説明

充電制御装置および方法、並びにプログラム

【課題】設備の利用効率を高めるとともに、個々のユーザに応じた最適な充電制御を行なうことができるようにする。
【解決手段】区画制御部51−1乃至区画制御部51−nは、駐車場の各区画に対応して設けられる。バッテリ状態計算部61は、車両のバッテリ残量を計算する。希望条件設定部62は、希望条件の設定を受け付け、希望条件の受け入れが可能であるか否かを判定し、希望条件の受け入れが可能でないと判定された場合、ユーザの再操作を促すようになされている。設定情報管理部52は、区画制御部51のそれぞれから出力されるバッテリ残量および希望条件を、各区画の設定情報として保存する。充電実行制御部53は、設定情報管理部52の制御に基づいて駐車場11の各区画のコンセントに所定の電力を供給するように、充電器を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、設備の利用効率を高めるとともに、個々のユーザに応じた最適な充電制御を行なうことができるようにする充電制御装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、EV(Electric Vehicle、電気自動車)、HEV(Hybrid Electric Vehicle、ハイブリッドカー)などの普及が目覚しい。また、例えば、HEV、EVには、太陽光、風力などの自然エネルギーを利用することで、経済性・環境性の良い車が数多く登場している。
【0003】
EV、HEVには、走行時、停車時、駐車時において充電がなされる。その一方で、現在のエンジン車は燃料補給をガソリンスタンド等において短時間で行えるのに対し、電気自動車はバッテリに充電する必要があるため、連続走行距離が短く、充電時間も長いという問題点を持っている。
【0004】
EV、HEVの充電設備としては、例えば駐車場のような空間内に複数の充電器が配置されたものが考えられる。複数の充電器には被充電物であるEV、HEVのバッテリが接続される。
【0005】
また、EV、HEVの充電を夜に行うことにより、電力供給側にとっては電力使用量の昼夜間較差を少なくする電力負荷平準化方策に活用できる可能性があり、充電設備の利用者にとっては廉価な深夜電力を利用することによりランニングコスト低減を図ることが望まれている。
【0006】
このような状況において、出庫予定時刻が遅ければ夜間電力時間帯で充電を行い、また、駐車場所による優先順位付け充電制御を行なって立体駐車場での空間利用率を向上させることも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2000―209707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、EV、HEVの普及を進めるにあたり、充電関連設備の更なる充実が必要とされる。例えば、特許文献1の技術では、充電完了時間や料金を考慮した制御が行なわれないので、個々のユーザの希望条件を反映させることができない。
【0009】
また、充電設備の供給可能電力は限られており、それを超える充電希望車両が来た場合、充電中の全ての車両の充電時間を延長せざるをえない。このため、早急に車両を利用したいユーザが安心して充電を行なうことができない場合がある。
【0010】
このように、従来の充電設備は、個々のユーザに応じた最適な充電制御を行なうことができないという課題があった。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、設備の利用効率を高めるとともに、個々のユーザに応じた最適な充電制御を行なうことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の充電制御装置は、駐車場の区画のそれぞれに駐車した車両のバッテリの充電を制御する充電制御装置であって、区画毎に第1の充電モード、または第1の充電モードより優先的に電力の供給を受ける第2の充電モードの選択を受け付けるモード選択受付手段と、第1のモードの選択を受け付けた場合、バッテリの充電に関する条件の入力を受け付ける条件受付手段と、定期的に取得される車両のバッテリ残量に基づいて、条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、判定手段により、条件を満たさないと判定された場合、車両の充電モードを、第2の充電モードに変更することを促す情報を車両のユーザに通知する通知手段と、通知に対する応答に基づいて車両の充電モードに関する情報を更新するモード更新手段とを備える。
【0013】
本発明の充電制御装置においては、区画毎に第1の充電モード、または第1の充電モードより優先的に電力の供給を受ける第2の充電モードの選択が受け付けられ、第1のモードの選択を受け付けた場合、バッテリの充電に関する条件の入力が受け付けられ、定期的に取得される車両のバッテリ残量に基づいて、条件を満たすか否かが判定され、条件を満たさないと判定された場合、車両の充電モードを、第2の充電モードに変更することを促す情報が車両のユーザに通知され、通知に対する応答に基づいて車両の充電モードに関する情報が更新される。
【0014】
従って、ユーザに充電モードを変更する機会が与えられるので、ユーザは、時間と料金を考慮して、自分のニーズに合った最適な充電方式を選ぶことができる。
【0015】
前記第2の充電モードでの充電は、単位時間当たり一定の充電量で充電され、第1の充電モードでの充電は、充電中の車両の台数に応じて単位時間当たりの充電量が変化し、第2の充電モードは、第1の充電モードより高額の料金が課金されるようにすることができる。
【0016】
