説明

光サンプリング装置および光信号品質モニタ

【課題】簡易で安価な構成で且つ高いサンプリング効率で光信号をサンプリングでき、高速な光信号の波形情報を安定に得ることができるようにする。
【解決手段】光サンプリング装置22のサンプリング用素子としてカーボンナノチューブ素子23を用い、その一方の光端子23aに監視対象の光信号Pxを入射させ、サンプリングパルス用光パルス発生器21から出射されたサンプリング用光パルスPsを、光カプラ25を介してカーボンナノチューブ素子23の他方の光端子23bへ入射させ、そのサンプリング用光パルスPsが入射したときに生じる過飽和吸収特性により光信号Pxに対する吸収率を低下させて他方の光端子23bから出射させて、サンプリングを行っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号に対するサンプリングを行う装置を安価に構成し、また、高速のデータ信号で変調された光信号の品質を正確にモニタできるようにするめための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、データ信号で変調された光信号によるネットワークを構成するにあたり、そのネットワーク上を伝搬する光信号の品質の監視することが必要になる。
【0003】
一般的に信号モニタは、伝送路上の信号の波形情報を取得し、その波形情報から信号品質を表す値を算出して、その算出結果を出力するものであるが、数10Gb/sという極めて高いビットレートのデータ信号で変調された光信号を直接受光器で受けてその波形情報を取得することは極めて困難である。
【0004】
そこで、このような高速な信号の波形情報を得るために等価時間サンプリング方式が従来から用いられている。
【0005】
即ち、図17の(a)のように周期Taで同一波形が繰り返される光信号Pに対して、図17の(b)のように、周期TaのN倍(Nは整数)に対して僅かな時間ΔTだけ長い周期Ts=N・Ta+ΔTのサンプリングパルスSでサンプリングを行い、図17の(c)のように、光信号Pの繰り返し波形内でΔTずつ異なる位置の瞬時振幅値(瞬時強度)を取得する。この取得した値を結ぶ包絡線が描く波形P′は、光信号Pの波形を時間軸上でTs/ΔT倍に拡大したものであり、元の光信号Pの波形の特徴を保持している。
【0006】
したがって、このサンプリングで得られた波形情報に対して、例えば、2値レベルの一方を表す振幅と他方を表す振幅の確率分布を求め、その標準偏差を算出することで、信号品質を表すQ値を得ることができる。
【0007】
上記のように光信号に対する等価時間サンプリングを行い、得られた波形情報から信号品質を表すQ値を算出する技術は、次の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3796357号公報
【特許文献2】特開2004−222252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1では、光信号をサンプリングするための素子としてバルク型非線形光学材を用いているが、このバルク型非線形光学材は一般的にサンプリング効率が悪い(波長変換現象を用いたサンプリング効率は波長変換効率が−20dB以下)ため、強い光信号の波形情報については高S/Nで得ることができるが、弱い光信号の波形情報については十分なS/Nを得ることができない。
【0010】
そこで、バルク型非線形光学材に比べて格段に透過損失が少ない、言い換えればサンプリング効率が高い電界吸収型光変調器を用いることも考えられる。
【0011】
この電界吸収型光変調器は、2つの光端子間を結ぶ光路内に与える電界の大きさに応じてその光路を通過する光に対する吸収率が変化する特性を持っており、一方の光端子に光信号を入射し、電源端子にサンプリング用電気パルス信号を与えて、そのサンプリング用電気パルス信号が入力しているときだけ、光信号に対する吸収率を低下させて他方の光端子から出射させることで、光信号に対するサンプリングを行う。
【0012】
このように電界吸収型光変調器の電源端子にサンプリング用電気パルス信号を与えて光信号に対するサンプリングを行う技術は、例えば上記特許文献2に開示されている。
【0013】
ところが、電界吸収型光変調器は高価であり、しかも直流電源が必要となり、装置が複雑化する。また電気のサンプリングパルス信号は、高周波のインピーダンスマッチングが難しいということから、そのパルス幅を安定に狭くすることが極めて困難であり、上記のような数10Gb/sで変調された光信号の波形情報を十分な分解能で精度よく取得することができないという問題が生じる。
【0014】
また、上記の等価時間サンプリング方式を用いた光信号品質モニタの別の問題として、取得した波形を所定ビット数分重ね合わせるによってアイパターンを生成し、そのアイパターンに対して品質の演算処理を行う場合に、サンプリング周期Tsが厳密にN・Tc+ΔTに一致していないと、重ね合わされる波形の時間軸が徐々にずれてしまい、品質演算を正確に行うことができないという問題が生じる。
