光クロスコネクト装置および光クロスコネクト装置の接続確認方法
【課題】サービス開始前に接続性確認が実施可能であり、コストパフォーマンスに優れた自動的な光ファイバの接続性確認機能を有する光クロスコネクト装置を提供する。
【解決手段】複数のインターフェース140と、監視制御部130と、クロスコネクト120とからなるクロスコネクト装置400において、クロスコネクト120の入力部と出力部とに、光レベルモニタ122、123とを設ける。
【解決手段】複数のインターフェース140と、監視制御部130と、クロスコネクト120とからなるクロスコネクト装置400において、クロスコネクト120の入力部と出力部とに、光レベルモニタ122、123とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスコネクト装置およびその接続確認方法に係り、特に簡便な機能で光信号の接続確認を行うクロスコネクト装置およびその接続確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報の高速化、大容量化に伴い、ネットワークおよび伝送システムの広帯域化および大容量化が必要となっている。その実現手段として、波長分割多重技術をベースとする光ネットワークの構築が望まれている。ネットワークを構築する上で中核となるのが、複数の入力用光ファイバから波長多重されて入力された光信号を波長毎に分離して光信号の状態のままクロスコネクトし、波長多重して所望の出力用光ファイバにルーチングする光クロスコネクト装置である。
【0003】
特許文献1には、切り替えまたは切り戻し先の光伝送線路が正常であることを確認するために、光信号挿入手段と光信号監視手段を備えた光クロスコネクト装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−027208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された光クロスコネクト装置では、増大する光ファイバ数に応じて光信号挿入手段と光信号監視手段を実装する必要があり、コストパフォーマンスを大きく低下させる。従って、システム運用としてサービス開始前に接続性確認が実施可能であり、コストパフォーマンスに優れた自動的な光ファイバの接続性確認機能を有する光クロスコネクト装置の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は、発光源を有する複数のインターフェースと、インターフェースの一つと接続された入力方路とインターフェースの一つと接続された出力方路とを接続する光クロスコネクトと、インターフェースと光クロスコネクトとを制御する監視制御部とからなり、インターフェースの受信部に第1の光レベルモニタと、光コネクトの入力方路と出力方路とに第2および第3の光レベルモニタを有する光クロスコネクト装置により達成できる。
【0007】
また、光クロスコネクトへ光信号を送信し、光クロスコネクトからの光信号の光レベルをモニタする第1の光レベルモニタを有するインターフェースと、インターフェースからの光信号を受信し、光信号をインターフェースに送信し、受信光信号の光レベルをモニタする第2の光レベルモニタと送信光信号の光レベルをモニタする第3の光レベルモニタとを有する光クロスコネクトと、第1の光レベルモニタの出力と第2の光レベルモニタの出力と第3の光レベルモニタの出力とを監視し、インターフェースと光コネクトとの接続確認を行う監視制御部とからなる光クロスコネクト装置により達成できる。
【発明の効果】
【0008】
特別な接続監視のための機能を実装することなく、インターフェース部と光クロスコネクトと間の光ファイバ接続の正常性確認が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施の形態に付いて、実施例を用いて図面を参照しながら説明する。なお、同一部分に付いては同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0010】
まず、実施例1の光クロスコネクト装置の構成について図1を用いて説明する。ここで、図1は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図1において、光クロスコネクト装置100は、複数のプリント基板(カード)に機能を分割して実装する。すなわち、光クロスコネクト装置100は、n枚のインターフェースカード110と、光クロスコネクトカード120と、監視制御カード130とで、構成される。
【0011】
ここで、インターフェースカード110は、双方向で光信号を受信し、一旦電気信号に変換して、再度光信号で送信する双方向光トランスポンダ(光受信機および光送信機)の機能を有する。また、インターフェースカード110は、光クロスコネクトカード120からの戻り信号の光レベルモニタ111と、外部への光送信モジュール112と、光クロスコネクトカードへの光送信モジュール113を実装する。ここで、光レベルモニタ111は、9対1の比で光信号を分割するタップ(図示せず)と、タップの出力比1のポートに接続された図示しないフォトダイオード(PD)で構成する。なお図示の簡便のため、図1では、光受信モジュールの記載を省略した。
【0012】
光クロスコネクトカード120は、n入力×n出力の光スイッチ121を実装する。光クロスコネクトカード120の入力部と出力部には、光レベルモニタ回路122、123を設置する。
【0013】
監視制御カード130は、インターフェースカード110の光送信モジュール113の制御と、光クロスコネクトカード120の光スイッチ121の制御を実施する。監視制御カード130は、また、各光レベルモニタ111、122、123の出力をモニタする。
【0014】
以下、図面を簡略として、より具体的に説明する。なお、機能ブロックがカード単位とは限らないので、光クロスコネクトカード120は光クロスコネクト120と、インターフェースカード110はインターフェース110と、監視制御カード130は監視制御部130と記載する。
【0015】
図2を用いて、光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する。ここで、図2は光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。光クロスコネクト装置100は、インターフェース110と光クロスコネクト120との間の入力、出力それぞれに、光ファイバを接続する。この光ファイバは2n本であり、人が端面を清掃しながら接続する。このため、光スイッチの回路規模が大きいと、誤接続の虞が大きい。
【0016】
監視制御部130は、インターフェース110に対して発光制御を実施し、クロスコネクトカード120に、自己ループのスイッチ制御設定を実施する。これによって、インターフェース110とクロスコネクト120の光信号を導通状態にする。インターフェース110から出力された光信号は、クロスコネクトカード120の入力方路に発信され、光クロスコネクト120にて、自己ループのルートを介して、光信号を出力したインターフェース110に入力される。
【0017】
監視制御部130は、光送信モジュール113を発光させ、光レベルモニタ122、123、111の光レベルモニタ値が正常ならば、そのパスのファイバの接続の健全性が確認できる。本実施例ではインターフェースの発光源を使用するため、特別な監視機能が不要である。よって、コストパフォーマンスの優れた接続確認機能を提供可能である。
