説明

光センサおよび表示装置

【課題】小型、低コストかつ高精度の光センサを実現する。
【解決手段】本発明に係るカラーセンサ10は、R、G、Bのそれぞれの色に透過分光感度特性を有し、受光量に比例した大きさの光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bを発生する3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_Bと、光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bを選択するスイッチ回路11と、選択された光電流をデジタル信号に変換する1つのA/Dコンバータ12と、A/Dコンバータ12からのデジタル値を格納するレジスタ13と、格納されたデジタル値を端子SCLおよび端子SDAを介して出力するシリアルインターフェース回路14と、を備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明の明るさおよび色度(色味)をデジタル信号に変換するカラーセンサ(受光モジュール)に関し、特に、人間の色彩認識感覚に近い分光感度特性を有する受光素子を備えるカラーセンサ、および、そのカラーセンサを備える表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人の目は部屋の照明の色温度が異なっても、色の変化をあまり感じないようになっており、一般的にこの特性は色順応と呼ばれている。例えば、青っぽい(色温度が高い)蛍光灯照明の部屋から、黄色っぽい(色温度が低い)白熱灯照明の部屋に入ると、部屋の白い壁が最初は黄色っぽく見える。しかし、しばらく経つと黄色っぽく見えていた壁が白く見えるようになる。また、逆に黄色っぽい白熱灯照明の部屋から、青っぽい蛍光灯照明の部屋に入った場合、白い壁が青っぽく見える。しかし、しばらくすると青っぽい壁が、白く見えてくる。
【0003】
このように人間の視覚に色順応という特性があるために、部屋の照明の色が異なると、テレビの画像の色が同じでも、その画像は異なった色に見えることになる。よって、画像の色味を一定に見えるようにするためには、部屋の照明の色温度により、画像の色味を変化させる必要がある。近年、液晶テレビの高画質化に伴い、部屋の照明の種類によって画像の色味を変えることにより、部屋の照明の色温度が変化しても、自然な画像に見えるようにする機能に対する要望が高まってきている。部屋の色温度を検出して、目の色順応に対応するように画像の色味をコントロールすることができれば、照明光の色が変化しても、映像が自然に見えるようにすることができる。
【0004】
一般的な液晶テレビでは、マニュアル操作により照明の種類を初期設定で入力し、その照明下で画像が最適な色味になるようにコントロールするように構成されている。大型液晶テレビのように、白熱灯や蛍光灯を照明とする部屋に固定設置して使用される液晶テレビでは、部屋の照明の色温度の変化が少ないため、前記のように、液晶テレビの設置時に一度だけ手動で照明の種類を設定すればよい。しかしながら、携帯電話やモバイルPC等のように持ち運びが可能な機器に搭載される液晶画面の場合、周囲の照明が視聴場所によって刻々と変化する。また、近年のLED照明のように照明の色温度を自由に変更できるような照明の部屋に設置されている液晶テレビについても、同様に照明の色温度が大幅に変化する。そのため、照明の種類をマニュアルで設定する従来の方法では、照明の色温度の変更のたびに照明の種類を再設定する必要があり、煩雑である。
【0005】
さらに、近年、携帯電話や液晶テレビなどのバックライトの明るさを周囲の明るさに応じて自動的に調光することにより、携帯電話のバッテリー消耗や液晶テレビの消費電力を抑える要望が高まっている。また、液晶画像の視認性を向上させるために、人の視感度特性に近いカラー照度センサの需要が急増してきている。
【0006】
また、モバイルPC用途においても、最新のオペレーティングシステムでは光センサーを含めた多くのセンサーを使用して、使用環境に適合した画像が表示できるようになってきている。電子Bookなどにおいても、環境に適した最適な画像表示を行い、ディプレイの視認性を高める要望が、ますます高まると予想される。さらに、液晶バックライト自動調光用およびディスプレイの色味調整用のカラー照度センサでは、デジタル化による高機能化や高精度化だけでなく、より使いやすく、低コストであるとともに、小型化の要望も強くなっている。
【0007】
図22は、従来のカラーセンサの一例であるカラーセンサ200の構成を示すブロック図である。カラーセンサ200は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、3つの電流−電圧変換アンプ(IVアンプ)201R、201G、201B、3つのA/Dコンバータ202R、202G、202B、レジスタ203およびシリアルインターフェース回路204を備えている。
【0008】
各カラーフィルタF_R、R_G、F_Bは、R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの色に透過分光感度特性のピークを持つカラーフィルタであり、受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの受光面にそれぞれ貼付されている。各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bは、それぞれ外部から入射される光量に比例した光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bを発生させる。各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bには、それぞれIVアンプ201R、201G、201Bが接続されており、各IVアンプ201R、201G、201Bには、それぞれA/Dコンバータ202R、202G、202Bが接続されている。各IVアンプ201R、201G、201Bから出力されるアナログ電圧信号は、A/Dコンバータ202R、202G、202Bにそれぞれ入力される。アナログ電圧信号はデジタル値に変換され、レジスタ203にデジタル数値として格納される。これにより、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bに入射する光の強度を、シリアルインターフェース回路204を介して端子SCLおよび端子SDAから読み出すことができる。
【0009】
各A/Dコンバータ202R、202G、202Bのデジタル出力値は、カラーセンサ200が検知する照明光に含まれている赤、緑および青の成分の光の量を表している。これらのデジタル出力値をCPUなどで数値演算することにより、照明の色味や照度を測定することができ、測定された色味や照度に応じて、テレビなどの画像の色味やバックライトの明るさをコントロールすることができる。
【0010】
図22に示すカラーセンサ200と同様の構成は、例えば特許文献1および2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平8−330560号公報(1996年12月13日公開)
【特許文献2】特開2007−123153号公報(2007年5月17日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来のカラーセンサ200では、各受光素子の感度のばらつき、各IVアンプのゲインのばらつき、および、各A/Dコンバータの変換精度のばらつきによって、検出される照明の色味や照度に誤差が生じる。また、3つの受光素子の各々に対して、IVアンプおよびA/Dコンバータが必要になるため、カラーセンサ200のチップ面積が増大し、製造コストが高くなるという問題が生じる。
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、小型、低コストかつ高精度の光センサを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明に係る光センサは、互いに異なる分光感度特性を有し、受光量に比例した大きさの光電流を発生する複数の受光素子と、各受光素子からの光電流を選択する第1のスイッチ回路と、前記第1のスイッチ回路によって選択された光電流をデジタル信号に変換する1つのA/Dコンバータと、前記A/Dコンバータからのデジタル信号を処理して、各受光素子からの光電流に比例したデジタル値を出力するデジタル信号処理回路と、を備えることを特徴としている。
【0015】
上記の構成によれば、第1のスイッチ回路が、分光感度特性が互いに異なる受光素子からの光電流を選択し、A/Dコンバータが選択された光電流をデジタル信号に変換し、デジタル信号処理回路によって、光電流に比例したデジタル値が出力される。すなわち、複数の受光素子に対して、A/Dコンバータを1つ設ける構成であるため、各受光素子ごとにIVアンプおよびA/Dコンバータを設ける従来の構成に比べ、チップ面積を縮小でき、光センサの製造コストを抑えることができる。また、A/Dコンバータを共通化することができるため、A/Dコンバータのばらつきの影響を抑えることができる。したがって、小型、低コストかつ高精度の光センサを実現することができる。
【0016】
本発明に係る光センサでは、前記A/Dコンバータは、リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、前記選択された光電流の大きさと前記リファレンス電流の大きさとの比に比例した周波数のパルス信号を出力するIFコンバータと、前記パルス信号のパルス数をカウントするカウンタとを備え、前記A/Dコンバータは、前記カウンタの前記選択された光電流ごとのカウント値を前記デジタル信号として出力することが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、IFコンバータが、第1のスイッチ回路によって選択された光電流の大きさとリファレンス電流発生回路からのリファレンス電流の大きさとの比に比例した周波数のパルス信号を出力し、パルス信号のパルス数がカウンタによってカウントされる。よって、カウント値はA/Dコンバータに入力される光電流に比例した値となるので、A/Dコンバータは、光電流をデジタル信号に変換することができる。
【0018】
本発明に係る光センサでは、前記リファレンス電流発生回路は、前記受光素子と同数の電流源と、各電流源が発生する電流のいずれかを前記リファレンス電流として選択する第2のスイッチ回路と、各電流源が発生する電流の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、前記第2のスイッチ回路が選択する電流を発生する電流源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、各電流源が発生する電流の大きさは、当該電流が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、第2のスイッチ回路が各電流源が発生する電流のいずれかをリファレンス電流として選択する。また、第2のスイッチ回路が選択する電流を発生する電流源は、第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しているので、リファレンス電流は、選択される光電流に応じて変化する。ここで、各電流源が発生する電流の大きさは、トリミング回路によって、当該電流が選択されたときに第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例するように調整されるので、受光素子の感度のばらつきの影響を抑えることができる。したがって、光センサへの入射光の色度および照度の測定精度をさらに向上させることができる。
【0020】
本発明に係る光センサでは、前記トリミング回路は、前記電流源のうち1つの電流源以外の電流源が発生する電流の大きさを調整することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、電流源のうち1つの電流源の調整が不要となるので、回路規模の縮小や製品の測定時間の短縮が可能となる。
【0022】
本発明に係る光センサでは、前記第1のスイッチ回路は、前記光電流から複数の光電流を選択して、選択した光電流の和を出力可能に構成されていることが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、第1のスイッチ回路が1つの光電流のみを選択可能な構成に比べ、デジタル値の演算を少なくすることができる。
【0024】
本発明に係る光センサでは、上記第1のスイッチ回路は、各受光素子からの光電流をそれぞれ所定時間選択することが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、所定時間をある程度長くすることで、A/D変換の時間が長くなるため、光センサへの入射光が低くても、高い精度で色度や照度を検出できる。
【0026】
本発明に係る光センサでは、上記第1のスイッチ回路は、各受光素子からの光電流を1つずつ選択するシーケンスを所定回数繰り返し、前記デジタル信号処理回路は、前記所定回数繰り返されたシーケンスにおける、各受光素子からの光電流に対応するデジタル値の合計を出力することが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、各シーケンスにおける各光電流のA/D変換のタイミングが近接しているため、カラーセンサへの入射光の時間的な変化が大きい場合でも、各光電流に対応する正確なデジタル値を読み出すことができる。
【0028】
本発明に係る光センサでは、前記A/Dコンバータは、前記選択された光電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定の範囲である場合にハイレベルのパルス信号を出力するウィンドウコンパレータと、前記パルス信号がハイレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例することが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、積分器に選択された光電流が入力されることにより、積分器の出力電圧が上昇する。また、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例するので、ウィンドウコンパレータが出力するパルス信号のハイレベルの期間は、選択された光電流の大きさに反比例する。よって、カウンタのカウント値は、選択された光電流に応じた値となるので、A/Dコンバータは、光電流をデジタル信号に変換することができる。
【0030】
本発明に係る光センサでは、前記A/Dコンバータは、前記選択された光電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定の範囲である場合にローレベルのパルス信号を出力するウィンドウコンパレータと、前記パルス信号がローレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例することが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、積分器に選択された光電流が入力されることにより、積分器の出力電圧が上昇する。また、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例するので、ウィンドウコンパレータが出力するパルス信号のローレベルの期間は、選択された光電流の大きさに反比例する。よって、カウンタのカウント値は、選択された光電流に応じた値となるので、A/Dコンバータは、光電流をデジタル信号に変換することができる。
【0032】
本発明に係る光センサでは、前記ウィンドウコンパレータは、前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の下限である第1のリファレンス電圧と比較する第1のコンパレータと、前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の上限である第2のリファレンス電圧と比較する第2のコンパレータと、前記第2のリファレンス電圧を発生するリファレンス電圧源と、を備え、前記リファレンス電圧源は、前記受光素子と同数の電圧源と、各電圧源が発生する電圧のいずれかを前記第2のリファレンス電圧として選択する第2のスイッチ回路と、各電圧源が発生する電圧の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、前記第2のスイッチ回路が選択する電圧を発生する電圧源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、当該電圧と前記第1のリファレンス電圧との電圧差は、当該電圧が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、所定の範囲が第1のリファレンス電圧と第2のリファレンス電圧との間の範囲であり、第2のリファレンス電圧を発生するリファレンス電圧源が、複数の電圧源と、各電圧源が発生する電圧のいずれかを第2のリファレンス電圧として選択する第2のスイッチ回路とを備えているので、上記の所定の範囲は、第1のスイッチ回路が選択する光電流に応じて変化する。ここで、第2のリファレンス電圧と第1のリファレンス電圧との電圧差、すなわち上記の所定の範囲は、第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例するように、トリミング回路によって調整されるので、受光素子の感度のばらつきの影響を抑えることができる。したがって、光センサへの入射光の色度および照度の測定精度をさらに向上させることができる。
【0034】
