説明

光ディスク装置

【課題】トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、また、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】トレイ11がクローズ状態において、トレイオープンが操作されると、発光素子1が駆動され、トレイ11をオープン方向に高速移動させるためモータ駆動電圧が高く設定され、トレイ用モータが駆動される。これにより、トレイ用モータは高速回転し、トレイ11がオープン方向に高速移動し、この移動している際中に、発光素子1からの光が矢印aで示すような位置に来ると、受光素子3が、発光素子1からの光による反射光を受光し、このとき、モータ駆動電圧が徐々に低くされて、所定時間後に前記モータ駆動電圧が遮断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録された情報を再生、または光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク装置に関し、特に、光ディスクが載置されるトレイのオープン/クローズの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、DVDプレイヤやDVDレコーダなどの光ディスク装置では、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)やCD(コンパクト・ディスク)などの光ディスクが載置されるトレイが備えられている。比較的安価な機種の光ディスク装置では、トレイを本体シャーシからオープン方向に移動させるオープン速度、およびトレイを本体シャーシからクローズ方向に移動させるクローズ速度は、それぞれ略一定とされていることが多い。これに対して、比較的高価な機種の光ディスク装置では、トレイを本体シャーシからオープン方向に移動させるオープン速度、およびトレイを本体シャーシからクローズ方向に移動させるクローズ速度に、変化が付けられていることが多い。
【0003】
トレイが、例えば、本体シャーシからオープン方向に移動されて、オープンされる場合、オープン動作開始直後は低速で、次いで高速になり、トレイが十分にオープンした後の停止直前に再び低速で、と言うような工程で推移される。このようなトレイのオープン/クローズの制御によって、比較的高価な機種の光ディスク装置は、より高級感を醸し出すことができる。
【0004】
ここで、トレイは、トレイの下面に形成されたラックギヤと、本体シャーシに回転可能に支持されたピニオンギヤとによる所謂ラック・ピニオン方式が採用されて本体シャーシに対してオープン/クローズされる。ピニオンギヤは、本体シャーシに備えられたトレイ用モータによって回転駆動される。オープン/クローズ制御は、例えば、マイクロコンピュータなどによってトレイ用モータの回転速度を、トレイが低速でオープン/クローズする時間および、トレイが高速でオープン/クローズする時間に応じて変化させることによって行われる。
【特許文献1】特開2004−118991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の光ディスク装置におけるトレイのオープン/クローズ制御は、トレイの移動速度が低速から高速に移るとき、および高速から低速に移るときのトレイの位置を検出スイッチによって検出し、その検出スイッチの出力に基づいて、トレイの低速および高速のオープン/クローズを行う。このオープン/クローズ制御によれば、トレイの進退速度に関係なく、進退速度を変化させるべき適切な位置でトレイの進退速度を変化させることができる。
【0006】
しかしながら、このような従来の光ディスク装置におけるオープン/クローズ制御は、機械的な検出スイッチによって、トレイの移動速度が低速から高速に移るとき、および高速から低速に移るときのトレイの位置を検出しているので、トレイが高速で移動しているときの検出スイッチの検出応答速度と、トレイが低速で移動しているときの検出スイッチの検出応答速度とが、検出スイッチが機械的なスイッチであるため異なり、したがって、正確な位置でトレイの速度を変化させることができず、これにより、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音が発生する場合も起きる可能性があると言う課題があった。
【0007】
ところで、特許文献1の従来技術は、トレイの移動に従い、カムプレートの端部が減速位置検出スイッチ(プッシュ式スイッチ)に当接することで、オン状態とし、モータ回転速度を低速に切り換えるようにしているが、このプッシュ式スイッチも機械的なスイッチであるので、この従来技術も、前記のような課題が生じる。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、また、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子と、この発光素子からの光が前記ライン上で空洞部分以外の部分を照射したときの反射光を受光する受光素子とを前記トレイの一方面の上方に配置する構成を有し、前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が反射光を受光したことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段とを有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置を提供する。
【0010】
この構成において、例えば、トレイがクローズ状態において、トレイオープンが操作されると、発光素子駆動手段は、発光素子を駆動させる。発光素子が駆動された後、第1のモータ駆動電圧制御手段は、トレイをオープン方向に高速移動させるためモータ駆動電圧を高く設定して、トレイ用モータに前記高く設定されたモータ駆動電圧を印加して、トレイ用モータを駆動させる。これにより、トレイ用モータは高速回転し、トレイがオープン方向に高速移動し、この移動している際中に、第2のモータ駆動電圧制御手段は、受光素子が反射光を受光したことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる。
【0011】
この構成によれば、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させることにより、トレイを高速移動させるようにしたので、トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイのオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子の光による反射光を受光したことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は、光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイの移動速度を減速させることができ、これにより、トレイを高速に移動させることができると共に、トレイを停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【0012】
