光センサ
【課題】光センサにおいて、S/Nの良好な光センサを構成することを目的とする。
【解決手段】光センサAは、第1の基板1と第2の基板2との間に、光透過散乱型液晶3が封入されている。第1の基板1には、光透過散乱型液晶3を駆動するための駆動電極4を基板面内において対向に配置している。光透過散乱型液晶3は、駆動電極4間の印加電圧がゼロの時は散乱状態となり光を透過しない。第2の基板2には、例えばポリシリコンにより形成されるソース電極5とドレイン電極6と例えばシリコン半導体層7と酸化膜などにより形成されるゲート誘電体層8とゲート電極9とにより構成されるTFT100を配置する。TFT100は、一般的なアクティブマトリクス液晶と同様の工程で製造することができる。例えば、暗電流は10−12A)程度である。TFT100のゲート電極9は、入射光束を効率的に取り込むため、光透過散乱型液晶3の駆動電極4と基板面の法線方向に対向している。
【解決手段】光センサAは、第1の基板1と第2の基板2との間に、光透過散乱型液晶3が封入されている。第1の基板1には、光透過散乱型液晶3を駆動するための駆動電極4を基板面内において対向に配置している。光透過散乱型液晶3は、駆動電極4間の印加電圧がゼロの時は散乱状態となり光を透過しない。第2の基板2には、例えばポリシリコンにより形成されるソース電極5とドレイン電極6と例えばシリコン半導体層7と酸化膜などにより形成されるゲート誘電体層8とゲート電極9とにより構成されるTFT100を配置する。TFT100は、一般的なアクティブマトリクス液晶と同様の工程で製造することができる。例えば、暗電流は10−12A)程度である。TFT100のゲート電極9は、入射光束を効率的に取り込むため、光透過散乱型液晶3の駆動電極4と基板面の法線方向に対向している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーカメラ付き表示装置における光センサに関し、特に、光散乱型液晶を利用した光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光センサにおいては、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型MOS)センサが主流である。図6は、一般的なCMOS光センサの一回路構成例を示す図である。図6に示すように、一般的なCMOS光センサでは、光子を電子に変換するフォトダイオード301と電圧増幅用トランジスタ304との組み合わせで構成されている。すなわち、1つの光センサセルXは、マトリックス状に配置されているロー線L301及びカラム線L302との交点に配置されている。符号302は、シャッタ用のトランジスタであり、符号303はフォトダイオード301からの出力電子を蓄積するキャパシタであり、符号305はローセレクタであり、符号306は電子を外部に伝えるカラムバスであり、符号307はキャパシタ303をVDD=0にリセットするリセット部である。CMOS光センサに関する一般的な最新特許文献としては、例えば、以下の文献が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−166351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の構成では、フォトダイオード301の暗時のランダムノイズがCMOS光センサXのS/Nを低下させている。近年、CMOS光センサの配線による光ロスを軽減した方式も実用化されているが、依然として、CMOS光センサの構成自体は、フォトダイオード301と電圧増幅用トランジスタ304との組み合わせの構成と変わらないため、原理的にはこのような不具合は改善できていない。
【0005】
従来、光センサXは、固定されたマイクロレンズアレーと、図6に回路図で示す構成(フォトダイオード301と電圧増幅用トランジスタ304の組み合わせ)で構成されていた。光学的には、CCD入射光束のロスを伴うことと、回路構造的にはバイポーラプロセス及びCMOSプロセスで形成され、CMOS用の基板上にフォトダイオード301を組み込むため、構成が複雑となり小型化することが難しいという問題もあった。
【0006】
本発明は、光センサにおいて、S/N(信号雑音比)の良好な光センサを構成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、光透過散乱型液晶のアクティブレンズ機能を活用するとともに、基板内に配置したTFT(薄膜トランジスタ)の暗電流特性を積極的に活用することにより、光センサにおけるS/Nを良好にするものである。
【0008】
本発明の一観点によれば、透明な第1の基板と、前記第1の基板と対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された光透過散乱型液晶材と、前記第1の基板の前記第2の基板側の面に配置された前記光透過散乱型液晶材駆動用の駆動電極対と、前記第2の基板の前記第1の基板側の面であって前記駆動電極対と、基板の法線方向に対向する位置に設けられた薄膜トランジスタ(「TFT」と称する。)とを有することを特徴とする光センサが提供される。前記駆動電極対と前記TFTのゲート部とが対向配置されていることが好ましい。また、前記駆動電極に所定の電圧を印加する電圧印加部を有し、前記電圧印加部により、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記光透過散乱型液晶材により可変焦点機能を有するアクティブレンズを形成する。
【0009】
