説明

光ナノインプリントのパターン形成方法

【課題】優れた形状のパターンを得ることができるパターン形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(1)樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む組成物を基板上に塗布する工程、(2)基板上に塗布した層から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、(3)組成物層を水に浸漬しながら、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる工程、(4)モールドのパターンが転写された組成物層を乾燥する工程、(5)得られた組成物層をモールドから離脱させる工程、及び(6)組成物層をモールドから離脱させる工程の前又は後に、得られた組成物層に露光機を用いて露光する工程を含むパターン形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細パターンを形成するために有用な光ナノインプリントのパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
微細パターンを有する成形体は、光学素子(マイクロレンズアレイ、光導波路、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶など)、反射防止フィルタ、バイオチップ、マイクロリアクターチップ、記録メディア、ディスプレイ材料、触媒担持体等として有用である。近年、デバイスの小型化などの要求と共に、そのパターンも更なる微細化が求められている。
その微細構造を表面に有する樹脂成形体の製造方法として、微細パターンを有するモールドのパターンを転写層としての樹脂に転写して微細パターンが形成された樹脂成形体を製造するナノインプリント法が注目されている。ナノインプリント法には、光ナノインプリント法(特許文献1)が提案されている。
光ナノインプリント法とは、光硬化性樹脂を含む層に、パターンを有する石英製のモールドを押し付けたまま、光硬化性樹脂層に光を照射して光硬化性樹脂層を硬化させ、光硬化性樹脂の硬化層からモールドを離脱させることにより、パターンを有する光硬化性樹脂の硬化層を形成する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−504718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のパターンの製造方法では、得られるパターンの形状に必ずしも満足できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
[1](1)樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む組成物を基板上に塗布する工程、(2)基板上に塗布した層から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、(3)組成物層を水に浸漬しながら、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる工程、(4)モールドのパターンが転写された組成物層を乾燥する工程、(5)乾燥した組成物層に露光機を用いて露光する工程、及び、(6)露光した組成物層をモールドから離脱させる工程をこの順に含むパターン形成方法。
[2](1)樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む組成物を基板上に塗布する工程、(2)基板上に塗布した層から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、(3)組成物層を水に浸漬しながら、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる工程、(4)モールドのパターンが転写された組成物層を乾燥させる工程、(5)乾燥した組成物層をモールドから離脱させる工程、及び、(6)組成物層に露光機を用いて露光する工程をこの順に含むパターン形成方法。
【0006】
[3]水の温度が、20℃〜90℃である[1]又は[2]記載のパターン形成方法。
[4]樹脂が、水酸基を有する樹脂である[1]〜[3]のいずれか記載のパターン形成方法。
[5]樹脂が、式(I)で表される構造単位を有する樹脂である[1]〜[4]のいずれか記載のパターンの製造方法。

[式(I)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1-6アルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す。
mは0〜4の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。]
【0007】
[6]樹脂が、さらに式(II)で表される構造単位を有する樹脂である[1]〜[5]いずれかに記載のパターンの製造方法。

[式(II)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す。
nは0〜4の整数を表す。nが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はC1-12炭化水素基を表す。
は、単結合又は置換基を有していてもよいC1-17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−で置き換わっていてもよい。
は、C1-12脂肪族炭化水素基、C3-18飽和環状炭化水素基又はC6-18芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、C1-6アルコキシ基又はフェニルオキシ基で置換されていてもよい。]
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れた形状のパターンを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のパターン形成方法においては、まず、樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)、重合性化合物(以下「重合性化合物(B)」という場合がある)、光重合開始剤(以下「光重合開始剤(C)」という場合がある)及び溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含む組成物を準備する。
【0010】
<樹脂(A)>
本発明で使用する樹脂(A)は、水酸基を有するものが適している。
水酸基を有する樹脂としては、フェノール性水酸基を有するモノマー又はヒドロキシアダマンチル基を有するモノマーに由来する構造単位を有する樹脂が好ましい。中でも、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構造単位がより好ましい。
【0011】
フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構造単位としては、例えば、式(I)で表されるp−又はm−ヒドロキシスチレンに由来する構造単位が挙げられる。
【0012】