前記駐車場の全区画のうち、予め設定された所定の数の区画において第2の充電モードが選択されて充電が行なわれている場合、他の区画において、第2の充電モードが選択されたとき、モード選択受付手段は、他の区画における第2の充電モードの選択の受け付けを拒否するようにすることができる。
【0017】
従って、限られた電力が充電モードに応じて供給されることになり、設備の利用効率を高めることも可能となる。
【0018】
前記第1の充電モードにおける単位時間当たりの充電量の下限がさらに設定されているようにすることができる。
【0019】
従って、さらに、ユーザの希望に即した最適な充電方式の選択が可能になる。
【0020】
前記通知手段は、前記第2の充電モードに変更することを促す情報を、電子メールとして前記ユーザの携帯電話機に送信するようにすることができる。
【0021】
本発明の充電制御方法は、駐車場の区画のそれぞれに駐車した車両のバッテリの充電を制御する充電制御装置の充電制御方法であって、区画毎に第1の充電モード、または第1の充電モードより優先的に電力の供給を受ける第2の充電モードの選択を受け付け、第1のモードの選択を受け付けた場合、バッテリの充電に関する条件の入力を受け付け、定期的に取得される車両のバッテリ残量に基づいて、条件を満たすか否かを判定し、条件を満たさないと判定された場合、車両の充電モードを、第2の充電モードに変更することを促す情報を車両のユーザに通知し、通知に対する応答に基づいて車両の充電モードに関する情報を更新するステップを含む。
【0022】
本発明のプログラムは、コンピュータを、駐車場の区画のそれぞれに駐車した車両のバッテリの充電を制御する充電制御装置であって、区画毎に第1の充電モード、または第1の充電モードより優先的に電力の供給を受ける第2の充電モードの選択を受け付けるモード選択受付手段と、第1のモードの選択を受け付けた場合、バッテリの充電に関する条件の入力を受け付ける条件受付手段と、定期的に取得される車両のバッテリ残量に基づいて、条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、判定手段により、条件を満たさないと判定された場合、車両の充電モードを、第2の充電モードに変更することを促す情報を車両のユーザに通知する通知手段と、通知に対する応答に基づいて車両の充電モードに関する情報を更新するモード更新手段とを備える充電制御装置として機能させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、設備の利用効率を高めるとともに、個々のユーザに応じた最適な充電制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した充電システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の制御部の機能的構成例を示すブロック図である。
【図3】充電設定処理の例を説明するフローチャートである。
【図4】予想時間計算処理の例を説明するフローチャートである。
【図5】充電処理の例を説明するフローチャートである。
【図6】モード変更確認処理の例を説明するフローチャートである。
【図7】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明を適用した充電システム10の構成例を示している。同図に示されるように、充電システム10は、駐車場11に駐車したEV(Electric Vehicle、電気自動車)、HEV(Hybrid Electric Vehicle、ハイブリッドカー)などの車両に搭載されたバッテリの充電を行なうものである。
【0027】
同図の例では、駐車場11が18(=3×6)の区画に分けられており、各区画に1台の車両を駐車することができるようになされている。駐車場11の区画のそれぞれは、例えば、区画(i,j)として特定することができる。
【0028】
駐車場11に駐車されている車両は、内部に搭載したバッテリを動力源とする車両である。車両のバッテリの充電は、例えば、専用の充電ケーブルを介して、車載充電器を一般家庭やオフィスなどにある標準的なコンセント(英語でOutlet)に接続し、接続したコンセントの先にある電源から供給される電力を用いて行われる。詳細は後述するが、本実施の形態においては、駐車場11に駐車されている車両のユーザが、充電完了希望日時や利用料金などの希望条件を入力することができるようになされている。
【0029】
駐車場11の区画のそれぞれには、車載充電器と接続される標準的なコンセントが設けられており、コンセントのそれぞれには、充電設備12から単位時間に一定の電力を供給することができるようになされている。すなわち、駐車場に駐車されている車両は、単位時間当たり一定の充電量(例えば、充電量A)で充電されるようにすることができる。
【0030】
ただし、充電設備12は、駐車場11の18の区画に同時に充電量Aに対応する電力を供給することができない。すなわち、駐車場11の18の区画全てに車両が駐車されて充電が行なわれる可能性は低いので、例えば、電力会社との契約などの都合上、実際に駐車できる車両の台数より、やや少ない台数の電力供給能力とされているのである。
【0031】
例えば、充電設備12は、駐車場11の全区画のうち、15の区画に同時に充電量Aに対応する電力を供給することができるようになされている。
【0032】
充電設備12は、充電器31と制御部32により構成されている。充電器31は、例えば、電力会社から送電される電力を、制御部32の制御に基づいて、駐車場11の各区画のコンセントに供給するようになされている。
【0033】
