説明

光ファイバジャイロ

【課題】分解能が高い光ファイバジャイロを提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバジャイロは、周回光路10を構成する光ファイバであって励起光の入力によって周回光路10を互いに逆方向に進行するレーザ光L1およびL2を発振させる光アンプ部11aを少なくとも一部に含む光ファイバ11と、励起光を出射する半導体レーザ素子14と、周回光路10に配置され励起光を光ファイバ11に伝播するWDMカプラ12と、周回光路10に配置されレーザ光L1およびL2の一部を周回光路10から取り出す光カプラ13と、周回光路10から取り出されたレーザ光L1およびL2の周波数差を検出するためのフォトダイオード18とを備える。レーザ光L1およびL2の波長λにおけるWDM12カプラの挿入損失P1(dB)、および、波長λにおける光カプラ13の挿入損失P2(dB)のいずれか一方が他方の0.5倍以上で2倍以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバジャイロに関する。
【背景技術】
【0002】
回転する物体の回転角速度を検出するためのジャイロの中でも、リングレーザジャイロは精度が高いという特徴を有する。従来のリングレーザジャイロの一例では、多角環状の光路を互いに逆方向に進む2つのレーザ光の周波数差を用いて角速度の検出が行われる。このようなジャイロとして、希ガスレーザを用いたジャイロが提案されている(たとえば特許文献1参照)。このジャイロでは、同じ経路を互いに逆方向に周回するレーザ光を取り出して干渉縞を形成させる。しかし、希ガスレーザを用いたジャイロは、駆動に高電圧が必要で消費電力が大きいという課題、および、装置が大きく熱に弱いという課題を有していた。また、光ファイバを用いた光ファイバジャイロも提案されている(たとえば特許文献2および3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−351881号公報
【特許文献2】特開平7−218271号公報
【特許文献3】特開2007−212247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来から、光ファイバジャイロでは、ロックイン現象や多モード発振によって分解能が低下することが問題となっていた。分解能が低いと、回転角速度が低い領域において角速度を求めることが難しくなる。
【0005】
このような状況において、本発明は、分解能が高い光ファイバジャイロを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために検討した結果、本件発明者らは、周回光路の光学的な対称性を高めることによって、分解能を高めることができることを見出した。このような知見は従来全く知られておらず、本件発明はこの新たな知見に基づく発明である。
【0007】
すなわち、本発明の第1の光ファイバジャイロは、周回光路を構成する光ファイバであって、励起光の入力によって前記周回光路を互いに逆方向に進行する第1および第2のレーザ光を発振させる光アンプ部を少なくとも一部に含む光ファイバと、前記励起光を出射する半導体レーザ素子と、前記周回光路に配置され、前記励起光を前記光ファイバに伝播させるWDMカプラと、前記周回光路に配置され、前記第1および第2のレーザ光の一部を前記周回光路から取り出す光カプラと、前記周回光路から取り出された前記第1のレーザ光の周波数と前記周回光路から取り出された第2のレーザ光の周波数との差を検出するための受光素子とを備える。そして、前記第1および第2のレーザ光の波長λにおける前記WDMカプラの挿入損失P1(dB)、および、前記波長λにおける前記光カプラの挿入損失P2(dB)のいずれか一方が他方の0.5倍以上で2倍以下である。
【0008】
また、本発明の第2の光ファイバジャイロは、周回光路を構成する光ファイバであって、励起光の入力によって前記周回光路を互いに逆方向に進行する第1および第2のレーザ光を発振させる光アンプ部を含む光ファイバ(F)と、前記励起光を出射する半導体レーザ素子と、前記周回光路に配置され、前記励起光を前記光ファイバ(F)に伝播させる第1のWDMカプラと、前記周回光路に配置され、前記第1および第2のレーザ光の一部を前記周回光路から取り出す光カプラと、前記周回光路から取り出された前記第1のレーザ光の周波数と前記周回光路から取り出された第2のレーザ光の周波数との差を検出するための受光素子とを備える。前記光アンプ部は前記周回光路の一部のみを構成する。前記光ファイバ(F)は、前記光アンプ部、光ファイバ(F1)および光ファイバ(F2)を含む。前記光アンプ部の2つの端部のうちの一方の端部と前記光カプラとの間に前記光ファイバ(F1)が配置され、前記光アンプ部の他方の端部と前記光カプラとの間に前記光ファイバ(F2)が配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分解能が高い光ファイバジャイロが得られる。分解能を高めることによって、回転角速度が低い領域においても角速度を求めることが容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について例を挙げて説明する。ただし、本発明は以下で述べる例には限定されない。以下の説明において特定の材料や特定の数値を例示する場合があるが、本発明の効果が得られる限り、他の材料や他の数値を適用してもよい。
