説明

光ディスクドライブ装置、イメージファイル作成方法、イメージファイル作成プログラム、当該プログラムを記録した記録媒体

【課題】ユーザーに対して煩雑な操作を強いることなく、光ディスクのイメージファイルを作成する光ディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る光ディスクドライブ1は、光ディスク17に記録されているデータを、記録開始アドレスに基いて不揮発性メモリ12に記録することにより、不揮発性メモリ12に光ディスク17のイメージファイルを作成する制御部10と、作成したイメージファイルの割り当てドライブ名をホストコンピュータに通知すると共に、その割り当てドライブ名を記録開始アドレスに関連付けて記録する管理設定部11と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも光ディスクに記録されているデータを読み出す機能を有する光ディスクドライブ装置、および当該光ディスクドライブ装置を用いたイメージファイルの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCとも称する)の小型化および製造コストの面から、光ディスクドライブ装置を1つしか備えていないPCが一般的となっている。
【0003】
しかし、光ディスクで供給されるデータを扱うアプリケーションを使用する場合、光ディスクドライブ装置を1つしか備えていないPCでは、1つのアプリケーションしか扱うことができない。そのため、光ディスクで供給されるデータを扱うアプリケーションを複数同時に使用することができない。
【0004】
例えば、最近では、コンピュータのオペレーティングシステム(OS:Operating System)環境を異なるコンピュータ間で共有するためにOSを光ディスクドライブ装置を用いて動作させる機会も多くなっている。このような場合、OSを動作させるデータを記録した光ディスクに光ディスクドライブ装置が占有されてしまうため、例えば、百科事典などのような光ディスクで供給されるデータを扱う他のアプリケーションを利用することができなくなってしまう。
【0005】
上記の問題点を解決するための技術として、例えば、ホストPCが備えているハードディスクドライブ装置に、アプリケーションの記録されている光ディスクのイメージファイル(いわゆる、仮想ディスク)を作成する技術、すなわち光ディスクの仮想化技術を挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。また、ハードディスクドライブ装置にイメージファイルが記録されている場合には、ハードディスクドライブ装置のマスターブートレコードの設定を変更することにより、仮想ディスクからOSを動作させることもできる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−155420号公報(平成13年6月8日公開)
【特許文献2】特開2006−209367号公報(平成18年8月10日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1および2の技術では、光ディスクのイメージファイルの作成がホストPCからの操作により実行されるため、イメージファイルを作成するためのドライバまたはアプリケーションなどをホストPCに予めインストールしておく必要がある。すなわち、光ディスクドライブ装置に搭載されている光ディスクのイメージファイルを作成する際に、ユーザーがホストPCを操作しなければならない。したがって、PCに関する知識が乏しいユーザー、またはPCの操作に不慣れなユーザーでは、光ディスクのイメージファイルの作成が困難であるという問題がある。また、イメージファイルを作成するたびにホストPCを操作しなければならないため、イメージファイルの作成が煩雑となっているという問題がある。特に複数のイメージファイルを作成するためには、大変な手間を要することになる。
【0007】
本発明は、上記の各問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ユーザーに対して煩雑な操作を強いることなく、搭載されている光ディスクのイメージファイルを容易に作成することができる光ディスクドライブ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、上記課題を解決するために、
不揮発性メモリを備えた光ディスクドライブ装置であって、
上記不揮発性メモリの物理アドレスのうち、光ディスクから読み出したデータの記録を開始する物理アドレスを記録開始アドレスとして記録しているアドレス管理手段と、
上記データを、上記記録開始アドレスに基いて上記不揮発性メモリに記録することにより、上記不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成するイメージファイル作成手段と、
上記イメージファイルを識別するイメージファイル識別情報をホストコンピュータに通知すると共に、当該イメージファイル識別情報を上記記録開始アドレスに関連付けて記録するドライブ設定手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、光ディスクからデータを読み出すと共に、光ディスクから読み出したデータの記録を開始する記録開始アドレスに基いて、不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成する。すなわち、本発明に係る光ディスクドライブ装置では、光ディスクからデータを読み出すと共に、当該光ディスクから読み出したデータを不揮発性メモリに記録していくことにより、当該光ディスクのイメージファイルを作成する。言い換えれば、本発明に係る光ディスクドライブ装置は、光ディスクからのデータの読み出し処理とイメージファイルの作成処理とを同時に実行する。
【0010】
したがって、光ディスクのイメージファイルを作成するための、ホストコンピュータにおける特別な操作を不要にすることができる。すなわち、本発明に係る光ディスクドライブ装置では、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、光ディスクのイメージファイルを作成することができる効果を奏する。さらに、ホストコンピュータにおける特別な操作が不要であるため、PCの操作に不慣れなユーザーであっても光ディスクのイメージファイルを容易に作成することができる効果を奏する。
【0011】
また、上記の構成によれば、搭載した光ディスクの数に応じて、不揮発性メモリに記録されているイメージファイルの数を増やすことができる。すなわち、本発明に係る光ディスクドライブ装置では、ユーザーに対して煩雑な操作を強いることなく、不揮発性メモリにおいて、光ディスクのイメージファイルを複数作成することができる効果を奏する。
【0012】
さらに、イメージファイルが作成されている光ディスクであれば、不揮発性メモリに記録されているイメージファイルからデータを読み出すことができる。すなわち、光ディスクドライブ装置から光ディスクを取り出した場合であっても、当該光ディスクに記録されているデータを読み出すことができる効果を奏する。
【0013】
なお、OSを動作させるデータを記録した光ディスクがイメージファイルとして不揮発性メモリに記録されている場合には、マスターブートレコードの設定を変更することなく、作成したイメージファイルを利用してOSを起動させることができる効果を奏する。
【0014】
本発明に係る光ディスクドライブ装置では、さらに、光ディスクのイメージファイルの作成を完了した後に、上記光ディスクを当該光ディスクドライブ装置から取り出し可能な状態にする光ディスク排出手段をさらに備えていることが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、光ディスクに記録されているデータにおいて、読み出していないデータがある場合であっても、光ディスクを光ディスクドライブから取り出す際に、その読み出していないデータを不揮発性メモリに記録し、当該光ディスクのイメージファイルの作成を完了させることができる。
【0016】
これによって、光ディスクに読み出していないデータがある場合であっても、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、搭載されている光ディスクのイメージファイルを作成することができる効果を奏する。また、PCの操作に不慣れなユーザーであっても、容易にイメージファイルを作成することができる効果を奏する。
【0017】