制御部32は、例えば、駐車場11の各区画に駐車した車両のユーザによる希望条件の設定を受け付け、その設定内容に基づいて充電器31を制御するようになされている。
【0034】
例えば、駐車場11の18の区画には、それぞれ希望条件を設定するための入力装置などが設けられており、ユーザは、例えば、入力装置のGUIなどを操作することにより、希望条件を設定するようになされている。
【0035】
ここで、ユーザは、入力装置のGUIなどを操作することにより、充電モードを選択することができるようになされている。充電モードは、例えば、「最速充電」と「通常充電」のいずれかを選択することができるようになされている。モード「最速充電」においては、車両のバッテリが、常に、単位時間当たり充電量Aで充電されるようになされている。モード「通常充電」においては、車両のバッテリが、単位時間当たり充電量が駐車台数に応じて可変となるようになされている。すなわち、モード「最速充電」を選択したユーザの車両は、優先的に充電が行なわれ、モード「通常充電」を選択したユーザの車両は、優先順位が劣ることになる。
【0036】
モード「最速充電」を選択すると、例えば、充電に要した電力料金の他、一定の加算料金を課金されるようになされている。また、モード「通常充電」を選択すると、例えば、充電に要した電力料金のみ課金されるようになされている。
【0037】
また、モード「通常充電」を選択したユーザは、さらに、入力装置のGUIなどを操作することにより、充電完了希望日時を入力することができるようになされている。
【0038】
このように、充電モードの選択、充電完了希望日時の入力などによりユーザの希望条件が設定される。
【0039】
また、制御部32は、通信部33を介してネットワーク34との情報の送受信を行なうことができるようになされている。
【0040】
通信部33は、例えば、ネットワーク34に接続される所定のサーバなどを介した電子メールの送受信などを含む通信処理を制御するようになされている。
【0041】
図2は、制御部32の機能的構成例を示すブロック図である。同図の例では、制御部32が、区画制御部51−1乃至区画制御部51−n、設定情報管理部52、および充電実行制御部53により構成されている。
【0042】
区画制御部51−1乃至区画制御部51−nは、駐車場11の各区画に対応して設けられる。例えば、図1の駐車場11の場合、区画制御部51−1乃至区画制御部51−18が設けられることになる。また、区画制御部51−1乃至区画制御部51−nは、バッテリ状態計算部61−1および希望条件設定部62−1乃至バッテリ状態計算部61−nおよび希望条件設定部62−nにより構成されている。これらを個々に区別する必要がない場合、単に、区画制御部51、バッテリ状態計算部61および希望条件設定部62と称することにする。
【0043】
バッテリ状態計算部61は、例えば、当該区画に駐車された車両の車載充電器と通信を行い、その車両のバッテリ残量を計算する。バッテリ残量は、例えば、そのバッテリの充電が満了した状態の充電量を100%として、所定の数値を%単位で表すものとされる。
【0044】
希望条件設定部62は、例えば、当該区画に対応する入力装置のGUIなど操作内容に基づいて希望条件の設定を受け付けるようになされている。また、希望条件設定部62は、例えば、希望条件の受け入れが可能であるか否かを判定し、希望条件の受け入れが可能でないと判定された場合、GUIにエラーを表示させるなどしてユーザの再操作を促すようになされている。
【0045】
上述したように、充電設備12は、駐車場11の全区画のうち、15の区画に同時に充電量Aに対応する電力を供給することができるようになされている。従って、モード「最速充電」を選択した車両が15台充電中に、別の車両が駐車場11の1つの区画に駐車してモード「最速充電」を選択した場合、もはや受け入れることができない。この場合、希望条件設定部62がGUIにエラーを表示させるなどしてユーザの再操作を促すようになされている。
【0046】
しかし、例えば、モード「最速充電」を選択した車両が14台充電中であり、かつモード「通常充電」を選択した車両が1台充電中に、別の車両が駐車場11の1つの区画に駐車してモード「通常充電」を選択した場合は受け入れることができる。この場合、モード「通常充電」を選択した車両の単位時間あたりの充電量を(A/2)とすればよいからである。
【0047】
例えば、充電を完了させるべき日時(充電完了希望日時)まで余裕のあるユーザは、モード「通常充電」を選択すればよい。また、直ぐに車両を使用するなど、早期に充電を完了させる必要があるユーザは、モード「最速充電」を選択すればよい。このようにすることで、ユーザにとっては、支払う料金を安くすることができ、駐車場11の運営業者にとっては、限られた電力を効率的に活用することができるのである。
【0048】
また、上述したように、モード「通常充電」を選択した場合、ユーザは、さらに充電完了希望日時を入力し、また、連絡先としてユーザ自身の電子メールアドレスを入力する。希望条件設定部62は、バッテリ状態計算部61が出力するバッテリ残量に基づいて、当該車両のバッテリの充電に要する予想時間を計算する。そして、現在時刻と充電完了希望日時との差分として得られる時間と、予想時間とを比較して充電完了希望日時までに充電を完了させることが可能か否かを判定し、可能であれば受け入れ可能とするようになされている。
【0049】