本発明に係る光センサでは、前記ウィンドウコンパレータは、前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の下限である第1のリファレンス電圧と比較する第1のコンパレータと、前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の上限である第2のリファレンス電圧と比較する第2のコンパレータと、前記第1のリファレンス電圧を発生するリファレンス電圧源と、を備え、前記リファレンス電圧源は、前記受光素子と同数の電圧源と、各電圧源が発生する電圧のいずれかを前記第1のリファレンス電圧として選択する第2のスイッチ回路と、各電圧源が発生する電圧の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、前記第2のスイッチ回路が選択する電圧を発生する電圧源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、当該電圧と前記第2のリファレンス電圧との電圧差は、当該電圧が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、所定の範囲が第1のリファレンス電圧と第2のリファレンス電圧との間の範囲であり、第1のリファレンス電圧を発生するリファレンス電圧源が、複数の電圧源と、各電圧源が発生する電圧のいずれかを第1のリファレンス電圧として選択する第2のスイッチ回路とを備えているので、上記の所定の範囲は、第1のスイッチ回路が選択する光電流に応じて変化する。ここで、第1のリファレンス電圧と第2のリファレンス電圧との電圧差、すなわち上記の所定の範囲は、第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例するように、トリミング回路によって調整されるので、受光素子の感度のばらつきの影響を抑えることができる。したがって、光センサへの入射光の色度および照度の測定精度をさらに向上させることができる。
【0036】
本発明に係る光センサでは、前記トリミング回路は、前記電圧源のうち1つの電圧源以外の電圧源が発生する電圧の大きさを調整することが好ましい。
【0037】
上記の構成によれば、電圧源のうち1つの電圧源の調整が不要となるので、回路規模の縮小や製品の検査時間の短縮が可能となり、コストを低減することができる。
【0038】
本発明に係る光センサでは、前記A/Dコンバータは、リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、前記フリップフロップからの出力のハイパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記積分器は、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記リファレンス電流を電圧に変換し、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することが好ましい。
【0039】
上記の構成によれば、積分器は、第1のスイッチ回路によって選択された光電流が入力されることによって出力電圧が上昇し、リファレンス電流が入力されることによって出力電圧が低下する。また、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例し、積分器からの出力電圧の低下の速さは、リファレンス電流の大きさに比例するので、フリップフロップの出力のハイパルスの数は、積分器に入力される光電流とリファレンス電流との比に比例した値となる。これにより、カウンタのカウント値はA/Dコンバータに入力される光電流に応じた値となる。したがって、A/Dコンバータは、光電流をデジタル信号に変換することができる。
【0040】
本発明に係る光センサでは、前記A/Dコンバータは、リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、前記フリップフロップからの出力のローパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記積分器は、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記リファレンス電流を電圧に変換し、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することが好ましい。
【0041】
上記の構成によれば、積分器は、第1のスイッチ回路によって選択された光電流が入力されることによって出力電圧が上昇し、リファレンス電流が入力されることによって出力電圧が低下する。また、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例し、積分器からの出力電圧の低下の速さは、リファレンス電流の大きさに比例するので、フリップフロップの出力のローパルスの数は、積分器に入力される光電流とリファレンス電流との比に比例した値となる。これにより、カウンタのカウント値はA/Dコンバータに入力される光電流に応じた値となる。したがって、A/Dコンバータは、光電流をデジタル信号に変換することができる。
【0042】
本発明に係る光センサでは、前記A/Dコンバータは、リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号がハイレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記積分器は、出力電圧がゼロの状態で前記選択された光電流が入力され、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過するまで、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記一定時間経過後、前記リファレンス電流を電圧に変換し、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することが好ましい。
【0043】
上記の構成によれば、積分器は、第1のスイッチ回路によって選択された光電流が入力されることによって出力電圧が上昇し、リファレンス電流が入力されることによって出力電圧が低下する。また、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例し、積分器からの出力電圧の低下の速さは、リファレンス電流の大きさに比例するので、コンパレータからのパルス信号のハイレベルの期間は、選択された光電流に比例する。これにより、カウンタのカウント値はA/Dコンバータに入力される光電流に応じた値となる。したがって、A/Dコンバータは、光電流をデジタル信号に変換することができる。
【0044】
本発明に係る光センサでは、前記A/Dコンバータは、リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号がローレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記積分器は、出力電圧がゼロの状態で前記選択された光電流が入力され、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過するまで、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記一定時間経過後、前記リファレンス電流を電圧に変換し、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、積分器は、第1のスイッチ回路によって選択された光電流が入力されることによって出力電圧が上昇し、リファレンス電流が入力されることによって出力電圧が低下する。また、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例し、積分器からの出力電圧の低下の速さは、リファレンス電流の大きさに比例するので、コンパレータからのパルス信号のローレベルの期間は、選択された光電流に比例する。これにより、カウンタのカウント値はA/Dコンバータに入力される光電流に応じた値となる。したがって、A/Dコンバータは、光電流をデジタル信号に変換することができる。
【0046】
本発明に係る光センサでは、前記リファレンス電流発生回路は、前記受光素子と同数の電流源と、各電流源が発生する電流のいずれかを前記リファレンス電流として選択する第2のスイッチ回路と、各電流源が発生する電流の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、前記第2のスイッチ回路が選択する電流を発生する電流源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、各電流源が発生する電流の大きさは、当該電流が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、第2のスイッチ回路が各電流源が発生する電流のいずれかをリファレンス電流として選択する。また、第2のスイッチ回路が選択する電流を発生する電流源は、第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しているので、リファレンス電流は、選択される光電流に応じて変化する。ここで、各電流源が発生する電流の大きさは、トリミング回路によって、当該電流が選択されたときに第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例するように調整されるので、受光素子の感度のばらつきの影響を抑えることができる。したがって、光センサへの入射光の色度および照度の測定精度をさらに向上させることができる。
【0048】
本発明に係る光センサでは、前記トリミング回路は、前記電流源のうち1つの電流源以外の電流源が発生する電流の大きさを調整することが好ましい。
【0049】
上記の構成によれば、電流源のうち1つの電流源の調整が不要となるので、回路規模の縮小や製品の測定時間の短縮が可能となる。
【0050】
本発明に係る光センサでは、前記受光素子の各分光感度特性は、三原色に対応していることが好ましい。
【0051】
上記の構成によれば、受光素子にカラーフィルタを貼付することで、各受光素子に互いに異なる分光感度特性を与える場合、R、G、Bのカラーフィルタは安価であるため、光センサの製造コストを抑えることができる。
【0052】
本発明に係る光センサでは、前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号がハイレベルである期間にカウント動作を行なうカウンタとを備え、前記第1のスイッチ回路は、前記積分器の出力電圧がゼロの状態で、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、前記積分器の出力電圧がゼロになった後、前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記逆極性の電流の大きさに比例し、前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力して、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後と、前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後とにおいて、前記カウンタのカウント値はリセットされることが好ましい。
【0053】
上記の構成によれば、積分器には、受光素子からの光電流のいずれか、または、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流が入力される。第1のスイッチ回路は、積分器の出力電圧がゼロの状態で、受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記のいずれかの光電流の大きさに比例する。また、第1のスイッチ回路は、一定時間経過後から、積分器の出力電圧がゼロになるまで、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになった後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記の逆極性の電流の大きさに比例する。したがって、これらのカウント値から、上記のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比が算出される。同様に、第1のスイッチ回路は、積分器の出力電圧がゼロの状態で、受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記の他のいずれかの光電流の大きさに比例する。また、第1のスイッチ回路は、一定時間経過後から、積分器の出力電圧がゼロになるまで、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになった後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記の逆極性の電流の大きさに比例する。したがって、これらのカウント値から上記の他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比が算出される。
【0054】
受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しているため、上記のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比、および、上記の他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比に基づいて、CIE−xy色度図上の座標を簡単に求めることができる。この座標をプランク軌跡と比較することにより、高い精度で光センサへの入射光の色温度を測定することができる。
【0055】
本発明に係る光センサでは、前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号がローレベルである期間にカウント動作を行なうカウンタとを備え、前記第1のスイッチ回路は、前記積分器の出力電圧がゼロの状態で、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、前記積分器の出力電圧がゼロになった後、前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記逆極性の電流の大きさに比例し、前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力して、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後と、前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後と、において、前記カウンタのカウント値はリセットされることが好ましい。
【0056】
上記の構成によれば、積分器には、受光素子からの光電流のいずれか、または、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流が入力される。第1のスイッチ回路は、積分器の出力電圧がゼロの状態で、受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記のいずれかの光電流の大きさに比例する。また、第1のスイッチ回路は、一定時間経過後から、積分器の出力電圧がゼロになるまで、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになった後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記の逆極性の電流の大きさに比例する。したがって、これらのカウント値から、上記のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比が算出される。同様に、第1のスイッチ回路は、積分器の出力電圧がゼロの状態で、受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記の他のいずれかの光電流の大きさに比例する。また、第1のスイッチ回路は、一定時間経過後から、積分器の出力電圧がゼロになるまで、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を出力するとともに、カウンタは、一定時間経過後、積分器の出力電圧がゼロになった後にリセットされるので、このときのカウント値は、上記の逆極性の電流の大きさに比例する。したがって、これらのカウント値から上記の他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比が算出される。
【0057】
受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しているため、上記のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比、および、上記の他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比に基づいて、CIE−xy色度図上の座標を簡単に求めることができる。この座標をプランク軌跡と比較することにより、高い精度で光センサへの入射光の色温度を測定することができる。
【0058】
本発明に係る光センサでは、前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、前記フリップフロップからの出力のハイパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記第1のスイッチ回路は、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記逆極性の電流を出力することが好ましい。
【0059】