[式(I)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1-6アルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す。
mは0〜4の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。]
【0013】
本明細書においては、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロイソプロピル、ペルフルオロブチル、ペルフルオロsec−ブチル、ペルフルオロtert−ブチル、ペルフルオロペンチル、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロピポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ジヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、トリヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ジヒドロキシブチル、トリヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル基等が挙げられる。
【0014】
本明細書では、特に断りのない限り、同様の置換基を有するいずれの化学構造式においても、炭素数を適宜選択しながら、後述する具体的な各置換基を適用することができる。直鎖状、分岐状又は環状いずれかをとることができるものは、特記ない限り、そのいずれをも含み、また、同一の基において、直鎖状、分岐状又は環状の部分構造が混在していてもよい。さらに、各置換基は、結合部位によって一価又は二価の置換基となり得る。
【0015】
式(I)の構造単位では、アルキル基としては、C1−4アルキル基が好ましく、メチル又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
アルコキシ基としては、C1−4アルコキシ基が好ましく、メトキシ又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0016】
このようなフェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体は、例えば、アセトキシスチレンをラジカル重合した後、酸によって脱アセチルすることによって得ることができる。
フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、以下のビニルフェノール系モノマーが挙げられる。
【0017】

【0018】

【0019】

【0020】

【0021】

【0022】
以上のモノマーのうち、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。
【0023】
本発明に使用される樹脂は、全樹脂の構成単位に対して、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構造単位(I)を有する樹脂が10モル%以上、好ましくは15〜95モル%、さらに好ましくは20〜90モル%含まれる、フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構造単位を主体とした樹脂が好ましい。
フェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構成単位(I)が50質量%以上であると、例えば、基板と組成物との密着性を向上させることができることから好ましい。
【0024】
ヒドロキシアダマンチル基を有するモノマーに由来する構造単位としては、例えば、式(III)で表される構造単位が挙げられる。
【0025】

[式(III)中、
は、水素原子又はメチル基を表す。
及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
Lは、−O−又は−O−(CH2−CO−O−を表し、kは1〜7の整数を表す。 tは、0〜10の整数を表す。
【0026】
式(III)においては、Lは、好ましくは、−O−、−O−(CH2−CO−O−であり(fは、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
は、好ましくはメチル基である。
は、好ましくは水素原子である。
10は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
tは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0027】
ヒドロキシアダマンチル基を有するモノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0028】

【0029】

【0030】

【0031】

これらの中でも、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルが好ましい。特に、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートがより好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートがさらに好ましい。
【0032】
さらに、樹脂(A)は、ビニルフェノールの水酸基をアセタールで保護したモノマーに由来する構造単位を含有してもよい。
ビニルフェノールの水酸基をアセタールで保護したモノマーに由来する構造単位としては、式(II)で表される構造単位が挙げられる。

[式(II)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1−6のアルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す。
nは0〜4の整数を表す。nが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はC1-12炭化水素基を表す。
は、単結合又は置換基を有していてもよいC1-17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−で置き換わっていてもよい。
は、C1-12脂肪族炭化水素基、C3-18飽和環状炭化水素基又はC6-18芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、C1-6アルコキシ基又はフェニルオキシ基で置換されていてもよい。]
【0033】
炭化水素基としては、直鎖又は分岐、環状炭化水素及びこれらの組み合わせが含まれる。例えば、上述したアルキル基;後述する脂環式炭化水素;2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基等が挙げられる。
飽和炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基を含む2価の基が挙げられる。
アルキレン基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、sec−ブチレン基及びtert−ブチレン基などが挙げられる。
シクロアルキレン基を含む2価の基としては、以下の飽和環状炭化水素基として例示した基の2価の基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、上述したアルキル基と同様のものが挙げられる。
飽和環状炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、イソボルニル基等の脂環式炭化水素基及び下記に示す基等が挙げられる。

【0034】
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基等が挙げられる。
【0035】
式(II)の構造単位では、アルキル基としては、C1−4アルキル基が好ましく、メチル又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
アルコキシ基としては、C1−4アルコキシ基が好ましく、メトキシ又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0036】
ビニルフェノールの水酸基をアセタールで保護したモノマーとしては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
また、Aにおける置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基等が挙げられる。
【0037】

