説明

光コネクタ用治具

【課題】一部品にて、コンパクト且つ簡素な光コネクタ用治具を提供し、もって、くさびを抜き取る動作の信頼性向上、製造コストの低減を図る。
【解決手段】光コネクタ冶具100は、くさび板部53と、くさび板部53の下面49に設けられ、光コネクタ21のメカニカルスプライス部へ挿入されるくさび51と、くさび板部53の両側部から延出する一対のアーム55,57と、アーム55,57からくさび板部53に向かって突き出しアーム55,57が側方から挟まれることによりくさび板部53の下面49と係合してくさび板部53を反り上がらせる突片61とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メカニカルスプライスを利用した光コネクタで用いられる治具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現地での組み立てが容易な光コネクタとして、短尺光ファイバを内蔵したキャピラリを先端に備えた光コネクタが記載されている。この種のコネクタでは、キャピラリ後方において短尺光ファイバとコネクタ付けする光ファイバとが接続(メカニカルスプライス)される。メカニカルスプライスに際しては、治具を用いる。治具のくさびをメカニカルスプライス部内に挿入してメカニカルスプライス部を開状態とし、被覆を除去した光ファイバの先端をメカニカルスプライス部内のV溝へ後端から挿入して短尺光ファイバに接続する。その後、くさびを抜き取り、メカニカルスプライス部を閉状態とする。このようにして、コネクタ付けする光ファイバと短尺光ファイバとを簡易に軸あわせし固定することができた。
【0003】
特許文献1に記載された治具は、くさびとそれを固定するベースの2部品が最低限必要であったため、安価に製造することができなかった。また、治具が複数部品で形成されているので、透明材料を用いてもメカニカルスプライス部から洩れる可視光を透過させづらく、組み立て完了を視覚的に確認し難い問題があった。
【0004】
図9は、特許文献2に記載されている工具付き光コネクタの概念図である。この工具付き光コネクタでは、光コネクタ3に工具1が取り付けられている。工具1は、コネクタホルダ部11と、光コネクタ3のクランプ部の素子間に割り込ませて素子を開放しておく介挿部材5と、コネクタホルダ部11と介挿部材5とを連結する分割駆動部7A、7B、可動端部9とを有している。分割駆動部7A、7Bを両側から押圧して、両側の連結壁部13a、13b間を接近させることにより、素子間に割り込ませておいた介挿部材5が素子間から引き抜かれ、光ファイバと短尺光ファイバの接続部分を固定することができる。
【0005】
特許文献2に開示された光コネクタ用工具は、一体化により一部品で構成されているものの、連結壁部13a、13bを側圧により変形させなければならないため、柔らかい材料でしか実現できなかった。そのため、くさびがクリープし易く、介挿部材5を割り込ませておいたにもかかわらず、開状態を保持しにくいという問題があった。また、大型であるため、占有スペースが大きく、材料コストが増大するとともに、使用後はゴミとなるため無駄が多く資源の有効利用に反した。さらに、組み立て成功を簡易に確認する手段がなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−121886号公報
【特許文献2】特開2006−139212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、一部品にて、コンパクト且つ簡素な光コネクタ用治具を提供し、もって、くさびを抜き取る動作の信頼性向上、製造コストの低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するため、基板と、基板の下面に設けられ光コネクタのメカニカルスプライス部へ挿入されるくさびと、基板の両側部から延出する一対のアームであって両側部に接触する基端を有するアームと、アームから基板に向かって突き出しアームが側方から挟まれることにより基板の下面と係合して基板を反り上がらせる突片とを備える光コネクタ用治具が提供される。
【0009】
本発明の光コネクタ用治具において、くさびは基板におけるアームの基端の近傍に設けられた後部のくさびと基板における基端の近傍より前方に設けられた前部のくさびとからなり、基板の前部のくさび側が基板の基端の近傍よりも先に反り上がるよう構成されていてもよい。また、本発明の光コネクタ用冶具において、少なくともくさび及び基板が透明な樹脂で形成されていてもよく、この場合基板のくさびが位置する部分において、基板の上面が凸レンズ形状に形成されているのが好適である。
