説明

光コヒーレンストモグラフィにより声帯襞を分析、診断及び治療モニタリングする方法及び装置

装置と方法の例示的実施形態を提供できる。例えば、第1情報を、(i)少なくとも部分的に周期的な、及び(ii)少なくとも一つの構造物に関連する少なくとも一つの信号に関して得ることができる。また、構造物に関連する第2情報を、少なくとも一つの信号の単一サイクル内における複数の時点で生成できる。第2情報は、その表面下の構造物に関する情報を含むことができる。更に、第1情報及び第2情報に基づいて第3情報を生成することができ、第3情報は、構造物の少なくとも一つの特性に関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、少なくとも1つの解剖学的構造物についての情報を得るための光コヒーレンストモグラフィの利用に関し、特には、光コヒーレンストモグラフィ手法を用いて、声帯襞を分析、診断、治療モニタリングするための例示的な方法及び装置に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年12月8日付で出願された米国特許出願第61/267,780号に基づいており、該出願から優先権の利益を主張し、該出願の全開示を、参照により本明細書に組込むものとする。
【背景技術】
【0003】
音声障害は、通常の人間同士のコミュニケーションを妨げ、それが原因でそうした障害を持つ人々に、広範囲に亘り人的及び社会経済的に悪影響を及ぼすことがある。約750万人のアメリカ人が音声障害に悩まされていると推定されている。音声障害の主な原因の1つとして、正常な音声を出すのに周期的に高周波数(例えば、100〜1000Hz)で振動する必要がある喉頭部声帯襞組織の上皮下層が損傷している可能性がある。
【0004】
喉頭内部に位置する対声帯襞(図1に示すような)は、音生成のための興味深く、効率が高い生体力学システムを提供する。音声を生成するために、声帯襞は、まず吸息のために外転し(図1の左側に示すように)、次に、呼息中に内転する(図1の右側に示すように)。気流が通過すると、空気力と声帯襞組織に本来備わる弾性が、襞を周期的に振動させ始める。その結果、気流が変調されて、音声として聞こえる音響的バズを発生させる。低音声周波数(例えば男性で約100Hz、女性で約200Hz)では、振幅約1〜2mmの波動(例えば、粘膜の波動)が、声帯襞に亘り、各振動サイクルで弱から強に伝波していく。高周波数では、粘膜の波動は、より速く、浅くなることがある。発声の基礎となる生物力学及び空気力学の詳細については、気流を開弁する粘膜波動の周期的及び対称的な動きが重要となり得るが、まだ完全には理解されていない。従って、そうした波動に影響を与える病気や損傷が、音声障害をもたらすことが多い。
【0005】
表面粘膜固有層(SLP:supeficial lamina propria)と呼ばれる、上皮直下にある極めて軟質で弾性の結合組織の層が存在することで、粘膜波動が可能になる。SLPは、厚さ約1mmで、ヒアルロン酸が豊富で、眼の硝子体液や椎間板の髄核にも多量に存在する弾力がある細胞外マトリックスである。SLPの健全な層は、良好な音声に重要であるが、SLPは障害を受け易い場所にあり、病気や外傷によって損傷することが多い。癌や乳頭腫等の上皮を厚くし硬化させる他の病気も、音声に大きな影響を与えることがある。このように、発声に不可欠な力学の大部分や、喉頭疾患の殆どは、上皮とSLPを含む声帯襞組織の表面1〜2mmに存在する。喉頭病学の分野における一つの問題として、どのようにして粘膜波動と良好な発声を保ちながら、そうした薄層に影響する病気を最良に治療するかという問題がある。
【0006】
声帯襞の健康状態を評価するのに、喉頭学者や言語病理学者は、一般的に喉頭部のビデオストロボスコピーに頼る。ビデオストロボスコピーは(D. M., Hirano, M. & Feder, R. J., "Videostroboscopic Evaluation of the Larynx", Ear Nose & Throat Journal vol. 66, 1987に、若干記載されているように)、声帯襞の動きを観察し記録するために、音声でトリガするストロボ照明を、経口又は経鼻内視鏡と組合せて使用する(図1参照)。ビデオストロボスコピーは至る所にあり実用的であるにもかかわらず、この手法は、極めて定性的で、得られるデータは、かなり主観的となることがある。そのため、声帯襞の三次元(3D)の動きを定量的に、高時空間分解能で捉えるように使用可能になれば、声帯襞振動の分析は、大幅に改善できる。そうした方法により、視覚的印象に頼るのではなく、主観性を低減でき、喉頭部の検査をより信頼できるものにし、生体力学解析を施すことができるようになる。粘膜波動の振幅、対称性、速度、波長等のパラメータを、治療前後、又は正常な声帯襞と病的な声帯襞で比較することもできる。高速撮像は、ストロボスコピーに関する幾つかの限界を解消できるが、それでも声帯襞表面の観察に限定される二次元の方法である。(Kendall, K. A., "High-Speed Laryngeal Imaging Compared With Videostroboscopy in Healthy Subjects", Archives of Otolaryngology-Head & Neck Surgery vol. 135, pp. 274-281, 2009参照)。
【0007】
動的断層撮像では、音声障害の解剖学的及び生体力学的な根拠に更なる情報を提供できる。また、断層の動態を観察する能力により、正常なSLPの粘弾性特性に合うように設計された移植材料の変形を分析可能になる。以前は、生体内原位置でそうした材料の生体力学を評価する満足のいく方法又はシステムは、知られていなかった。
【0008】