【0015】
本発明は、上記問題を解決し、安価に且つ簡単な構成で高いサンプリング効率を有する光サンプリング装置および高速な光信号の波形情報の取得でき、光信号のアイパターンを安定に得ることができる光信号品質モニタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の光サンプリング装置は、
サンプリング対象の光信号と所定周期のサンプリング用光パルスとを受け、前記光信号を前記サンプリング用光パルスによってサンプリングし、そのサンプリングによって得られた光パルス信号を出射する光サンプリング装置(22)において、
入射光のパワーに応じて該入射光に対する吸収率が変化する特性を有し、前記光信号と前記サンプリング用光パルスとを受けるカーボンナノチューブ素子(23)を備え、
前記カーボンナノチューブ素子に前記サンプリング用光パルスを入射させたときのみ前記光信号を小さい吸収率で出射させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項2の光サンプリング装置は、請求項1記載の光サンプリング装置において、
前記光信号は前記カーボンナノチューブ素子の一方の光端子に入射され、
前記サンプリング用光パルスを前記カーボンナノチューブ素子の他方の光端子に入射させるとともに、該カーボンナノチューブ素子の他方の光端子から出射される光パルス信号を前記サンプリング用光パルスの入射光路と異なる光路へ出射する光カプラ(25)を有していることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項3の光サンプリング装置は、請求項1記載の光サンプリング装置において、
前記サンプリング用光パルスの波長が前記光信号と異なる波長に設定されており、
前記光信号と前記サンプリング用光パルスとを合波して前記カーボンナノチューブ素子の一方の光端子に入射させる光カプラ(25′)と、
前記カーボンナノチューブ素子の他方の光端子から出射される光のうち、前記光信号の波長成分を選択的に出射する波長フィルタ(29)とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項4の光サンプリング装置は、請求項1記載の光サンプリング装置において、
前記光信号と前記サンプリング用光パルスの偏光方向を互いに直交させるための偏波制御器(28)と、
前記偏光方向が互いに直交した前記光信号と前記サンプリング用光パルスとを合波して前記カーボンナノチューブ素子の一方の光端子に入射させる光カプラ(25″)と、
前記カーボンナノチューブ素子の他方の光端子から出射される光のうち、前記光信号の偏光成分を選択的に出射する偏光フィルタ(29′)とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項5の光サンプリング装置は、請求項3または請求項4記載の光サンプリング装置において、
前記カーボンナノチューブ素子は、カーボンナノチューブが形成された素子部材(123)をその光入射面が入射光軸と直交する線に対して傾きのある状態で複数並べて形成されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項6の光サンプリング装置は、請求項5記載の光サンプリング装置において、
前記素子部材は、前記入射光軸と直交する線に対して対称に配置された2つを一組とすることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項7の光信号品質モニタは、
監視対象の光信号を変調しているデータ信号のクロック周期(Tc)の整数(N)倍に対して所定オフセット時間(ΔT)だけ異なる周期(Ts)のサンプリング用光パルスを出射するサンプリング用光パルス発生部(21)と、
前記光信号を前記サンプリング用光パルスによってサンプリングし、そのサンプリングによって得られた光パルス信号を出力する光サンプリング装置(22)と、
前記光パルス信号を受けて電気信号に変換する光電変換器(30)と、
前記光電変換器の出力信号に基づいて、前記監視対象の光信号の品質を表す値を算出する演算部(35、35′)とを有する光信号品質モニタにおいて、
前記光サンプリング装置が、前記請求項1〜6のいずれかに記載の光サンプリング装置であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項8の光サンプリング装置は、請求項7記載の光サンプリング装置において、
前記光電変換器の出力信号の包絡線波の基本波成分と等しい周波数の基本波成分信号を出力する基本波成分信号出力手段(41)と、
前記基本波成分信号と所定のしきい値とを比較するコンパレータ(42)と、