本発明に係る光ディスクドライブ装置では、さらに、光ディスクそれぞれを識別する光ディスク識別情報を抽出し、上記記録開始アドレスに関連付けて記録する光ディスク識別情報管理手段をさらに備えており、上記イメージファイル作成手段は、搭載されている光ディスクの上記光ディスク識別情報がすでに記録されている上記光ディスク識別情報に一致しないときに、上記不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成することが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、光ディスクドライブ装置は、搭載されている光ディスクの光ディスク識別情報と、すでに記録されている光ディスク識別情報が一致しない場合に、イメージファイルを作成する。すなわち、同一の光ディスク(同一のデータが記録されている光ディスク)が搭載された場合には、イメージファイルを作成しない。
【0019】
これによって、不揮発性メモリにおいて同一のデータを有するイメージファイルが複数作成されてしまい、不揮発性メモリの記録領域が有効に活用できなくなることを防止することができる効果を奏する。
【0020】
本発明に係る光ディスクドライブ装置では、さらに、上記ドライブ設定手段は、イメージファイル識別情報をホストコンピュータに通知すると共に、当該イメージファイル識別情報と、上記イメージファイルの作成が完了したことを示すイメージファイル作成完了情報とを、上記記録開始アドレスおよび上記光ディスク識別情報に関連付けて記録し、上記イメージファイル作成手段は、すでに記録されている光ディスク識別情報に一致し、かつ、上記イメージファイル作成完了情報が記録されていないときに、当該光ディスクから読み出したデータを、上記光ディスク識別情報に関連付けられた上記記録開始アドレスに基いて上記不揮発性メモリに記録することにより、当該光ディスクのイメージファイルを作成することが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、搭載されている光ディスク識別情報と、光ディスク識別情報が一致したときであっても、イメージファイル作成完了情報が記録されていないときには、引き続きイメージファイルを作成する。
【0022】
これによって、以前記録したデータ(すなわち、未完成のイメージファイルのデータ)が不揮発性メモリに存在する場合には、そのデータに継続してデータを記録することにより、搭載されている光ディスクのイメージファイルを作成することができる。したがって、不揮発性メモリに以前記録したデータが存在する場合におけるイメージファイルの作成に要する時間を短縮することができる効果を奏する。
【0023】
本発明に係る光ディスクドライブ装置では、さらに、上記不揮発性メモリに記録されている上記イメージファイルのうちの少なくとも1つを消去するイメージファイル消去手段を備えていることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、不揮発性メモリに記録されているイメージファイルを消去する場合であっても、ホストコンピュータからの特別な操作を必要としない。
【0025】
これによって、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、記録されているイメージファイルを消去することができる効果を奏する。また、PCの操作に不慣れなユーザーであっても、記録されているイメージファイルを容易に消去することができる効果を奏する。
【0026】
本発明に係るイメージファイル作成方法は、上記課題を解決するために、
不揮発性メモリを備えた光ディスクドライブ装置において、当該不揮発性メモリにおいて、当該光ディスクドライブ装置に搭載されている光ディスクのイメージファイルを作成するイメージファイル作成方法であって、
上記不揮発性メモリの物理アドレスのうち、光ディスクから読み出したデータの記録を開始する物理アドレスを記録開始アドレスとして記録するアドレス管理手段と、
上記データを、上記記録開始アドレスに基いて上記不揮発性メモリに記録することにより、上記不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成するイメージファイル作成ステップと、
上記イメージファイルを識別するイメージファイル識別情報をホストコンピュータに通知すると共に、当該イメージファイル識別情報を上記記録開始アドレスに関連付けて記録するドライブ設定ステップと、
を含むことを特徴としている。
【0027】
上記の構成によれば、本発明に係る光ディスクドライブ装置と同様の作用効果を奏する。
【0028】
本発明に係る光ディスクドライブ装置が備えているコンピュータを動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記の各手段として駆動させることを特徴とするイメージファイル作成プログラムおよび当該イメージファイル作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、以上のように、光ディスクから読み出したデータを、光ディスクから読み出したデータの記録を開始する記録開始アドレスに基いて記録することにより、不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成する。
【0030】
これによって、本発明に係る光ディスクドライブ装置では、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、光ディスクのイメージファイルを作成することができる効果を奏する。また、PCの操作に不慣れなユーザーであっても、光ディスクのイメージファイルを容易に作成することができる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔実施形態1〕
(光ディスクドライブ1の構成)
本発明に係る光ディスクドライブ装置の一実施形態について、図1〜12を参照して以下に説明する。図1は、光ディスクドライブ1の要部構成を示すブロック図である。
【0032】
光ディスクドライブ1は、図1に示すように、制御部10、管理設定部11、不揮発性メモリ12、操作入力部13、光ピックアップ14、インターフェース15および16、ならびに光ディスク17を備えている。なお、図1に示すホストコンピュータ100(以下、ホストPC100と称する)および光ディスク17は、光ディスクドライブ1を構成する部材ではないが、本発明の理解を容易にするために、便宜上図1に示している。光ディスクドライブ1を構成する各部材の機能について、以下に説明する。
【0033】
(制御部10)
制御部10は、光ディスクドライブ1の動作一般を制御する。具体的には、制御部10は、インターフェース15を介して入力されたデータに基いて、光ディスク17からデータを読み出す動作を制御すると共に、光ディスク17から読み出したデータを不揮発性メモリ12に書き込む動作を制御する。また、制御部10は、インターフェース16を介して入力されたデータに基いて、不揮発性メモリ12からデータを読み出す動作を制御すると共に、不揮発性メモリ12へデータを書き込む動作を制御する。
【0034】
さらに、制御部10は、操作入力部13からの入力に基いて、光ディスク17の排出を制御する。また、制御部10は、不揮発性メモリ12に記録されたデータの消去を制御する。
【0035】
(管理設定部11)
管理設定部11は、論理アドレスから物理アドレスへのアドレス変換などのアドレス管理を行うと共に、不揮発性メモリ12に記録されたイメージファイルをホストPC100に対して仮想ドライブとして認識可能に設定する。管理設定部11の機能の詳細について以下に説明する。
【0036】
管理設定部11は、入力された論理アドレスから不揮発性メモリ12における物理アドレスへのアドレス変換などのアドレス管理を、管理テーブルに基いて行う。管理設定部11の有する管理テーブルの一例を図2に示す。図2に示すように、管理テーブルは、光ディスク識別情報と、記録開始アドレスと、割り当てドライブ名とを関連付けて記録している。
【0037】
光ディスク識別情報は、光ディスクそれぞれを互いに識別するための情報である。光ディスク識別情報の詳細については、下記に詳述する。割り当てドライブ名は、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルを識別するためのイメージファイル識別情報である。すなわち、ホストPC100が、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルそれぞれを互いに識別するための情報である。記録開始アドレスは、不揮発性メモリ12の物理アドレスであり、光ディスク17から読み出したデータの記録を開始するアドレスである。
【0038】
管理設定部11が図2に示す管理テーブルを有する場合、ホストPC100からは、光ディスク識別情報「AAA」の光ディスクのイメージファイルが「仮想ドライブD」にマウントされていると認識され、光ディスク識別情報「BBB」の光ディスクのイメージファイルが「仮想ドライブE」にマウントされていると認識される。すなわち、ホストPC100は、光ディスク識別情報「AAA」を有する光ディスクが搭載されている(仮想)ドライブDと、光ディスク識別情報「BBB」を有する光ディスクが搭載されている(仮想)ドライブEとを認識しており、それぞれのドライブにアクセスすることにより、それぞれのドライブにマウントされているイメージファイルからデータを読み出すことができる。