請求項2の発明は、光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子前記トレイの一方面の上方に配置し、前記発光素子からの光が前記空洞部分を照射したときに前記発光素子からの光を受光する受光素子を前記トレイの他方面の下方に配置する構成を有し、前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が前記発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置を提供する。
【0013】
この構成において、例えば、トレイがクローズ状態において、トレイオープンが操作されると、発光素子駆動手段は、発光素子を駆動させる。発光素子が駆動された後、第1のモータ駆動電圧制御手段は、トレイをオープン方向に高速移動させるためモータ駆動電圧を高く設定して、トレイ用モータに前記高く設定したモータ駆動電圧を印加して、トレイ用モータを駆動させる。これにより、トレイ用モータは高速回転し、トレイがオープン方向に高速移動し、この移動している際中に、第2のモータ駆動電圧制御手段は、受光素子が発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる。
【0014】
この構成によれば、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させることにより、トレイを高速移動させるようにしたので、トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイのオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイの移動速度を減速させることができ、これにより、トレイを高速に移動させることができると共に、トレイを停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【0015】
請求項3の発明は、光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子と、この発光素子からの光が前記ライン上で空洞部分以外の部分を照射したときの反射光を受光する受光素子とを前記トレイの一方面の上方に配置する構成を有し、前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動した後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加し、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が反射光を受光したことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる制御を行うシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置を提供する。
【0016】
この構成において、例えば、トレイがクローズ状態において、トレイオープンが操作されると、発光素子が駆動される。発光素子が駆動された後、トレイをオープン方向に高速移動させるためモータ駆動電圧が高く設定され、トレイ用モータに前記高く設定されたモータ駆動電圧が印加されて、トレイ用モータが駆動される。これにより、トレイ用モータは高速回転し、トレイがオープン方向に高速移動し、この移動している際中に、受光素子が反射光を受光したことが検出されときに、前記モータ駆動電圧が徐々に低くされて、所定時間後に前記モータ駆動電圧が遮断される。
【0017】
この構成によれば、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させることにより、トレイを高速移動させるようにしたので、トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイのオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子の光による反射光を受光したことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は、光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイの速度を減速させることができ、これにより、トレイを高速に移動させることができると共に、トレイを停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【0018】
請求項4の発明は、光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子前記トレイの一方面の上方に配置し、前記発光素子からの光が前記空洞部分を照射したときに前記発光素子からの光を受光する受光素子を前記トレイの他方面の下方に配置する構成を有し、前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動した後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加し、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が前記発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる制御を行うシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置を提供する。
【0019】
この構成において、例えば、トレイがクローズ状態において、トレイオープンが操作されると、発光素子が駆動される。発光素子が駆動された後、トレイをオープン方向に高速移動させるためモータ駆動電圧が高く設定され、トレイ用モータに前記高く設定されたモータ駆動電圧が印加されて、トレイ用モータが駆動される。これにより、トレイ用モータは高速回転し、トレイがオープン方向に高速移動し、この移動している際中に、受光素子が発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧が徐々に低くされて、所定時間後に前記モータ駆動電圧が遮断される。
【0020】