上記の構成によれば、フリップフロップからの出力がローレベルである場合、積分器には、受光素子からの光電流のいずれか、フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、積分器には、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流が入力される。ここで、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例し、積分器からの出力電圧の低下の速さは、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流の大きさに比例するので、フリップフロップの出力のハイパルスの数は、積分器に入力される光電流と全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流との比に比例した値となる。したがって、第1のスイッチ回路が、光電流のうち、2つの光電流を時分割で選択することにより、いずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比、および、他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比を算出することができる。
【0060】
受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しているため、上記のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比、および、上記の他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比に基づいて、CIE−xy色度図上の座標を簡単に求めることができる。この座標をプランク軌跡と比較することにより、高い精度で光センサへの入射光の色温度を測定することができる。
【0061】
本発明に係る光センサでは、前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、前記フリップフロップからの出力のローパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、前記第1のスイッチ回路は、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記逆極性の電流を出力することが好ましい。
【0062】
上記の構成によれば、フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、積分器には、受光素子からの光電流のいずれか、フリップフロップからの出力がローレベルである場合、積分器には、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流が入力される。ここで、積分器からの出力電圧の上昇の速さは、選択された光電流の大きさに比例し、積分器からの出力電圧の低下の速さは、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流の大きさに比例するので、フリップフロップの出力のローパルスの数は、積分器に入力される光電流と全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流との比に比例した値となる。したがって、第1のスイッチ回路が、光電流のうち、2つの光電流を時分割で選択することにより、いずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比、および、他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比を算出することができる。
【0063】
受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しているため、上記のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比、および、上記の他のいずれかの光電流の大きさと上記の逆極性の電流の大きさとの比に基づいて、CIE−xy色度図上の座標を簡単に求めることができる。この座標をプランク軌跡と比較することにより、高い精度で光センサへの入射光の色温度を測定することができる。
【0064】
本発明に係る表示装置は、画像が表示される表示画面を有する表示装置であって、上記のいずれかの光センサを、前記表示装置の周囲光の色度を検知するセンサとして備え、前記光センサから出力されるデジタル値に基づいて、前記画像の色度が調整されることを特徴としている。
【0065】
上記の構成によれば、周囲光の変化に応じて、画像の色あいを、目の色順応に対応するように高精度でコントロールすることができる。また、上記の光センサは、小型化が容易で、低コストであるため、表示装置への内蔵が容易であり、表示装置の製造コストも抑えることができる。
【0066】
本発明に係る表示装置は、画像が表示される表示画面を有する表示装置であって、上記のいずれかの光センサを、前記表示装置の周囲光の照度を検知するセンサとして備え、前記光センサから出力されるデジタル値に基づいて、前記画像の明るさが調整されることを特徴としている。
【0067】
上記の構成によれば、照明光の照度が変化しても、常に適度な明るさの画像を表示することができる。また、上記の光センサは、小型化が容易で、低コストであるため、表示装置への内蔵が容易であり、表示装置の製造コストも抑えることができる。
【発明の効果】
【0068】
以上のように、本発明に係る光センサは、互いに異なる分光感度特性を有し、受光量に比例した大きさの光電流を発生する複数の受光素子と、各受光素子からの光電流を選択する第1のスイッチ回路と、前記第1のスイッチ回路によって選択された光電流をデジタル信号に変換する1つのA/Dコンバータと、前記A/Dコンバータからのデジタル信号を処理して、各受光素子からの光電流に比例したデジタル値を出力するデジタル信号処理回路と、を備える構成である。したがって、小型、低コストかつ高精度の光センサを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施形態1に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態2に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態3に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態4に係るスイッチ回路の構成を示す回路図である。
【図5】図1に示すカラーセンサにおいて、光電流をスイッチ回路で切替えて、各受光素子に入射する光の強度に対応するデジタル値を読み出すシーケンスの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態6に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示すカラーセンサにおいて、光電流をスイッチ回路で切替えて、各受光素子に入射する光の強度に対応するデジタル値を読み出すシーケンスの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態7に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示すカラーセンサのA/Dコンバータにおける、積分器のスイッチに入力されるリセット信号、アンプの出力電圧、2つのリファレンス電圧、2つのコンパレータの出力信号、およびNORゲートの出力信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図10】本発明の実施形態8に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施形態9に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示すカラーセンサのA/Dコンバータにおける、コンパレータの反転入力端子に入力されるリファレンス電圧、アンプの出力電圧、およびコンパレータの出力信号のそれぞれの波形を示す図である。
【図13】本発明の実施形態10に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図14】三刺激値(X、Y、Z)の分光特性を示すグラフである。
【図15】図13に示すカラーセンサのA/Dコンバータに対する充電時における、スイッチ回路の状態の一例を示す回路図である。
【図16】図13に示すカラーセンサのA/Dコンバータに対する放電時における、スイッチ回路の状態の一例を示す回路図である。
【図17】図13に示すカラーセンサのA/Dコンバータに対する放電時における、スイッチ回路の状態の他の一例を示す回路図である。
【図18】黒体輻射光源の色温度が変化したときのxy色度図上の軌跡を示すグラフである。
【図19】図18に示すグラフにおいて、プランク軌跡の部分を拡大した図である。
【図20】本発明の実施形態10の変形例に係るカラーセンサの構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の実施形態11に係る液晶テレビの概略構成を示すブロック図である。
【図22】従来のカラーセンサの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態について図1に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0071】
(カラーセンサ10の構成)
図1は、本実施形態に係るカラーセンサ(光センサ)10の構成を示すブロック図である。カラーセンサ10は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、スイッチ回路(第1のスイッチ回路)11、A/Dコンバータ12、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。
【0072】
各カラーフィルタF_R、R_G、F_Bは、R(赤)、G(緑)、B(青)のそれぞれの色に透過分光感度特性のピークを持つカラーフィルタであり、受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの受光面にそれぞれ貼付されている。外部の照明光が各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bに入射するとき、照明光に含まれている赤、緑、青の成分の波長が各カラーフィルタF_R、R_G、F_Bによって選択され、波長選択されたそれぞれの光の強度に比例した光電流が、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bのカソードからアノードに流れる。これにより、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bは、互いに異なるR、G、Bの分光感度特性を有し、受光量に比例した大きさの光電流を発生する。ここで、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bが発生する光電流を、それぞれ光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bとする。
【0073】
スイッチ回路11は、3つの入力端子と1つの出力端子とを有している。スイッチ回路11の各入力端子には、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bがそれぞれ接続されている。また、スイッチ回路11の出力端子は、A/Dコンバータ12に接続されている。スイッチ回路11は、制御回路15からの測定モード制御信号により、スイッチ回路11に入力される3つの光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bのうち1つの光電流を選択する。これにより、次段のA/Dコンバータ12に選択された光電流が入力される。
【0074】
A/Dコンバータ12は、スイッチ回路11によって選択された光電流をデジタル信号に変換してデジタル値をレジスタ13に出力する。レジスタ13およびシリアルインターフェース回路14は、特許請求の範囲に記載のデジタル信号処理回路に相当し、A/Dコンバータ12からのデジタル信号を処理して、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bからの光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bに比例したデジタル値を出力する。具体的には、レジスタ13は、A/Dコンバータ12からのデジタル値を格納し、レジスタ13に格納されたデジタル値は、シリアルインターフェース回路14を介して端子SCLおよび端子SDAから読み出すことができる。
【0075】
(カラーセンサ10の動作)
上記の構成において、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを選択し、A/Dコンバータ12が光電流IPD_Rの電流値に対応するデジタル値をレジスタ13に出力する。同様に、スイッチ回路11が光電流IPD_G、IPD_Bを順次選択し、A/Dコンバータ12が光電流IPD_G、IPD_Bの各電流値に対応するデジタル値をレジスタ13に出力する。レジスタ13に格納された光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bから変換されたデジタル値は、シリアルインターフェース回路14を介してCPUなどに読み出される。
【0076】
ここで、各光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bが選択されているときのA/Dコンバータ12のデジタル出力値は、それぞれカラーセンサ10が検知する照明光に含まれている赤、緑および青の成分の光の量を表している。これらのデジタル出力値をCPUなどで数値演算することにより、照明の色味や照度を測定することができ、測定された色味や照度に応じて、テレビなどの画像の色味やバックライトの明るさをコントロールすることができる。なお、光電流をデジタル信号に変換するための具体的な構成は、第2の実施形態以降において説明する。
【0077】
さらに、本実施形態に係るカラーセンサ10では、1つのA/Dコンバータ12が3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_Bに共通に設けられている。そのため、カラーセンサ10は、図22に示す従来のカラーセンサ200のように、各受光素子ごとにA/Dコンバータを配置する構成と比較して、チップ面積を削減できる。また、従来のカラーセンサ200のように3つのA/Dコンバータ間の変換精度のばらつきによる誤差が発生しないため、A/Dコンバータのばらつきの影響を抑えることができるという利点を有する。特に、カラーセンサの測定精度は各受光素子の電流比に大きく影響されるため、A/Dコンバータを各受光素子に共通化して、信号処理回路部分のばらつきを最小限に抑えることの効果は大きい。
【0078】
なお、カラーセンサによる照明の照度および色味の検出精度に影響する他の要因としては、
(1)A/Dコンバータの線形性、
(2)受光素子の感度のばらつき、
(3)照明光に含まれるR、G、Bの各成分をスイッチ回路で切り替えて測定することによる時間的なズレによる誤差、
が挙げられる。
【0079】
(1)の要因については、使用するA/Dコンバータの線形性が良好であるほど検出精度への影響が少なくなるが、一般的な照明光では、R、G、Bの各成分があまりかけ離れた比にはならないため、ある程度の線形性を有するA/Dコンバータを選択すれば、大きな誤差は生じない。
【0080】
上記の要因の中で、特に(2)の要因は、最も検出精度への影響が大きいため、各受光素子の感度のばらつきを最小限に抑えることにより、入射光の色情報を高精度に得ることができる。各受光素子の感度のばらつきを最小限に抑える具体的な方法については、第3の実施形態において説明する。
【0081】
また、(3)の要因については、十分に長い時間繰り返し測定を行い、各受光素子の光電流値を平均化することにより、入射光の色情報の測定精度を高めることができる。なお、この測定方法の内容ついては、第5の実施形態において説明する。
【0082】
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について図2に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前述の第1の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0083】
(カラーセンサ20の構成)
図2は、本実施形態に係るカラーセンサ20の構成を示すブロック図である。カラーセンサ20は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、スイッチ回路11、A/Dコンバータ22、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。すなわち、カラーセンサ20は、図1に示すカラーセンサ10において、A/Dコンバータ12をA/Dコンバータ22に置き換えた構成である。A/Dコンバータ22は、スイッチ回路11によって選択された光電流をデジタル信号に変換してレジスタ13に出力する回路であり、IFコンバータ221と、リファレンス電流発生回路222と、カウンタ223と、発振器224とを備えている。
【0084】
(カラーセンサ20の動作)
IFコンバータ221は、電流を周波数に変換する回路であり、IFコンバータ221には、スイッチ回路11からの光電流と、リファレンス電流発生回路222が発生するリファレンス電流IREFとが入力される。これにより、IFコンバータ221は、スイッチ回路11からの光電流とリファレンス電流IREFとの比に比例した周波数のパルス信号をカウンタ223に出力する。カウンタ223は、ある一定の時間、IFコンバータ221からの出力パルス数をカウントし、そのカウント値をA/Dコンバータ22の出力デジタル値としてレジスタ13に出力する。これにより、カウント値は、A/Dコンバータ22に入力される光電流に比例した値となる。なお、発振器224は、カウンタ223がカウントする時間の基準となるクロック信号を発生する。
