説明

光カソード防食剤および光カソード防食剤がコートされた金属材料

【課題】金属材料の表面にコートしても、該金属材料を酸化させることが少なく、しかも長年に亘って有効な防食効果を維持することのできる光カソード防食剤を提供する。
【解決手段】過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を主成分として含む光カソード防食剤とすることによって、金属材料に対する酸化力よりも還元力が高められ、これにより金属材料の表面にコートしても、該金属材料を酸化させることがなく、錆発生を抑制することが可能となる。このような光触媒は、防食電流を発生させることによる消耗がなく、耐候性に優れているので、長年に亘って防食効果を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料の表面にコートされ、例えば太陽光や紫外光の光エネルギーを光触媒作用によって電気エネルギーに変換して光カソード防食するための光カソード防食剤に関し、特に、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を主成分として含む光カソード防食剤および光カソード防食剤がコートされた金属材料に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術分野で用いられている金属材料には、腐食という永年の解決課題がある。従来より検討されている防食技術は、大別すると、(1)腐食要因である酸素と水分の量を調節する環境処理,(2)表面を被覆材で覆って腐食要因を遮断する環境遮断,(3)耐食材料の選択,(4)電気防食などがある。
【0003】
前記電気防食としては、金属材料をカソード(陰極)として通電することによって防食するカソード防食が実用化されている。カソード防食法には、流電陽極法と外部電源法がある。そのうち、流電陽極法は、マグネシウム,亜鉛,アルミニウムなどの低電位金属をアノード(陽極)として金属材料の表面にコートし、金属材料をカソード(陰極)として、両者の電位差を利用して防食電流を発生させるものであり、外部電源を必要としない分、簡易な手法として広く採用されている。
【0004】
しかしながら、上述のカソード防食の場合、いわゆる犠牲電極となるアノードが消耗するため、月日が経つにつれて防食効果が弱まっていく。そのため、数年から10年ごとにアノードとなる低電位金属を再コートしなくてはならない。さらに、酸性雨や塩害などに対する耐候性が低いという問題もある。
【0005】
ところで、近年においては、光触媒であるチタン酸化物を用いたカソード防食の検討がなされている。光触媒であるチタン酸化物は、太陽光や紫外光を照射すると光触媒作用を発現する機能性材料であり、その際に表面から飛び出す電子(光生成電子)を金属材料に供給することによって防食電流を発生させる(例えば、特許文献1〜3参照)。このような光触媒を用いたカソード防食は、光カソード防食と称される。
【0006】
【特許文献1】特許第3278425号公報
【特許文献2】特許第3278426号公報
【特許文献3】特開2001−247985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1〜3に記載されているチタン酸化物(酸化チタンとも称される)の場合、その光触媒作用によって発現する強い酸化作用により、かえって金属材料の腐食を促進させてしまう場合がある。すなわち、光生成電子が抜け出た穴は正孔(ホール)となってプラスの電荷を帯び、この正孔が強い酸化力を発揮するため、金属材料が酸化されて腐食が促進されるのである。もともと光触媒はこの強い酸化力が注目された機能性材料であり、特許文献1,2のように導電線や導電性膜を介在させて光触媒と金属材料が接しないようにすれば、酸化力の影響を受けることは少ない。しかし、その反面、構成が複雑となり、コスト高となってしまう場合がある。
【0008】
一方、光触媒を金属表面にコートすれば、構成は簡素化されるが、この場合には光生成電子による還元作用よりも、正孔による酸化作用の方が上回り、金属材料が酸化されて錆が発生する場合がある。特許文献3は、アモルファス型の酸化チタンを用い、導電線や導電性膜を介在させない構成としている。しかしながら、非結晶であるアモルファス酸化チタンは、アナタース型やルチル型の酸化チタンに比べて光触媒作用が小さく、十分な防食効果を得られないことが懸念される。
【0009】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、金属材料の表面にコートしても、金属材料を酸化させることが少なく、しかも長年に亘って防食効果を維持することのできる光カソード防食剤、および当該光カソード防食剤をコートした金属材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光カソード防食剤は、金属材料の表面にコートされ、該金属材料を光カソード防食するための光カソード防食剤であって、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を主成分として含むことによって、前記金属材料に対する酸化力よりも還元力を高めて防食することを特徴とする。
【0011】