【0011】
[第1の光ファイバジャイロ]
本発明の第1の光ファイバジャイロは、周回光路(共振器)を構成する光ファイバ、半導体レーザ素子、WDMカプラ、光カプラ(以下、「光カプラ(C)」という場合がある)、および受光素子を備える。また、本発明の第1の光ファイバジャイロは、受光素子の出力信号を処理する演算処理装置を備えてもよい。
【0012】
周回光路を構成する光ファイバは、励起光の入力によって周回光路を互いに逆方向に進行する第1および第2のレーザ光を発振させる光アンプ部(光ファイバアンプ)を少なくとも一部に含む。以下、第1のレーザ光および第2のレーザ光を、それぞれ、レーザ光L1およびレーザ光L2という場合がある。
【0013】
光アンプ部には、たとえば、希土類元素のイオンがドープされた光ファイバを用いることができる。ドープされる希土類元素の例には、エルビウム、ツリウムおよびプラセオジムが含まれる。希土類元素のイオンのドープ量は、共振器全体の損失を考慮して決定してもよい。希土類元素のイオン(たとえばエルビウムイオン)のドープ量は、たとえば0.25mol%〜1.0mol%の範囲としてもよい。エルビウムイオンがドープされたファイバを利得媒質とする光アンプ部(以下、「EDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)」という場合がある)を用いることによって、波長が1.55μmのレーザ光L1およびL2を励起できる。
【0014】
周回光路に占める光アンプ部の割合に特に限定はなく、光アンプ部の長さは、第1および第2のレーザ光を発振させることができる長さであればよい。一例では、周回光路を構成する光ファイバのすべてが、光アンプ部(たとえば希土類がドープされた光ファイバ)であってもよい。光アンプ部以外の光ファイバには、レーザ光L1およびL2の発振波長における損失が少ない光ファイバ(たとえば一般的な光ファイバ)を用いることができる。光アンプ部を構成する光アンプファイバと、それ以外の部分を構成する光ファイバとは、たとえば融着によって結合できる。
【0015】
半導体レーザ素子は、光アンプ部を励起するための励起光(レーザ光)を出射する。励起用のレーザ光の波長は、励起されるレーザ光L1およびL2の波長よりも短波長でなければならない。そのため、光アンプ部の種類に応じて半導体レーザ素子が選択される。光アンプ部がEDFAである場合、発振波長が970nm〜980nmの範囲にある半導体レーザ素子や、発振波長が1470nm〜1490nmの範囲にある半導体レーザ素子を用いてもよい。半導体レーザ素子の一例は、III−V族化合物半導体レーザ素子である。
【0016】
WDMカプラ(Wavelength Division Multiplexing Coupler)は、半導体レーザ素子から出射された励起光を、周回光路を構成する光ファイバに伝播させる。WDMカプラとしては、励起光が周回光路に伝播する割合が高く、且つ、周回光路を周回するレーザ光L1およびL2が励起用の光路に伝播する割合が小さいカプラが用いられる。光カプラ(C)は、レーザ光L1およびL2の一部を周回光路から取り出す。
【0017】
受光素子は、周回光路から取り出されたレーザ光L1の周波数と周回光路から取り出されたレーザ光L2の周波数との差を検出するための素子である。一例では、受光素子は、重ね合わされたレーザ光L1とレーザ光L2とを受光する。その場合、本発明のジャイロは、レーザ光L1とレーザ光L2とを重ね合わせるための素子(たとえば合波用の光カプラ)をさらに備える。レーザ光L1の周波数とレーザ光L2の周波数との差に基づくビート信号を受光素子の出力信号から検出でき、ビート信号からジャイロの回転角速度を求めることができる。
【0018】
本発明の第1のジャイロでは、レーザ光L1およびL2の波長λにおけるWDMカプラの挿入損失P1(dB)、および、波長λにおける光カプラ(C)の挿入損失P2(dB)のいずれか一方が他方の0.5倍以上で2倍以下である。この関係は、以下の式で表される。
0.5≦P2/P1≦2
【0019】
なお、ジャイロが回転すると、レーザ光L1の波長とレーザ光L2の波長との間にずれが生じるが、そのずれはわずかである。そのため、カプラの挿入損失を考慮するにあたって、両者の波長をともにλとみなしても実質的に問題ない。すなわち、波長λは、ジャイロが回転していないときのレーザ光L1およびL2の波長であるとみなしても問題ない。
【0020】