超音波又はMRI等の動態情報及び/又は深さ情報を得る別の方法(Tsai, C. G., Shau, Y. W., Liu, H. M. & Hsiao, T. Y., "Laryngeal mechanisms during human 4-kHz vocalization studied with CT, videostroboscopy, and color Doppler imaging", Journal of Voice 22, 275-282, 2008、及びAhmad, M., Dargaud, J., Morin, A. and Cotton, F. "Dynamic MRI of Larynx and Vocal Fold Vibrations in Normal Phonation", Journal of Voice, vol. 23, pp. 235-239, 2009で記載されたような)は、最適とは言えない時間分解能及び/又は空間分解能のため、満足できるものではないかも知れない。
【0009】
光コヒーレンストモグラフィ(OCT)は、後方散乱近赤外光の干渉分光法を利用して、患者の組織の断層を、通常約10μmの分解能で、撮像できる光学手法である。タイムドメインOCTは、眼科での重要な画像診断ツールとなっている。(Huang, D. et al, "Optical coherence tomography", Science 254, pp. 1178-81 (1991) 参照)。また、OCTは、バレット食道及び大腸腺腫で形成異常を特定するのに、脆弱な冠動脈プラークに関する病理組織学的な特徴全てを見分けるのに、及び声帯襞粘膜や声帯襞の病態を静的に撮像するのに、効果を発揮する。(Burns, J. A. et al., "Imaging the mucosa of the human vocal fold with optical coherence tomography", Annals of Otology Rhinology and Laryngology 114, 671-676 (2005);Vokes, D. E. et al., "Optical coherence tomography-enhanced microlaryngoscopy: Preliminary report of a noncontact optical coherence tomography system integrated with a surgical microscope", Annals of Otology Rhinology and Laryngology 117, pp. 538-547 (2008);Kraft, M. et al, "Clinical Value of Optical Coherence Tomography in Laryngology", Head and Neck-Journal for the Sciences and Specialties of the Head and Neck 30, pp. 1628-1635 (2008);及びBoudoux, C. et al., "Optical Microscopy of the Pediatric Vocal Fold", Archives of Otolaryngology-Head & Neck Surgery 135, pp. 53-64 (2009)参照)。
【0010】
しかしながら、最近まで、OCT法は、包括的な三次元顕微鏡撮像を提供するには遅過ぎたため、従来の生検に匹敵する視野を有するポイントサンプリング法に追いやられていた。OCTの遅延走査干渉法の代わりに、フーリエドメイン測距法を適用することで、検出感度の向上がもたらされた。そうした手法、即ち、光周波数ドメイン干渉法(OFDI)は、高感度を活かし、従来のOCT法と比べて数桁早速い撮像速度を提供する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】D. M., Hirano, M. & Feder, R. J., "Videostroboscopic Evaluation of the Larynx", Ear Nose & Throat Journal vol. 66, 1987
【非特許文献2】Kendall, K. A., "High-Speed Laryngeal Imaging Compared With Videostroboscopy in Healthy Subjects", Archives of Otolaryngology-Head & Neck Surgery vol. 135, pp. 274-281, 2009
【非特許文献3】Tsai, C. G., Shau, Y. W., Liu, H. M. & Hsiao, T. Y., "Laryngeal mechanisms during human 4-kHz vocalization studied with CT, videostroboscopy, and color Doppler imaging", Journal of Voice 22, 275-282, 2008
【非特許文献4】Ahmad, M., Dargaud, J., Morin, A. and Cotton, F. "Dynamic MRI of Larynx and Vocal Fold Vibrations in Normal Phonation", Journal of Voice, vol. 23, pp. 235-239, 2009
【非特許文献5】Huang, D. et al, "Optical coherence tomography", Science 254, pp. 1178-81 (1991)
【非特許文献6】Burns, J. A. et al., "Imaging the mucosa of the human vocal fold with optical coherence tomography", Annals of Otology Rhinology and Laryngology 114, 671-676 (2005)
【非特許文献7】Vokes, D. E. et al., "Optical coherence tomography-enhanced microlaryngoscopy: Preliminary report of a noncontact optical coherence tomography system integrated with a surgical microscope", Annals of Otology Rhinology and Laryngology 117, pp. 538-547 (2008)