【0038】

【0039】

【0040】

【0041】

【0042】
本発明に使用される樹脂では、全樹脂の構成単位に対して、上述したフェノール性水酸基を有するモノマーに由来する構造単位(I)と、上述したビニルフェノールの水酸基をアセタールで保護したモノマーに由来する構造単位(II)とを有する樹脂が、50質量%以上、好ましくは55〜95質量%、さらに好ましくは60〜90質量%含まれる樹脂であってもよい。
フェノール性水酸基を有するモノマー及びこのようなモノマーの水酸基が保護されたモノマーに由来する構成単位(I)及び(II)が、50質量%以上であると、上記と同様に、密着性を高くすることができるからである。
【0043】
<重合性化合物(B)>
本発明の組成物においては、反応性希釈剤として組成物の粘度を低減させるのに有効である等のために、重合性化合物(B)が用いてもよい。重合性化合物(B)としては、ナノインプリント分野で使用される重合性化合物を適宜使用できる。例えば、特開2008−19292号、特開2009−202510号、特開2009−203287号等に記載の化合物が挙げられる。
【0044】
重合性化合物(B)としては、好ましくは光ラジカル重合性不飽和単量体又は光カチオン重合性不飽和単量体であり、より好ましくは光ラジカル重合性不飽和単量体である。
光ラジカル重合性不飽和単量体としては、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられる。
重合性化合物(B)は、組成物の固形分中に、10〜90質量%の範囲で含有されることが好ましく、20〜80質量%の範囲で含有されることがより好ましい。
【0045】
<光重合開始剤(C)>
本発明の組成物においては、適切な活性種を発生させるために、光重合開始剤(C)を用いることが適している。光重合開始剤(B)としては、ナノインプリント分野で使用される光重合開始剤(特に光酸発生剤)だけでなく、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤又は光変色剤等の放射線(光)によって酸を発生する公知化合物及びそれらの混合物も、適宜使用できる。例えば、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号、特開2008−19292号や、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号及び欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物が挙げられる。
【0046】
本発明で用いる光重合開始剤は、使用する光源の波長に対して活性を有するものが配合され、反応形式の違い(例えば、ラジカル重合、カチオン重合等)に応じて適切な活性種を発生させるものが好ましい。光重合開始剤は、1種類のみでも、2種類以上用いてもよい。
【0047】
本発明で使用される光重合開始剤としては、例えば、Ciba社から入手可能なIrgacure184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、Irgacure651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、Irgacure369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1)、Irgacure907(2−メチル−1[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、Irgacure819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、IrgacureOXE01(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、BASF社から入手可能なLucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)、Lucirin TPO−L(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド)等が挙げられる。
【0048】
つまり、通常、組成物に照射する光としては、後述するように、紫外光、近紫外光、遠紫外光、可視光、赤外光等の領域の波長の光、電磁波、放射線(例えば、マイクロ波、電子線、EUV、X線)、248nmエキシマレーザー、193nmエキシマレーザー、172nmエキシマレーザーなどのレーザー光等が利用されることから、これらの光に対して重合開始能を有する光重合開始剤を用いることが好ましい。
【0049】
本発明の組成物は、光重合開始剤を、組成物の固形分中、0.1〜15質量%で含有することが適しており、好ましくは0.2〜12質量%であり、さらに好ましくは、0.3〜10質量%で含有する。
また、本発明の光ナノインプリント用組成物には、光重合開始剤の他に、当該分野で公知の光増感剤を加えて、UV領域の波長を調整してもよい。
【0050】
<溶剤(E)>
本発明の組成物においては、組成物層を均一に塗布するパターン形成するために必要とする。溶剤(E)は、組成物の粘度により異なるが、一般的には、組成物中10質量%以上(好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上)、99質量%以下(好ましくは98質量%以下)で含有されていることが適している。
溶剤(E)の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
【0051】
溶剤(E)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;などが挙げられる。溶剤(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】
本発明の組成物では、必要に応じて、その他の成分を含有していてもよい。このような成分は、特に限定されることはなく、ナノインプリント分野で公知の添加剤、例えば、離型剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、着色剤、無機粒子、エラストマー粒子、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤等、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料などが挙げられる。
【0053】
<パターン形成方法>