前記基本波成分信号が前記しきい値を超えるタイミングから前記光電変換器の出力信号に対する波形情報の取得を開始するデータ取得制御部(44)とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
このように、本発明の光サンプリング装置は、サンプリング用の素子としてカーボンナノチューブ素子を用い、そのカーボンナノチューブ素子に光信号とサンプリング用光パルスとを入射させ、そのサンプリング用光パルスが入射したときに生じるカーボンナノチューブ素子の過飽和吸収特性により光信号に対する吸収率を低下させて出射させるようにしている。
【0025】
このため、サンプリング用として狭い幅の光パルスが使用でき、しかも、光信号に対するサンプリング効率を高くすることができ、弱い光信号のサンプリングが可能である。
また、カーボンナノチューブ素子は電界吸収型光変調器に比べて格段に安価に形成でき、しかもバイアス電源およびそれらの制御が不要であるため光サンプリング装置を安価に構成することができる。
【0026】
また、この光サンプリング装置を用いた光信号モニタでは、簡易で安価な構成で、波形情報を精度よく得ることができる。
【0027】
また、光信号に対するサンプリングで得られた信号から基本波成分信号を抽出し、その基本波成分信号がしきい値を越えたタイミングから波形情報の取得を開始する光信号モニタでは、実際に入射された光信号を変調しているデータ信号に対して波形情報の取得開始タイミングを同期させることができ、その開始タイミングで得られた複数組の波形情報を重ね合わせることで、アイパターンを安定に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1実施形態の構成図
【図2】実施形態の要部の構成例を示す図
【図3】実施形態の要部の特性例を示す図
【図4】光信号が繰り返し波形の場合の動作説明図
【図5】光信号が繰り返し波形でない場合の動作説明図
【図6】本発明の第2実施形態の構成図
【図7】第2実施形態の要部の構成例を示す図
【図8】光信号が繰り返し波形の場合の動作説明図
【図9】取得された波形データの図
【図10】取得波形データを重ねたアイパターン図
【図11】光信号が繰り返し波形でない場合の動作説明図
【図12】光サンプリング装置の別の構成を示す図
【図13】光サンプリング装置の別の構成を示す図
【図14】図12、図13の構成に用いる多素子化したCNT素子の構成を示す図
【図15】図12、図13の構成に用いる多素子化したCNT素子の別の構成を示す図
【図16】光カプラを用いない構成例を示す図
【図17】等価時間サンプリング方式の説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した光サンプリング装置22を有する光信号品質モニタ20の構成を示している。
【0030】
この光信号品質モニタ20は、所定クロック周期Tcのデータ信号で変調された光信号Pxを監視対象とするものであり、サンプリング用光パルス発生部21は、その光信号Pxを変調しているデータ信号のクロック周期Tcの整数N倍に対して所定のオフセット時間ΔTだけ異なる周期Tsのサンプリング用光パルスPsを生成して光サンプリング装置22に入射する。
【0031】
サンプリング用光パルス発生部21は、前記したように幅の狭い光パルスを指定された周期Tsで生成できるものであればその構成は任意である。
【0032】
図2はその一例を示すものであり、後述するパラメータ設定部36から指定された周期Ts(周波数Fs)の安定な信号Raをシンセサイザ構成の基準信号発生器21aで生成し、逓倍器21bに入力してM(Mは複数)逓倍し、その出力信号Rbを光変調器21cに入力して、光源21dから出射される連続光Pcwを変調し、周期Ts/Mの光パルスPaを生成する。この光パルスPaのパルス幅は、信号Raで連続光Pcwを直接変調した場合に比べて1/Mに狭められている。
【0033】
そして、この光パルスPaを光ゲート回路21eにより1/Mに間引きして、周期Tsの光パルスPbを生成し、分散減少ファイバ21fに入射してそのパルス幅をさらに狭め、サンプリング用光パルスPsとして出射する。
【0034】
一方、光サンプリング装置22は、サンプリング用光パルス発生部21から出射されたサンプリング用光パルスPsにより、監視対象の光信号Pxをサンプリングし、そのサンプリングで得られた光パルス信号Pyを出射する。
【0035】
この光サンプリング装置22は、カーボンナノチューブ素子(以下、CNT素子と記す)23およびサーキュレータ型の光カプラ25を有している。
【0036】
CNT素子23は、チューブ状の炭素結晶からなるCNT材を例えばガラスや樹脂の基板表面に塗布したり、ポリマー溶剤と混合して板状に固化成形したものあるいはコア部にCNT材を含有させたファイバ等を素子部材とする極めて高速なリカバリータイムを有する過飽和吸収デバイスであり、広帯域な波長範囲で、例えば図3のように、入射光のパワーに応じて吸収率が変化する特性を有しており、一方の光端子23aで光信号Pxを受け、他方の光端子23bからサンプリング用光パルスPsが入射したときだけ光信号Pxに対する吸収率を低下させて光端子23bへ通過させることで、効率の高いサンプリングを行っている。
