説明

光ドライブにおけるレーザダイオードの寿命の向上

データを読み取るために使用されるレーザ光源の向上した寿命を有する、光学記録キャリアに記録されたデータを再生するための再生装置が提供される。再生装置は、レーザ光源の光出力を駆動して、該データの読み取り動作が中断された場合に、光ディスクに記録されたデータが再生されるために読み取られている、読み取りモードから、レーザ寿命延長モードに変更するように適合される、レーザドライバユニットを含む。レーザ寿命延長モードでは、レーザ光源は、パルス光出力を放射するように駆動され、したがって、レーザ光源が必要とされることなくオンである時間量が削減され、レーザ光源の寿命が向上される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、光学記録キャリアに記録されたデータを再生するためのものであり、また記録されたデータを再生するためのレーザ光源を有する、再生装置に関し、より具体的には、向上された寿命のレーザ光源を有する再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
CD(コンパクトディスク)プレーヤおよびDVD(デジタル多用途ディスク)プレーヤ等の光ディスクのための光ドライブおよび再生装置は、家庭電化製品、携帯デバイス、および自動車の標準装備として、ここ数年での大幅な広がりが知られている。したがって、低消費電力で、その構成要素の耐久性が高い、費用効率が高いデバイスの開発に多大な努力が払われている。
【0003】
光ディスクに記録されたデータを読み取るために使用されるレーザダイオードは、コストおよび動作寿命に関して、光ドライブの最も重要な構成要素のうちの1つである。具体的には、レーザダイオードの寿命は、周囲温度の上昇および/またはレーザ駆動電流の増加によって減少することが知られている。したがって、レーザダイオードの効率的な動作は、その寿命を向上させるための極めて重要な課題である。
【0004】
例えば、光磁気または光ディスクのための現在の光ドライブは、ホストシステムによって必要とされるレートよりも速いレートで、再生するデータを読み取ることができる。したがって、いわゆるトラックバッファが使用され、入力データがバッファに書き込まれる速度よりも遅い公称速度で、そこから、入力音声/映像データが読み取られる。
【0005】
特許文献1は、バッファを使用し、また、バッファのオーバーフローを回避するために入力データストリームを時々中断する、再生装置を説明している。しかしながら、データが光ディスクから読み取られていない場合も、バッファに供給されていない場合も、レーザダイオードはオンのままである。
【0006】
特許文献2は、光ディスクからのデータの読み取りが中断されるレーザオフ時間という時間間隔中に、レーザダイオードをオフにすることによって、レーザダイオードの総動作時間を低減できるようにする方法を説明している。
【0007】
電力消費および周囲温度を低減するため、レーザオフ時間中にはフォーカスおよびトラッキングサーボ制御ループもオフにされる。次いで、読み取り動作を再開する前に、光ディスク上の異なる接線位置での異なるフォーカスオフセットに起因する、完全なフォーカスサーチを実行する必要性を回避するように、サーボ制御は、該制御がオフにされた接線位置の近くでオンにされる。それでも、レーザダイオードは、データの読み取りが再開されてシステムを回復および再同期できるようにする前に、ある時間だけオンにする必要がある。システム回復および再同期時間は、光ディスクの回転に関連する待ち時間、およびレーザを再フォーカシングして、記録キャリアからの読み取り動作が中断されたトラックにジャンプするための時間等の、複数の因子に依存する。
【0008】
例えば、映像再生パラメータとして、0.14秒のシステム回復および再同期時間、4Mbのバッファサイズ、8Mb/sの出力データレート、および22Mb/sの入力データレートを使用すると、全再生時間と、システム回復および再同期時間を加えたバッファフィル時間との差は、0.18秒のレーザオフ時間となる。このレーザオフ時間の推定は、全再生時間の約36%であるが、それでも、レーザダイオードがオンであるが読み取りを行っていない、システム回復および再同期時間と同程度である。
【0009】
したがって、読み取り動作の間でレーザダイオードを効果的にオフにできる時間量は、最適でない。
【0010】
加えて、フォーカスおよびトラッキングサーボループの完全な遮断は、振動または衝撃等の機械的外乱に露出される、自動車または携帯デバイスに実装される光ドライブの場合に有利になり得る。このような外乱が生じる場合、フォーカスおよびトラッキングサーボがオフにされた場合、オフにされた場合の位置からの再生ヘッドの逸脱は、即座に補正されない。この場合、完全なフォーカスおよびトラックサーチシーケンスが必要になり得、したがって、データの読み取りが行われずにレーザダイオードをオンにする時間量が増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第465053号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1619675号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
(発明の概要)
本発明は、従来技術の不利な点および短所を克服することを目指し、その目的は、光学記録キャリアに記録されたデータを読み取るために採用されるレーザ光源を効果的に使用し、それによって、向上した寿命を伴うレーザ光源を有する、再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、独立請求項の主題によって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項によって規定される。
【0014】
本発明は、光学記録キャリアに記録されたデータを再生するための再生装置を提供し、該装置は、光学記録キャリアに記録されたデータを読み取るためのレーザ光源を備える、光ヘッドと、レーザ光源の光出力を変調するためのレーザドライバユニットであって、該光出力を駆動して、該データの読み取り動作が中断された場合に、読み取りモードからレーザ寿命延長モードに変更するように適合される、レーザドライバユニットとを備え、該レーザ寿命延長モードは、パルス光出力モードである。
【0015】
光学記録キャリアに記録されたコンテンツのデータを読み取るために、光ヘッドが動作していない時間中に、レーザビームをパルス化させる、またはオン/オフさせることによって、本発明は、レーザダイオードが、使用されていないレーザ光を放射する総時間を最小化すること、ならびに電力消費および周囲温度を低減することを可能にする。結果的に、レーザダイオードの寿命が延び、また、レーザダイオードを交換することなく、再生デバイスの総作業時間が増加する。
【0016】
本発明のさらなる展開によれば、レーザドライバユニットは、レーザ光源の光出力を駆動して、該データの読み取り動作が再開された場合に、レーザ寿命延長モードから読み取りモードに変更するように適合される。
【0017】
光学記録キャリアからのデータの読み取り動作の中断状態が再開される場合に、レーザ寿命延長モードが終了する。したがって、レーザ光源によって放射されるレーザ光は、レーザ光がパルスの形態で放射されるパルス光出力から、レーザ光源が、データの読み取りに必要な光電力に対応する実質的に一定の平均放射電力を有する連続的なレーザビームを放射する、一定の光出力モードに変更するように駆動される。コンテンツを再生しながら、光ディスクに記録されたコンテンツのデータの読み取り動作を、複数回、中断および再開する必要がある場合、レーザ光源は、それに応じて、パルス光出力モードと一定光出力モードとを切り替えるように駆動される。
【0018】
別の有利な実施形態では、該レーザドライバユニットは、レーザ光源に実質的に所定のタイミングで高光出力レベルと低光出力レベルとを切り替えさせるために、該レーザ寿命延長モード中に、所定のタイミングでレーザ駆動信号を出力するように適合される。
【0019】
結果的に、レーザ光源が、2つの光出力レベルを切り替えるように駆動されるタイミングは、ホストシステムの特徴に基づいて前もって設定することができ、よって、レーザ寿命延長モード中のレーザ光源の負荷サイクルが最小化される。
