説明

光ファイバケーブル

【課題】スロットコアとシースの成形工程を1回にして、製造工程の煩雑化の回避とコストの低減を図る。
【解決手段】光ファイバケーブル10のスロットコアとシースは、同一成形された一体構造品により構成されている。シースは、その周方向の一部が開口部19により分離された断面C字形をなしている。シースの内部にスロットコアが収容されると共に、シースの内周面14cとスロットコアの外周面11aとの間に分離隙間18が確保されている。シースの内周面の開口部の反対側には、シースとスロットコアを連結し且つシースの引き剥がし時に分離される互いに周方向に離間した2つの薄肉連結部20が設けられている。それら2つの薄肉連結部が分離されるときの切断線17の外側に、スロット溝12を構成する空洞の横断面の一部12aが張り出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを内部に収納するスロット溝を備えたスロットコアと、このスロットコアの周囲を被覆するシースと、を備えた光ファイバケーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、光ファイバを内部に収納するスロット溝を備えたスロットコアと、このスロットコアの周囲を被覆するシースと、を備えた光ファイバケーブルが記載されている。
【0003】
この種の光ファイバケーブルは、内部の光ファイバをスロットコアとシースによって十分に保護することができるものである。従来一般に、この種の光ファイバケーブルは、スロットコアを先に成形した上で、その外側にシースを押し出し成形することにより、光ファイバケーブルとして製品化されていた。つまり、スロットコアとシースは、最終的には一体品となるものの、2段階の成形工程を経ることで形成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−237537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、スロットコアとシースを2段階の成形工程を経て別々に成形する場合、成形工程が多くなって製造工程が煩雑化する上、材料を別々に用意する必要があることからコストも嵩むという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、スロットコアとシースの成形工程を1回にして、製造工程の煩雑化の回避とコストの低減を図ることのできる光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、光ファイバを内部に収納するスロット溝を備えたスロットコアと、このスロットコアの周囲を被覆するシースと、を備えた光ファイバケーブルにおいて、前記スロットコアとシースが、同一成形された一体構造品により構成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、前記シースは、その周方向の一部が開口部により分離された断面C字形をなしており、そのシースの内部に、該シースによって抱きかかえられるように前記スロットコアが収容されると共に、前記シースの内周面と前記スロットコアの外周面との間に分離隙間が確保され、前記シースの内周面の前記開口部の反対側に、前記シースとスロットコアを連結し且つ前記シースの引き剥がし時に分離される互いに周方向に離間した2つの薄肉連結部が設けられ、それら2つの薄肉連結部が分離されるときの切断線の外側に、前記スロット溝を構成する空洞の横断面の一部が張り出していることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、前記シースは断面C字形をなしており、そのシースの内部に、該シースによって前記スロット溝の開口部を覆うように前記スロットコアが収容され、前記シースの内周面と前記スロットコアの外周面との間に分離隙間が確保され、前記シースの互いに間隔をおいて対向する周方向の両先端が、前記スロットコアのスロット溝の開口部の反対側の部分に、それぞれ薄肉連結部を介して連結されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光ファイバケーブルによれば、スロットコアとシースが、同一成形された一体構造品により構成されているので、成形工程を1回にして、製造工程の煩雑化の回避とコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態の光ファイバケーブルの構成を示し、(a)は内部の光ファイバを中間後分岐する前の状態を示す横断面図、(b)は中間後分岐するためにシースとスロットコアを分離させた状態を示す横断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の光ファイバケーブルの構成を示し、(a)は内部の光ファイバを中間後分岐する前の状態を示す横断面図、(b)は中間後分岐するためにシースをスロットコアから剥がした状態を示す横断面図である。