さらに、希望条件設定部62は、後述するように、モード「通常充電」を選択した車両について、所定の周期でバッテリ残量をチェックし、充電完了希望日時までに充電を完了させることが可能か否かを判定するようになされている。そして、希望条件設定部62は、充電完了希望日時までに充電を完了させることが可能でないと判定された場合、当該車両のユーザに充電モードの変更を促す電子メールを、通信部33を介して送信するようになされている。送信した電子メールに対してユーザからの返信があった場合、希望条件設定部62は、当該車両の充電モードを、モード「最速充電」に変更するようになされている。
【0050】
設定情報管理部52は、区画制御部51−1乃至区画制御部51−nのそれぞれから出力されるバッテリ残量および希望条件を、各区画の設定情報として保存するようになされている。また、設定情報管理部52は、各区画において希望条件の変更があった場合、設定情報を更新するようになされている。
【0051】
充電実行制御部53は、設定情報管理部52から供給される各区画の設定情報に基づいて駐車場11の各区画のコンセントに所定の電力を供給するように、充電器31を制御する。
【0052】
次に、図3のフローチャートを参照して、充電設定処理について説明する。この処理は、例えば、車両が駐車場11の1つの区画に駐車されて当該区画のコンセントに専用のケーブルが接続され、車両のユーザが当該区画に対応する入力装置のGUIなどを操作するとき実行される。なお、ここで説明する処理における希望条件設定部62およびバッテリ状態計算部61は、それぞれ当該区画に対応する区画制御部51の希望条件設定部62およびバッテリ状態計算部61を意味する。
【0053】
ステップS21において、希望条件設定部62は、設定情報管理部52が保存している設定情報を取得する。
【0054】
ステップS22において、希望条件設定部62は、充電モードの入力を受け付ける。このときユーザは、例えば、入力装置のGUIなどを操作することにより、充電モードを選択する。充電モードは、例えば、「最速充電」と「通常充電」のいずれかを選択することができるようになされている。
【0055】
ステップS23において、希望条件設定部62は、ステップ22の処理でモード「最速充電」が選択されたか否かを判定する。ステップS23において、モード「最速充電」が選択されたと判定された場合、処理は、ステップS24に進む。
【0056】
ステップS24において、希望条件設定部62は、ステップS21で取得した設定情報に基づいて、モード「最速充電」を選択して充電中の車両の台数を取得する。
【0057】
ステップS25において、希望条件設定部62は、現在、ユーザがGUIなどを操作している区画に駐車している当該車両の受け入れが可能であるか否かを判定する。ここでは、例えば、当該車両を受け入れた結果、充電設備12の電力供給能力を超えるか否かが判定される。例えば、当該車両を受け入れた結果、モード「最速充電」を選択して充電中の車両の台数が15を超える場合、受け入れ不可能と判定される。
【0058】
ステップS25において、当該車両を受け入れ可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS26に進み、希望条件設定部62は、GUIにエラーを表示させるなどしてユーザの再操作を促す。その後、処理は、ステップS21に戻る。
【0059】
一方、ステップS23において、モード「最速充電」が選択されなかったと判定された場合、処理は、ステップS27に進む。すなわち、この場合、ステップS22では、モード「通常充電」が選択されていたことになる。
【0060】
ステップS27において、希望条件設定部62は、充電完了希望日時の入力を受け付ける。このときユーザは、例えば、入力装置のGUIなどを操作することにより、充電完了希望日時を入力する。また、このとき、ユーザの連絡先として、例えば、電子メールのアドレスの入力が受け付けられる。なお、例えば、予めアドレスを登録してあるユーザは、IDなどを入力するのみでもよい。
【0061】
あるいはまた、ステップS27において、例えば、夜間電力のみを用いた充電を希望するか否か、自然エネルギー発電による充電を希望するか否かなどの情報が条件としてさらに入力されるようにしてもよい。すなわち、ステップS27では、モード「通常充電」を選択した場合におけるユーザが所望する様々な条件が受け付けられるようにすることも可能である。
【0062】
以下においては、ステップS27において、充電完了希望日時のみ入力が受け付けられる場合の例について説明する。
【0063】
ステップS28において、図4のフローチャートを参照して後述する予想時間計算処理が実行される。
【0064】
ここで、図4のフローチャートを参照して、図3のステップS28の予想時間計算処理の詳細な例について説明する。
【0065】
ステップS51において、希望条件設定部62は、バッテリ状態計算部61が出力するバッテリ残量(SOC:State of Charge)の値に基づいて、当該車両のバッテリに充電すべき充電量Eを算出する。当該車両のバッテリに充電すべき充電量は、バッテリの充電が満了する(100%となる)ために必要となる充電量とされてもよいし、別途設定された目標値(例えば、80%)に達するために必要となる充電量とされてもよい。
【0066】
ステップS52において、希望条件設定部62は、単位時間あたりの充電量(単位時間充電量B)を設定する。
【0067】
上述したように、駐車場11の区画のそれぞれには、車載充電器と接続される標準的なコンセントが設けられており、コンセントのそれぞれには、充電設備12から単位時間に一定の電力を供給することができるようになされている。すなわち、駐車場に駐車されている車両は、単位時間当たり一定の充電量(例えば、単位時間充電量A)で充電されるようにすることができる。しかしながら、モード「通常充電」を選択した車両の単位時間充電量は車両の台数に応じて変化する。そこで、例えば、単位時間充電量Aに所定の係数(例えば、0.7)を乗じた値を、モード「通常充電」を選択した車両の単位時間充電量の平均値と仮定する。