【0020】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、再生装置は、レーザドライバユニットによって出力される、レーザ駆動信号のタイミングを制御するためのレーザドライバ制御信号出力を生成するように適合される、サンプリングコントローラを備え、サンプリングコントローラは、該レーザ寿命延長モード中に、所定のタイミングでパルスレーザドライバ制御信号出力を生成するように適合され、レーザドライバユニットは、該パルスドライバ制御信号に応じて、所定のタイミングでレーザ駆動信号を出力するように適合される。
【0021】
このように、外部制御信号に応じて、所望のタイミングで迅速にパルスする、またはオン/オフすることができる出力チャネルを有する、あらゆるレーザ駆動ユニットを使用して、本発明を実施することが可能である。実質的に所望のタイミングでレーザ光のパルスを放射するようにレーザ光源を駆動するために、レーザドライバユニットの出力は、供給されるタイミング制御信号のタイミングに対して高応答性でなければならない。
【0022】
本発明の有利な展開によれば、サンプリングコントローラは、読み取りモード中に、連続的なレーザドライバ制御信号出力を生成するように、および、該データの読み取り動作が中断された場合に、連続的なレーザドライバ制御信号出力をパルスレーザドライバ制御信号出力に変更するように適合される。これは、そのタイミングがサンプリングコントローラによって変更される、同じ制御信号を使用することによって、2つの光出力モード間を遷移できるようにする。
【0023】
本発明の別の有利な実施形態では、再生装置は、レーザ光源の光出力を示すレーザ監視信号を受信して、レーザ監視信号をサンプリングおよびホールドし、次いで、レーザ監視信号を出力するように適合される、フィードバックサンプリングおよびホールド回路と、入力レーザ監視信号および基準値に基づいてレーザ駆動信号を調整するよう、および、入力レーザ監視信号を基準値に収束させるよう、レーザドライバユニットを制御するためのフィードバック信号を生成して出力するように適合される、フィードバック制御回路と、を備え、該フィードバック制御回路は、フィードバックサンプリングおよびホールド回路からレーザ監視信号を受信するように適合され、サンプリングコントローラは、フィードバックサンプリングおよびホールド回路を制御して、レーザ光源が高光出力レベルである場合に、受信したレーザ監視信号をサンプリングするよう、および、少なくとも後続の低光出力レベルの持続時間中に、サンプリングされたレーザ監視信号をホールドするよう、レーザ寿命延長モード中に、第1の所定のタイミングでフィードバックサンプリングおよびホールド信号を生成して出力するように適合される。
【0024】
フィードバック制御回路は、レーザ光源によって放射されるレーザビームの光電力を所望のレベルに調整する役割を果たす。フィードバック制御回路に先行する段にサンプリングおよびホールド回路を実装することによって、および、サンプリングおよびホールド回路をレーザ寿命延長モード中に放射されるレーザ光のパルスと同期させることによって、本発明は、入力信号を、常に同じ光出力レベルに対応するフィードバック制御回路に提供することを可能にする。したがって、光電力のフィードバック制御は、パルス光出力モード中もアクティブのままにすることができ、また、類似した光電力を示す信号に基づいて、連続する類似した光出力レベルの間に放出されるレーザ光の光出力を効果的に調整することができる。
【0025】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、再生装置は、該レーザ寿命延長モード中に、光学記録キャリアから反射されるレーザビームを示す信号に基づいて、光学記録キャリアに入射するレーザビームのフォーカス制御を行うように適合される、フォーカスサーボシステムと、光学記録キャリアから反射されるレーザビームを示す該信号を受信して、受信した信号をサンプリングおよびホールドし、次いで、信号をフォーカスサーボシステムに出力するように適合される、フォーカスサーボサンプリングおよびホールド回路と、を備え、サンプリングコントローラは、フォーカスサーボサンプリングおよびホールド回路を制御して、レーザ光源が高光出力レベルである場合に、受信した信号をサンプリングするよう、および、少なくとも後続の低光出力レベルの持続時間中に、信号をホールドするよう、レーザ寿命延長モード中に、第2の所定のタイミングでフォーカスサンプリングおよびホールド信号を生成して出力するように適合される。
【0026】
本発明のさらなる展開では、再生装置は、光学記録キャリアから反射されるレーザビームを示す信号に基づいて、光学記録キャリアの記録トラックに入射するレーザビームのトラッキング制御を行うように適合される、トラッキングサーボシステムを備え、トラッキングサーボシステムは、該レーザ寿命延長モード中に、作動させたままであり、サンプリングコントローラは、トラッキングサーボシステムを制御して、レーザ光源が高光出力レベルである場合に得られる、光学記録キャリアから反射されたレーザビームを示す信号に基づいて、該トラッキング制御を行うよう、該レーザ寿命延長モード中に、第3の所定のタイミングでトラッキングサーボ制御信号を生成して出力するように適合される
結果的に、パルス光出力モード中に、フォーカスおよび/またはトラッキングサーボ制御を作動させたままにすることによって、読み取り動作が再開された際に、光学記録媒体上に入射するレーザビームの完全な再フォーカシングおよび/またはトラッキング動作を行う必要はない。これは、レーザがデータを読み取ることなくオンである時間を削減し、したがって、レーザの寿命の持続時間を増加できるようにする。
【0027】
本発明の別の有利な展開によれば、レーザ寿命延長モード中に、サンプリングコントローラは、フィードバックサンプリングおよびホールド信号、フォーカスサンプリングおよびホールド信号、およびトラッキングサーボ制御信号のうちの少なくとも1つを、パルスレーザドライバ制御信号と同期させるように適合される。
【0028】
この場合、サンプリングおよびホールド信号を、例えば高レベルのパルスレーザドライバ制御信号と同期させることによって、レーザ光源が高い光出力モードで放射している場合に受信した信号をサンプリングして、少なくとも後続の低光出力レベルの持続時間中に、サンプリングされた信号をホールドするように、対応するサンプリングおよびホールド回路を制御することができる。トラッキングサーボ制御信号が、高レベルのパルスレーザドライバ制御信号と同期された場合に、トラッキングサーボシステムは、レーザ光源が高光出力レベルで放射している場合に検出した信号を使用して、トラッキング制御を行う。
【0029】
フィードバックサンプリングおよびホールド回路、フォーカスサーボサンプリングおよびホールド回路、およびトラッキングサーボシステムの同期化は、同じ放射レベルの間に、すなわち、光電力が最高レベルにある場合に検出される同じダイオード信号に基づいて、フィードバックおよびサーボ制御動作を行うことができるようにする。さらに、フィードバックおよびサーボ制御動作が同時に行われるように同調させることができるので、高光出力モードの持続時間を最小限に削減することができ、それによって、レーザ寿命延長モード中の、レーザ光源の負荷サイクルをさらに削減する。加えて、低光出力レベルの間、レーザビームが使用されないので、低光出力レベルは、レーザ光源の寿命をさらに向上させるために、ゼロの光電力に設定されてもよい。
【0030】
本発明の別の有利な実施形態によれば、再生装置は、光ヘッドによって読み取られ、かつ再生される、光学記録キャリアに記録されたデータを格納するように適合される、バッファと、バッファのフィルレベルを監視するように、および、バッファのフィルレベルに基づいて、レーザ寿命延長モードと読み取りモードとの間の遷移を制御するように適合される、システムコントローラとを備える。
【0031】
このようにして、レーザ寿命延長モードの開始および持続時間の両方の調整は、バッファの現在のフィルレベルに基づいて動的に制御することができる。したがって、読み取りモードとレーザ寿命延長モードとの間の遷移は、再生されるコンテンツのタイプ、データが光ヘッドによって読み取られるレート、および読み取りデータが再生装置によって再生されるレート等に関わらず、読み取りおよび再生の現在の状態に基づいて、動的に調整される。
【0032】
添付図面は、本発明の原理を説明するために本明細書に組み込まれて、その一部を形成する。図面は、本発明を、本発明をどのように作製して使用できるのかについて例示され説明される実施例のみに限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
さらなる特徴および利点は、添付図面に示されるように、本発明の以下のより具体的な説明から明らかになる。