【図3】本発明の実施形態に対する比較例の光ファイバケーブルの構成を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
「第1実施形態」
図1は本発明の第1実施形態の光ファイバケーブルの構成を示し、(a)は内部の光ファイバを中間後分岐する前の状態を示す横断面図、(b)は中間後分岐するためにシースとスロットコアを分離させた状態を示す横断面図である。
【0014】
この光ファイバケーブル10は、ケーブル長手向に沿ったスロット溝12を有するスロットコア11と、スロットコア11の内部に埋設されたケーブル長手方向に沿った抗張力体15と、スロット溝12の内部に収容された複数の光ファイバ13と、スロットコア11の外周を覆うシース14とを備えたものである。スロットコア11とシース14は、同一の材料によって同一成形された一体構造品により構成されている。つまり、言い換えると、従来は別々の工程で成形されていたスロットコア11とシース14を、1回の同一成形工程により同一材料の一体構造品として製造している。
【0015】
その構成を具体的に述べると、まず、シース14は、その周方向の一部が開口部19により分離された断面C字形をなしている。シース14の内部には、シース14によって抱きかかえられるようにして、スロットコア11が収容されている。この際、シース14の内周面14cとスロットコア11の外周面11aとの間には分離隙間18が確保されている。
【0016】
また、シース14の内周面14cの開口部19の反対側には、シース14とスロットコア11を連結し且つシース14の引き剥がし時に分離される互いに周方向に離間した2つの薄肉連結部20が設けられている。そして、これら2つの薄肉連結部20が分離されるときの切断線17の外側に、スロット溝12を構成する空洞の横断面の一部12aが張り出している。従って、シース14の引き剥がし時に、切断線17に沿って切れ込みが入ることによりシース14とスロットコア11が分離されることで、スロット溝12を構成する空洞の一部が開口され、その部分が、スロット溝12の開口部16となる。
【0017】
ここで重要なことは、シース14とスロットコア11を繋いでいる2本の薄肉連結部20は、手でシース14を剥ぎ取る時に、その力で一緒に千切れる程度の弱い強度を持つものとして設計されていることである。
【0018】
なお、スロット溝12を構成する空洞は、例えば、断面円形あるいは断面楕円形に形成されている。スロット溝12は、外周が円形のスロットコア11の中心から外れた位置に偏心して配置されている。従って、スロットコア11は、スロット溝12の開口部16側が薄肉に形成され、また開口部16と反対側が厚肉に形成されている。そして、スロット溝12の開口部16の周方向の中央とスロットコア11の中心とを通る直線上の厚肉側の部分に、抗張力体15が1本埋設されている。
【0019】
また、シース14は、スロット溝12の開口部16側の厚みがスロット溝12の開口部16の反対側の厚みよりも厚く形成されている。すなわち、シース14の厚肉部14aが、スロットコア11のスロット溝12の開口部16側に位置している。そして、前記スロットコア11のスロット溝12の開口部16の両側縁に、シース14の厚肉部14a側の内周面14cのうち互いに離間した2箇所が、薄肉連結部20を介して前記シース14が連結されている。また、シース14の薄肉部14b側にシースの開口部19が設けられており、この薄肉部14bが、スロットコア11のスロット溝12の開口部16の正反対側に位置している。
【0020】
このように、シース14とスロットコア11は、薄肉連結部20を介して連結されることで、一体構造品として構成されており、スロット溝12を構成する空洞は、シース14を引き剥がすまでは、全周が閉じた状態(塞がれた状態)になっている。従って、外部から光ファイバ13を収容するスロット溝12への浸水のおそれはない。
【0021】
このような構造の光ファイバケーブル10を使用している状況において、中間後分岐作業のための光ファイバ13の口出しが必要になった場合、まず、シースを引き剥がす予定の領域の両端位置にて、シース14の全周に市販のケーブルストリッパー等の切刃により切り込みを入れて、引き剥がし予定の領域のシース14を、その両側の引き剥しを行わない領域のシース14から切り離す。
【0022】