【0037】
なお、このときのサンプリング効率は、CNT素子23の挿入損失で決定されるが、CNT素子23の挿入損失は一般的に数dB以下と極めて少なく、電界吸収型光変調器を用いた場合に比べて格段に向上している。
【0038】
CNT素子23の光端子23bからは、サンプリング用光パルスPsが入射したときの光信号Pxの瞬時強度からCNT素子23の挿入損失相当を損失したレベルのピーク値を持つ光パルス信号Pyが光カプラ25に出射され、サンプリング用光パルスPsの入射経路と異なる光路へ出射される。
【0039】
ここで、光信号Pxと異なる波長のサンプリング用光パルスPsを用いる場合には、光カプラ25として上記のようなサーキュレータ型のものだけでなく、波長の違いによって光路を振り分ける分光型のものを用いることも可能である。
【0040】
なお、CNT素子23の一方の光端子23aに挿入されているサーキュレータ型の光カプラ26は、他方の光端子23bに入射されて一方の光端子23aから出射されるサンプリング用光パルスPsを光終端器27で終端して、監視対象の光信号Pxの伝送路へ入射されるのを防ぐためのものである。
【0041】
光パルス信号Pyは、光カプラ25を介して光電変換器30に入射され、電気の信号Eyに変換される。
【0042】
光電変換器30の出力信号Eyは、A/D変換器31によりデジタル値に変換され、演算部35に入力される。なお、A/D変換器31のサンプリングは、サンプリング用光パルスPsと同期したサンプリングクロックEsによって行われるが、この実施形態では、この電気のサンプリングクロックEsもサンプリング用光パルス発生部21から出力されるものとする。
【0043】
演算部35は、A/D変換器31でデジタル値に変換された信号Eyに基づいて、監視対象の光信号Pxの品質を表す値を算出する。
【0044】
この演算は任意であるが、例えば前記特許文献1に記載されているように、信号Eyを一定時間分サンプル値として取込み、これを所定のしきい値と比較して、データ「1」に属するサンプル値と、データ「0」に属するサンプル値とに分け、それぞれのデータについてのサンプル値群の平均値、標準偏差を求め、その平均値の差μと標準偏差の和γの比μ/γを品質値Qとして求める。なお、このQ値が大きい程、信号品質が高い。
【0045】
この品質値Qの算出は、例えば所定時間毎に行なわれ、その結果が所定タイミングに別装置へ通知される。信号品質を表す値は上記Q値に限定されるものではなく、他の統計量であってもよい。
【0046】
なお、サンプリング用光パルス発生部21が出力するサンプリング用光パルスPsおよびサンプリングクロックEsの周期Tsは、パラメータ設定部36により設定される。
【0047】
パラメータ設定部36は、監視対象の光信号Pxを変調しているデータ信号のクロック周期Tc(ビットレートでもよい)とオフセット時間ΔTの情報を受け、サンプリング周期Tsを、
Ts=N・Tc+ΔT
の演算で求め、サンプリング用光パルス発生部21に設定する。
【0048】
ここでNの値は、データ信号のクロック周期Tcとサンプリング用光パルス発生部21が出力可能な信号の周波数可変範囲によって決まる。
【0049】
例えば、ΔTがTsに対して無視できる程小さく、Tcが約0.1ns(10GHz)で、Tsが0.1μs(10MHz)の近傍で可変できるものとすれば、Nの値は大凡Ts/Tc=1000となる。
【0050】
次に、監視対象の光信号Pxの波形と、その取得タイミングとの関係について説明する。
【0051】
監視対象の光信号Pxが試験用であって、図4の(a)のように所定ビット長Lの所定符号列で繰り返し変調されている場合、図4の(b)のように、サンプリング用光パルスPsの周期Tsを決めるNの値がビット長Lの整数K倍に等しくなるようにすることで、光信号Pxの繰り返し波形に対するサンプリングを図4の(c)のようにΔT時間毎に時系列に行うことができる。そして、このサンプリングを例えばU・Tc/ΔT回(Uは整数)連続して行うことで、サンプリング開始タイミングからUビット分の波形データを時系列に得ることができる。
【0052】
光ネットワーク上に実際に伝送されているような光信号Pxは、図5の(a)のように繰り返し波形とならない。しかし、この光信号Pxに対して、図5の(b)のようにN・Tc+ΔTの周期Tsでサンプリングを行った場合、光信号PxのNビットおきのデータについてΔTずつ異なるタイミングでサンプリングを行っていることから、そのサンプリングによって得られる値は、図5の(c)のように、データ「1」、「0」に対応した振幅あるいはその間の遷移状態における振幅となり、光信号Pxの一定期間の連続した波形に対するサンプリング結果とはならない。
【0053】