【0039】
また、図2に示すように、光ディスク識別情報「BBB」の光ディスクのイメージファイルには、割り当てドライブ名が記録されていない。したがって、このイメージファイルは、ホストPC100から認識されていない。すなわち、ホストPC100がそれぞれの仮想ドライブを認識しているということは、割り当てドライブ名がイメージファイルに割り当てられていることと同義である。
【0040】
管理設定部11は、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルの数に応じて、ホストPC100から認識可能な仮想ドライブの数を設定することができる。すなわち、管理設定部11は、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルの増減に応じて仮想ドライブの数を増減させることができる。
【0041】
以上説明したように、管理設定部11は、いわゆるメモリ管理ユニット(Memory Management Unit;MMU)の機能およびポートマルチプライヤー(Port Multiplier;PMP)の機能を有している。図1において、管理設定部11は、これらの機能をまとめたブロックとして図示しているが、それぞれの機能を有する別々の部材として構成してもよい。
【0042】
なお、本明細書等における「イメージファイル」とは、光ディスクのセクタに記録されている内容を丸ごと1つのファイルにまとめて保存したものである。すなわち、イメージファイルにおけるデータは、データ形式なども含めて、光ディスクに記録されているデータと完全に一致する。イメージファイルは、ホストPCにおいて、ソフトウェア的に光ディスクがマウントされている状態としてエミュレートされるため、ホストPCからは、あたかもその光ディスクを光ディスクドライブに挿入してアクセスしているかのごとく扱うことができる。ここで、本明細書等では、仮想ドライブにマウントされている状態のイメージファイルを、単に「仮想ドライブのイメージファイル」と称する。すなわち、仮想ドライブEのイメージファイルと称する場合には、ホストPCから仮想ドライブEとして認識されている仮想ドライブにマウントされているイメージファイルを意味している。
【0043】
(不揮発性メモリ12)
不揮発性メモリ12は、電源を切っても記憶した内容の消えないメモリである。不揮発性メモリ12は、光ディスク17のイメージファイルを記録するデータメモリとして機能する。したがって、不揮発性メモリ12は、少なくとも搭載する光ディスク17の記録容量以上の記録容量を有している。
【0044】
不揮発性メモリ12として、具体的には、フラッシュメモリを挙げることができる。フラッシュメモリのタイプは、特に限定されるものではなく、NAND型フラッシュメモリを用いてもよいし、NOR型フラッシュメモリを用いてもよい。
【0045】
(操作入力部13)
操作入力部13は、光ディスクドライブ1に対するユーザーからの操作入力を受け付けるインターフェースである。図1に示すように、操作入力部13は、光ディスク排出ボタン20およびイメージファイル消去ボタン21を備えている。
【0046】
光ディスク排出ボタン20は、搭載されている光ディスク17を光ディスクドライブ1から取り出し可能な状態にセットするためのボタンである。言い換えれば、光ディスクを光ディスクドライブ1から排出するためのボタンである。より詳細に説明すると、ディスクトレイ式の光ディスクドライブであれば、ディスクトレイを開放するためのボタンであり、スロットイン式の光ディスクドライブであれば、光ディスク17を光ディスクドライブから排出するためのボタンである。
【0047】
イメージファイル消去ボタン21は、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルを消去するためのボタンである。なお、これらのボタンを押下した場合の光ディスクドライブ1の動作については、下記に説明する。
【0048】
(光ピックアップ14)
光ピックアップ14は、光ディスク17からデータを読み出すための光源および受光部を備えている。光ピックアップ14は、制御部10からの指示に基いて駆動される。
【0049】
(インターフェース15および16)
インターフェース15および16は、ホストPC100と光ディスクドライブ1との間においてデータを送受信するためのものである。
【0050】
インターフェース15から伸びるバス(データライン)は、制御部10を介して、光ピックアップ10へ接続されている。すなわち、光ディスク17からデータを読み出すためのアドレスは、インターフェース15を介して光ディスクドライブ1へ入力される。一方、インターフェース16から伸びるバスは、制御部10を介して、管理設定部11へ接続されている。すなわち、不揮発性メモリ12からデータを読み出すためのアドレスおよび不揮発性メモリ12へデータを書き込むためのアドレスは、インターフェース16を介して光ディスクドライブ1へ入力される。
【0051】
インターフェース15および16としては、例えば、SATA(Serial AT attachment)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、およびSCSI(Small Computer System Interface)などを挙げることができる。これらのうちでも、汎用性およびデータの通信速度の観点から、インターフェース15および16は、SATAまたはUSBであることが好ましい。なお、ATA(AT attachment)は、転送方式がシリアルのATAであるSATAに限定されるものではなく、転送方式がパラレルのATAを用いてもよい。また、インターフェース15および16は、互いに異なる種類のインターフェースであってもよいし、同一種類のインタフェースであってもよい。
【0052】
(光ディスク17)
光ディスクドライブ1に搭載することができる光ディスク17の種類は、特に限定されるものではない。光ディスク17として、具体的には、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blue-ray Disc)を挙げることができる。もちろん、光ディスクドライブ1は、上記の光ディスクを1種類のみ搭載可能なものに限定されるものではなく、複数種類を搭載可能であってもよい。また、光ディスク17の大きさおよび形状も特に限定されるものではない。光ディスク17は、例えば、いわゆるシングルCD、またはUMD(Universal Media Disc)などのようなディスク径の小さいディスクであってもよい。
【0053】
なお、本願明細書等において、「光ディスクを搭載する」とは、光ディスクが、光ディスクドライブ装置内において、読み出し、または書き込み可能な状態にセットされたことを指している。
【0054】
(ホストPC100)
最後に、ホストPC100について説明する。ホストPC100と光ディスクドライブ1とは、上述したように、インターフェース15、16により接続されている。したがって、ホストPC100からは、光ディスクドライブ1と共に、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルの数に応じた数の仮想ドライブが認識されている。
【0055】
ホストPC100としては、光ディスクドライブ1と接続可能なインターフェースを有するものであれば特に限定されるものではなく、ノート型のPCであってもよいし、ラップトップ型のPCであってもよいし、PDAなどの携帯型情報端末であってもよい。
【0056】
(光ディスクドライブ1の動作)
次に、光ディスクドライブ1における光ディスク17のイメージファイルの作成動作について、図3を参照しつつ以下に説明する。上述したように、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルは、ホストPC100において仮想ドライブとして認識されるため、イメージファイルの作成は、仮想ドライブの作成と言い換えることができる。
【0057】
光ディスクドライブ1に光ディスク17が搭載されると(ステップS1)、制御部10は、光ピックアップ14を駆動させ、光ディスク17から光ディスク識別情報を抽出する(ステップS2)。管理設定部11は、抽出した光ディスク識別情報が既に管理テーブルに記録されているか否かを判定する(ステップS3)。光ディスク識別情報が既に管理テーブルに記録されている場合(ステップS3においてYes)、制御部10は光ディスク17のイメージファイルがすでに作成済であると判断し、光ディスク17のイメージファイル作成動作を終了する。
【0058】