その状態で、シース14の開口部19の両側縁に手を掛けて、図1(b)の矢印Aで示すように、開口部19の両側の部分を外側に開きながら、そのままシース14をスロットコア11に対して持ち上げる。そうすることで、薄肉連結部20を刃物を用いずに軽く破断することができて、所定範囲のシース14をスロットコア11から引き剥がすことができる。また、そのときの切断線17によって、スロット溝12を形成する空洞の一部を開口させることができる。つまり、スロット溝12の開口部16を開くことができる。従って、その開口部16から、スロット溝12の内部に収納してある複数本の光ファイバ13のうちの所望の光ファイバ13を取り出すことができる。
【0023】
所望の光ファイバ13の取り出しが終わったら、引き剥がしたシース14を元の位置に戻し、スロット溝12の開口部16をシース14で覆うと共に、スロットコア11の外周にシース14を被せる。そして、元の位置に戻したシース14の上からテープ巻きを施すことにより、口出し後のシース14の修復を終了することができる。
【0024】
この光ファイバケーブル10によれば、スロットコア11とシース14が、同一の材料によって同一成形された一体構造品により構成されているので、スロットコア11とシース14の成形工程を1回にして、製造工程の煩雑化の回避とコストの低減とを図ることができる。
【0025】
また、シース14は、いったんは引き剥がすものの、そのまま光ファイバ13の取り出し後に元の位置に戻すことができるので、余計な不要物(後述するシースの切り屑)が生じることがなく、作業後の処理の面倒がない。
【0026】
「第2実施形態」
図2は本発明の第2実施形態の光ファイバケーブルの構成を示し、(a)は内部の光ファイバを中間後分岐する前の状態を示す横断面図、(b)は中間後分岐するためにシースをスロットコアから剥がした状態を示す横断面図である。
【0027】
この光ファイバケーブル30も、ケーブル長手向に沿ったスロット溝32を有するスロットコア31と、スロットコア31の内部に埋設されたケーブル長手方向に沿った抗張力体35と、スロット溝32の内部に収容された複数の光ファイバ33と、スロットコア31の外周を覆うシース34とを備えている。スロットコア31とシース34は、同一材料によって同一成形された一体構造品により構成されている。つまり、言い換えると、従来は別々の工程で成形されていたスロットコア31とシース34を、1回の同一成形工程により同一材料の一体構造品として製造している。
【0028】
その構成を具体的に述べると、まず、シース34は断面C字形をなしている。そのシース34の内部には、シース34によって抱きかかえられるようにして、スロットコア31が収容されている。この際、シース34の内周面34cとスロットコア31の外周面31aとの間には、分離隙間38が確保されている。
【0029】
また、シース34の互いに間隔をおいて対向する周方向の両先端34d,34dが、スロットコア31のスロット溝32の開口部36の反対側の外周に突設した凸部37の周方向の両側縁に、それぞれ薄肉連結部40を介して連結されている。これらの薄肉連結部40は、手で容易に曲げることができる程度の屈曲性を有すると共に、ナイフ等の刃先で容易に切断できる程度の薄さを有している。
【0030】
なお、スロット溝32は、例えば、断面円形あるいは断面楕円形に形成されている。スロット溝32は、外周が略円形のスロットコア31の中心から外れた位置に偏心して配置されている。また、スロットコア31は、スロット溝32の開口部36側が薄肉に形成され、開口部36と反対側が厚肉に形成されている。そして、スロット溝32の開口部36の周方向の中央とスロットコア31の中心とを通る直線上の厚肉側の部分に抗張力体35が1本埋設されている。
【0031】
また、シース34は、スロット溝32の開口部36側の厚みがスロット溝32の開口部36の反対側の厚みよりも厚く形成されている。従って、シース34の厚肉部34aが、スロットコア31のスロット溝32の開口部36側に位置し、シース34の薄肉部34b側に、断面C字状のシース34の周方向に互いに対向する両先端34d,34dが位置している。これら両先端34d,34dの間の部分は、図2(b)に示すように、シース34が剥がされたとき、開口部39として開放される部分である。
【0032】
このように、シース34とスロットコア31は、薄肉連結部40を介して連結されることで、同一材料の一体構造品として構成されており、スロット溝32は、シース34を剥がすまでは、全周がシース34によって覆われている。従って、外部から光ファイバ33を収容するスロット溝32への浸水のおそれはない。
【0033】