【0018】
インターフェース110と光クロスコネクト120の入力との間の光ファイバ接続が実施されていなければ、全ての光レベルモニタ122、123、111で光レベルが断状態であること検出する。一方、光クロスコネクト120の出力とインターフェース110との間の光ファイバ接続が実施されていなければ、光レベルモニタ111でのみ光レベルが断状態であること検出する。したがって、どの光ファイバの接続が異常かを検出可能である。同様に光スイッチの異常も検出できる。
【0019】
また、光レベルモニタにより、所望の光パワーレベルに達していないことを検出することで、光ファイバの接続は正常でも、光ファイバの劣化やコネクタ端面の汚損を、サービス開始前に検出可能である。
【0020】
光スイッチ121は特定の1つの入力方路を全ての出力方路に接続可能である。よって、図3に示すように1つのインターフェース部から出力される光信号を、光クロスコネクト制御により、ファイバ接続される全てのインターフェース部との間で接続の確認が可能である。ここで、図3は光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。図3において、光クロスコネクト120のスイッチは、インターフェース110−1を接続する入力ポート#1と、インターフェース110−7を接続する出力ポート#7とを接続する。また、スイッチは、インターフェース110−7を接続する入力ポート#7と、インターフェース110−1を接続する出力ポート#1とを接続する。これによって、インターフェース110−1と110−7との間の双方向のルートが接続可能であることが、確認できる。
【0021】
接続可能なルートのデータを監視制御部130が蓄積しておくことで、サービス開始前に、サポート可能な接続構成を事前に判定が可能である。従って、ユーザからのクロスコネクト設定要求に対して、即座に接続可否を判別可能であるため、親和性の高いサービス運用を提供可能である。
【0022】
また、新規にインターフェースを増設する場合、監視制御部130が管理するデータにより、光クロスコネクトの空き方路の検索が可能であり、すでに他方路にて光クロスコネクト部と接続されているインターフェース部との接続確認が可能である。また、接続情報を監視制御部130のデータに追加することにより、インターフェース部の追加においても、ユーザからのクロスコネクト設定要求に対して、即座に接続可否を判別可能であり、親和性の高いサービス運用を提供可能である。
【実施例2】
【0023】
実施例2の光クロスコネクト装置の構成について図4を用いて説明する。ここで、図4は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図4において、光クロスコネクト装置200は、システム外部と接続するインターフェース140と、光クロスコネクト120と、監視制御部130とで構成されている。システム外部と接続するためのインターフェース機能を搭載したインターフェース140には、特定波長の光信号の発光源143と、発光源143が出力している光信号の送信レベルを監視する光レベルモニタ144、光クロスコネクト120からの光信号の受信レベルを監視する光レベルモニタ141を備える。光クロスコネクト120は、複数の入出力方路を持ち、1つの入力方路をどの出力方路へも接続可能なスイッチ121を搭載する。また、各々の入力方路について、入力された光信号の受信レベルを検出する光レベルモニタ122および各々の出力方路について、出力する光信号の送信レベルを検出する光レベルモニタ123を搭載する。
【0024】
監視制御部130は、インターフェース部の送信レベル、受信レベル、および光クロスコネクト全方路の送信レベル、受信レベルの情報を集約する。また、監視制御部130は、インターフェース部への光信号の発光制御および光クロスコネクト部へのクロスコネクト設定制御を実施する。
【0025】
また、監視制御部130とインターフェース140および光クロスコネクト120間には、監視制御用の図示しない通信信号線を配置する。この通信信号線により監視制御部130からインターフェース140および光クロスコネクト120への監視情報の収集および制御情報の設定を実施する。
【0026】
インターフェース140の出力方路を光クロスコネクト120の入力方路に、また、光クロスコネクト120の出力方路をインターフェース140の入力方路に接続されるよう、2本の光ファイバにて接続する。このとき、インターフェース140の発光源143の発光する光信号の波長がチャネル1なら、これが光クロスコネクト120のチャネル1方路に接続するように配置する。
【0027】
まず、監視制御部130は、波長チャネル1のインターフェース140に対して、発光源143の発光指示を行う。次に、監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル1が出力チャネル1に接続されるように、クロスコネクト設定を実施する。これにより、波長チャネル1を発光するインターフェース140から発出した光信号は、光クロスコネクト120のチャネル1の入力方路で受信される。チャネル1の入力方路は、チャネル1の出力方路に接続されているため、光信号はチャネル1の出力方路から出力される。この結果、波長チャネル1を発光するインターフェース部から発出した光信号は、光クロスコネクトのチャネル1を介して、自ら受信する。
【0028】
図5を用いて光クロスコネクトの入力ファイバ故障を説明する。ここで、図5は光クロスコネクトの入力ファイバ故障を説明する図である。図5において、クロスコネクト装置200のチャネル1の光レベルモニタ144、122−1、123−1、141のうち、発光源143の直後の光レベルモニタ144のみ正常で(図中で白丸)、光レベルモニタ122−1、123−1、141がいずれも信号断レベルであれば(図中で黒丸)、インターフェース140出力と信号断レベルが最も上流の光レベルモニタ122−1との間の光ファイバの断または光ファイバ未接続と判定する。
【0029】
仮に、光レベルモニタ122−1、123−1、141がいずれも信号断レベルでなく信号劣化が認められる場合にも、発光源143の直後の光レベルモニタ144との受信レベルの差から、インターフェース部の出力方路と光クロスコネクト部の入力方路を接続している光ファイバの損失が判断可能である。つまり、インターフェース部の光信号の送信レベルと、光クロスコネクトのチャネル1入力方路の光信号の受信レベルに、予め定めた値以上の差分があった場合、ファイバが劣化もしくは光ファイバのコネクタの汚損と判別する。
【0030】
図6を用いて光クロスコネクトの出力ファイバ故障を説明する。ここで、図6は光クロスコネクトの出力ファイバ故障を説明する図である。図6において、クロスコネクト装置200のチャネル1の光レベルモニタ144、122−1、123−1、141のうち、最終段の光レベルモニタ141のみ信号断レベルで、光レベルモニタ144、122−1、123−1は正常レベルなとき、最も下流の正常レベルな光レベルモニタ123−1と、光レベルモニタ141との間の光クロスコネクト出力からインターフェース入力方向の光ファイバの断または光ファイバ未接続と判定する。
【0031】
