説明

光ファイバへのアクセスのために分離可能な光ファイバケーブル

光ファイバケーブルが、少なくとも1本の抗張力部材を備えたメッセンジャ区分と、少なくとも1本の光ケーブルを収納したキャリヤ区分と、共通ジャケットを形成した共通ジャケットとを有する。一実施形態では、キャリヤジャケットは、少なくとも1本の光ケーブルに隣接して位置する優先的引裂き部分を有し、キャリヤジャケットの実質的に連続した外面は、優先的引裂き部分に隣接して位置している。優先的引裂き部分は、少なくとも1つの空所、少なくとも1本の溶接線、及び1本又は2本以上の光ファイバの周りに設けられたテープから延びる少なくとも1つのウイングの少なくとも1つで構成されるのが良い。種々の変形例の実現が利用可能である。例えば、キャリヤジャケットは、キャリヤ区分とメッセンジャ区分を互いに引き離したときにキャリヤ区分の把持具合を促進するために延びる少なくとも1つの把持領域を追加的に又は代替的に有しても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、光ファイバケーブルに関する。詳細には、本発明は、光ファイバケーブル内に収納されている光ファイバにアクセスするために技能工により容易に分離できる光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバケーブルは、設計上、布設及び使用中、種々の機能を実行する特徴部を備えている。例えば、光ファイバケーブルは、信号を伝送する1本又は2本以上の光ファイバ、光ファイバの周りに設けられ、布設又は使用中、損傷を防ぐ保護層及びジャケット、布設又は使用中、ケーブルを強化する抗張力部材、及びジャケット(外被)内に設けられ、所望時にケーブルの種々の部分を分離し又は光ファイバにアクセスするのを助ける分離部材又は対応の構造を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
日本国特許出願公開第2002−090596号公報で注目されるように、或る特定の一般に入手できるドロップケーブルの設計例は、優先的引裂き用切欠き等を有している。切欠きは、技能工が必要な場合に光ファイバにアクセスすることができるように光ファイバに隣接して設けられている。残念なことに、かかる切欠きにより、ケーブル内、最終的には光ファイバ内への虫の侵入という意図せぬ結果が起こってケーブルが損傷する場合がある。例えば、虫、例えばセミが、切欠き内に卵を産むことにより光ファイバケーブルに悪影響を及ぼす場合がある。長い架空ドロップケーブルに関するかかる損傷を突き止めてこれを補修することは、通信に支障をきたすと共に費用のかかる仕事となる場合がある。このため、かかるケーブル設計の切欠きは、布設又は供用中に容易且つ信頼性のあるアクセスをもたらすのに適当ではあるが、布設後における望ましくない虫のアクセスを阻止しないという点において問題となる場合がある。したがって、ケーブル内の1本又は複数本の光ファイバへの技能工の適切なアクセスを可能にするだけでなく、光ファイバケーブルに対する虫による損傷の機会を減少させる優先的引裂き特徴部を有する光ファイバケーブル設計を提供することが望ましい。また、特にドロップケーブルのキャリヤ部分の分離及び(又は)単位長さ当たりのケーブルの重量を減少させるための改良した光ファイバアクセス特徴部を備えた設計のドロップケーブルを提供することが望ましい。
【0004】
本発明の目的は、光ファイバケーブルが技能工をケーブル内の1本又は複数本の光ファイバにアクセスさせることができる一方で虫の産卵による悪影響の発生の恐れを減少させる優先的引裂き特徴部の1つ又は2つ以上を有するのが良い1種類又は2種類以上の設計の光ファイバケーブル及び関連の製造方法を提供することにある。本発明のケーブル設計例は、他の利点、例えばケーブルの単位長さ当たりの重量が小さいこと及び(又は)以下に説明するように或いは説明する実施形態の以下の開示又は実施から学ぶことができるような他の利点を有することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の或る幾つかの実施形態によれば、少なくとも1本の抗張力部材を備えたメッセンジャ区分と、少なくとも1本の光ファイバを収納したキャリヤ区分と、共通ジャケットを有する光ファイバケーブルが開示される。共通ジャケットは、ウェブにより互いに連結されたメッセンジャジャケットとキャリヤジャケットを形成する。キャリヤジャケットには、少なくとも1本の光ファイバに隣接して優先的引裂き部分が設けられている。具体的に言えば、キャリヤジャケットは、優先的引裂き部分に周方向に設けられた実質的に連続した外面を有する。優先的引裂き部分は、少なくとも1つの内部空所、少なくとも1本の溶接線、1本又は2本以上の光ファイバの周りに設けられたテープから延びる少なくとも1つのウイング、及び少なくとも1つのスリットの少なくとも1つによって構成される。