【非特許文献8】Kraft, M. et al, "Clinical Value of Optical Coherence Tomography in Laryngology", Head and Neck-Journal for the Sciences and Specialties of the Head and Neck 30, pp. 1628-1635 (2008)
【非特許文献9】Boudoux, C. et al., "Optical Microscopy of the Pediatric Vocal Fold", Archives of Otolaryngology-Head & Neck Surgery 135, pp. 53-64 (2009)
【非特許文献10】S. H., Tearney, G. J., de Boer, J. F., Iftimia, N. & Bouma, B. E., "High-speed optical frequency-domain imaging", Optics Express 11, pp. 2953-2963 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、OFDI法で得られる画像取得速度は、直接声帯襞の動きを捉えるには十分な速度でないかも知れない。一つの例示的なOFDIシステムでは、毎秒約5万(連続)から37万(短バースト)の軸線(Aライン)走査を得られる。例えば、約1,000Aラインを含む単一の画像フレームを得るのに、OFDIシステムは、3〜20ミリ秒かかることがある。このフレーム取得時間は、周波数約100〜1000Hzで振動する声帯襞を撮像するには遅過ぎることがある。そうした高速な動きを、モーションアーチファクト無しに直接捉えるには、フレームレートを、10kHzより遥かに高く(10〜100位相)にする必要があり、そのため恐らくAライン速度を10MHzより高くして使用することになる。そうした仕様は、現在、様々な技術的課題があり、達成できないかも知れない。また、その結果、信号対雑音比(SNR)が大幅に低下し、臨床的に許容できない低品質な画像となる可能性もある。
【0013】
このように、以上本明細書で説明した従来の方法、手法及び/又はシステムに関する欠陥の少なくとも一部を解決及び/又は解消すると、有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の例示的実施形態は、声帯襞の動きの定量的な四次元(例えば、4D: x、y、z、及び時間)分解能の撮像を容易にすることによって、上記のニーズ及び/又は問題の少なくとも大部分を解決できる。本開示の例示的実施形態では、フーリエドメインの光コヒーレンストモグラフィ(OCT)―本明細書では、光周波数ドメイン撮像法(OFDI)とも呼び、その手法については、例えば、S. H., Tearney, G. J., de Boer, J. F., Iftimia, N. & Bouma, B. E., "High-speed optical frequency-domain imaging", Optics Express 11, pp. 2953-2963 (2003)に記載されている―を利用できる。本開示による手法、システム及び方法の例示的実施形態により、容易に振動の全サイクルに亘り声帯襞を連続的に高分解能の三次元画像で生成できる。標準的な喉頭内視鏡と組合せて、かかる例示的実施形態を、従来のストロボスコピーを使用するのと同様な方法で使用できる一方で、最も重要な表面組織の表面だけではなく全体積の動きの定量的な検査も容易になる。
【0015】
振動する声帯襞を迅速に撮像するために、本開示の一つの例示的実施形態によれば、同期に関してマイクロホン、エレクトログロットグラフ(EGG)又は声門下圧力トランスデューサからの音声信号の使用に依存できる画像取得方法を提供できる。従来のストロボスコピーで使用する場合、安定した発声と繰り返しトリガが必要となる。プローブレーザビームを、声帯襞に亘り走査して、動きの各空間的位置と各時間位相で、軸方向のプロファイルを取得できる。音声信号とのタイミング同期に基づく次の画像再構成により、振動の全サイクルに亘る声帯襞の連続する高分解能三次元画像を作成する。以前には得られなかった振動する声帯襞の動的断層像を取得、明示できる。
【0016】
例えば、患者と動物モデルの四次元声帯襞撮像は、特定の例示的効果が期待できる。
【0017】
音声障害の診断を改善:本開示の例示的実施形態により、臨床医が容易に、正常な声帯襞と病的な声帯襞の体積の動きを量的に比較して、表面下の病態の位置及び程度を動的モードと静的モードの両方で観察することができる。これにより、どのように病態が声帯襞の動きに影響し、その結果音質に影響しているかを解明でき、ひいては治療法の改善に繋がる。
【0018】
声帯襞機能を改善するように設計した手術及び治療の有効性を評価:慢性発声障害又は失声の主な原因は、疾病又は外傷による表面粘膜固有層の正常な軟組織に対する永久的な損傷である。例示的な治療方法として、損傷した声帯襞の発声粘膜の振動特性を回復するように設計された生体移植片や手術手技が挙げられる。高速四次元(4D)OFDI撮像は、声帯襞や移植片の弾性率といった生体力学特性のエラストグラフィ測定を容易にする可能性があり、それによりこの治療法の最適化が容易になるはずである。
【0019】
実際に、本開示の例示的実施形態は、音声障害のある患者の診療及び治療を容易にできる内視鏡技術による方法、システム及びアレンジメントを提供する。例えば、生理的トリガと組合せて、高速光コヒーレンストモグラフィ(OCT)法及びシステムを使用して、振動する声帯襞を高時空間分解能で撮像することができる。その結果、スローモーションで声帯襞の表面及び内部構造の振動を見ることができ、実質的に動的な組織学的断面図を提供する。以前には隠れていた事象を視認し、三次元で量的に動きを捉える能力により、本開示の例示的実施形態が有用で、且つ求められていることが示唆される。
【0020】
