光ファイバジャイロスコープ用の感知ループダブラ
感知ループダブラを備えた干渉方式光ファイバジャイロ(IFOG)などの光ファイバリング干渉計。このIFOGデバイスは、光源と、この光源およびフォトダイオードと光学的に通信するサーキュレータと、このサーキュレータから放出された光を、それぞれ変調し得る2つの経路に分割し得る集積光学系チップ(IOC)を備える。このIOCはさらに、サーキュレータに向かう方向に光が伝播するときに、これら2つの経路のそれぞれからの光を合成することができる。このIFOGデバイスはさらに、ファイバコイル、およびIOCとファイバコイルの間に配設された偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタを備える。このPMコンバイナ/スプリッタは、1度目は第1偏光状態でファイバコイルを通して光を送出し、その後同じ光を、2度目は第2の直交する偏光状態でファイバコイルを通して送出するように動作する。そのため、光は、単一ループIFOGデバイスと比べて2倍の距離を伝播し、したがって、実質的にLD積が2倍になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)に関する。より詳細には、本発明は、ファイバコイル長およびループ直径が同じIFOGに比べて、感度が2倍になり、角度の酔歩(ARW)が減少し、バイアス安定性が向上したIFOGに関する。本発明は、従来型IFOGとジャイロ性能は同じだが、従来型デバイスの半分のファイバコイル長しか使用しないIFOGにも関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)では、光ファイバは、円形またはループ形状に巻かれ、回転の存在下で、2つの互いに反対方向に伝播する波について、サニャック位相差を検出する感知デバイスとして働く。主に、巻かれたファイバ感知コイルの長さと直径の積(LD積)により、大部分、ジャイロスコープの感度が決まる。一般に、LD積が大きいほど、デバイスの感度および安定性が高くなり、ランダムノイズが減少する。しかし、(LD積をより大きくするために)ファイバ長をより長くするか、あるいはループ直径をより大きくすることに起因してコイルの体積が大きくなると、特に、リングレーザジャイロスコープ(RLG)または半球形共振ジャイロスコープ(HRG)などの他の技術と比べたときに、ジャイロスコープデバイスに必要とされる筐体がますます大きくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、寸法を物理的に大きくすることによってLD積を大きくせずにIFOGデバイスの性能を改善するか、あるいは、ほぼ半分のファイバコイル長で所与のIFOGデバイスの性能を維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、2つの直交偏光状態でそれぞれ1回ずつ、ファイバコイル内で光をルート付ける新しい技術に基づいている。好ましくは、伝播する光の偏光状態は、偏光保存(PM)コンバイナ/スプリッタによって制御される。この技術では、同じファイバコイル長で、感度が2倍になり、角度の酔歩(ARW)およびバイアス不安定性が低減されるか、あるいは、半分のファイバコイル長しか使用せずに、所与のIFOGのジャイロの性能が維持される。
【0005】
より具体的には、偏光保存コンバイナ/スプリッタを使用して、ファイバコイルに入射し、ファイバコイルから出射する光の1つの偏光状態だけを結合する。ファイバ内を伝播する光は、PMファイバコイルに90度スプライスを使用することによって、それを1回通過した後で90度回転する。次いで、この光は、コイルの2度目の通過のために、PMコンバイナ/スプリッタを介してファイバコイルに戻される。2度目の通過の後で、この光は、再度90度回転して元の偏光状態に戻り、PMコンバイナ/スプリッタを通過し、集積光学系チップ(IOC)などの位相変調器に結合される。上記機能を実現するために、PMコンバイナ/スプリッタを使用する少なくとも2つの実施形態を実施し得る。一方の実施形態では、PMコンバイナ/スプリッタおよび90°スプライスをそれぞれ1つしか使用しない。第2実施形態では、2つのPMコンバイナ/スプリッタおよび1つの90°スプライスを使用する。第1実施形態は、比較的簡単なものであり、必要とする光回路の変更は最小限である。第2実施形態は、対称性がより高いものであり、PMコンバイナ/スプリッタのドリフトの影響を受けない。この理由は、光は各PMコンバイナ/スプリッタの交差脚および通過脚のいずれに沿っても1回伝播するからである。
【0006】
第3実施形態は、PMコンバイナ/スプリッタによるものではなく、代わりに、例えばバルク光学系を使用して実施し得る偏光ビームスプリッタによるものである。
【0007】
本発明の実施形態では、まず基準線となる性能を確立するために、単一感知ループを備えたIFOG試験台を組み立てた。固有周波数は24.6kHzで測定され、バイアスデータは、ARWが約500マイクロ度/回転−時の状態で取得した。次いで、偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタを組み込み、少なくとも1つの90°スプライスを適用して、速い軸および遅い軸の光を方向変更することによって倍増感知ループが実現されるように、本発明の第1実施形態に従ってこの試験台を改変した。速い軸および遅い軸は、PMファイバの2つの主軸であり、屈折率がより小さい(より大きい)速い(遅い)軸では、光は、より速く(より遅く)伝播する。感知ループを2回通過することは、単一ループ構成の固有周波数の半分である約12.3kHzで測定された固有周波数によって検証した。すなわち、2重感知ループ構成では、ループ通過時間(集積光学系チップ(IOC)の一方の側から、ファイバコイルを通って、IOCの他方の側に光が伝播する時間)は倍になる。バイアスデータは、ARWが約300マイクロ度/回転−時の状態で測定した。そのため、ARWのこの結果は、単一ループARW測定値と比べて、約40%の改善を示す。50%の理論改善値との差は、ファイバを2度通過するために熱位相ノイズが大きくなるためである。
【0008】
添付の図面と併せて以下の詳細な説明から、本発明のより徹底した理解が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、4つの節で本発明の詳細な説明を述べる。第I節で、感知ダブラの構造を説明する。第II節に、典型的な溶融タイプのPMコンバイナ/スプリッタの測定値を示す。第III節で、光学試験台アセンブリを説明する。第IV節で、感知ループダブラのテスト結果および単一ループ構成との比較を論じる。最後に、第V節で、本発明の第2実施形態を説明する。
I.感知ループダブラの構造
本発明による、感知ループ(したがって、LD積)を効果的に2倍にする1つのやり方は、光がPMファイバ内を2つの直交する状態でそれぞれ1回ずつ伝播するように、伝播する光の偏光状態を管理することである。図1に、IFOG感知ループダブラデバイスの例の構成を示す。この構成は、速い軸または遅い軸に光を方向変更するために、少なくとも1つの90°スプライスに加えて、追加のPMコンバイナ/スプリッタ110を含める点で、単一ループ構成と異なる。PMコンバイナ/スプリッタ110の機能は、特定の出力ポートに入る光の偏光を制御することである。ファイバ光源(FLS)102は、サーキュレータ(または、50/50カプラ)104に光を提供する。次いで、集積光学系チップ(IOC)(または、50/50カプラ)106は、この光を2つの互いに反対方向に伝播する波に分割し、これらの光は、ファイバコイル108を通って伝播する。これらの互いに反対方向に伝播する波がファイバコイル108から再度出射した後で、これらの波は、IOC 106の左端で干渉し、再度サーキュレータ104を通って逆に伝播し、出射してフォトダイオード112に至る。IOC電極106a〜106dによって適切な変調を施すことにより、当技術分野でよく知られているように、フォトダイオード112からの信号が復調され、それによって、固有周波数および回転レートを検出することができる。
【0010】
単一感知ループ構成では、本発明の好ましい構成にはある偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタ110がない。従来型の感知ループでは、互いに反対方向に伝播する波は、ファイバコイルを1回だけ通過し、IOCを通って出射する。PMコンバイナ/スプリッタ110を追加することによって、入射光の偏光に基づいて、光の交差出射および通過出射を制御することが可能になる。好ましい実施形態では、PMコンバイナ/スプリッタ110は、2本のPMファイバを合わせて溶融することによって作製することができる。あるいは、PMコンバイナ/スプリッタ110は、研磨した後で2本のファイバを互いに押し付けることによって作製することもできるし、自由空間微小光学系を使用して作製することもできる。図2に示すように、PMコンバイナ/スプリッタ110の構成に応じて、偏光方向が0°の入射光は、PMコンバイナ/スプリッタ110を交差して(通過して)通過することになり、90°の偏光入射光は、PMコンバイナ/スプリッタを通過して(交差して)通過することになる。