光ディスク識別情報が既に管理テーブルに記録されていない場合(ステップS3においてNo)、制御部10は光ピックアップ14を駆動させ、ホストPC100から読み出しを要求されたデータを光ディスク17から読み出す(ステップS4)。制御部10は、光ディスク17からデータを読み出すと同時に、読み出したデータを不揮発性メモリ12に記録する(ステップS5)。光ディスクドライブ1は、光ディスク17から読み出したデータを不揮発性メモリ12に記録することにより、不揮発性メモリ12に光ディスク17のイメージファイルを作成する。読み出したデータを不揮発性メモリ12に記録する動作については下記にて詳述する。
【0059】
次に、管理設定部11は、光ディスク17に記録されている全てのデータが不揮発性メモリ12に記録されたか否かを判定する(ステップS6)。すなわち、管理設定部11は、光ディスク17のイメージファイルの作成が完了したか否かを判定する。光ディスク17に記録されている全てのデータの記録が完了していない場合(ステップS6においてNo)、制御部10は、引き続き、光ディスク17からデータを読み出し、読み出したデータを不揮発性メモリ12に記録する(ステップS4)。すなわち、制御部10は、イメージファイルの作成が完了するまで、ステップS4〜S6を繰り返す。
【0060】
光ディスク17に記録されている全てのデータの記録が完了した場合(ステップS6においてYes)、すなわちイメージファイルの作成が完了した場合、管理設定部11は、割り当てドライブ名を、光ディスク識別情報および記録開始アドレスに関連付けて管理テーブルに記録する(ステップS7)。すなわち、管理設定部11は、作成の完了したイメージファイルに対して、ホストPC100から認識可能な識別情報を設定する。管理設定部11は、作成の完了したイメージファイルに対して割り当てた割り当てドライブ名をホストPC100に通知する(ステップS8)。ここで、ステップS7とS8とは必ずしもこの順である必要はない。すなわち、管理設定部11が割り当てドライブ名をホストPC100に通知した後、ホストPC100に通知した割り当てドライブ名を光ディスク識別情報および記録開始アドレスに関連付けて管理テーブルに記録するようにしてもよい。
【0061】
なお、上記のイメージファイルの作成動作では記載していないが、管理設定部11において、不揮発性メモリ12における空き領域が光ディスク17に記録されている全データのサイズよりも小さい、すなわち不揮発性メモリ12においてイメージファイルを作成するための記録容量が不足していると判定された場合には、制御部10はイメージファイルの作成を終了する。
【0062】
(光ディスクドライブ1の利点)
以上説明したように、光ディスクドライブ1は、光ディスク17から読み出したデータの記録を開始する記録開始アドレスに基いて、不揮発メモリ12に光ディスク17のイメージファイルを作成する。すなわち、光ディスクドライブ1は、光ディスク17からデータを読み出すと共に、不揮発性メモリ12に光ディスク17のデータを記録することにより、光ディスク17のイメージファイルを作成する。言い換えれば、光ディスクドライブ1は、光ディスク17からのデータの読み出し動作とイメージファイルの作成動作とを同時に実行する。
【0063】
したがって、光ディスク17のイメージファイルを作成するための、ホストPC100における特別な操作を不要にすることができる。すなわち、光ディスクドライブ1では、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、光ディスク17のイメージファイルを作成することができ、また、PCの操作に不慣れなユーザーであっても光ディスク17のイメージファイルを容易に作成することができる。
【0064】
また、光ディスクドライブ1では、搭載した光ディスク17の数に応じて、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルの数を増やすことができる。
【0065】
また、不揮発性メモリ12に光ディスク17のイメージファイルが作成されている場合には、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルからデータを読み出すことができる。これによって、光ディスクドライブ1から光ディスク17を取り出した場合であっても、光ディスク17に記録されているデータを読み出すことができる。
【0066】
なお、光ディスク17がOSを動作させるデータを記録した光ディスクであり、かつ、イメージファイルとして不揮発性メモリ12に記録されている場合には、マスターブートレコードの設定を変更することなく、作成したイメージファイルを利用してOSを起動させることもできる。
【0067】
さらに、光ディスクドライブ1は、同一の光ディスク(同一のデータが記録されている光ディスク)が搭載された場合には、イメージファイルを作成しない。これによって、不揮発性メモリ12において同一のデータを有するイメージファイルが複数作成されてしまい、不揮発性メモリ12の記録領域が有効に活用できなくなることを防止することができる。
【0068】
(ホストPC100からのデータ読み出し処理)
ホストPC100から各部材へのデータの流れについて、図4を参照しつつ以下に説明する。図4は、ホストPC100から不揮発性メモリ12に記録されているデータまたは光ディスク17に記録されているデータを読み出す際の処理を模式的に示す図である。
【0069】
なお、本実施形態では、ホストPC100から仮想ドライブDにマウントされているイメージファイルからデータを読み出す場合と、ドライブR(光ディスクドライブ1)に搭載されている光ディスク17からデータを読み出す場合とを例に挙げて説明する。
【0070】
仮想ドライブDからデータを読み出す場合、ホストPC100は、仮想ドライブDを指定する情報と仮想ドライブDにおけるアドレスとを含むデータをライン50を介して制御部10に送る。この際、データは図1に示したインターフェース16を介して制御部10に送られる。制御部10は、入力されたデータをライン51を介して管理設定部11へ送る。管理設定部11は、入力されたデータが仮想ドライブDを指定するデータであると判定し、仮想ドライブDに対応する仮想ライン60を用いて、入力されたアドレスを管理テーブルに基いてアドレス変換したのち、変換された物理アドレスにより指定される記録領域からデータを読み出す。このときの変換は、イメージファイルを作成する際のアドレス変換の逆処理となる。制御部10は、管理設定部11において読み出されたデータをホストPC100に送る。
【0071】
同様に、仮想ドライブEからデータを読み出す場合には、仮想ライン61を利用し、仮想ドライブFからデータを読み出す場合には、仮想ライン62を利用する。なお、仮想ライン60〜62は、あたかも各仮想ドライブに接続されているように認識されているラインであり、管理設定部11と不揮発性メモリ12とを接続する物理なラインではない。この仮想ラインは管理設定部11において作成されるため、仮想ドライブの数の増減に応じて増減させることができる。
【0072】
なお、ドライブRからデータを読み出す場合、ホストPC100は、ドライブRを指定する情報と光ディスク17のアドレスとを含むデータをライン52を介して制御部10に送る。この際、データは図1に示したインターフェース15を介して制御部10に送られる。制御部10は、ライン53を用いて、入力されたアドレスにより指定される記録領域(セクタ)に記録されているデータを読み出す。
【0073】
なお、ホストPC100から送信されるデータは、いずれの仮想ドライブを指定する場合であっても、必ずインターフェース16を介して送られる。すなわち、不揮発性メモリ12におけるイメージファイルの数(仮想ドライブの数)によらず、ホストPC100と不揮発性メモリ12とを繋ぐバスは常に1本である。また、作成できるイメージファイルの数は、特に限定されるものではなく、不揮発性メモリ12の容量の応じて適宜決定される。
【0074】
(イメージファイル作成動作の詳細)
次に、光ディスクドライブ1における光ディスク17のイメージファイル作成のより詳細な動作について、図5(a)〜(c)および図6を参照して以下に説明する。なお、ここでは、図5(a)〜(c)に示すように、光ディスク識別情報「CCC」の光ディスク17のイメージファイルを作成する場合を例に挙げて説明する。図5(a)〜(c)は、光ディスクのイメージファイルを作成する際の管理テーブルの変化を示す図であり、(a)は、光ディスク識別情報の記録前の状態を示し、(b)はイメージファイル作成中の状態を示し、(c)はイメージファイル作成完了後の状態を示す図である。
【0075】
図5(a)に示すように、管理テーブルは、イメージファイルの作成開始前には、記録開始アドレスのみを記録している。光ディスク17から抽出された光ディスク識別情報「CCC」を、管理テーブルの光ディスク識別情報に記録する(図5(b))。このとき、例えば、光ディスク17から抽出した光ディスク識別情報が「AAA」および「BBB」であった場合(すなわち、光ディスク17から抽出した光ディスク識別情報が管理テーブルにすでに記録されている場合)、管理設定部11は、光ディスク識別情報を管理テーブルに記録しない。したがって、制御部10はイメージファイルを作成しない。