なお、光レベルモニタの検出値が信号断レベルではなくとも、前段の光レベルモニタとの受信レベルに予め定めた値以上の差分があった場合、ファイバが劣化もしくは光ファイバのコネクタの汚損と判別することは、図5で説明したとおりである。
【実施例3】
【0032】
実施例3の光クロスコネクト装置の構成について図7を用いて説明する。ここで、図7は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図7において、光クロスコネクト装置300は、システム外部と接続する2つのインターフェース140−1、140−2と、光クロスコネクト120と、監視制御部130とで構成されている。
【0033】
波長チャネル(波長番号)1のインターフェース140−1の出力方路を光クロスコネクト120の入力方路チャネル1方路に、光クロスコネクト120のチャネル1の出力方路を波長チャネル1のインターフェース140−1の入力方路に、光ファイバにて接続する。また、波長チャネル2のインターフェース140−2の出力方路を光クロスコネクト120の入力方路チャネル2方路に、光クロスコネクト120のチャネル2の出力方路を波長チャネル2のインターフェース140−2の入力方路に、光ファイバにて接続する。
【0034】
まず、第1のステップとして、監視制御部130は、波長チャネル1のインターフェース140−1に対して、発光源143−1の発光指示を行う。次に、監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル1が出力チャネル1に接続されるように、光クロスコネクト120へクロスコネクト設定を実施する。これにより、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1が発出した光信号は、クロスコネクト120のチャネル1の入力方路で受信し、光クロスコネクト120ではクロスコネクト設定によりチャネル1の出力方路に接続されているため、チャネル1の出力方路から出力される。この結果、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1から発出した光信号は、光クロスコネクト120のチャネル1を介して、自ら受信する。従って、このとき波長チャネル1のインターフェース140−1の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル1の送信レベル、受信レベルは正常である。一方、波長チャネル2のインターフェース140−2への発光源の発光指示、および光クロスコネクト120のチャネル2へのクロスコネクト設定を実施していないため、波長チャネル2のインターフェース140−2の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル2の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。
【0035】
次に、第2のステップとして、監視制御部130は、波長チャネル1のインターフェース140−1に対して、発光源143−1の発光停止指示を行う。監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル1と出力チャネル1の接続を解除する。
【0036】
ここで改めて、監視制御部130は、波長チャネル2のインターフェース140−2に対して、発光源143−2の発光指示を行う。次に、監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル2が出力チャネル2に接続されるように、光クロスコネクト120へクロスコネクト設定を実施する。
【0037】
この結果、波長チャネル1のインターフェース140−1への発光源の発光指示、および光クロスコネクト120のチャネル1へのクロスコネクト設定を実施していないため、波長チャネル1のインターフェース140−1の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル1の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。一方、波長チャネル2のインターフェース140−2の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル2の送信レベル、受信レベルは正常である。
以上の2ステップによって、4本のファイバの接続が正常であることが判明する。
【0038】
図8および図9を参照して、光ファイバの誤接続を説明する。ここで、図8は光クロスコネクトの入力ファイバ誤接続を説明する図である。図9は光クロスコネクトの出力ファイバ誤接続を説明する図である。
【0039】
図8において、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1の出力方路の送信レベルが正常でありながら、光クロスコネクト120のチャネル1の入力レベル、チャネル1の出力レベルおよびインターフェース140−1の入力方路の受信レベルが信号断レベルである。一方、発光制御を実施していない波長チャネル2のインターフェース140−2の出力方路に接続しているはずの光クロスコネクトのチャネル2の入力方路の受信レベル、チャネル2の出力レベル、および波長チャネル2のインターフェース部の入力方路の受信レベルが正常である。こうした場合、波長チャネル1のインターフェース140−1の出力方路の光ファイバが、光クロスコネクト120のチャネル2の入力方路に接続されているという誤接続状態の判定が可能である。
【0040】
また、図9において、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1の出力方路の送信レベル、光クロスコネクト120のチャネル1の入力レベル、チャネル1の出力レベルが正常である。しかし、波長チャネル1のインターフェース140−1の入力方路の受信レベルが信号断レベルである。さらに、発光制御およびクロスコネクト設定を実施していない波長チャネル2のインターフェース140−2の入力方路の受信レベルが正常である。こうした場合、光クロスコネクト120のチャネル1の出力方路の光ファイバが、波長チャネル2のインターフェース140−2の入力方路に接続されているという誤接続状態の判定が可能である。
【実施例4】
【0041】
実施例4の光クロスコネクト装置の構成について図10を用いて説明する。ここで、図10は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図10において、光クロスコネクト装置300は、システム外部と接続するn式のインターフェース140と、光クロスコネクト120と、監視制御部130とで構成されている。
【0042】
図10において、前述のインターフェース140がn式存在し、波長チャネルn(n=1〜n)のインターフェース部の出力方路を光クロスコネクト部の入力方路チャネルn方路に、光クロスコネクト部のチャネルnの出力方路を波長チャネルnのインターフェース部の入力方路に、光ファイバにて接続する。上記に従い、全てのインターフェース部と光クロスコネクト部を2n本の光ファイバにて接続する。
【0043】