【0011】
PMファイバ内を伝播する光の偏光は、スプライシング技術によって変えることができる。例えば、光の偏光は、ファイバを破断し、180°で合わせてスプライスして元に戻すことによって180°変えることができる。光を90°回転させる1/2波長板と同様に、PMファイバを90°スプライスすることによって、光を90°回転させることもできる。図3に、右手の法則に従う90°スプライスの偏光構成を示す。向きを−90°変えるようにファイバをスプライスすることによって、左手の法則を実現することもできる。
【0012】
図4に、ダブラデバイスを通って伝播する光の光路および偏光状態を示す。IOC 106の上側経路から出射する光の偏光方向は0°(反時計方向波)と仮定する。0°スプライス#1では、光は、0°偏光で維持される。次いで、光は、PMコンバイナ/スプリッタ110を交差して通過し、スプライス#3を通って出射する。#3の90°スプライスは、偏光を90°回転させる。この光は、ファイバコイル108およびスプライス#2を通って伝播し、90°の偏光方向は変化しない。この時点で、偏光方向は90°なので、光は、PMスプリッタを通過して通過し、再度スプライス#3で出射する。この光は、偏光方向が180°の状態で、2度目のファイバコイルの伝播を行う。この光がファイバコイルを出射するとき、光は、PMコンバイナ/スプリッタを交差して通過し、スプライス#4で、IOC 106の下側経路に向かって出射する。時計方向の波についての光の通過経路は、上記で説明した反時計方向の波に類似している。これら2つの波は、IOC 106の左側端部で再度合流するが、本発明によれば、各波は、ファイバコイル内を2回伝播している。
II.PMコンバイナ/スプリッタの測定
PMコンバイナ/スプリッタを取得して、その偏光性能を評価した。(英国デボン州Torquay所在の)SIFAM Fibre Optics社から2つのデバイスサンプルを取得した。表1および表2に、SIFAM社のPMコンバイナ/スプリッタのデータを示す。
【0013】
各サンプルについて、消光比および分離比の測定を実施した。消光比は、出力が最大の状態で同じ出力ポートから出射する誤った偏光の尺度である。分離比は、他の出力ポートにおける光漏れの尺度である。消光比測定では、入力ポート(例えば、A)に偏光が入射し、出力ポート(例えば、X)では、偏光子を介して測定が行われる。入射光および偏光子は、最大光出力が得られるように調整する。次いで、偏光子を90°回転させる。これら2つの結果の比から、消光比が決まる。異なる入力ポートおよび出力ポートに同じ手順を適用して、すべての消光比を取得する。
【0014】
SIFAMデバイスのサンプルの消光は良好であり、平均して約30dBである。この消光比は、PMスプリッタ/コンバイナによる偏光誤差を無視するのに十分に大きい。というのは、このPMファイバコイルの偏光誤差のほうが大きい、すなわち、消光比が小さい(4kmのファイバについての測定で17.8dB)からである。
【0015】
消光比を測定する同じ手順に従って、分離比を測定する。出射ポートにおける最大出力を取得した後で、光漏れについて他の出力ポートを測定する。これら2つの結果の比から、分離比が決まる。本発明で使用するのに適したPMコンバイナ/スプリッタの設計では、遅い軸が直進通過軸である。遅い軸に光が入射する場合、交差出射ポートよりも通過出射ポートにおける分離比が大きくなる。速い軸に光が入射する場合、交差出射ポートで光出力が最大になる。速い軸で分離比が小さくなると、通過出射ポートにおける漏れが大きくなる。すなわち、遅い軸の分離比は、速い軸の分離比よりも大きい。
【0016】
SIFAM社のPMコンバイナ/スプリッタの分離比の測定では、遅い軸と速い軸の差がより大きい。これは、使用するFLSの波長と、PMコンバイナ/スプリッタを製作する際の最適波長との差によるものと考えられる。典型的には、溶融タイプのPMコンバイナ/スプリッタは、研磨タイプと比べて、温度および湿度に対してより良好な安定性を示す。
【0017】
自由空間微小光学系を他の光学コンポーネントを組み合わせて使用してPMコンバイナ/スプリッタを製作し、それによってコンパクトな筐体を得ることもできることに留意されたい。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
III.試験台アセンブリ
図1に概略的に示す感知ループダブラを実証するために、試験台を組み立てた。FLS 102の平均波長は約1550nmであり、その帯域は29.4nmである。IOC 106のチャネル長は47mmである。PMファイバコイル108は、長さ約4kmのPMファイバを含む。このコイルの下はゴムマットとして振動を防いだ。このゴムマットは、下の金属プレートからの熱絶縁としても働いた。すべての光学コンポーネントを金属カバーで覆って空気の流れをなくし、それによって、これらの光学コンポーネントの温度を安定化させる助けとした。
【0020】
より具体的には、(第1実施形態の変形であり、スプライスがすべて90°である)図5を参照すると、PMコンバイナ/スプリッタ110をコイルファイバおよびIOC106のピグテールにスプライスする手順が示されている。まずポイント#1をスプライスし、その後、ポイント#2、#3、および#4をスプライスする。監視システムを使用してスプライスを良好に行い得る限り、これとは異なる順序を選択し得る。分離比が大きい(表1から29.2dB)ので、PMファイバコイル108に入射する前にIOCに戻る光漏れが制限される。このため、この直進通過漏れによって生じる干渉誤差が小さくなる。2番目の経路として感知ファイバに光が戻すルート付けされる構成が得られる限り、0°または90°の異なる組合せを用いることができるはずであることに留意されたい。すなわち、偏光状態が異なるために、光が感知ファイバを2度廻ってルート付けられるという結果が得られる限り、(例えば、図1の)90°スプライスは必ずしも、スプライス#3のところに配置する必要はなく、他の場所に配置し得るはずである。
【0021】
より具体的には、第1実施形態では、0°偏光は交差脚を通過し、90°偏光は同じ脚を通過して通過することになり(これは、90°スプライスの数が少ないので好ましい)、そのため、以下のスプライスが可能である。
【0022】
スプライス1、0°
スプライス2、0°
スプライス3、90°
スプライス4、0°
または、
スプライス1、0°
スプライス2、90°
スプライス3、0°
スプライス4、0°
PMコンバイナ/スプリッタの脚1および2を入れ替える(あるいは、脚3と4を入れ替える)と、下記のスプライスも可能である。
【0023】
スプライス1、90°
スプライス2、0°
スプライス3、90°
スプライス4、90°
または、
スプライス1、90°
スプライス2、90°
スプライス3、0°
スプライス4、90°
また、PMコンバイナ/スプリッタの場所は、(コイルとIOCの間の上記の場所で実施するのが比較的簡単であるが)ファイバコイル内の任意の場所とし得ることに留意されたい。同様に、スプライス2またはスプライス3のどちらかににおける90°スプライスの場所も、ファイバコイル内の任意の場所とし得る。
【0024】
コイルファイバ108およびIOC 106でPMコンバイナ/スプリッタ110をスプライスした後で、スプライス損失および消光(分離)比を測定した。測定から、コイルファイバ108の損失は5.12dBであり、その消光比は17.8dBであることが示された。2度目の通過のためにコイルファイバ108に入射する前に、偏光誤差により、光漏れがPMスプリッタを交差する。単一ループの漏れにはそれ自体のインターフェログラムがあり、これは、2重ループ構成のものと異なる。単一ループに沿った光漏れのほうが大きく、PMコンバイナ/スプリッタの消光比は小さい。コイルファイバにおける損失が大きいと、2重ループと単一ループの比が小さくなる。本発明による構成では、2重ループに比べて、単一ループの漏れの約5%の漏れがある。好都合には、この単一ループの漏れは、復調プロセスで相殺される。表3に、図5に示す構成についてのスプライス損失および消光比(分離比)を反映したデータを示す。
【0025】
【表3】
IV.試験