【0006】
上述した種々の優先的引裂き部分の各々に関して種々のオプション及び改造例が可能である。また、所望ならば、キャリヤジャケットは、メッセンジャ区分から遠ざかる方向にキャリヤ区分の中心から外方に延び、それにより、キャリヤ区分とメッセンジャ区分を互いに引き離すときにキャリヤ区分の把持具合を促進する少なくとも1つの把持領域を更に有するのが良い。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、少なくとも1本の抗張力部材を備えたメッセンジャ区分と、少なくとも1本の光ファイバを収納したキャリヤ区分と、共通ジャケットを有する分離可能な光ファイバケーブルが開示される。共通ジャケットは、ウェブにより互いに連結されたメッセンジャジャケットとキャリヤジャケットを形成する。キャリヤジャケットは、メッセンジャ区分から遠ざかる方向にキャリヤ区分の中心から外方に延び、それにより、キャリヤ区分とメッセンジャ区分を互いに引き離すときにキャリヤ区分の把持具合を促進する少なくとも1つの把持領域を有する外面を備える。また、本発明の光ファイバケーブルに関して種々のオプション及び改造例が可能である。例えば、把持領域は、所望ならばキャリヤジャケットの外面の延長リップ又は傾斜部分の一方を含むのが良い。また、本発明の技術的思想は、メッセンジャ区分が設けられていない光ファイバケーブル、例えばフラットドロップケーブルに利用できる。
【0008】
上述の概略的説明と以下の詳細な説明の両方は、本発明の実施形態を提供し、本発明がクレームされた本発明の性質及び特性を理解する概観又は概念的な枠組みを提供するようになっていることがわかる。添付の図面は、本発明を更に理解するために含まれており、本願の一部に組み込まれてその一部を構成する。図面は、本発明の種々の実施形態を示しており、本明細書とともに、本発明の原理及び作用を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明を具体化した実施例が示されている図面を詳細に参照する。詳細な説明は、図面に記載された特徴を参照するために数字及び文字の表示を用いている。図面及び本明細書における同一又は類似の表示は、本発明の同一又は類似の部分を示すために用いられている。図面及び詳細な説明は、当業者が本発明を構成すると共に利用できるようにするために本発明の内容、その製造方法及び使用方法の完全且つ書面による説明並びに本発明の最適実施態様を提供している。しかしながら、図面及び詳細な説明に記載された実施例は、本発明の例示として提供されており、本発明を限定するものではない。したがって、本発明は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲に属する以下の実施例の改造例及び変形例を含む。本発明の種々の特徴による光ファイバケーブルの実施例は、以下に説明されるように図に開示されている。以下に開示される実施形態の種々の特徴を組み合わせ又は改造すると、本発明の別の実施形態を構成することができる。
【0010】
図1は、本発明の或る特定の特徴による光ファイバケーブルの設計を全体的に示している。図示のように、ケーブル10は、メッセンジャ区分12、キャリヤ区分14及びメッセンジャ区分12とキャリヤ区分14の両方の一部を形成する共通のジャケット(外被)16を有する。したがって、共通ジャケット16は、ウェブ22により互いに連結されたメッセンジャジャケット18とキャリヤジャケット20を含むと言って良い。
【0011】
メッセンジャ区分12内には、少なくとも1本の抗張力部材、例えば図示の中実金属製ワイヤ24が収納されている。中実金属製抗張力部材が図示されているが、他の適当な抗張力部材、例えば撚り線(ストランデッドワイヤ)抗張力部材又は誘電体抗張力部材の使用が可能である。また、キャリヤ区分19内には少なくとも1本の光ファイバ、例えば、図1に示す8本の光ファイバ26が収納されている。抗張力部材及び(又は)光ファイバの本数及び配置状態並びにウェブ22の形状は、特定の用途に合わせて所望のケーブルを得るために任意適当な仕方で様々であってよく、これらは全て、本発明の範囲に含まれることがわかる。例えば、光ファイバは、裸光ファイバ、着色光ファイバ、アップコーテッド光ファイバ、バッファ付き光ファイバ、シース内に収納されたリボン又は束の一部分であって良く、或いは、他の適当な形態を有しても良い。かかる変形例の全てではないが多くは、以下の実施形態に示されている。