挿入損失P1(dB)および挿入損失P2(dB)は、以下のいずれかの式を満たしてもよい。また、挿入損失P1(dB)と挿入損失P2(dB)とは同じであってもよい。
3/4≦P2/P1≦4/3
4/5≦P2/P1≦5/4
【0021】
挿入損失P1(dB)および挿入損失P2(dB)は、ともに1.0dB以下であることが好ましく、たとえば0.1dB以下である。
【0022】
本発明の第1のジャイロでは、光アンプ部が周回光路の一部のみを構成していてもよい。
【0023】
[実施形態1]
実施形態1では、本発明の第1の光ファイバジャイロの一例について説明する。実施形態1のジャイロ100の構成を図1に模式的に示す。
【0024】
ジャイロ100は、光ファイバ11、WDMカプラ12、光カプラ13、半導体レーザ素子14、励起光用の光ファイバ15、レーザ光取り出し用の光ファイバ16、合波用の光カプラ17、フォトダイオード18、およびコントローラ19を備える。
【0025】
光ファイバ11は、WDMカプラ12および光カプラ13とともに周回光路10を構成する。光ファイバ11は、光アンプ部11aと、シングルモードファイバ11bとによって構成されている。光アンプ部11aの端部11axおよび11ayの部分で、光アンプ部11aとシングルモードファイバ11bとが結合している。シングルモードファイバ11bは、偏波面保存シングルモードファイバであってもよい。図1では、光アンプ部11aの部分をグレーで表示している。光アンプ部11aの長さは、たとえば0.13m〜15mの範囲にある。光ファイバ11の全体の長さは、たとえば1〜50mの範囲にあり、たとえば1m、5m、7mまたは10mである。なお、光ファイバ11は、コイル状に巻かれていてもよい。WDMカプラ12および光カプラ13は、シングルモードファイバ11bの部分に配置されている。
【0026】
半導体レーザ素子14は、励起用のレーザ光LEを出射する。半導体レーザ素子14は、ペルチェ素子によって温度が安定化されている。励起用のレーザ光LEは、光ファイバ15およびWDMカプラ12を介して光ファイバ11に伝播する。光ファイバ15は、波長を安定化させるためのファイバ・ブラッグ・グレーティング(Fiber Bragg Grating:FBG)を備える。
【0027】
WDMカプラ12において、周回光路で励起される第1および第2のレーザ光L1およびL2は、ほとんど光ファイバ15に伝播しない。WDMカプラ12には、そのような条件を満たすカプラが用いられる。一例では、レーザ光LEの90%以上(たとえば90〜100%)が光ファイバ11に伝播し、レーザ光L1およびL2の5%以下(たとえば1〜5%)が光ファイバ15に伝播するようなWDMカプラ12が用いられる。
【0028】
励起用のレーザ光LEが光アンプ部11aの部分に入射することによって、周回光路10を時計回りに周回するレーザ光L1と、周回光路10を反時計回りに周回するレーザ光L2とが励起される。レーザ光L1およびL2の波長λは、光アンプ部11aがEDFAである場合には、たとえば1.55μmである。レーザ光L1およびL2の一部は、光カプラ13を介して光ファイバ16に伝播する。一例では、周回光路10を周回するレーザ光L1およびL2の1〜50%(たとえば1〜5%)が、光カプラ13を介して取り出される。
【0029】
引き出されたレーザ光L1およびL2は、進行方向が揃えられ、光カプラ17で重ね合わされる。光カプラ17は、レーザ光L1およびレーザ光L2のたとえば50%程度を他方の光ファイバ16に伝播する。光ファイバ16の一方の端には、ターミネータ20が配置されている。ターミネータ20は、レーザ光が光ファイバ16の端面で反射されることを防止する。
【0030】
重ね合わされたレーザ光L1およびL2は、フォトダイオード18で検出される。フォトダイオード18の出力信号は、コントローラ19によって処理される。コントローラ19は、半導体レーザ素子14の駆動と、フォトダイオード18からの出力信号の処理とを行う。
【0031】
コントローラ19は、演算処理装置(内部メモリを含んでもよい)を含み、必要に応じて外部メモリをさらに含んでもよい。メモリには、半導体レーザ素子14を制御するためのプログラム、フォトダイオード18からの出力信号に基づいて回転角速度を算出するための数式などが格納される。これらのプログラムには、公知のプログラムを用いることができる。
【0032】
ジャイロ100では、レーザ光L1およびL2の波長λにおけるWDMカプラ12の挿入損失P1(dB)、および、波長λにおける光カプラ13の挿入損失P2(dB)のいずれか一方が他方の0.5倍以上で2倍以下である。挿入損失P1(dB)と挿入損失P2(dB)とが近くなることによって、周回光路における光学的な対称性が高まる。その結果、分解能が高いジャイロが得られる。
【0033】