ただし、そのサンプリングを前記のように複数ビット分連続して行い、前記統計量を得ることで、品質値Qを求めることができる。
【0054】
なお、光信号を変調しているデータ信号のビットレートに対してサンプリング周期が正確に対応している場合(同期状態)には、複数ビット分のサンプリング結果を1ビット幅に重ね合わせることで、図5の(d)のようなアイパターンが得られ、このアイパターンから信号品質を求めてもよい。
【0055】
また、光信号を変調しているデータ信号のビットレートに対してサンプリング周期がずれている場合(非同期状態)、重ね合わせて得た観測波形が流れてしまい、アイパターンを観測することはできないが、上記サンプリングを所定期間行うことで前記統計量を得て、品質値Qを求めることができる。
【0056】
(第2実施形態)
図6は、上記同期状態を常に保持することが可能な光信号品質モニタ20′の構成例を示している。
【0057】
この光信号品質モニタ20′のサンプリング用光パルス発生部21、光サンプリング装置22、光電変換器30、A/D変換器31、パラメータ設定部36は、前記第1実施形態の場合と同等であるので、その説明を省略する。
【0058】
この光信号品質モニタ20′の場合、光電変換器30の出力信号Eyは、基本波成分信号出力部41に入力されている。
【0059】
この基本波成分信号出力部41は、光電変換器30からパルス状に出力される信号Eyの包絡線波の基本波成分の周波数と等しい周波数の基本波成分信号Uを出力するためのものである。
【0060】
この基本波成分信号出力部41の構成としてはフィルタ方式とPLL(位相ロックループ)方式とが考えられる。
【0061】
フィルタ方式の場合、光信号を変調しているデータ信号のクロック周波数Fcと等しい中心周波数(RZ方式の場合)、あるいはその2倍に等しい中心周波数(NRZ方式の場合)の狭帯域な帯域通過フィルタによって正弦波の基本波成分信号Uを抽出する。
【0062】
また、PLL方式の場合には、図7に示すように、上記した狭帯域な帯域通過フィルタ41aの出力信号と電圧制御発振器41bの出力信号とを位相比較器41cに入力し、その位相差に応じた制御信号Vcで電圧制御発振器41bの発振周波数を制御して、その発振出力信号の位相を帯域通過フィルタ41aの出力信号に同期させ、この同期した正弦波の発振出力信号を基本波成分信号Uとして用いる。
【0063】
また、別の例として、光電変換器30の出力信号EyをFFT演算部に入力してその周波数解析を行い、基本波成分の周波数を求め、その求めた周波数と等しい基本波成分信号Uを信号発生器により生成して出力する構成であってもよい。
【0064】
ここで、光信号Pxのクロック周波数Fcを10GHz、オフセット時間ΔTを0.1psとすれば、光信号Pxの1ビット分の波形データを得るのに、1000回のサンプリングが必要となり、その1000回のサンプリングをほぼ10MHzの周波数Fsで行うために必要な時間はおよそ0.1msとなり、この時間が信号Eyの包絡線波の基本波成分の周期に等しく、その周波数はおよそ10kHzとなる。
【0065】
この基本波成分信号Uは、コンパレータ42に入力され、しきい値設定器43によって予め設定されたしきい値Vrと比較され、その比較結果がデータ取得制御部44に入力される。
【0066】
データ取得制御部44は、コンパレータ42の出力信号に基づいて、A/D変換器31から出力されるデータ信号Dyを波形メモリ45に書き込む。
【0067】
即ち、基本波成分信号Uが例えば低い方からしきい値Vrを越えたタイミングから、波形メモリ45に対するデータ信号Dyの書き込みを開始し、所定数Wのデータ信号の書き込みが終了した後で、基本波成分信号Uが低い方からしきい値Vrを越えるタイミングまで待機するという動作を所定回H繰り返す。なお、この所定数Wのデータ信号Dyの書き込みは、波形メモリ45の複数Hの異なる領域に対してそれぞれアドレス順に行う。
【0068】
演算部35′は、前記第1実施形態の演算部35と同様に、波形メモリ45に書き込まれたデータ信号Dyに基づいて、監視対象の光信号Pxの品質を表す値を算出する。
【0069】
次に、この第2実施形態の監視対象の光信号Pxの波形と、その取得タイミングとの関係について説明する。
【0070】
監視対象の光信号Pxが例えば試験用であって、図8の(a)のように所定ビット長Lの所定符号列で繰り返し変調されている場合、図8の(b)のように、サンプリング用光パルスPsの周期Tsを決めるNの値がビット長Lの整数K倍に等しい状態でサンプリングを行うことで図8の(c)、(d)のように、光信号Pxの時間軸を拡大した包絡線波形をもつ光パルス信号Pyが得られ、この光パルス信号Pyの受光信号Eyから、例えば図8の(e)のような正弦波の基本波成分信号Uが得られる。
【0071】
そして、基本波成分信号Uがしきい値Vrを越えたタイミングから図8の(f)のようにデータ取得が開始され、例えばJ・Tc/ΔT回(Uは整数)のサンプリングで得られたデータが取得される。このJビット分の波形データに対し前記演算を行うことでQ値を求めることができる。なお、図8の(d)〜(f)は、時間軸を狭めて示したものである。