ここで、まず波長チャネル1について、実施例3と同様の発光指示およびに光クロスコネクト部へクロスコネクト設定を実施する。このとき波長チャネル1のインターフェース部の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクトのチャネル1の送信レベル、受信レベルは正常である。また、波長チャネル1以外のインターフェース部への発光源の発光指示および光クロスコネクト部のチャネル1以外のへのクロスコネクト設定を実施していないため、波長チャネル1以外のインターフェース部の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクトのチャネル1以外の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。このような状態で、波長チャネル1について、正常であることが確認できる。
【0044】
続いて、光クロスコネクト120へのクロスコネクト設定を一旦解除し、波長チャネル2について、同様に確認する。以下同様に、波長チャネルnまで確認する。なお、誤接続、接続漏れはその都度修正する。この結果、全ての波長チャネルの正常性が確認できる。
【0045】
図11を用いて、他の全ての波長チャネルの正常性確認方法を説明する。ここで、図11は全ての波長チャネルの正常性確認方法を説明する図である。図11において、まず図10で説明した波長チャネル1の正常性確認を実施した後、監視制御部130は、光クロスコネクト120の入力チャネル1と出力チャネル2とを接続するクロスコネクト設定を実施する。これにより、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1から発出した光信号は、クロスコネクト120のチャネル1の入力方路で受信される。光クロスコネクト120は、クロスコネクト設定により、チャネル1の入力方路はチャネル2の出力方路に接続されているため、チャネル2の出力方路から出力される。この結果、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1から発出した光信号は、光クロスコネクトのチャネル2の出力方路を介して、波長チャネル2のインターフェース140−2にて受信する。従って、このとき波長チャネル1のインターフェース部の送信レベル、光クロスコネクトのチャネル1の受信レベル、光クロスコネクトのチャネル2の送信レベル、波長チャネル2のインターフェース部の受信レベルは正常である。しかし、その他の波長チャネルのインターフェース部への発光源の発光指示、および光クロスコネクト部へのクロスコネクト設定を実施していないため、上記以外の波長チャネルのインターフェース部の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。この場合、これらが正常である。
【0046】
これと同様に、光クロスコネクト120の入力チャネル1と出力チャネルn(n=3〜n)とを接続するクロスコネクト設定を実施して、入力チャネル1と出力チャネルの正常性を評価する。これらの評価の結果、波長チャネル1のインターフェース部とクロスコネクト設定により接続可能なインターフェース部の判別が可能である。
【0047】
また、波長チャネル1のみならず、他の波長チャネルのインターフェース140−n(n=2〜n)に対して発光源143−nに発光指示を実施し、同様に接続可能なインターフェース140の判別を実施することにより、光クロスコネクト120を介して、存在する全てのインターフェース140との接続情報を監視制御部130が認識可能である。これにより、ユーザからのクロスコネクト要求に対して、即座に接続可否を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。
【図3】光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。
【図4】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】光クロスコネクトの入力ファイバ故障を説明する図である。
【図6】光クロスコネクトの出力ファイバ故障を説明する図である。
【図7】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図8】光クロスコネクトの入力ファイバ誤接続を説明する図である
【図9】光クロスコネクトの出力ファイバ誤接続を説明する図である。
【図10】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図11】全ての波長チャネルの正常性確認方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0049】
100…光クロスコネクト装置、110…インターフェース、111…光レベルモニタ、112…光送信モジュール、113…光送信モジュール、120…光クロスコネクト、121…光スイッチ、122…光レベルモニタ、123…光レベルモニタ、130…監視制御部、140…インターフェース、141…光レベルモニタ、143…発光源、144…光レベルモニタ、200…光クロスコネクト装置、300…光クロスコネクト装置、400…光クロスコネクト装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロスコネクト装置およびその接続確認方法に係り、特に簡便な機能で光信号の接続確認を行うクロスコネクト装置およびその接続確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報の高速化、大容量化に伴い、ネットワークおよび伝送システムの広帯域化および大容量化が必要となっている。その実現手段として、波長分割多重技術をベースとする光ネットワークの構築が望まれている。ネットワークを構築する上で中核となるのが、複数の入力用光ファイバから波長多重されて入力された光信号を波長毎に分離して光信号の状態のままクロスコネクトし、波長多重して所望の出力用光ファイバにルーチングする光クロスコネクト装置である。
【0003】
特許文献1には、切り替えまたは切り戻し先の光伝送線路が正常であることを確認するために、光信号挿入手段と光信号監視手段を備えた光クロスコネクト装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−027208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された光クロスコネクト装置では、増大する光ファイバ数に応じて光信号挿入手段と光信号監視手段を実装する必要があり、コストパフォーマンスを大きく低下させる。従って、システム運用としてサービス開始前に接続性確認が実施可能であり、コストパフォーマンスに優れた自動的な光ファイバの接続性確認機能を有する光クロスコネクト装置の実現が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は、発光源を有する複数のインターフェースと、インターフェースの一つと接続された入力方路とインターフェースの一つと接続された出力方路とを接続する光クロスコネクトと、インターフェースと光クロスコネクトとを制御する監視制御部とからなり、インターフェースの受信部に第1の光レベルモニタと、光コネクトの入力方路と出力方路とに第2および第3の光レベルモニタを有する光クロスコネクト装置により達成できる。
【0007】
