説明

光ディスク記録再生装置

【課題】再生中に、ユーザがインデックスを打つという作業を意識することなくインデックスが登録できる光ディスク記録再生装置を提供する。
【解決手段】光ディスクに圧縮された動画像を記録し、前記動画像を再生する際、ユーザの所望の動画像位置をインデックス位置として記録する光ディスク記録再生装置1において、再生中にコマ送り又は一時停止を行った後、通常再生モードに移った時の最初のフレームを、前記インデックス位置とするインデックス位置設定手段8と、前記位置決めされたインデックス位置を記憶部に格納する記憶手段9と、前記格納された前記インデックス位置を読み出すインデックス情報読み出し手段11と、前記読み出された前記インデックス位置にジャンプするアクセス手段7と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが所望の位置にインデックスを設定して、光ディスクの再生を行う光ディスク記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク記録再生装置には、ユーザ操作により任意の再生位置をインデックスに登録し、後で前記インデックスが打たれた位置を簡単にアクセスする機能が備えられているものがある。(例えば、特許文献1参照。)
特許文献1には、ディスク上に記録されている総記録時間、チャプター数、タイムコードを読み取る制御信号読み取り装置と、既に入力されているインデックスの情報を記憶するインデックスメモリと、前記制御信号読み取り装置で読み取った総記録時間、チャプター数、タイムコードの情報を前記インデックスメモリのインデックスの情報と照らし合わせて既に記録されている情報と合致した場合にはディスク番号を認識し、合致しない場合には、新たなディスクと認識し、従来使用されていないディスク番号をディスクに割り振るマイコンと、前記マイコンから制御信号読み取り装置にタイムコードを読み取らせる指令を送って、前記インデックスメモリに前記タイムコードを記憶させるリモコンと、を有し、ユーザが好みのシーンに自由にインデックスを登録することが可能になるため、自分の見たいシーンを見つける手間が簡略化できることが記載されている。
【特許文献1】特開平6−275056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、インデックスを登録するためには、ユーザが早送り、コマ送り等の特殊再生操作を行って、任意の再生位置をアクセスし、少なくともユーザが意識してインデックスを打つためのリモコン操作を行う必要がある。ユーザが任意の再生位置を探すことは、日常行われている操作であるが、このインデックスを打つという作業は一般に忘れがちである。
【0004】
そこで、本発明は、前述の課題に鑑みて提案されるものであって、再生中に、インデックスを打つという作業を意識することなく、ユーザが求める位置にインデックスを登録できる光ディスク記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明における第1の発明は、光ディスクのデータ領域に圧縮された動画像情報を記録し、前記記録された前記圧縮された動画像情報を読み出して再生する際、ユーザの所望の動画像情報位置をインデックス位置として、前記光ディスクに関連する前記インデックス位置を含むインデックス情報を記録する光ディスク記録再生装置において、前記再生中に、1画面フレーム単位でのコマ送り又は一時停止を行った後、通常再生モードに移った時の最初のフレームを、前記インデックス位置とするインデックス位置設定手段(画面表示監視部8)と、前記インデックス位置設定手段により位置決めされた前記インデックス情報を記憶部に格納する記憶手段(インデッスク情報登録部9)と、前記記憶部に格納された前記インデックス情報を読み出す前記インデックス情報読み出し手段(インデックス情報取得部11)と、前記インデックス情報読み出し手段で読み出された前記インデックス情報により指定された位置にジャンプするアクセス手段(ナビゲーション制御部7)と、を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置を提供する。
第2の発明は、光ディスクのデータ領域に圧縮された動画像情報を記録し、前記記録された前記圧縮された動画像情報を読み出して再生する際、ユーザの所望の動画像情報位置をインデックス位置として、前記インデックス位置を含むインデックス情報を記録する光ディスク記録再生装置において、前記再生中に、1画面フレーム単位でのコマ送り又は一時停止を行った後、通常再生モードに移った時の最初のフレームを、前記インデックス位置とするインデックス位置設定手段(画面表示監視部8)と、前記インデックス位置設定手段により位置決めされた前記インデックス位置を前記光ディスクの管理領域に記録するインデックス情報記録手段(インデッスク情報登録部9、ディスク書き込み読み出し部15)と、前記インデックス情報記録手段により記録された前記インデックス情報を読み出すインデックス情報読み出し手段(インデックス情報取得部11、ディスク書き込み読み出し部15)と、前記インデックス情報読み出し手段で読み出された前記インデックス情報により指定された位置にジャンプするアクセス手段(ナビゲーション制御部7)と、を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置を提供する。