好ましい試験構成では、ホットプレートを使用して、光学コンポーネントの温度を制御する。一定ポンプ電流/一定温度コントローラとともに、光源コントローラを使用してFLS 102を制御する。関数発生器を使用して、IOC 106への変調信号を生成する。光検出器112からの出力は、ロックイン増幅器(LIA)に送出して復調処理を行う。次いで、データ取得システム(DAS)によって、このロックイン増幅器からデータを取得し、レート情報とともに保存する。
【0026】
単一ループ構成では、光検出器112で2Vの非変調信号を得るために、67mAのポンプ電流が必要とされる。最初のセットアップの後、まず、固有周波数を測定した。オシロスコープを使用して、光検出器112の出力を測定した。π/2方形波変調でIOC 106を駆動した。このバイアス変調に加えて、固有周波数変調(EFM)信号として、固有周波数測定値の64倍の正弦波を印加した。バイアス周波数(およびそれに従ってEFM周波数)を調整して、EFM周波数においてスペクトルアナライザで最小サイドローブを取得した。固有周波数は、約24.6kHzで測定された。
【0027】
固有周波数を測定した後で、バイアス測定に備えて、温度制御オーブン内で約2日間ジャイロを安定化させた。バイアスデータは、方形波をπ/2で変調したときに取得した。図6Aに、このバイアスデータを示す。図6Bに、ARWを約500マイクロ度/回転−時で計算したクラスタ分析を示す。バイアス安定性は、0.001度/時よりも良好であった。
【0028】
2重ループ構成では、2Vの非変調信号に達するのに必要とされるポンプ電流は、174mAであった。図7Aに、この場合も方形波をπ/2で変調したときのバイアス測定を示し、図7Bに、2重ループ構成についてのクラスタ分析を示す。ARWの計算値は、約300マイクロ度/回転−時になった。この値は、単一ループ構成と比較して約40%の改善である。得られたバイアス安定性は、予想よりも小さく、約0.003度/時であった。この不安定性は、PMコイルファイバ108の消光比が低いことによる単一ループの漏れに起因し得ると考えられる。この不安定性は、感知コイルの前に配置したPMコンバイナ/スプリッタ110の余分な長さにも起因し得る。
V.第2実施形態
図8および図9に、1対のPMコンバイナ/スプリッタを使用して、感知ループダブラを実現する本発明の第2実施形態を示す。ここでは、対称PMカプラ/スプリッタ構成が実現され、光は、各PMカプラ/スプリッタごとに2回、通過脚および交差脚を伝播する。こうすると、より釣合いのとれた構成が得られる。
【0029】
第2実施形態による対称構成で可能なスプライス構成には、以下のものが含まれる。
【0030】
0°偏光は交差脚を通過し、90°偏光は同じ脚を通過して通過することになる(これは、90°スプライスの数が少ないので好ましい)ので、以下のスプライス配列が可能である。
【0031】
スプライス1、0°
スプライス2、0°
スプライス3、90°
スプライス4、0°
スプライス5、0°
または、
スプライス1、0°
スプライス2、90°
スプライス3、0°
スプライス4、0°
スプライス5、0°
PMコンバイナ/スプリッタの脚1および2を入れ替える(あるいは、脚3と4を入れ替える)場合、好ましくは、スプライス1およびスプライス4はともに90°スプライスであり、スプライス5は0°スプライス、スプライス3またはスプライス4は90°スプライスである。
【0032】
スプライス2(またはスプライス3)がPMコンバイナ/スプリッタの他の脚につながる場合には、スプライス2およびスプライス3は0°スプライスであり、スプライス5は90°スプライス、スプライス1(またはスプライス4)は90°スプライスである。
VI.第3実施形態
図10〜図12に、本発明の第3実施形態を示す。ここでは、1つまたは複数のPMコンバイナ/スプリッタを使用する代わりに、例えばバルク光学系を使用して実施し得る偏光ビームスプリッタを使用して、感知ループ伝播による倍増を実現することができる。あるいは、偏光ビームスプリッタは、とりわけサーキュレータ、カプラ、またはIOCなどの他のコンポーネントを集積し得る微小光学系技術を利用して実施し得るはずである。
【0033】
図10Aおよび図10Bを参照すると、偏光ビームスプリッタの機能は、PMコンバイナ/スプリッタに類似している。この機能により、一方の偏光状態はスプリッタを通過させ、他方の直交する偏光状態は、内部全反射により界面で反射させることができる。
【0034】
この偏光ビームスプリッタは、屈折率が異なる2種類の光学材料を使用して作製し得る。この屈折率は、界面における45°入射光の一方の偏光が通過し、他方が界面で反射するように選択する。
【0035】
図11および図12に、図1および図4に示すように単一のPMコンバイナ/スプリッタを備える本発明の第1実施形態のものと同じ全体構成で、どのように偏光ビームスプリッタを使用し得るかを示す。
【0036】
上記のことに鑑みて、本発明によれば、IFOGのLD積を物理的に大きくすることなく、IFOGの感度を上げることが可能であることが当業者には理解されよう。あるいは、本発明によれば、従来型IFOGデバイスのLD積を半分にし、依然として同じ性能の感度を維持することが可能である。
【0037】
さらに、本発明は、低コスト・低精度のジャイロおよび高コスト・高精度のジャイロにともに利用することができる。したがって、ある種の実施形態では、サーキュレータおよび/またはIOCをなくすことができる。また、本発明は、リング干渉計を使用する任意のタイプのセンサに適用可能であるとみなすべきである。すなわち、本発明は、IFOGデバイスに限定されるものではない。
【0038】
また、先に述べたように、サーキュレータ104の代わりに、高度に集積化された多機能光−光デバイスの一部であるファイバカプラまたは自由空間微小光学ビームスプリッタなど、光波を合成または分割する任意のデバイスを使用することができる。同様に、IOC 106の代わりに、光ファイバカプラ、またはおそらくは微小光学デバイスも使用し得るはずである。
【0039】
本発明の好ましい実施形態の上記開示は、例示し説明するために提示したものである。上記開示は、網羅的なものでもなく、本発明をここで開示した厳密な形態に限定するためのものでもない。上記開示に照らして、本明細書で説明した実施形態の多くの変形形態および改変形態が当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ定義される。
【0040】
さらに、本発明の代表的な実施形態を説明する際に、本明細書では、特定の順序のステップとして本発明の方法および/またはプロセスを提示した。しかし、これらの方法またはプロセスが本明細書で述べた特定の順序のステップに依拠しない限り、これらの方法またはプロセスは、ここで説明した特定の順序のステップに限定されるべきではない。当業者には理解されるように、他の順序のステップも可能なことがある。したがって、本発明で述べたステップの特定の順序が、特許請求の範囲を限定すると解釈すべきではない。さらに、本発明の方法および/またはプロセスを対象とする特許請求の範囲は、記載された順序でこれらのステップが実施されるものであると限定されるべきではなく、これらの順序は、変更することができ、依然として本発明の趣旨および範囲に含まれることが当業者には容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるIFOG感知ループダブラの第1実施形態の概略図である。
【図2】本発明によるPMコンバイナ/スプリッタの偏光構成を示す図である。
【図3】PMファイバにおける90°スプライスの偏光構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるダブラデバイスを通って伝播する光の光路および偏光状態を示す図である。
【図5】実験を実施した第1実施形態の変形のスプライシング構成を示す図である。
【図6A】8秒間隔でデータを取得した、単一ループ構成についてのバイアス測定を示す図である。
【図6B】8秒間隔でデータを取得した、単一ループ構成についてのクラスタ分析を示す図である。
【図7A】1秒間隔でデータを取得した、本発明による2重ループ構成についてのバイアス測定を示す図である。
【図7B】1秒間隔でデータを取得した、本発明による2重ループ構成についてのクラスタ分析を示す図である。
【図8】本発明による2つのPMコンバイナ/スプリッタを含む第2実施形態を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態のダブラを通って伝播する光の光路および偏光状態を示す図である。
【図10A】本発明の第3実施形態による、PMコンバイナ/スプリッタの代わりに使用し得る偏光ビームスプリッタを示す図である。