前記光カソード防食剤は、単位面積あたりの被覆率が30〜80%となるように、金属材料の表面にコートするのが好ましい。また、前記光カソード防食剤は、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を含有する光触媒溶液を前記金属材料の表面に塗布し、乾燥させてコートするのが好ましい。このような光触媒溶液は、酸化チタンを過酸化水素水に溶解させてペルオキソ化した過酸化チタンを含有する水溶液を適用することができる。
【0012】
また、本発明の金属材料は、上記した光カソード防食剤がコートされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を主成分として含むことによって、金属材料に対する酸化力よりも還元力が高められ、これにより金属材料の表面にコートしても、錆発生を抑制することが可能となる。このような光触媒は、防食電流を発生させることによる消耗がなく、耐候性に優れているので、長年に亘って防食効果を維持することができる。しかも酸化力は失われないので、金属材料に付着した汚染物質の分解(防汚機能)を期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態による光カソード防食剤、および当該光カソード防食剤がコートされた金属材料について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明は何ら限定されることはない。
【0015】
本実施形態による光カソード防食剤は、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を主成分として含んでおり、金属材料の表面に薄膜状にコートすることによって光カソード防食の作用・効果を発揮する。その他の成分としては、密着性を高めるためのバインダーなどが挙げられるが、これらは任意の成分である。さらに金属材料の種類は、特に限定されることはなく、自然環境下で腐食する可能性のあるすべての金属材料を対象とすることができる。このような防食剤は、例えば過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物の微粒子が分散された光触媒溶液を調製し、塗布法によって金属材料の表面にコートするのが好ましい。
【0016】
前記過酸化チタン複合化合物とは、過酸化チタンと他の金属化合物の複合体であり、その一例として、過酸化チタンとシリカの複合体を挙げることができる。この複合体は、過酸化結合によって過酸化チタンとシリカが結合しており、超親水性の機能を付加することができる。
【0017】
前記光触媒溶液は、例えば水や有機溶剤、またはその混合液に、例えば粒径が数nmから数十μmの過酸化チタン微粒子を分散させたゾル、懸濁液またはエマルジョンである。例えば製造・販売時には高濃度溶液であってもよいが、実際に塗布する際には、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物の濃度が例えば0.05〜3質量%となるように調整してから塗布するのが好ましい。
【0018】
前記光触媒溶液の好ましい調製例として、例えば以下のように調製することができる。
まず、酸化チタンの原料となるチタンテトライソプロポキシド(TIP)とイソプロパノール(IPA)の混合液と、IPAと水の混合液とを混合し、TIPを加水分解させて酸化チタンの微粒子を生成させる。配合モル比としては、例えばTIP:IPA:HO=1:10:4とすることができる。そして、この酸化チタンの微粒子を濾過分離し、例えば100℃で乾燥させて酸化チタンの粉末を得る。濾過して得られた酸化チタンが粉塊である場合には、粉砕処理を適宜行うようにする。酸化チタンの原料としては、TIPに限られず、例えばチタンテトラエトキシドなど、その他のチタンアルコキシド(アルコール分子のOH基のHがTiに置換された化合物)を用いることができる。
【0019】
続いて前記酸化チタンに例えば35質量%の過酸化水素水を加えて溶解せしめることにより、ペルオキソ化された過酸化チタンのゲル体を生成させる。さらに分散剤として例えば35質量%の過酸化水素水を加えてゾル体にする。そしてさらに、前記ゾル体にアンモニアなどのアルカリ溶液を添加してpHを例えば6〜8に調整することにより、過酸化チタンからなる光触媒が分散された光触媒溶液を得る。
【0020】
上記の調製法は、過酸化チタンの微粒子が分散された光触媒溶液を調整する方法であるが、過酸化チタン複合化合物の微粒子が分散された光触媒溶液を調製する場合には、酸化チタンを過酸化水素に溶解させる際に、複合体を形成する他の金属化合物、またはその前駆体を添加する。一例として、シリカとの複合体を形成する場合には、シリカ前駆体であるオルトケイ酸テトラメチル(TEOS)とエタノールの混合物を添加するようにする。
【0021】
上記のようにして調製される光触媒溶液は、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物の微粒子が分散された略中性の水溶液であり、金属材料への悪影響が懸念される成分(例えば塩素成分など)を含まないので、防食剤として好適である。但し、本実施形態においては、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物の微粒子が分散された光触媒溶液を得ることができれば上記調製法に限らず、公知の手法によって調製することができる。
【0022】