これにより、光透過散乱型液晶のアクティブレンズ機能を活用して、入射光をTFT領域に集めることができ、光センサのS/Nを向上させることができる。前記光透過散乱型液晶材は、中間調表示が可能なライトバルブとして機能する。前記駆動電極の近傍の光透過散乱型液晶分子は、第1の基板にほぼ平行に配向し、前記駆動電極から少し離れた位置の光透過散乱型液晶分子は、第1の基板に対し下方に若干湾曲に配向する。このように、駆動電極から徐々に離れるにつれ、より下方に湾曲した配向となり、下に凸の凸型シリンドリカルレンズを形成する。
【0010】
前記駆動電極対の間隔を、前記TFTのゲート部の領域を光学的に遮光しない間隔にすることが好ましい。また、前記TFTのゲート部に直接光束を入射させる導光部を設けても良い。前記第1の基板側に、入射光のうち前記TFTのゲート誘電体層から外れる斜め方向の成分を前記ゲート誘電体層に集光させる集光部を有することが好ましい。この集光部は、前記第1の基板面に形成されたフィールドレンズを含むことが好ましい。さらに、前記集光部は、前記フィールドレンズと前記光透過散乱型液晶材により形成された可変焦点のアクティブレンズとの組み合わせにより構成されているようにしても良い。これらの手段により、より一層の集光効果が得られる。光透過散乱型液晶材により形成されたアクティブレンズは、駆動電極への印加電圧により焦点を可変とすることができる。
【0011】
また、前記第1の基板の前記第2の基板とは反対側から光が入射可能な構成において、前記TFTのゲート電極を負極性の電源に接続し、ソース電極を正極性の電源に接続し、ドレイン電極とアースとの間にコンデンサと抵抗との並列回路がそれぞれ接続されていることが好ましい。
【0012】
本発明は、上記のいずれかに記載の光センサを基板面内に複数配置した光センサ集積回路であっても良い。その際、前記光センサをマトリックス状に配置し、前記基板面に形成され前記光センサをその交点の位置とする第1の配線及びそれと交差する第2の配線により、前記TFTが駆動されるとともに、前記TFTの出力電圧を入力として、所定の光束以上の入射光束が得られるように前記駆動電極対に印加する電圧を出力する電圧制御部を有するようにすると良い。これにより、電圧制御部から出力される出力電圧により、光透過散乱型液晶の駆動電極に対して所定の電圧が印加される。前記複数の駆動電極対と前記複数のTFTからなるアレーを線順次で走査する駆動部を有するようにすると良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明による光センサにおいては、S/Nの良好な光センサを構成することができる。また、超薄化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光センサの一構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による光センサの一構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による光センサにおける液晶駆動電極及びTFT各電極のバイアスについて示す図である。
【図4】本実施の形態によるTFTの光電流特性例を示す図である。
【図5】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の原理を説明するための図である。
【図6】一般的なCMOS光センサ回路の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態によるアクティブレンズ機能を持たせた際の光透過散乱型液晶分子の配向の様子を示す図である。
【図8】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図9】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図10】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図11】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図12】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態による光センサについて図面を参照しながら説明を行う。本実施の形態による光レンズの原理は、光の散乱を利用した光透過散乱型液晶の配向によるアクティブレンズ機能を活用し、入射光束をできるだけ多く(好ましくは最大入射光束を)取り込むように構成することで、光電変換レベル(S)が向上し、また、フォトダイオードを使用しないことから、暗ノイズ(N)を激減でき、S/Nの良好な光センサが構成することができる。
【0016】
まず初めに、光透過散乱型液晶のアクティブレンズ機能と、基板内に配置したTFTとの組み合わせとからなる、本発明の第1の実施の形態による光センサについて詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態による光センサAは、例えばガラスなどによる透明な第1の基板1と、例えば、ガラス又はシリコンなどの第2の基板2との間に、ポリマ分散型液晶等の光透過散乱型液晶3が封入されている。第1の基板1には、光透過散乱型液晶3を駆動するための駆動電極4を基板面内において対向に配置している。光透過散乱型液晶3は、駆動電極4間の印加電圧がゼロの時は散乱状態となり光を透過しない。第2の基板は裏面からの光漏れを防ぐために、遮光材または遮光処理が望ましい。光透過散乱型液晶パネル厚は、例えば、約2〜3mm程度であり、殆ど2枚の基板の厚さになる。
【0018】