【0076】
続いて、制御部10は、光ディスク17から読み出したデータを、不揮発性メモリ12に順次記録していく。このとき、光ディスク17から読み出されたデータの記録先は、管理設定部11における管理テーブルに基いて決定される。ここでは、制御部10が、光ディスク17のアドレス「0x005」により指定されるセクタからデータを読み出した場合を例に挙げて具体的に説明する。
【0077】
管理設定部11は、図5(b)に示すように、管理テーブルにおいて、光ディスク17のアドレス「0x000」が記録開始アドレス「0x070」に対応することを記録している。したがって、管理設定部11は、管理テーブルに基いて、アドレス「0x005」がアドレス「0x000」から数えて6番目のセクタを指定するアドレスであると判断し、アドレス「0x005」により指定されるセクタから読み出したデータを、記録開始アドレス「0x070」から6番目のアドレスである物理アドレス「0x075」により指定される領域に記録する(図6)。管理設定部11は、同様の方法を繰り返すことによって、光ディスク17に記録されている全てのデータを不揮発性メモリ12に記録する。
【0078】
このとき、光ディスク17においてランダムアクセスが発生し、例えば、制御部10がアドレス「0x005」により指定されるセクタのデータを読み出した後、アドレス「0x010」により指定されるセクタのデータを読み出した場合、管理設定部11は、先と同様にして、アドレス「0x010」により指定されるセクタのデータを不揮発性メモリ12の物理アドレス「0x080」により指定される領域に記録する。すなわち、管理設定部11は、不揮発性メモリ12の物理アドレス「0x076」〜「0x079」により指定される領域を飛ばして、物理アドレス「0x080」により指定される領域に記録する。
【0079】
イメージファイルの作成が完了すると、管理設定部11は、光ディスク17に記録されている全てのデータが記録されたことを示す情報(例えば、「End Of File(以下、単にEOFと称する)」)を、作成したイメージファイルに書き込む。そして、管理設定部11は、光ディスク17のイメージファイルがマウントされる仮想ドライブの識別情報(仮想ドライブ名)を管理テーブルに記録する(図5(c))。仮想ドライブ名は、すでに設定されている仮想ドライブ名に基いて、同一のドライブ名とならないように設定すればよい。なお、図5(c)では、作成したイメージファイルをマウントする仮想ドライブを仮想ドライブFと認識する場合を例示している。また、管理設定部11は、仮想ドライブ名の割り当てと同時に、作成したイメージファイルのマウントされている仮想ドライブ名が「ドライブF」であることをホストPC100に対して通知する。これによって、ホストPC100は、仮想ドライブFを新たに認識する。
【0080】
最後に、管理設定部11は、次のイメージファイルを作成する際の記録開始アドレスを設定する。例えば、光ディスク17のイメージファイルが不揮発性メモリ12における物理アドレス「0x070」〜「0x089」を使用している場合、管理設定部12は、次のイメージファイルを作成する際の記録開始アドレスを「0x090」に設定する(図5(c))。このように、光ディスクドライブ1は、不揮発性メモリ12の記録容量の許す限り、イメージファイルを作成することができる。
【0081】
なお、作成されたイメージファイルのサイズは、管理設定部11において、記録開始アドレスから算出することができる。例えば、ホストPC100において仮想ドライブEのイメージファイルは、記録開始アドレスが「0x030」である。次の仮想ドライブFのイメージファイルの記録開始アドレスが「0x070」であるため、仮想ドライブEのイメージファイルのサイズは、アドレス「0x030」〜「0x069」により指定される記録領域のサイズとなる。
【0082】
管理テーブルが図5(c)に示した状態おける不揮発性メモリ12の記録領域を示す模式図を図6に示す。図6に示すように、不揮発性メモリ12は、物理アドレスとして「0x000」〜「0x100」を有している。ホストPC100において、不揮発性メモリ12における物理アドレス「0x000」〜「0x029」は、仮想ドライブDのアドレス(不揮発性メモリ12における論理アドレス)として認識されている。同様に、不揮発性メモリ12における物理アドレス「0x030」〜「0x069」は、仮想ドライブEのアドレスとして認識されており、不揮発性メモリ12における物理アドレス「0x070」〜「0x089」は、仮想ドライブFのアドレスとして認識されている。
【0083】
言い換えれば、不揮発性メモリ12における物理アドレス「0x000」〜「0x029」により指定される領域(領域α)には、仮想ドライブDのイメージファイルが記録されており、物理アドレス「0x030」〜「0x069」により指定される領域(領域β)には、仮想ドライブEのイメージファイルが記録されており、物理アドレス「0x070」〜「0x089」により指定される領域(領域γ)には、仮想ドライブFのイメージファイルが記録されている。
【0084】
したがって、ホストPC100が仮想ドライブDからデータを読み出す場合、管理設定部11は、ホストPC100から入力されたアドレスを、物理アドレス「0x000」〜「0x029」のうちの対応する物理アドレスに変換する。
【0085】
また、図6に示すように、不揮発性メモリ12における論理アドレスは、仮想ドライブごとにそれぞれが独立している。したがって、例えば、管理設定部11は、不揮発性メモリ12における論理アドレス「0x005」に対応する物理アドレスを読み出す際、図6に示すように、「仮想ドライブD」のアドレス「0x005」の場合は物理アドレス「0x005」を、「仮想ドライブE」のアドレス「0x005」の場合は物理アドレス「0x035」を、そして「仮想ドライブF」のアドレス「0x005」の場合は物理アドレス「0x075」を読み出すことになる。
【0086】
なお、図6では便宜上、物理アドレスおよび論理アドレス共に、各領域における先頭のアドレスのみ表記している。例えば、領域αの場合、領域αの末尾の物理アドレスは領域βの先頭のアドレスの1つ前のアドレスである物理アドレス「0x029」となるが、図6では表記していない。他の領域においても同様である。また、不揮発性メモリ12にイメージファイルが1つも記録されていない場合、すなわち管理テーブルに何も記録されていない場合には、記録開始アドレスは、「0x000」となる。
【0087】
(光ディスク識別情報の詳細)
ここで、管理テーブルに記録される情報の1つである光ディスク識別情報の詳細について以下に説明する。光ディスク識別情報は、光ディスクそれぞれを互いに識別するための情報であり、光ディスク17の記録面に記録されている。すなわち、光ディスク識別情報は、光ピックアップ14により読み出される。
【0088】
光ディスク17がDVDまたはBDの場合、光ディスク識別情報として、メディアIDを利用することが好ましい。メディアIDとは、著作権保護などの目的でディスクごとに記録されているIDであり、コンテンツの暗号化および復号化の際に必要とされる。メディアIDは、光ディスクごとそれぞれに特異的なIDであり、同一のメディアIDを持つ光ディスクは存在しない。したがって、光ディスク17それぞれを互いに識別することができる。
【0089】
DVDおよびBDとは異なり、CDにはメディアIDが記録されていない。そのため、光ディスク17がCDである場合には、光ディスク識別情報として、目次情報(Table of Contents;TOC)を利用することが好ましい。TOCは、CDの内径部分に設けられたリードインと呼ばれる情報書き込み領域に記録されている情報であり、例えば、曲数および再生時間情報が記録されている。TOCには、再生時間情報が1/100秒単位で記録されている。曲数と再生時間情報とが1/100秒単位で一致する光ディスクが存在する確率は非常に低いため、メディアIDの場合と同様に、光ディスク17それぞれを互いに識別することができる。
【0090】
(光ディスク17の排出)
光ディスク17の排出動作について、図7を参照しつつ以下に説明する。図7は、光ディスクドライブ1において、光ディスク17を排出する動作を示すフローチャートである。なお、本明細書等において、光ディスクの排出とは、光ディスクが光ディスクドライブから取り出し可能な状態となることを意味している。
【0091】
ユーザーが操作入力部13の光ディスク排出ボタン20を押下すると、操作入力部13は、制御部10に対して光ディスク17の排出指示を送る(ステップS10)。このとき、管理設定部11は、光ディスク17のイメージファイルの作成が完了しているか否かを判断する(ステップS11)。光ディスク17のイメージファイルの作成が完了している場合(ステップS11においてYes)、制御部10は光ディスク17を排出する(ステップS17)。
【0092】