【0012】
図1に示すように、キャリヤジャケット20は、外面28を有している。少なくとも1つの優先的引裂き部分30が、少なくとも1本の光ファイバ26に隣接してキャリヤジャケット20内に設けられている。図1に示す実施例では、優先的引裂き部分30は、外面28から内方に間隔をおいてキャリヤジャケット20内に設けられた少なくとも1つの空所32を有している。このため、各空所32は、キャリヤジャケット20の内部に位置していると言うことができる。したがって、キャリヤジャケット20は、優先的引裂き部分30に隣接して周方向に、即ち、図示のようにキャリヤジャケット20周りに時計回り又は反時計回りに進んで実質的に連続した外面を有している。図示のように、表面28から内方に延びる切欠き、溝等とは対照的に、1又は2以上の内部空所、例えば空所32を利用することにより、キャリヤジャケット20の外面28と光ファイバ26との間に長い距離が維持される。この長い距離により、虫の進入からの保護を含む光ファイバ26の保護具合を向上させることができる。しかしながら、内部空所32の使用は又、優先的引裂き機能を提供する。このように、優先的引裂き機能を達成する際に、優先的引裂き部分に隣接して実質的に連続した外面が設けられているので、虫による損傷の恐れは、実質的に増大しない。また、空所32について他の配設場所が可能であり、例えば、1つ又は2つ以上の空所を全体として共通軸線A−A上に配置することができる。
【0013】
さらに、空所32は、変形可能である。例えば、空所32は、図示のように実質的に矩形である必要はなく、種々の形状を有してよい。空所内に応力増大特徴部、例えばコーナー部を設けることは、優先的引裂き動作中における引裂きの発生場所を定めるのを助けることができるが、滑らかな又は湾曲した形状を使用しても良い。さらに、空所32は、所望に応じてケーブルの長さの何割かにわたって延びても良く、或いは、かかる長さの全体にわたって延びても良い。空所32の配設場所をインキによるマーク付け、表面標識又は任意他の適当な方法によりケーブルの外部に印付けするのが良い。また、ケーブル10は、図示のように2つの対称に間隔を置いた優先的引裂き領域30を有する必要がないことは、念頭に置かれるべきである。かかる領域の1つ又は2つ以上を本発明の範囲内で利用する必要があるに過ぎない。
【0014】
図示のように、1本又は2本以上の抗張力部材34は、キャリヤ区分14内に設けられるのが良い。抗張力部材34は、優先的引裂き領域30が共通軸線A−Aから間隔を置いた状態で共通軸線A−Aに沿って設けられているが、抗張力部材及び(又は)空所に関し他の適当な配設場所が可能である。抗張力部材34,24及び光ファイバ26は、空所32と共に共通ジャケット16を押し出す際、機械設備を通過するのが良い。空所32を空気、ガス若しくは液体又は所望ならば優先的引裂き部分を形成する他の適当な材料で形成することができる。
【0015】
図2は、本発明の他の特徴による第2の実施形態としての光ファイバケーブル110を示している。図示のように、ケーブル110は、ケーブル110が500ミクロンアップコーテッド光ファイバの形態をした単一の光ファイバ126を有している点を除き、図1のケーブル10と実質的に同一である。図示のように、抗張力部材134は、大径であり、光ファイバ126の側部に接触するよう動かされ、空所132が、ダイヤモンド(菱形)の形となるよう僅かに変えられている。また、メッセンジャ区分112とキャリヤ区分114との間の優先的引裂き部分を形成するウェブ122が、ケーブル10のウェブ22と比較して、僅かに細長くなっている。所望ならば、光ファイバ126に隣接して吸水膨張性テープ、ヤーン又は他の類似のコンポーネントを設けるのが良い。図2及びその後の図では、同一又は類似のコンポーネントは、図中、不必要な繰り返しを避けるために、本明細書において必ずしも繰り返される必要のない場合、全体にわたり同一又は類似の参照符号を用いて示されている。
【0016】
図3は、本発明の他の特徴による別の実施形態としての光ファイバケーブル210を示している。図示のように、ケーブル210が異なる優先的引裂き構造を有している点を除き、図1のケーブル10とほぼ同じである。図示のように、優先的引裂き領域230は、外面228から内方に延びる溶接線又はスリット232によって形成されている。溶接線又はスリット232は、「閉じられ」ており、従って、表面228に沿って、例えば虫による光ファイバ226への意図せぬアクセスを可能にする開口部は共通ジャケットの外部に沿って生じることがないようになっている。このように、溶接線又はスリット232は、開いた溝、チャネル等ではない。溶接線又はスリット232を、所望に応じて、押出の際に共通ジャケットの流れを遮ることにより押出中に形成することができ又は共通ジャケット16にスリットを入れることにより押出後に形成することができる。