第2の基板2には、例えばポリシリコンにより形成されるソース電極5とドレイン電極6と例えばシリコン半導体層7と酸化膜などにより形成されるゲート誘電体層8とゲート電極9とにより構成されるTFT100を配置する。TFT100は、一般的なアクティブマトリクス液晶と同様の工程で製造することができ、第2の基板2上に形成された活性層(チャンネル層)7と、ゲート絶縁膜層8と、その上に形成されたゲート電極9と、チャンネル層7に形成されたソース、ドレイン電極5・6と、を有している。例えば、暗電流は10−12A程度である。TFT100のゲート電極9は、入射光束を効率的に取り込むため、光透過散乱型液晶3の駆動電極4と基板面の法線方向に対向している。駆動電極4の対の間隔は、TFT100のゲート絶縁膜層(ゲート部)8の領域を光学的に遮光しない間隔にするのが好ましい。これにより、TFT100のゲート部8に直接光束を入射させる導光部を形成することができる。
【0019】
次に、本実施の形態による光センサの動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態による光センサにおける液晶駆動電極及びTFT各電極のバイアスについて示す図である。第1の基板1側から入射する入射光10に対して敏感に反応させるため、図3に示すように、TFT100のゲート電極9には、抵抗15を介して負方向の深いバイアス電圧(−VCC)14を印加しておくと、白抜きの矢印で示す電流21の静特性曲線は図4に示す符号500のようになる。Vccは例えば4V程度である。
【0020】
ソース電極5とドレイン電極6との間に電流21が流れ、コンデンサ16と抵抗17との並列回路の両端に出力電圧18として誘起される。この出力電圧18を入力として、所定の光束以上の入射光束が得られるような制御システム19から出力される出力電圧20により、光透過散乱型液晶3の駆動電極4に対して所定の電圧11が印加される。その際の後述するアクティブレンズ機能により、入射光10は第2の基板2に配置されているTFT100のゲート誘電体層8に集光するようになっている。
【0021】
図4は、図1に示すような本実施の形態による光センサに用いられるTFT100における光電流特性例を示す図である。図4に示すように、TFT100に印加するゲート電圧Vgが閾値電圧以下の場合には、ソース-ドレイン電流IDSは基本的には流れないが、実際にはわずかながら、例えば3×10−11(A)程度の光電流(暗電流)400(破線で示す)が漏れ電流として流れるため、センサとしてのS/Nを悪くしているという問題がある。本実施の形態では、本来であれば問題となるこの現象を逆に活用することを考えたものである。すなわち、図4に示すように、負方向の深いバイアス電圧(−VCC)14(図3)を印加し、かつ、ゲート誘電体層(絶縁膜層9)に光を積極的に入力すると、図4中の電流特性曲線500に示すように、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vth以下でも、ドレイン電流が流れるようになる。一般的には、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vth以上でないとドレイン電流は流れないが、負方向の深いバイアス電圧(−VCC)14(図3)を印加することで、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vth以下でもドレイン電流が流れるため、光センサとして利用できるようになる。以下に、光透過散乱型液晶3の配向特性を活用したアクティブレンズ機能について説明する。図5は、本実施の形態によるアクティブレンズ機能の原理を説明するための図である。図5に示すように、駆動電極4の近傍の光透過散乱型液晶3の分子12は、基板1にほぼ平行に配向する。駆動電極4から少し離れた位置の光透過散乱型液晶3の分子は、基板1に対し下方に若干湾曲に配向する。このように、電極4から徐々に離れるにつれ、より下方に湾曲した配向となり、下に凸の凸型シリンドリカルレンズを形成する。この様に、駆動電圧11を調整することにより、凸型シリンドリカルレンズの曲率を可変にすることができるため、適応的に焦点距離を調整することができる。このアクティブレンズ機能により、入射光10をTFT100のゲート電極9に集光させることができる。この光により、ドレイン5−ソース6間に電流が流れ、コンデンサ16を充電する。コンデンサ16に充電された電荷は、順次取り出されて、電気信号に変換される。図7は、本実施の形態によるアクティブレンズ機能における焦点距離と印加電圧との関係を示す概念図である。図7において、電極対4に矩形波または正弦波等の交流電圧が印加されると、電極4を中心に等電位面121が形成され、この等電位面121に垂直に交差するように電気力線122が形成される。従って、電極4近傍の光透過散乱型液晶分子は、電気力線122に沿って図5に示したように配向することになる。すなわち、光透過散乱型液晶3の分子は基板1にほぼ平行に配向するが、電極4から少し離れた位置の光透過散乱型液晶3の分子は、基板1に対し下方に若干湾曲に配向する。液晶分子列で形成される湾曲面は、印加電圧の大きさに比例して滑らかになる。このように、電極対4の印加電圧により、凸型シリンドリカルレンズの曲率を任意に調整することができる。
【0022】
図8から図11では、本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。図12は、本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧例を示す図である。
【0023】
図12に示すように、電極4に印加する電圧パルスは、(a)に示す低い電圧V1、(b)に示すそれよりはやや高い電圧V2、(c)に示す電圧V3、(d)に示す高い伝タスV4とすると、印加電圧が低いV1の時は、図8に示すように、液晶により形成されるアクティブレンズ機能による凸レンズ123の曲率が小さいため、焦点距離f1の長いレンズが形成される。更に、印加電圧をV2→V3と高くしていくと、図9、10に示す様に、凸レンズ124・125の曲率が大きくなり、焦点距離f2、f3のように短くなっていく。図10に示すように、ゲート電極9の下面に位置する焦点距離が、TFT100が光を最も効率良く受ける状態を示す図であり、さらに焦点距離が短くなると図11に示すように(凸レンズ126)、TFT100よりも第1の基板1側に焦点が結ばれ、TFT100に照射される光が弱まる。