この構成によれば、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させることにより、トレイを高速移動させるようにしたので、トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイのオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイの速度を減速させることができ、これにより、トレイを高速に移動させることができると共に、トレイを停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【0021】
請求項5の発明では、請求項3の発明において、前記システムコントローラは、トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が反射光を受光したことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段とを有する。
【0022】
したがって、前記システムコントローラは、発光素子駆動処理、第1のモータ駆動電圧制御処理、および第2のモータ駆動電圧制御処理を実現でき、これにより、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させ、トレイを高速移動させることができ、また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子の光による反射光を受光したことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させることができる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は光により行うことができ、位置検出の応答速度が非常に速くすることができる。
【0023】
請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記システムコントローラは、前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が前記発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段とを有する。
【0024】
したがって、前記システムコントローラは、発光素子駆動処理、第1のモータ駆動電圧制御処理、および第2のモータ駆動電圧制御処理を実現でき、これにより、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させ、トレイを高速移動させることができ、また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子の光を受光しなくなったことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させることができる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は、光により行うことができ、位置検出の応答速度が非常に速くすることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明によれば、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させることにより、トレイを高速移動させるようにしたので、トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイのオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子の光による反射光を受光したことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイの移動速度を減速させることができ、これにより、トレイを高速に移動させることができると共に、トレイを停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【0026】
また、本発明によれば、トレイをオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータを高速回転させることにより、トレイを高速移動させるようにしたので、トレイを高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイのオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイが高速移動している際中に、受光素子が発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイの移動速度を変化させる位置の検出は光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイの移動速度を減速させることができ、これにより、トレイを高速に移動させることができると共に、トレイを停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイの高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1,第2の実施形態に係る光ディスク装置においてトレイの制御に関する構成を説明するためのブロック図である。図2は第1,第2の実施形態においてトレイの駆動機構を説明するためのトレイの簡略化した下面図である。図3は第1の実施形態においてトレイの上面の上方に配置された発光素子と受光素子の位置を説明するための簡略化したトレイの斜視図である。
【0028】
図3において、光ディスクが載置されるトレイ11には、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分12が設けられている。発光素子1は、空洞部分12を通るライン上に光が照射するようにトレイ11の上面の上方向の所定位置に配置されている。発光素子1としては、レーザダイオードや赤外線の発光ダイオードなどが用いられる。受光素子3は、発光素子1からの光が前記ライン上で空洞部分12以外の部分を照射したときの反射光を受光するようにトレイ11の上面の上方向の所定位置に配置されている。受光素子3としては、フォトダイオードやフォトトランジスタなどが用いられる。
【0029】
図2において、トレイ11の下面には、オープン/クローズ方向に沿って所定長のラックギヤ13が形成されている。ラックギヤ13はピニオンギヤ14と噛み合っている。ピニオンギヤ14の軸に取り付けられたプーリ15は、ベルト16を介してトレイ用モータ5の軸に取り付けられた図示しないプーリと連結されている。したがって、トレイ用モータ5が回転すれば、この回転がベルト16を介してピニオンギヤ14に伝達され、これによりピニオンギヤ14が回転し、この回転運動がラックギヤ13で直線運動に変えられ、この結果、トレイ11がオープン方向またはクローズ方向に移動する。