【図1】図1は、本発明の一実施形態による再生装置の、構成部分の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による再生装置の、読み取りモードおよび寿命延長モードでの動作中に生成される信号を示すタイミング図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態による再生装置によって行われる、方法またはプログラムの一連の論理ステップを示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による再生装置の、レーザ寿命延長モードおよび後続の読み取りモードでの動作中のバッファフィルレベルの変動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明に従って構成される再生装置の有利な実施形態を、添付図面を参照してより詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明による再生装置100の構成部分の構成を示すブロック図である。
【0036】
図1に示されるように、再生装置100は、光学記録キャリアである光ディスク1の記録トラックに記録されたデータを読み取るための、光ピックアップまたは光ヘッド110を有する。
【0037】
光学記録キャリアは、圧縮の有無に関わらず、音声データおよび/または映像データ等のコンテンツを記録するのに好適であり、光学的手段によって読み取ることができる、あらゆる格納手段とすることができる。
【0038】
好ましくは、光学記録キャリアは、光磁気ディスク、CD、DVD、ブルーレイディスク、またはHD(高品位)ディスク等の、光ディスク1である。再生装置100は、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、およびブルーレイプレーヤ等の、当技術分野において公知の光学的手段によって、光ディスク1の記録トラックとして記録されたデータを読み取り、読み取ったデータを、再生すべき再生可能な音声および/または映像信号に変換するのに好適なデバイスである。記録されたデータは、画像データ、音声データ、映像データ、それらの組み合わせ等の、あらゆるタイプのデータであってもよい。再生装置100は、携帯型CDプレーヤ等の、変換された音声および/または映像信号を再生するための手段を予め備えていてもよい。代替として、再生装置100は、光ドライブ等の再生手段を備えない場合があるが、その代わりに、再生可能な信号を外部手段に提供して再生してもよい。
【0039】
光ヘッド110は、レーザダイオード2等のレーザ光源と、レーザダイオード2によって光ディスク1上に放射されるレーザビームのスポットを集束させるための対物レンズ等の、光学関連の構成要素3と、光ディスク1上に投射されるレーザビームのトラッキングサーボおよびフォーカスサーボ調整を行うための、トラッキングおよびフォーカシングアクチュエータ(図示せず)とを備える。トラッキングおよびフォーカシングコイル等のトラッキングおよびフォーカシングアクチュエータは、光学レンズのトラッキング方向(光ディスク1の半径方向)、およびフォーカス方向(光ディスク1の表面に対して垂直な方向)に移動させるためのアクチュエータドライバによって制御される。
【0040】
光ヘッド110は、レーザダイオード2によって放射されるレーザのスポットを、光ディスク1の記録トラック上に投射することによって、そして、光ディスク1から反射されたレーザ光ビームを検出することによって、光ディスク1に記録されたデータを読み取る。
【0041】
本実施形態では、再生装置100は、光ディスク1からデータを読み取るための1つのレーザダイオード2を実装する。しかしながら、再生装置100は、例えば、DVDディスク(650nm)およびCDディスク(780nm)等の異なる規格下にある光ディスクに記録されたコンテンツを読み取るための、または光ディスク1を交換せずに2つ以上の光ディスク1を再生するための、2つ以上のレーザダイオード2を備えてもよい。
【0042】
再生装置100は、光ディスク1から読み取られる信号に基づいて、または所定の条件下で、データ/アドレスバス135を介して、再生装置100の複数の回路ブロックを制御するCPU(中央処理装置)130等の、システムコントローラを有する。
【0043】
再生装置100はさらに、CPU130によって実行されるデータおよびプログラム、光ヘッド110によって読み取られるデータ、および再生されるデータ等の、複数のタイプのデータを一時的および/または恒久的に格納する、格納手段を備える。格納手段は、RAM(ランダムアクセスメモリ)フラッシュメモリ、EEPROM(電気的に消去可能なPROM)等のような、不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリで構成され得る。図示の実施形態では、格納手段は、RAM140と、フラッシュメモリ145とを備える。
【0044】
好ましくは、格納手段は、光ヘッド110によって読み取られたデータを一時的に格納するためのデータバッファ(図示せず)も備える。バッファは、RAM140の中に実装され得、データが光ディスク1から光ヘッド110によって読み取られるレートと、再生するためにデータが処理されるレートとの差を補償するために使用される。
【0045】
再生装置100は、光ディスクドライブを、パーソナルコンピュータ内部のハードディスクのような格納デバイスと接続するために使用される、アドバンスドテクノロジーアタッチメントパケットインターフェース(ATAPI)等の、外部回路とインターフェースするためのインターフェース(IF)150も備える。
【0046】
図1に示されるように、再生装置100は、レーザダイオード2に通電するためのレーザドライバユニットである、レーザダイオードドライバ160を備える。レーザダイオードドライバ160は、好ましくは、光ヘッド110の中に実装されるが、代替として、再生装置100の中の別個の回路ユニットとして実装されてもよい。
【0047】
レーザダイオードドライバ160は、レーザダイオード2に通電して、レーザダイオード2からの光出力の光電力を変調する、信号駆動レーザを生成して出力する。レーザ駆動信号の振幅および周波数は、レーザダイオード2によって放射されるレーザ光の放射電力および時間変調を決定する。本実施形態では、レーザ駆動信号は、レーザ駆動電流である。しかしながら、レーザ駆動電圧は、当技術分野において公知の回路修正を導入した後に使用される可能性もある。
【0048】
再生装置100が2つ以上の接地レーザダイオード2を実装する場合、レーザダイオードドライバ160は、各レーザダイオードを動作させるための2つ以上のレーザ駆動出力を伴って設計され得る。代替として、再生装置100は、各レーザダイオード2を駆動するための、別個のレーザダイオードドライバ160を備えてもよい。
【0049】
簡潔にするため、再生装置100は、単一のレーザダイオード2と、単一のレーザダイオードドライバ160とを備えるものとして説明する。
【0050】
再生装置100は、レーザダイオード2を駆動して、読み取りモードおよびレーザ寿命延長モードの2つの相異なる動作モード下で、レーザ光を放射するように実装される。
【0051】
読み取りモードは、光ヘッド110が、そのモード中に光ディスク1に記録された再生されるデータを読み取る、再生装置100の動作状態を指す。好適な実施形態では、光ディスク1に記録されたコンテンツのデータであるコンテンツデータは、光ヘッド110によって読み取られて、データバッファに格納される。格納されたコンテンツデータは、次いで、FIFOシーケンスで読み取られて処理され、音声および/または映像信号等の再生可能な、または再生信号に変換される。好ましくは、ある量のコンテンツデータがバッファに格納されると、コンテンツデータをバッファに書き込む動作、および再生されるデータをバッファから読み取る動作が、実質的に同時に行われる。
【0052】
以下、簡潔に読み取り動作と称する、光ディスク1からのデータ読み取り動作中に、レーザダイオードドライバ160は、読み取り動作に必要な光電力を伴うレーザビームを放射するようにレーザダイオード2駆動する、連続的なレーザ駆動電流を生成して出力する。読み取り動作中、平均光電力は、実質的に一定にホールドされる。
【0053】
レーザ寿命延長モードは、光ディスク1の記録トラックに記録されたコンテンツデータを示す信号を作成するために、光ヘッド110が駆動されていない間の、またはバッファのオーバーフローを回避するために、メモリバッファへの音声および/または映像コンテンツデータのストリームが中断されている間の、動作状態を指す。