【0010】
本発明の光コネクタ用治具は、一対のアームの接近を規制するロック部を備えていてもよい。また、本発明の光コネクタ用冶具は、光コネクタに係合して、光コネクタ用冶具を光コネクタに対して位置決めするとともに基板の反り上がりの回動支点となる支柱を基端の近傍に備えていてもよく、くさびを介して光コネクタに係合された際基端の近傍が基板の反り上がりの回動支点となってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る光コネクタ用治具によれば、下面にくさびが設けられた基板の両側部から一対のアームを延出し、このアームに突片を設け、アームが側方から挟まれることにより、突片が基板の下面と係合して基板を反り上がらせるよう構成したので、一部品にて、コンパクト且つ簡素に構成することができる。この結果、くさびを抜き取る動作の信頼性を向上させ、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態である光コネクタ用治具を、メカニカルスプライスを利用した光コネクタと並べて示す斜視図である。
【図2】図1の光コネクタ用治具を下側から見た斜視図である。
【図3】図1の光コネクタ用治具を装着した光コネクタをロックされた状態で示す斜視図である。
【図4】光コネクタの光ファイバに直交する面における要部断面図であり、(a)領域はくさびの差し込み前、(b)領域は差し込み途中、(c)領域は抜き取り後を示す。
【図5】くさびの抜き取り途中における治具付き光コネクタを示し、(a)領域は切断面A−Aにおける断面図、(b)領域は一部分を切り欠いた縦断面図である。
【図6】(a)領域、(b)領域各々は、本発明の変形例である光コネクタ用冶具を装着した光コネクタをくさび抜き取り途中において示す一部分を切り欠いた縦断面図である。
【図7】本発明の光コネクタ用治具を使用して組み立て中の光コネクタにおけるメカニカルスプライス部の周辺の、光ファイバを含みくさびの差し込み及び抜き取り方向と垂直な面に関する断面図である。
【図8】図7の光コネクタの、光ファイバを含みくさびの差し込み及び抜き取り方向と平行な面に関する断面図である。
【図9】従来の工具付き光コネクタの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態が、以下において、図面を参照して説明される。図面は、説明を目的とし、発明の範囲を限定しようとするものではない。図面において、説明の重複を避けるため、同じ符号は同一部分を示す。図面中の寸法の比率は、必ずしも正確ではない。
【0014】
図7は、本発明の光コネクタ用治具を使用して組み立て中の光コネクタ21におけるメカニカルスプライス部の周辺の、光ファイバを含みくさびの差し込み及び抜き取り方向と垂直な面に関する断面図である。光コネクタ21は、いわゆるメカニカルスプライス型光コネクタであり、短尺光ファイバ25を内蔵したキャピラリ27を有している。短尺光ファイバ25は、一端が研磨済み面となってキャピラリ27の一端面に表出し、他端がキャピラリ27の他端から突出している。以下では、光コネクタ21のキャピラリ27側を前、その反対側を後と呼ぶ。また、光コネクタ21の後述するくさび挿入穴側を上、その反対側を下と呼ぶ。キャピラリ27の後部にはV溝基板29と押さえ蓋39とが並べて設けられている。
【0015】
V溝基板29の基板面31(短尺光ファイバ25を含み図7の紙面と垂直な平面;図4参照)には短尺光ファイバ25と同軸でV溝33が形成されている。V溝33は、短尺光ファイバ25と被覆の除去された光ファイバ(ガラスファイバ)35を位置決め固定する前部の光ファイバ固定溝33aと、被覆付きファイバ37を被覆ごと固定する後部の被覆ファイバ固定溝33bとからなる。
【0016】
V溝基板29と押さえ蓋39とは、押さえ蓋39が基板面31に押圧された状態で断面U字状のクランプバネ41により挟持されている。光ファイバ固定溝33aは、基板面31に押さえ蓋39が密着されることで、内方に配置したガラスファイバ35を押さえ蓋39と協働して挟持し、短尺光ファイバ25と同軸上に位置決めするとともに、軸線方向の移動を規制している。被覆ファイバ固定溝33bは、基板面31に押さえ蓋39が密着されることで、内方に配置した被覆付きファイバ37を押さえ蓋39と協働して挟持し、軸線方向の移動を規制している。V溝基板29と押さえ蓋39の後部にはファイバ挿入案内部81が形成されている。