ジャイロ100が回転すると、サニャック(Sagnac)効果によって、レーザ光L1の周波数とレーザ光L2の周波数との間に差が生じる。その結果、フォトダイオード18では、その周波数差に基づくビート信号が検出される。このビート信号から、ジャイロ100の回転角速度が求められる。
【0034】
図1に示すジャイロ100について、周回光路10の長さが異なる3種類のジャイロを実際に作製し、フォトダイオード18の出力信号をスペクトラムアナライザで評価した。周回光路10の長さ(リング長)は、5.61m、7.37m、または15.61mとした。いずれのジャイロにおいても、半導体レーザ素子14には、発振波長が970〜980nmである半導体レーザ素子、たとえば発振波長が974nmである、GaAs/AlGaAs/InGaAs多重量子井戸を有する半導体レーザ素子を用いた。光アンプ部11aにはEDFAを用い、光アンプ部11aの長さは0.13mとした。シングルモードファイバ11bには、コア部にGeがドープされたSiO2ファイバを用いた。WDMカプラ12には、波長1.55μmにおける挿入損失が1.03dBであるカプラ(タツタ電線株式会社製、980/1550PUMP波長分岐カプラ)を用いた。光カプラ13には、波長1.55μmにおける挿入損失が、0.28、3.28、6.28または10.28dBであるものを用いた。光カプラ13には、周回光路10を周回するレーザ光L1およびL2の5%が光ファイバ16に伝播するものを用いた。
【0035】
そして、波長1.55μmにおける光カプラ13の挿入損失P2(dB)と波長1.55μmにおけるWDMカプラ12の挿入損失P1(dB)との比[P2/P1]を変化させて、サニャック効果によって生じたビート信号の半値全幅(FWHM)を調べた。結果を図2に示す。
【0036】
図2に示すように、P2/P1≦2(P1/P2≦0.5)の場合には、いずれのジャイロでも半値全幅が大幅に低下した。半値全幅が小さいことは、ビート信号の線幅が狭くジャイロの分解能が高いことを示す。このように、挿入損失P1(dB)および挿入損失P2(dB)のいずれか一方が他方の0.5倍以上で2倍以下であるようにジャイロを設計することによって、測定精度が高いジャイロが得られる。
【0037】
[第2の光ファイバジャイロ]
本発明の第2の光ファイバジャイロは、周回光路を構成する光ファイバ(F)、半導体レーザ素子、WDMカプラ(第1のWDMカプラ)、光カプラ(光カプラ(C))、および受光素子を備える。また、本発明の第2のジャイロは、受光素子の出力信号を処理する演算処理装置を備えてもよい。
【0038】
周回光路を構成する光ファイバは、周回光路の一部のみを構成する光アンプ部を含む。その光アンプ部は、励起光の入力によって周回光路を互いに逆方向に進行する第1および第2のレーザ光L1およびL2を発振させる。半導体レーザ素子は、光アンプ部を励起するための励起光を出射する。第1のWDMカプラは、周回光路を構成する光ファイバに励起光を伝播させる。光カプラ(C)は、レーザ光L1およびL2の一部を周回光路から取り出す。受光素子は、周回光路から取り出されたレーザ光L1の周波数と周回光路から取り出されたレーザ光L2の周波数との差を検出するための素子である。
【0039】
本発明の第2のジャイロは、以下の点を除き、本発明の第1のジャイロと同じ構成とすることができるため、重複する説明を省略する。
【0040】
(i)WDMカプラの挿入損失P1と、光カプラ(C)の挿入損失P2との間の関係に限定がないこと。
【0041】
(ii)光アンプ部が周回光路の一部のみを構成しており、周回光路のすべてが光アンプ部で構成されることがないこと。
【0042】
(iii)光ファイバ(F)が、光アンプ部、光ファイバ(F1)および光ファイバ(F2)を含み、光アンプ部の2つの端部のうちの一方の端部と光カプラ(C)との間に光ファイバ(F1)が配置され、光アンプ部の他方の端部と光カプラとの間に光ファイバ(F2)が配置されていること。光ファイバ(F1)および光ファイバ(F2)は光アンプ部ではなく、光増幅を生じない。光ファイバ(F1)および光ファイバ(F2)には、一般的な光ファイバを用いることができる。典型的な一例では、光ファイバ(F1)と光ファイバ(F2)とには、同じ光ファイバが用いられる。
【0043】
本発明の第2のジャイロでは、WDMカプラの挿入損失P1と、光カプラ(C)の挿入損失P2との間の関係に限定がないが、それらは、第1のジャイロで説明した関係を満たすことが好ましい。また、実施形態1で説明したように、挿入損失P1(dB)および挿入損失P2(dB)は、ともに1.0dB以下であることが好ましく、たとえば0.1dB以下である。
【0044】
第2の光ファイバジャイロは、第2のWDMカプラをさらに備えてもよい。光ファイバ(F1)は、光アンプ部に接続された光ファイバ(F1A)と光カプラに接続された光ファイバ(F1B)を含んでもよい。光ファイバ(F2)は、光アンプ部に接続された光ファイバ(F2A)と光カプラに接続された光ファイバ(F2B)を含んでもよい。光ファイバ(F1A)と光ファイバ(F1B)との間に第1のWDMカプラが配置されていてもよい。光ファイバ(F2A)と光ファイバ(F2B)との間に第2のWDMカプラが配置されていてもよい。この構成において、第1および第2のWDMカプラは共に、励起光を光ファイバ(F)に伝搬させるカプラであってもよい。