【図10B】本発明の第3実施形態による、PMコンバイナ/スプリッタの代わりに使用し得る偏光ビームスプリッタを示す図である。
【図11】本発明による第1実施形態のものと同じ全体構成で、偏光ビームスプリッタを使用する方法を示す図である。
【図12】本発明による第1実施形態のものと同じ全体構成で、偏光ビームスプリッタを使用する方法を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)に関する。より詳細には、本発明は、ファイバコイル長およびループ直径が同じIFOGに比べて、感度が2倍になり、角度の酔歩(ARW)が減少し、バイアス安定性が向上したIFOGに関する。本発明は、従来型IFOGとジャイロ性能は同じだが、従来型デバイスの半分のファイバコイル長しか使用しないIFOGにも関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、干渉方式光ファイバジャイロスコープ(IFOG)では、光ファイバは、円形またはループ形状に巻かれ、回転の存在下で、2つの互いに反対方向に伝播する波について、サニャック位相差を検出する感知デバイスとして働く。主に、巻かれたファイバ感知コイルの長さと直径の積(LD積)により、大部分、ジャイロスコープの感度が決まる。一般に、LD積が大きいほど、デバイスの感度および安定性が高くなり、ランダムノイズが減少する。しかし、(LD積をより大きくするために)ファイバ長をより長くするか、あるいはループ直径をより大きくすることに起因してコイルの体積が大きくなると、特に、リングレーザジャイロスコープ(RLG)または半球形共振ジャイロスコープ(HRG)などの他の技術と比べたときに、ジャイロスコープデバイスに必要とされる筐体がますます大きくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、寸法を物理的に大きくすることによってLD積を大きくせずにIFOGデバイスの性能を改善するか、あるいは、ほぼ半分のファイバコイル長で所与のIFOGデバイスの性能を維持することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、2つの直交偏光状態でそれぞれ1回ずつ、ファイバコイル内で光をルート付ける新しい技術に基づいている。好ましくは、伝播する光の偏光状態は、偏光保存(PM)コンバイナ/スプリッタによって制御される。この技術では、同じファイバコイル長で、感度が2倍になり、角度の酔歩(ARW)およびバイアス不安定性が低減されるか、あるいは、半分のファイバコイル長しか使用せずに、所与のIFOGのジャイロの性能が維持される。
【0005】
より具体的には、偏光保存コンバイナ/スプリッタを使用して、ファイバコイルに入射し、ファイバコイルから出射する光の1つの偏光状態だけを結合する。ファイバ内を伝播する光は、PMファイバコイルに90度スプライスを使用することによって、それを1回通過した後で90度回転する。次いで、この光は、コイルの2度目の通過のために、PMコンバイナ/スプリッタを介してファイバコイルに戻される。2度目の通過の後で、この光は、再度90度回転して元の偏光状態に戻り、PMコンバイナ/スプリッタを通過し、集積光学系チップ(IOC)などの位相変調器に結合される。上記機能を実現するために、PMコンバイナ/スプリッタを使用する少なくとも2つの実施形態を実施し得る。一方の実施形態では、PMコンバイナ/スプリッタおよび90°スプライスをそれぞれ1つしか使用しない。第2実施形態では、2つのPMコンバイナ/スプリッタおよび1つの90°スプライスを使用する。第1実施形態は、比較的簡単なものであり、必要とする光回路の変更は最小限である。第2実施形態は、対称性がより高いものであり、PMコンバイナ/スプリッタのドリフトの影響を受けない。この理由は、光は各PMコンバイナ/スプリッタの交差脚および通過脚のいずれに沿っても1回伝播するからである。
【0006】
第3実施形態は、PMコンバイナ/スプリッタによるものではなく、代わりに、例えばバルク光学系を使用して実施し得る偏光ビームスプリッタによるものである。
【0007】
本発明の実施形態では、まず基準線となる性能を確立するために、単一感知ループを備えたIFOG試験台を組み立てた。固有周波数は24.6kHzで測定され、バイアスデータは、ARWが約500マイクロ度/回転−時の状態で取得した。次いで、偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタを組み込み、少なくとも1つの90°スプライスを適用して、速い軸および遅い軸の光を方向変更することによって倍増感知ループが実現されるように、本発明の第1実施形態に従ってこの試験台を改変した。速い軸および遅い軸は、PMファイバの2つの主軸であり、屈折率がより小さい(より大きい)速い(遅い)軸では、光は、より速く(より遅く)伝播する。感知ループを2回通過することは、単一ループ構成の固有周波数の半分である約12.3kHzで測定された固有周波数によって検証した。すなわち、2重感知ループ構成では、ループ通過時間(集積光学系チップ(IOC)の一方の側から、ファイバコイルを通って、IOCの他方の側に光が伝播する時間)は倍になる。バイアスデータは、ARWが約300マイクロ度/回転−時の状態で測定した。そのため、ARWのこの結果は、単一ループARW測定値と比べて、約40%の改善を示す。50%の理論改善値との差は、ファイバを2度通過するために熱位相ノイズが大きくなるためである。
【0008】
添付の図面と併せて以下の詳細な説明から、本発明のより徹底した理解が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、4つの節で本発明の詳細な説明を述べる。第I節で、感知ダブラの構造を説明する。第II節に、典型的な溶融タイプのPMコンバイナ/スプリッタの測定値を示す。第III節で、光学試験台アセンブリを説明する。第IV節で、感知ループダブラのテスト結果および単一ループ構成との比較を論じる。最後に、第V節で、本発明の第2実施形態を説明する。
I.感知ループダブラの構造
本発明による、感知ループ(したがって、LD積)を効果的に2倍にする1つのやり方は、光がPMファイバ内を2つの直交する状態でそれぞれ1回ずつ伝播するように、伝播する光の偏光状態を管理することである。図1に、IFOG感知ループダブラデバイスの例の構成を示す。この構成は、速い軸または遅い軸に光を方向変更するために、少なくとも1つの90°スプライスに加えて、追加のPMコンバイナ/スプリッタ110を含める点で、単一ループ構成と異なる。PMコンバイナ/スプリッタ110の機能は、特定の出力ポートに入る光の偏光を制御することである。ファイバ光源(FLS)102は、サーキュレータ(または、50/50カプラ)104に光を提供する。次いで、集積光学系チップ(IOC)(または、50/50カプラ)106は、この光を2つの互いに反対方向に伝播する波に分割し、これらの光は、ファイバコイル108を通って伝播する。これらの互いに反対方向に伝播する波がファイバコイル108から再度出射した後で、これらの波は、IOC 106の左端で干渉し、再度サーキュレータ104を通って逆に伝播し、出射してフォトダイオード112に至る。IOC電極106a〜106dによって適切な変調を施すことにより、当技術分野でよく知られているように、フォトダイオード112からの信号が復調され、それによって、固有周波数および回転レートを検出することができる。
【0010】
単一感知ループ構成では、本発明の好ましい構成にはある偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタ110がない。従来型の感知ループでは、互いに反対方向に伝播する波は、ファイバコイルを1回だけ通過し、IOCを通って出射する。PMコンバイナ/スプリッタ110を追加することによって、入射光の偏光に基づいて、光の交差出射および通過出射を制御することが可能になる。好ましい実施形態では、PMコンバイナ/スプリッタ110は、2本のPMファイバを合わせて溶融することによって作製することができる。あるいは、PMコンバイナ/スプリッタ110は、研磨した後で2本のファイバを互いに押し付けることによって作製することもできるし、自由空間微小光学系を使用して作製することもできる。図2に示すように、PMコンバイナ/スプリッタ110の構成に応じて、偏光方向が0°の入射光は、PMコンバイナ/スプリッタ110を交差して(通過して)通過することになり、90°の偏光入射光は、PMコンバイナ/スプリッタを通過して(交差して)通過することになる。
【0011】