【0072】
また、アイパターンを得る場合には、図8の(d)〜(f)に示しているように、波形データの取得を基本波成分信号Uがしきい値Vrを超えるタイミングから開始してJビット分行う処理を複数H回行い、図9のように波形メモリ45の異なる領域1〜Hにそれぞれ記憶する。
【0073】
そして、これらの複数領域の波形データDyをアドレス順に重ね合わせることで、図10のようなアイパターンを得ることができるが、これらの波形データの先頭データは基本波成分信号Uがしきい値Vrを超えたタイミングの直後にサンプリングされた値で、データ信号に正確に同期しているので、波形データの時間軸が大きくずれて重ね合わされることはなく、光信号の振幅のバラツキをほぼ正確に表している。
【0074】
このアイパターン上でビット内の位置と品質との関係を求める。例えば図10に示しているように2つのクロス点の中間点L(1ビットの中間点)におけるサンプル値に基づいて上記Qの値を算出して、前記した位置と無関係な全体データについてのQ値とともに図示しない通信手段を介して他装置へ通知する。
【0075】
また、光ネットワーク上に実際に伝送されているような光信号Pxは、図11の(a)のように繰り返し波形とならないが、この光信号Pxに対して、図11の(b)のようにN・Tc+ΔTの周期Tsでサンプリングを行った場合、光信号PxのNビットおきのデータについてΔTずつ異なるタイミングでサンプリングを行っていることになり、そのサンプリングによって得られる光パルス信号Pyのピーク値は、図11の(c)およびその時間軸を狭めた(d)のように、データ「1」、「0」に対応した振幅あるいはその間の遷移状態における振幅のいずれにもなり、光信号Pxの一定期間の連続した波形を拡大した包絡線波は得られないが、この包絡線波には、光信号Pxを変調しているデータ信号の基本波成分が含まれており、その基本波成分信号Uが図11の(e)のように得られる。
【0076】
そして、前記同様に、その基本波成分信号Uがしきい値Vrを越えたタイミングから図11の(f)のようにデータ取得が開始され、例えばJ・Tc/ΔT回(Uは整数)のサンプリングで得られたデータが取得される。このJビット分の波形データに対し前記演算を行うことでQ値を求めることができる。なお、図11の(d)〜(f)は、時間軸を狭めて示したものである。
【0077】
このJビット分の波形データはそれ自身がアイパターンを表しているとも言えるが、より多くのサンプル値を用いて光信号の品質をより正確に表すアイパターンを得る場合には、図11の(d)〜(f)に示しているように、波形データの取得を基本波成分信号Uがしきい値Vrを超えるタイミングから開始してJビット分行う処理を複数H回行い、前記同様に、波形メモリ45の異なる領域1〜Hにそれぞれ記憶し、これをアドレス順に重ね合わせることで、正確なアイパターンを得ることができる。
【0078】
この場合でも、各波形データの先頭データは基本波成分信号Uがしきい値Vrを超えたタイミングの直後にサンプリングされた値で、データ信号に正確に同期しているので、波形データの時間軸が大きくずれて重ね合わされることはなく、光信号の振幅のバラツキをほぼ正確に表している。
【0079】
上記した各実施形態の光信号品質モニタ20、20′に用いた光サンプリング装置22は、サンプリング用の素子としてCNT素子23を用い、そのCNT素子23に監視対象の光信号Pxを入射した状態で、サンプリング用光パルスPsを光カプラ25を介して入射させ、サンプリング用光パルスPsが入射したときに光信号Pxに対する吸収率を低下させることにより光信号に対するサンプリングを行っている。
【0080】
このため、サンプリング用として狭い幅の光パルスが使用でき、しかも、光信号に対するサンプリング効率を向上することができ、弱い光信号であってもその波形情報を精度よく得ることができる。また、CNT素子23は電界吸収型光変調器に比べて極めて安価で、電源およびその制御を必要としないため、光サンプリング装置として簡単且つ安価に構成できる。
【0081】
また、第2実施形態の光信号品質モニタ20′のように、サンプリングによって得られた信号から基本波成分信号Uを得て、波形取得の開始タイミングを同期させるようにしたものでは、異なる期間に取得されたデータ信号Dyの重ね合わせても、時間軸が大きくずれる恐れがなく、光信号のアイパターンを安定に得ることができる。
【0082】
なお、上記実施形態では、演算部35′により品質値やアイパターンを求めているが、演算部35′を省略して、波形メモリ45の各領域に書き込まれたデータを図示しない通信手段を介して外部の他装置へ伝送して、その他装置側で品質の演算処理やアイパターンを表示してもよい。
【0083】