光ディスク17のイメージファイルの作成が完了していない場合(ステップS11においてNo)、制御部10は、光ディスク17において、まだアクセスされていないセクタのデータ(すなわち、まだ読み出されていないデータ)を読み出すと共に(ステップS12)、読み出したデータを管理テーブルに基いて不揮発性メモリ12に記録する(ステップS13)。すなわち、光ディスク17に記録されたデータであり、不揮発性メモリ12に記録されていないデータを、不揮発性メモリ12に記録する。読み出したデータの記録方法については、上記に詳述したため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0093】
次に、管理設定部11は、光ディスク17に記録されているデータが全て不揮発性メモリ12に記録されたか否かを判定する(ステップS14)。すなわち、光ディスク17のイメージファイルの作成が完了したか否かを判定する。光ディスク17の全てのデータの記録が完了していない場合(ステップS14においてNo)、制御部10は記録されていないデータを光ディスク17から読み出し、不揮発性メモリ12に記録する(ステップS12)。すなわち、光ディスク17のイメージファイルの作成が完了するまで、ステップS12からS14を繰り返す。
【0094】
光ディスク17の全てのデータの記録が完了した場合(ステップS14においてYes)、すなわち光ディスク17のイメージファイルの作成が完了した場合、管理設定部11は、作成の完了したイメージファイルの割り当てドライブ名を、光ディスク識別情報および記録開始アドレスにさらに関連付けて管理テーブルに記録する(ステップS15)。すなわち、管理設定部11は、作成の完了したイメージファイルに対して、ホストPC100から認識可能な識別情報を設定する。管理設定部11は、作成の完了したイメージファイルに対して割り当てられた割り当てドライブ名をホストPC100に通知する(ステップS16)。
【0095】
作成したイメージファイルをマウントする仮想ドライブがホストPC100に認識されると、制御部10は光ディスク17を排出する(ステップS17)。
【0096】
これによって、光ディスク17に読み出していないデータがある場合であっても、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、搭載されている光ディスク17のイメージファイルを作成することができる。また、PCの操作に不慣れなユーザーであっても、容易に光ディスク17のイメージファイルを作成することができる。
【0097】
なお、上記の動作では、光ディスク17のイメージファイルを作成した後に光ディスク17を排出する処理について説明しているが、ユーザーが至急光ディスク17を取り出したい場合もある。この場合、イメージファイルの作成により生じる、ユーザーが光ディスク排出ボタン20を押下してから光ディスク17が排出されるまでのタイムラグを防ぐために、光ディスク17のイメージファイルを作成することなく光ディスク17を排出するイジェクトボタン(図示しない)を別途備えていることが好ましい。ユーザーがイジェクトボタンを押下した場合の光ディスク17の排出動作は、従来公知の処理動作であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0098】
また、本実施形態では、光ディスクを排出するスイッチとしてハードウェアスイッチであるボタンを備えて光ディスク排出いる場合について例示しているが、これに限定されるものではなく、光ディスク排出手段については、ソフトウェアスイッチであってもよい。もちろん、ハードウェアスイッチとソフトウェアスイッチとを双方備える構成としてもよい。
【0099】
(イメージファイルの消去)
次に、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルの消去について、図8を参照しつつ以下に説明する。図8は、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルを消去する動作を示すフローチャートである。
【0100】
ユーザーが操作入力部13のイメージファイル消去ボタン21を押下すると、操作入力部13は、制御部10に対して不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルの消去指示を送る(ステップS20)。制御部10は、管理設定部11に記録されている管理テーブルに基いて、イメージファイルリストを作成し、ホストPC100に送る(ステップS21)。ホストPC100は、ユーザーに確認可能なように、入力されたイメージファイルリストをモニターなどの表示装置に表示する(ステップS22)。
【0101】
ユーザーは、表示装置に表示されたイメージファイルリストから、消去を希望するイメージファイルを選択する(ステップS23)。ユーザーの選択した情報は、ホストPC100から制御部10に送られ、制御部10は、不揮発性メモリ12に記録されたイメージファイルのうち、ユーザーに選択されたイメージファイルを消去する(ステップS24)。同時に、管理設定部11は、管理テーブルからユーザーに選択されたイメージファイルに対応する情報を削除する(ステップS25)。すなわち、光ディスク識別情報、割り当てドライブ名を削除する。
【0102】
このように、光ディスクドライブ1は、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルを消去する場合であっても、ホストPC100からの特別な操作を必要としない。したがって、ユーザーに煩雑な操作を強いることなく、記録されているイメージファイルを消去することができる。また、PCの操作に不慣れなユーザーであっても、記録されているイメージファイルを容易に消去することができる。
【0103】
不揮発性メモリ12に記録されたイメージファイルを消去した後の管理テーブルを図9(a)に示す。図9(a)は、図5(c)に示す管理テーブルから割り当てドライブ名としてEドライブを割り当てられていたイメージファイルを消去した場合の管理テーブルである。また、図9(b)は、不揮発性メモリ12に記録されたイメージファイルを消去した後の不揮発性メモリ12における記録領域を模式的に示した図である。図9(b)に示すように、不揮発性メモリ12の物理アドレス「0x030」〜「0x069」により指定される領域(領域β)と、「0x090」〜「0x100」により指定される領域(領域δ)とが不揮発性メモリ12における空き領域(データの記録されていない記録領域)となっている。すなわち、次に光ディスク17のイメージファイルを作成する場合には、これらのうちの少なくともいずれかの領域にイメージファイルを作成する。
【0104】
また、イメージファイルリストは、少なくとも割り当てドライブ名が表示されていればよいが、これ以外の情報を表示するようにしてもよい。例えば、光ディスクドライブ1が上記のイジェクトボタンを有するような場合、不揮発性メモリ12にはイメージファイルとして作成が完了していないデータも記録されている。このような場合、イメージファイルとして作成が完了していないデータは、割り当てドライブ名が割り当てられていないため、イメージファイルリストに表示されないことになる。したがって、イメージファイルとして作成が完了していないデータを表示するために、割り当てドライブ名だけでなく、例えば、光ディスク識別情報および不揮発性メモリ12におけるデータの記録容量もイメージファイルリストに表示するようにすることが好ましい。
【0105】
さらに、不揮発性メモリ12が1つのイメージファイルしか記録できないような場合には、上記の手順を含むことなく、イメージファイル消去ボタン21の押下によって、不揮発性メモリ12に記録されているイメージファイルを消去するようにしてもよい。
【0106】
なお、本実施形態では、イメージファイルを消去するスイッチとしてハードウェアスイッチであるイメージファイル消去ボタンを備えている場合について例示しているが、これに限定されるものではなく、イメージファイル消去手段については、ソフトウェアスイッチであってもよい。もちろん、ハードウェアスイッチとソフトウェアスイッチとを双方備える構成としてもよい。
【0107】
(分割イメージファイルの作成)
光ディスクドライブ1においてイメージファイルを作成する際、不揮発性メモリ12のいずれの記録領域にイメージファイルを作成するかの選択には、未使用領域リストを利用することが好ましい。未使用領域リストは、空き領域を管理するために、記録開始アドレスと空き領域のサイズとを関連付けて記録しているリストであり、管理設定部11に記録されている。なお、不揮発性メモリ12における空き領域のサイズは、イメージファイルのサイズの算出と同様にして算出することができる。上述した光ディスクドライブ1の動作では記載していないが、新たにイメージファイルを作成する場合、制御部10は、未使用領域リストを参照して、不揮発性メモリ12における記録開始アドレスを決定することが好ましい。
【0108】