第3の発明は、前記インデックス位置は、前記圧縮された動画像のスタート位置からの時間と、前記インデックス位置の画像が含まれるファイルにおける前記画像データの場所を示すファイルオフセット値で示す位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク記録再生装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、前記再生中に、1画面フレーム単位でのコマ送り又は一時停止を行った後、通常再生モードに移った時の最初のフレームを、前記インデックス位置とするインデックス位置設定手段と、前記インデックス位置設定手段により位置決めされた前記インデックス情報を記憶部に格納する記憶手段と、前記記憶部に格納された前記インデックス情報を読み出す前記インデックス情報読み出し手段と、前記インデックス情報読み出し手段で読み出された前記インデックス情報により指定された位置にジャンプするアクセス手段と、を有するので、再生中に、インデックスを打つという作業を意識することなくインデックスが登録できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置について、図1〜図4を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置を示す図である。図2は、本発明におけるインデックス処理のフローチャートで、(A)はインデックス登録処理、(B)はインデックスアクセス処理を示す。図3は、本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の変形例を示す図である。図4は、本発明の変形例におけるインデックス処理のフローチャートで、(A)はインデックス登録処理、(B)はインデックスアクセス処理を示す。
【0008】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る光ディスク記録再生装置1は、既に動画像が記録されているDVD−ROMなどの読み出し専用の光ディスク2、ユーザが光ディスク記録再生装置の操作を行うリモコン3、光ディスクの任意の位置をアクセスして記録再生することができる光ディスクドライブ4、前記光ディスクドライブを制御して記録再生を行うドライブ処理部5、前記ドライブ処理部から出力された圧縮画像音声信号の伸張処理を行い外部のディスプレイ装置に画像音声信号を出力するMPEGデコーダ6を有する。さらに前記光ディスク記録再生装置は、現在画面表示されている画像のフレーム番号を監視してインデックス位置を設定する画面表示監視部8、光ディスクを識別する光ディスク識別部12、前記インデックス位置を含むインデックス情報を集めたインデックスリストを記憶保存する不揮発性メモリにより構成されたインデックス情報記憶部10、前記インデックスを識別された光ディスクと関連付けて登録するインデッスク情報登録部9、インデックスを読み出すインデックス情報取得部11、およびナビゲーション制御部7より構成されている。ナビゲーション制御部7は、光ディスク記録再生装置のシステム制御を担当し、ユーザのリモコン操作を監視して、光ディスク記録再生装置のインデックス処理を含む全てのシステム制御を行う。
【0009】
次に、再生モードがインデックス自動登録モードの時行われるインデックス自動登録処理について、図2(A)のフローチャートにより説明する。
光ディスクが光ディスク記録再生装置に挿入されると、光ディスク識別部12はタイトルなどの情報を使って前記光ディスクを識別し、インデックス情報記憶部10に前記識別された光ディスクのインデックスリストが記憶されているかどうかを調べて、有ればその光ディスクのインデックスリストを使い、無い場合は新規にその光ディスクに関連付けたインデックスリストを作成して使用する(ステップS1)。
次に、ユーザがリモコンを操作すると、ナビゲーション制御部7は、前記操作が、光ディスク記録再生装置が早送りやコマ送りなどの変速再生や通常再生を経て一時停止され、かつその後の操作が通常再生かどうかを調べ、前記通常再生である場合は、これをインデックス情報登録要求として検出する(ステップS2)。そして、MPEGデコーダ6からの画像を監視している画面表示監視部8は、前記通常再生となった時の再生画像の最初のフレームを、インデックスを打つ位置として設定する(ステップS3)。
そして、前記インデックス位置を前記その光ディスクに関連付けたインデックスリストに登録する(ステップS4)。なお、インデックスリストには、光ディスク別に、光ディスクを特定するための情報とインデックスのついたフレーム位置を示す情報からなるインデックス情報がリストアップされている。またこのフレーム位置は、前記フレーム位置の圧縮画像ストリームファイルのタイトル先頭から数えた画面フレーム番号と、前記フレーム位置に相当するストリームデータが前記圧縮画像ストリームファイル上の先頭から何バイト目にあるかを示すファイルオフセット情報により表現される。
またインデックス情報として、インデックス位置の画像サムネールを持たせることもできる。
【0010】
次に、インデックスによるアクセス動作について、図2(B)のフローチャートにより説明する。
光ディスクが光ディスク記録再生装置に挿入されると、光ディスク識別部12は、前述したインデックス自動登録処理と同様、光ディスクを識別し、インデックス情報記憶部10にその光ディスクに対応したインデックスリストが記憶されているかどうかを調べ、有る場合はそのインデックスリストを使用する(ステップS5)。無い場合は、インデックスアクセスは行わない。ユーザが、リモコンにより、インデックスを指定してアクセスするよう操作すると、ナビゲーション制御部7はこれを検出して(ステップS6)、インデックス情報取得部11は、インデックス情報記憶部10の前記インデックスリストより、指定されたインデックスの打たれたフレーム位置を取得し(ステップS7)、ナビゲーション制御部7は、前記取得したフレーム位置をアクセスして(ステップS8)、次のリモコン操作にしたがって再生またコマ送りなどの再生動作を行う。
これにより、例えば、ユーザがリモコンで再生スキップ操作を行うと、前記インデックスリストを参照して、現在再生中のフレームから最も近い指定されたのインデックスを検索して、アクセスすることもできる。
【0011】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、コマ送り又は一時停止した位置でインデックスを登録することができるので、ユーザは再生中、例えば気になった画像で一時停止するだけで、インデックスを打つという作業を意識することなく、インデックスが登録できる。
またこれらインデックス情報は、光ディスク記録再生装置の不揮発性メモリに、光ディスク情報とともに登録記録されるので、後でその光ディスクを再生して見る場合にも、前記インデックス情報によりインデックスアクセスを行うことができる。