そのために、装置と方法の例示的実施形態を提供できる。例えば、少なくとも一つの第1アレンジメント(第1構成)(又は複数の第1アレンジメント)で、第1情報を、(i)少なくとも部分的に周期的な、及び(ii)少なくとも一つの構造物に関連する少なくとも一つの信号に関して得ることができる。また、少なくとも一つの第2アレンジメント(第2構成)(又は複数の第2アレンジメント)で、構造物に関連する第2情報を、前記少なくとも一つの信号の単一サイクル内における複数の時点で生成できる。第2情報は、その表面下の構造物に関する情報を含むことができる。更に、少なくとも一つの第3アレンジメント(第3構成)(又は複数の第3アレンジメント)で、第1情報及び第2情報に基づいて第3情報を生成することができ、第3情報は、構造物の少なくとも一つの特性に関連する。
【0021】
本開示の一つの例示的実施形態によると、第1情報は、そうした少なくとも部分的に周期的な信号の1サイクル内における複数の時点に関する第1データを含むことができる。第3情報は、構造物に関連する少なくとも一つの画像を含むことができ、該画像は、三次元画像及び/又は複数の時点に亘る複数の連続した画像を含むことができる。
【0022】
本開示の別の例示的実施形態によると、第3情報は、(i)複数の時点中の構造物の周期的な動きの速度情報、(ii)複数の時点中の構造物の機械的特性、(iii)構造物に関する歪み情報、及び/又は、(iv)複数の時点中の構造物の周期的な動きに関する更なる情報の中の1つ又は複数を含むことができる。構造物を、(i)少なくとも1つの解剖学的構造物、(ii)少なくとも1つの声帯、及び/又は(iii)ポリマー又は粘弾性材料とすることができる。
【0023】
本開示の更に別の例示的実施形態によると、第2アレンジメントは、光コヒーレンストモグラフィアレンジメント(光コヒーレンストモグラフィ構成)を含むことができる。光コヒーレンスアレンジメントを、放射線を構造物に伝送するように構成すると共に、放射線を、第1アレンジメントによって提供される第1情報の関数として制御するように構成することができる。光コヒーレンスアレンジメントを、内視鏡又はカテーテルで容易にできる。第2情報は、構造物に関連する位相干渉情報を含むことができ、第3アレンジメントを、位相干渉情報を使用して、構造物の動きの少なくとも一つの特性を決定するように構成することができる。動きの特性は、動きの振幅特性を含むことができる。放射線を、放射線の伝播方向を制御することによって制御できる。
【0024】
本開示の更に別の例示的実施形態によると、第1アレンジメントにより、構造物の動き中の第1情報が得られる。動きの周期性を、約10Hz〜10KHzの範囲にできる。第3情報を、構造物の内部に関して提供することができる。更に、第1アレンジメントは、(i)圧電トランスデューサ、(ii)超音波トランスデューサ、(iii)光学位置センサ、又は(iv)構造物の動き若しくは構造物内の動きを示す撮像アレンジメントの中の1つ又は複数を含むことができる。
【0025】
本開示の例示的実施形態のこれらの及び他の目的、特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と併せて、本開示の例示的実施形態について以下の詳細な説明を読むと、明白になるであろう。
【0026】
本開示の更なる目的、特徴及び利点は、本開示の例示的実施形態を示す添付図と併せて、以下の詳細な説明から、明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、経口喉頭鏡とストロボ照明を使用した声帯襞の画像であり、左側画像は、吸息中の正常な声帯襞を示し、右側画像は、振動中に内転した声帯襞を示している。
【図2】図2は本開示の例示的実施形態による動的に声帯襞を撮像するOFDIシステムの例示的実施形態のブロック図である。
【図3】図3Aは、本開示の例示的実施形態による、高時間分解能画像を取得し再構成する例示的なトリガ走査手法と関連する図であり、同期に関してマイクロホン又はエレクトログロットグラフからの音声信号を使用できる。図3Bは、本開示の別な例示的実施形態による、加速して高時間分解能画像を取得し再構成する例示的な連続走査と関連する図であり、同期に関してマイクロホン又はエレクトログロットグラフからの音声信号を使用できる。
【図4】図4aは、本開示の例示的実施形態による振動歯ブラシヘッド上の声帯襞組織を示す例示的構成である。図4bは、本開示の例示的実施形態による急速に振動する組織の瞬間的なスナップショットの例示的な再構成画像であり、印Sは収縮期で、印Dは拡張期である。
【図5】図5は、本開示の例示的実施形態による、例示的な可動ミラーのOFDI画像に基づくドップラー誘導アーチファクトを表現した例示的データを示す例示的グラフである。
【図6】図6aは、本開示の例示的実施形態による、声帯襞にある移植片に関する生体力学特性を特徴付けるエラストグラフィの例示的データを提供し例示的概念を示すために、PEGを粘膜に注入した後の声帯襞の例示的なOFDI画像である。図6bは、本開示の例示的実施形態による、声帯襞にある移植片に関する生体力学特性を特徴付けるエラストグラフィの例示的データを提供し例示的概念を示すために、振動声帯襞にある移植片の予測される変形に関する例示的な図である。
【図7】図7aは、本開示の例示的実施形態による例示的な声帯襞生体外試験装置を説明しており、該装置を使用して、半切除した喉頭を容器に密閉し、スライドガラスに並置した声帯襞に温湿風を当てている。図7bは、ガラスに対して声帯襞を示した二分した喉頭の拡大図である。
【図8】図8は、本開示の例示的実施形態による方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
全図面を通して、同じ参照番号及び文字を、特に明記しない限り、図示した実施形態の同様な特徴、要素、部品又は部分を指すのに使用する。また、以下で主題の開示について図面を参照して詳細に記載するが、例示的実施形態に関してこれを行う。添付の特許請求の範囲で規定した主題の開示に関する真の範囲と趣旨から逸脱せずに、記載した例示的実施形態に対して変更及び修正を行えるものとする。
【0029】