また、光クロスコネクトへ光信号を送信し、光クロスコネクトからの光信号の光レベルをモニタする第1の光レベルモニタを有するインターフェースと、インターフェースからの光信号を受信し、光信号をインターフェースに送信し、受信光信号の光レベルをモニタする第2の光レベルモニタと送信光信号の光レベルをモニタする第3の光レベルモニタとを有する光クロスコネクトと、第1の光レベルモニタの出力と第2の光レベルモニタの出力と第3の光レベルモニタの出力とを監視し、インターフェースと光コネクトとの接続確認を行う監視制御部とからなる光クロスコネクト装置により達成できる。
【発明の効果】
【0008】
特別な接続監視のための機能を実装することなく、インターフェース部と光クロスコネクトと間の光ファイバ接続の正常性確認が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施の形態に付いて、実施例を用いて図面を参照しながら説明する。なお、同一部分に付いては同じ参照番号を振り、説明は繰り返さない。
【実施例1】
【0010】
まず、実施例1の光クロスコネクト装置の構成について図1を用いて説明する。ここで、図1は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図1において、光クロスコネクト装置100は、複数のプリント基板(カード)に機能を分割して実装する。すなわち、光クロスコネクト装置100は、n枚のインターフェースカード110と、光クロスコネクトカード120と、監視制御カード130とで、構成される。
【0011】
ここで、インターフェースカード110は、双方向で光信号を受信し、一旦電気信号に変換して、再度光信号で送信する双方向光トランスポンダ(光受信機および光送信機)の機能を有する。また、インターフェースカード110は、光クロスコネクトカード120からの戻り信号の光レベルモニタ111と、外部への光送信モジュール112と、光クロスコネクトカードへの光送信モジュール113を実装する。ここで、光レベルモニタ111は、9対1の比で光信号を分割するタップ(図示せず)と、タップの出力比1のポートに接続された図示しないフォトダイオード(PD)で構成する。なお図示の簡便のため、図1では、光受信モジュールの記載を省略した。
【0012】
光クロスコネクトカード120は、n入力×n出力の光スイッチ121を実装する。光クロスコネクトカード120の入力部と出力部には、光レベルモニタ回路122、123を設置する。
【0013】
監視制御カード130は、インターフェースカード110の光送信モジュール113の制御と、光クロスコネクトカード120の光スイッチ121の制御を実施する。監視制御カード130は、また、各光レベルモニタ111、122、123の出力をモニタする。
【0014】
以下、図面を簡略として、より具体的に説明する。なお、機能ブロックがカード単位とは限らないので、光クロスコネクトカード120は光クロスコネクト120と、インターフェースカード110はインターフェース110と、監視制御カード130は監視制御部130と記載する。
【0015】
図2を用いて、光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する。ここで、図2は光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。光クロスコネクト装置100は、インターフェース110と光クロスコネクト120との間の入力、出力それぞれに、光ファイバを接続する。この光ファイバは2n本であり、人が端面を清掃しながら接続する。このため、光スイッチの回路規模が大きいと、誤接続の虞が大きい。
【0016】
監視制御部130は、インターフェース110に対して発光制御を実施し、クロスコネクトカード120に、自己ループのスイッチ制御設定を実施する。これによって、インターフェース110とクロスコネクト120の光信号を導通状態にする。インターフェース110から出力された光信号は、クロスコネクトカード120の入力方路に発信され、光クロスコネクト120にて、自己ループのルートを介して、光信号を出力したインターフェース110に入力される。
【0017】
監視制御部130は、光送信モジュール113を発光させ、光レベルモニタ122、123、111の光レベルモニタ値が正常ならば、そのパスのファイバの接続の健全性が確認できる。本実施例ではインターフェースの発光源を使用するため、特別な監視機能が不要である。よって、コストパフォーマンスの優れた接続確認機能を提供可能である。
【0018】
インターフェース110と光クロスコネクト120の入力との間の光ファイバ接続が実施されていなければ、全ての光レベルモニタ122、123、111で光レベルが断状態であること検出する。一方、光クロスコネクト120の出力とインターフェース110との間の光ファイバ接続が実施されていなければ、光レベルモニタ111でのみ光レベルが断状態であること検出する。したがって、どの光ファイバの接続が異常かを検出可能である。同様に光スイッチの異常も検出できる。
【0019】
また、光レベルモニタにより、所望の光パワーレベルに達していないことを検出することで、光ファイバの接続は正常でも、光ファイバの劣化やコネクタ端面の汚損を、サービス開始前に検出可能である。
【0020】
光スイッチ121は特定の1つの入力方路を全ての出力方路に接続可能である。よって、図3に示すように1つのインターフェース部から出力される光信号を、光クロスコネクト制御により、ファイバ接続される全てのインターフェース部との間で接続の確認が可能である。ここで、図3は光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。図3において、光クロスコネクト120のスイッチは、インターフェース110−1を接続する入力ポート#1と、インターフェース110−7を接続する出力ポート#7とを接続する。また、スイッチは、インターフェース110−7を接続する入力ポート#7と、インターフェース110−1を接続する出力ポート#1とを接続する。これによって、インターフェース110−1と110−7との間の双方向のルートが接続可能であることが、確認できる。
【0021】
接続可能なルートのデータを監視制御部130が蓄積しておくことで、サービス開始前に、サポート可能な接続構成を事前に判定が可能である。従って、ユーザからのクロスコネクト設定要求に対して、即座に接続可否を判別可能であるため、親和性の高いサービス運用を提供可能である。
【0022】
また、新規にインターフェースを増設する場合、監視制御部130が管理するデータにより、光クロスコネクトの空き方路の検索が可能であり、すでに他方路にて光クロスコネクト部と接続されているインターフェース部との接続確認が可能である。また、接続情報を監視制御部130のデータに追加することにより、インターフェース部の追加においても、ユーザからのクロスコネクト設定要求に対して、即座に接続可否を判別可能であり、親和性の高いサービス運用を提供可能である。
【実施例2】
【0023】