【0024】
このように、電極4に印加する電圧により焦点距離を調整することができ、基板面に垂直に入射する入射光を最も効率良く集光させることができる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態による光センサについて説明する。本実施の形態は、図1を参照して説明した第1の実施の形態による光センサにおいて、入射光10の中のゲート誘電体層8から外れる斜め方向の成分を集光させる機能を備えたものであり、図2に示されている。図2に示すように、第1の基板1面にフィールドレンズ22を配置している。これにより、斜め方向の入射光23(図1)を図2の24に示すように補正し、ゲート誘電体層8に集光することができる。このような構成(集光部)により、第1の実施の形態に比べて更にS/Nを向上させることができる。尚、フィールドレンズ22は、視野レンズとも言い、1)前方の対物レンズの口径を映し、もしくは次に来るレンズの口径上に、先の対物レンズや正立系の口径を映すため、内部の像面、あるいはその近くに置くレンズのことである。
【0026】
図2においては、フィールドレンズ22を薄肉の凸レンズで構成させた例を示したが、アクティブレンズ200との組み合わせにより、集光特性を任意に設定することがきるように光学素子(レンズ等)を選択・設計することができる。
【0027】
尚、本発明の第1及び第2の実施の形態による光センサとしては、1素子のみについて説明したが、実際には、複数(多数)の光センサをマトリックス状に配置してアレー化し、公知の技術により線順次で駆動させる駆動部を設けることで、イメージセンサ等の光集積回路として構成することも可能である。また、本発明の光センサを表示素子と兼用する等の応用も可能である。また、本発明の光センサへのTFT100のゲート誘電体層への入射光束を最大にする制御システムを構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、光センサに利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
A…光センサ、1…第1の基板、2…第2の基板、3…光透過散乱型液晶、4…駆動電極、5…ソース電極、6…ドレイン電極、7…シリコン半導体層、8…ゲート誘電体層、9…ゲート電極、10…入射光、14…バイアス電圧(−VCC)、15…抵抗、18…出力電圧、21…電流、100…TFT。
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサーカメラ付き表示装置における光センサに関し、特に、光散乱型液晶を利用した光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、光センサにおいては、CCD(電荷結合素子)やCMOS(相補型MOS)センサが主流である。図6は、一般的なCMOS光センサの一回路構成例を示す図である。図6に示すように、一般的なCMOS光センサでは、光子を電子に変換するフォトダイオード301と電圧増幅用トランジスタ304との組み合わせで構成されている。すなわち、1つの光センサセルXは、マトリックス状に配置されているロー線L301及びカラム線L302との交点に配置されている。符号302は、シャッタ用のトランジスタであり、符号303はフォトダイオード301からの出力電子を蓄積するキャパシタであり、符号305はローセレクタであり、符号306は電子を外部に伝えるカラムバスであり、符号307はキャパシタ303をVDD=0にリセットするリセット部である。CMOS光センサに関する一般的な最新特許文献としては、例えば、以下の文献が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−166351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の構成では、フォトダイオード301の暗時のランダムノイズがCMOS光センサXのS/Nを低下させている。近年、CMOS光センサの配線による光ロスを軽減した方式も実用化されているが、依然として、CMOS光センサの構成自体は、フォトダイオード301と電圧増幅用トランジスタ304との組み合わせの構成と変わらないため、原理的にはこのような不具合は改善できていない。
【0005】
従来、光センサXは、固定されたマイクロレンズアレーと、図6に回路図で示す構成(フォトダイオード301と電圧増幅用トランジスタ304の組み合わせ)で構成されていた。光学的には、CCD入射光束のロスを伴うことと、回路構造的にはバイポーラプロセス及びCMOSプロセスで形成され、CMOS用の基板上にフォトダイオード301を組み込むため、構成が複雑となり小型化することが難しいという問題もあった。
【0006】
本発明は、光センサにおいて、S/N(信号雑音比)の良好な光センサを構成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、光透過散乱型液晶のアクティブレンズ機能を活用するとともに、基板内に配置したTFT(薄膜トランジスタ)の暗電流特性を積極的に活用することにより、光センサにおけるS/Nを良好にするものである。
【0008】