【0030】
図1において、発光駆動回路2は、システムコントローラ7からの駆動信号により動作し、発光素子1を点灯駆動させるものである。検出回路4は、受光素子3が反射光を受光したことを検出し、システムコントローラ7に検出信号を入力するものである。モータ駆動回路6は、システムコントローラ7からの指令によりトレイ用モータ5を駆動させるものである。操作部8は、光ディスク装置の前面に設けられ、基本的な操作を行うための複数のキーを有する。リモコン9は、各種操作を行うための複数のキーを有し、光ディスク装置を遠隔操作するものである。受光部10は、リモコン9からの光操作信号を電気信号の操作信号に変換して、その操作信号をシステムコントローラ7に入力するものである。
【0031】
システムコントローラ7は、装置全体を制御するものであり、特に、本実施形態では、トレイ11をオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、発光素子1を発光駆動回路2を介して駆動させる発光素子駆動手段71と、発光素子1が駆動された後、トレイ11をオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータ5に対するモータ駆動電圧を高く設定してモータ駆動回路6を介してトレイ用モータ5に印加する第1のモータ駆動電圧制御手段72と、トレイ11がオープン方向またはクローズ方向に移動して受光素子3が反射光を受光したことを検出回路4により検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段73とを有する。
【0032】
図4は第1の実施形態においてトレイのオープン時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1〜図3を参照してトレイのオープン時にトレイ用モータを制御する動作について説明する。
【0033】
トレイ11がクローズ状態において、ユーザがリモコン9のトレイ開閉キー(操作部8のトレイ開閉キーでも可)を押下すると、システムコントローラ7は、トレイオープン操作がされたことを検知し(ステップS1)、これに応答して、システムコントローラ7の発光素子駆動手段71は、発光駆動回路2を動作させ、発光素子1を駆動させる(ステップS2)。これにより、発光素子1は光を出射し、この光はトレイ11の空洞部分12を通るライン上を照射する。この状態のときは、トレイ11はクローズされているので、発光素子1からの光は、相対的に矢印a(図3参照)で示すように、トレイ11のライン上の空洞部分12以外の部分を照射している。
【0034】
しかし、このときは、トレイ11がオープン方向に移動される前なので、受光素子3に関する動作は無視する。つまり、発光素子1からの光は、矢印aで示すように空洞部分12以外の部分を照射しているので、その反射光が受光素子3(相対的に受光素子3も矢印aの付近にあるため)で受光されるが、システムコントローラ7は、このときの受光素子3の受光を無視するようにしている。
【0035】
発光素子1を駆動した後、システムコントローラ7の第1のモータ駆動電圧制御手段72は、トレイ11をオープン方向に移動させるためトレイ用モータ5に対するモータ駆動電圧(図2から見て右回転方向のモータ駆動電圧)を高く設定して(ステップS3)、トレイ用モータ5に、前記高く設定したモータ駆動電圧を、モータ駆動回路6を介して印加して、トレイ用モータ5を駆動させる(ステップS4)。
【0036】
これにより、トレイ用モータ5が右回転方向に高速回転し、トレイ11がオープン方向に高速移動し(ステップS5)、この移動している際中に、システムコントローラ7の第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が反射光を受光したことを検出したときに(ステップS6)、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして(ステップS7)、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる(ステップS8)。
【0037】
即ち、トレイ11がオープン方向に移動して行くと、発光素子1からの光が空洞部分12を照射している間は、受光素子3への反射光が発生しないが、発光素子1からの光が、空洞部分12を照射し終わると、空洞部分12以外の部分を照射し、この反射光が受光素子3に届き、第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が反射光を受光したことを検出回路4により検出し、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる。前記モータ駆動電圧を徐々に低くして行くのは、トレイ11のストッパ17が図示しない本体シャーシのストッパに激突して、騒音を避けるためである。なお、前記所定時間は、トレイ11が所定の位置までオープンさせるに十分な時間に設定されたものである。
【0038】
図5は第1の実施形態においてトレイのクローズ時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1〜図3を参照してトレイのクローズ時にトレイ用モータを制御する動作について説明する。
【0039】
トレイ11がオープン状態において、ユーザがリモコン9のトレイ開閉キー(操作部8のトレイ開閉キーでも可)を押下すると、システムコントローラ7は、トレイクローズ操作されたことを検知し(ステップN1)、これに応答して、システムコントローラ7の発光素子駆動手段71は、発光駆動回路2を動作させ、発光素子1を駆動させる(ステップN2)。これにより、発光素子1は光を出射し、この光はトレイ11の空洞部分12を通るライン上を照射する。この状態のときは、トレイ11はオープンされているので、発光素子1からの光は、相対的に矢印b(図3参照)で示すように、トレイ11のライン上の空洞部分12以外の部分を照射している。
【0040】
しかし、このときは、トレイ11がクローズ方向に移動される前なので、受光素子3に関する動作は無視する。つまり、発光素子1からの光は、矢印bで示すように空洞部分12以外の部分を照射しているので、その反射光が受光素子3(相対的に受光素子3も矢印bの付近にあるため)で受光されるが、システムコントローラ7は、このときの受光素子3の受光を無視するようにしている。
【0041】
発光素子1を駆動した後、システムコントローラ7の第1のモータ駆動電圧制御手段72は、トレイ11をクローズ方向に移動させるためトレイ用モータ5に対するモータ駆動電圧(図2から見て左回転方向のモータ駆動電圧)を高く設定して(ステップN3)、トレイ用モータ5に、前記高く設定したモータ駆動電圧を、モータ駆動回路6を介して印加して、トレイ用モータ5を駆動させる(ステップN4)。