図2では、本開示の例示的実施形態による高速OFDIシステム200の例示的実施形態の概略図を示す。こうした例示的なシステム200は、以下の要素を利用できる:最高100kHzの掃引速度及び1.3μmで広い同調範囲を有するポリゴン走査用半導体レーザ210;デュアルバランス型偏光分岐光ファイバ干渉計220;サーキュレータ230;サーキュレータ230及び基準アーム235からの放射線を受け、深さ縮退を解く光音響周波数シフタ240。また、例示的なシステム200は、小型二次元(2D)MEMSスキャナ255を利用するプローブ250と、ビームスキャナ255を声帯襞振動に同期させるトランスデューサ260も含む。受信信号を高速ディジタイザ270(バランスド受信器275とトリガ回路280から受信した信号と併せて)で約50〜100メガサンプル/秒でデジタル化し、記録用ハードディスクにだけでなく、リアルタイム画像表示用コンピュータ290にもストリーミングできる。こうした例示的システム200を利用して、本明細書で記載した特定の例示的な画像取得処理手法を提供できる。
【0030】
図3A及び図3Bでは、本開示の例示的実施形態による例示的な画像取得手法について説明している。図3A及び図3Bで示した取得モードは、同期に関してマイクロホン又はエレクトログロットグラフからの音声信号を使用することに依存できる。従来のストロボスコピーの場合、比較的安定した発声と繰返し可能なトリガが必要となる。
【0031】
例えば、図3A(例えば、モード1)で示した一つの例示的な高分解能モード310では、1垂直線315をサイクル毎に繰返しサンプリングでき、音声波形の正の零交叉点でビームをトリガして、次の水平位置320に移動できる。各位置で、単一動きサイクル中の一連のAラインを記録できる(Mモード)。水平位置(x0、x1、…xn)の多く又は全てをスキャンできた後に、異なる位置だが、周期的な動きの同じ位相で捉えたAラインを纏めてグループ化して、「スナップショット」断層画像325を再構成できる。その結果、これらのスナップショットを、振動の完全なサイクルに亘り高解像度な動きを示す映像のフレームとして表示できる。図3Aで示すこの例示的モードでは、画像キャプチャ時間(秒単位)を、取得したAライン数の合計を音声周波数で除算したものと略等しくできる。この例示的技術の基本原理は、Lanzer, P. et al, "Cardiac Imaging Using Gated Magnetic-Resonance", Radiology 150, 121-127 (1984)に記載されたゲート画像取得と呼ばれ、タイムドメインOCTシステムで、心拍周波数1〜10Hzの範囲で胎児の心臓を撮像するのに使用されている。(Jenkins, M. W., Chughtai, O. Q., Basavanhally, A. N., Watanabe, M. & Rollins, A. M., "In vivo gated 4D imaging of the embryonic heart using optical coherence tomography", Journal of Biomedical Optics 12 (2007)参照)。声帯襞の動きは胎児の心臓の動きより約3桁(例えば、100倍速く、10倍振幅が大きい)大きいため、声帯襞を撮像する例示的なゲート取得の実行を、本開示の例示的実施形態に従い変更できる。
【0032】
図3Aは、より速い画像取得を容易にする動作(例えば、モード2)の別の例示的なモード350に関連する図を示している。例えば、撮像処理アレンジメントを連続的に全速力で(トリガ無で)実行でき、四次元画像(例えば、3つの空間的次元と時間)を、タイミング同期に関して音声信号を使用して、オフラインで再構成する。図3Bのこの例示的モードは、声帯襞機能の全体像、例えば、振動の全サイクルに亘り、深さを含む声帯襞の前後に及ぶ範囲の三次元画像を捉えた像を提供するのに、有利である。
【0033】
例えば、図3Aのモード1、310を、例示的な10kHz、1.7μmのOFDIシステムを使用して実行できる。音声振動をシミュレートするのに、例えば、約50Hzで正弦波振動する電動歯ブラシヘッドに解体した子牛の声帯襞を取付けることが可能である。図4aは、本開示の例示的実施形態によるそうした例示的構成の例示的画像410を示している。例えば、小磁石をモータシャフトに装着して、それによりトリガ信号を、ワイヤピックアップコイルを通して時刻同期のために提供する。ガルバノミラースキャナを使用可能であり、該スキャナは、例えば、約50Hzでトリガ信号を受信すると徐々に、プローブレーザビームを、組織を横断して移動させることができる。一つの実施例では、例えば、約500カ所の例示的な横断方向位置及び200の例示的な振動の動き位相で、合計約10万の軸方向プロファイルを取得するのに、10秒かかった。こうした例示的データセットに基づいて、例えば、組織断面の約200のスナップショット画像を再生できる。図4bは、急速に振動する組織の瞬間的なスナップショットの例示的再構成に関して例示的に挙げた再構成画像420を示している。図4bの矢印は、単純な画像相関によって算出した複数の例示的な局所的速度ベクトルを示している。
【0034】
他の画像診断療法と同様に、サンプルの動きが急速で大きな場合、OFDI画像に様々な影響を与えることがある。軸方向及び横断方向の動きによるSNR劣化や分解能ボケといった、様々な動きアーチファクトに関する理論及び実験的検証については、Yun, S. H., Tearney, G. J., de Boer, J. F. & Bouma, B. E., "Motion artifacts in optical coherence tomography with frequency-domain ranging", Optics Express 12, 2977-2998 (2004)に記載されている。有名なアーチファクトの1つとして、図5で示したような、光ビーム光軸に平行な速度構成要素から発生するドップラー誘導歪があるが、図5では、本開示の例示的実施形態による、可動ミラーの例示的なOFDI画像に基づくドップラー誘導アーチファクトを表現した例示的データを示す例示的グラフ500を説明している。図5で示したように、可動ミラーの例示的なOFDI画像(例えば、振幅:0.78mm、周波数:30Hz)を、其々8kHz、4kHz、2kHz、1kHzのAライン速度で取得する。縦軸は、3.8mmに亘る深さを表す。水平方向軸は時間を表す。画像の振動振幅は、Aラインで取得した速度が減少するに従い(即ち、Aライン取得中絶対サンプル運動が増大にするに従い)、人為現象的に増大する。