【0068】
ステップS53において、希望条件設定部62は、ステップS51で算出した当該車両のバッテリの充電量Eを、ステップS52で設定した単位時間充電量Bで割ることにより、予想充電時間MTを算出する。
【0069】
あるいはまた、ステップS52において、単位時間あたりの充電量として単位時間充電量Aが設定され、ステップS53においては、E/Bに所定の係数(例えば、1.5)が乗じられて予想充電時間MTとして算出されるようにしてもよい。
【0070】
このようにして予想時間計算処理が実行される。
【0071】
図3に戻って、ステップS28の処理の後、処理は、ステップS29に進む。
【0072】
ステップS29において、希望条件設定部62は、条件を満足するか否かを判定する。このとき、例えば、現在時刻と充電完了希望日時との差分として得られる残り時間RTと、ステップS28の処理で得られた予想充電時間MTとを比較してRTがMTより充分大きい場合、条件を満足すると判定される。この場合、充電完了希望日時までに当該車両のバッテリの充電を完了させることができると考えられるからである。
【0073】
ステップS29において、条件を満足しないと判定された場合、処理は、ステップS30に進み、希望条件設定部62は、GUIにエラーを表示させるなどしてユーザの再操作を促す。その後、処理は、ステップS21に戻る。
【0074】
ステップS25において、当該車両を受け入れ可能と判定された場合、または、ステップS29において、条件を満足すると判定された場合、処理は、ステップS31に進む。ステップS31において、設定情報管理部52は、設定情報を更新する。
【0075】
このとき、当該区画の設定情報が更新される。例えば、当該車両が駐車している区画が区画(1,5)である場合、区画(1,5)を特定する番号(例えば、5)に対応付けられて、充電モード、充電完了希望日時、電子メールのアドレスなどの情報が記憶されることになる。
【0076】
このようにして充電設定処理が実行される。
【0077】
なお、設定情報は、例えば、車両の充電が完了されたときにも更新されるようになされている。例えば、区画(1,5)に駐車している車両の充電が完了した場合、例えば、バッテリ状態計算部61―5から、設定情報管理部52にバッテリ残量が100%になったことが通知され、番号(例えば、5)に対応付けられた充電モード、充電完了希望日時、電子メールのアドレスなどの情報は削除されるようになされている。このように、設定情報は、上述したステップS31の処理のみならず、逐次更新されるようになされている。
【0078】
次に、図5のフローチャートを参照して、充電設備12の制御部32による充電処理について説明する。
【0079】
ステップS71において、充電実行制御部53は、充電器31を制御してモード「最速充電」で充電している車両の区画のコンセントに電力を供給する。上述したように、モード「最速充電」の場合、単位時間当たり一定の充電量(単位時間充電量)Aに対応する電力が供給されるようになされている。なお、モード「最速充電」で充電している車両の区画は、設定情報管理部52により更新されて保存されている設定情報に基づいて特定することができる。
【0080】
ステップS72において、充電実行制御部53は、供給余力を計算する。供給余力は、充電設備12の最大電力供給能力から、モード「最速充電」で充電している車両に供給中の電力を引くことにより計算される。例えば、充電設備12が、駐車場11の全区画のうち、15の区画に同時に充電量Aに対応する電力を供給することができるものとすると、充電設備12の最大電力供給能力は、15×Aに対応する電力MCとされる。いま、モード「最速充電」で充電している車両が13台ある場合、供給余力RCは次式により演算することができる。
【0081】
RC=MC−MC(13/15)
【0082】
ステップS73において、充電実行制御部53は、ステップS72で計算した供給余力は、予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。なお、閾値は0以上の値とされる。
【0083】
ステップS73において、供給余力は、予め設定された閾値以上であると判定された場合、処理は、ステップS74に進む。
【0084】
ステップS74において、充電実行制御部53は、モード「通常充電」で充電している車両の台数を取得する。なお、モード「通常充電」で充電している車両の区画は、設定情報管理部52により更新されて保存されている設定情報に基づいて特定することができ、これによりモード「通常充電」で充電中の車両の台数も取得できる。
【0085】
ステップS75において、充電実行制御部53は、ステップS72で計算された供給余力をステップS74の処理で得られた台数に対応して分割し、モード「通常充電」で充電している車両の区画のコンセントに電力を供給する。
【0086】
例えば、モード「最速充電」で充電している車両が13台であり、モード「通常充電」で充電している車両が4台であった場合、モード「通常充電」で充電している車両のバッテリは、単位時間充電量A/2で充電されるように、それらの区画のコンセントに電力が供給される。
【0087】
なお、ステップS75において、単位時間充電量がAを超えるような電力の供給はなされない。例えば、上述の例において、モード「通常充電」で充電している車両が1台であっても、モード「通常充電」で充電している車両のバッテリは、単位時間充電量Aで充電されるように、その区画のコンセントに電力が供給される。
【0088】
