既知であり、その変動は無視しうる。そうすると、電流校正値S4が示す電流値は、標準抵抗器30および検出抵抗R1を含む経路に流れる真の電流値を示すものと言える。
【0027】
校正制御回路34は、校正プロセスにおいて、電流設定値S2を複数の値で切りかえ、各電流設定値S2ごとに、それに対応する電流校正値S4を取得し、校正用パラメータS3を演算する。
【0028】
図3は、校正プロセスの一例を示す図である。電流設定値S2の値を変化させると、そのときの電流校正値S4が測定される。システムの誤差がゼロであれば、電流設定値S2と電流校正値S4の値は一致し、原点を通る傾き1の直線(破線(I))が得られる。これに対してシステムに誤差が存在する場合、図3の直線(II)に示すように、傾きが1から逸脱し、あるいはオフセットが発生する。
【0029】
校正の方法は特に限定されないが、最も簡易には、複数の測定点を通る直線の近似式
y=ax+b …(1)
の傾きaおよび切片bを校正用パラメータS3として算出してもよい。xは電流設定値S2、yは電流校正値S4に対応する。校正には、2次以上の多項式近似を用いてもよい。算出された校正用パラメータS3は、インタフェースを介して校正制御回路34からコンバータ制御回路20へと送信される。コンバータ制御回路20は、受信した校正用パラメータS3を不揮発性メモリ22に書き込み、校正用パラメータS3を更新する。
【0030】
コンバータ制御回路20は検査プロセスにおいて、校正用パラメータS3を用いて、電流検出値S1および電流設定値S2の少なくとも一方に演算処理を施すことにより、電流設定値S2によって設定された電流が、2次電池1に流れるようにフィードバック制御を行う。たとえばコンバータ制御回路20は、電流検出値S1を式(1)の変数xとして代入することにより、値yを校正された真の電流検出値S1’として算出し、校正された電流検出値S1’が電流設定値S2と一致するように、フィードバック制御を行ってもよい。あるいはコンバータ制御回路20は、電流設定値S2を式(1)の変数yとして代入し、そのときの値xを校正された電流設定値S2’として算出し、電流検出値S1が、校正された電流設定値S2’と一致するようにフィードバック制御を行ってもよい。
【0031】
校正制御回路34は、電流設定値S2の個数および複数の値S2、S2、S2…がユーザによってプログラマブルに構成され、さらに、電流設定値S2を切りかえてから電流校正値S4を取得するまでの通電時間TON1、TON2、TON3…がプログラマブルに構成される。通電時間TONを設定可能とすることにより、素子の発熱の影響が安定化した後に、電流校正値S4を取得することができ、校正の精度、安定性を高めることができる。
【0032】
熱電対40は、充放電検査装置2の周囲温度Taを測定する温度測定素子である。アンプ42は、熱電対40の出力を増幅し、周囲温度Taを示す温度検出信号S5を生成する。校正制御回路34は、測定された周囲温度Taが所定の温度範囲(校正可能範囲)に含まれるとき、電流設定値S2の設定を開始する。
【0033】
以上が校正装置6の構成である。続いて校正プロセスの動作を説明する。図4は、図2の充放電検査システム4の動作の一例を示すタイムチャートである。図4では、電流設定値S2の値が、時間とともに大きく設定される場合が示される。また、電流設定値S2〜S2の値が大きくなるにしたがい、それぞれの通電時間TON1〜TON4が長く設定される。
【0034】
校正制御回路34は、最初の電流設定値S2の通電時間TON1の前に、休止時間TOFF0を挿入可能に構成される。さらに校正制御回路34は、複数の電流設定値S2の通電時間TONの間に、休止時間TOFFを挿入可能に構成される。各休止時間TOFFの長さは、通電時間TONと同様、ユーザによってプログラム可能となっている。
【0035】
休止時間TOFF0を設けることにより、各計測機器の動作が安定するまで待機することができる。また休止時間TOFF1、TOFF2…を設けることにより、その直前の通電時間TON1、TON2…において発生した熱を十分に放熱させることができる。その結果、次の電流設定値の測定を、直前の測定の影響を除いて安定なものとできる。
【0036】
図5は、図2の充放電検査システム4の動作を示すフローチャートである。校正プロセスが開始すると、周囲温度Taが校正可能範囲に含まれるか否かが判定される(S100)。周囲温度Taが校正可能範囲でない場合(S100のN)、その旨を表示し、校正プロセスを終了させる(S102)。あるいは、処理S100に戻り、ある一定時間経過後に、再度、温度判定を行ってもよい。
【0037】
周囲温度Taが校正可能範囲に含まれる場合(S100のY)、計測器の状態が安定化するまで待機する(S104)。この待機時間は、図4のタイムチャートの休止時間TOFF0に相当する。
【0038】
そして、休止時間TOFF0が経過すると、校正制御回路34はコンバータ制御回路20に対して、電流設定値S2を順次設定し、そのときの電流校正値S4を取得する(S106)。この処理は、最後の設定電流となるまで、変数iをインクリメントしながら繰り返される(S108のN)。電流校正値S4を取得した後、休止時間TOFFiだけ待機し(S110)、変数iがインクリメントされ、次の電流校正値S4が設定される。
【0039】
最後の電流設定値S2が設定され、それに対応する電流校正値S4が取得されると(S108のY)、電流設定値S2および電流校正値S4のペアを用いて校正用パラメータS3が算出され(S112)、充放電検査装置2の 不揮発性メモリ22に書き込まれる。
【0040】
以上が図2の充放電検査システム4の校正プロセスである。この充放電検査システム4によれば、検出抵抗R1や標準抵抗器30、A/Dコンバータ14などの種類、検査対象の2次電池1の種類などに応じて、校正に利用する電流設定値S2および通電時間を、自由に設定できるため、高精度かつ安定な校正が実現できる。また校正プロセスを自動で行うことができ、ユーザが手動で行う場合に比べて、不確定な要素が排除されるため、これによっても校正の精度や安定性を高めることができる。