しかし、図9(b)に示すような状態の不揮発性メモリ12にイメージファイルを作成する場合であり、領域βのサイズよりも大きいサイズのイメージファイルを作成する場合がある。このような場合、管理設定部11は、領域βと領域δとの2つの領域に渡って、イメージファイルを記録することが好ましい。このようにして作成されたイメージファイルは、不揮発性メモリ12において非連続的な物理アドレスを有している。本明細書等において、不揮発性メモリ12において非連続的な物理アドレスを有しているイメージファイルを、以下、分割イメージファイルと称する。
【0109】
ここで、分割イメージファイルの作成について、図10および図11(a)および(b)を参照して以下に説明する。図10は、分割イメージファイルを作成する動作を示すフローチャートである。なお、光ディスク識別情報の記録までの動作は、上述した動作と同一であるため、ここではその説明を省略する。
【0110】
管理設定部11は、領域βと領域δとの複合領域(領域β+δ)に光ディスク17のイメージファイルを記録できるか否かを判定する(ステップS30)。領域β+δにイメージファイルを記録できる場合(ステップS30においてYes)、制御部10は光ディスク17からデータを読み出し、読み出したデータを不揮発性メモリ12における領域βに記録する(ステップS31)。読み出したデータの記録方法については、上記に詳述したため、ここではその詳細な説明を省略する。なお、領域β+δにイメージファイルを記録できない場合には(ステップS30においてNo)、制御部10はイメージファイルの作成を終了する。
【0111】
次に、管理設定部11は、領域βに空き領域があるか否かを判定する(ステップS32)。すなわち、管理設定部11は、領域β全てにデータを記録しされているか否かを判定する。領域βに空き領域がある場合(ステップS32においてYes)、制御部10は、光ディスク17から読み出したデータを引き続き領域βに記録する(ステップS31)。すなわち、領域βに空き領域がなくなるまで、ステップS31とS32とを繰り返す。
【0112】
領域βに空き領域がない場合(ステップS32においてNo)、制御部10は、引き続き光ディスク17のセクタから読み出されるデータが領域δの開始アドレス(図9(b)ではアドレス「0x090」)記録されていることを示す情報を書き込む(ステップS33)。これ以降、制御部10は、光ディスク17から読み出したデータを不揮発性メモリ12における領域δに記録する(ステップS34)。
【0113】
次に、管理設定部11は、光ディスク17のイメージファイルの作成が完了したのか否かを判定する(ステップS35)。光ディスク17に記録されている全てのデータの記録が完了していない場合(ステップS35においてNo)、制御部10は、引き続き、光ディスク17から読み出したデータを不揮発性メモリ12の領域δに記録する(ステップS34)。すなわち、制御部10は、イメージファイルの作成が完了するまで、ステップS34およびS35を繰り返す。
【0114】
光ディスク17に記録されている全てのデータの記録が完了した場合(ステップS35においてYes)、すなわちイメージファイルの作成が完了した場合、管理設定部11は、割り当てドライブ名を管理テーブルに記録する(ステップS36)。そして、管理設定部11は、作成の完了したイメージファイルに対して割り当てた割り当てドライブ名をホストPC100に通知する(ステップS37)。
【0115】
なお、分割イメージファイルにおいてイメージファイルを消去する場合には、全ての領域に記録されているデータを削除するようにすることが好ましい。
【0116】
図11(a)および(b)は、分割イメージファイルを有する場合の管理テーブルおよび不揮発性メモリ12における記録領域の模式的な図であり、(a)は管理テーブルを示しており、(b)は不揮発性メモリ12における記録領域を示している。
【0117】
図11(a)に示すように、記録開始アドレスが「0x030」に対応する光ディスク識別情報と、記録アドレスが「0x090」に対応する光ディスク識別情報とは、いずれも「DDD」であり、同一である。また、割り当てドライブ名も同一のドライブ名が割り当てられている。図11(b)に示すように、不揮発性メモリ12における物理アドレス「0x030」〜「0x060」により指定される領域(領域β)には、論理アドレス「0x000」〜「0x039」が割り当てられており、不揮発性メモリ12における物理アドレス「0x090」〜「0x100」により指定される領域(領域δ)には、論理アドレス「0x040」〜「0x050」が割り当てられている。
【0118】
これによって、ホストPC100からは、不揮発性メモリ12において非連続的な物理アドレスを有する分割イメージファイルであっても、物理アドレスが連続的であるイメージファイル(通常のイメージファイル)と同様に扱うことができる。そのため、光ディスクドライブ1は、不揮発性メモリ12において断続的な空き領域が多数生じることを防止し、不揮発性メモリ12の記録領域を効率的に利用することができる。
【0119】
なお、本実施形態では、不揮発性メモリ12において2つの領域に分割されているイメージファイルの作成を例に挙げて説明しているが、もちろんこれに限定されるものではなく、3つ以上の領域に分割されて記録されているイメージファイルであっても同様にして作成することができる。
【0120】
(管理テーブルの変形例)
図5(a)〜(c)では、管理テーブルが、光ディスク識別情報と、記録開始アドレスと、割り当てドライブ名とを互いに関連付けて記録している場合を示したが、管理テーブルは、これに限定されるものではない。例えば、管理テーブルは、記録開始アドレスと、割り当てドライブ名とのみを互いに関連付けて記録していてもよい。この場合であっても。不揮発性メモリ12において、搭載されている光ディスク17のイメージファイルを作成することができる。
【0121】
また、図12(a)に示すように、管理テーブルが、仮想化状態(イメージファイル作成完了情報)を示す情報をさらに関連付けて記録しているようにしてもよい。仮想化状態とは、イメージファイルの作成が完了しているか否かを示す情報(フラグ)である。したがって、仮想化情報は、管理設定部11において、割り当てドライブ名の記録と共に記録されることが好ましい。
【0122】
管理テーブルが仮想化状態を関連付けて記録している場合には、制御部10が、光ディスク識別情報が一致し、かつ、仮想化状態が「継続」であるとき、イメージファイルを作成しないと判定するように設定することができる。これによって、イメージファイルの作成を完了することなく光ディスク17を取り出した場合、すなわち不揮発性メモリ12に以前記録したデータが存在する場合には、そのデータに継続してデータを記録することにより、搭載されている光ディスク17のイメージファイルを作成することができる。したがって、不揮発性メモリ12に以前記録したデータが存在する場合におけるイメージファイルの作成の際に要する時間を短縮することができる。
【0123】
(付記事項)
本実施形態において、記録媒体をソフトウェア的にマウントすることができるドライブを仮想ドライブと称して、ハードウェア的なドライブと区別しているが、ホストPC100は、仮想ドライブを物理的なドライブと同様に取り扱うことができる。また、ホストPC100が仮想ドライブを複数認識している場合には、光ディスクドライブ1を仮想的な光ディスクチェンジャー(例えば、CDチェンジャー)として使用することもできる。
【0124】
光ディスクドライブ1は、光ディスク17に対する書き込み機能を有していてもよい。光ディスク17に対する書き込み処理は、従来公知の処理を用いればよい。
【0125】
さらに、不揮発性メモリ12に記録したイメージファイルが、例えば相変化記録方式を採用する書き換え型の光ディスク17から作成された場合、不揮発性メモリ12におけるイメージファイルのデータを書き換えることができる。この場合、イメージファイルを作成した元となった光ディスク17が取り出される際には、光ディスク17に記録されているデータとの整合性を取るために、書き換えたデータを光ディスク17に書き戻すことが好ましい。
【0126】
また、ホストPC100から読み出し要求を受けた光ディスク17のデータが、不揮発性メモリ12に記録されている場合、制御部10は、不揮発性メモリ12に記録されているデータを優先して読み出す。一般的に、フラッシュメモリに代表される不揮発性メモリ12は、光ディスクドライブよりもデータの読み出し速度が速いため、ホストPC100から読み出しを要求されたデータを迅速に読み出すことができる。
【0127】
(プログラムおよび記録媒体)
最後に、光ディスクドライブ1に含まれている制御部10および管理設定部11は、ハードウェアロジックによって構成すればよい。または、次のように、MPUなどのCPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0128】