一方、ステップS73において、供給余力は、予め設定された閾値未満であると判定された場合、ステップS74とステップS75の処理は、スキップされる。
【0089】
ステップS76において、区画制御部51は、図6のフローチャートを参照して後述するモード変更確認処理を実行する。
【0090】
ステップS91において、モード「通常充電」で充電している車両の区画に対応する区画制御部51の希望条件設定部62のそれぞれは、自身の区画に対応する設定情報を取得する。すなわち、モード「通常充電」の区画の設定情報がそれぞれ取得される。なお、モード「通常充電」で充電している車両の区画が複数ある場合、ステップS91乃至ステップS101の処理は、それらの区画に対応する区画制御部51のそれぞれにより並列に実行されるものである。
【0091】
ステップS92において、希望条件設定部62は、現在時刻と充電完了希望日時との差分として得られる残り時間RTを計算する。
【0092】
ステップS93において、予想時間計算処理が実行される。この処理は、図4を参照して上述した処理と同様なので詳細な説明は省略する。
【0093】
ステップS94において、希望条件設定部62は、条件を満足するか否かを判定する。このとき、ステップS92で計算された残り時間RTと、ステップS93の処理で得られた予想充電時間MTとを比較してRTがMTより充分大きい場合、条件を満足すると判定される。このように、充電処理の途中で、モード「通常充電」で充電している車両の充電状況が都度チェックされるのである。モード「通常充電」の場合、単位時間充電量が車両の台数に応じて変化するので、例えば、図3のステップS29では条件を満足すると判定された場合でも、事後的に条件を満足しないことになっている可能性があるからである。
【0094】
ステップS94において、条件を満足しないと判定された場合、処理は、ステップS95に進む。この場合、当該車両のバッテリは、充電完了希望日時までに充電が完了しないことになる。
【0095】
ステップS95において、希望条件設定部62は、当該車両のユーザに充電モードの変更を促す電子メールを、通信部33を介して送信する。なお、ユーザのメールアドレスは、例えば、ステップS91で取得された設定情報に基づいて特定することができる。これにより、例えば、ユーザの携帯電話機などに充電完了希望日時までに充電が完了しない旨を通知するメールが送信される。なお、このメールにより、直ちにモード「最速充電」に変更されると仮定して、バッテリの充電が完了する予想完了日時も通知されるようにしてもよい。
【0096】
例えば、ユーザにとって充電完了希望日時までの充電の完了が重要なのであれば、別途料金を支払って、充電モードを変更するようにすればよい。一方、ユーザにとって充電完了希望日時までの充電の完了がそれほど重要でないのであれば、あえて別途料金を払う必要もないので、充電モードを変更しなければよい。
【0097】
このようにすることで、個々のユーザに応じた最適な充電制御を行なうことができるのである。
【0098】
メールを受信したユーザは、充電モードを、モード「最速充電」に変更するか否かを決定する。ただし、モード「最速充電」に変更する場合、所定の追加料金が課金されるようになされている。モード「最速充電」に変更する場合、例えば、ユーザは所定の操作を行って、モード変更要求メールを送信する。モード「最速充電」に変更しない場合、例えば、ユーザは受信したメールを無視すればよい。
【0099】
ステップS96において、希望条件設定部62は、モード変更要求メールを受信したか否かを判定する。ステップS96において、モード変更要求メールを受信したと判定された場合、処理は、ステップS97に進む。
【0100】
ステップS97において、希望条件設定部62は、駐車場11の全区画の設定情報を取得する。
【0101】
ステップS98において、希望条件設定部62は、ステップS98で取得した設定情報に基づいて、モード「最速充電」を選択して充電中の車両の台数を取得する。
【0102】
ステップS99において、希望条件設定部62は、当該車両の充電モードの変更の受け入れが可能であるか否かを判定する。ここでは、例えば、当該車両を受け入れた結果、充電設備12の電力供給能力を超えるか否かが判定される。例えば、当該車両を受け入れた結果、モード「最速充電」を選択して充電中の車両の台数が15を超える場合、受け入れ不可能と判定される。
【0103】
ステップS99において、当該車両の充電モードの変更を受け入れ可能と判定された場合、処理は、ステップS100に進む。
【0104】
ステップS100において、設定情報管理部52は、当該車両の区画の設定情報を更新する。これにより、当該区画に対応付けられた設定情報において、充電モードがモード「最速充電」に変更されることになる。
【0105】
一方、ステップS99において、当該車両を受け入れ可能ではないと判定された場合、処理は、ステップS101に進み、希望条件設定部62は、当該車両のユーザにエラーを表示する電子メールを、通信部33を介して送信する。これにより、ユーザは、の充電モードの変更が受け入れられなかったことを知ることになる。
【0106】
このようにして、モード変更確認処理が実行される。
【0107】
図5に戻って、ステップS76の処理の後、処理は、ステップS77に進み、所定の時間が経過したか否かが判定され、所定の時間が経過したと判定されるまで待機する。
【0108】
ステップS77において、所定の時間が経過したと判定された場合、処理は、ステップS71に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。従って、ステップS76のモード変更確認処理も、一定の周期で繰り返し実行されることになるので、モード「通常充電」で充電している車両の充電状況が都度チェックされるのである。