【0017】
図8は、光コネクタ21の、光ファイバを含みくさびの差し込み及び抜き取り方向と平行な面に関する断面図である。クランプバネ41に挟持されたV溝基板29と押さえ蓋39は、その外側に外挿されたリアハウジング40及びプラグフレーム42、さらにその外側に外挿されたつまみケース43に覆われて保持されている。V溝基板29と押さえ蓋39にはクランプバネ41の開放側で双方を欠切したスリット状のくさび挿入穴45が形成されている。くさび挿入穴45は、光ファイバ固定溝33a近傍の前部のくさび挿入穴45aと、被覆ファイバ固定溝33b近傍の後部のくさび挿入穴45bとからなる。前部のくさび挿入穴45a及び後部のくさび挿入穴45bは、つまみケース43に設けられた長穴47a,47bによって、光コネクタ21の外部に表出されている。
【0018】
図1は、本発明の実施形態である光コネクタ用治具100を光コネクタ21と並べて示す斜視図である。図2は、光コネクタ用治具100を下側から見た斜視図である。光コネクタ用治具100は、略短冊形状のくさび板部(基板)53と、くさび板部53の後部の両側部から前部に向かってV字に開脚して延出された一対のアーム55,57を備えている。
【0019】
くさび板部53の下面49には、凸部であるくさび51が設けられている。くさび51は、くさび板部53におけるアーム55,57の基端の近傍に設けられた後部のくさび51bと、基端より前方に設けられた前部のくさび51aとからなる。くさび51aはくさび挿入穴45aに差し込まれ、くさび51bはくさび挿入穴45bに差し込まれる(図8参照)。
【0020】
アーム55,57各々からは、くさび板部53に向かって後部の突片61と前部の突片59とが突出している。突片59,61は、アーム55,57が外方より挟まれることで、くさび板部53の下面49に移動して、くさび板部53を反り上がらせるよう働く。突片59,61は、くさび板部53をより反り上げ易くするために、上面に、くさび板部53に向かって下り勾配となる傾斜面63,63(図5参照)を形成することが好ましい。
【0021】
くさび51a,51bは、くさび板部53の反り上がりにより上方へ移動する。この際、例えば、アーム55,57の形状を、アーム55,57を挟んだ際に前部の突片59が後部の突片61よりも先にくさび板部53の下面49に移動するようにしておく。これにより、一対のアーム55,57を挟むというワンアクションで、くさびの抜き取りが前部のくさび51a、後部のくさび51bの順番で行える。なお、突片59,61とくさび板部53との係合は、例えばくさび板部53の両側部に設けた翼片65,65を介して行っても良い。くさび挿入穴45aは、短尺光ファイバ25とガラスファイバ35とを接続する光ファイバ固定溝33aの近傍に配置されているので、短尺光ファイバ25とガラスファイバ35とを先に固定して接続状態とした後、被覆付きファイバ37を固定できる。これにより、メカニカルスプライス部の内部に応力の残留しない望ましい固定順番での固定が行える。
【0022】
一対のアーム55,57の前部にはロック部67が設けられ、ロック部67は双方のアーム55,57の接近を規制可能としている。ロック部67は、ロック片69の一端がヒンジ71を介してアーム55の前端に連結され、ヒンジ71を中心に回転されることで回転先端が他方のアーム57に達する。治具を操作する通常状態では、ロック片69は、アーム57とは反対側に向けられている。ロック片69の回転先端とアーム57の前部にはロック手段73である係止突起73aと係止凹部73bが形成されており、ロック片69の回動先端をアーム57に固定することができる。
【0023】
一対のアーム55,57がロック部67によって接近不能にロックされることで、くさび板部53の反り上がりは生じない。これにより、アーム55,57が側圧を受けた場合であっても、意図しない光コネクタ21からのくさび抜けが防止できる。
【0024】
アーム55,57の基端近傍には支柱75,75が略垂直な角度で設けられている。支柱75,75は光コネクタ21に係合し、光コネクタ用治具100を光コネクタ21に対して位置決めする。図3は、光コネクタ用治具100を装着した光コネクタ21をロックされた状態で示す斜視図である。光コネクタ用治具100は、光コネクタ21の上面に装着されて治具付き光コネクタ23を構成している。光コネクタ用治具100は、光コネクタ21への装着時、くさび51が光コネクタ21のメカニカルスプライス部に差し込まれ、支柱75,75が光コネクタ21に係止して位置決めされる。支柱75,75は、つまみケース43の側部後端面43a,43aに後方より前方へ向けて当接している。