【0085】
以上の構成により、A/Dコンバータ22は、スイッチ回路11よって選択された光電流をデジタル信号に変換する。また、スイッチ回路11が選択する光電流を時分割で切り替えることにより、A/Dコンバータ22は、光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bごとのデジタル値を出力することができる。ここで、カウンタ223によるカウント時間を例えば100msに設定すると、商用電源の2種類の周波数(50Hzあるいは60Hz)のノイズの両方を除去することができ、環境光(蛍光灯や白熱灯等)の照度や色温度を確実に検出することができる。
【0086】
〔実施形態3〕
本発明の第3の実施形態について図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。カラーセンサに入射する照明光の色味を検出する際には、各受光素子の光電流の比の検出精度が重要となる。そこで本実施形態では、A/Dコンバータのリファレンス電流発生回路が発生するリファレンス電流の大きさを、スイッチ回路によって選択された光電流毎に切り替えることにより、3つの受光素子間の感度のばらつきを補正している。なお、説明の便宜上、前述の各実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0087】
(カラーセンサ30の構成)
図3は、本実施形態に係るカラーセンサ30の構成を示すブロック図である。カラーセンサ30は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、スイッチ回路11、A/Dコンバータ32、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。すなわち、カラーセンサ30は、図2に示すカラーセンサ20において、A/Dコンバータ22をA/Dコンバータ32に置き換えた構成である。A/Dコンバータ32は、スイッチ回路11によって選択された光電流をデジタル信号に変換してレジスタ13に出力する回路であり、IFコンバータ221と、リファレンス電流発生回路322と、カウンタ223と、発振器224とを備えている。すなわち、A/Dコンバータ32は、図2に示すリファレンス電流発生回路222をリファレンス電流発生回路322に置き換えた構成である。
【0088】
(カラーセンサ30の動作)
図3に示すように、リファレンス電流発生回路322は、スイッチ回路(第2のスイッチ回路)322Aと、3つのリファレンス電流源322R、322G、322Bと、トリミング回路322Cとを備えている。リファレンス電流源322R、322G、322Bは、受光素子PD_R、PD_G、PD_Bと同数設けられており、それぞれリファレンス電流IREF_R、IREF_G、IREF_Bを発生させる。スイッチ回路322Aは、3つの入力端子と1つの出力端子とを備えており、3つの入力端子はリファレンス電流源322R、322G、322Bにそれぞれ接続され、出力端子はIFコンバータ221に接続されている。これにより、スイッチ回路322Aは、リファレンス電流IREF_R、IREF_G、IREF_Bのいずれかを選択して、IFコンバータ221に選択したリファレンス電流を出力する。
【0089】
スイッチ回路322Aにおけるリファレンス電流の切り替えは、制御回路15からの測定モード制御信号によってスイッチ回路11における切り替えと連動して行われる。具体的には、スイッチ回路11が受光素子PD_Rからの光電流IPD_Rを選択しているときは、スイッチ回路322Aは、リファレンス電流源322Rからのリファレンス電流IREF_Rを選択する。同様に、スイッチ回路11が受光素子PD_Gからの光電流IPD_Gを選択しているときは、スイッチ回路322Aは、リファレンス電流源322Gからのリファレンス電流IREF_Gを選択し、スイッチ回路11が受光素子PD_Bからの光電流IPD_Bを選択しているときは、スイッチ回路322Aは、リファレンス電流源322Bからのリファレンス電流IREF_Bを選択する。
【0090】
ここで、各リファレンス電流IREF_R、IREF_G、IREF_Bの電流の大きさは、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度に比例するように、トリミング回路322Cによって調整される。これにより、3つの受光素子間の感度のばらつきを補正することができる。
【0091】
さらに、トリミング回路322Cは、3つのリファレンス電流のうち2つのリファレンス電流のみトリミングする構成であってもよい。すなわち、トリミング回路322Cは、リファレンス電流源322R、322G、322Bのうち1つの電流源以外の電流源が発生するリファレンス電流の大きさを調整する。例えば、リファレンス電流IREF_Gを基準として、リファレンス電流IREF_R、IREF_Bのみをトリミングすることにより、各リファレンス電流IREF_R、IREF_G、IREF_Bの電流値が、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度に比例した値となるように設定してもよい。続いて、各リファレンス電流の具体的な設定例について説明する。
【0092】
(リファレンス電流の設定)
ある一定照度の標準光源からの光が標準的なカラーセンサに入射したときの、R、G、Bの各成分の受光素子からの各光電流をそれぞれIPD_R1、IPD_G1、IPD_B1とする。また、上記標準的なカラーセンサにおける各リファレンス電流をそれぞれIREF_R1、IREF_G1、IREF_B1とする。ここで、各光電流が、
IPD_R1=1nA
IPD_G1=2nA
IPD_B1=1nA
であり、各リファレンス電流が、
IREF_R1=1μA
IREF_G1=1μA
IREF_B1=1μA
に設定されている。
【0093】
これに対し、標準光源からの光が本実施形態に係るカラーセンサ30に入射したときの各光電流が、
IPD_R=0.8nA
IPD_G=1.8nA
IPD_B=1.2nA
であり、G成分のリファレンス電流が、
IREF_G=0.9μA
に設定されているとする。このとき、R、B成分のリファレンス電流IREF_R、IREF_Bは、それぞれ以下のようにトリミングすればよい。
【0094】
IREF_R
=IREF_G×(IPD_R/IPD_G)×(IPD_G1/IPD_R1)
=0.9uA×(0.8nA/1.8nA)×(2nA/1nA)
=0.8μA
IREF_B
=IREF_G×(IPD_B/IPD_G)×(IPD_G1/IPD_B1)
=0.9uA×(1.2nA/1.8nA)×(2nA/1nA)
=1.2μA
これにより、カラーセンサ30への入射光の色温度を正確に測定することができ、精度の高いカラーセンサを実現することが可能となる。また、リファレンス電流IREF_Gのトリミングが不要となるので、回路規模の縮小や製品の検査時間の短縮が可能となり、コストを低減することができる。
【0095】
〔実施形態4〕
本発明の第4の実施形態について図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、3つの受光素子からの各光電流を任意に加算できるスイッチ回路について説明する。
【0096】
(スイッチ回路21の構成)
図4は、本実施形態に係るスイッチ回路(第1のスイッチ回路)21の構成を示す回路図である。スイッチ回路21は、3つのスイッチSW_R、SW_G、SW_Bを備えている。スイッチSW_Rの一端は、受光素子PD_Rのカソードに接続されており、スイッチSW_Gの一端は、受光素子PD_Gのカソードに接続されており、スイッチSW_Bの一端は、受光素子PD_Bのカソードに接続されている。スイッチSW_Rの他端、スイッチSW_Gの他端およびスイッチSW_Bの他端は、互いに接続されているとともに、図示しないA/Dコンバータに接続されている。
【0097】
(スイッチ回路21の動作)
上記の構成において、例えば、スイッチSW_RおよびスイッチSW_GをONにして、スイッチSW_BをOFFにした場合、光電流IPD_Rと光電流IPD_Gとを加算した電流が、スイッチ回路21からA/Dコンバータに入力される。また、スイッチSW_R、スイッチSW_GおよびスイッチSW_Bを全てONにした場合、光電流IPD_Rと光電流IPD_Gと光電流IPD_Bとを加算した電流が、スイッチ回路21からA/Dコンバータに入力される。
【0098】
このように、本実施形態では、スイッチ回路21は、光電流から複数の光電流を選択して、選択した光電流の和を出力可能に構成されている。各光電流を任意に加算することにより、デジタル値の演算を少なくすることができるという利点がある。例えば、
IPD_R/(IPD_R+IPD_G+IPD_B)
の値が必要な場合、光電流の加算ができない場合は、IPD_R、IPD_G、IPD_Bの各光電流値をそれぞれデジタル変換して、加算および除算を行う必要がある。すなわち、3回のデジタル変換と2回のデジタル演算が必要になる。
【0099】
これに対し本実施形態では、上記の値を求める場合、スイッチ回路21の各スイッチの切り替えにより、スイッチ回路21の出力電流を、IPD_R+IPD_G+IPD_Bとしてデジタル変換し、続いて、スイッチ回路21の出力電流を、IRPD_Rとしてデジタル変換して、除算すればよい。すなわち、2回のデジタル変換と1回のデジタル演算をするだけでよい。これにより、A/D変換の回数および演算回数を少なくすることができるため、演算の高速化が可能となる。なお、スイッチ回路21に接続されるA/Dコンバータでは、IFコンバータに入力されるリファレンス電流を、加算する光電流の組み合わせに対応して可変としてもよい。
【0100】
〔実施形態5〕
本発明の第5の実施形態について図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、A/Dコンバータからのデジタル信号を処理して、各受光素子が発生する光電流に比例したデジタル値を出力するデジタル信号処理の一例について説明する。
【0101】
(デジタル信号処理のシーケンス)
図5は、図1に示すカラーセンサ10において、光電流をスイッチ回路で切替えて、各受光素子に入射する光の強度に対応するデジタル値を読み出すシーケンスの一例を示す図である。第1の実施形態において説明したように、各光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bのうちスイッチ回路11によって選択された光電流は、A/Dコンバータ12によってデジタル値に変換される。A/Dコンバータ12からのデジタル値はレジスタ13に格納され、その後、レジスタ13からシリアルインターフェース回路14を経由してCPU等に読み出される。
【0102】
図5に示すシーケンスでは、まず、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを所定時間選択する。これにより、光電流IPD_RがA/Dコンバータ12によってデジタル値に変換されてレジスタ13に格納され(R測定)、受光素子PD_Rに入射する光の強度に応じたデジタル値が、レジスタ13から読み出される(R読出)。次に、スイッチ回路11は、光電流IPD_Gを所定時間選択する。これにより、光電流IPD_GがA/Dコンバータ12によってデジタル値に変換されてレジスタ13に格納され(G測定)、受光素子PD_Gに入射する光の強度に応じたデジタル値が、レジスタ13から読み出される(G読出)。次に、スイッチ回路11は、光電流IPD_Bを所定時間選択する。これにより、光電流IPD_BがA/Dコンバータ12によってデジタル値に変換されてレジスタ13に格納され(B測定)、受光素子PD_Bに入射する光の強度に応じたデジタル値が、レジスタ13から読み出される(B読出)。
【0103】
このシーケンスを繰り返すことにより、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bに入射する光の強度に応じたデジタル値がシリアルインターフェース回路14を経由してCPUに読み出され、そのデジタル値を照明の色温度などの演算に使用することができる。さらに、このシーケンスを何回も繰り返して、レジスタ13がオーバーフローしない範囲でA/Dコンバータ12からの各デジタル値を順次加算することにより、カラーセンサ10への入射光の照度が低い場合であっても、高い精度で入射光の色温度を測定することが可能となる。
【0104】
〔実施形態6〕
本発明の第6の実施形態について図6および図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、A/Dコンバータからのデジタル信号を処理して、各受光素子が発生する光電流に比例したデジタル値を出力するデジタル信号処理の他の一例について説明する。なお、説明の便宜上、前述の第1の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0105】
(カラーセンサ40の構成)
図6は、本実施形態に係るカラーセンサ40の構成を示すブロック図である。カラーセンサ40は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、スイッチ回路11、A/Dコンバータ12、シリアルインターフェース回路14、制御回路15、スイッチ回路41および3つのレジスタ43R、43G、43Bを備えている。
【0106】
スイッチ回路41は、1つの入力端子と3つの出力端子とを有している。スイッチ回路41の入力端子には、A/Dコンバータ12が接続されている。また、スイッチ端子の各出力端子は、レジスタ43R、43G、43Bにそれぞれ接続されている。さらに、レジスタ43R、43G、43Bは、シリアルインターフェース回路14に接続されている。スイッチ回路41は、制御回路15からの測定モード制御信号により、A/Dコンバータ12とレジスタ43R、43G、43Bのいずれかとの接続を切り替える。これにより、A/Dコンバータ12からのデジタル信号は、レジスタ43R、43G、43Bのいずれかに入力される。
【0107】
また、スイッチ回路41の切り替え動作とスイッチ回路11の切り替え動作とは、互いに連動している。具体的には、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを選択しているときは、スイッチ回路41は、A/Dコンバータ12とレジスタ43Rとを接続し、スイッチ回路11が光電流IPD_Gを選択しているときは、スイッチ回路41は、A/Dコンバータ12とレジスタ43Gとを接続し、スイッチ回路11が光電流IPD_Bを選択しているときは、スイッチ回路41は、A/Dコンバータ12とレジスタ43Bとを接続する。
【0108】
(カラーセンサ40におけるデジタル信号処理のシーケンス)
図7は、図6に示すカラーセンサ40において、光電流をスイッチ回路で切替えて、各受光素子に入射する光の強度に対応するデジタル値を読み出すシーケンスの一例を示す図である。このシーケンスでは、まず、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを所定時間選択し、スイッチ回路41がA/Dコンバータ12とレジスタ43Rとを接続する。これにより、光電流IPD_Rに対応するデジタル値がレジスタ43Rに格納される(R測定)。次に、スイッチ回路11が光電流IPD_Gを所定時間選択し、スイッチ回路41がA/Dコンバータ12とレジスタ43Gとを接続する。これにより、光電流IPD_Gに対応するデジタル値がレジスタ43Gに格納される(G測定)。次に、スイッチ回路11が光電流IPD_Bを所定時間選択し、スイッチ回路41がA/Dコンバータ12とレジスタ43Bとを接続する。これにより、光電流IPD_Bに対応するデジタル値がレジスタ43Bに格納される(B測定)。このように、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bが発生する光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bが、連続してデジタル値に変換され、各レジスタ43R、43G、43Bにそれぞれ格納される。
【0109】
その後、各レジスタ43R、43G、43Bに格納されたデジタル値は、シリアルインターフェース回路14を介して、連続して読み出される。具体的には、レジスタ43Rに格納された、光電流IPD_Rに対応するデジタル値の合計が読み出され(R読出)、続いて、レジスタ43Gに格納された、光電流IPD_Gに対応するデジタル値の合計が読み出され(G読出)、最後に、レジスタ43Bに格納された、光電流IPD_Bに対応するデジタル値の合計が読み出される(B読出)。
【0110】
このシーケンスを繰り返すことにより、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bに入射する光の強度に応じたデジタル値がシリアルインターフェース回路14を経由してCPUに読み出され、そのデジタル値を照明の色温度などの演算に使用することができる。また、実施形態5の構成に比べ、各シーケンスにおける各光電流のA/D変換のタイミングが近接しているため、カラーセンサへの入射光の時間的な変化が大きい場合でも、各光電流に対応する正確なデジタル値を読み出すことができる。
また、この場合も、上記のシーケンスを何回も繰り返して、各レジスタ43R、43G、43Bがオーバーフローしない範囲でA/Dコンバータ12からの各デジタル値を順次加算することにより、カラーセンサ40への入射光の照度が低い場合であっても、高い精度で入射光の色温度を測定することが可能となる。
【0111】
〔実施形態7〕