PMファイバ内を伝播する光の偏光は、スプライシング技術によって変えることができる。例えば、光の偏光は、ファイバを破断し、180°で合わせてスプライスして元に戻すことによって180°変えることができる。光を90°回転させる1/2波長板と同様に、PMファイバを90°スプライスすることによって、光を90°回転させることもできる。図3に、右手の法則に従う90°スプライスの偏光構成を示す。向きを−90°変えるようにファイバをスプライスすることによって、左手の法則を実現することもできる。
【0012】
図4に、ダブラデバイスを通って伝播する光の光路および偏光状態を示す。IOC 106の上側経路から出射する光の偏光方向は0°(反時計方向波)と仮定する。0°スプライス#1では、光は、0°偏光で維持される。次いで、光は、PMコンバイナ/スプリッタ110を交差して通過し、スプライス#3を通って出射する。#3の90°スプライスは、偏光を90°回転させる。この光は、ファイバコイル108およびスプライス#2を通って伝播し、90°の偏光方向は変化しない。この時点で、偏光方向は90°なので、光は、PMスプリッタを通過して通過し、再度スプライス#3で出射する。この光は、偏光方向が180°の状態で、2度目のファイバコイルの伝播を行う。この光がファイバコイルを出射するとき、光は、PMコンバイナ/スプリッタを交差して通過し、スプライス#4で、IOC 106の下側経路に向かって出射する。時計方向の波についての光の通過経路は、上記で説明した反時計方向の波に類似している。これら2つの波は、IOC 106の左側端部で再度合流するが、本発明によれば、各波は、ファイバコイル内を2回伝播している。
II.PMコンバイナ/スプリッタの測定
PMコンバイナ/スプリッタを取得して、その偏光性能を評価した。(英国デボン州Torquay所在の)SIFAM Fibre Optics社から2つのデバイスサンプルを取得した。表1および表2に、SIFAM社のPMコンバイナ/スプリッタのデータを示す。
【0013】
各サンプルについて、消光比および分離比の測定を実施した。消光比は、出力が最大の状態で同じ出力ポートから出射する誤った偏光の尺度である。分離比は、他の出力ポートにおける光漏れの尺度である。消光比測定では、入力ポート(例えば、A)に偏光が入射し、出力ポート(例えば、X)では、偏光子を介して測定が行われる。入射光および偏光子は、最大光出力が得られるように調整する。次いで、偏光子を90°回転させる。これら2つの結果の比から、消光比が決まる。異なる入力ポートおよび出力ポートに同じ手順を適用して、すべての消光比を取得する。
【0014】
SIFAMデバイスのサンプルの消光は良好であり、平均して約30dBである。この消光比は、PMスプリッタ/コンバイナによる偏光誤差を無視するのに十分に大きい。というのは、このPMファイバコイルの偏光誤差のほうが大きい、すなわち、消光比が小さい(4kmのファイバについての測定で17.8dB)からである。
【0015】
消光比を測定する同じ手順に従って、分離比を測定する。出射ポートにおける最大出力を取得した後で、光漏れについて他の出力ポートを測定する。これら2つの結果の比から、分離比が決まる。本発明で使用するのに適したPMコンバイナ/スプリッタの設計では、遅い軸が直進通過軸である。遅い軸に光が入射する場合、交差出射ポートよりも通過出射ポートにおける分離比が大きくなる。速い軸に光が入射する場合、交差出射ポートで光出力が最大になる。速い軸で分離比が小さくなると、通過出射ポートにおける漏れが大きくなる。すなわち、遅い軸の分離比は、速い軸の分離比よりも大きい。
【0016】
SIFAM社のPMコンバイナ/スプリッタの分離比の測定では、遅い軸と速い軸の差がより大きい。これは、使用するFLSの波長と、PMコンバイナ/スプリッタを製作する際の最適波長との差によるものと考えられる。典型的には、溶融タイプのPMコンバイナ/スプリッタは、研磨タイプと比べて、温度および湿度に対してより良好な安定性を示す。
【0017】
自由空間微小光学系を他の光学コンポーネントを組み合わせて使用してPMコンバイナ/スプリッタを製作し、それによってコンパクトな筐体を得ることもできることに留意されたい。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
III.試験台アセンブリ
図1に概略的に示す感知ループダブラを実証するために、試験台を組み立てた。FLS 102の平均波長は約1550nmであり、その帯域は29.4nmである。IOC 106のチャネル長は47mmである。PMファイバコイル108は、長さ約4kmのPMファイバを含む。このコイルの下はゴムマットとして振動を防いだ。このゴムマットは、下の金属プレートからの熱絶縁としても働いた。すべての光学コンポーネントを金属カバーで覆って空気の流れをなくし、それによって、これらの光学コンポーネントの温度を安定化させる助けとした。
【0020】
より具体的には、(第1実施形態の変形であり、スプライスがすべて90°である)図5を参照すると、PMコンバイナ/スプリッタ110をコイルファイバおよびIOC106のピグテールにスプライスする手順が示されている。まずポイント#1をスプライスし、その後、ポイント#2、#3、および#4をスプライスする。監視システムを使用してスプライスを良好に行い得る限り、これとは異なる順序を選択し得る。分離比が大きい(表1から29.2dB)ので、PMファイバコイル108に入射する前にIOCに戻る光漏れが制限される。このため、この直進通過漏れによって生じる干渉誤差が小さくなる。2番目の経路として感知ファイバに光が戻すルート付けされる構成が得られる限り、0°または90°の異なる組合せを用いることができるはずであることに留意されたい。すなわち、偏光状態が異なるために、光が感知ファイバを2度廻ってルート付けられるという結果が得られる限り、(例えば、図1の)90°スプライスは必ずしも、スプライス#3のところに配置する必要はなく、他の場所に配置し得るはずである。
【0021】
より具体的には、第1実施形態では、0°偏光は交差脚を通過し、90°偏光は同じ脚を通過して通過することになり(これは、90°スプライスの数が少ないので好ましい)、そのため、以下のスプライスが可能である。
【0022】
スプライス1、0°
スプライス2、0°
スプライス3、90°
スプライス4、0°
または、
スプライス1、0°
スプライス2、90°
スプライス3、0°
スプライス4、0°
PMコンバイナ/スプリッタの脚1および2を入れ替える(あるいは、脚3と4を入れ替える)と、下記のスプライスも可能である。
【0023】
スプライス1、90°
スプライス2、0°
スプライス3、90°
スプライス4、90°
または、
スプライス1、90°
スプライス2、90°
スプライス3、0°
スプライス4、90°
また、PMコンバイナ/スプリッタの場所は、(コイルとIOCの間の上記の場所で実施するのが比較的簡単であるが)ファイバコイル内の任意の場所とし得ることに留意されたい。同様に、スプライス2またはスプライス3のどちらかににおける90°スプライスの場所も、ファイバコイル内の任意の場所とし得る。
【0024】
コイルファイバ108およびIOC 106でPMコンバイナ/スプリッタ110をスプライスした後で、スプライス損失および消光(分離)比を測定した。測定から、コイルファイバ108の損失は5.12dBであり、その消光比は17.8dBであることが示された。2度目の通過のためにコイルファイバ108に入射する前に、偏光誤差により、光漏れがPMスプリッタを交差する。単一ループの漏れにはそれ自体のインターフェログラムがあり、これは、2重ループ構成のものと異なる。単一ループに沿った光漏れのほうが大きく、PMコンバイナ/スプリッタの消光比は小さい。コイルファイバにおける損失が大きいと、2重ループと単一ループの比が小さくなる。本発明による構成では、2重ループに比べて、単一ループの漏れの約5%の漏れがある。好都合には、この単一ループの漏れは、復調プロセスで相殺される。表3に、図5に示す構成についてのスプライス損失および消光比(分離比)を反映したデータを示す。
【0025】
【表3】
IV.試験
好ましい試験構成では、ホットプレートを使用して、光学コンポーネントの温度を制御する。一定ポンプ電流/一定温度コントローラとともに、光源コントローラを使用してFLS 102を制御する。関数発生器を使用して、IOC 106への変調信号を生成する。光検出器112からの出力は、ロックイン増幅器(LIA)に送出して復調処理を行う。次いで、データ取得システム(DAS)によって、このロックイン増幅器からデータを取得し、レート情報とともに保存する。
【0026】
単一ループ構成では、光検出器112で2Vの非変調信号を得るために、67mAのポンプ電流が必要とされる。最初のセットアップの後、まず、固有周波数を測定した。オシロスコープを使用して、光検出器112の出力を測定した。π/2方形波変調でIOC 106を駆動した。このバイアス変調に加えて、固有周波数変調(EFM)信号として、固有周波数測定値の64倍の正弦波を印加した。バイアス周波数(およびそれに従ってEFM周波数)を調整して、EFM周波数においてスペクトルアナライザで最小サイドローブを取得した。固有周波数は、約24.6kHzで測定された。