【0045】
第2の光ファイバジャイロは、第1および第2のファラデー回転子を含んでもよい。そして、光ファイバ(F1A)の途中に第1のファラデー回転子が配置されており、光ファイバ(F2A)の途中に第2のファラデー回転子が配置されていてもよい。また、光ファイバ(F1B)の途中に第1のファラデー回転子が配置されており、光ファイバ(F2B)の途中に第2のファラデー回転子が配置されていてもよい。
【0046】
[実施形態2]
実施形態2では、本発明の第2の光ファイバジャイロの一例について説明する。実施形態2のジャイロ300の構成を図3に模式的に示す。なお、実施形態1のジャイロ100と同様の部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
【0047】
図3のジャイロ300は、光ファイバ310、WDMカプラ32、WDMカプラ32b、光カプラ33、半導体レーザ素子14、励起光用の光ファイバ15、レーザ光取り出し用の光ファイバ16、合波用の光カプラ17、フォトダイオード18、コントローラ19、および光フィルタを備える。
【0048】
光ファイバ310は、WDMカプラ32、WDMカプラ32bおよび光カプラ33とともに周回光路(共振器)10を構成する。光ファイバ310は、光増幅を生じる光アンプ部311、光増幅を生じない光ファイバ312(光ファイバF1)および光ファイバ313(光ファイバF2)とによって構成されている。光ファイバ312は、光ファイバ312a(光ファイバF1A)および光ファイバ312b(光ファイバF1B)で構成されている。光ファイバ313は、光ファイバ313a(光ファイバF2A)および光ファイバ313b(光ファイバF2B)で構成されている。
【0049】
WDMカプラ32は、光ファイバ312の途中(光ファイバ312aと光ファイバ312bとの間)に配置されている。WDMカプラ32bは、光ファイバ313の途中(光ファイバ313aと光ファイバ313bとの間)に配置されている。なお、ジャイロ300において、WDMカプラ32bを省略し、光ファイバ313を1本の光ファイバで構成してもよい。
【0050】
光アンプ部311は、光アンプ部11と同様の構成とすることができる。光ファイバ312および313は、それぞれ、シングルモードファイバ11bと同じ構成とすることができる。光ファイバファイバ312および光ファイバ313は、偏波面保存シングルモードファイバであってもよい。
【0051】
光アンプ部311の長さは、たとえば0.05m〜15mの範囲あり、0.1m〜0.15m(たとえば0.13m)の範囲にあってもよい。光ファイバ310の全体の長さは、たとえば1〜200mの範囲にあり、75m〜150mの範囲にあってもよい。なお、光ファイバ310は、コイル状に巻かれていてもよい。
【0052】
半導体レーザ素子14は、ACC制御されており、励起用のレーザ光LEを出射する。半導体レーザ素子14は、ペルチェ素子によって温度が安定化されている。励起用のレーザ光LEは、光ファイバ15およびWDMカプラ32を介して光ファイバ11に伝播する。光ファイバ15は、波長を安定化させるためのファイバ・ブラッグ・グレーティング(Fiber Bragg Grating:FBG)を備える。WDM32bにも光ファイバ15が接続されており、その端部にターミネータ20が配置されている。
【0053】
WDMカプラ32および32bにおいて、周回光路で励起される第1および第2のレーザ光L1およびL2は、ほとんど光ファイバ15に伝播しない。WDMカプラ32および32bには、そのような条件を満たすカプラが用いられる。一例では、レーザ光LEの90%以上(たとえば90〜100%が光ファイバ311に伝播し、レーザ光L1およびL2の5%以下(たとえば1〜5%)が光ファイバ15に伝播するようなWDMカプラ32が用いられる。
【0054】
励起用のレーザ光LEが光アンプ部311の部分に入射することによって、周回光路10を時計回りに周回するレーザ光L1と、周回光路10を反時計回りに周回するレーザ光L2とが励起される。レーザ光L1およびL2の波長λは、光アンプ部311がEDFAである場合には、たとえば1.55μmである。レーザ光L1およびL2の一部は、光カプラ33を介して光ファイバ16に伝播する。一例では、周回光路10を周回するレーザ光L1およびL2の1〜50%(たとえば1〜5%)が、光カプラ33を介して光ファイバ16に伝播する。
【0055】
引き出されたレーザ光L1およびL2は、進行方向が揃えられ、光カプラ17で重ね合わされる。光カプラ17は、レーザ光L1およびレーザ光L2のたとえば50%程度を他方の光ファイバ16に伝播する。光ファイバ16の一方の端には、ターミネータ20が配置されている。ターミネータ20は、レーザ光が光ファイバ16の端面で反射されることを防止する。