続いて過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒が分散された光触媒溶液を、例えばスプレー法,ディップ法,手塗り法,スピンコート法など一般に公知の塗布法によって金属材料の表面に塗布し、乾燥させることによってコーティング膜とする。これにより、本実施形態の光カソード防食剤がコートされた金属材料が形成される。
【0023】
このとき、本実施形態の光カソード防食剤は、金属材料の表面を全面に亘ってコートするのではなく、部分的に金属材料の表面が露出する状態を形成した方が好ましい。より具体的には、金属材料の単位面積あたりの防食剤の被覆率が30〜80%となるようにコートするのが好ましい。このように部分的にコートすることにより、後述する実施例からも明らかなように防食効果を高めることが可能となる。
【0024】
ここで図1に模式的に示すように、光触媒に太陽光や紫外光が当たると、その表面から電子が飛び出す現象が起こる。本例では光触媒と金属材料が接しているので、この飛び出した電子(光生成電子)が電位の高い金属材料に移動して、防食電流が発生する。その結果、金属材料の酸化反応(例えば鉄の場合、Fe→Fe2++2e-)が抑制されて、錆の発生が抑えられる。一方、電子が抜け出た穴は正孔(ホール)となってプラスの電荷を帯び、この正孔が強い酸化力を有する。光触媒が有する防汚機能は、前記正孔が水酸化物イオンなどから電子を奪うことによって発生するOHラジカルが汚染物質や菌を分解することによるものである。
【0025】
ここで、代表的な光触媒である酸化チタンの場合も、光生成電子による還元力を有しているものの、酸化力の方が強すぎて金属材料に対する酸化作用が上回るため、金属材料の表面に直接コートすると錆発生を促進させてしまう場合がある。これに対し本実施形態においては、過酸化チタンが酸素(O)を余分に有するために電子が増えて還元力が高まり、還元力と酸化力が錆の抑制に効果的なバランスになっていると考える。その結果、金属材料の防食を実現できるのである。詳しいメカニズムについては未だ明らかにされていないが、本発明者らは、上述の方法で生成される過酸化チタンは結晶構造であり、その結晶構造に含まれる下記化学式で表すことのできる構造が還元力を高めることに寄与していると推測している。そして結晶構造がアナタース型とルチル型の両方を含むアナタース・ルチル型の場合に、防錆効果が高くなるとも推測している。より詳しくは、可視光線や紫外線が照射されると、Ti−O−TiのOの価電子帯の電子が励起されて、Tiの伝導帯に移るが、この電子が近傍に居る酸素分子を還元したり、直接基材金属の酸化抑制に寄与するものと考えられる。一方、電子が抜けることで同時に生じる酸化力の強いTi−O−Tiの正孔には、TiとTiの間にある2本の過酸化結合−O−O−の多くの非共有電子対から見掛け上電子が供給されることになり、酸化力の強いOHラジカルの発生が抑制される。そのため、酸化力より還元力が勝り、防錆の機能が効果的に発揮されるものと考えられる。従って、アモルファス型ではなく、光触媒活性が高い結晶型のルチル・アナタース結晶であって、且つ過酸化結合を有するペルオキソ型ルチル・アナタース結晶が防錆に有効であると考えられる。
【化1】

【0026】
すなわち上述の実施形態によれば、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を主成分として含むことによって、金属材料に対する酸化力よりも還元力が高められ、これにより金属材料の表面にコートしても、錆発生を抑制することが可能となる。このような過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒は、防食電流を発生させることによる消耗がなく、耐候性に優れているので、長年に亘って防食効果を維持することができる。しかも酸化力は失われないので、金属材料に付着した汚染物質の分解(防汚機能)を期待することができる。
【実施例1】
【0027】
続いて、過酸化チタンからなる光触媒による防食効果を確認した実施例1について説明する。
【0028】
(試験例1)
既述した好ましい調製法によって得た光触媒溶液を、スプレー法で試験片に塗布してコートした。この光触媒溶液は、チタニア総合科学技術有限責任事業組合が販売している、凛光(登録商標)のP-T液である。試験片は、橋梁に使用される鋼材を4mm×100mm×150mmの大きさにしたものを用いた。また、スプレー法は縦横に一往復を1coatとし、これを繰り返して20coatとした。そして、地面から0.5mの高さに45度傾斜させたステンレス板付きの台を南に向けて屋外に設置し、上面に各試験片を固定して暴露試験を行った。
【0029】
防食の評価は、色差計(CM2600d、MINOLTA製)を用いて一週間ごとに試験片の色差を測定することによって行った。1つの試験片につき15点測定し、その平均から測定日ごとの色差ΔEを、下記の式を用いて算出した。錆が発生するほどに茶色に変色するので、色差ΔEが小さいほど防食されていると評価した。色差ΔEの結果を図2に示す。さらに、62日が経過したときの試験片を撮影した写真を図3に示す。
【数1】

【0030】
(試験例2)
本例は、スプレー法に代えてディップ法で光触媒溶液を塗布したことを除けば、試験例1と同様にして暴露試験を行った試験例2である。ディップ法は光触媒溶液に10秒間浸した後、自然乾燥させる作業を5回繰り返し行った。色差ΔEの結果を図2に併せて示す。
【0031】
(試験例3)
本例は、過酸化チタンに代えてアナタース型の酸化チタンが分散された光触媒溶液を用いたことを除けば、試験例1と同様にして暴露試験を行った試験例3である。色差ΔEの結果を図2に併せて示す。さらに、62日が経過したときの試験片を撮影した写真を図3に併せて示す。