すなわち、制御部10および管理設定部11は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するMPUなどのCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。
【0129】
そして、本発明の目的は、上記プログラムが制御部10および管理設定部11のプログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、または、ソースプログラム)を記録した記録媒体を光ディスクドライブ1に供給し、光ディスクドライブ1が上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
【0130】
上記記録媒体は、特定の構造または種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0131】
また、制御部10および管理設定部11(または光ディスクドライブ1)を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して制御部10および管理設定部11に供給する。この通信ネットワークは制御部10および管理設定部11にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類または形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0132】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0133】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲において種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明に係る光ディスクドライブ装置は、CDドライブ、DVDドライブ、およびBDドライブなどの光ディスクドライブ一般に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に係る光ディスクドライブの要部構成を示すブロック図である。
【図2】管理設定部の有する管理テーブルの一例を示す図である。
【図3】本発明に係る光ディスクドライブにおいて、イメージファイルを作成する際の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】光ディスクまたは不揮発性メモリからのデータ読み出し処理を模式的に示す図である。
【図5】光ディスクのイメージファイルを作成する際の管理テーブルの変化を示す図であり、(a)は、光ディスク識別情報の記録前の管理テーブルを示し、(b)は光ディスク識別情報の記録後の管理テーブルを示し、(c)はイメージファイル作成完了後の管理テーブルを示す図である。
【図6】不揮発性メモリの記録領域の一例を模式的に示した図である。
【図7】本発明に係る光ディスクドライブにおいて、光ディスクを排出する処理動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る光ディスクドライブにおいて、不揮発性メモリに記録したイメージファイルを消去する処理動作を示すフローチャートである。
【図9】不揮発性メモリに記録したイメージファイルを消去した後の管理テーブルおよび不揮発性メモリの記録領域を模式的に示した図であり、(a)は管理テーブルを示しており、(b)不揮発性メモリの記録領域を示している。
【図10】不揮発性メモリにおいて非連続的な物理アドレスを有するイメージファイルを作成する処理動作を示すフローチャートである。
【図11】不揮発性メモリに記録したイメージファイルを消去した後の管理テーブルおよび不揮発性メモリの記録領域を模式的に示した図であり、(a)は管理テーブルを示しており、(b)不揮発性メモリの記録領域を示している。
【図12】光ディスクのイメージファイルを作成する際の管理テーブルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0136】
1 光ディスクドライブ(光ディスクドライブ装置)
10 制御部(イメージファイル作成手段、光ディスク識別情報管理手段)
11 管理設定部(アドレス管理手段、ドライブ設定手段)
12 不揮発性メモリ
13 操作入力部
14 光ピックアップ
15 インターフェース
16 インターフェース
17 光ディスク
20 光ディスク排出ボタン(光ディスク排出手段)
21 イメージファイル消去ボタン(イメージファイル消去手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリを備えた光ディスクドライブ装置であって、
上記不揮発性メモリの物理アドレスのうち、光ディスクから読み出したデータの記録を開始する物理アドレスを記録開始アドレスとして記録しているアドレス管理手段と、
上記データを、上記記録開始アドレスに基いて上記不揮発性メモリに記録することにより、上記不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成するイメージファイル作成手段と、
上記イメージファイルを識別するイメージファイル識別情報をホストコンピュータに通知すると共に、当該イメージファイル識別情報を上記記録開始アドレスに関連付けて記録するドライブ設定手段と、
を備えていることを特徴とする光ディスクドライブ装置。
【請求項2】
光ディスクのイメージファイルの作成を完了した後に、上記光ディスクを当該光ディスクドライブ装置から取り出し可能な状態にする光ディスク排出手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項3】
光ディスクそれぞれを識別する光ディスク識別情報を抽出し、上記記録開始アドレスに関連付けて記録する光ディスク識別情報管理手段をさらに備えており、
上記イメージファイル作成手段は、搭載されている光ディスクの上記光ディスク識別情報がすでに記録されている上記光ディスク識別情報に一致しないときに、上記不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成することを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項4】
上記ドライブ設定手段は、イメージファイル識別情報をホストコンピュータに通知すると共に、当該イメージファイル識別情報と、上記イメージファイルの作成が完了したことを示すイメージファイル作成完了情報とを、上記記録開始アドレスおよび上記光ディスク識別情報に関連付けて記録し、
上記イメージファイル作成手段は、すでに記録されている光ディスク識別情報に一致し、かつ、上記イメージファイル作成完了情報が記録されていないときに、当該光ディスクから読み出したデータを、上記光ディスク識別情報に関連付けられた上記記録開始アドレスに基いて上記不揮発性メモリに記録することにより、当該光ディスクのイメージファイルを作成することを特徴とする請求項3に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項5】
上記不揮発性メモリに記録されている上記イメージファイルのうちの少なくとも1つを消去するイメージファイル消去手段を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項6】
不揮発性メモリを備えた光ディスクドライブ装置において、当該不揮発性メモリにおいて、当該光ディスクドライブ装置に搭載されている光ディスクのイメージファイルを作成するイメージファイル作成方法であって、
上記不揮発性メモリの物理アドレスのうち、光ディスクから読み出したデータの記録を開始する物理アドレスを記録開始アドレスとして記録するアドレス管理手段と、
上記データを、上記記録開始アドレスに基いて上記不揮発性メモリに記録することにより、上記不揮発メモリに当該光ディスクのイメージファイルを作成するイメージファイル作成ステップと、
上記イメージファイルを識別するイメージファイル識別情報をホストコンピュータに通知すると共に、当該イメージファイル識別情報を上記記録開始アドレスに関連付けて記録するドライブ設定ステップと、
を含むことを特徴とするイメージファイル作成方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載の光ディスクドライブ装置が備えているコンピュータを動作させるためのプログラムであり、上記コンピュータを上記の各手段として駆動させることを特徴とするイメージファイル作成プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−301389(P2009−301389A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156442(P2008−156442)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】