【0017】
図4は、別の変形実施形態としての光ファイバケーブル310を示している。図4に示すように、光ファイバ326にはテープ332が巻き付けられており、このテープ332は、光ファイバ326の領域から表面328に向かって外方に延びる2つのウイング336を有している。優先的引裂き領域330が、テープウイング336により形成されている。テープウイング336は、キャリヤジャケット320の表面328には到達しておらず、それにより、図示のように途切れていない表面形状が維持される。テープ332は、光ファイバ326に巻き付けられて、図示の向きを達成する1本又は2本以上のテープから成るのが良い。一実施形態では、テープ332は、光ファイバ326に沿う水の移動(水走り)を阻止する吸水膨張性テープである。他の手法としては、光ファイバの周りに設けられたウイングを有するシースを用いることが挙げられる。好ましくは、シースは、キャリヤジャケット320にくっつかない適当な材料で形成され、或いは、シースは、くっつきを阻止する適当な剥離層、例えばタルクを有する。図5は、共通ジャケット316の押出中にテープ332を形成するために使用できるテープダイ形態338を示している。
【0018】
図6は、別の実施形態としての光ファイバケーブル410を示している。図示のように、ケーブル410は、溶接線436に連結された空所432を有し、それにより、優先的引裂き部分430が形成されている。優先的引裂き部分430に隣接して位置する表面428は、意図せぬ光ファイバへのアクセス又は悪影響の危険を冒さないように実質的に連続状態のままである。空所432は、溶接線436と共に用いる必要はないが、本発明の優先的引裂き部分を創り出す際に種々の特徴を混ぜ合わせると共に(或いは)改造することができるようにするために示されているに過ぎないことがわかる。さらに、ケーブル410は、シース433内に設けられた光ファイバ426及び各空所432内に設けられ、水走りを阻止する吸水膨張性ヤーンを示している。
【0019】
図7は、別の実施形態としての光ファイバケーブル510を示している。図7に示すように、ケーブル510は、形状が異なる外面528を備えたキャリヤ区分514を有している。ケーブル510は、類似の従来型ケーブルと比較して比較的軽量のケーブルを生じさせる断面を有している。ケーブル510は、単位長さ当たりのキャリヤジャケット520内の材料の量を減少させることにより軽量化を実現している。ケーブル10の対応の部分と比較して、キャリヤジャケット520の肩部分521は、下方にずらされると共に外方且つ下向きに傾斜されており、側部分523は、開きの大きなvの形をなして傾けられており、それにより、単位長さ当たりのジャケット材料を少なくすることにより軽量化が達成されている。v字形側部523の下側部分525は、外方且つ下方に傾斜している。部分521,525の外方且つ下方への(メッセンジャ部分から遠ざかる方向への)傾斜により、技能工が所望時にキャリヤ区分514を保持してこれをメッセンジャ区分512から引き離すのを助ける把持部分が提供される。このように、ウェブ522は、当該技術分野において知られるようにこの場所に優先的引裂き部分を形成する。側部523は、光ファイバ526に向かって内側に向きを変えているので、光ファイバは、光ファイバの1本又は2本以上の周りに設けられた保護構造部材538、例えば吸水膨張性テープ、光ファイバのアップコーティング層、バッファ層、シース又は他の適当な構造部材によって包囲されるのが良い。さらに、キャリヤジャケットへのくっつきを阻止するためにオプションとしての剥離層、例えばタルクを保護構造部材に被着させるのが良い。当然のことながら、他の把持特徴部及び(又は)幾何学的形状の使用が可能である。
【0020】
図8は、別の設計の把持部分を備えた別の変形実施形態としてのケーブル610を示している。図8に示すように、ケーブル610は、外方に延びる2つのリップ625を備えたキャリヤ区分614を有している。図示のように、かかる2つのリップ625は、キャリヤ区分614の端部のところに設けられている。この実施形態では、キャリヤ区分614の外面628は、光ファイバ626に隣接して設けられた切欠き627を有し、それにより、上述の実施形態とは異なり、優先的引裂き部分630のところでは表面628の連続性が中断している。図8の1つ若しくは2つのリップ625のような構造部材又は他の把持特徴部を切欠き又は優先的引裂き部分を設け又は設けないで、本明細書において説明する実施形態の任意のものに使用できることがわかる。図8aは、ケーブルのキャリヤ端部に設けられた涙滴又はドッグボーン(dogbone)の形の把持特徴部625′を示している。同様に、図8bは、キャリヤ区分の把持具合を促進する模様付き又は刻み付き外面を用いた別の把持特徴部625″を示している。代替的に又は追加的に、ケーブルのメッセンジャ区分は、分離性能を高めるための把持特徴部を有しても良い。