【0042】
これにより、トレイ用モータ5が左回転方向に高速回転し、トレイ11がクローズ方向に高速移動し(ステップN5)、この移動している際中に、システムコントローラ7の第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が反射光を受光したことを検出したときに(ステップN6)、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして(ステップN7)、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる(ステップN8)。
【0043】
即ち、トレイ11がクローズ方向に移動して行くと、発光素子1からの光が空洞部分12を照射している間は、受光素子3への反射光を発生しないが、発光素子1からの光が、空洞部分12を照射し終わると、空洞部分12以外の部分を照射し、この反射光が受光素子3に届き、第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が反射光を受光し、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる。前記モータ駆動電圧を徐々に低くして行くのは、トレイ11のクローズ方向側の端面が図示しない本体シャーシのストッパに激突して、騒音を避けるためである。なお、前記所定時間は、トレイ11が所定の位置までクローズさせるに十分な時間に設定されたものである。
【0044】
以上のように第1の実施形態によれば、トレイ11をオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータ5を高速回転させることにより、トレイを高速移動させるようにしたので、トレイ11を高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイ11のオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイ11が高速移動している際中に、受光素子3が発光素子1の光による反射光を受光したことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイ11の高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイ11の移動速度を変化させる位置の検出は、光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイ11の移動速度を減速させることができ、これにより、トレイ11を高速に移動させることができると共に、トレイ11を停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイ11の高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【0045】
図6は第2の実施形態においてトレイの上面の上方に配置された発光素子の位置とトレイの下面の下方に配置された受光素子の位置とを説明するための簡略化したトレイの斜視図である。
【0046】
図6において、光ディスクが載置されるトレイ11には、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分12が設けられている。発光素子1は、空洞部分12を通るライン上に光が照射するようにトレイ11の上面の上方向の所定位置に配置されている。受光素子3は、発光素子1からの光が空洞部分12を照射したときの発光素子1からの光を受光するようにトレイ11の下面の下方向の所定位置に配置されている。
【0047】
この第2の実施形態におけるシステムコントローラ7(図1参照)では、トレイ11をオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、発光素子1を、発光駆動回路2を介して駆動させる発光素子駆動手段71と、発光素子1が駆動された後、トレイ11をオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータ5に対するモータ駆動電圧を高く設定してモータ駆動回路6を介してトレイ用モータ5に印加する第1のモータ駆動電圧制御手段72と、トレイ11がオープン方向またはクローズ方向に移動して受光素子3が発光素子1からの光を受光しなくなったことを検出回路4により検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段73とを有する。
【0048】
図7は第2の実施形態においてトレイのオープン時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1、図2、図6を参照してトレイのオープン時にトレイ用モータを制御する動作について説明する。
【0049】
トレイ11がクローズ状態において、ユーザがリモコン9のトレイ開閉キー(操作部8のトレイ開閉キーでも可)を押下すると、システムコントローラ7は、トレイオープン操作されたことを検知し(ステップE1)、これに応答して、システムコントローラ7の発光素子駆動手段71は、発光駆動回路2を動作させ、発光素子1を駆動させる(ステップE2)。これにより、発光素子1は光を出射し、この光はトレイ11の空洞部分12を通るライン上を照射する。この状態のときは、トレイ11はクローズされているので、発光素子1からの光は、相対的に矢印a(図3参照)で示すように、トレイ11のライン上の空洞部分12以外の部分を照射している。
【0050】
しかし、このときは、トレイ11がオープン方向に移動される前なので、受光素子3に関する動作は無視する。つまり、発光素子1からの光は、矢印aで示すように空洞部分12以外の部分を照射しているので、発光素子1からの光は、受光素子3(相対的に受光素子3も矢印aの下方付近にあるとする)には届かない状態にあり、このときは、システムコントローラ7は、このとき受光素子3が光を受光していないことを無視するようにしている。
【0051】
発光素子1を駆動した後、システムコントローラ7の第1のモータ駆動電圧制御手段72は、トレイ11をオープン方向に移動させるためのトレイ用モータ5に対するモータ駆動電圧(図2から見て右回転方向のモータ駆動電圧)を高く設定して(ステップE3)、トレイ用モータ5に、前記高く設定したモータ駆動電圧を、モータ駆動回路6を介して印加して、トレイ用モータ5を駆動させる(ステップE4)。
【0052】