本発明の第7の実施形態について図8および図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、光電流をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを、電流−パルス幅変換器およびパルス幅カウンタで構成した例について説明する。なお、説明の便宜上、前述の第1の実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0112】
(カラーセンサ50の構成)
図8は、本実施形態に係るカラーセンサ50の構成を示すブロック図である。カラーセンサ50は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、スイッチ回路11、A/Dコンバータ52、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。すなわち、カラーセンサ50は、図1に示すカラーセンサ10において、A/Dコンバータ12をA/Dコンバータ52に置き換えた構成である。A/Dコンバータ52は、スイッチ回路11によって選択された光電流をデジタル信号に変換してレジスタ13に出力する回路であり、積分器521と、2つのコンパレータCOMP1、COMP2と、2つのSR型フリップフロップFF1、FF2と、NORゲートNOR1と、2つのリファレンス電圧源522、523と、カウンタ524と、発振器525とを備えている。積分器521と、2つのコンパレータCOMP1、COMP2と、2つのSR型フリップフロップFF1、FF2と、NORゲートNOR1と、2つのリファレンス電圧源522、523とは、電流−パルス幅変換器として機能し、カウンタ524と、発振器525とは、パルス幅カウンタとして機能する。なお、コンパレータCOMP1、COMP2と、2つのSR型フリップフロップFF1、FF2と、NORゲートNOR1とで、特許請求の範囲に記載のウィンドウコンパレータを構成している。
【0113】
積分器521は、アンプAMP1、容量CINT、およびスイッチSW1を有しており、入力される電流を積分して電圧信号に変換する。アンプAMP1の反転入力端子は、スイッチ回路11の出力端子に接続されており、アンプAMP1の非反転入力端子は接地されている。また、アンプAMP1の反転入力端子と出力端子との間には、容量CINTおよびスイッチSW1が並列接続されている。スイッチSW1のON/OFFは、リセット信号Reset1によって制御される。
【0114】
(カラーセンサ50の動作)
各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bからの光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bは、制御回路15からの測定モード制御信号に基づいてスイッチ回路11によって選択され、積分器521のアンプAMP1の反転入力端子に選択された光電流が入力される。積分器521は、スイッチSW1がONとなる(短絡される)ことによりリセットされ、アンプAMP1の出力電圧はゼロになる。この状態でスイッチSW1がOFFになる(開放される)と、容量CINTに選択された光電流が充電され、積分器521は積分動作を開始する。
【0115】
例えば、測定モード制御信号により、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを選択している場合、積分器521の出力電圧(すなわち、アンプAMP1の出力電圧)は、
∫(IPD_R/CINT)・dt
となる。したがって、積分器521の出力電圧は、時間の経過とともに上昇し、その上昇の速さは、光電流IPD_Rの大きさに比例する。積分器521の出力電圧は、コンパレータCOMP1、COMP2、フリップフロップFF1、FF2およびNORゲートNOR1で構成されるウィンドウコンパレータに入力される。
【0116】
具体的には、積分器521の出力電圧は、コンパレータCOMP1の非反転入力端子およびコンパレータCOMP2の非反転入力端子に入力される。また、コンパレータCOMP1の反転入力端子には、リファレンス電圧源522が発生するリファレンス電圧VREFLが入力され、コンパレータCOMP2の反転入力端子には、リファレンス電圧源523が発生するリファレンス電圧VREFHが入力される。リファレンス電圧VREFZLおよびリファレンス電圧VREFHは、それぞれ特許請求の範囲に記載の第1のリファレンス電圧および第2のリファレンス電圧に相当する。また、リファレンス電圧VREFHは、リファレンス電圧VREFLよりも高く設定される。
【0117】
コンパレータCOMP1の出力端子は、フリップフロップFF1のセット入力端子に接続されており、コンパレータCOMP2の出力端子は、フリップフロップFF2のセット入力端子に接続されている。フリップフロップFF1の反転出力端子は、NORゲートNOR1の入力端子の一方に接続され、フリップフロップFF2の非反転出力端子は、NORゲートNOR1の入力端子の他方に接続されている。NORゲートNOR1の出力端子は、カウンタ524に接続されている。また、フリップフロップFF1およびフリップフロップFF2の各リセット入力端子には、リセット信号Reset2が入力される。これにより、ウィンドウコンパレータは、積分器521からの出力電圧が所定の範囲(リファレンス電圧VREFL〜リファレンス電圧VREFHの範囲)である場合にハイレベルのパルス信号を出力する。
【0118】
(A/Dコンバータの各構成要素における信号波形)
図9は、積分器521のスイッチSW1に入力されるリセット信号Reset1、アンプAMP1の出力電圧、リファレンス電圧VREFH、リファレンス電圧VREFL、コンパレータCOMP1の出力信号、コンパレータCOMP2の出力信号、およびNORゲートNOR1の出力信号のそれぞれの波形を示す図である。同図に示すように、積分器521の出力電圧がリファレンス電圧VREFLとリファレンス電圧VREFHとの間にある場合、コンパレータCOMP1の出力信号がHighレベルとなり、コンパレータCOMP2の出力信号がLowレベルとなるため、NORゲートNOR1の出力信号はHighレベルになる。A/Dコンバータ52では、NORゲートNOR1の出力信号のHighレベルの時間をカウンタ524によってカウントすることにより、各受光素子が発生する光電流をデジタル値に変換する。
【0119】
図9において、「R測定期間」とは、A/Dコンバータ52が光電流IPD_Rをデジタル信号に変換する期間であり、「G測定期間」とは、A/Dコンバータ52が光電流IPD_Gをデジタル信号に変換する期間であり、「B測定期間」とは、A/Dコンバータ52が光電流IPD_Bをデジタル信号に変換する期間である。A/Dコンバータ52は、光電流IPD_R、光電流IPD_G、光電流IPD_Bの順に時系列で変換を行う。
【0120】
まず、R測定期間の開始時において、リセット信号Reset1がHighレベルになることにより、積分器521のスイッチSW1がONとなる。これにより、積分器521がリセットされ、アンプAMP1の出力電圧がゼロになる。続いて、リセット信号Reset1がLowレベルになると、スイッチSW1がOFFになる。これにより、積分器521はスイッチ回路11から入力される光電流IPD_Rの積分を開始する。続いて、アンプAMP1の出力電圧がリファレンス電圧VREFLとリファレンス電圧VREFHとの間にある場合、NORゲートNOR1の出力信号がHighレベルとなる。このHighレベルの時間I2T_Rにおいて、カウンタ524は発振器525からのクロック信号のパルス数をカウントする。これにより、カウンタ524のカウント値は、光電流IPD_Rの電流値に応じた値となる。
【0121】
同様に、G測定期間におけるNORゲートNOR1の出力信号のHighレベルの時間I2T_G、およびB測定期間におけるNORゲートNOR1の出力信号のHighレベルの時間I2T_Bのそれぞれにおいて、カウンタ524は発振器525からのクロック信号のパルス数をカウントする。これにより、カウンタ524のカウント値は、光電流IPD_G、IPD_Bの各電流値に応じた値となる。
【0122】
以上のように、A/Dコンバータ52が、各光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bを順にデジタル値に変換することにより、精度良く入射光の色情報を得ることができる。
【0123】
(リファレンス電圧の設定)
さらに、本実施形態では、リファレンス電圧VREFLを一定とする一方、R測定期間、G測定期間、B測定期間の各期間におけるリファレンス電圧VREFHの値を互いに異ならせることにより、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度のばらつきを補正している。そのため、図8に示すA/Dコンバータ52では、リファレンス電圧VREFHを発生するリファレンス電圧源523は、スイッチ回路523(第2のスイッチ回路)Aと、3つの電圧源523R、523G、523Bと、トリミング回路523Cとを備えている。電圧源523R、523G、523Bは、受光素子PD_R、PD_G、PD_Bと同数設けられ、互いに異なる電圧VREFH_R、VREFH_G、VREFH_Bをそれぞれ発生する。
【0124】
スイッチ回路523Aは、3つの入力端子と1つの出力端子とを有している。スイッチ回路523Aの各入力端子には、各電圧源523R、523G、523Bがそれぞれ接続されている。また、スイッチ回路523Aの出力端子は、コンパレータCOMP2の反転入力端子に接続されている。スイッチ回路523Aは、制御回路15からの測定モード制御信号により、電圧VREFH_R、VREFH_G、VREFH_Bのうちのいずれかをリファレンス電圧VREFHとして選択する。これにより、コンパレータCOMP2の反転入力端子には、リファレンス電圧VREFHとして、スイッチ回路523Aによって選択された電圧が入力される。具体的には、R測定期間の開始時にリセット信号Reset1がHighレベルになると、スイッチ回路523Aは電圧VREFH_Rを選択し、G測定期間の開始時にリセット信号Reset1がHighレベルになると、スイッチ回路523Aは電圧VREFH_Gを選択し、B測定期間の開始時にリセット信号Reset1がHighレベルになると、スイッチ回路523Aは電圧VREFH_Bを選択する。
【0125】
また、各電圧VREFH_R、VREFH_G、VREFH_Bの大きさは、電圧VREFH_Rとリファレンス電圧VREFLとの電圧差、電圧VREFH_Gとリファレンス電圧VREFLとの電圧差、および電圧VREFH_Bとリファレンス電圧VREFLとの電圧差が、それぞれ各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度に比例するように調整されている。これにより、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度のばらつきを補正することができる。
【0126】
さらに、トリミング回路523Cは、電圧VREFH_R、VREFH_G、VREFH_Bのうち1つの電圧以外の電圧の大きさを調整する構成である。例えば、トリミング回路523Cは、電圧VREFH_Gを基準として、トリミング回路523Cが電圧VREFH_Rおよび電圧VREFH_Bをトリミングする。これにより、電圧VREFH_Gのトリミングが不要となるので、回路規模の縮小や製品の検査時間の短縮が可能となり、コストを低減することができる。
【0127】
また、本実施形態に係るカラーセンサ50では、入射光の照度が低くなるに従って、電流−パルス幅変換回路の出力(NOR1の出力)のパルス幅が長くなるため、低照度時の測定精度を高めることができるという利点がある。また、カラーセンサ50に入射する光のダイナミックレンジを広げるために、積分器521の容量CINTの容量値を、測定しようとする入射光の強度に合わせて、切替えてもよい。
【0128】
なお、本実施形態では、リファレンス電圧VREFLを一定とし、リファレンス電圧VREFHを可変としていたが、これに限定されず、リファレンス電圧VREFHを一定とし、リファレンス電圧VREFLを可変とする構成であってもよい。また、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度のばらつきが無視できる程度であれば、R測定期間の開始時からB測定期間の終了時まで、リファレンス電圧VREFLおよびリファレンス電圧VREFHを、ともに一定値としてもよい。
【0129】
また、本実施形態では、A/Dコンバータのウィンドウコンパレータは、積分器からの出力電圧が所定の範囲である場合にHighレベルのパルス信号を出力する構成であったが、これに限定されず、積分器からの出力電圧が所定の範囲である場合にLowレベルのパルス信号を出力する構成であってもよい。また、A/Dコンバータのカウンタは、ウィンドウコンパレータの出力がHighレベルの期間に動作する構成であったが、これに限定されず、ウィンドウコンパレータの出力がLowレベルの期間に動作する構成であってもよい。
【0130】
〔実施形態8〕
本発明の第8の実施形態について図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、光電流をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを、ΔΣ変調器で構成した例について説明する。なお、説明の便宜上、前述の各実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0131】
(カラーセンサ60の構成)
図10は、本実施形態に係るカラーセンサ60の構成を示すブロック図である。カラーセンサ60は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、スイッチ回路11、A/Dコンバータ62、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。すなわち、カラーセンサ60は、図1に示すカラーセンサ10において、A/Dコンバータ12をA/Dコンバータ62に置き換えた構成である。A/Dコンバータ62は、スイッチ回路11によって選択された光電流をデジタル信号に変換してレジスタ13に出力する回路であり、積分器521と、リファレンス電流発生回路322と、スイッチSW2と、コンパレータCOMP3と、電圧源622と、D型フリップフロップFF3と、カウンタ524と、発振器525とを備えている。積分器521およびリファレンス電流発生回路322は、それぞれ図8および図3に示すものと同一である。
【0132】
積分器521のアンプAMP1の反転入力端子は、スイッチ回路11の出力端子に接続されている。リファレンス電流発生回路322は、アンプAMP1の反転入力端子とスイッチ回路11の出力端子との接続点に、スイッチSW2を介して接続されている。アンプAMP1の出力端子は、コンパレータCOMP3の非反転入力端子に接続されている。電圧源622は、リファレンス電圧VREFを発生する電圧源であり、コンパレータCOMP3の反転入力端子に接続されている。コンパレータCOMP3の出力端子は、フリップフロップFF3のデータ入力端子に接続されており、フリップフロップFF3の非反転出力端子は、カウンタ524およびスイッチSW2に接続されている。また、フリップフロップFF3のクロック端子には、発振器525からのクロック信号が入力される。これにより、コンパレータCOMP3は、積分器521からの出力電圧が所定値(リファレンス電圧VREF)以上である場合に、ハイレベルのパルス信号をフリップフロップFF3に出力し、フリップフロップFF3は、そのパルス信号をクロック信号に同期してシフトする。
【0133】
(カラーセンサ60の動作)
各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bからの光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bは、制御回路15からの測定モード制御信号に基づいてスイッチ回路11によって選択され、積分器521のアンプAMP1の反転入力端子に選択された光電流が入力される。このとき、スイッチSW2はOFFとなっている。ここで、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを選択している場合、積分器521の容量CINTに光電流IPD_Rが充電され、積分器521の出力電圧が上昇する。積分器521の出力電圧は、コンパレータCOMP3の非反転入力端子に入力され、コンパレータCOMP3は、積分器521の出力電圧をリファレンス電圧VREFと比較する。
【0134】
積分器521の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも高くなると、コンパレータCOMP3の出力は、LowレベルからHighレベルに反転する。コンパレータCOMP3の出力は、フリップフロップFF3のデータ入力端子に入力され、フリップフロップFF3は、発振器525から入力されるクロック信号に同期したパルスをカウンタ524に出力する。また、フリップフロップFF3の出力は、スイッチSW2のON/OFFを制御する。
【0135】
具体的には、フリップフロップFF3の出力がLowレベルの場合、スイッチSW2はOFFになり、リファレンス電流発生回路322は、積分器521から遮断される。一方、フリップフロップFF3の出力がHighレベルの場合、スイッチSW2はONになり、リファレンス電流発生回路322からのリファレンス電流IREFが、アンプAMP1の反転入力端子に入力される。すなわち、積分器521は、フリップフロップFF3からの出力がLowレベルである場合、スイッチ回路11によって選択された光電流を電圧に変換し、フリップフロップFF3からの出力がHighレベルである場合、リファレンス電流IREFを電圧に変換する。また、積分器521からの出力電圧の上昇の速さは、スイッチ回路11によって選択された光電流の大きさに比例し、積分器521からの出力電圧の低下の速さは、リファレンス電流IREFの大きさに比例する。
【0136】