本発明のパターン形成方法は、
(1)水酸基を含む樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む組成物を基板上に塗布する工程、
(2)基板上に塗布した層から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を20℃〜90℃の水に浸漬しながら、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる工程、
(4)モールドのパターンが転写された組成物層を乾燥させる工程、
(5)乾燥した組成物層に露光機を用いて露光する工程、及び、
(6)露光した組成物層をモールドから離脱させる工程をこの順に含む。
もしくは、
(1)水酸基を含む樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む組成物を基板上に塗布する工程、
(2)基板上に塗布した層から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を20℃〜90℃の水に浸漬しながら、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる工程、
(4)モールドのパターンが転写された組成物層を乾燥させる工程、
(5)乾燥した組成物層をモールドから離脱させる工程、及び、
(6)組成物層に露光機を用いて露光する工程をこの順に含む。
【0054】
組成物を塗布する基板としては、特に限定されるものではなく、例えば、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、紙、SOG、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板又は透明プラスチック基板、TFTアレイ基板、PDPの電極板、ガラス基板、ITO又は金属などの導電性基材、絶縁性基材、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基板等が挙げられる。基板の形状は、特に限定されず、板状、ロール状等が挙げられる。
【0055】
組成物の基体上への塗布は、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法など、通常、用いられる装置によって行うことができる。
組成物の基体上への塗布は、単回(単層)でもよいし、多重塗布してもよい。
組成物層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.05μm〜30μmが例示される。
【0056】
溶剤の除去は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させるか、あるいは減圧装置を用いて行うことができ、これにより、溶剤が除去された組成物層を形成することができる。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
【0057】
得られた組成物層は、水に浸漬する。この場合、例えば、20℃〜90℃の水に浸漬することが適しており、浸漬とともに、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる。
この際に用いるモールドは、転写されるべきパターンを有するモールドが使われる。
モールドは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じて予めパターンが形成されている。モールドは、組成物層とモールドとの剥離性を向上するために離型処理を行ったものを用いてもよい。
モールドの圧着は、10気圧以下で行うのが好ましい。また、その圧着時間は、例えば、数秒から数十分間程度が適している。
【0058】
モールドのパターンの転写後、パターンが転写された組成物層を乾燥する。乾燥は、例えば、50〜200℃程度の温度、1〜1.0×10Pa程度の圧力で行うことが適している。
その後、乾燥した組成物層をモールドから離脱させることによりパターンを形成することができる。
なお、乾燥は、組成物層をモールドから離脱させた後に行ってもよい。
【0059】
得られた組成物層に、露光機を用いて露光する。この際、高エネルギー電離放射線、紫外、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線等の種々の光を利用することができる。
高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線等が工業的に最も便利であり、且つ経済的である。
紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。
放射線としては、放射性同位元素、原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等、さらに、マイクロ波、EUVが含まれる。
また、LED、半導体レーザー光又は248nmのKrFエキシマレーザー光、193nmArFエキシマレーザー、172nmエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。
これらの光は、光学フィルタを通したモノクロ光(単一波長光)であってもよいし、複数の波長の異なる光(複合光)でもあってもよい。
露光量は、例えば、5〜1000mJ/cm程度が挙げられる。
露光は、単回露光であってもよいし、多重露光であってもよい。所望のフィルタ又はマスク等を介する露光であってもよいし、組成物層の強度又はエッチング耐性等を高めるなどの目的で、フィルタ又はマスク等を介さないで、組成物層に全面露光してもよい。
【0060】
組成物層の露光は、組成物層を乾燥する前、乾燥した後、モールドからの脱離の前、モールドからの脱離の後のいずれにおいて行ってもよいし、これら複数の段階で複数回行ってもよい。
【実施例】
【0061】
以下、本発明のパターン形成方法を実施例によって詳細に説明する。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
なお、重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
【0062】
実施例及び比較例
表1に示す各成分を溶剤50部に混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過して、組成物を調製した。各組成物について、以下に示す評価を行った。
【0063】
【表1】