これにより、トレイ用モータ5が右回転方向に高速回転し、トレイ11がオープン方向に高速移動し(ステップE5)、この移動している際中に、システムコントローラ7の第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が受光しなくなったことを検出したときに(ステップE6)、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして(ステップE7)、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる(ステップE8)。
【0053】
即ち、トレイ11がオープン方向に移動して行くと、発光素子1からの光が空洞部分12を照射している間は、受光素子3に発光素子1からの光が届いているが、発光素子1からの光が、空洞部分12を照射し終わり、空洞部分12以外の部分を照射すると、受光素子3には届かなくなる。これにより、第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が受光していないことを、検出回路4を介して検出し、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる。前記モータ駆動電圧を徐々に低くして行くことにより、トレイ11のストッパ17が図示しない本体シャーシのストッパに激突するのを防ぐことができる。
【0054】
図8は第2の実施形態においてトレイのクローズ時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートおよび図1、図2、図6を参照してトレイのクローズ時にトレイ用モータを制御する動作について説明する。
【0055】
トレイ11がオープン状態において、ユーザがリモコン9のトレイ開閉キー(操作部8のトレイ開閉キーでも可)を押下すると、システムコントローラ7は、トレイクローズ操作されたことを検知し(ステップF1)、これに応答して、システムコントローラ7の発光素子駆動手段71は、発光駆動回路2を動作させ、発光素子1を駆動させる(ステップF2)。これにより、発光素子1は光を出射し、この光はトレイ11の空洞部分12を通るライン上を照射する。この状態のときは、トレイ11はオープンされているので、発光素子1からの光は、相対的に矢印b(図3参照)で示すように、トレイ11のライン上の空洞部分12以外の部分を照射している。
【0056】
しかし、このときは、トレイ11がクローズ方向に移動される前なので、受光素子3に関する動作は無視する。つまり、発光素子1からの光は、矢印bで示すように空洞部分12以外の部分を照射しているので、発光素子1からの光は、受光素子3(相対的に受光素子3も矢印bの下方付近にあるとする)には届かない状態であるが、このとき、システムコントローラ7は、受光素子3が光を受光していないことを無視するようにしている。
【0057】
発光素子1を駆動した後、システムコントローラ7の第1のモータ駆動電圧制御手段72は、トレイ11をオープン方向に移動させるためトレイ用モータ5に対するモータ駆動電圧(図2から見て左回転方向のモータ駆動電圧)を高く設定して(ステップF3)、トレイ用モータ5に、前記高く設定したモータ駆動電圧をモータ駆動回路6を介して印加して、トレイ用モータ5を駆動させる(ステップF4)。
【0058】
これにより、トレイ用モータ5が右回転方向に高速回転し、トレイ11がクローズ方向に高速移動し(ステップF5)、この移動している際中に、システムコントローラ7の第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が受光しなくなったことを検出回路4により検出したときに(ステップF6)、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして(ステップF7)、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる(ステップF8)。
【0059】
即ち、トレイ11がクローズ方向に移動して行くと、発光素子1からの光が空洞部分12を照射している間は、受光素子3に発光素子1からの光が届いているが、発光素子1からの光が、空洞部分12を照射し終わり、空洞部分12以外の部分を照射すると、受光素子3には届かなくなる。これにより、第2のモータ駆動電圧制御手段73は、受光素子3が受光していないことを、検出回路4を介して検出し、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後に前記モータ駆動電圧を遮断させる。前記モータ駆動電圧を徐々に低くして行くことにより、トレイ11のクローズ方向側の端面が図示しない本体シャーシのストッパに激突するのを防ぐことができる。
【0060】
以上説明したように第2の実施形態によれば、トレイ11をオープン/クローズ方向に移動させる際に、トレイ用モータ5を高速回転させることにより、トレイ11を高速移動させるようにしたので、トレイ11を高速でオープン/クローズさせることができ、これにより、トレイ11のオープン完了、あるいはクローズ完了までの時間を大幅に短縮することができる。また、トレイ11が高速移動している際中に、受光素子3が発光素子1からの光を受光しなくなったことを検出したときに、モータ駆動電圧を徐々に低くして、所定時間後にモータ駆動電圧を遮断させるようにしたので、トレイ11の高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も防止できる。また、トレイ11の移動速度を変化させる位置の検出は、光により行われるので、機械的な位置検出スイッチに比べ、位置検出の応答速度が非常に速くなり、正確な位置でトレイ11の移動速度を減速させることができ、これにより、トレイ11を高速に移動させることができると共に、トレイ11を停止させる前の減速も正確な位置で行われ、この結果、トレイ11の高速移動による本体シャーシへの激突や、この激突による騒音の発生も確実に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、DVDレコーダやDVDプレイヤにおけるトレイのオープン/クローズの制御に利用可能であり、トレイの移動を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1,第2の実施形態に係る光ディスク装置においてトレイの制御に関する構成を説明するためのブロック図である。
【図2】第1,第2の実施形態においてトレイの駆動機構を説明するためのトレイの簡略化した下面図である。
【図3】第1の実施形態においてトレイの上面の上方に配置された発光素子と受光素子の位置を説明するための簡略化したトレイの斜視図である。