【0109】
なお、充電完了希望日時までに充電が完了しない旨を通知するメールは、同一のユーザに対して、1回だけ送信されるようにしてもよい。
【0110】
このようにして、充電処理が実行される。
【0111】
EV、HEVの普及を進めるにあたり、充電関連設備の更なる充実が必要とされる。しかしながら、従来の充電設備では、充電完了時間や料金を考慮した制御が行なわれないので、個々のユーザの希望条件を反映させることができない。
【0112】
また、充電設備の供給可能電力は限られており、それを超える充電希望車両が来た場合、充電中の全ての車両の充電時間を延長せざるをえない。このため、従来の充電設備では、早急に車両を利用したいユーザが安心して充電を行なうことができない場合がある。
【0113】
これに対して、本発明では、充電モードの選択と、必要に応じて充電完了希望日時の入力を受け付けるようにしたので、充電完了時間や料金を考慮した制御を行なうことが可能となる。さらに、限られた電力を、充電モードに応じて供給するようにしたので、設備の利用効率を高めることも可能となる。
【0114】
また、充電完了希望日時までに充電が完了しないと予想される場合、ユーザに充電モードを変更する機会が与えられるようにしたので、ユーザは、時間と料金を考慮して、自分のニーズに合った最適な充電方式を選ぶことができる。
【0115】
このように、本発明によれば、設備の利用効率を高めるとともに、個々のユーザに応じた最適な充電制御を行なうことができるようにするものである。
【0116】
この例では、充電完了希望日時までに充電が完了しない旨の通知がユーザの携帯電話に電子メールで送信されるようにしたが、他の方式で通知されるようにしてもよい。また、充電モードの変更の要求が、モード変更要求メールによりなされるようにしたが、例えば、ユーザが、パーソナルコンピュータなどにより駐車場11の運営業者のサーバにアクセスし、所定の操作を行うことにより、充電モードの変更の要求が行なわれるようにしてもよい。
【0117】
ところで、以上においては、充電モードを、例えば、「最速充電」と「通常充電」の2つのモードから選択することができるようにしたが、例えば、3つのモードから選択できるようにしてもよい。例えば、「最速充電」、「通常充電」、「廉価充電」の3つのモードから選択できるようにしてもよい。
【0118】
この場合、モード「最速充電」においては、車両のバッテリが、常に、単位時間当たり充電量Aで充電されるようになされている。モード「通常充電」においては、車両のバッテリが、単位時間当たり充電量が駐車台数に応じて可変となるようになされている。ただし、モード「通常充電」においては、単位時間当たり充電量がA/2以上となるようになされており、単位時間当たり充電量の下限が設定されている。モード「廉価充電」においては、車両のバッテリが、単位時間当たり充電量が駐車台数に応じて可変となるようになされており、単位時間当たり充電量の下限は設定されない。
【0119】
すなわち、モード「最速充電」を選択したユーザの車両は、優先的に充電が行なわれ、モード「通常充電」を選択したユーザの車両は、モード「最速充電」の車両に対して優先順位が劣ることになるが、モード「廉価充電」の車両に対しては、優先的に充電が行なわれるのである。
【0120】
モード「最速充電」を選択すると、例えば、充電に要した電力料金の他、一定の加算料金を課金されるようになされている。また、モード「通常充電」を選択すると、充電に要した電力料金の他、モード「最速充電」の場合より安い一定の加算料金を課金されるようになされている。さらに、モード「廉価充電」を選択すると、例えば、充電に要した電力料金のみ課金されるようになされている。
【0121】
例えば、駐車場11の全区画のうち、15の区画に同時に充電量Aに対応する電力を供給することができるようになされているものとする。この例の場合、モード「最速充電」を選択した車両が14台充電中に、別の車両が駐車場11の1つの区画に駐車してモード「最速充電」を選択した場合、もはや受け入れることができない。
【0122】
例えば、モード「最速充電」を選択した車両が14台充電中であり、かつモード「通常充電」を選択した車両が1台充電中に、別の車両が駐車場11の1つの区画に駐車してモード「通常充電」を選択した場合は受け入れることができる。この場合、モード「通常充電」を選択した車両の単位時間あたりの充電量を(A/2)とすればよいからである。しかし、その後さらに別の車両が駐車場11の1つの区画に駐車してモード「通常充電」を選択した場合、もはや受け入れることができない。
【0123】
モード「最速充電」を選択した車両が14台充電中であり、かつモード「通常充電」を選択した車両が2台充電中に、別の車両が駐車場11の1つの区画に駐車してモード「廉価充電」を選択した場合は受け入れることができる。ただし、現時点では供給余力がないので、供給余力ができるまで当該車両は充電が行なわれないことになる。
【0124】
このように、充電モードを3通り用意すれば、充電モードが2通りの場合と比較して、さらに、ユーザの希望に即した最適な充電方式の選択が可能になり、設備の利用効率を向上させることもできる。
【0125】
同様にして、より多段階の充電モードを用意することも可能である。
【0126】
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図7に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0127】