【0056】
重ね合わされたレーザ光L1およびL2は、フォトダイオード18で検出される。なお、不要な波長の光は、光フィルタで除去される。フォトダイオード18の出力信号は、コントローラ19によって処理される。コントローラ19は、半導体レーザ素子14の駆動と、フォトダイオード18からの出力信号の処理とを行う。
【0057】
コントローラ19は、演算処理装置(内部メモリを含んでもよい)を含み、必要に応じて外部メモリをさらに含んでもよい。メモリには、半導体レーザ素子14を制御するためのプログラム、フォトダイオード18からの出力信号に基づいて回転角速度を算出するための数式などが格納される。これらのプログラムには、公知のプログラムを用いることができる。
【0058】
ジャイロ300が回転すると、サニャック(Sagnac)効果によって、レーザ光L1の周波数とレーザ光L2の周波数との間に差が生じる。その結果、フォトダイオード18では、その周波数差に基づくビート信号が検出される。このビート信号から、ジャイロ300の回転角速度が求められる。
【0059】
ジャイロ300では、波長λにおける光カプラ33の挿入損失P2(dB)と、波長λにおけるWDMカプラ32の挿入損失P1(dB)との比[P2/P1]に特に限定はない。しかし、この比は、第1のジャイロで説明した範囲にあることが好ましく、P2=P1であってもよい。
【0060】
第2の光ファイバジャイロは、光カプラ33の両端と光アンプ部311の両端とが、光ファイバ312および313によってつながれていることを特徴とする。換言すれば、第2の光ファイバジャイロでは、光アンプ部311と光カプラ33とが直結されることがない。この構成によれば、周回光路の対称性を高めることができるため、分解能が高いジャイロが得られる。また、ジャイロ300では、光ファイバ312および313のそれぞれの途中にWDMカプラが配置されており、これによっても周回光路の対称性が高められている。
【0061】
光ファイバ(F1)の長さと光ファイバ(F2)の長さとの差を小さくすることによって、系の対称性をより高めることができる。光ファイバ(F1)の長さD1と光ファイバ(F2)の長さD2とは、|D1−D2|/(D1+D2)≦0.75の関係を満たすことが好ましく、たとえば、|D1−D2|/(D1+D2)≦0.5や、|D1−D2|/(D1+D2)≦0.3や、|D1−D2|/(D1+D2)≦0.1の関係を満たしてもよい。
【0062】
光ファイバ(F1)の長さD1と光ファイバ(F2)の長さD2とを変えてビート信号を測定した結果を図4に示す。図4には、D1およびD2が共に20mである場合(20:20)と、D1およびD2の一方が40mで他方が0mである場合(40:0)を示す。図4に示すように、光アンプ部と光カプラとが直結されていないジャイロ(20:20)は、それらが直結されているジャイロ(40:0)に比べて、ビート信号の線幅が狭くなり、また、信号強度が10倍以上となった。
【0063】
また、D1とD2との差の絶対値ΔDと、ビート信号の線幅との関係を図5に示す。図5において、D1とD2との合計は40mである。ΔDが30m、すなわち、(D1−D2)/(D1+D2)=0.75のジャイロは、光アンプ部と光カプラとが直結されているジャイロ(ΔD=40)と比べて、ビート信号の線幅が半分以下になった。
【0064】
周回光路(共振器)の全周を長くすることによって、共振器のQ値を高めることができる。また、共振器内の対称性を高めることによって、分解能を高めることができる。周回光路の全周を100mとしたときのビート信号を、図6に示す。図6には、D1およびD2が共に50mであるジャイロ(50:50)のビート信号と、D1およびD2の一方が100mで他方が0mであるジャイロ(100:0)のビート信号とを示す。図6に示すように、対称性が高いジャイロ(50:50)のビート信号の強度は、対称性が低いジャイロ(100:0)のビート信号の強度の10倍以上であった。
【0065】
[実施形態3]
実施形態3では、本発明の第2の光ファイバジャイロの他の一例について説明する。実施形態3のジャイロ400の構成を図7に模式的に示す。なお、上述した実施形態のジャイロと同様の部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
【0066】
ジャイロ400では、光ファイバ313が、光ファイバ313aおよび光ファイバ313bによって構成されている。ジャイロ400は、ジャイロ300と比較して、ファラデー回転子401および402を備える点が異なる。なお、ジャイロ400において、WDMカプラ32bを省略してもよい。また、ジャイロ400において、ファラデー回転子401および402を省略してもよい。
【0067】
ファラデー回転子401および402を用いることによって、ビート信号の検出が容易になる。
【0068】