【0054】
再生装置100が、光ディスク1にデータを記録する、または書き込むための手段を有する場合、レーザ寿命延長モード中にはいかなる記録動作も行われない。
【0055】
光ディスク1からバッファへのコンテンツデータの読み取り動作が中断されるので、ある一定の電力でのダイオードレーザ2によるレーザ光の放射は不要である。したがって、レーザダイオードドライバ160は、パルスレーザビームを放射するようにレーザダイオード2を駆動するための、パルス信号の形態を伴うレーザ駆動信号を、所定のタイミングまたは周波数で出力する。したがって、レーザ寿命延長モードは、パルス光出力モードである。
【0056】
レーザ寿命延長モードは、光ディスク1からのデータ読み取り動作の中断状態が終了されて読み取り動作が再開されるまで、ホールドされる。再生装置100は、次いで、読み取りモードでの動作に切り替わり、コンテンツデータの入力ストリームの次の中断までホールドされる。
【0057】
レーザ寿命延長モード中に、パルスレーザビームは、実質的に所定のタイミングで、2つの離間された放射電力レベルの間で、すなわち高光出力レベル(オン状態)と低光出力レベル(オフ状態)とが、迅速に切り替わる。
【0058】
所定のタイミングは、その寿命を延ばすために、パルス光出力モード中に、レーザダイオード2の負荷サイクルを最小化するように選択される。レーザ寿命延長モード中の負荷サイクルは、レーザダイオードを高光出力レベルで放射させる総時間と、レーザ寿命延長モードの持続時間との比率として定義することができる。
【0059】
所望の負荷サイクル、レーザ寿命延長モードの持続時間、および読み取りモードとレーザ寿命延長モードとの切り替え回数は、以下に説明される、光ディスク1に記録された音声および/または映像コンテンツのサイズ、バッファサイズ、ならびに入力および出力データレート等の、複数のパラメータに依存する。したがって、全コンテンツの再生中に、再生装置100は、読み取りモードでの動作とレーザ寿命延長モードでの動作とを、1回または複数回、切り替える必要が生じ得る。また、レーザ寿命延長モードへのいかなる遷移も不要である場合が生じ得る。
【0060】
レーザ寿命延長モード中に、所望の負荷サイクルを達成するために、レーザドライバユニット160は、オンおよびオフ状態に望まれる電力放射に対応する振幅の間を迅速に切り替える、レーザ駆動信号を出力する必要がある。
【0061】
好適な実施形態では、レーザダイオードドライバ160は、「低」に設定されたイネーブル信号がレーザダイオードドライバ160のイネーブル入力に印加された場合に、レーザ駆動電流のための出力電流チャネルを完全に遮断できるようにする、イネーブル入力で設計される。出力電流チャネルは、印加されるイネーブル信号を「高」に設定することによって、有効にされる。レーザダイオードドライバ160のイネーブル入力は、好ましくは、デジタルタイプであり、イネーブル信号の立ち上がりエッジ状態でアクティブになり、イネーブル信号の立ち下がりエッジで非アクティブになる。
【0062】
したがって、イネーブル入力に印加されるタイミング信号の「高」および「低」に応じて、レーザ駆動電流出力は、タイミング信号と実質的に同じタイミングで、オン/オフを迅速に切り替えるように制御される。
【0063】
代替として、レコーダに使用されるものに類似したレーザダイオードドライバ160を使用して、レーザ寿命延長モード中に、所望のタイミングでレーザ駆動パルスを出力するために、好適に制御することができる。より具体的には、レーザダイオードドライバ160は、読み取り動作に必要とされる光出力に対応するレーザ駆動電流を出力する、読み取りチャネル出力と、レーザ寿命延長モード中に、所望のタイミングでパルスレーザ駆動電流を出力するために制御される、少なくとも1つの書き込みチャネルとを含み得る。書き込みチャネル出力の非常に高速なスイッチング速度は、レーザ寿命延長モード中に、所望の周波数でパルスレーザ駆動電流を出力できるようにする。
【0064】
図1に示されるように、再生装置100は、再生装置100の1つ以上の回路ブロックの動作を適時に制御および同調するための、少なくとも1つのタイミング信号を生成して出力する機能を果たす、サンプリングコントローラ170を有する。サンプリングコントローラ170は、別個の回路ブロックとして実装され、制御される回路および/または動作に応じて、異なるタイミング信号を生成し得る。例えば、タイミング信号は、2つの特定の回路の動作を同期させるためのクロック信号であってもよい。回路は、同期化のためにクロック信号を使用して、クロックサイクルの立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ、または両方のエッジのいずれかにおいてアクティブになる。
【0065】
より具体的には、サンプリングコントローラ170は、レーザドライバ制御信号と実質的に同じタイミングでレーザ駆動電流をレーザダイオードドライバ160に出力させる、タイミング信号である、レーザドライバ制御信号を生成して出力する。
【0066】
レーザドライバ制御信号はレーザダイオードドライバ160のイネーブル入力に印加され、したがって、レーザドライバイネーブル信号として機能する。レーザドライバイネーブル信号の詳細を、図2を参照して説明する。
【0067】
読み取りモード中に、サンプリングコントローラ170は、レーザダイオードドライバ160のイネーブル入力に送られる、連続的な非ゼロ振幅を有するレーザドライバイネーブル信号を生成して出力する。したがって、現在のレーザダイオードドライバ160の出力は、イネーブルのままである。
【0068】
データの読み取り動作が中断されて、レーザ寿命延長モードが開始された場合に、サンプリングコントローラ170によって出力されるレーザドライバイネーブル信号は、連続的なレーザドライバ制御信号からパルスレーザドライバ制御信号に変更される。好ましくは、パルスレーザドライバ制御信号は、レーザダイオード2に望まれる負荷サイクルに対応するタイミングで、「1」および「0」等の2つの離間されたレベルの間を変動する、サンプリングパルスである。
【0069】
より具体的には、パルスレーザドライバ制御信号は、レーザダイオード2のオフ状態の所望の持続時間に対応する時間間隔中は「低」に設定され、レーザ寿命延長モード中のレーザダイオード2のオン状態の所望の持続時間に対応する時間間隔中は「高」に設定される。
【0070】
パルスレーザドライバ制御信号に応じて、レーザダイオードドライバ160の出力電流チャネルは、パルスドライバ制御信号のタイミングに従って、断続的にイネーブル/ディスエーブルとなる。結果的に、レーザダイオードドライバ160によって出力されるレーザ駆動電流は、実質的に所望の負荷サイクルで「高」と「低」の値の間を変動するパルス信号の形態を有し、それによって、実質的に所望のタイミングでレーザダイオード2にパルスレーザビームを放射させる。
【0071】
高光出力レベルの間かつ読み取りモード中の、レーザ駆動電流の振幅、したがって放射される光電力は、以下に説明されるように、レーザダイオードドライバ160に送られるレーザ基準信号に基づいて調整される。好ましくは、レーザ駆動電流は、低光出力レベルの間、ゼロに設定される。
【0072】
レーザ寿命延長モードが終了して、読み取りモードの動作が再開された場合に、サンプリングコントローラ170によって出力されるレーザドライバイネーブル信号は、パルス信号から元の連続的なドライバ制御信号に変更される。
【0073】
レーザダイオードドライバ160は、レーザ基準信号に基づいて、出力レーザ駆動電流の振幅を、最終的には、レーザダイオード2によって放射されるレーザ光の光電力を調整する。レーザ基準信号の量は、所望の光電力を示す。
【0074】
図1に示されるように、レーザ基準信号は、再生装置100に備えられるレーザ自動出力制御(APC)180によって、レーザダイオードドライバ160に供給される。
【0075】
APC回路180は、光電力を所望の値の範囲内にホールドする等のために、レーザ駆動信号の振幅を調整するようにレーザダイオードドライバ160を制御する、フィードバック制御回路である。フィードバック制御回路はまた、レーザダイオード2に損害を与え得る、最大動作レベルを超えるレーザ駆動信号のオーバーシュートを回避する。
【0076】
本実施形態では、フィードバック制御回路は、好ましくはレーザ自動出力制御回路180であるが、フィードバック制御回路は、周囲温度を監視するための回路と組み合わせて自動出力制御を使用して実装することも可能である。