【0064】
[溶剤]
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 35部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 14部
γ−ブチロラクトン 1部
【0065】
[樹脂A1:ポリビニルフェノール系重合体]
A1:Mw=20000 Mw/Mn=1.20

【0066】
[樹脂A2:ポリビニルフェノール系重合体]
A2:Mw=12000 Mw/Mn=1.65

【0067】
[樹脂A3:ポリビニルフェノール系重合体]
A3:Mw=12000 Mw/Mn=1.78

【0068】
[樹脂A4:ポリビニルフェノール系重合体]
A4:Mw=12000 Mw/Mn=1.68

【0069】
[樹脂A5:ポリビニルフェノール系重合体]
A5:Mw=15000 Mw/Mn=1.18

【0070】
[樹脂A6:ヒドロキシアダマンチル系重合体]
A6:Mw=8000 Mw/Mn=1.54

【0071】
[重合性化合物]
B1:トリプロピレングリコールジアクリレート
B2:トリメチロールプロパントリアクリレート
[光重合開始剤]
C1:LUCIRIN TPO−L

【0072】
(圧子パターンの形状評価1)
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、上記の組成物を乾燥後の膜厚が表1の膜厚欄に示す膜厚となるようにスピンコートした。
組成物塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表1のベーク欄に示す温度で90秒間プリベークし、組成物層を形成した。
得られたガラス基板の表面を水で浸漬した状態で、ダイナミック超微小硬度計(DUH−W201;(株)島津製作所製)に設置し、水の温度を70℃に保った状態で、三角錐圧子を5mNの力で5秒間、組成物層に圧着し、パターンを転写させた。
その後、水を除去して、ガラス基板を乾燥した。
続いて、圧子を組成物層から離脱した。
このようにパターンを形成したガラス基板上に、150mJ/cmの露光量(365nm)で露光した。
組成物層における圧子の圧着離脱部分の形状を観察した。
ガラス基板部分まで圧子形状が反映されているものを○、ガラス基板に残渣が見られるもの又は圧子形状が反映されていないものを×とした。
その結果を表2に示す。
【0073】
(鉛筆硬度1及び2)
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、上記の組成物を乾燥後の膜厚が表1の膜厚欄に示す膜厚となるようにスピンコートした。
組成物塗布後は、ダイレクトホットプレート上にて、表1のベーク欄に示す温度で90秒間プリベークし、組成物層を形成した。
水を、表1の水浸漬温度欄に示す温度に保った状態で、得られたガラス基板上の組成物層の鉛筆硬度1を測定した。
その後、水を除去し、乾燥した後、鉛筆硬度2を測定した。
さらに、150mJ/cmの露光量(365nm)で露光した後の組成物層の鉛筆硬度3を測定した。
これらの結果を表2に示す。
【0074】
【表2】