【0012】
次に、DVD−RW、DVD−RAMなど書き込みが可能な光ディスクを使った場合の変形例について、図3を用いて説明する。
本変形例では、インデックスリストは光ディスク上の管理情報ファイルに記録する。このため、インデックスリストと光ディスクの対応は常に保たれるので、光ディスクの識別は不要となり、インデックスリストのインデックス情報には、インデックスの打たれているフレーム位置を示す情報だけがリストアップされていればよい。ただし、光ディスク挿入時のインデックスリストの光ディスクからの読み出し、光ディスク排出時の光ディスクの書き込みが必要となる。
【0013】
本発明の変形例に示す光ディスク記録再生装置13の構成は、光ディスク記録再生装置1の構成から光ディスク識別部12を除去し、ディスク書き込み読み出し部17を設けたものである。さらにインデッスク情報登録部14、インデックス情報記憶部15、インデックス情報取得部16で処理されるインデックス情報には、光ディスクを特定するための情報は存在しない。それ以外は、光ディスク記録再生装置1と同様である。
【0014】
次に、図4(A)(B)に示す変形例の動作について、本発明の実施例の図2(A)(B)と比較して説明する。
インデックス登録時、変形例では、インデックスリストは、光ディスク挿入時、光ディスクからインデックス情報記憶部15に読み出して使用する(ステップS9)。また光ディスク排出時、インデックス情報記憶部15に登録されたインデックスリストは、光ディスク上の管理情報部へ書き込まれる(ステップS13)。それ以外のステップは、図2(A)のステップと同様である。
またインデックスアクセス時、変形例では、インデックスリストは、光ディスク挿入時、光ディスクからインデックス情報記憶部15に読み出して使用する(ステップS14)。それ以外のステップは、図2(B)のステップと同様である。
【0015】
本発明実施形態の変形例においても、本発明実施形態と同様な効果が得られる。
【0016】
なお上述した実施例においては、記録媒体として高密度記録タイプの光ディスクについて説明したが、この発明は光ディスク以外の他の記憶媒体、例えば、磁気ディスクあるいはその他の物理的に高密度記録が可能な記憶媒体にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置を示す図である。
【図2】本発明におけるインデックス処理のフローチャートで、(A)はインデックス登録処理、(B)はインデックスアクセス処理を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の変形例を示す図である。
【図4】本発明の変形例におけるインデックス処理のフローチャートで、(A)はインデックス登録処理、(B)はインデックスアクセス処理を示す。
【符号の説明】
【0018】
1、13 光ディスク記録再生装置、2 光ディスク、3 リモコン、4 光ディスクドライブ、5 ドライブ処理部、6 MPEGデコーダ、7 ナビゲーション制御部、8 画面表示監視部、9 インデッスク情報登録部、10、14 インデックス情報記憶部、11 インデックス情報取得部、12 光ディスク識別部、15 ディスク書き込み読み出し部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクのデータ領域に圧縮された動画像情報を記録し、前記記録された前記圧縮された動画像情報を読み出して再生する際、ユーザの所望の動画像情報位置をインデックス位置として、前記光ディスクに関連する前記インデックス位置を含むインデックス情報を記録する光ディスク記録再生装置において、
前記再生中に、1画面フレーム単位でのコマ送り又は一時停止を行った後、通常再生モードに移った時の最初のフレームを、前記インデックス位置とするインデックス位置設定手段と、
前記インデックス位置設定手段により位置決めされた前記インデックス情報を記憶部に格納する記憶手段と、
前記記憶部に格納された前記インデックス情報を読み出す前記インデックス情報読み出し手段と、
前記インデックス情報読み出し手段で読み出された前記インデックス情報により指定された位置にジャンプするアクセス手段と、
を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項2】
光ディスクのデータ領域に圧縮された動画像情報を記録し、前記記録された前記圧縮された動画像情報を読み出して再生する際、ユーザの所望の動画像情報位置をインデックス位置として、前記インデックス位置を含むインデックス情報を記録する光ディスク記録再生装置において、
前記再生中に、1画面フレーム単位でのコマ送り又は一時停止を行った後、通常再生モードに移った時の最初のフレームを、前記インデックス位置とするインデックス位置設定手段と、
前記インデックス位置設定手段により位置決めされた前記インデックス位置を前記光ディスクの管理領域に記録するインデックス情報記録手段と、
前記インデックス情報記録手段により記録された前記インデックス情報を読み出すインデックス情報読み出し手段と、
前記インデックス情報読み出し手段で読み出された前記インデックス情報により指定された位置にジャンプするアクセス手段と、
を有することを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項3】
前記インデックス位置は、前記圧縮された動画像のスタート位置からの時間と、前記インデックス位置の画像が含まれるファイルにおける前記画像データの場所を示すファイルオフセット値で示す位置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク記録再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−147071(P2006−147071A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−337244(P2004−337244)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】