さらに、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを選択しているとき、リファレンス電流発生回路322のスイッチ回路322Aは、制御回路15からの測定モード制御信号により、リファレンス電流源322Rが発生するリファレンス電流IREF_Rを選択する。同様に、スイッチ回路11が光電流IPD_Gを選択しているとき、スイッチ回路322Aは、リファレンス電流源322Gが発生するリファレンス電流IREF_Gを選択し、スイッチ回路11が光電流IPD_Bを選択しているとき、スイッチ回路322Aは、リファレンス電流源322Bが発生するリファレンス電流IREF_Bを選択する。
【0137】
(リファレンス電流の設定)
また、各リファレンス電流IREF_R、IREF_G、IREF_Bの電流値は、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度に比例するように、トリミング回路322Cによって調整される。これにより、3つの受光素子間の感度のばらつきを補正することが可能となっている。例えば、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを選択しているときに、フリップフロップFF3の出力がHighレベルになると、スイッチSW2がONになるとともに、スイッチ回路11は、どの光電流もA/Dコンバータ62に入力されない状態となる。これにより、積分器521にリファレンス電流IREF_Rが入力されるため、積分器521の出力電圧が低下する。その後、積分器521の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも低くなると、コンパレータCOMP3の出力信号がLowレベルになり、フリップフロップFF3の出力信号もクロック信号に同期してLowレベルになる。このとき、スイッチSW2がOFFになるとともに、スイッチ回路11は、再度光電流IPD_Rを選択してA/Dコンバータ62に入力する。これにより、リファレンス電流IREF_Rの積分器521への入力が中断されるため、積分器521の出力電圧は上昇に転じる。
【0138】
上記の動作を繰り返すことにより、フリップフロップFF3の出力信号のパルス数は、積分器521に入力される光電流IPD_Rとリファレンス電流IREF_Rとの比に比例した値となる。フリップフロップFF3の出力信号の一定時間におけるパルス数を、カウンタ524がカウントすることにより、A/Dコンバータ62は、光電流IPD_Rをデジタル値に変換することができる。
【0139】
光電流IPD_Gおよび光電流IPD_Bについても、同様の方法でデジタル値に変換することができる。カウンタ524からの出力されるデジタル値はレジスタ13に格納され、シリアルインターフェース回路14によって外部に読み出すことができる。
【0140】
なお、本実施形態では、A/Dコンバータのコンパレータは、積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にHighレベルのパルス信号を出力する構成であったが、これに限定されず、積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にLowレベルのパルス信号を出力する構成であってもよい。また、A/Dコンバータのカウンタは、コンパレータの出力がHighレベルの期間に動作する構成であったが、これに限定されず、コンパレータの出力がLowレベルの期間に動作する構成であってもよい。この場合、積分器は、フリップフロップからの出力がHighレベルである場合、スイッチ回路によって選択された光電流を電圧に変換し、フリップフロップからの出力がLowレベルである場合、リファレンス電流を電圧に変換する。
【0141】
〔実施形態9〕
本発明の第9の実施形態について図11および図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、光電流をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを、2重積分型で構成した例について説明する。なお、説明の便宜上、前述の各実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0142】
(カラーセンサ70の構成)
図11は、本実施形態に係るカラーセンサ70の構成を示すブロック図である。カラーセンサ70は、3つのカラーフィルタF_R、R_G、F_B、3つの受光素子PD_R、PD_G、PD_B、スイッチ回路11、A/Dコンバータ72、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。すなわち、カラーセンサ70は、図1に示すカラーセンサ10において、A/Dコンバータ12をA/Dコンバータ72に置き換えた構成である。A/Dコンバータ72は、スイッチ回路11によって選択された光電流をデジタル信号に変換してレジスタ13に出力する回路であり、積分器521と、リファレンス電流発生回路322と、スイッチSW2と、コンパレータCOMP3と、カウンタ524と、発振器525とを備えている。積分器521、リファレンス電流発生回路322、コンパレータCOMP3、カウンタ524および発振器525は、図10に示すものと同一である。コンパレータCOMP3の出力端子はカウンタ524に接続されている。なお、スイッチSW2のON/OFFは、制御回路75からの測定モード制御信号によって行われる。
【0143】
各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bからの光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bは、制御回路75からの測定モード制御信号に基づいてスイッチ回路11によって選択され、積分器521のアンプAMP1の反転入力端子に選択された光電流が入力される。ここで、スイッチ回路11が光電流IPD_Rを選択している場合の、A/Dコンバータ72の動作について説明する。
【0144】
(A/Dコンバータ72の動作)
図12は、コンパレータCOMP3の反転入力端子に入力されるリファレンス電圧VREF、アンプAMP1の出力電圧、およびコンパレータCOMP3の出力信号のそれぞれの波形を示す図である。積分器521がリセット信号Reset1によってリセットされ、アンプAMP1の出力電圧がゼロになった後、積分器521に光電流IPD_Rが入力されると、積分器521の容量CINTへの充電が開始される。なお、このときスイッチSW2はOFFとなっている。
【0145】
アンプAMP1の出力電圧は、コンパレータCOMP3の非反転入力端子に入力され、コンパレータCOMP3は、積分器521の出力電圧をリファレンス電圧VREFと比較する。アンプAMP1の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも高くなると、コンパレータCOMP3の出力は、LowレベルからHighレベルに反転する。コンパレータCOMP3の出力がLowレベルからHighレベルに反転した時点から一定時間(Tcon)、積分器521は光電流IPD_Rを積分する。よって、一定時間が経過した時点でのアンプAMP1の出力電圧は、光電流IPD_Rが大きいほど大きくなる。
【0146】
一定時間が経過後、測定モード制御信号によって、スイッチSW2がONに制御されると共に、スイッチ回路11では、どの受光素子もA/Dコンバータ72に接続されない状態となる。これにより、リファレンス電流発生回路322からのリファレンス電流IREF_Rが積分器521に入力され、アンプAMP1の出力電圧が低下する。また、スイッチSW2がONになると同時に、測定モード制御信号によってカウンタ524がカウント動作を開始する。さらに、アンプAMP1の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも低くなると、コンパレータCOMP3の出力信号がHighレベルからLowレベルに移行する。すなわち、積分器521は、出力電圧がゼロの状態でスイッチ回路11によって選択された光電流が入力され、コンパレータCOMP3の出力がLowレベルからHighレベルに変化してから一定時間経過するまで、スイッチ回路11によって選択された光電流を電圧に変換し、一定時間経過後、リファレンス電流IREFを電圧に変換する。また、積分器521からの出力電圧の上昇の速さは、スイッチ回路11によって選択された光電流の大きさに比例し、積分器521からの出力電圧の低下の速さは、リファレンス電流IREFの大きさに比例する。
【0147】
カウンタ524は、リファレンス電流IREF_Rの積分器521への入力の開始からコンパレータCOMP3の出力信号がLowレベルとなるまでの時間(t)、発振器525からのクロック信号のパルス数をカウントして、カウント値をレジスタ13に格納する。これにより、光電流IPD_Rをデジタル値に変換することができる。
【0148】
測定モード制御信号に基づいて、スイッチ回路11が時分割で選択する光電流を切り替えることにより、光電流IPD_Gおよび光電流IPD_Bについても、同様の方法でデジタル値に変換することができる。また、各リファレンス電流IREF_R、IREF_G、IREF_Bの電流値は、各受光素子PD_R、PD_G、PD_Bの感度に合わせて、トリミング回路322Cによって調整される。これにより、3つの受光素子間の感度のばらつきを補正することが可能となり、精度良く入射光の色情報を測定することができる。
【0149】
また、さらに、トリミング回路322Cは、3つのリファレンス電流のうち2つのリファレンス電流のみトリミングする構成であってもよい。例えば、リファレンス電流IREF_Gを基準として、リファレンス電流IREF_R、IREF_Bのみをトリミングしてもよい。これにより、リファレンス電流IREF_Gのトリミングが不要となるので、回路規模の縮小や製品の検査時間の短縮が可能となり、コストを低減することができる。
【0150】
なお、本実施形態では、A/Dコンバータのコンパレータは、積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にHighレベルのパルス信号を出力する構成であったが、これに限定されず、積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にLowレベルのパルス信号を出力する構成であってもよい。また、A/Dコンバータのカウンタは、コンパレータの出力がHighレベルの期間に動作する構成であったが、これに限定されず、コンパレータの出力がLowレベルの期間に動作する構成であってもよい。この場合、積分器は、フリップフロップからの出力がHighレベルである場合、スイッチ回路によって選択された光電流を電圧に変換し、フリップフロップからの出力がLowレベルである場合、リファレンス電流を電圧に変換する。
【0151】
〔実施形態10〕
本発明の第10の実施形態について図13〜図20に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、光電流を選択するスイッチ回路が受光素子の極性を逆転できるように構成し、さらに、各受光素子の透過分光感度特性を、人間の色彩認識感覚に近い三刺激値に対応させることにより、光源の厳密な色温度を検出可能な構成について説明する。なお、説明の便宜上、前述の各実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0152】
(カラーセンサ80の構成)
図13は、本実施形態に係るカラーセンサ80の構成を示すブロック図である。カラーセンサ80は、3つのカラーフィルタF_X、R_Y、F_Z、3つの受光素子PD_X、PD_Y、PD_Z、スイッチ回路(第1のスイッチ回路)81、A/Dコンバータ82、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。
【0153】
各受光素子PD_X、PD_Y、PD_Zの透過分光感度特性は、図14に示す三刺激値と呼ばれる透過分光感度特性に対応している。三刺激値は、xy色度図上の座標を求める基準、および光源の色温度を求める基準の分光分布として、JIS規格(JIS_Z8701およびJIS_Z8724)で規定されている。各受光素子PD_X、PD_Y、PD_Zのカソードからアノードに流れる光電流を、それぞれ光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zとする。
【0154】
(スイッチ回路81の構成)
スイッチ回路81は、光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zを加算および減算してA/Dコンバータ82に出力する機能を有しており、12個のスイッチSW_X1〜SW_X4、SW_Y1〜SW_Y4、SW_Z1〜SW_Z4を備えている。受光素子PD_Xのカソードは、スイッチSW_X1の一端およびスイッチSW_X4の一端に接続されている。受光素子PD_Xのアノードは、スイッチSW_X2の一端およびスイッチSW_X3の一端に接続されている。スイッチSW_X2の他端およびスイッチSW_X4の他端は、接地されている。受光素子PD_Yのカソードは、スイッチSW_Y1の一端およびスイッチSW_Y4の一端に接続されている。受光素子PD_Yのアノードは、スイッチSW_Y2の一端およびスイッチSW_Y3の一端に接続されている。スイッチSW_Y2の他端およびスイッチSW_Y4の他端は、接地されている。受光素子PD_Zのカソードは、スイッチSW_Z1の一端およびスイッチSW_Z4の一端に接続されている。受光素子PD_Zのアノードは、スイッチSW_Z2の一端およびスイッチSW_Z3の一端に接続されている。スイッチSW_Z2の他端およびスイッチSW_Z4の他端は、接地されている。スイッチSW_X1の他端、スイッチSW_X3の他端、スイッチSW_Y1の他端、スイッチSW_Y3の他端、スイッチSW_Z1の他端およびスイッチSW_Z3の他端は、互いに接続されているとともに、A/Dコンバータ82に接続されている。
【0155】
(スイッチ回路81の動作)
上記の構成により、例えば、スイッチSW_X1およびスイッチSW_X2をONにして、その他のスイッチをOFFにすると、光電流IPD_XがA/Dコンバータ82からスイッチ回路81に流れる。また、スイッチSW_X3およびスイッチSW_X4をONにして、その他のスイッチをOFFにすると、光電流IPD_Xがスイッチ回路81からA/Dコンバータ82に流れる。また、スイッチSW_X1、スイッチSW_X2、スイッチSW_Y1およびスイッチSW_Y2をONにして、その他のスイッチをOFFにすると、光電流IPD_Xと光電流IPD_Yとを加算した電流が、A/Dコンバータ82からスイッチ回路81に流れる。また、スイッチSW_X1、スイッチSW_X2、スイッチSW_Y3およびスイッチSW_Y4をONにして、その他のスイッチをOFFにすると、光電流IPD_Xから光電流IPD_Yを減算した電流が、A/Dコンバータ82からスイッチ回路81に流れる。
【0156】
このように、スイッチ回路81は、各スイッチSW_X1〜SW_X4、SW_Y1〜SW_Y4、SW_Z1〜SW_Z4を任意に切り替えることにより、各光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zを任意に加算および減算することができ、出力電流の方向も制御することができる。また、スイッチ回路81は、出力電流をA/Dコンバータ82に入力する際に、各スイッチの切り替えによってA/Dコンバータ82に対する充電および放電を制御することができる。これにより、カラーセンサ80は、光電流の加減算だけでなく、光電流を加減算した各電流値の比をデジタル演算をすることなしに算出することができる。
【0157】
(A/Dコンバータ82の構成および動作)
A/Dコンバータ82は、積分器521と、コンパレータCOMP3と、電圧源622と、カウンタ524と、発振器525とを備えている。これらの各構成要素は、図11に示すA/Dコンバータ72におけるものと同一である。図13に示す積分器521では、A/Dコンバータ82からスイッチ回路81に電流が流れているときに、容量CINTへの充電が行われ、スイッチ回路81からA/Dコンバータ82に電流が流れているときに、容量CINTからの放電が行われる。
【0158】
積分器521がリセット信号Reset1によってリセットされ、アンプAMP1の出力電圧がゼロになった後、測定モード制御信号によるスイッチ回路81への制御により、A/Dコンバータ82からスイッチ回路81に電流が流れると、積分器521の容量CINTへの充電が開始され、アンプAMP1の出力電圧が上昇する。アンプAMP1の出力電圧は、コンパレータCOMP3の非反転入力端子に入力され、コンパレータCOMP3は、積分器521の出力電圧をリファレンス電圧VREFと比較する。アンプAMP1の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも高くなると、コンパレータCOMP3の出力は、LowレベルからHighレベルに反転する。これにより、カウンタ524は、発振器525からのクロック信号のパルス数のカウントを開始する。
【0159】
一定時間経過後、測定モード制御信号によるスイッチ回路81への制御により、電流の方向がスイッチ回路81からA/Dコンバータ82への方向に切り替えられると、積分器521の容量CINTからの放電が開始され、アンプAMP1の出力電圧が低下する。同時に、測定モード制御信号によって、カウンタ524がリセットされて再びカウントを開始すると共に、その時点のカウント値がレジスタ13に格納される。その後、アンプAMP1の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも低くなると、コンパレータCOMP3の出力は、HighレベルからLowレベルに反転する。これにより、カウンタ524がリセットされて、その時点でのカウント値がレジスタ13に格納される。
【0160】