ジャイロ400において、系の対称性が維持されるようにファラデー回転子401とファラデー回転子402とを配置することが重要である。具体的には、図7に示すように、光カプラ33とWDMカプラ32との間(光ファイバ312bの途中)にファラデー回転子401を配置し、光カプラ33とWDMカプラ32bとの間(光ファイバ313bの途中)にファラデー回転子402を配置する。あるいは、光アンプ部311とWDMカプラ32との間(光ファイバ312aの途中)にファラデー回転子401を配置し、光アンプ部311とWDMカプラ32bとの間(光ファイバ313aの途中)にファラデー回転子402を配置してもよい。
【0069】
ファラデー回転子の回転角に特に限定はなく、一例では、22.5°や45°である。ファラデー回転子401の回転角とファラデー回転子402の回転角とは同じであることが好ましい。
【0070】
偏波面の回転角がβである1つのファラデー回転子を系に加えると、レーザ光L1とレーザ光L2との間に、α=(β/π)・Δfの周波数差が生じる。ここで、Δfは、縦モード間隔である。レーザ光L1とレーザ光L2の周波数差は、ジャイロの回転に由来する周波数差と、ファラデー回転子に由来する周波数差との合計になる。そのため、ジャイロの回転に由来する周波数差が小さい場合でも、レーザ光L1とレーザ光L2の周波数差を検出しやすくなり、分解能を高めることが可能となる。
【0071】
実施形態3のジャイロにおいて、半導体レーザ素子14から出力された励起光を、WDMカプラ32とWDMカプラ32bの両方に入力してもよい。そのようなジャイロの構成の一例を、図8に示す。
【0072】
図8の例では、半導体レーザ素子14から出射された励起用のレーザ光LEは、アイソレータを通ったのち、カプラで分岐されてWDMカプラ32およびWDMカプラ32bに入力される。
【0073】
また、実施形態3のジャイロにおいて、2つの半導体レーザ素子14を用い、それぞれの出力をWDMカプラ32とWDMカプラ32bとに入力してもよい。そのようなジャイロの一例を、図9に示す。
【0074】
上述したように、本発明の第1および第2のジャイロにおいて、周回光路に存在する素子は、系の対称性を高めるように配置されることが好ましい。好ましい一例では、周回光路に配置される2つのWDMカプラは同じWDMカプラであり、周回光路に配置される2つのファラデー回転子は同じファラデー回転子である。また、好ましい一例では、周回光路に存在する素子間の距離は、系の対称性を高めるように設定される。
【0075】
本発明の効果が得られる限り、第1および第2のジャイロの一方で説明した事項は、他方のジャイロに適用することが可能である。また、本発明の効果が得られる限り、実施形態のいずれかで説明した事項は、他の実施形態に適用することが可能である。
【0076】
なお、本発明の第1および第2の光ファイバジャイロでは、レーザ光L1およびL2を単一モード化するための構成、および/または、レーザ光L1およびL2を単一偏波化するための構成をさらに備えてもよい。レーザ光L1およびL2を単一モード化するための方法としては、ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)の導入や、エタロンの導入が挙げられる。レーザ光L1およびL2を単一偏波化するための方法としては、偏波面保存ファイバの導入や、偏光素子の導入が挙げられる。
【0077】
以上、本発明の実施形態について例を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づいて他の実施形態に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の光ファイバジャイロは、物体の回転の検出が必要な様々な機器に適用できる。代表的な例としては、姿勢制御装置やナビゲーション装置、手ぶれ補正装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の光ファイバジャイロについて、構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の第1の光ファイバジャイロについて、光カプラの挿入損失P2(dB)とWDMカプラの挿入損失P1(dB)との比[P2/P1]と、ビート信号の半値全幅との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の光ファイバジャイロについて、構成の一例を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第2の光ファイバジャイロの効果を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の光ファイバジャイロの効果を示す他のグラフである。
【図6】本発明の第2の光ファイバジャイロの効果を示すその他のグラフである。