【0027】
固有周波数を測定した後で、バイアス測定に備えて、温度制御オーブン内で約2日間ジャイロを安定化させた。バイアスデータは、方形波をπ/2で変調したときに取得した。図6Aに、このバイアスデータを示す。図6Bに、ARWを約500マイクロ度/回転−時で計算したクラスタ分析を示す。バイアス安定性は、0.001度/時よりも良好であった。
【0028】
2重ループ構成では、2Vの非変調信号に達するのに必要とされるポンプ電流は、174mAであった。図7Aに、この場合も方形波をπ/2で変調したときのバイアス測定を示し、図7Bに、2重ループ構成についてのクラスタ分析を示す。ARWの計算値は、約300マイクロ度/回転−時になった。この値は、単一ループ構成と比較して約40%の改善である。得られたバイアス安定性は、予想よりも小さく、約0.003度/時であった。この不安定性は、PMコイルファイバ108の消光比が低いことによる単一ループの漏れに起因し得ると考えられる。この不安定性は、感知コイルの前に配置したPMコンバイナ/スプリッタ110の余分な長さにも起因し得る。
V.第2実施形態
図8および図9に、1対のPMコンバイナ/スプリッタを使用して、感知ループダブラを実現する本発明の第2実施形態を示す。ここでは、対称PMカプラ/スプリッタ構成が実現され、光は、各PMカプラ/スプリッタごとに2回、通過脚および交差脚を伝播する。こうすると、より釣合いのとれた構成が得られる。
【0029】
第2実施形態による対称構成で可能なスプライス構成には、以下のものが含まれる。
【0030】
0°偏光は交差脚を通過し、90°偏光は同じ脚を通過して通過することになる(これは、90°スプライスの数が少ないので好ましい)ので、以下のスプライス配列が可能である。
【0031】
スプライス1、0°
スプライス2、0°
スプライス3、90°
スプライス4、0°
スプライス5、0°
または、
スプライス1、0°
スプライス2、90°
スプライス3、0°
スプライス4、0°
スプライス5、0°
PMコンバイナ/スプリッタの脚1および2を入れ替える(あるいは、脚3と4を入れ替える)場合、好ましくは、スプライス1およびスプライス4はともに90°スプライスであり、スプライス5は0°スプライス、スプライス3またはスプライス4は90°スプライスである。
【0032】
スプライス2(またはスプライス3)がPMコンバイナ/スプリッタの他の脚につながる場合には、スプライス2およびスプライス3は0°スプライスであり、スプライス5は90°スプライス、スプライス1(またはスプライス4)は90°スプライスである。
VI.第3実施形態
図10〜図12に、本発明の第3実施形態を示す。ここでは、1つまたは複数のPMコンバイナ/スプリッタを使用する代わりに、例えばバルク光学系を使用して実施し得る偏光ビームスプリッタを使用して、感知ループ伝播による倍増を実現することができる。あるいは、偏光ビームスプリッタは、とりわけサーキュレータ、カプラ、またはIOCなどの他のコンポーネントを集積し得る微小光学系技術を利用して実施し得るはずである。
【0033】
図10Aおよび図10Bを参照すると、偏光ビームスプリッタの機能は、PMコンバイナ/スプリッタに類似している。この機能により、一方の偏光状態はスプリッタを通過させ、他方の直交する偏光状態は、内部全反射により界面で反射させることができる。
【0034】
この偏光ビームスプリッタは、屈折率が異なる2種類の光学材料を使用して作製し得る。この屈折率は、界面における45°入射光の一方の偏光が通過し、他方が界面で反射するように選択する。
【0035】
図11および図12に、図1および図4に示すように単一のPMコンバイナ/スプリッタを備える本発明の第1実施形態のものと同じ全体構成で、どのように偏光ビームスプリッタを使用し得るかを示す。
【0036】
上記のことに鑑みて、本発明によれば、IFOGのLD積を物理的に大きくすることなく、IFOGの感度を上げることが可能であることが当業者には理解されよう。あるいは、本発明によれば、従来型IFOGデバイスのLD積を半分にし、依然として同じ性能の感度を維持することが可能である。
【0037】
さらに、本発明は、低コスト・低精度のジャイロおよび高コスト・高精度のジャイロにともに利用することができる。したがって、ある種の実施形態では、サーキュレータおよび/またはIOCをなくすことができる。また、本発明は、リング干渉計を使用する任意のタイプのセンサに適用可能であるとみなすべきである。すなわち、本発明は、IFOGデバイスに限定されるものではない。
【0038】
また、先に述べたように、サーキュレータ104の代わりに、高度に集積化された多機能光−光デバイスの一部であるファイバカプラまたは自由空間微小光学ビームスプリッタなど、光波を合成または分割する任意のデバイスを使用することができる。同様に、IOC 106の代わりに、光ファイバカプラ、またはおそらくは微小光学デバイスも使用し得るはずである。
【0039】
本発明の好ましい実施形態の上記開示は、例示し説明するために提示したものである。上記開示は、網羅的なものでもなく、本発明をここで開示した厳密な形態に限定するためのものでもない。上記開示に照らして、本明細書で説明した実施形態の多くの変形形態および改変形態が当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ定義される。
【0040】
さらに、本発明の代表的な実施形態を説明する際に、本明細書では、特定の順序のステップとして本発明の方法および/またはプロセスを提示した。しかし、これらの方法またはプロセスが本明細書で述べた特定の順序のステップに依拠しない限り、これらの方法またはプロセスは、ここで説明した特定の順序のステップに限定されるべきではない。当業者には理解されるように、他の順序のステップも可能なことがある。したがって、本発明で述べたステップの特定の順序が、特許請求の範囲を限定すると解釈すべきではない。さらに、本発明の方法および/またはプロセスを対象とする特許請求の範囲は、記載された順序でこれらのステップが実施されるものであると限定されるべきではなく、これらの順序は、変更することができ、依然として本発明の趣旨および範囲に含まれることが当業者には容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるIFOG感知ループダブラの第1実施形態の概略図である。
【図2】本発明によるPMコンバイナ/スプリッタの偏光構成を示す図である。
【図3】PMファイバにおける90°スプライスの偏光構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるダブラデバイスを通って伝播する光の光路および偏光状態を示す図である。
【図5】実験を実施した第1実施形態の変形のスプライシング構成を示す図である。
【図6A】8秒間隔でデータを取得した、単一ループ構成についてのバイアス測定を示す図である。
【図6B】8秒間隔でデータを取得した、単一ループ構成についてのクラスタ分析を示す図である。
【図7A】1秒間隔でデータを取得した、本発明による2重ループ構成についてのバイアス測定を示す図である。
【図7B】1秒間隔でデータを取得した、本発明による2重ループ構成についてのクラスタ分析を示す図である。
【図8】本発明による2つのPMコンバイナ/スプリッタを含む第2実施形態を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態のダブラを通って伝播する光の光路および偏光状態を示す図である。
【図10A】本発明の第3実施形態による、PMコンバイナ/スプリッタの代わりに使用し得る偏光ビームスプリッタを示す図である。
【図10B】本発明の第3実施形態による、PMコンバイナ/スプリッタの代わりに使用し得る偏光ビームスプリッタを示す図である。
【図11】本発明による第1実施形態のものと同じ全体構成で、偏光ビームスプリッタを使用する方法を示す図である。
【図12】本発明による第1実施形態のものと同じ全体構成で、偏光ビームスプリッタを使用する方法を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
2つの端部を有し、これら2つの端部にはそれぞれ、前記光源から光が供給されるファイバコイルと、
コンバイナ/スプリッタとを備え、前記コンバイナ/スプリッタは、(i)少なくとも1つのスプライスが、前記スプライスを横切って伝播する光の偏光状態を変える90°スプライスであり、(ii)前記ファイバコイルに入射する光が、それぞれ異なる偏光状態で前記コイルを2度横切るように、前記ファイバコイルのファイバにスプライスされる、光ファイバリング干渉計。