【0025】
支柱75,75は、くさび板部53の反り上がり時の回動支点83(図5参照)としても機能する。アーム55,57が挟まれ、突片59,61がくさび板部53の下面49、すなわち、くさび板部53と光コネクタ21との間に差し込まれると、光コネクタ用治具100の前部が支柱75,75を回動支点として上方へ回転されるようになっている。また、仮にくさび51が完全に抜き取れずに、抜き残しが生じた場合であっても、アーム55,57を挟んだまま支柱75,75を支点として同方向へ回転することで、くさび51を容易に抜き取れるようになっている。
【0026】
なお、光コネクタ用治具100に支柱75を設ける替わりにくさび板部53の後端を延長してもよい。図6(a)領域は、光コネクタ用治具100の変形例である光コネクタ用冶具102を装着した光コネクタ21をくさび抜き取り途中において示す一部分を切り欠いた縦断面図である。コネクタ用治具102は、支柱75の替わりに突起尾部85を有し、突起尾部85の後端が回動支点84として働く。支柱75と突起尾部85の両方を有してもよい(図6(b)領域)。
【0027】
光コネクタ用治具100は、少なくともくさび51及びくさび板部53が耐クリープ特性に優れた透明樹脂、たとえばポリエーテルイミド(PEI),ポリサルホン(PSU),ポリカーボネート(PC)で形成されている。これにより、くさび51及びくさび板部53の経時的な変形が小さく、差し込まれたくさび51が変形してメカニカルスプライス部の光ファイバ挿入空間が狭められ、コネクタ付けしようとする光ファイバが挿入不能となることがない。
【0028】
また、光ファイバの接続部から漏れる可視光が、透明なくさび51aからくさび板部53の表面77まで導光されて視認可能となる。これにより、光ファイバ接続作業の成功または非成功が視覚的に確認できるようになっている。
【0029】
さらに、くさび板部53のくさび51が位置する表面77は、凸レンズ形状の凸部79,79となっている。特に、前部のくさび51aが位置するくさび板部53の表面77が凸レンズ形状の凸部79となることで、くさびの先端から導入された接続部からの洩れ光の視認性が高まり、洩れ光の点滅による光ファイバ接続作業の成功または非成功確認がより確実に行えるようになっている。
【0030】
次に、光コネクタ用治具100を使用したメカニカルスプライスの方法を説明する。メカニカルスプライスを利用した光コネクタは、メカニカルスプライス部の経時的な変形を避けるために、通常コネクタ用冶具100が装着された冶具付き光コネクタ23として供給される(図3)。光コネクタ用治具100は、前部のくさび51a及び後部のくさび51bを、光コネクタ21のつまみケース43に設けられた長穴47a,47bを介して前部のくさび挿入穴45a及び後部のくさび挿入穴45bに差し込んで装着されている。
【0031】
図4は、光コネクタ21の要部の光ファイバに直交する面における断面図であり、(a)領域はくさびの差し込み前、(b)領域は差し込み途中を示す。前部のくさび51aが前部のくさび挿入穴45aに挿入されると、V溝基板29と押さえ蓋39が離間され、光ファイバ固定溝33aにガラスファイバ35が、後部の被覆ファイバ固定溝33bには被覆付きファイバ37が挿入可能な状態となる。ここで、光コネクタ21の後端部のファイバ挿入案内部81から、被覆を除去して先端にガラスファイバ35を表出させた被覆付きファイバ37を挿入する(図7)。
【0032】
図7のB部で示す短尺光ファイバ25とガラスファイバ35の接続部には、屈折率整合剤が、例えばガラスファイバ35の先端に塗布されることで介在している。短尺光ファイバ25とガラスファイバ35の接続が成功するまで、洩れ光が前部のくさび51a、くさび板部53、凸部79を経て可視光の点滅として視認されている。接続が成功すると、ガラスファイバ35から光が洩れなくなる。この状態でロック部67の係止突起73aを係止凹部73bから係止解除し、ロック片69をアーム57の反対側に配置してアーム55、57を接近可能とする。
【0033】
図5は、くさびの抜き取り途中における治具付き光コネクタを示し、(a)領域は切断面A−Aにおける断面図、(b)領域は一部分を切り欠いた縦断面図である。図4(c)領域は、くさびの抜き取り後における光コネクタ23の要部の光ファイバに直交する面における断面図である。凸部79から見える可視光が消え、接続の成功が確認できたなら、アーム55,57を手指で挟む。アーム55,57同士が接近すると、アーム55,57の突片59,61がくさび板部53の下面49に移動し、移動した突片59,61がくさび板部53の下面49を押し上げ、その結果、くさび板部53が上方へ反り上がる。これにより、くさび板部53とくさび51が上方へ移動される。