【0035】
例えば、動きのあるサンプルは、ドップラー周波数:2Vz/λ(式中、Vzは軸方向速度、λは中心光波長)と同調していなくても、信号変調を作成できる。ドップラー周波数を、OFDI信号の元の変調周波数に加え、その結果誤った深さを相殺できる。軸方向シフト、ZDは、以下の式で求められる。
【0036】
【数1】

【0037】
例えば、δzを軸方向の分解能(例えば、約10〜15μm)とし、△TをAライン積分時間(例えば、約10〜20μs)とする。その結果、ドップラー軸方向シフト(誤差)は、例えば、実変位の10〜15倍となることがある。
【0038】
臨床現場では、声帯襞振動は、患者の能力や発声持続時間に応じて、必ず完全な周期性からずれてしまう。本開示の例示的実施形態による例示的手法を実行して、電動ステージを用いてそうした非理想的な状況をシミュレートし、画像取得中の動きの変化を検出し、画像再構成中に出来るだけ考慮するように、例示的手法を微調整できる。また、本開示による手法の例示的実施形態を利用して、OFDI画像から得た速度マップに基づいて、ドップラー誘導アーチファクトを補正できる。
【0039】
高速四次元撮像能力により、声帯襞の様々な機能パラメータの定量分析を容易にできる。臨床的に有用なパラメータとしては、振幅マップ(三次元で経時的な)、速度マップ、歪みマップ、弾性(ヤング率)マップが挙げられる。
【0040】
振動パターンを測定するために、自動的画像分割を使用して、組織表面、上皮層、上皮と表面粘膜固有層(SLP)との間の接合部などの、声帯襞の様々な解剖学的構造物だけでなく、他の異質な特徴又は注入材料を識別できる。動き追跡手法を適用して、これらのミクロ構造物の運動を、連続する再構成したスナップショット画像から経時的に三次元で追跡できる。この例示的な分析により、振幅と速度マップを容易に再現できる。或いは、又は更に、組織の動きに関する軸方向速度を、本開示の特定の例示的実施形態による位相感応型OFDI手法及び/又はシステムによって、直接測定できる。
【0041】
OCTに基づく、歪み及び弾性マッピング用の例示的なエラストグラフィ法は、短い光波長を使用する結果、連続する画像フレーム間で明度パターンが、急速なノイズ誘導及び歪み誘導された非相関となるため、容易ではない。これまで、凍結スペックル仮定に基づく動き追跡は、血管光学エラストグラフィ、特に動脈壁のサイズ規模の構造物については、成功していない。(Chan, R. C. et al. "OCT-based arterial elastography: robust estimation exploiting tissue biomechanics", Optics Express 12, pp. 4558-4572 (2004) 参照)。そのため、まず、面内及び面外フレーム平均化によってスペックルを最小化して、本システムの高速体積撮像能力を活用できる。また、この例示的手法により、速度マップを容易に生成できる。歪みマップは、速度マップの空間微分から算出できる。通常、声帯襞振動を発動する応力場については完全に未知である。そのために、繰返し数値処理を行っても、完全な組織弾性マップを作成することが困難になることがある。エラストグラフィの初期実現可能性を評価するために、既知の粘弾性を有する注入材料の比較的単純な事例を調べることもできる。
【0042】
図6aでは、本開示の例示的実施形態による、声帯襞にある移植片に関する生体力学特性を特徴付けるエラストグラフィの例示的データを提供し例示的概念を示すために、PEGを粘膜に注入した後の声帯襞の例示的なOFDI画像610を示している。特に、図6aの例示的なOFDI画像は、半透明のため白抜けとして現れるポリエチレングリコール(PEG)系ポリマーゲルを注入した後の、生体外での子牛声帯襞のものである。声帯襞を振動させると、周囲組織が伸縮し、その結果、移植片に交番力が加わる。例えば、組織の歪みマップ及び弾性率が分かると、正確な応力場を決定でき、測定した生体移植片の変形から、弾性率について計算できる。更に、PEGゲル、生理食塩水、UVエポキシを含む多数の材料に関する変形を、異なるヤング係数で定量化し、経時的に、又は原位置での架橋結合に応じて、変形能が変化するのを監視することもできる。図6bは、本開示の例示的実施形態による、声帯襞にある移植片に関する生体力学特性を特徴付けるエラストグラフィの例示的データを提供し例示的概念を示すために、振動声帯襞にある移植片の予測される変形に関する例示的な図620を示している。
【0043】
図7a及び図7bでは、本開示の例示的実施形態による例示的な声帯襞生体外試験装置700の例示的な画像/写真の他、該装置によって分析される声帯710の図を示している。例えば、図7aでは、本開示の例示的実施形態による例示的な声帯襞生体外試験装置700(例示的なOCTシステムとすることができる)を説明しており、該装置を使用して、半切除した喉頭710を容器に密閉し、スライドガラスに並置した声帯襞に温湿風を通す。声帯襞は、無処置の喉頭と同様であろう粘膜波動を示す。例示的なOCTシステム700を、スライドガラス720を通して声帯襞の内側面を見るように配置できる。圧力トランスデューサを、声帯襞の下にある風道に置き、同期のために信号コンディショナ、増幅器、トリガ回路に接続できる。図7bは、二分した喉頭710の拡大図であり、ガラスに対して声帯襞を示している。本開示による別の例示的な構成では、無処置の喉頭を用いて、ヒトの喉頭鏡検査を一層良好にシミュレートするために、振動する声帯襞の直上から見ることもできる。
【0044】