【0077】
APC回路180は、所望の光出力に対応する基準値をレーザダイオード2の光出力を示す入力制御信号と比較し、比較結果に基づいて、所望の基準値からの入力制御信号の逸脱を最小化するように、レーザダイオードドライバ160に供給されるレーザ基準信号の振幅を調整する。図示の実施形態では、レーザ基準信号は、レーザ基準電圧である。
【0078】
図1を参照すると、再生装置100は、レーザダイオード2によって現在放射されている光電力を示す制御信号を提供するためのレーザ監視センサである、前方ダイオードモニタ190を有する。
【0079】
前方ダイオードモニタ190は、検出光出力と比例関係にある、図示される実施形態では監視電圧である、レーザ監視信号を生成する。前方ダイオードモニタ190は、監視電流を監視電圧に変換するためのIV変換回路とともに、 入射レーザ放射に基づいて監視電流を生成する、光ダイオード等の光検出器要素として実装されてもよい。
【0080】
APC回路180の閉ループ状態は、読み取りモードおよびレーザ寿命延長モードの間、ホールドされる。したがって、APC回路180が、振動レーザ監視電圧に応じて、レーザダイオード2のオフ状態中およびオン状態中の両方で、電力フィードバック制御を行うのを回避するために、再生装置100は、前方監視ダイオード190によってレーザ監視信号出力をサンプリングおよびホールドする、フィードバックサンプリングおよびホールド回路を実装する。フィードバックサンプリングおよびホールド回路は、以下、APC S/H回路200と称する。
【0081】
図1に示されるように、APC S/H回路200は、前方ダイオードモニタ190の出力段とAPC回路180の入力段との間に、別個の回路として実装される。しかしながら、APC回路180が、APC S/H回路200の機能を内部に実装することが想定され得る。
【0082】
APC S/H回路200は、前方ダイオードモニタ190から監視電圧を受け、受けた監視電圧をサンプリングし、サンプリングした値を所定の時間ホールドし、そして、ホールド監視電圧をAPC回路180に供給する。
【0083】
読み取りモード中に、レーザダイオード2は、一定の平均光電力でレーザ光を放射する。したがって、前方ダイオードモニタ190によって作成されるレーザ監視信号は、実質的に一定である。
【0084】
しかしながら、レーザ寿命延長モード中に放射されるパルスレーザビームは、前方ダイオードモニタ190に、実質的に同じタイミングで振動するレーザ監視電圧を生成させる。
【0085】
したがって、レーザ寿命延長モード中に、APC S/H回路200は、レーザダイオード2がオン状態である場合に、監視電圧をサンプリングするように、かつ、少なくともレーザダイオード2がオフ状態である時間量の所定の時間にわたって、少なくとも後続のオフ状態中にサンプリングされた値をホールドするように制御される。
【0086】
本実施形態では、APC S/H回路200のサンプリング周波数は、サンプリングコントローラ170によって生成されて出力される、サンプリングおよびホールド信号によって外部的に制御される。この、APC S/H信号と称されるサンプリングおよびホールド信号は、レーザ寿命延長モード中に、監視電圧のサンプリングをパルス光出力のオン状態と一致させるように、レーザドライバイネーブル信号と同期される。好ましくは、APC S/H信号およびレーザドライバイネーブル信号の周波数は、実質的に同じである。
【0087】
図2に示されるように、APC S/H信号は、レーザドライバイネーブル信号と同期され、よって、サンプリング時間(上向きの矢印で示される)を、それぞれ高レベルのレーザドライバ制御信号と一致させる。しかしながら、APC S/H信号は、サンプリング時間が、高レベルのレーザドライバイネーブル信号と一致される限りは、異なる周波数を有してもよい。
【0088】
このように、APC回路180に送られる入力制御信号は、レーザダイオード2のオン状態中に、常に光出力を示す。結果的に、APC回路180は、レーザダイオード2のオフ状態中に、フィードバック制御を行う必要はないが、オン状態中に検出される光電力に関して常時調整される、レーザ基準電圧をレーザダイオードドライバ160に提供する。後続のオフ状態中に、APC回路180は、その前のオン状態中にサンプリングされた監視電圧に基づいて調整されたレーザ基準電圧の出力を継続するが、レーザダイオードドライバ160の出力電流チャネルが、レーザドライバイネーブル信号を「低」にすることによって、オフ状態中にディスエーブルにされるので、このレーザ基準電圧は、レーザダイオードドライバ160にいかなる影響も及ぼさない。
【0089】
好ましくは、サンプリングコントローラは、読み取りモード中に、同じサンプリング周波数でAPC S/H信号を生成する。しかしながら、読み取りモード中に、他のサンプリング周波数が生成される可能性がある。
【0090】
一方では、APC回路180によって使用される基準値は、装置の格納手段に格納されていてもよい。好ましくは、レーザ寿命延長モードのオン状態中に使用される光電力に対応する基準値は、読み取りモード中に使用される基準値と同じである。しかしながら、これらの基準値は、個別に設定されてもよく、よって、オン状態で放射される光電力は、読み取りモード中に放射される光電力と異なる。
【0091】
再生装置100はさらに、好ましくは光ヘッド110の中に実装される、光検出器ユニットである、光検出器集積回路(PDIC)210を備える。PDIC210は、光ディスク1によって反射されたレーザビームを検出し、検出したレーザビームに基づいて、供給されたダイオード信号から各種情報を取り出すために、ダイオード信号を外部処理回路に供給する。
【0092】
このような回路のうちの1つは、再生装置100の中に備えられる読み取りチャネルユニット220である。PDIC210によって供給されるダイオード信号に基づいて、読み取りチャネルユニット220は、再生データとしてHF信号を作成する。HF信号は、デジタル信号プロセッサ(DSP)230に送信されて、処理される。
【0093】
図1に示されるように、再生装置100は、光ディスク1の記録トラック上に投射されるレーザビームスポットのフォーカス制御を行うための、フォーカスサーボシステム240を有する。
【0094】
好適な実施形態では、フォーカスサーボシステム240は、読み取りモード中およびレーザ寿命延長モード中の両方で、作動する。このように、オンにされた場合にフォーカスシーケンス全体を行うためにフォーカスサーボシステム240によって必要とされる待ち時間を排除することができ、また、レーザダイオード2をオンにする必要がある時間量が削減され、それによって、レーザダイオード2の寿命が向上する。
【0095】
フォーカスサーボシステム240は、サーボマトリックス回路250と、従来技術において公知のサーボアナログ−デジタルコンバータ260(サーボADC)とを備える。
【0096】
サーボADC260は、入力アナログ信号をデジタル信号に変換する。サーボマトリックス回路250は、サーボADC260から受信されるデジタル信号に基づいて、フォーカス誤り信号(FE)、チルト誤り信号(Tilt)等のサーボ信号を生成する。生成されたサーボ信号は、受信したサーボ信号の位相補償処理、利得補正処理等を実行する、DSP230に供給される。処理されたサーボ信号は、フォーカスサーボ制御を行うためのアクチュエータドライバ(図示せず)に印加される。
【0097】
レーザダイオード2は、APC回路180のアナログ入力段に切り替えられて、サーボADCが安定するまでの間だけオンにされる。サーボがその動作をホールドするので、サーボ回路ブロックに供給されるダイオード信号をサンプリングする必要がある。
【0098】
本実施形態では、再生装置100は、以下サーボS/H回路と称される、サーボADC260の前段に実装される、フォーカスサーボサンプリングおよびホールド回路270を有する。サーボS/H回路270は、PDIC210から受信したアナログダイオード信号をサンプリングする役割と、アナログダイオード信号をサーボADC260に送る前に、所定の時間にわたって安定する、受信したアナログ信号値をホールドする役割とを果たす。
【0099】
より具体的には、パルス光出力モード中に、サーボS/H回路270は、オン状態でレーザダイオード2が放射している間に、アナログダイオード信号をサンプリングするように、および、レーザダイオード2がオフ状態である少なくとも後続の状態中に、サンプリングした信号をホールドするように制御される。
【0100】