【図7】本発明の第2の光ファイバジャイロについて、構成の他の一例を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第2の光ファイバジャイロについて、構成のその他の一例を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第2の光ファイバジャイロについて、構成のその他の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0080】
11、15、16 光ファイバ
11a 光アンプ部
11ax、11ay 端部
11b シングルモードファイバ
12、32 WDMカプラ
13、17、33 光カプラ
14 半導体レーザ素子
15、16 光ファイバ
18 フォトダイオード
19 コントローラ
100、300、400 ジャイロ(光ファイバジャイロ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周回光路を構成する光ファイバであって、励起光の入力によって前記周回光路を互いに逆方向に進行する第1および第2のレーザ光を発振させる光アンプ部を少なくとも一部に含む光ファイバと、
前記励起光を出射する半導体レーザ素子と、
前記周回光路に配置され、前記励起光を前記光ファイバに伝播させるWDMカプラと、
前記周回光路に配置され、前記第1および第2のレーザ光の一部を前記周回光路から取り出す光カプラと、
前記周回光路から取り出された前記第1のレーザ光の周波数と前記周回光路から取り出された第2のレーザ光の周波数との差を検出するための受光素子とを備え、
前記第1および第2のレーザ光の波長λにおける前記WDMカプラの挿入損失P1(dB)、および、前記波長λにおける前記光カプラの挿入損失P2(dB)のいずれか一方が他方の0.5倍以上で2倍以下である、光ファイバジャイロ。
【請求項2】
周回光路を構成する光ファイバであって、励起光の入力によって前記周回光路を互いに逆方向に進行する第1および第2のレーザ光を発振させる光アンプ部を含む光ファイバ(F)と、
前記励起光を出射する半導体レーザ素子と、
前記周回光路に配置され、前記励起光を前記光ファイバ(F)に伝播させる第1のWDMカプラと、
前記周回光路に配置され、前記第1および第2のレーザ光の一部を前記周回光路から取り出す光カプラと、
前記周回光路から取り出された前記第1のレーザ光の周波数と前記周回光路から取り出された第2のレーザ光の周波数との差を検出するための受光素子とを備え、
前記光アンプ部は前記周回光路の一部のみを構成し、
前記光ファイバ(F)は、前記光アンプ部、光ファイバ(F1)および光ファイバ(F2)を含み、
前記光アンプ部の2つの端部のうちの一方の端部と前記光カプラとの間に前記光ファイバ(F1)が配置され、前記光アンプ部の他方の端部と前記光カプラとの間に前記光ファイバ(F2)が配置されている、光ファイバジャイロ。
【請求項3】
前記光ファイバジャイロは、第2のWDMカプラをさらに備え、
前記光ファイバ(F1)は、前記光アンプ部に接続された光ファイバ(F1A)と前記光カプラに接続された光ファイバ(F1B)を含み、
前記光ファイバ(F2)は、前記光アンプ部に接続された光ファイバ(F2A)と前記光カプラに接続された光ファイバ(F2B)を含み、
前記光ファイバ(F1A)と前記光ファイバ(F1B)との間に前記第1のWDMカプラが配置されており、
前記光ファイバ(F2A)と前記光ファイバ(F2B)との間に前記第2のWDMカプラが配置されている、請求項2に記載の光ファイバジャイロ。
【請求項4】
前記第1および第2のWDMカプラは共に、前記励起光を前記光ファイバ(F)に伝搬させるカプラである、請求項3に記載の光ファイバジャイロ。
【請求項5】
第1および第2のファラデー回転子を含み、
前記光ファイバ(F1A)の途中に前記第1のファラデー回転子が配置されており、
前記光ファイバ(F2A)の途中に前記第2のファラデー回転子が配置されている、請求項3または4に記載の光ファイバジャイロ。
【請求項6】
第1および第2のファラデー回転子を含み、
前記光ファイバ(F1B)の途中に前記第1のファラデー回転子が配置されており、
前記光ファイバ(F2B)の途中に前記第2のファラデー回転子が配置されている、請求項3または4に記載の光ファイバジャイロ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−78581(P2010−78581A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−297778(P2008−297778)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人情報通信研究機構、研究テーマ「シームレスな位置情報検出を実現する高精度角速度センサチップの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】