例示的なOFDI技術及びシステムの特定の好適な特徴の中には、細径の可撓性光ファイバカテーテルを通して声帯襞へ単一モード光ファイバを送達するよう適合する特徴がある。例えば、2.8mm(直径)のOCTカテーテルを、口腔及び喉頭部検査に使用できる。例示的なカテーテルは、微小電気機械システム(MEMS)技術で実装するマイクロミラースキャナを組込むことができる。かかる例示的なカテーテルを、組織と直接接触させて、粘膜を内視鏡で三次元撮像するスペクトラルドメインOCTシステムに連結できる。この例示的なカテーテルを、喉頭手術を受けるヒト患者の声帯襞の三次元近接撮像に使用でき、声帯襞層や声帯襞病態の詳細を解像するのに使用できる。振動声帯襞の撮像では、非接触の作動距離が長い光学を使用するため、前述した接触カテーテルの設計が不適当となる。本開示の例示的実施形態によれば、MEMSスキャナに基づいて、剛性で、最終的には可撓性の経鼻カテーテルを実現するために、作動距離や内部のビーム径を含む光学設計仕様を決定することができる。
【0045】
信頼性の高いトリガ信号を、エレクトログロットグラフ(EGG)の波形から得られ、信号により声帯襞全体に亘り、開閉する間の電気インピーダンスの変化を追跡できる。表面電極とEGG装置(例えば、Glottal Enterprises社製EG−2)を使用して、EGGを得られる。高速画像とEGG信号を同期捕捉するシステムを使用することができる。無処置の切除した喉頭を使用して、OCT同期のためにEGGベースのトリガを最適化することができる。声門サイクルの時間的な目印を、フレーム全体に亘る声帯襞の縁部を追跡する既存のソフトウェアを使用して、高速ビデオから抽出できる。次に、同時に取得したEGG信号をデジタル処理して、フィルタリングパラメータ及びトリガリングパラメータ(例えば、シュミットトリガがその後に続く微分)を決定して、トリガの際に時間ジッタを最小化することができる。OCT同期用アナログトリガ回路を、そうした例示的結果に基づいて、提供できる。
【0046】
例示的な妥協点は、三次元データセットを取得するのに必要な時間と当該データセットの時空間分解能との間に存在することがある。取得時間が短いと、ドリフトに左右されにくいといった利点があり、取得時間が長いと、状態が安定していればより詳細な画像を提供する可能性がある。サンプリング密度(断面数又は平面毎のAライン数)を変えるデータセットを取得し、次に必須な空間及び時間的特徴(例えば、上皮とSLPとの間の境界を明確に分解する能力)をどれくらい良好に捕捉できるかに対して結果を評価することが可能である。例示的実施形態は、様々な種類のデータを捕捉するために最適化された複数の運転モードを、利用する及び/又は有することができる。そうした例示的実施形態は、特定の例示的な有用なモードを規定する際に役に立つ。
【0047】
図8は、本開示の例示的実施形態による方法のブロック図を示している。例えば、手順810では、第1情報を、(i)少なくとも部分的に周期的な、及び(ii)少なくとも一つの構造物に関連する少なくとも1つの信号に関して得ることができる。次に、手順820では、コンピュータで、構造物に関連する第2情報を、少なくとも1つの信号の単一サイクル内に複数の時点で生成できる。第2情報は、その表面下の構造物に対する情報を含むことができる。更に、手順830で、第1情報と第2情報に基づく第3情報を、提供できる。第3情報は、構造物の少なくとも一つの特性と関連することができる。
【0048】
以上、単に本開示の原理を説明した。記載した実施形態に対する様々な修正及び変更については、本明細書の教示により、当業者には明らかであろう。例えば、本開示の例示的実施形態を実装するために、記載した例示的なアレンジメント、照射及び/又はシステムのうち複数を実装できる。実際には、本開示の例示的実施形態によるアレンジメント、システム及び方法は、任意のOCTシステム、OFDIシステム、SD−OCTシステム若しくは他の撮像システムと共に使用する、及び/又は、それらを実施することができ、例えば、2004年9月8日付で出願された国際特許出願PCT/US2004/029148号(2005年5月26日付で、国際特許公開第WO2005/047813号として公開)、2005年11月2日付で出願された米国特許出願第11/266,779号(2006年5月4日付で、米国特許出願公開第2006/0093276号として公開)、2004年6月4日付で出願された米国特許出願第10/861,179号、2004年7月9日付で出願された米国特許出願第10/501,276号(2005年1月27日付で、米国特許出願公開第2005/0018201号として公開)、2006年6月1日付で出願された米国特許出願第11/445,990号、2007年4月5日付で出願された国際特許出願第PCT/US2007/066017号、及び2006年8月9日付で出願された米国特許出願第11/502,330号で記載されたものと共に、使用することができ、これら文献の開示全体を、参照として本明細書に組み込む。従って、当然ながら、当業者は、本明細書で明示又は記載されていなくても、本開示の原理を具現化する、多数のシステム、アレンジメント、及び方法を考案できるであろうし、それらは本開示の趣旨と範囲内にある。更に、従来技術知識を本明細書の上記で参照として明らかに組み込んでいない限りにおいても、ここで、明らかに従来技術知識全体を参照として本明細書に組み込むものとする。本明細書の上記で参照した全刊行物全体を、本明細書に参照として組み込むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも部分的に周期的な、及び(ii)少なくとも一つの構造物に関連する少なくとも一つの信号に関する第1情報を得るように構成された少なくとも一つの第1アレンジメントと、
前記少なくとも一つの信号の単一サイクル内における複数の時点で前記少なくとも一つの構造物に関連する第2情報を生成するよう構成された少なくとも一つの第2アレンジメント(ここで、該第2情報は、前記少なくとも一つの構造物の表面下の前記少なくとも一つの構造物に関する情報を含む)と、