サーボS/H回路270のサンプリングレートは、サンプリングコントローラ170によって生成されて供給される、以下サーボADC S/H信号と称される、サンプリングおよびホールド信号によって外部的に制御される。
【0101】
図2を参照すると、サンプリングコントローラ170は、レーザ寿命延長モード中に、レーザドライバイネーブル信号と実質的に同じ周波数であるサンプリング周波数で、サーボADC S/H信号を生成する。さらに、サーボADC S/H信号は、レーザダイオード2がオン状態であり、かつオフ状態中にホールドされる場合に、サーボS/H回路270に、PDIC210によって供給される信号をサンプリングさせるように、レーザドライバイネーブル信号と同期される。図2に示されるように、サンプリングコントローラ170は、サーボADC S/H信号のサンプル時間をレーザドライバイネーブル信号が高レベルである瞬間と一致させることによって、レーザドライバイネーブル信号およびサーボADC S/Hを同期させる。代替として、サーボADC S/H信号の周波数は、サンプル時間と高レベルのレーザドライバイネーブル信号との同期化をホールドしながら、個別に設定することができる。
【0102】
簡潔にするため、サーボS/H回路270のサンプリングレートは、読み取りモードが再開する場合にホールドされてもよい。代替として、サーボADC S/H信号のサンプリング周波数は、読み取りモード中に、個別に設定されてもよい。例えば、読み取りモード中に、より緻密なサーボ制御を提供するために、サーボADC260によって必要とされる最短時間を上限として、サンプリングレートを増大させ、受信したアナログ信号を変換することができる。
【0103】
サンプリングコントローラ170はさらに、アナログ−デジタル変換を同期させるためにサーボADC260に供給される、別のタイミング信号であるA/D同期化信号を生成する。サーボADC260は、内部アナログ−デジタル変換にひつようとされる時間にわたって、入力信号をサンプリングおよびホールドするための内部サンプリングおよびホールド回路を実装してもよい。
【0104】
上述の実施形態では、サーボS/H回路270およびサーボADC260は、別個の回路であるが、サーボS/H回路270の機能は、サーボADC260に実装されてもよく、よって、外部サーボADC S/H信号を印加するための付加的な制御入力で設計される。
【0105】
別の実施形態では、再生装置100はさらに、高い精度でレーザ光をピットシーケンス上に照射するための、トラッキングサーボシステムを備える。トラッキングサーボシステムは、記録トラックに対して光ディスク1上に投射されるレーザビームスポットのトラッキング制御を行うための、トラッキングサーボ信号を作成する。
【0106】
好ましくは、トラッキングサーボシステムは、公知の差動位相検出方法を使用する、トラッキング誤り検出回路を備える。この方法は、ディスク表面から反射されたレーザ光が、複数の受光部分に分割された光検出器デバイスによって受信された場合に、各分割部分から出力された信号間に位相差が生成されるという事実に基づいている。検出された位相差は、トラッキング誤りの量を示すトラッキング誤り信号(TE)を生成するために使用される。次いで、得られたTE信号を使用して、フィードバックトラッキング制御が行われる。
【0107】
図1を参照すると、再生装置100は、差動位相検出器(DPD)回路280を備える。DPD回路280は、PDIC回路210によって供給されるダイオード信号から位相差情報を得て、該位相差情報をアナログ量(例えば、電圧値)に変換し、そして、得られたアナログ量を、後続の段で処理するためにDSP回路230に渡す。
【0108】
代替として、DPD回路280は、ピットエッジのタイミング情報(ダイオードの時間差測定)に基づいて、トラック誤りを計算してもよい。レーザがオンである間に、DPD回路280は、時間差を測定して、トラッキング誤りを計算する。
【0109】
好適な実施形態では、トラッキングサーボシステムは、読み取りモード中、レーザ寿命延長モード中、および2つのモード間の遷移中に、作動させたままである。したがって、レーザ寿命延長モードを出て、読み取りモードが再開された場合に、トラッキングシーケンス全体を行うことができるようにするために、光ディスク1からのデータの読み取りを効果的に開始する前に、レーザダイオード2をオンにする必要はない。このように、データを読み取ることなくレーザダイオード2がオンにされる時間をさらに削減することができ、また、その寿命が向上する。
【0110】
レーザ寿命延長モード中に、トラッキングサーボ制御を作動させたままにするために、DPD回路280は、レーザダイオード2が高出力レベルで放射している間に、トラッキングエラーを測定して計算するように制御される。トラッキング誤り検出のこの同期化は、所定のタイミングでDPD有効信号をDSP回路230に印加することによって達成される。
【0111】
好適な実施形態では、サンプリングコントローラ170は、別のタイミング制御信号である、DPD有効信号を生成して出力する。図2を参照すると、DPD有効信号は、レーザダイオード2がデータを読み取るためにほぼ一定の光電力で放出している読み取りモード中に、本質的に「高」に設定される。読み取り動作が中断されて、レーザ寿命延長モードが開始された場合に、サンプリングコントローラ170は、DPD有効信号を、所望のタイミングで連続信号からパルスまたはクロック信号に切り替える。
【0112】
好ましくは、DPD有効信号の周波数は、パルスレーザドライバイネーブル信号の周波数と同じである。加えて、サンプリングコントローラ170は、DPD有効信号をレーザドライバイネーブル信号と同期させ、よって、DPD回路280は、レーザダイオード2が、DPD有効信号に応じて、高光出力状態で放射している場合にだけ、トラッキング検出を行う。例えば、サンプリングコントローラ170は、DPD有効信号の立ち上がりエッジをレーザドライバイネーブル信号の立ち上がりエッジと同期させ、ならびに、2つの信号の立ち下がりエッジを同期させる。
【0113】
このように、レーザ寿命延長モード中にパルスレーザビームによって作成されたHF信号は、光ディスク1からのデータの読み取り動作が中断されている時間中に、トラッキングサーボシステムによって使用することができる。したがって、光ディスク1からのデータの読み取り動作が中断された場合に、レーザダイオード2を連続的にオンにしたままにすることを必要とせずに、トラッキング制御を作動させたままにしておくことが可能である。
【0114】
高光出力レベルおよびパルス周波数の持続時間等の、パルスレーザ光出力の特徴は、再生装置100の特徴に基づいて定義される。これらはまた、レーザ駆動制御信号、DPD有効信号、APC S/H信号、および/またはサーボADC S/H信号等の、サンプリングコントローラ170によって生成されるタイミング信号の特徴を決定する。これらの信号の特徴パラメータは、格納手段140に事前格納することができる。
【0115】
上述のように、レーザダイオード2は、APC回路180のアナログ入力段が安定するまで、オンのままにしておかなければならない。
【0116】
加えて、レーザ寿命延長モード中に、フォーカスおよび/またはトラッキングサーボ制御を作動させたままであるので、パルス幅、すなわちオン状態の持続時間は、フォーカスおよび/またはトラッキングサーボシステムが、サーボ誤りを検出して最小にホールドできるようにするのに十分長くする必要がある。
【0117】
例えば、パルス幅は、少なくともサーボADC260の入力段の安定時間によって制限される。レコーダから、パルス幅が非常に狭く(数10nsの幅)なる可能性があり、1/100以下のレーザの負荷サイクルに変換することが分かっている。
【0118】
加えて、パルス光出力中に、トラッキングサーボ制御を効果的に作動させたままにすべきである場合、パルスレーザビームの幅は、トラッキングサーボシステムが有効トラッキング信号を得られ得るように、光ディスク1においていくつかのピット/ランド遷移の検出を可能にするのに十分長くしておく必要がある。
【0119】
次いで、レーザダイオード2の寿命は、有効トラッキング信号、ならびにレーザAPC180およびサーボADC260の安定時間を得るために、DPD回路280によって必要とされる時間の中で最長のものとして、サンプリングコントローラ170によって生成される、レーザドライバ制御信号のパルス幅を設定することによって最大化される。
【0120】
各オフ状態の最大持続時間は、サンプリングおよびホールド回路の最大ホールド時間、ならびに有効な電力フィードバックおよびサーボ制御をホールドするように、ダイオード信号および監視電圧サンプリングする必要がある周波数に基づいて決定することができる。