実施例2の光クロスコネクト装置の構成について図4を用いて説明する。ここで、図4は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図4において、光クロスコネクト装置200は、システム外部と接続するインターフェース140と、光クロスコネクト120と、監視制御部130とで構成されている。システム外部と接続するためのインターフェース機能を搭載したインターフェース140には、特定波長の光信号の発光源143と、発光源143が出力している光信号の送信レベルを監視する光レベルモニタ144、光クロスコネクト120からの光信号の受信レベルを監視する光レベルモニタ141を備える。光クロスコネクト120は、複数の入出力方路を持ち、1つの入力方路をどの出力方路へも接続可能なスイッチ121を搭載する。また、各々の入力方路について、入力された光信号の受信レベルを検出する光レベルモニタ122および各々の出力方路について、出力する光信号の送信レベルを検出する光レベルモニタ123を搭載する。
【0024】
監視制御部130は、インターフェース部の送信レベル、受信レベル、および光クロスコネクト全方路の送信レベル、受信レベルの情報を集約する。また、監視制御部130は、インターフェース部への光信号の発光制御および光クロスコネクト部へのクロスコネクト設定制御を実施する。
【0025】
また、監視制御部130とインターフェース140および光クロスコネクト120間には、監視制御用の図示しない通信信号線を配置する。この通信信号線により監視制御部130からインターフェース140および光クロスコネクト120への監視情報の収集および制御情報の設定を実施する。
【0026】
インターフェース140の出力方路を光クロスコネクト120の入力方路に、また、光クロスコネクト120の出力方路をインターフェース140の入力方路に接続されるよう、2本の光ファイバにて接続する。このとき、インターフェース140の発光源143の発光する光信号の波長がチャネル1なら、これが光クロスコネクト120のチャネル1方路に接続するように配置する。
【0027】
まず、監視制御部130は、波長チャネル1のインターフェース140に対して、発光源143の発光指示を行う。次に、監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル1が出力チャネル1に接続されるように、クロスコネクト設定を実施する。これにより、波長チャネル1を発光するインターフェース140から発出した光信号は、光クロスコネクト120のチャネル1の入力方路で受信される。チャネル1の入力方路は、チャネル1の出力方路に接続されているため、光信号はチャネル1の出力方路から出力される。この結果、波長チャネル1を発光するインターフェース部から発出した光信号は、光クロスコネクトのチャネル1を介して、自ら受信する。
【0028】
図5を用いて光クロスコネクトの入力ファイバ故障を説明する。ここで、図5は光クロスコネクトの入力ファイバ故障を説明する図である。図5において、クロスコネクト装置200のチャネル1の光レベルモニタ144、122−1、123−1、141のうち、発光源143の直後の光レベルモニタ144のみ正常で(図中で白丸)、光レベルモニタ122−1、123−1、141がいずれも信号断レベルであれば(図中で黒丸)、インターフェース140出力と信号断レベルが最も上流の光レベルモニタ122−1との間の光ファイバの断または光ファイバ未接続と判定する。
【0029】
仮に、光レベルモニタ122−1、123−1、141がいずれも信号断レベルでなく信号劣化が認められる場合にも、発光源143の直後の光レベルモニタ144との受信レベルの差から、インターフェース部の出力方路と光クロスコネクト部の入力方路を接続している光ファイバの損失が判断可能である。つまり、インターフェース部の光信号の送信レベルと、光クロスコネクトのチャネル1入力方路の光信号の受信レベルに、予め定めた値以上の差分があった場合、ファイバが劣化もしくは光ファイバのコネクタの汚損と判別する。
【0030】
図6を用いて光クロスコネクトの出力ファイバ故障を説明する。ここで、図6は光クロスコネクトの出力ファイバ故障を説明する図である。図6において、クロスコネクト装置200のチャネル1の光レベルモニタ144、122−1、123−1、141のうち、最終段の光レベルモニタ141のみ信号断レベルで、光レベルモニタ144、122−1、123−1は正常レベルなとき、最も下流の正常レベルな光レベルモニタ123−1と、光レベルモニタ141との間の光クロスコネクト出力からインターフェース入力方向の光ファイバの断または光ファイバ未接続と判定する。
【0031】
なお、光レベルモニタの検出値が信号断レベルではなくとも、前段の光レベルモニタとの受信レベルに予め定めた値以上の差分があった場合、ファイバが劣化もしくは光ファイバのコネクタの汚損と判別することは、図5で説明したとおりである。
【実施例3】
【0032】
実施例3の光クロスコネクト装置の構成について図7を用いて説明する。ここで、図7は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図7において、光クロスコネクト装置300は、システム外部と接続する2つのインターフェース140−1、140−2と、光クロスコネクト120と、監視制御部130とで構成されている。
【0033】
波長チャネル(波長番号)1のインターフェース140−1の出力方路を光クロスコネクト120の入力方路チャネル1方路に、光クロスコネクト120のチャネル1の出力方路を波長チャネル1のインターフェース140−1の入力方路に、光ファイバにて接続する。また、波長チャネル2のインターフェース140−2の出力方路を光クロスコネクト120の入力方路チャネル2方路に、光クロスコネクト120のチャネル2の出力方路を波長チャネル2のインターフェース140−2の入力方路に、光ファイバにて接続する。
【0034】
まず、第1のステップとして、監視制御部130は、波長チャネル1のインターフェース140−1に対して、発光源143−1の発光指示を行う。次に、監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル1が出力チャネル1に接続されるように、光クロスコネクト120へクロスコネクト設定を実施する。これにより、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1が発出した光信号は、クロスコネクト120のチャネル1の入力方路で受信し、光クロスコネクト120ではクロスコネクト設定によりチャネル1の出力方路に接続されているため、チャネル1の出力方路から出力される。この結果、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1から発出した光信号は、光クロスコネクト120のチャネル1を介して、自ら受信する。従って、このとき波長チャネル1のインターフェース140−1の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル1の送信レベル、受信レベルは正常である。一方、波長チャネル2のインターフェース140−2への発光源の発光指示、および光クロスコネクト120のチャネル2へのクロスコネクト設定を実施していないため、波長チャネル2のインターフェース140−2の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル2の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。
【0035】