【請求項2】
サーキュレータをさらに備える、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項3】
前記サーキュレータと光学的に通信するフォトダイオードをさらに備える、請求項2に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項4】
前記光源からの光を、それぞれ変調し得る2つの経路に分割し得る集積光学系チップ(IOC)をさらに備え、前記IOCはさらに、前記光源に向かう方向に光が伝播するときに、前記2つの経路のそれぞれからの光を合成することができる、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項5】
前記ファイバコイルは、偏波保存ファイバを含む、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項6】
前記コンバイナ/スプリッタは、偏波保存ファイバを含む、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項7】
干渉方式光ファイバジャイロである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項8】
前記光源は、ファイバ光源を含む、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項9】
前記ファイバコイルの長さは約4kmである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項10】
前記コンバイナ/スプリッタは、溶融タイプおよび研磨タイプの一方である、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項11】
前記コンバイナ/スプリッタの消光比は、少なくとも30dBである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項12】
前記コンバイナ/スプリッタの分離比は、少なくとも10dBである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項13】
光は、前記光源に向かう方向に戻る前に、前記コンバイナ/スプリッタを通過し、前記ファイバコイルを廻り、前記コンバイナ/スプリッタを交差して伝播する、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項14】
光ファイバジャイロスコープ(FOG)の長さと径の(LD)積を2倍にするデバイスであって、
偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタが、前記FOGのファイバループと集積光学系チップ(IOC)の間に配設され、前記PMコンバイナ/スプリッタは、溶融タイプおよび研磨タイプの一方であり、かつ4つの接続ポイントを有し、前記接続ポイントの2つは、前記ファイバループのそれぞれの端部に接続され、前記接続ポイントの別の2つは、前記IOCによって画定されたそれぞれの光路に接続される、デバイス。
【請求項15】
前記接続ポイントは、スプライスによって接続される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記スプライスの少なくとも1つは、入射光の偏光を90°回転させるように配列される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記IOCによって画定された前記経路の1つに沿って放出された光は、前記ファイバループを廻って2度伝播し、2度目は、前記PMコンバイナ/スプリッタによって前記光が前記ファイバループに導かれる、請求項14に記載のデバイス。
【請求項18】
前記PMコンバイナ/スプリッタの消光比は、少なくとも30dBである、請求項14に記載のデバイス。
【請求項19】
前記PMコンバイナ/スプリッタの分離比は、少なくとも10dBである、請求項14に記載のデバイス。
【請求項20】
光源と、
前記光源およびフォトダイオードと光通信するサーキュレータと、
前記サーキュレータから放出された光を、それぞれ変調し得る2つの経路に分割でき、さらに前記サーキュレータに向かう方向に光が伝播するときに、前記2つの経路のそれぞれからの光を合成することができる集積光学系チップ(IOC)と、
ファイバコイルと、
前記IOCと前記ファイバコイルの間に配設され、前記IOCと前記ファイバコイルと光通信し、前記IOCおよびファイバコイルに接続するための接続ポイントを含む偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタと、
を備える光デバイスの長さと直径の(LD)積を2倍にする装置。
【請求項21】
前記接続ポイントは、スプライスによって前記IOCおよびファイバループに接続される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記スプライスの少なくとも1つは、入射光の偏光を90°回転させるように構成される、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記IOCによって画定された前記経路の1つに沿って放出された光は、前記ファイバループを廻って2度伝播し、2度目は、前記PMコンバイナ/スプリッタによって前記光が前記ファイバループに導かれる、請求項20に記載のデバイス。
【請求項24】
前記PMコンバイナ/スプリッタの消光比は、少なくとも30dBである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項25】
前記PMコンバイナ/スプリッタの分離比は、少なくとも10dBである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項26】
光源と、
前記光源およびフォトダイオードと光通信するサーキュレータと、
前記サーキュレータから放出された光を、それぞれ変調し得る2つの経路に分割でき、さらに前記サーキュレータに向かう方向に光が伝播するときに、前記2つの経路のそれぞれからの光を合成することができる集積光学系チップ(IOC)と、
ファイバコイルと、
前記IOCと前記ファイバコイルの間に対称に配設され、前記IOCと前記ファイバコイルと光通信する1対の偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタと、
を備える、光デバイスの長さと直径の(LD)積を2倍にする装置。
【請求項27】
前記PMコンバイナ/スプリッタは、前記IOCとファイバコイルの間でスプライスされる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記スプライスの少なくとも1つは、入射光の偏光を90°回転させるように配列される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記IOCによって画定された前記経路の1つに沿って放出された光は、前記ファイバループを廻って2度伝播し、2度目は、前記1対のPMコンバイナ/スプリッタによって前記光が前記ファイバループに導かれる、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
光を提供する手段と、
感知ループに向かって前記光を通過させ、前記感知ループから戻る光を抽出する手段と、
通過させ抽出する前記手段に戻る前に、前記光に前記感知ループを2度横切らせる手段とを備える、光ファイバリング干渉計。
【請求項31】
干渉方式光ファイバジャイロである、光ファイバリング干渉計。
【請求項32】
光に前記感知ループを2度横切らせる前記手段は、PMコンバイナ/スプリッタを含む、光ファイバリング干渉計。
【請求項33】
光に前記感知ループを2度横切らせる前記手段は、偏光ビームスプリッタを含む、光ファイバリング干渉計。
【請求項1】
光源と、
2つの端部を有し、これら2つの端部にはそれぞれ、前記光源から光が供給されるファイバコイルと、
コンバイナ/スプリッタとを備え、前記コンバイナ/スプリッタは、(i)少なくとも1つのスプライスが、前記スプライスを横切って伝播する光の偏光状態を変える90°スプライスであり、(ii)前記ファイバコイルに入射する光が、それぞれ異なる偏光状態で前記コイルを2度横切るように、前記ファイバコイルのファイバにスプライスされる、光ファイバリング干渉計。
【請求項2】