【0121】
パルス光出力モード中のレーザダイオード2の負荷サイクル、すなわち、オンおよびオフ状態の持続時間、ならびにパルス周波数は、所望のタイミングでタイミング信号を生成するために、CPU130および/またはサンプリングコントローラ170によって使用される、再生装置100の格納手段140の中に前もって格納することができる。
【0122】
具体的には、サンプリングコントローラ170は、対応する時間特徴を伴うパルスレーザドライバイネーブル信号を生成するための、格納されたパラメータを指し得る。
【0123】
レーザ寿命延長モードの持続時間、および読み取りモードとレーザ寿命延長モードとの間の遷移は、CPU130によって同調され、再生装置100および/または再生されるコンテンツの特徴等の、複数の因子に依存する。
【0124】
上述のように、再生装置100は、好ましくは、データが光ディスク1から読み取られるレートとデータが再生されるレートとの差を補償するように、バッファを使用する。
【0125】
データがバッファから読み取られる(データの出力ストリーム)レートよりも高い入力データレートで、データがバッファに書き込まれる(データの入力ストリーム)場合に、光ディスク1に格納されている全コンテンツが読み取られる前に、バッファを経時的に満たして、最終的にはその全容量に到達する。
【0126】
光ディスク1からバッファへのデータの読み取り動作は、次いで、バッファのオーバーフローを回避するために、ある時間量にわたって中断または休止され、レーザダイオード2は、その寿命を向上させるために、レーザ寿命延長モードで駆動される。
【0127】
好適な実施形態では、レーザ寿命延長モードの持続時間、および読み取りモードとレーザ寿命延長モードとの間の遷移は、バッファのフィルレベルに基づいて、CPU130によって動的に制御される。
【0128】
図3は、再生装置100によって、より具体的にはCPU130によって行われる、方法またはプログラムの一連の論理ステップを示す。
【0129】
ステップS300で、再生装置100が、光ディスク1からのコンテンツの再生を開始すると、ルーチンは、再生装置100によって行われる複数の動作が、上記に説明される読み取りモードで制御される、ステップS302に進む。これらの動作は、光ディスク1からのコンテンツデータの読み取り、読み取りチャネルユニット240によって処理されたコンテンツデータのバッファへの格納、および再生されるデータのバッファからの読み取りを含む。加えて、上記に説明されるように、読み取りモードでの動作はまた、電力フィードバック制御、フォーカス制御、およびトラッキング制御のうちの少なくとも1つを含む。
【0130】
ルーチンは、バッファのフィルレベルが監視され、よって、バッファへのデータの入力ストリームが、検出されたバッファフィルレベルに基づいて制御され得る、ステップS304を含む。バッファフィルレベルは、バッファに格納されたデータの量を示し、連続的に、またはある時間間隔で監視することができる。
【0131】
次いで、ルーチンは、バッファに格納されたデータの量が空レベルに到達したかどうかが判断される、ステップS306を含む。「いいえ」という回答が得られた場合、ルーチンは、バッファフィルレベルが所定の上限閾値レベルに到達したかどうかが判断される、ステップS308に進む。「はい」という回答が得られた場合、ルーチンは、CPU130が読み取りモードの中断を支持する、ステップS310に進む。したがって、入力データストリームは、中断される。ルーチンは、次いで、レーザ寿命延長モードでの動作が起動される、ステップS312に進む。
【0132】
上記に説明されるように、レーザ寿命延長モードでの動作中に、バッファへのデータの入力ストリームが中断され、一方で、バッファに格納されたデータは、再生のために読み取りが継続される。したがって、コンテンツの再生動作は、中断されることなく、レーザ寿命延長モードの間ホールドされる。再生装置100がまた、光ディスク1にデータを記録するためにも実装されている場合は、レーザ寿命延長モード中に、いかなる光ディスク1へのデータの書き込み動作も行われない。
【0133】
レーザ寿命延長モードの動作はまた、先に説明したように、レーザドライバイネーブル信号および/またはDPD有効信号を、連続的な信号からパルス信号に変更するように、サンプリングコントローラ170に指示することを含む。
【0134】
レーザ寿命延長モードが起動されると、ルーチンは、バッファのフィルレベルを監視するステップS114を含み、その後には、バッファに格納されたデータの量が所定の下限閾値に到達したかどうかを判断する、ステップS116が続く。得られた回答が「いいえ」である場合、レーザ寿命延長モードの動作はホールドされ、ステップS114およびS116が繰り返される。
【0135】
下限閾値に到達したと判断された場合に、ルーチンは、レーザ寿命延長モードでの動作を出る、ステップS118に進む。
【0136】
ルーチンは、次いで、読み取りモードでの動作が再開される、ステップS320へ進む。続いて、ルーチンは、ステップS302に戻り、全てのコンテンツデータが光ディスク1から読み取られて再生されるまで、ステップS302〜S318を繰り返す。最終的には、ステップS306で、バッファのフィルレベルが空レベルに到達したと判断された場合に、ルーチンは、ステップS222に進み、コンテンツの再生が終了する。
【0137】
図4は、本発明の一実施形態による再生装置100の、レーザ寿命延長モード中および後続の読み取りモード中のバッファフィルレベルの変動を示す。
【0138】
図4を参照すると、バッファのフィルレベルは、最初は所定の上限閾値レベルにあり、示される実施例では、バッファの全容量(4Mb)と一致する。
【0139】
バッファオーバーフローを回避するために、バッファに格納されたデータの量が特定の上限閾値レベルに到達したと判断されると、光ディスク1からバッファに読み取られるデータの入力ストリームが中断され、レーザダイオード2の寿命を延ばすために、レーザ寿命延長モードが起動される。レーザ寿命延長モード中に、CPU130は、バッファからデータを読み出して再生を継続し、したがって、バッファのフィルレベルは、データがバッファから読み取られるのと同じレートで、時間とともに直線的に減少する。同時に、CPU130は、バッファのフィルレベルの監視を継続する。
【0140】
示される実施例ではフィルレベルが1.5Mbである、特定の下限閾値に到達した場合に、CPU130は、レーザ寿命延長モードの終了および通常の読み取りモードへの切り替えを指示し、それによって、光ディスク1からのデータの読み取り動作を再開する。上記に説明されるように、レーザ寿命延長モード中に、フォーカスおよびトラッキング制御を作動させたままであるので、トラッキングおよびフォーカス動作を行うためのいかなる待ち時間も不要である。したがって、寿命延長モードが終了すると、光ディスク1からのデータの読み取り動作を、ほぼ即時に再開することができる。したがって、バッファへの入力データストリームが再開され、バッファは、入力データレートと出力データレートとの差に実質的に対応するレートでリフィルされる。
【0141】
CPU130は、バッファフィルレベルの監視をホールドし、最終的に、上限閾値に到達したことを検出した場合に、バッファオーバーフローを回避するように、再びデータの入力ストリームを中断して、レーザダイオード2の寿命を伸ばすために、レーザ寿命遷移モードへの遷移を指示する。
【0142】
所与のコンテンツの再生中の読み取りおよびレーザ寿命延長モードの持続時間は、したがって、固定されるのではなく、バッファフィルレベルだけに基づいて動的に設定される。したがって、再生されるコンテンツがバッファのフィル容量を必要としない場合、ならびに/または入力および出力データレートが類似している場合、全コンテンツは、レーザ寿命延長モードへの遷移を必要とせずに再生され得る。レーザ寿命延長モードの持続時間中のレーザ光のパルス回数は、所望の負荷サイクルに対するパラメータを使用して、CPU130によって決定されて、格納手段140に格納される。
【0143】
代替として、レーザ寿命延長モードおよび/または読み取りモードの持続時間は、バッファ容量、入力データおよび出力データの最大レート等の、再生装置100の特徴に基づいて事前に設定されて、格納手段140に格納される、固定パラメータを使用して制御され得る。CPU130は、次いで、レーザ寿命延長モードの持続時間および/またはこれらの動作モード間の遷移を制御するための格納されたパラメータを参照する。
【0144】