【0075】
(圧子パターンの形状評価1’)
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、上記の組成物を乾燥後の膜厚が表1の膜厚欄に示す膜厚となるようにスピンコートした。
組成物塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表1のベーク欄に示す温度で90秒間プリベークし、組成物層を形成した。
得られたガラス基板の表面を水で浸漬した状態で、ダイナミック超微小硬度計(DUH−W201;(株)島津製作所製)に設置し、水の温度を70℃に保った状態で、三角錐圧子を5mNの力で5秒間、組成物層に圧着し、パターンを転写させた。
圧着したまま、水を除去して、ガラス基板を乾燥した。
このようにパターンを形成したガラス基板上に、150mJ/cmの露光量(365nm)で露光した。
その後、圧子を組成物層から離脱した。
組成物層における圧子の圧着離脱部分の形状を観察すると、上述した表2における各実施例と同様に、良好に、圧子形状が反映されていることが観察される。
【0076】
(モールドパターンの形状評価2)
まず、この評価に用いるモールドを形成した。
エチルエーテル化されたポリ(p−ビニルフェノール)樹脂の合成
ポリ(p−ビニルフェノール)〔リンカーM(丸善石油化学製);重量平均分子量4900〕400gをアセトン2リットル中に溶解した。その後、炭酸カリウム250g及び沃化エチル84gを加えて、10時間加熱還流した。反応混合物を濾過し、得られた濾液を水10リットル中に注いだ。得られた沈澱物に酢酸エチル2リットルを加えて溶解し、得られた溶液を、5%蓚酸水1リットルを用いて洗浄した。洗液が中性を示すまで有機層を水で洗浄し、溶媒を減圧下に留去した。濃縮残りを1リットルのアセトンに溶解し、水10リットル中に注いだ。沈澱物を濾過、乾燥して部分的にエチルエーテル化されたポリ(p−ビニルフェノール)を得た。
1H−NMRにより求めたエチルエーテル化率は、16モル%であった。
エチルエーテル化されたポリ(p−ビニルフェノール)樹脂の合成により得られた部分的にエチルエーテル化されたポリ(p−ビニルフェノール)13.5部、ヘキサメチロールメラミンヘキサメチルエーテル1.0部及びN−ヒドロキシスクシンイミドプロピルスルホン酸エステル3.0部をジエチレングリコールジメチルエーテル48部に溶解した。この溶液を、孔径0.1μmのテフロン(登録商標)製フィルタで濾過して、樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物を、常法により洗浄したガラスウエハにスピンコーターを用いて2.0μm厚に塗布した。
次いで、ガラスウエハをホットプレート上にて100℃で1分プリベークした。
プリベーク後、塗膜に加速電圧50KeVで走査電子線をパターン照射した。
照射後、ガラスウエハをホットプレート上にて90℃で1分加熱し、潜像を形成した。
これをテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの2.38重量%水溶液で1分間現像し、0.50μm及び1.00μmのラインパターンをガラスウエハ上に形成した。0.50μm又は1.00μmのラインパターンを得た部分をそれぞれカットし、後に使用するモールドとした。
【0077】
2インチ角のガラス基板(#1737;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、上記組成物を乾燥後の膜厚が表1の膜厚欄に示す膜厚となるようにスピンコートした。
組成物塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表1のベーク欄に示す温度で90秒間プリベークし、組成物層を形成した。
得られたガラス基板に、70℃の水に浸漬した状態で、先に作成したモールドを圧着し、モールドパターンを転写させた。
次いで、モールドを圧着したまま、水を除去して、乾燥した。
その後、組成物層に150mJ/cmの露光量(365nm)で露光した。
続いて、モールドを組成物層から離脱することにより、0.50μm又は1.00μmの抜きパターンを形成した。
0.50μm又は1.00μmの抜きパターンを走査型電子顕微鏡で観察した。
モールドの形状が良好に反映されたパターンが形成できたものを○、モールド形状が反映できていないもの、パターンにひびが入っているものを×として判断した。
その結果を表3に示す。
【0078】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によれば、光学素子(マイクロレンズアレイ、光導波路、光スイッチング、フレネルゾーンプレート、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶など)、反射防止フィルタ、バイオチップ、マイクロリアクターチップ、記録メディア、ディスプレイ材料、触媒担持体等、優れた形状の微細パターンを意図する成形体に対して、広く適用することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む組成物を基板上に塗布する工程、
(2)基板上に塗布した層から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を水に浸漬しながら、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる工程、
(4)モールドのパターンが転写された組成物層を乾燥する工程、
(5)乾燥した組成物層に露光機を用いて露光する工程、及び、
(6)露光した組成物層をモールドから離脱させる工程をこの順に含むパターン形成方法。
【請求項2】
(1)樹脂、重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含む組成物を基板上に塗布する工程、
(2)基板上に塗布した層から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層を水に浸漬しながら、組成物層にモールドのパターン面を圧着して、モールドのパターンを転写させる工程、
(4)モールドのパターンが転写された組成物層を乾燥させる工程、
(5)乾燥した組成物層をモールドから離脱させる工程、及び、
(6)組成物層に露光機を用いて露光する工程をこの順に含むパターン形成方法。
【請求項3】
水の温度が、20℃〜90℃である請求項1又は2記載のパターン形成方法。
【請求項4】
樹脂が、水酸基を有する樹脂である請求項1〜3のいずれか記載のパターン形成方法。
【請求項5】
樹脂が、式(I)で表される構造単位を有する樹脂である請求項1〜4のいずれか記載のパターンの製造方法。

[式(I)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1-6アルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す。
mは0〜4の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。]
【請求項6】
樹脂が、さらに式(II)で表される構造単位を有する樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のパターンの製造方法。

[式(II)中、
は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよいC1-6アルキル基を表す。
は、ハロゲン原子、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す。
nは0〜4の整数を表す。nが2以上の整数である場合、複数のRは同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はC1-12炭化水素基を表す。
は、単結合又は置換基を有していてもよいC1-17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−O−で置き換わっていてもよい。
は、C1-12脂肪族炭化水素基、C3-18飽和環状炭化水素基又はC6-18芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、C1-6アルコキシ基又はフェニルオキシ基で置換されていてもよい。]

【公開番号】特開2011−124259(P2011−124259A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278350(P2009−278350)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】