【0034】
光コネクタ用冶具100を使用したメカニカルスプライスでは、上述したように、前部のくさび51a、後部のくさび51bの順番で抜き取りが行われる。これにより光ファイバ25,35同士を固定した後、被覆付きファイバ37を固定することになるので、メカニカルスプライス部の内部に応力の残留しない望ましい固定順番での固定が行える。また、仮にくさび51が完全に抜き取れずに、抜き残しが生じた場合であっても、アーム55,57を挟んだまま支柱75,75と側部後端面43a,43aの接点を支点83として、矢印C方向(図5)へ回転することで、くさび51を容易に抜き取れる。このように、光コネクタ用治具100では、くさびの抜き取り動作が、くさび板部53と、一対のアーム55,57とに大別した簡素且つコンパクトな一体構造で実現される。また、変形部位が撓み易い片持ち梁状のアーム55,57なので、変形特性を材質に依存せずに済む。
【0035】
したがって、光コネクタ用治具100によれば、一部品にて、しかも、コンパクト且つ簡素に構成することができる。この結果、くさびを抜き取る動作の信頼性を向上させ、製造コストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の光コネクタ用冶具は、現場で組み立てるメカニカルスプライスを利用したコネクタに用いられる。
【符号の説明】
【0037】
21:光コネクタ、49:下面、51:くさび、51a:前部のくさび、51b:後部のくさび、53:くさび板部(基板)、55,57:アーム、59,61:突片、67:ロック部、75:支柱、77:表面(上面)、79:凸部(レンズ形状)、83:回動支点、100:光コネクタ用治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光コネクタ用治具であって、
基板と、
前記基板の下面に設けられ、光コネクタのメカニカルスプライス部へ挿入されるくさびと、
前記基板の両側部から延出する一対のアームであって、前記両側部に接触する基端を有するアームと、
前記アームから前記基板に向かって突き出し、前記アームが側方から挟まれることにより前記基板の下面と係合して前記基板を反り上がらせる突片と
を備える光コネクタ用治具。
【請求項2】
請求項1記載の光コネクタ用治具において、
前記くさびは、前記基板における前記アームの基端の近傍に設けられた後部のくさびと前記基板における前記基端の近傍より前方に設けられた前部のくさびとからなり、前記基板の前記前部のくさび側が前記基板の前記基端の近傍よりも先に反り上がる光コネクタ用治具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の光コネクタ用治具において、
前記一対のアームの接近を規制するロック部を備える光コネクタ用治具。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の光コネクタ用治具において、
前記光コネクタに係合して、前記光コネクタ用冶具を前記光コネクタに対して位置決めするとともに前記基板の反り上がりの回動支点となる支柱を前記基端の近傍に備える光コネクタ用治具。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の光コネクタ用治具において、
前記くさびを介して光コネクタに係合された際、前記基端の近傍が前記基板の反り上がりの回動支点となる光コネクタ用治具。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の光コネクタ用治具において、
少なくとも前記くさび及び前記基板が透明な樹脂で形成されている光コネクタ用治具。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の光コネクタ用治具において、
前記基板の前記くさびが位置する部分において、前記基板の上面が凸レンズ形状に形成されている光コネクタ用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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