【0021】
図9は、別の変形実施形態を示しており、この実施形態では、滑らかな外面728を有すると共に2つのリップ725から成る把持領域を含むケーブル710が提供されている。2つのリップコード732が、この実施形態では優先的引裂き領域730を創り出すために設けられている。ケーブル710は、ケーブル710では厚手であり、それにより、或る用途では有用な場合のある追加の保護を提供している点においてケーブル510とは異なっている。
【0022】
特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に属する本発明の多くの改造例及び他の実施形態は、当業者には明らかであろう。例えば、光ファイバをバッファ管内に実装しても良く、束状光ファイバ、ルーズ裸光ファイバ若しくは着色光ファイバ又は公知の他の適当な構造についても同様である。さらに、光ファイバをケーブル内で撚っても良い。光ファイバケーブルは、他の適当なケーブルコンポーネント及び(又は)形態、例えば外装、チキソトロープ充填配合物、リップコード、メッセンジャケーブル及び(又は)他のウェブ形態を更に含んでも良い。また、構造部材の変形例又は改造例を種々の仕方で組み合わせて上記に示していないが、依然として本発明の範囲に属する実施形態を構成しても良い。したがって、本発明は、本明細書において開示した特定の実施形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内に属する改造例及び他の実施形態を構成できることがわかる。本明細書において特定の用語を用いたが、かかる用語は、一般的且つ説明的な意味で用いられているに過ぎず、本発明を限定する目的で用いられているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第1の実施形態の断面図である。
【図2】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第2の実施形態の断面図である。
【図3】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第3の実施形態の断面図である。
【図4】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第4の実施形態の断面図である。
【図5】図4の光ファイバケーブルを形成するのに役立つ押出先端部の部分断面図である。
【図6】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第5の実施形態の断面図であり、図1及び図3のケーブルの特徴を組み合わせた図である。
【図7】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第6の実施形態の断面図である。
【図8】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第7の実施形態の断面図であり、分図8aは、別の把持特徴部を示し、分図8bは、別の把持特徴部を示す図である。
【図9】本発明の或る幾つかの特徴による光ファイバケーブルの第8の実施形態の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバケーブルであって、
少なくとも1本の抗張力部材を備えたメッセンジャ区分と、
少なくとも1本の光ファイバを収納したキャリヤ区分と、
ウェブにより互いに連結されたメッセンジャジャケットとキャリヤジャケットを形成する共通ジャケットとを有し、前記キャリヤジャケット中には、前記少なくとも1本の光ファイバにアクセスするために優先的引裂き部分を創り出す少なくとも1つの内部空所が設けられている、
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
溶接線を更に有し、前記溶接線は、前記優先的引裂き部分を創り出すための前記少なくとも1つの内部空所の方へ差し向けられている、