本発明の一観点によれば、透明な第1の基板と、前記第1の基板と対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された光透過散乱型液晶材と、前記第1の基板の前記第2の基板側の面に配置された前記光透過散乱型液晶材駆動用の駆動電極対と、前記第2の基板の前記第1の基板側の面であって前記駆動電極対と、基板の法線方向に対向する位置に設けられた薄膜トランジスタ(「TFT」と称する。)とを有することを特徴とする光センサが提供される。前記駆動電極対と前記TFTのゲート部とが対向配置されていることが好ましい。また、前記駆動電極に所定の電圧を印加する電圧印加部を有し、前記電圧印加部により、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記光透過散乱型液晶材により可変焦点機能を有するアクティブレンズを形成する。
【0009】
これにより、光透過散乱型液晶のアクティブレンズ機能を活用して、入射光をTFT領域に集めることができ、光センサのS/Nを向上させることができる。前記光透過散乱型液晶材は、中間調表示が可能なライトバルブとして機能する。前記駆動電極の近傍の光透過散乱型液晶分子は、第1の基板にほぼ平行に配向し、前記駆動電極から少し離れた位置の光透過散乱型液晶分子は、第1の基板に対し下方に若干湾曲に配向する。このように、駆動電極から徐々に離れるにつれ、より下方に湾曲した配向となり、下に凸の凸型シリンドリカルレンズを形成する。
【0010】
前記駆動電極対の間隔を、前記TFTのゲート部の領域を光学的に遮光しない間隔にすることが好ましい。また、前記TFTのゲート部に直接光束を入射させる導光部を設けても良い。前記第1の基板側に、入射光のうち前記TFTのゲート誘電体層から外れる斜め方向の成分を前記ゲート誘電体層に集光させる集光部を有することが好ましい。この集光部は、前記第1の基板面に形成されたフィールドレンズを含むことが好ましい。さらに、前記集光部は、前記フィールドレンズと前記光透過散乱型液晶材により形成された可変焦点のアクティブレンズとの組み合わせにより構成されているようにしても良い。これらの手段により、より一層の集光効果が得られる。光透過散乱型液晶材により形成されたアクティブレンズは、駆動電極への印加電圧により焦点を可変とすることができる。
【0011】
また、前記第1の基板の前記第2の基板とは反対側から光が入射可能な構成において、前記TFTのゲート電極を負極性の電源に接続し、ソース電極を正極性の電源に接続し、ドレイン電極とアースとの間にコンデンサと抵抗との並列回路がそれぞれ接続されていることが好ましい。
【0012】
本発明は、上記のいずれかに記載の光センサを基板面内に複数配置した光センサ集積回路であっても良い。その際、前記光センサをマトリックス状に配置し、前記基板面に形成され前記光センサをその交点の位置とする第1の配線及びそれと交差する第2の配線により、前記TFTが駆動されるとともに、前記TFTの出力電圧を入力として、所定の光束以上の入射光束が得られるように前記駆動電極対に印加する電圧を出力する電圧制御部を有するようにすると良い。これにより、電圧制御部から出力される出力電圧により、光透過散乱型液晶の駆動電極に対して所定の電圧が印加される。前記複数の駆動電極対と前記複数のTFTからなるアレーを線順次で走査する駆動部を有するようにすると良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明による光センサにおいては、S/Nの良好な光センサを構成することができる。また、超薄化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光センサの一構成例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による光センサの一構成例を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による光センサにおける液晶駆動電極及びTFT各電極のバイアスについて示す図である。
【図4】本実施の形態によるTFTの光電流特性例を示す図である。
【図5】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の原理を説明するための図である。
【図6】一般的なCMOS光センサ回路の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態によるアクティブレンズ機能を持たせた際の光透過散乱型液晶分子の配向の様子を示す図である。
【図8】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図9】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図10】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図11】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。
【図12】本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態による光センサについて図面を参照しながら説明を行う。本実施の形態による光レンズの原理は、光の散乱を利用した光透過散乱型液晶の配向によるアクティブレンズ機能を活用し、入射光束をできるだけ多く(好ましくは最大入射光束を)取り込むように構成することで、光電変換レベル(S)が向上し、また、フォトダイオードを使用しないことから、暗ノイズ(N)を激減でき、S/Nの良好な光センサが構成することができる。
【0016】