【0032】
(試験例4)
本例は、スプレー法に代えてディップ法で光触媒溶液を塗布したことを除けば、試験例3と同様にして暴露試験を行った試験例4である。色差ΔEの結果を図2に併せて示す。
【0033】
(試験例5)
本例は、光触媒をコートしない試験片で暴露試験を行ったブランクである。色差ΔEの結果を図2に併せて示す。さらに、62日が経過したときの試験片を撮影した写真を図3に併せて示す。
【0034】
(試験結果と考察)
図2に示す結果から明らかなように、アナタース型の酸化チタンからなる光触媒を用いた試験例3,4は、ブランクである試験例5よりも色差ΔEが格段に大きくなっている。図3の写真からも、ブランクより錆が発生していることが確認できる。これに対し、過酸化チタンからなる光触媒を用いた試験例1,2は、ブランクである試験例5よりも色差ΔEが小さく、しかも経過日数に伴う変化の割合も少ない。図3の写真からも、ブランクよりも錆の発生が少ないことを確認できる。以上のことから、過酸化チタンからなる光触媒をコートすることにより、防食できることが確認された。
【実施例2】
【0035】
以下、光触媒の被覆率を変えることによる防食効果の違いを確認した実施例2について説明する。
【0036】
(試験例6)
本例は、試験例1と同様に、過酸化チタンの微粒子が分散されたが光触媒溶液をスプレー法によって試験片に塗布してコートしたものであるが、図4に模式的に示すように、被覆率が30%となるようにした試験例6である。被覆率の調整は、予め試験片にマスクとなるテープを貼り付け、スプレーコートした後でテープを除去した。コート回数は5coatとした。防食の評価は、暴露試験前の試験片の質量W1と、暴露試験後にISO8407に従って錆を落とした後の試験片の質量W2の差から質量損失Δm[g]を求め、下記の式を用いて腐食度rcorrを算出することによって行った。その結果を図5に示す。
【数2】

【0037】
(試験例7)
本例は、図4に模式的に示すように、被覆率が50%となるように調整したことを除けば、試験例6と同様にした試験例7である。腐食度rcorrの結果を図5に併せて示す。
【0038】
(試験例8)
本例は、図4に模式的に示すように、被覆率が80%となるように調整したことを除けば、試験例6と同様にした試験例8である。腐食度rcorrの結果を図5に併せて示す。
【0039】
(試験例9)
本例は、図4に模式的に示すように、被覆率を100%としたことを除けば、試験例6と同様にした試験例9である。腐食度rcorrの結果を図5に併せて示す。
【0040】
(試験例10)
本例は、光触媒をコートしない試験片で暴露試験を行ったブランクである。腐食度rcorrの結果を図5に併せて示す。
【0041】
(試験結果と考察)
図5に示す結果から明らかなように、光触媒をコートすることによって腐食度が小さくなり、特に被覆率が30〜80%の範囲において腐食度が小さい。最も腐食度が小さいのは被覆率を50%に調整した試験例7である。以上の結果から、被覆率を30〜80%にすることによって、より確実に防食効果を得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態による光カソード防食のメカニズムを模式的に示す図である。
【図2】本発明の効果を確認するために行った暴露試験の結果を示す特性図である。
【図3】本発明の効果を確認するために行った暴露試験の結果を示す写真である。
【図4】本発明の効果を確認するために行った試験を説明するための図である。
【図5】本発明の効果を確認するために行った暴露試験の結果を示す特性図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料の表面にコートされ、該金属材料を光カソード防食するための光カソード防食剤であって、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を主成分として含むことによって、前記金属材料に対する酸化力よりも還元力を高めて防食することを特徴とする光カソード防食剤。
【請求項2】
単位面積あたりの被覆率が30〜80%となるように、金属材料の表面にコートされていることを特徴とする請求項1に記載の光カソード防食剤。
【請求項3】
前記光カソード防食剤は、過酸化チタンまたは過酸化チタン複合化合物からなる光触媒を含有する光触媒溶液を前記金属材料の表面に塗布し、乾燥させてコートしたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光カソード防食剤。
【請求項4】
前記光触媒溶液は、酸化チタンを過酸化水素水に溶解させてペルオキソ化した過酸化チタンを含有する水溶液であることを特徴とする請求項3に記載の光カソード防食剤。
【請求項5】
前記請求項1〜4のいずれか1項に記載された光カソード防食剤がコートされていることを特徴とする金属材料。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−275257(P2009−275257A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127273(P2008−127273)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(503073455)
【Fターム(参考)】