【0041】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0042】
実施の形態では、休止時間TOFFを設ける場合を説明したが、これは省略してもよい。これは、ユーザが休止時間TOFFをゼロとすることで実現できる。通電による温度変化の影響が無視しうる場合や、充放電検査システム4の温度環境が安定な場合、休止時間TOFFを省略することにより、校正にようする時間を短縮できる。
【0043】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0044】
1…2次電池、2…充放電検査装置、4…充放電検査システム、6…校正装置、10…コネクタ、12…コンバータ、14…A/Dコンバータ、16…アンプ、20…コンバータ制御回路、R1…検出抵抗、22…不揮発性メモリ、S1…電流検出値、S2…電流設定値、S3…校正用パラメータ、S4…電流校正値、30…標準抵抗器、32…計測器、34…校正制御回路、40…熱電対、42…アンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の2次電池を充放電するための充放電検査システムであって、
前記2次電池を充電する充放電検査装置とその校正装置とを備え、
前記充放電検査装置は、
前記2次電池が着脱可能に装着されるコネクタと、
前記コネクタを介して前記2次電池に電力を供給するコンバータと、
前記コンバータの出力端子から前記コネクタの間の充放電経路上に設けられた検出抵抗と、
前記検出抵抗に生ずる電圧降下をアナログ/デジタル変換し、前記検出抵抗に流れる電流を示すデジタルの電流検出値を生成するA/Dコンバータと、
検査プロセスにおいて、校正プロセスであらかじめ取得された校正用パラメータを利用し、前記電流検出値が電流設定値に近づくように、前記コンバータをフィードバック制御するコンバータ制御回路と、
を備えるものであり、
前記校正装置は、
校正プロセスにおいて、前記コネクタに前記2次電池に代えて装着される標準抵抗器と、
前記校正プロセスにおいて、前記標準抵抗器の電圧降下にもとづき、前記標準抵抗器に流れる電流を示す電流校正値を生成する計測器と、
前記校正プロセスにおいて、前記電流設定値を複数の値で切りかえ、各電流設定値ごとに、それに対応する前記電流校正値を取得し、前記校正用パラメータを演算する校正制御回路と、
を備え、
前記校正制御回路は、前記電流設定値の各値、および前記電流設定値を切りかえてから前記電流校正値を取得するまでの通電時間がプログラマブルに構成されることを特徴とする充放電検査システム。
【請求項2】
前記校正制御回路は、
最初の電流設定値の通電時間の前に、その長さがプログラマブルな休止時間を挿入可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の充放電検査システム。
【請求項3】
前記校正制御回路は、
複数の電流設定値の通電時間の間に、その長さがプログラマブルな休止時間を挿入可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の充放電検査システム。
【請求項4】
前記校正制御回路は、時間とともに前記電流設定値を増加させるとともに、前記電流設定値が大きいほど、その通電時間を長くすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の充放電検査システム。
【請求項5】
前記校正装置は、前記充放電検査装置の周囲温度を測定する温度測定素子をさらに備え、
前記校正制御回路は、校正プロセスにおいて、測定された前記周囲温度が所定の温度範囲に含まれるとき、前記電流設定値の設定を開始することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の充放電検査システム。
【請求項6】
検査対象の2次電池を充放電するための充放電検査装置を校正する校正装置であって、
前記充放電検査装置は、
前記2次電池が着脱可能に装着されるコネクタと、
前記コネクタを介して前記2次電池に電力を供給するコンバータと、
前記コンバータの出力端子から前記コネクタの間の充放電経路上に設けられた検出抵抗と、
前記検出抵抗に生ずる電圧降下をアナログ/デジタル変換し、前記検出抵抗に流れる電流を示すデジタルの電流検出値を生成するA/Dコンバータと、
検査プロセスにおいて、校正プロセスであらかじめ取得された校正用パラメータを利用し、前記電流検出値が電流設定値に近づくように、前記コンバータをフィードバック制御するコンバータ制御回路と、
を備えるものであり、
前記校正装置は、
校正プロセスにおいて、前記コネクタに前記2次電池に代えて装着される標準抵抗器と、
前記校正プロセスにおいて、前記標準抵抗器の電圧降下にもとづき、前記標準抵抗器に流れる電流を示す電流校正値を生成する計測器と、
前記校正プロセスにおいて、前記電流設定値を複数の値で切りかえ、各電流設定値ごとに、それに対応する前記電流校正値を取得し、前記校正用パラメータを演算する校正制御回路と、
を備え、
前記校正制御回路は、前記電流設定値の各値、および前記電流設定値を切りかえてから前記電流校正値を取得するまでの通電時間がプログラマブルに構成されることを特徴とする校正装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−83263(P2012−83263A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230658(P2010−230658)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】