次に、第2のステップとして、監視制御部130は、波長チャネル1のインターフェース140−1に対して、発光源143−1の発光停止指示を行う。監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル1と出力チャネル1の接続を解除する。
【0036】
ここで改めて、監視制御部130は、波長チャネル2のインターフェース140−2に対して、発光源143−2の発光指示を行う。次に、監視制御部130は、光クロスコネクト120に入力チャネル2が出力チャネル2に接続されるように、光クロスコネクト120へクロスコネクト設定を実施する。
【0037】
この結果、波長チャネル1のインターフェース140−1への発光源の発光指示、および光クロスコネクト120のチャネル1へのクロスコネクト設定を実施していないため、波長チャネル1のインターフェース140−1の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル1の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。一方、波長チャネル2のインターフェース140−2の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120のチャネル2の送信レベル、受信レベルは正常である。
以上の2ステップによって、4本のファイバの接続が正常であることが判明する。
【0038】
図8および図9を参照して、光ファイバの誤接続を説明する。ここで、図8は光クロスコネクトの入力ファイバ誤接続を説明する図である。図9は光クロスコネクトの出力ファイバ誤接続を説明する図である。
【0039】
図8において、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1の出力方路の送信レベルが正常でありながら、光クロスコネクト120のチャネル1の入力レベル、チャネル1の出力レベルおよびインターフェース140−1の入力方路の受信レベルが信号断レベルである。一方、発光制御を実施していない波長チャネル2のインターフェース140−2の出力方路に接続しているはずの光クロスコネクトのチャネル2の入力方路の受信レベル、チャネル2の出力レベル、および波長チャネル2のインターフェース部の入力方路の受信レベルが正常である。こうした場合、波長チャネル1のインターフェース140−1の出力方路の光ファイバが、光クロスコネクト120のチャネル2の入力方路に接続されているという誤接続状態の判定が可能である。
【0040】
また、図9において、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1の出力方路の送信レベル、光クロスコネクト120のチャネル1の入力レベル、チャネル1の出力レベルが正常である。しかし、波長チャネル1のインターフェース140−1の入力方路の受信レベルが信号断レベルである。さらに、発光制御およびクロスコネクト設定を実施していない波長チャネル2のインターフェース140−2の入力方路の受信レベルが正常である。こうした場合、光クロスコネクト120のチャネル1の出力方路の光ファイバが、波長チャネル2のインターフェース140−2の入力方路に接続されているという誤接続状態の判定が可能である。
【実施例4】
【0041】
実施例4の光クロスコネクト装置の構成について図10を用いて説明する。ここで、図10は光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。図10において、光クロスコネクト装置300は、システム外部と接続するn式のインターフェース140と、光クロスコネクト120と、監視制御部130とで構成されている。
【0042】
図10において、前述のインターフェース140がn式存在し、波長チャネルn(n=1〜n)のインターフェース部の出力方路を光クロスコネクト部の入力方路チャネルn方路に、光クロスコネクト部のチャネルnの出力方路を波長チャネルnのインターフェース部の入力方路に、光ファイバにて接続する。上記に従い、全てのインターフェース部と光クロスコネクト部を2n本の光ファイバにて接続する。
【0043】
ここで、まず波長チャネル1について、実施例3と同様の発光指示およびに光クロスコネクト部へクロスコネクト設定を実施する。このとき波長チャネル1のインターフェース部の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクトのチャネル1の送信レベル、受信レベルは正常である。また、波長チャネル1以外のインターフェース部への発光源の発光指示および光クロスコネクト部のチャネル1以外のへのクロスコネクト設定を実施していないため、波長チャネル1以外のインターフェース部の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクトのチャネル1以外の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。このような状態で、波長チャネル1について、正常であることが確認できる。
【0044】
続いて、光クロスコネクト120へのクロスコネクト設定を一旦解除し、波長チャネル2について、同様に確認する。以下同様に、波長チャネルnまで確認する。なお、誤接続、接続漏れはその都度修正する。この結果、全ての波長チャネルの正常性が確認できる。
【0045】
図11を用いて、他の全ての波長チャネルの正常性確認方法を説明する。ここで、図11は全ての波長チャネルの正常性確認方法を説明する図である。図11において、まず図10で説明した波長チャネル1の正常性確認を実施した後、監視制御部130は、光クロスコネクト120の入力チャネル1と出力チャネル2とを接続するクロスコネクト設定を実施する。これにより、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1から発出した光信号は、クロスコネクト120のチャネル1の入力方路で受信される。光クロスコネクト120は、クロスコネクト設定により、チャネル1の入力方路はチャネル2の出力方路に接続されているため、チャネル2の出力方路から出力される。この結果、波長チャネル1を発光するインターフェース140−1から発出した光信号は、光クロスコネクトのチャネル2の出力方路を介して、波長チャネル2のインターフェース140−2にて受信する。従って、このとき波長チャネル1のインターフェース部の送信レベル、光クロスコネクトのチャネル1の受信レベル、光クロスコネクトのチャネル2の送信レベル、波長チャネル2のインターフェース部の受信レベルは正常である。しかし、その他の波長チャネルのインターフェース部への発光源の発光指示、および光クロスコネクト部へのクロスコネクト設定を実施していないため、上記以外の波長チャネルのインターフェース部の送信レベル、受信レベルおよび光クロスコネクト120の送信レベル、受信レベルは、信号断レベルである。この場合、これらが正常である。
【0046】
これと同様に、光クロスコネクト120の入力チャネル1と出力チャネルn(n=3〜n)とを接続するクロスコネクト設定を実施して、入力チャネル1と出力チャネルの正常性を評価する。これらの評価の結果、波長チャネル1のインターフェース部とクロスコネクト設定により接続可能なインターフェース部の判別が可能である。
【0047】