このような構造の光ファイバケーブル30を使用している状況において、中間後分岐作業のための光ファイバ33の口出しが必要になった場合、まず、シース34を剥がす予定の領域の両端位置にて、シース34の全周にナイフ等の切刃によって切り込みを入れて、剥がす予定の領域のシース34を、その両側の剥がさない領域のシース34から切り離す。
【0034】
次いで、図2(b)に示すように、一方の薄肉連結部40(図中右側の薄肉連結部)を、ケーブル長手方向に沿った切り込みを入れることで切断する。そして、他方の薄肉連結部40(図中左側の薄肉連結部)を支点にして、その薄肉連結部40を屈曲変形させながら、シース34の剥がし予定の領域を、スロットコア31から離れる外側方向に矢印Bのように回動させることで、シース34を手で剥がす。
【0035】
そうすることで、スロットコア31のスロット溝32の開口部36を開放することができるので、スロット溝32の内部に収容した複数本の光ファイバ33のうちの任意の光ファイバ33を取り出すことができる。
【0036】
光ファイバ33を取り出した後のシース34は、先ほどの剥がし方向と反対方向に回動させることで、スロット溝32の開口部36を覆う蓋として被せることができる。そして、元の位置に戻したシース34の上からテープ巻きを施すことにより、口出し後のシース34の修復を終了することができる。
【0037】
この光ファイバケーブル30の場合も、スロットコア31とシース34が、同一材料によって同一成形された一体構造品により構成されているので、成形工程を1回にして、製造工程の煩雑化の回避とコストの低減を図ることができる。
【0038】
また、シース34は、いったんは剥がすものの、そのまま光ファイバ33の取り出し後に元の位置に戻すことができるので、余計な不要物(後述するシースの切り屑)が生じることがなく、作業後の処理の面倒がない。
【0039】
特に、この実施形態の光ファイバケーブル30では、シース34を、一方の薄肉連結部40によってスロットコア31に繋がったままの状態にしながら、スロットコア31から剥がすことができるので、作業の終了後にシース34を元の位置に戻す操作もやり易くなる。従って、第1実施形態の光ファイバケーブル10よりも、取り扱いし易い利点がある。
【0040】
図3は、本発明の実施形態に対する比較例の光ファイバケーブル110の構成を示す横断面図である。
【0041】
この光ファイバケーブル110は、長さ方向に沿ったスロット溝112を有する断面C字形のスロットコア111と、スロットコア111の内部のスロット溝112の開口部116と反対側の肉厚部分に埋設された抗張力体115と、スロット溝112の内部に収容された複数の光ファイバ(図示例では、複数の光ファイバテープ芯線)113と、スロットコア111の外周を覆うシース114とを備えている。
【0042】
シース114は、先に成形されたスロットコア111の外周を覆うように、後から押し出し成形によって形成されており、スロットコア111の外周に密着している。なお、スロット溝112の開口部116は、シース114の成形樹脂がスロット溝112内に入り込まないようにするために、シース114の成形前に予め押さえテープ(PETテープ等)117で覆われている。
【0043】
このように、スロットコア111とシース114を2回の成形工程を経て形成した場合、それだけ製造工程が煩雑になる上、コストがかかることになる。
【0044】
シース114は、スロット溝112の開口部116側に肉厚部114aを位置させると共に、スロット溝112の開口部116の反対側に薄肉部114bを位置させた偏肉状の断面に形成されている。また、薄肉部114bの外周面には、互いに周方向に間隔をあけてケーブル長手方向に延びる2つのノッチ部118が形成されている。これらノッチ部118は、光ファイバケーブル110の中間後分岐の際に、シース114を引き裂き易くするための弱部として機能する。
【0045】
この光ファイバケーブル110において、中間後分岐のために光ファイバ113の口出しを行う場合、まず、シース114を引き剥がす予定の領域の両端位置にて、シース114に円周方向の切り込みを刃物で入れて、引き剥がす予定の領域のシース114を、その両側の引き剥がさない領域のシース114から切り離す。
【0046】
次いで、ノッチ部118に沿ってシース114を切り裂き、引き剥がす予定の領域のシース114を、スロットコア111から引き剥がす。そうすることで、スロットコア111のスロット溝112の開口部116を開放することができるので、その開口部116を通して、スロット溝116の内部に収納した複数の光ファイバ113のうちの所望の光ファイバ113を取り出すことができる。
【0047】