まず初めに、光透過散乱型液晶のアクティブレンズ機能と、基板内に配置したTFTとの組み合わせとからなる、本発明の第1の実施の形態による光センサについて詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態による光センサAは、例えばガラスなどによる透明な第1の基板1と、例えば、ガラス又はシリコンなどの第2の基板2との間に、ポリマ分散型液晶等の光透過散乱型液晶3が封入されている。第1の基板1には、光透過散乱型液晶3を駆動するための駆動電極4を基板面内において対向に配置している。光透過散乱型液晶3は、駆動電極4間の印加電圧がゼロの時は散乱状態となり光を透過しない。第2の基板は裏面からの光漏れを防ぐために、遮光材または遮光処理が望ましい。光透過散乱型液晶パネル厚は、例えば、約2〜3mm程度であり、殆ど2枚の基板の厚さになる。
【0018】
第2の基板2には、例えばポリシリコンにより形成されるソース電極5とドレイン電極6と例えばシリコン半導体層7と酸化膜などにより形成されるゲート誘電体層8とゲート電極9とにより構成されるTFT100を配置する。TFT100は、一般的なアクティブマトリクス液晶と同様の工程で製造することができ、第2の基板2上に形成された活性層(チャンネル層)7と、ゲート絶縁膜層8と、その上に形成されたゲート電極9と、チャンネル層7に形成されたソース、ドレイン電極5・6と、を有している。例えば、暗電流は10−12A程度である。TFT100のゲート電極9は、入射光束を効率的に取り込むため、光透過散乱型液晶3の駆動電極4と基板面の法線方向に対向している。駆動電極4の対の間隔は、TFT100のゲート絶縁膜層(ゲート部)8の領域を光学的に遮光しない間隔にするのが好ましい。これにより、TFT100のゲート部8に直接光束を入射させる導光部を形成することができる。
【0019】
次に、本実施の形態による光センサの動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態による光センサにおける液晶駆動電極及びTFT各電極のバイアスについて示す図である。第1の基板1側から入射する入射光10に対して敏感に反応させるため、図3に示すように、TFT100のゲート電極9には、抵抗15を介して負方向の深いバイアス電圧(−VCC)14を印加しておくと、白抜きの矢印で示す電流21の静特性曲線は図4に示す符号500のようになる。Vccは例えば4V程度である。
【0020】
ソース電極5とドレイン電極6との間に電流21が流れ、コンデンサ16と抵抗17との並列回路の両端に出力電圧18として誘起される。この出力電圧18を入力として、所定の光束以上の入射光束が得られるような制御システム19から出力される出力電圧20により、光透過散乱型液晶3の駆動電極4に対して所定の電圧11が印加される。その際の後述するアクティブレンズ機能により、入射光10は第2の基板2に配置されているTFT100のゲート誘電体層8に集光するようになっている。
【0021】
図4は、図1に示すような本実施の形態による光センサに用いられるTFT100における光電流特性例を示す図である。図4に示すように、TFT100に印加するゲート電圧Vgが閾値電圧以下の場合には、ソース-ドレイン電流IDSは基本的には流れないが、実際にはわずかながら、例えば3×10−11(A)程度の光電流(暗電流)400(破線で示す)が漏れ電流として流れるため、センサとしてのS/Nを悪くしているという問題がある。本実施の形態では、本来であれば問題となるこの現象を逆に活用することを考えたものである。すなわち、図4に示すように、負方向の深いバイアス電圧(−VCC)14(図3)を印加し、かつ、ゲート誘電体層(絶縁膜層9)に光を積極的に入力すると、図4中の電流特性曲線500に示すように、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vth以下でも、ドレイン電流が流れるようになる。一般的には、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vth以上でないとドレイン電流は流れないが、負方向の深いバイアス電圧(−VCC)14(図3)を印加することで、ゲート電圧Vgがしきい値電圧Vth以下でもドレイン電流が流れるため、光センサとして利用できるようになる。以下に、光透過散乱型液晶3の配向特性を活用したアクティブレンズ機能について説明する。図5は、本実施の形態によるアクティブレンズ機能の原理を説明するための図である。図5に示すように、駆動電極4の近傍の光透過散乱型液晶3の分子12は、基板1にほぼ平行に配向する。駆動電極4から少し離れた位置の光透過散乱型液晶3の分子は、基板1に対し下方に若干湾曲に配向する。このように、電極4から徐々に離れるにつれ、より下方に湾曲した配向となり、下に凸の凸型シリンドリカルレンズを形成する。この様に、駆動電圧11を調整することにより、凸型シリンドリカルレンズの曲率を可変にすることができるため、適応的に焦点距離を調整することができる。このアクティブレンズ機能により、入射光10をTFT100のゲート電極9に集光させることができる。この光により、ドレイン5−ソース6間に電流が流れ、コンデンサ16を充電する。コンデンサ16に充電された電荷は、順次取り出されて、電気信号に変換される。図7は、本実施の形態によるアクティブレンズ機能における焦点距離と印加電圧との関係を示す概念図である。図7において、電極対4に矩形波または正弦波等の交流電圧が印加されると、電極4を中心に等電位面121が形成され、この等電位面121に垂直に交差するように電気力線122が形成される。従って、電極4近傍の光透過散乱型液晶分子は、電気力線122に沿って図5に示したように配向することになる。すなわち、光透過散乱型液晶3の分子は基板1にほぼ平行に配向するが、電極4から少し離れた位置の光透過散乱型液晶3の分子は、基板1に対し下方に若干湾曲に配向する。液晶分子列で形成される湾曲面は、印加電圧の大きさに比例して滑らかになる。このように、電極対4の印加電圧により、凸型シリンドリカルレンズの曲率を任意に調整することができる。