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて第3情報を生成するよう構成された少なくとも一つの第3アレンジメント(ここで、該第3情報は、前記少なくとも一つの構造物の少なくとも一つの特性に関連する)と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1情報は、前記少なくとも部分的に周期的な信号の1サイクル内における複数の時点に関する第1データを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第3情報は、前記少なくとも一つの構造物に関連する少なくとも一つの画像を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの画像を、三次元画像とすることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの画像は、前記複数の時点に亘る複数の連続した画像を含むことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記第3情報は、前記複数の時点中の前記少なくとも一つの構造物の周期的な動きの速度情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第3情報は、前記複数の時点中の前記少なくとも一つの構造物の機械的特性を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第3情報は、前記少なくとも一つの構造物に関する歪み情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第3情報は、前記複数の時点中の前記少なくとも一つの構造物の周期的な動きに関する更なる情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの構造物は、少なくとも一つの解剖学的構造物とすることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの構造物は、ポリマー又は粘弾性材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つの第2アレンジメントは、光コヒーレンストモグラフィアレンジメントを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記光コヒーレンスアレンジメントは、放射線を前記少なくとも一つの構造物に伝送するように構成され、かつ、該放射線を、前記少なくとも一つの第1アレンジメントによって提供される前記第1情報の関数として制御することを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記光コヒーレンスアレンジメントは、内視鏡又はカテーテル内において容易化されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記第2情報は、前記少なくとも一つの構造物に関連する位相干渉情報を含み、前記少なくとも一つの第3アレンジメントは、該位相干渉情報を使用して前記少なくとも一つの構造物の動きの少なくとも一つの特性を決定するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記動きの少なくとも一つの特性は、前記動きの振幅特性を含むことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記放射線を、前記放射線の伝播方向を制御することによって制御することを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも一つの第1アレンジメントは、前記少なくとも一つの構造物の動き中に前記第1情報を得ることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記動きの周期性を、約10Hz〜10KHzの範囲にすることを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも一つの構造物は、少なくとも一つの声帯であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記第3情報を、前記少なくとも一つの構造物の内部に関して提供することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも一つの第1アレンジメントは、少なくとも圧電トランスデューサ、超音波トランスデューサ、光学位置センサ、又は前記少なくとも一つの構造物の動き若しくは前記少なくとも一つの構造物内の動きを示す撮像アレンジメントの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項23】
(i)少なくとも部分的に周期的な、及び(ii)少なくとも一つの構造物に関連する少なくとも一つの信号に関する第1情報を取得し、
コンピュータアレンジメントで、前記少なくとも一つの信号の単一サイクル内における複数の時点で前記少なくとも一つの構造物に関連する第2情報を生成し(ここで、前記第2情報は、前記少なくとも一つの構造物の表面下の前記少なくとも一つの構造物に関する情報を含む)、及び
前記第1情報及び前記第2情報に基づいて第3情報を提供する(ここで、前記第3情報は、前記少なくとも一つの構造物の少なくとも一つの特性に関連する)、
ことを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−513124(P2013−513124A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543258(P2012−543258)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/059534
【国際公開番号】WO2011/072055
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(506286973)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレーション (27)
【氏名又は名称原語表記】THE GENERAL HOSPITALCORPORATION
【住所又は居所原語表記】55 Fruit Street, Boston, MA02114 (US).
【Fターム(参考)】