【図4】第1の実施形態においてトレイのオープン時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】第1の実施形態においてトレイのクローズ時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第2の実施形態においてトレイの上面の上方に配置された発光素子の位置とトレイの下面の下方に配置された受光素子の位置とを説明するための簡略化したトレイの斜視図である。
【図7】第2の実施形態においてトレイのオープン時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2の実施形態においてトレイのクローズ時にトレイ用モータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1 発光素子
3 受光素子
5 トレイ用モータ
7 システムコントローラ
11 トレイ
12 空洞部分
71 発光素子駆動手段
72 第1のモータ駆動電圧制御手段
73 第2のモータ駆動電圧制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録された情報を再生、または光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク装置において、
光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子と、この発光素子からの光が前記ライン上で空洞部分以外の部分を照射したときの反射光を受光する受光素子とを前記トレイの一方面の上方に配置する構成を有し、
前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、
前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、
前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が反射光を受光したことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
光ディスクに記録された情報を再生、または光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク装置において、
光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子前記トレイの一方面の上方に配置し、前記発光素子からの光が前記空洞部分を照射したときに前記発光素子からの光を受光する受光素子を前記トレイの他方面の下方に配置する構成を有し、
前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、
前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、
前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が前記発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段と、を有するシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
光ディスクに記録された情報を再生、または光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク装置において、
光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子と、この発光素子からの光が前記ライン上で空洞部分以外の部分を照射したときの反射光を受光する受光素子とを前記トレイの一方面の上方に配置する構成を有し、
前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動した後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加し、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が反射光を受光したことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる制御を行うシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
光ディスクに記録された情報を再生、または光ディスクに対して情報の記録/再生を行う光ディスク装置において、
光ディスクが載置されるトレイに、オープン/クローズ方向に沿って所定長の空洞部分を設け、この空洞部分を通るライン上に光を照射する発光素子前記トレイの一方面の上方に配置し、前記発光素子からの光が前記空洞部分を照射したときに前記発光素子からの光を受光する受光素子を前記トレイの他方面の下方に配置する構成を有し、
前記トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、前記発光素子を駆動した後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加し、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が前記発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる制御を行うシステムコントローラを備えたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項5】
前記システムコントローラは、トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が反射光を受光したことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記システムコントローラは、トレイをオープンまたはクローズさせるための操作がされたときに、発光素子を駆動させる発光素子駆動手段と、前記発光素子が駆動された後、前記トレイをオープン/クローズ方向に移動させるためのトレイ用モータに対するモータ駆動電圧を高く設定して前記トレイ用モータに印加する第1のモータ駆動電圧制御手段と、前記トレイがオープン方向またはクローズ方向に移動して前記受光素子が前記発光素子からの光を受光しなくなったことを検出したときに、前記モータ駆動電圧を徐々に低くして所定時間後に遮断させる第2のモータ駆動電圧制御手段とを有することを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−84405(P2008−84405A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261904(P2006−261904)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】