【0022】
図8から図11では、本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧依存性を示す図である。図12は、本実施の形態によるアクティブレンズ機能の印加電圧例を示す図である。
【0023】
図12に示すように、電極4に印加する電圧パルスは、(a)に示す低い電圧V1、(b)に示すそれよりはやや高い電圧V2、(c)に示す電圧V3、(d)に示す高い伝タスV4とすると、印加電圧が低いV1の時は、図8に示すように、液晶により形成されるアクティブレンズ機能による凸レンズ123の曲率が小さいため、焦点距離f1の長いレンズが形成される。更に、印加電圧をV2→V3と高くしていくと、図9、10に示す様に、凸レンズ124・125の曲率が大きくなり、焦点距離f2、f3のように短くなっていく。図10に示すように、ゲート電極9の下面に位置する焦点距離が、TFT100が光を最も効率良く受ける状態を示す図であり、さらに焦点距離が短くなると図11に示すように(凸レンズ126)、TFT100よりも第1の基板1側に焦点が結ばれ、TFT100に照射される光が弱まる。
【0024】
このように、電極4に印加する電圧により焦点距離を調整することができ、基板面に垂直に入射する入射光を最も効率良く集光させることができる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態による光センサについて説明する。本実施の形態は、図1を参照して説明した第1の実施の形態による光センサにおいて、入射光10の中のゲート誘電体層8から外れる斜め方向の成分を集光させる機能を備えたものであり、図2に示されている。図2に示すように、第1の基板1面にフィールドレンズ22を配置している。これにより、斜め方向の入射光23(図1)を図2の24に示すように補正し、ゲート誘電体層8に集光することができる。このような構成(集光部)により、第1の実施の形態に比べて更にS/Nを向上させることができる。尚、フィールドレンズ22は、視野レンズとも言い、1)前方の対物レンズの口径を映し、もしくは次に来るレンズの口径上に、先の対物レンズや正立系の口径を映すため、内部の像面、あるいはその近くに置くレンズのことである。
【0026】
図2においては、フィールドレンズ22を薄肉の凸レンズで構成させた例を示したが、アクティブレンズ200との組み合わせにより、集光特性を任意に設定することがきるように光学素子(レンズ等)を選択・設計することができる。
【0027】
尚、本発明の第1及び第2の実施の形態による光センサとしては、1素子のみについて説明したが、実際には、複数(多数)の光センサをマトリックス状に配置してアレー化し、公知の技術により線順次で駆動させる駆動部を設けることで、イメージセンサ等の光集積回路として構成することも可能である。また、本発明の光センサを表示素子と兼用する等の応用も可能である。また、本発明の光センサへのTFT100のゲート誘電体層への入射光束を最大にする制御システムを構成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、光センサに利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
A…光センサ、1…第1の基板、2…第2の基板、3…光透過散乱型液晶、4…駆動電極、5…ソース電極、6…ドレイン電極、7…シリコン半導体層、8…ゲート誘電体層、9…ゲート電極、10…入射光、14…バイアス電圧(−VCC)、15…抵抗、18…出力電圧、21…電流、100…TFT。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な第1の基板と、
前記第1の基板と対向して配置される第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された光透過散乱型液晶材と、前記第1の基板の前記第2の基板側の面に配置された前記光透過散乱型液晶材駆動用の駆動電極対と、
前記第2の基板の前記第1の基板側の面であって前記駆動電極対と、基板の法線方向に対向する位置に設けられた薄膜トランジスタ(「TFT」と称する。)と
を有することを特徴とする光センサ。
【請求項2】
TFTのしきい値電圧以下のゲート電圧においてもドレイン電流が流れる程度の電圧を、前記TFTのソース−ゲート間に印加して用いることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記駆動電極対と前記TFTのゲート部とが対向配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記駆動電極に所定の電圧を印加する電圧印加部を有し、前記電圧印加部により、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記光透過散乱型液晶材により可変焦点機能を有するアクティブレンズを形成することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項5】
前記駆動電極対の間隔を、前記TFTのゲート部の領域を光学的に遮光しない間隔にすることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項6】
前記TFTのゲート部に直接光束を入射させる導光部を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項7】
前記第1の基板側に、入射光のうち前記TFTのゲート誘電体層から外れる斜め方向の成分を前記ゲート誘電体層に集光させる集光部を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項8】