光ファイバ113を取り出した後のシース114は、元の位置に戻すことで、スロット溝112の開口部116を覆う蓋として被せることができる。そして、元の位置に戻したシース114の上からテープ巻きを施すことにより、口出し後のシース114の修復を終了することができる。
【0048】
なお、この場合は、シース114の薄肉部114bの2つのノッチ部118の間の部分120が、切り屑として発生してしまうことになる。
【0049】
次に、本発明の実施形態の光ファイバケーブルと比較例の光ファイバケーブルについて比較した結果について説明する。
【0050】
本発明の実施形態の光ファイバケーブルは、図1に示す第1実施形態の試作品であり、スロット溝12を形成する内部の空洞の内径が1.5mm、スロットコア11の外径が3.5mm、シース14の外径が6mmのものである。また、シース14の開口部19の幅は2mmとなっている。さらに、シース14とスロットコア11の間の分離隙間18には、熱融着防止のために厚さ20μmのPETテープが挟まれている。また、スロットコア11とシース14の薄肉連結部20の厚さは0.2mmとなっており、シース14の除去が容易にできるようになっている。
【0051】
一方、比較例の光ファイバケーブルは、図3に示すものとほぼ同じ構造のもので、寸法的には第1実施形態の試作品に近いものである。
【0052】
比較の項目としては、光ファイバ13の口出しのしやすさ、再収納のしやすさ、口出し時のごみの有無について調べた。良の場合を○、不良の場合を×として評価した。すると、下記の表1に示す結果が得られた。
【表1】

【0053】
表1から分かるように、比較例は口出し時のごみが出るのに対し、本発明の試作品は口出し時のごみが出ない利点がある。その他の項目については差異がなかった。また、本発明の試作品は、先に述べたように、1回の成形工程でスロットコアとシースを形成しているので、比較例の光ファイバケーブルに対して、製造工程の単純化や材料準備コストの低減などが図れるメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、シースを切り裂いてスロットコアに収納してある光ファイバを取り出すのに適した光ファイバケーブルに利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…光ファイバケーブル
11…スロットコア
11a…外周面
12…スロット溝
12a…空洞の一部
13…光ファイバ
14…シース
14c…内周面
16…開口部
17…切断線
18…分離隙間
19…開口部
20…薄肉連結部
30…光ファイバケーブル
31…スロットコア
31a…外周面
32…スロット溝
33…光ファイバ
34…シース
34c…内周面
34d…周方向の先端
36…開口部
38…分離隙間
40…薄肉連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバを内部に収納するスロット溝を備えたスロットコアと、このスロットコアの周囲を被覆するシースと、を備えた光ファイバケーブルにおいて、
前記スロットコアとシースが、同一成形された一体構造品により構成されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、
前記シースは、その周方向の一部が開口部により分離された断面C字形をなしており、
そのシースの内部に、該シースによって抱きかかえられるように前記スロットコアが収容されると共に、
前記シースの内周面と前記スロットコアの外周面との間に分離隙間が確保され、
前記シースの内周面の前記開口部の反対側に、前記シースとスロットコアを連結し且つ前記シースの引き剥がし時に分離される互いに周方向に離間した2つの薄肉連結部が設けられた
ことを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項3】
請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、
前記シースは断面C字形をなしており、
そのシースの内部に、該シースによって前記スロット溝の開口部を覆うように前記スロットコアが収容され、
前記シースの内周面と前記スロットコアの外周面との間に分離隙間が確保され、
前記シースの互いに間隔をおいて対向する周方向の両先端が、前記スロットコアのスロット溝の開口部の反対側の部分に、それぞれ薄肉連結部を介して連結されていることを特徴とする光ファイバケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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