また、波長チャネル1のみならず、他の波長チャネルのインターフェース140−n(n=2〜n)に対して発光源143−nに発光指示を実施し、同様に接続可能なインターフェース140の判別を実施することにより、光クロスコネクト120を介して、存在する全てのインターフェース140との接続情報を監視制御部130が認識可能である。これにより、ユーザからのクロスコネクト要求に対して、即座に接続可否を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。
【図3】光クロスコネクト装置の接続チェック動作を説明する図である。
【図4】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図5】光クロスコネクトの入力ファイバ故障を説明する図である。
【図6】光クロスコネクトの出力ファイバ故障を説明する図である。
【図7】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図8】光クロスコネクトの入力ファイバ誤接続を説明する図である
【図9】光クロスコネクトの出力ファイバ誤接続を説明する図である。
【図10】光クロスコネクト装置の構成を説明するブロック図である。
【図11】全ての波長チャネルの正常性確認方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0049】
100…光クロスコネクト装置、110…インターフェース、111…光レベルモニタ、112…光送信モジュール、113…光送信モジュール、120…光クロスコネクト、121…光スイッチ、122…光レベルモニタ、123…光レベルモニタ、130…監視制御部、140…インターフェース、141…光レベルモニタ、143…発光源、144…光レベルモニタ、200…光クロスコネクト装置、300…光クロスコネクト装置、400…光クロスコネクト装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光源を有する複数のインターフェースと、前記インターフェースの一つと接続された入力方路と前記インターフェースの一つと接続された出力方路とを接続する光クロスコネクトと、前記インターフェースと前記光クロスコネクトとを制御する監視制御部とからなる光クロスコネクト装置において、
前記インターフェースの受信部に第1の光レベルモニタと、前記光コネクトの前記入力方路と前記出力方路とに第2および第3の光レベルモニタを有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
【請求項2】
光クロスコネクトへ光信号を送信し、前記光クロスコネクトからの前記光信号の光レベルをモニタする第1の光レベルモニタを有するインターフェースと、
前記インターフェースからの前記光信号を受信し、前記光信号を前記インターフェースに送信し、受信光信号の光レベルをモニタする第2の光レベルモニタと送信光信号の光レベルをモニタする第3の光レベルモニタとを有する前記光クロスコネクトと、
前記第1の光レベルモニタの出力と第2の光レベルモニタの出力と第3の光レベルモニタの出力とを監視し、前記インターフェースと前記光コネクトとの接続確認を行う監視制御部とからなる光クロスコネクト装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光クロスコネクト装置であって、
前記インターフェースに前記発光源の出力レベルをモニタする第4の光レベルモニタを更に含むことを特徴とする光クロスコネクト装置。
【請求項4】
インターフェースと光クロスコネクトとからなる光クロスコネクト装置の接続確認方法であって、
前記光クロスコネクトが受信した前記インターフェースからの光信号の光レベルをモニタするステップと、
前記光信号を転送するステップと、
転送された光信号の光レベルをモニタするステップと、
前記転送された光信号を前記インターフェースに送信するステップと、
前記インターフェースが受信した光信号の光レベルをモニタするステップとを含む光クロスコネクト装置の接続確認方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光クロスコネクト装置の接続確認方法であって、
前記インターフェースが送信する光信号の光レベルをモニタするステップを更に含むことを特徴とする光クロスコネクト装置の接続確認方法。
【請求項1】
発光源を有する複数のインターフェースと、前記インターフェースの一つと接続された入力方路と前記インターフェースの一つと接続された出力方路とを接続する光クロスコネクトと、前記インターフェースと前記光クロスコネクトとを制御する監視制御部とからなる光クロスコネクト装置において、
前記インターフェースの受信部に第1の光レベルモニタと、前記光コネクトの前記入力方路と前記出力方路とに第2および第3の光レベルモニタを有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
【請求項2】
光クロスコネクトへ光信号を送信し、前記光クロスコネクトからの前記光信号の光レベルをモニタする第1の光レベルモニタを有するインターフェースと、
前記インターフェースからの前記光信号を受信し、前記光信号を前記インターフェースに送信し、受信光信号の光レベルをモニタする第2の光レベルモニタと送信光信号の光レベルをモニタする第3の光レベルモニタとを有する前記光クロスコネクトと、
前記第1の光レベルモニタの出力と第2の光レベルモニタの出力と第3の光レベルモニタの出力とを監視し、前記インターフェースと前記光コネクトとの接続確認を行う監視制御部とからなる光クロスコネクト装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光クロスコネクト装置であって、
前記インターフェースに前記発光源の出力レベルをモニタする第4の光レベルモニタを更に含むことを特徴とする光クロスコネクト装置。
【請求項4】
インターフェースと光クロスコネクトとからなる光クロスコネクト装置の接続確認方法であって、
前記光クロスコネクトが受信した前記インターフェースからの光信号の光レベルをモニタするステップと、
前記光信号を転送するステップと、
転送された光信号の光レベルをモニタするステップと、
前記転送された光信号を前記インターフェースに送信するステップと、
前記インターフェースが受信した光信号の光レベルをモニタするステップとを含む光クロスコネクト装置の接続確認方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光クロスコネクト装置の接続確認方法であって、
前記インターフェースが送信する光信号の光レベルをモニタするステップを更に含むことを特徴とする光クロスコネクト装置の接続確認方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−180699(P2007−180699A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374492(P2005−374492)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【出願人】(000233295)日立情報通信エンジニアリング株式会社 (195)
【Fターム(参考)】
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