前記集光部は、前記第1の基板面に形成されたフィールドレンズを含むことを特徴とする請求項7に記載の光センサ。
【請求項9】
前記集光部は、前記フィールドレンズと前記光透過散乱型液晶材により形成された可変焦点のアクティブレンズとの組み合わせにより構成されていることを特徴とする請求項8に記載の光センサ。
【請求項10】
前記第1の基板の前記第2の基板とは反対側から光が入射可能な構成において、前記TFTのゲート電極を負極性の電源に接続し、ソース電極を正極性の電源に接続し、ドレイン電極とアースとの間にコンデンサと抵抗との並列回路がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の光センサを基板面内に複数配置したことを特徴とする光センサ集積回路。
【請求項12】
前記光センサをマトリックス状に配置し、前記基板面に形成され前記光センサをその交点の位置とする第1の配線及びそれと交差する第2の配線により、前記TFTが駆動されるとともに、前記TFTの出力電圧を入力として、所定の光束以上の入射光束が得られるように前記駆動電極対に印加する電圧を出力する電圧制御部を有することを特徴とする請求項11に記載の光センサ集積回路。
【請求項13】
前記複数の駆動電極対と前記複数のTFTからなるアレーを線順次で走査する駆動部を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の光センサ集積回路。
【請求項1】
透明な第1の基板と、
前記第1の基板と対向して配置される第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持された光透過散乱型液晶材と、前記第1の基板の前記第2の基板側の面に配置された前記光透過散乱型液晶材駆動用の駆動電極対と、
前記第2の基板の前記第1の基板側の面であって前記駆動電極対と、基板の法線方向に対向する位置に設けられた薄膜トランジスタ(「TFT」と称する。)と
を有することを特徴とする光センサ。
【請求項2】
TFTのしきい値電圧以下のゲート電圧においてもドレイン電流が流れる程度の電圧を、前記TFTのソース−ゲート間に印加して用いることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記駆動電極対と前記TFTのゲート部とが対向配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光センサ。
【請求項4】
前記駆動電極に所定の電圧を印加する電圧印加部を有し、前記電圧印加部により、前記第1の基板と前記第2の基板との間の前記光透過散乱型液晶材により可変焦点機能を有するアクティブレンズを形成することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項5】
前記駆動電極対の間隔を、前記TFTのゲート部の領域を光学的に遮光しない間隔にすることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項6】
前記TFTのゲート部に直接光束を入射させる導光部を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項7】
前記第1の基板側に、入射光のうち前記TFTのゲート誘電体層から外れる斜め方向の成分を前記ゲート誘電体層に集光させる集光部を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項8】
前記集光部は、前記第1の基板面に形成されたフィールドレンズを含むことを特徴とする請求項7に記載の光センサ。
【請求項9】
前記集光部は、前記フィールドレンズと前記光透過散乱型液晶材により形成された可変焦点のアクティブレンズとの組み合わせにより構成されていることを特徴とする請求項8に記載の光センサ。
【請求項10】
前記第1の基板の前記第2の基板とは反対側から光が入射可能な構成において、前記TFTのゲート電極を負極性の電源に接続し、ソース電極を正極性の電源に接続し、ドレイン電極とアースとの間にコンデンサと抵抗との並列回路がそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の光センサ。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の光センサを基板面内に複数配置したことを特徴とする光センサ集積回路。
【請求項12】
前記光センサをマトリックス状に配置し、前記基板面に形成され前記光センサをその交点の位置とする第1の配線及びそれと交差する第2の配線により、前記TFTが駆動されるとともに、前記TFTの出力電圧を入力として、所定の光束以上の入射光束が得られるように前記駆動電極対に印加する電圧を出力する電圧制御部を有することを特徴とする請求項11に記載の光センサ集積回路。
【請求項13】
前記複数の駆動電極対と前記複数のTFTからなるアレーを線順次で走査する駆動部を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の光センサ集積回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−251394(P2010−251394A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96718(P2009−96718)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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