上記の動作により、容量CINTへの充電時における電流値と、容量CINTからの放電時における電流値との比を求めることができる。本実施形態では、容量CINTへの充電時には、光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zのいずれかの光電流をA/Dコンバータ82に出力し、容量CINTからの放電時には、全ての光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zの和の逆極性の電流をA/Dコンバータ82に出力する。すなわち、スイッチ回路81は、521積分器の出力電圧がゼロの状態で、いずれかの光電流を出力し、コンパレータCOMP3の出力がLowレベルからHighレベルに変化してから一定時間経過後、積分器521の出力電圧がゼロになるまで、全ての光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zの和の逆極性の電流を出力する。さらに、積分器521の出力電圧がゼロになった後、スイッチ回路81は、他のいずれかの光電流を出力し、COMP3の出力がLowレベルからHighレベルに変化してから一定時間経過後、積分器521の出力電圧がゼロになるまで、全ての光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zの和の逆極性の電流を出力する。また、積分器521からの出力電圧の上昇の速さは、スイッチ回路81によって選択された光電流の大きさに比例し、積分器521からの出力電圧の低下の速さは、全ての光電流IPD_X、IPD_Y、IPD_Zの和の逆極性の電流の大きさに比例する。スイッチ回路81がいずれかの光電流を出力して、コンパレータCOMP3の出力がLowレベルからHighレベルに変化してから一定時間経過後と、一定時間経過後、積分器521の出力電圧がゼロになった後と、スイッチ回路81が他のいずれかの光電流を出力し、コンパレータCOMP3の出力がLowレベルからHighレベルに変化してから一定時間経過後と、一定時間経過後、積分器521の出力電圧がゼロになった後とにおいて、カウンタ524のカウント値はリセットされる。
【0161】
(カラーセンサ80における色温度の測定)
図15は、A/Dコンバータ82に対する充電時におけるスイッチ回路81の状態の一例を示す回路図である。同図では、スイッチSW_X1、SW_X2、SW_Y1、SW_Y2、SW_Z1、SW_Z2がONであり、他のスイッチはOFFとなっている。これにより、光電流IPD_Xと光電流IPD_Yと光電流IPD_Zとの和の逆極性の電流が、A/Dコンバータ82に入力される。
【0162】
また、図16は、A/Dコンバータ82に対する放電時におけるスイッチ回路81の状態の一例を示す回路図である。同図では、スイッチSW_X3およびスイッチSW_X4がONであり、その他のスイッチがOFFとなっている。これにより、光電流IPD_XのみがA/Dコンバータ82に入力される。
【0163】
積分器521をリセットした後、スイッチ回路81を図16に示す状態とし、コンパレータCOMP3の出力がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、スイッチ回路81を図15に示す状態とすることで、レジスタ13から読み出されるデジタル出力は、
IPD_X/(IPD_X+IPD_Y+IPD_Z) ・・・式(1)
に比例した値となる。
【0164】
また、図17は、A/Dコンバータ82に対する放電時におけるスイッチ回路81の状態の他の一例を示す回路図である。同図では、スイッチSW_Y3およびスイッチSW_Y4がONであり、その他のスイッチがOFFとなっている。これにより、光電流IPD_YのみがA/Dコンバータ82に入力される。
【0165】
積分器521をリセットした後、スイッチ回路81を図17に示す状態とし、コンパレータCOMP3の出力がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、スイッチ回路81を図15に示す状態とすることで、レジスタ13から読み出されるデジタル出力は、
IPD_Y/(IPD_X+IPD_Y+IPD_Z) ・・・式(2)
に比例した値となる。
【0166】
上記の式(1)および(2)の値は、カラーセンサ80に入射した光のCIE−xy色度図上の座標に一致することになる。xy色度図上の座標がわかれば、入射した光の色温度を簡単に求めることができる。色温度の測定方法について、図18および図19を参照して説明する。
【0167】
図18は、黒体輻射光源の色温度が変化したときのxy色度図上の軌跡を示すグラフである。この軌跡はプランク軌跡と呼ばれ、市販の照明装置から出る光のxy色度図上の座標は、このプランク軌跡に近似するように設計されている。
【0168】
図19は、図18に示すグラフにおいて、プランク軌跡の部分を拡大した図である。前記の式(1)および(2)に示すデジタル出力は、入射光のxy色度図のxy座標を表しており、
x=IPD_X/(IPD_X+IPD_Y+IPD_Z)
y=IPD_Y/(IPD_X+IPD_Y+IPD_Z)
となる。したがって、これらのデジタル出力を、図19に示すプランク軌跡に当てはめることにより、カラーセンサ80への入射光の色温度を簡単に求めることができる。
【0169】
また、xy色度図の座標から他の色度図への変換も、行列を用いて容易に行うことができる。さらに、カラーセンサの各受光素子の分光感度特性が三刺激値に対応しておらず、例えば、前記の各実施形態における受光素子のように、R、G、Bの分光感度特性を持つ受光素子であったとしても、各光電流IPD_R、IPD_G、IPD_Bの比をデジタル値として出力させることができるため、カラーマネージメントに有用な情報を得ることができる。
【0170】
また、上記では、A/Dコンバータを2重積分型で構成した例について説明したが、下記のようにA/DコンバータをΔΣ変調器で構成してもよい。このような構成であっても、受光素子に入射する光のxy色度図上の座標を求めることが可能である。
【0171】
(変形例)
図20は、本実施形態の変形例に係るカラーセンサ90の構成を示すブロック図である。カラーセンサ90は、3つのカラーフィルタF_X、R_Y、F_Z、3つの受光素子PD_X、PD_Y、PD_Z、スイッチ回路81、A/Dコンバータ92、レジスタ13、シリアルインターフェース回路14および制御回路15を備えている。すなわち、カラーセンサ90は、図13に示すカラーセンサ80において、A/Dコンバータ82をA/Dコンバータ92に置き換えた構成である。
【0172】
図20に示すA/Dコンバータ92は、積分器521と、コンパレータCOMP3と、電圧源622と、D型フリップフロップFF3と、カウンタ524と、発振器525とを備えている。これらの各構成要素は、図10に示すA/Dコンバータ62におけるものと同一である。
【0173】
まず、リセット信号Reset1によって積分器521がリセットされた後、スイッチ回路81が図16に示す状態となり、光電流IPD_Xがスイッチ回路81に入力される。これにより、積分器521の容量CINTの充電が開始され、積分器521の出力電圧が上昇する。積分器521の出力電圧は、コンパレータCOMP3の非反転入力端子に入力され、コンパレータCOMP3は、積分器521の出力電圧をリファレンス電圧VREFと比較する。
【0174】
積分器521の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも高くなると、コンパレータCOMP3の出力は、LowレベルからHighレベルに反転する。コンパレータCOMP3の出力は、フリップフロップFF3のデータ入力端子に入力され、フリップフロップFF3は、発振器525から入力されるクロック信号に同期したパルスをカウンタ524および制御回路15に出力する。これにより、カウンタ524は、カウント動作を開始する。同時に、制御回路15は、測定モード制御信号によってスイッチ回路81の状態を図15に示す状態に切り替える。これにより、図15に示す状態に制御され、光電流IPD_Xと光電流IPD_Yと光電流IPD_Zとの和の逆極性の電流がA/Dコンバータ92に入力されて、容量CINTからの放電が開始され、積分器521の出力電圧が低下する。その後、積分器521の出力電圧がリファレンス電圧VREFよりも低くなると、コンパレータCOMP3の出力信号がLowレベルになり、フリップフロップFF3の出力信号もクロック信号に同期してLowレベルになる。これにより、カウンタ524は、カウント動作を中断し、同時に、制御回路15は、測定モード制御信号によってスイッチ回路81の状態を図15に示す状態に切り替える。すなわち、スイッチ回路81は、フリップフロップFF3からの出力がLowレベルである場合、いずれかの光電流を出力し、フリップフロップFF3からの出力がHighレベルである場合、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を出力する。
【0175】
上記の動作を繰り返すことにより、フリップフロップFF3の出力信号のパルス数は、式(1)に示す値に比例した値となり、式(1)に示す値を求めることができる。同様に、スイッチ回路81の状態を図17に示す状態と図15に示す状態との間で交互に切り替えることにより、式(2)に示す値を求めることができる。式(1)および(2)の値は、カラーセンサ90への入射光のCIE−xy色度図上の座標に一致するので、当該入射光の色温度を容易に求めることができる。
【0176】
なお、本実施形態では、A/Dコンバータのコンパレータは、積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にHighレベルのパルス信号を出力する構成であったが、これに限定されず、積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にLowレベルのパルス信号を出力する構成であってもよい。また、A/Dコンバータのカウンタは、コンパレータの出力がHighレベルの期間に動作する構成であったが、これに限定されず、コンパレータの出力がLowレベルの期間に動作する構成であってもよい。この場合、積分器は、フリップフロップからの出力がHighレベルである場合、スイッチ回路によって選択された光電流を電圧に変換し、フリップフロップからの出力がLowレベルである場合、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を電圧に変換する。
【0177】
〔実施形態11〕
本発明の第11の実施形態について図21に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、上述したカラーフィルタを備える液晶テレビについて説明する。
【0178】
図21は、本実施形態に係る液晶テレビ100の概略構成を示すブロック図である。液晶テレビ100は、例えばTFT(薄膜トランジスタ)方式の液晶表示装置であり、コントローラ110、表示パネル120、バックライトユニット130およびカラーセンサ140を備えている。
【0179】
コントローラ110は、表示パネル120およびバックライトユニット130に入力するための信号を生成するモジュールであり、信号源111および映像信号処理部112を備えている。信号源111からは、表示データ、水平同期信号HD、垂直同期信号VDおよびクロック信号CLKが、映像信号処理部112に出力され、映像信号処理部112は、表示データを映像信号VSに変換する。また、映像信号処理部112は、色度補正部113を備えており、色度補正部113は、カラーセンサ140からのデジタル信号に基づいて、表示パネルに表示される画像の色度を調整する。
【0180】
表示パネル120は、図示しないソースドライバおよびゲートドライバ等を備えており、コントローラ110から入力される映像信号VSに基づいて表示画面に画像を表示する。表示パネル120は周知のものを用いることができるので、その構成についての詳細な説明は省略する。
【0181】
バックライトユニット130は、表示パネル120の背面側に設けられる光源ユニットであり、バックライト131およびマイコン部132を備えている。バックライト131は、蛍光管やLED等の光源を複数備えている。マイコン部132は、輝度補正部133を備えており、輝度補正部133は、バックライト131の光源の輝度を調整する機能を有している。
【0182】
カラーセンサ140は、液晶テレビ100の設置場所の照明光の色度および照度を検知するセンサであり、表示パネル120の近傍に設けられる。カラーセンサ140は、照明光に含まれている赤、緑、青の各成分のデジタル値R/G/Bをコントローラ110の色度補正部113に出力し、照明光の照度のデジタル値をバックライトユニット130の輝度補正部133に出力する。
【0183】
色度補正部113は、カラーセンサ140からのデジタル値R/G/Bに基づいて、照明光の色度を算出し、当該色度に応じて、信号源111からの表示データの色度を調整する。これにより、表示パネル120に表示される画像の色あいを、目の色順応に対応するようにコントロールすることができる。
【0184】
輝度補正部133は、カラーセンサ140からの照度データに基づいて、バックライト131の光源の輝度を調整する。具体的には、照明光の照度が低い場合、バックライト131の光源の輝度を低下させ、照明光の照度が高い場合、バックライト131の光源の輝度を増加させる。これにより、照明光の照度が変化しても、常に適度な明るさの画像を表示することができる。
【0185】
ここで、本実施形態では、カラーセンサ140として実施形態1〜10に係るカラーセンサ10、20、30、40、50、60、70、80または90を用いている。したがって、液晶テレビ100は、周囲光の色度および照度に関わらず、高品質な画像を表示することができる。また、カラーセンサ140は、小型化が容易で、低コストであるため、液晶テレビ100への内蔵が容易であり、液晶テレビ100の製造コストも抑えることができる。
【0186】
本実施形態では、カラーセンサを液晶テレビに適用する構成について説明したが、本発明に係るカラーセンサは、液晶テレビだけでなく、プラズマテレビやCRTテレビ等のあらゆる表示装置に適用可能である。また、本発明に係るカラーセンサは、従来のカラーセンサに比べて小型であるため、特に、持ち運び可能な携帯電話やモバイルPCに好適である。
【0187】
〔実施形態の総括〕
各実施形態では、各受光素子の受光面にカラーフィルタを設けていたが、カラーフィルタを設ける代わりに、各受光素子にそれぞれ異なる色の分光感度特性のピークを持たせてもよい。また、各実施形態では、各受光素子の分光感度特性が、三原色または三刺激値に対応する構成について説明したが、各受光素子の分光感度特性はこれらに限定されない。なお、各受光素子の分光感度特性を三原色に対応させる場合、分光感度特性を三刺激値に対応させる場合と比べ、カラーフィルタのデジタル出力値から算出される色温度は近似的になるが、実用上問題がない場合が多い。また、コストの観点では、R、G、Bの各カラーフィルタは安価であるため、カラーセンサのコストを抑えることができる。
【0188】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本発明は、液晶テレビやプラズマテレビに適用でき、特に、携帯電話やモバイルPCなどの持ち運び可能な表示装置に好適である。
【符号の説明】
【0190】
10 カラーセンサ(光センサ)
11 スイッチ回路(第1のスイッチ回路)
12 A/Dコンバータ
13 レジスタ
14 シリアルインターフェース回路
15 制御回路
20 カラーセンサ(光センサ)
21 スイッチ回路(第1のスイッチ回路)
22 A/Dコンバータ
30 カラーセンサ(光センサ)
32 A/Dコンバータ
40 カラーセンサ(光センサ)
41 スイッチ回路
43R レジスタ
43G レジスタ
43B レジスタ
50 カラーセンサ(光センサ)
52 A/Dコンバータ
60 カラーセンサ(光センサ)
62 A/Dコンバータ
70 カラーセンサ(光センサ)
72 A/Dコンバータ
75 制御回路
80 カラーセンサ(光センサ)
81 スイッチ回路(第1のスイッチ回路)
82 A/Dコンバータ
90 カラーセンサ(光センサ)
92 A/Dコンバータ
100 液晶テレビ(表示装置)
110 コントローラ
111 信号源
112 映像信号処理部
113 色度補正部
120 表示パネル
130 バックライトユニット
131 バックライト
132 マイコン部
133 輝度補正部
140 カラーセンサ(光センサ)
200 カラーセンサ
201R IVアンプ
201G IVアンプ
201B IVアンプ
202R A/Dコンバータ
202G A/Dコンバータ
202B A/Dコンバータ
203 レジスタ
204 シリアルインターフェース回路
221 IFコンバータ
222 リファレンス電流発生回路
223 カウンタ
224 発振器
322 リファレンス電流発生回路
322A スイッチ回路
322C トリミング回路
322R リファレンス電流源(電流源)
322G リファレンス電流源(電流源)
322B リファレンス電流源(電流源)
521 積分器
522 リファレンス電圧源
523 リファレンス電圧源
523A スイッチ回路
523C トリミング回路
523R 電圧源
523G 電圧源
523B 電圧源
524 カウンタ
525 発振器
622 電圧源
AMP1 アンプ
CINT 容量
COMP1 コンパレータ(第1のコンパレータ)
COMP2 コンパレータ(第2のコンパレータ)
COMP3 コンパレータ
F_R カラーフィルタ
F_G カラーフィルタ
F_B カラーフィルタ
FF1 フリップフロップ
FF2 フリップフロップ
FF3 フリップフロップ
IPD_R 光電流
IPD_G 光電流
IPD_B 光電流
IREF リファレンス電流
NOR1 NORゲート
PD_R 受光素子
PD_G 受光素子
PD_B 受光素子
Reset1 リセット信号
Reset2 リセット信号
SW1 スイッチ
SW2 スイッチ