当業者には明らかなように、上述の実施形態のそれぞれおよびそれらの組み合わせは、再生専用装置ではなく、再生/録音装置であってもよく、該装置は、光ヘッドによって読み取られるデータから得られる音声および/または映像信号を再生するための、再生手段を備える。また、本発明は、光ディスクに記録されたデータから音声および/または映像信号を得て、得られた音声および/または映像信号を外部再生手段に供給して再生する、光ドライブに適用できることも明らかである。
【符号の説明】
【0145】
1 光ディスク
100 再生装置
110 光ヘッド
120 光ディスク
2 レーザダイオード
3 光学関連の構成要素
130 CPU
135 データ/アドレスバス
140 RAM
145 フラッシュメモリ
150 インターフェースIF
160 レーザダイオードドライバ
170 サンプリングコントローラ
180 APC回路
190 前方ダイオードモニタ
200 APC S/H回路
210 光検出器集積回路(PDIC)
220 読み取りチャネルユニット
230 デジタル信号プロセッサ(DSP)
240 フォーカスサーボシステム
250 サーボマトリクス回路
260 サーボアナログ−デジタルコンバータ(サーボADC)
270 サーボS/H回路
280 差動位相検出器(DPD)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学記録キャリアに記録されたデータを再生するための再生装置であって、該装置は、
該光学記録キャリアに記録された該データを読み取るためのレーザ光源を備える、光ヘッドと、
該レーザ光源の光出力を変調するためのレーザドライバユニットであって、該レーザドライバユニットは、該光出力を駆動して、該データの読み取り動作が中断された場合に、読み取りモードからレーザ寿命延長モードに変更するように適合されている、レーザドライバユニットと
を備え、該レーザ寿命延長モードは、パルス光出力モードである、再生装置。
【請求項2】
前記レーザドライバユニットは、前記レーザ光源の前記光出力を駆動して、前記データの前記読み取り動作が再開された場合に、前記レーザ寿命延長モードから前記読み取りモードに変更するように適合されている、請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記レーザドライバユニットは、実質的に所定のタイミングで、高光出力レベルと低光出力レベルとの間で前記レーザ光源を切り替えさせるために、前記レーザ寿命延長モード中に、該所定のタイミングでレーザ駆動信号を出力するように適合されている、請求項1〜請求項2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記装置は、
前記レーザドライバユニットによって出力される前記レーザ駆動信号の前記タイミングを制御するためのレーザドライバ制御信号出力を生成するように適合されている、サンプリングコントローラをさらに備え、
該サンプリングコントローラは、前記レーザ寿命延長モード中に、前記所定のタイミングでパルスレーザドライバ制御信号出力を生成するように適合され、
該レーザドライバユニットは、該パルスドライバ制御信号に応じて、該所定のタイミングでレーザ駆動信号を出力するように適合されている、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の再生装置。
【請求項5】
前記サンプリングコントローラは、前記読み取りモード中に、連続的なレーザドライバ制御信号出力を生成することと、前記データの読み取り動作が中断された場合に、該連続的なレーザドライバ制御信号出力を前記パルスレーザドライバ制御信号出力に変更することとを行うように適合されている、請求項4に記載の再生装置。
【請求項6】
前記装置は、
前記レーザ光源の光出力を示すレーザ監視信号を受信して、該レーザ監視信号をサンプリングおよびホールドし、次いで、該レーザ監視信号を出力するように適合される、フィードバックサンプリングおよびホールド回路と、
入力レーザ監視信号および基準値に基づいて、前記レーザ駆動信号を調整することと、該入力レーザ監視信号を該基準値に収束させることとを行うように、前記レーザドライバユニットを制御するためのフィードバック信号を生成および出力するように適合されている、フィードバック制御回路と
をさらに備え、該フィードバック制御回路は、該フィードバックサンプリングおよびホールド回路から該レーザ監視信号を受信するように適合され、
前記サンプリングコントローラは、該フィードバックサンプリングおよびホールド回路を制御して、該レーザ光源が高光出力レベルである場合に、該受信されたレーザ監視信号をサンプリングすることと、少なくとも後続の低光出力レベルの持続時間中に、該サンプリングされたレーザ監視信号をホールドすることと、前記レーザ寿命延長モード中に、第1の所定のタイミングでフィードバックサンプリングおよびホールド信号を生成および出力することとを行うように適合されている、請求項4〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の再生装置。
【請求項7】
前記装置は、
前記レーザ寿命延長モード中に、前記光学記録キャリアから反射されるレーザビームを示す信号に基づいて、該光学記録キャリアに入射するレーザビームのフォーカス制御を行うように適合されている、フォーカスサーボシステムと、
該光学記録キャリアから反射される該レーザビームを示す信号を受信して、該受信された信号をサンプリングおよびホールドし、次いで、該信号を該フォーカスサーボシステムに出力するように適合される、フォーカスサーボサンプリングおよびホールド回路と
をさらに備え、前記サンプリングコントローラは、該フォーカスサーボサンプリングおよびホールド回路を制御して、前記レーザ光源が高光出力レベルである場合に、該受信された信号をサンプリングすることと、少なくとも後続の低光出力レベルの持続時間中に、該信号をホールドすることと、該レーザ寿命延長モード中に、第2の所定のタイミングでフォーカスサンプリングおよびホールド信号を生成および出力することとを行うように適合されている、請求項4〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の再生装置。
【請求項8】
前記装置は、
前記光学記録キャリアから反射されるレーザビームを示す信号に基づいて、該光学記録キャリアの記録トラックに入射するレーザビームのトラッキング制御を行うように適合されているトラッキングサーボシステムをさらに備え、
該トラッキングサーボシステムは、前記レーザ寿命延長モード中に、作動状態を維持され、
前記サンプリングコントローラは、該トラッキングサーボシステムを制御して、前記レーザ光源が高光出力レベルである場合に得られる該光学記録キャリアから反射された該レーザビームを示す信号に基づいて、該トラッキング制御を行うように、該レーザ寿命延長モード中に、第3の所定のタイミングでトラッキングサーボ制御信号を生成および出力するように適合されている、請求項4〜請求項7のうちのいずれか1項に記載の再生装置。
【請求項9】
前記レーザ寿命延長モード中に、前記サンプリングコントローラは、前記フィードバックサンプリングおよびホールド信号、フォーカスサンプリングおよびホールド信号、およびトラッキングサーボ制御信号のうちの少なくとも1つを、前記パルスレーザドライバ制御信号と同期させるように適合されている、請求項6〜請求項8のうちのいずれか1項に記載の再生装置。
【請求項10】
前記装置は、
前記光ヘッドによって読み取られ、かつ再生される、前記光学記録キャリアに記録されたデータを格納するように適合されているバッファと、
該バッファのフィルレベルを監視することと、該バッファのフィルレベルに基づいて、前記レーザ寿命延長モードと前記読み取りモードとの間の遷移を制御することとを行うように適合されている、システムコントローラと
をさらに備える、請求項1〜請求項9のうちのいずれか1項に記載の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−519108(P2011−519108A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505395(P2011−505395)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002486
【国際公開番号】WO2009/129921
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】