図7において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0128】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0129】
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0130】
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0131】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
【0132】
なお、この記録媒体は、図7に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0133】
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0134】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0135】
10 充電システム, 11 駐車場, 12 充電設備, 31 充電器, 32 制御部, 33 通信部, 34 ネットワーク, 51−1乃至51−n 区画制御部, 61−1乃至61−n バッテリ状態計算部, 62−1乃至62−n 希望条件設定部, 52 設定情報管理部, 53 充電実行制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の区画のそれぞれに駐車した車両のバッテリの充電を制御する充電制御装置であって、
前記区画毎に第1の充電モード、または前記第1の充電モードより優先的に電力の供給を受ける第2の充電モードの選択を受け付けるモード選択受付手段と、
前記第1のモードの選択を受け付けた場合、前記バッテリの充電に関する条件の入力を受け付ける条件受付手段と、
定期的に取得される前記車両のバッテリ残量に基づいて、前記条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、
前記判定手段により、前記条件を満たさないと判定された場合、前記車両の充電モードを、前記第2の充電モードに変更することを促す情報を前記車両のユーザに通知する通知手段と、
前記通知に対する応答に基づいて前記車両の充電モードに関する情報を更新するモード更新手段と
を備える充電制御装置。
【請求項2】
前記第2の充電モードでの充電は、単位時間当たり一定の充電量で充電され、
前記第1の充電モードでの充電は、充電中の車両の台数に応じて単位時間当たりの充電量が変化し、
前記第2の充電モードは、前記第1の充電モードより高額の料金が課金される
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記駐車場の全区画のうち、予め設定された所定の数の区画において前記第2の充電モードが選択されて充電が行なわれている場合、他の区画において、前記第2の充電モードが選択されたとき、
モード選択受付手段は、前記他の区画における前記第2の充電モードの選択の受け付けを拒否する
請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記第1の充電モードにおける単位時間当たりの充電量の下限がさらに設定されている
請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記通知手段は、前記第2の充電モードに変更することを促す情報を、電子メールとして前記ユーザの携帯電話機に送信する
請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項6】
駐車場の区画のそれぞれに駐車した車両のバッテリの充電を制御する充電制御装置の充電制御方法であって、
前記区画毎に第1の充電モード、または前記第1の充電モードより優先的に電力の供給を受ける第2の充電モードの選択を受け付け、
前記第1のモードの選択を受け付けた場合、前記バッテリの充電に関する条件の入力を受け付け、
定期的に取得される前記車両のバッテリ残量に基づいて、前記条件を満たすか否かを判定し、
前記条件を満たさないと判定された場合、前記車両の充電モードを、前記第2の充電モードに変更することを促す情報を前記車両のユーザに通知し、
前記通知に対する応答に基づいて前記車両の充電モードに関する情報を更新するステップ
を含む充電制御装方法。
【請求項7】
コンピュータを、
駐車場の区画のそれぞれに駐車した車両のバッテリの充電を制御する充電制御装置であって、
前記区画毎に第1の充電モード、または前記第1の充電モードより優先的に電力の供給を受ける第2の充電モードの選択を受け付けるモード選択受付手段と、
前記第1のモードの選択を受け付けた場合、前記バッテリの充電に関する条件の入力を受け付ける条件受付手段と、
定期的に取得される前記車両のバッテリ残量に基づいて、前記条件を満たすか否かを判定する条件判定手段と、
前記判定手段により、前記条件を満たさないと判定された場合、前記車両の充電モードを、前記第2の充電モードに変更することを促す情報を前記車両のユーザに通知する通知手段と、
前記通知に対する応答に基づいて前記車両の充電モードに関する情報を更新するモード更新手段とを備える充電制御装置として機能させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−213502(P2010−213502A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58240(P2009−58240)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】