VREF リファレンス電圧
VREFH リファレンス電圧(第1のリファレンス電圧)
VREFL リファレンス電圧(第2のリファレンス電圧)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる分光感度特性を有し、受光量に比例した大きさの光電流を発生する複数の受光素子と、
各受光素子からの光電流を選択する第1のスイッチ回路と、
前記第1のスイッチ回路によって選択された光電流をデジタル信号に変換する1つのA/Dコンバータと、
前記A/Dコンバータからのデジタル信号を処理して、各受光素子からの光電流に比例したデジタル値を出力するデジタル信号処理回路と、
を備えることを特徴とする光センサ。
【請求項2】
前記A/Dコンバータは、
リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、
前記選択された光電流の大きさと前記リファレンス電流の大きさとの比に比例した周波数のパルス信号を出力するIFコンバータと、
前記パルス信号のパルス数をカウントするカウンタとを備え、
前記A/Dコンバータは、前記カウンタの前記選択された光電流ごとのカウント値を前記デジタル信号として出力することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記リファレンス電流発生回路は、
前記受光素子と同数の電流源と、
各電流源が発生する電流のいずれかを前記リファレンス電流として選択する第2のスイッチ回路と、
各電流源が発生する電流の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、
前記第2のスイッチ回路が選択する電流を発生する電流源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、
各電流源が発生する電流の大きさは、当該電流が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することを特徴とする請求項2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記トリミング回路は、前記電流源のうち1つの電流源以外の電流源が発生する電流の大きさを調整することを特徴とする請求項3に記載の光センサ。
【請求項5】
前記第1のスイッチ回路は、前記光電流から複数の光電流を選択して、選択した光電流の和を出力可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項6】
上記第1のスイッチ回路は、各受光素子からの光電流をそれぞれ所定時間選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項7】
上記第1のスイッチ回路は、各受光素子からの光電流を1つずつ選択するシーケンスを所定回数繰り返し、
前記デジタル信号処理回路は、前記所定回数繰り返されたシーケンスにおける、各受光素子からの光電流に対応するデジタル値のそれぞれの合計を出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項8】
前記A/Dコンバータは、
前記選択された光電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定の範囲である場合にハイレベルのパルス信号を出力するウィンドウコンパレータと、
前記パルス信号がハイレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項9】
前記A/Dコンバータは、
前記選択された光電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定の範囲である場合にローレベルのパルス信号を出力するウィンドウコンパレータと、
前記パルス信号がローレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項10】
前記ウィンドウコンパレータは、
前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の下限である第1のリファレンス電圧と比較する第1のコンパレータと、
前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の上限である第2のリファレンス電圧と比較する第2のコンパレータと、
前記第2のリファレンス電圧を発生するリファレンス電圧源と、を備え、
前記リファレンス電圧源は、
前記受光素子と同数の電圧源と、
各電圧源が発生する電圧のいずれかを前記第2のリファレンス電圧として選択する第2のスイッチ回路と、
各電圧源が発生する電圧の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、
前記第2のスイッチ回路が選択する電圧を発生する電圧源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、
当該電圧と前記第1のリファレンス電圧との電圧差は、当該電圧が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することを特徴とする請求項8または9に記載の光センサ。
【請求項11】
前記ウィンドウコンパレータは、
前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の下限である第1のリファレンス電圧と比較する第1のコンパレータと、
前記積分器からの出力電圧を前記所定の範囲の上限である第2のリファレンス電圧と比較する第2のコンパレータと、
前記第1のリファレンス電圧を発生するリファレンス電圧源と、を備え、
前記リファレンス電圧源は、
前記受光素子と同数の電圧源と、
各電圧源が発生する電圧のいずれかを前記第1のリファレンス電圧として選択する第2のスイッチ回路と、
各電圧源が発生する電圧の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、
前記第2のスイッチ回路が選択する電圧を発生する電圧源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、
当該電圧と前記第2のリファレンス電圧との電圧差は、当該電圧が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することを特徴とする請求項8または9に記載の光センサ。
【請求項12】
前記トリミング回路は、前記電圧源のうち1つの電圧源以外の電圧源が発生する電圧の大きさを調整することを特徴とする請求項10または11に記載の光センサ。
【請求項13】
前記A/Dコンバータは、
リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、
前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、
前記フリップフロップからの出力のハイパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記積分器は、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記リファレンス電流を電圧に変換し、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、
前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項14】
前記A/Dコンバータは、
リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、
前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、
前記フリップフロップからの出力のローパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記積分器は、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記リファレンス電流を電圧に変換し、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、
前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項15】
前記A/Dコンバータは、
リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、
前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号がハイレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記積分器は、出力電圧がゼロの状態で前記選択された光電流が入力され、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過するまで、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記一定時間経過後、前記リファレンス電流を電圧に変換し、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、
前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項16】
前記A/Dコンバータは、
リファレンス電流を発生するリファレンス電流発生回路と、
前記選択された光電流または前記リファレンス電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号がローレベルである期間に比例するカウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記積分器は、出力電圧がゼロの状態で前記選択された光電流が入力され、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過するまで、前記選択された光電流を電圧に変換し、前記一定時間経過後、前記リファレンス電流を電圧に変換し、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、
前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記リファレンス電流の大きさに比例することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項17】
前記リファレンス電流発生回路は、
前記受光素子と同数の電流源と、
各電流源が発生する電流のいずれかを前記リファレンス電流として選択する第2のスイッチ回路と、
各電流源が発生する電流の大きさを調整するトリミング回路と、を備え、
前記第2のスイッチ回路が選択する電流を発生する電流源は、前記第1のスイッチ回路が選択する光電流に対応しており、
各電流源が発生する電流の大きさは、当該電流が選択されたときに前記第1のスイッチ回路によって選択される光電流を発生する受光素子の感度に比例することを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項18】
前記トリミング回路は、前記電流源のうち1つの電流源以外の電流源が発生する電流の大きさを調整することを特徴とする請求項17に記載の光センサ。
【請求項19】
前記受光素子の各分光感度特性は、三原色に対応していることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項20】
前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、
前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、
前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号がハイレベルである期間にカウント動作を行なうカウンタとを備え、
前記第1のスイッチ回路は、前記積分器の出力電圧がゼロの状態で、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、前記積分器の出力電圧がゼロになった後、前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、
前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記逆極性の電流の大きさに比例し、
前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力して、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後と、前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がローレベルからハイレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後とにおいて、前記カウンタのカウント値はリセットされることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項21】
前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、
前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、
前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号がローレベルである期間にカウント動作を行なうカウンタとを備え、
前記第1のスイッチ回路は、前記積分器の出力電圧がゼロの状態で、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、前記積分器の出力電圧がゼロになった後、前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになるまで、前記逆極性の電流を出力し、
前記積分器からの出力電圧の上昇の速さは、前記選択された光電流の大きさに比例し、
前記積分器からの出力電圧の低下の速さは、前記逆極性の電流の大きさに比例し、
前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力して、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後と、前記第1のスイッチ回路が前記受光素子からの光電流の他のいずれかの光電流を出力し、前記パルス信号がハイレベルからローレベルに変化してから一定時間経過後と、当該一定時間経過後、前記積分器の出力電圧がゼロになった後と、において、前記カウンタのカウント値はリセットされることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項22】
前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、
前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、
前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にハイレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、
前記フリップフロップからの出力のハイパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記第1のスイッチ回路は、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記逆極性の電流を出力することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項23】
前記受光素子の各分光感度特性は、三刺激値に対応しており、
前記第1のスイッチ回路は、全ての受光素子からの光電流の和の逆極性の電流を前記A/Dコンバータに出力可能であり、
前記A/Dコンバータは、前記第1のスイッチ回路からの出力電流を積分して電圧に変換する積分器と、
前記積分器からの出力電圧が所定値以上である場合にローレベルのパルス信号を出力するコンパレータと、
前記パルス信号をクロック信号に同期してシフトするフリップフロップと、
前記フリップフロップからの出力のローパルスの数を所定時間カウントし、カウント値を前記デジタル信号として出力するカウンタとを備え、
前記第1のスイッチ回路は、前記フリップフロップからの出力がハイレベルである場合、前記受光素子からの光電流のいずれかの光電流を出力し、前記フリップフロップからの出力がローレベルである場合、前記逆極性の電流を出力することを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項24】
画像が表示される表示画面を有する表示装置であって、
請求項1〜23のいずれか1項に記載の光センサを、前記表示装置の周囲光の色度を検知するセンサとして備え、
前記光センサから出力されるデジタル値に基づいて、前記画像の色度が調整されることを特徴とする表示装置。
【請求項25】
画像が表示される表示画面を有する表示装置であって、
請求項1〜23のいずれか1項に記載の光センサを、前記表示装置の周囲光の照度を検知するセンサとして備え、
前記光センサから出力されるデジタル値に基づいて、前記画像の明るさが調整されることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−106875(P2011−106875A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−260125(P2009−260125)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】