上記実施形態の光信号品質モニタ20、20′に用いた光サンプリング装置22は、光信号PxをCNT素子23の一方の光端子23aに入射し、サンプリング用光パルスPsをサーキュレータ型の光カプラ25を介して他方の光端子23bから入射してサンプリングを行い、そのサンプリングで得られた光パルス信号Pyを光カプラ25を介して出射している。
【0084】
したがって、光信号Pxとサンプリング用光パルスPsの波長が等しい場合であってもサンプリングが可能である。
【0085】
また、上記光カプラ25は、サーキュレータ型であったが、一面側から入射した光を透過させ、その反対面側から入射した光を反射させるダイクロックカプラを用いることで、より安価に構成することができる。
【0086】
また、光信号Pxと波長が異なるサンプリング用光パルスPsを用いる場合、図12に示す光サンプリング装置22のように、光信号Pxとサンプリング用光パルスPsとを光カプラ25′で合波して、CNT素子23の一方の光端子23aに入射し、CNT素子23の他方の光端子23bから出射される光のうち、光信号Pxの波長成分の光パルス信号Py′のみを波長フィルタ29で選択的に出射させることも可能である。
【0087】
この場合の光カプラ25′としては、前記したダイクロックカプラ、WDMカプラを用いることができる。
【0088】
また、図13に示す光サンプリング装置22のように、光信号Pxを偏波制御器28に入射して、その偏光方向をサンプリング用光パルスPsの偏光方向を直交させてから、サンプリング用光パルスPsとともに偏波合波型の光カプラ25″に入射して合波し、その合波光をカーボンナノチューブ素子23の一方の光端子23aに入射させ、カーボンナノチューブ素子23の他方の光端子23bから出射される光のうち、光信号Pxの偏光成分のみを偏光フィルタ29′で選択する構成としてもよい。
【0089】
ここで、偏波制御器28としては、偏波コントローラ、偏光板、偏光ビームスプリッタが使用でき、偏光フィルタ29′としては、偏光板、偏光ビームスプリッタ等が使用できる。
【0090】
この構成では、光信号Pxとサンプリング用光パルスPsの波長が一致していてもサンプリングが可能となる。
【0091】
また、上記のように光信号とサンプリング用光パルスとをCNT素子23の同一光端子に入射する場合、CNT素子23を多素子化することで、出射する光パルス信号により高い消光比を与えることができる。
【0092】
図14はその構成例を示すものであり、CNT素子23としては、カーボンナノチューブが形成された素子部材としての積層ガラス板123を、その光入射面が入射光軸と直交する線に対して傾いた状態で複数枚並べている。
【0093】
このようにカーボンナノチューブが形成された積層ガラス板123を複数枚並べた構造の場合、光信号Pxとサンプリング用光パルスPsとが同一経路をほぼ同一速度で進むので、1枚目の積層ガラス板123に対してサンプリング用光パルスPsが入射されたタイミングにおける光信号Pxがサンプリングされ、そのサンプリングで得られた光パルス信号Py1がサンプリング用光パルスPsとともに2枚目の積層ガラス板123に入射されてサンプリングされるという処理が繰り返され、最終的に出射される光パルス信号Py4の消光比が高くなる。
【0094】
また、積層ガラス板123の光入射面を入射光軸に対して傾けているので、各積層ガラス板123の表面での反射成分Rが入射側に戻ることがなく、その影響を無視することができる。
【0095】
なお、積層ガラス板123に無視できない偏光依存性がある場合、上記のように複数の積層ガラス板123を平行に並べると、その偏光特性が重ね合わされて大きな偏光依存性が現れる。その場合には、図15に示すように、2枚一組の積層ガラス板123を入射光軸と直交する線に対して対称となるように傾けて配置すればよい。このようにすれば、1枚目の積層ガラス板123によって偏光状態が変化しても、2枚目の積層ガラス板123によってその変化が相殺されてほぼ無偏光特性が得られ、偏光依存性をほぼなくすことができる。
【0096】
また、前記した光サンプリング装置22では、サンプリング用光パルスPsを光カプラ25、25′を介してCNT素子23に入射していたが、図16に簡単な例を示すように、積層ガラス板123に入射される光信号Pxの光軸と異なる角度の光軸でサンプリング用光パルスPsを直接入射して、サンプリングを行うことも可能である。
【0097】
以上、CNT素子32の素子部材の例としてガラスの基板にCNT材を塗布して形成した積層ガラス板123を挙げて説明したが、基板が樹脂のもの、CNT材をポリマー溶剤と混合して固化形成したもの、あるいは、コアにCNT材を含有させた光ファイバ型のもの等を採用することができる。
【0098】
また、上記した光サンプリング装置22は、光信号品質モニタ20、20′だけでなく、他の光学装置の光サンプリング部として使用できる。
【符号の説明】
【0099】