請求項1記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記キャリヤ区分は、2本の抗張力部材を有し、前記2本の抗張力部材は、共通軸線に沿って設けられている、
請求項1記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記キャリヤ区分は、2本の抗張力部材を有し、前記2本の抗張力部材は、共通軸線に沿って設けられ、前記少なくとも1つの内部空所は、前記2本の抗張力部材相互間に設けられている、
請求項1記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記少なくとも1本の光ファイバは、タイトバッファ付き光ファイバ、着色光ファイバ、光リボン、アップコーテッド光ファイバ、光ファイバの束及びシース付き光ファイバ又は束から成る群から選択される、
請求項1記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
吸水膨張性コンポーネントを更に有する、
請求項1記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記キャリヤジャケットは、前記メッセンジャ区分から遠ざかる方向に前記キャリヤ区分の中心から外方に延び、それにより、前記キャリヤ区分と前記メッセンジャ区分を互いに引き離すときに前記キャリヤ区分の把持具合を促進する少なくとも1つの把持領域を有する、
請求項1記載の光ファイバケーブル。
【請求項8】
光ファイバケーブルであって、
メッセンジャ区分を有し、前記メッセンジャ区分は、少なくとも1本の抗張力部材を有し、
キャリヤ区分を有し、前記キャリヤ区分は、少なくとも1本の光ケーブルを収納すると共に前記少なくとも1本の光ケーブルの周りに設けられた少なくとも1本のテープを収納し、前記少なくとも1本のテープは、前記少なくとも1本の光ファイバの周りに設けられ、前記テープは、少なくとも1つのウイングを有し、
共通ジャケットを有し、前記共通ジャケットは、ウェブにより互いに連結されたメッセンジャジャケットとキャリヤジャケットを形成し、前記キャリヤジャケット内には、前記少なくとも1本の光ファイバにアクセスするために優先的引裂き部分を創り出す少なくとも1つのウイングが設けられている、
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項9】
前記キャリヤ区分は、2本の抗張力部材を有し、前記2本の抗張力部材は、共通軸線の周りに設けられている、
請求項8記載の光ファイバケーブル。
【請求項10】
前記キャリヤ区分は、2本の抗張力部材を有し、前記2本の抗張力部材は、共通軸線に沿って設けられ、前記少なくとも1つのウイングは、前記2本の抗張力部材相互間に設けられている、
請求項8記載の光ファイバケーブル。
【請求項11】
前記少なくとも1本の光ファイバは、タイトバッファ付き光ファイバ、着色光ファイバ、光リボン、アップコーテッド光ファイバ、裸光ファイバ、光ファイバの束及びシース付き光ファイバ又は束から成る群から選択される、
請求項8記載の光ファイバケーブル。
【請求項12】
吸水膨張性コンポーネントを更に有する、
請求項8記載の光ファイバケーブル。
【請求項13】
溶接線を更に有し、前記溶接線は、前記優先的引裂き部分を創り出すための前記少なくとも1つのウイングの方へ差し向けられている、
請求項8記載の光ファイバケーブル。
【請求項14】
前記少なくとも1本のテープは、前記光ファイバの互いに反対の側から延びる2つのウイングを有する、
請求項8記載の光ファイバケーブル。
【請求項15】
前記2つのウイングは、前記優先的引裂き部分に沿って実質的に同一平面内に延びている、
請求項14記載の光ファイバケーブル。
【請求項16】
前記キャリヤジャケットは、前記メッセンジャ区分から遠ざかる方向に前記キャリヤ区分の中心から外方に延び、それにより、前記キャリヤ区分と前記メッセンジャ区分を互いに引き離すときに前記キャリヤ区分の把持具合を促進する少なくとも1つの把持領域を有する、
請求項8記載の光ファイバケーブル。
【請求項17】
光ファイバケーブルであって、
少なくとも1本の抗張力部材を備えたメッセンジャ区分と、
少なくとも1本の光ファイバを収納したキャリヤ区分と、
ウェブにより互いに連結されたメッセンジャジャケットとキャリヤジャケットを形成する共通ジャケットとを有し、前記キャリヤジャケットは、外面を備え、前記外面は、前記メッセンジャ区分から遠ざかる方向に前記キャリヤ区分の中心から外方に延び、それにより、前記キャリヤ区分と前記メッセンジャ区分を互いに引き離すために加えられるべき力を増大させることができる、
光ファイバケーブル。
【請求項18】