サーキュレータをさらに備える、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項3】
前記サーキュレータと光学的に通信するフォトダイオードをさらに備える、請求項2に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項4】
前記光源からの光を、それぞれ変調し得る2つの経路に分割し得る集積光学系チップ(IOC)をさらに備え、前記IOCはさらに、前記光源に向かう方向に光が伝播するときに、前記2つの経路のそれぞれからの光を合成することができる、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項5】
前記ファイバコイルは、偏波保存ファイバを含む、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項6】
前記コンバイナ/スプリッタは、偏波保存ファイバを含む、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項7】
干渉方式光ファイバジャイロである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項8】
前記光源は、ファイバ光源を含む、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項9】
前記ファイバコイルの長さは約4kmである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項10】
前記コンバイナ/スプリッタは、溶融タイプおよび研磨タイプの一方である、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項11】
前記コンバイナ/スプリッタの消光比は、少なくとも30dBである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項12】
前記コンバイナ/スプリッタの分離比は、少なくとも10dBである、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項13】
光は、前記光源に向かう方向に戻る前に、前記コンバイナ/スプリッタを通過し、前記ファイバコイルを廻り、前記コンバイナ/スプリッタを交差して伝播する、請求項1に記載の光ファイバリング干渉計。
【請求項14】
光ファイバジャイロスコープ(FOG)の長さと径の(LD)積を2倍にするデバイスであって、
偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタが、前記FOGのファイバループと集積光学系チップ(IOC)の間に配設され、前記PMコンバイナ/スプリッタは、溶融タイプおよび研磨タイプの一方であり、かつ4つの接続ポイントを有し、前記接続ポイントの2つは、前記ファイバループのそれぞれの端部に接続され、前記接続ポイントの別の2つは、前記IOCによって画定されたそれぞれの光路に接続される、デバイス。
【請求項15】
前記接続ポイントは、スプライスによって接続される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記スプライスの少なくとも1つは、入射光の偏光を90°回転させるように配列される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記IOCによって画定された前記経路の1つに沿って放出された光は、前記ファイバループを廻って2度伝播し、2度目は、前記PMコンバイナ/スプリッタによって前記光が前記ファイバループに導かれる、請求項14に記載のデバイス。
【請求項18】
前記PMコンバイナ/スプリッタの消光比は、少なくとも30dBである、請求項14に記載のデバイス。
【請求項19】
前記PMコンバイナ/スプリッタの分離比は、少なくとも10dBである、請求項14に記載のデバイス。
【請求項20】
光源と、
前記光源およびフォトダイオードと光通信するサーキュレータと、
前記サーキュレータから放出された光を、それぞれ変調し得る2つの経路に分割でき、さらに前記サーキュレータに向かう方向に光が伝播するときに、前記2つの経路のそれぞれからの光を合成することができる集積光学系チップ(IOC)と、
ファイバコイルと、
前記IOCと前記ファイバコイルの間に配設され、前記IOCと前記ファイバコイルと光通信し、前記IOCおよびファイバコイルに接続するための接続ポイントを含む偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタと、
を備える光デバイスの長さと直径の(LD)積を2倍にする装置。
【請求項21】
前記接続ポイントは、スプライスによって前記IOCおよびファイバループに接続される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記スプライスの少なくとも1つは、入射光の偏光を90°回転させるように構成される、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記IOCによって画定された前記経路の1つに沿って放出された光は、前記ファイバループを廻って2度伝播し、2度目は、前記PMコンバイナ/スプリッタによって前記光が前記ファイバループに導かれる、請求項20に記載のデバイス。
【請求項24】
前記PMコンバイナ/スプリッタの消光比は、少なくとも30dBである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項25】
前記PMコンバイナ/スプリッタの分離比は、少なくとも10dBである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項26】
光源と、
前記光源およびフォトダイオードと光通信するサーキュレータと、
前記サーキュレータから放出された光を、それぞれ変調し得る2つの経路に分割でき、さらに前記サーキュレータに向かう方向に光が伝播するときに、前記2つの経路のそれぞれからの光を合成することができる集積光学系チップ(IOC)と、
ファイバコイルと、
前記IOCと前記ファイバコイルの間に対称に配設され、前記IOCと前記ファイバコイルと光通信する1対の偏波保存(PM)コンバイナ/スプリッタと、
を備える、光デバイスの長さと直径の(LD)積を2倍にする装置。
【請求項27】
前記PMコンバイナ/スプリッタは、前記IOCとファイバコイルの間でスプライスされる、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記スプライスの少なくとも1つは、入射光の偏光を90°回転させるように配列される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記IOCによって画定された前記経路の1つに沿って放出された光は、前記ファイバループを廻って2度伝播し、2度目は、前記1対のPMコンバイナ/スプリッタによって前記光が前記ファイバループに導かれる、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
光を提供する手段と、
感知ループに向かって前記光を通過させ、前記感知ループから戻る光を抽出する手段と、
通過させ抽出する前記手段に戻る前に、前記光に前記感知ループを2度横切らせる手段とを備える、光ファイバリング干渉計。
【請求項31】
干渉方式光ファイバジャイロである、光ファイバリング干渉計。
【請求項32】
光に前記感知ループを2度横切らせる前記手段は、PMコンバイナ/スプリッタを含む、光ファイバリング干渉計。
【請求項33】
光に前記感知ループを2度横切らせる前記手段は、偏光ビームスプリッタを含む、光ファイバリング干渉計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−501413(P2007−501413A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532853(P2006−532853)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/014281
【国際公開番号】WO2005/047821
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/014281
【国際公開番号】WO2005/047821
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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