20、20′……光信号品質モニタ、21……サンプリング用光パルス発生部、22……光サンプリング装置、23……CNT素子、25、25′、25″……光カプラ、28……偏波制御器、29……波長フィルタ、29′……偏光フィルタ、30……光電変換器、31……A/D変換器、35、35′……演算部、36……パラメータ設定部、41……基本波成分信号出力部、41a……帯域通過フィルタ、41b……電圧制御発振器、41c……位相比較器、42……コンパレータ、43……しきい値設定器、44……データ取得制御部、45……波形メモリ、123……積層ガラス板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング対象の光信号と所定周期のサンプリング用光パルスとを受け、前記光信号を前記サンプリング用光パルスによってサンプリングし、そのサンプリングによって得られた光パルス信号を出射する光サンプリング装置(22)において、
入射光のパワーに応じて該入射光に対する吸収率が変化する特性を有し、前記光信号と前記サンプリング用光パルスとを受けるカーボンナノチューブ素子(23)を備え、
前記カーボンナノチューブ素子に前記サンプリング用光パルスを入射させたときのみ前記光信号を小さい吸収率で出射させることを特徴とする光サンプリング装置。
【請求項2】
前記光信号は前記カーボンナノチューブ素子の一方の光端子に入射され、
前記サンプリング用光パルスを前記カーボンナノチューブ素子の他方の光端子に入射させるとともに、該カーボンナノチューブ素子の他方の光端子から出射される光パルス信号を前記サンプリング用光パルスの入射光路と異なる光路へ出射する光カプラ(25)を有していることを特徴とする請求項1記載の光サンプリング装置。
【請求項3】
前記サンプリング用光パルスの波長が前記光信号と異なる波長に設定されており、
前記光信号と前記サンプリング用光パルスとを合波して前記カーボンナノチューブ素子の一方の光端子に入射させる光カプラ(25′)と、
前記カーボンナノチューブ素子の他方の光端子から出射される光のうち、前記光信号の波長成分を選択的に出射する波長フィルタ(29)とを備えたことを特徴とする請求項1記載の光サンプリング装置。
【請求項4】
前記光信号と前記サンプリング用光パルスの偏光方向を互いに直交させるための偏波制御器(28)と、
前記偏光方向が互いに直交した前記光信号と前記サンプリング用光パルスとを合波して前記カーボンナノチューブ素子の一方の光端子に入射させる光カプラ(25″)と、
前記カーボンナノチューブ素子の他方の光端子から出射される光のうち、前記光信号の偏光成分を選択的に出射する偏光フィルタ(29′)とを備えたことを特徴とする請求項1記載の光サンプリング装置。
【請求項5】
前記カーボンナノチューブ素子は、カーボンナノチューブが形成された素子部材(123)をその光入射面が前記入射光軸と直交する線に対して傾きのある状態で複数並べて形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の光サンプリング装置。
【請求項6】
前記素子部材は、前記入射光軸と直交する線に対して対称に配置された2つを一組とすることを特徴とする請求項5記載の光サンプリング装置。
【請求項7】
監視対象の光信号を変調しているデータ信号のクロック周期(Tc)の整数(N)倍に対して所定オフセット時間(ΔT)だけ異なる周期(Ts)のサンプリング用光パルスを出射するサンプリング用光パルス発生部(21)と、
前記光信号を前記サンプリング用光パルスによってサンプリングし、そのサンプリングによって得られた光パルス信号を出力する光サンプリング装置(22)と、
前記光パルス信号を受けて電気信号に変換する光電変換器(30)と、
前記光電変換器の出力信号に基づいて、前記監視対象の光信号の品質を表す値を算出する演算部(35、35′)とを有する光信号品質モニタにおいて、
前記光サンプリング装置が、前記請求項1〜6のいずれかに記載の光サンプリング装置であることを特徴とする光信号品質モニタ。
【請求項8】
前記光電変換器の出力信号の包絡線波の基本波成分と等しい周波数の基本波成分信号を出力する基本波成分信号出力手段(41)と、
前記基本波成分信号と所定のしきい値とを比較するコンパレータ(42)と、
前記基本波成分信号が前記しきい値を超えるタイミングから前記光電変換器の出力信号に対する波形情報の取得を開始するデータ取得制御部(44)とを有していることを特徴とする請求項7記載の光信号品質モニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−204106(P2010−204106A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90419(P2010−90419)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【分割の表示】特願2007−122122(P2007−122122)の分割
【原出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】