前記把持領域は、前記キャリヤジャケットの外面の延長リップ又は傾斜部分の一方を含む、
請求項17記載の光ファイバケーブル。
【請求項19】
前記キャリヤジャケットは、前記少なくとも1本の光ファイバに隣接して位置する優先的引裂き部分を有し、前記キャリヤジャケットは、前記優先的引裂き部分に周方向に設けられた実質的に連続した外面を有し、前記優先的引裂き部分は、少なくとも1つの内部空所、少なくとも1本の溶接線、及び前記1本又は2本以上の光ファイバの周りに設けられたテープから延びる少なくとも1つのウイングの少なくとも1つによって構成されている、
請求項17記載の光ファイバケーブル。
【請求項20】
光ファイバケーブルであって、
少なくとも1本の抗張力部材を備えたメッセンジャ区分と、
少なくとも1本の光ファイバを収納したキャリヤ区分と、
ウェブにより互いに連結されたメッセンジャジャケットとキャリヤジャケットを形成する共通ジャケットとを有し、前記キャリヤジャケットには、前記少なくとも1本の光ファイバにアクセスするための優先的引裂き部分を創り出す少なくとも1本の溶接線が設けられている、
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項21】
前記少なくとも1本の溶接線は、少なくとも1つのウイング及び少なくとも1つの内部空所から成る群から選択された1つの方へ差し向けられている、
請求項20記載の光ファイバケーブル。
【請求項22】
前記キャリヤ区分は、2本の抗張力部材を有し、前記2本の抗張力部材は、共通軸線に沿って設けられている、
請求項21記載の光ファイバケーブル。
【請求項23】
前記キャリヤ区分は、2本の抗張力部材を有し、前記2本の抗張力部材は、共通軸線に沿って設けられ、前記少なくとも1本の溶接線は、前記2本の抗張力部材相互間に設けられている、
請求項21記載の光ファイバケーブル。
【請求項24】
前記少なくとも1本の光ファイバは、タイトバッファ付き光ファイバ、着色光ファイバ、光リボン、アップコーテッド光ファイバ、光ファイバの束及びシース付き光ファイバ又は束から成る群から選択される、
請求項21記載の光ファイバケーブル。
【請求項25】
吸水膨張性コンポーネントを更に有する、
請求項21記載の光ファイバケーブル。
【請求項26】
前記キャリヤジャケットは、前記メッセンジャ区分から遠ざかる方向に前記キャリヤ区分の中心から外方に延び、それにより、前記キャリヤ区分と前記メッセンジャ区分を互いに引き離すときに前記キャリヤ区分の把持具合を促進する少なくとも1つの把持領域を有する、
請求項21記載の光ファイバケーブル。
【請求項27】
光ファイバケーブルであって、
少なくとも1本の抗張力部材を備えたメッセンジャ区分と、
少なくとも1本の光ファイバを収納したキャリヤ区分と、
ウェブにより互いに連結されたメッセンジャジャケットとキャリヤジャケットを形成する共通ジャケットとを有し、前記キャリヤジャケットには、前記少なくとも1本の光ファイバに隣接して優先的引裂き部分が設けられ、前記キャリヤジャケットは、前記優先的引裂き部分に周方向に設けられた実質的に連続した外面を有し、前記優先的引裂き部分は、少なくとも1つの内部空所、少なくとも1本の溶接線、及び前記1本又は2本以上の光ファイバの周りに設けられたテープから延びる少なくとも1つのウイングの少なくとも1つによって構成されている、
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項28】
前記キャリヤジャケットは、前記メッセンジャ区分から遠ざかる方向に前記キャリヤ区分の中心から外方に延び、それにより、前記キャリヤ区分と前記メッセンジャ区分を互いに引き離すときに前記キャリヤ区分の把持具合を促進する少なくとも1つの把持領域を有する、
請求項27記載の光ファイバケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−542839(P2008−542839A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514716(P2008−514716)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/020507
【国際公開番号】WO2006/130484
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(501209863)コーニング ケーブル システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (65)
【Fターム(参考)】