説明

光ファイバ付き光フェルール

【課題】概ね標準的な形状のままで、かつ煩雑な作業を必要とせず簡易に、光ファイバの偏心(設計上の光ファイバ中心位置からの偏心)を小さくすることを可能にする。
【解決手段】光フェルール1は、光ファイバ挿入口及び接着剤充填窓を有する中空部の前方に光ファイバガイド溝を備え、その前方に光ファイバ穴8を備える。光ファイバ穴8の長手方向中間位置において光ファイバ穴8を横断する態様でフェルール上面に開口する凹部9を形成する。凹部9に接着剤16を充填した時、光ファイバ12aは、接着剤16が硬化収縮する際の吸引力で上方に引き寄せられ、それぞれ光ファイバ穴8の断面上側の内壁に接触した状態で固定される。光ファイバ12aは揃ってそれぞれの光ファイバ穴における上部に位置することになり、光ファイバの偏心を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光フェルールの光ファイバ穴に挿通させた光ファイバを接着固定する際に、光ファイバ穴内面と光ファイバ外周との間のクリアランスによる、光ファイバの中心位置のばらつきを低減させることが可能な光ファイバ付き光フェルールに関する。
【背景技術】
【0002】
光コネクタは一般に、光フェルールにあけた横1列の光ファイバ穴に光ファイバを挿入し接着固定した構造となるが、光ファイバ穴と光ファイバとの間には必ず一定のクリアランスを設ける必要がある。したがって、光ファイバが光ファイバ穴内で偏って設計上の光ファイバ中心位置から偏心する可能性がある。光ファイバが設計上の光ファイバ中心位置から偏心していると、光コネクタ接続に際してコアずれにより接続損失が増す。
現在、光コネクタの接続損失は量産品でもかなりの低損失となっているが、光ファイバの偏心(設計上の光ファイバ中心位置からの偏心)をさらに小さくして、接続損失をさらに低減させ、また歩留り向上を可能にすることが望まれる。
【0003】
光コネクタ製造に際して、品質管理のために偏心量等を測定する方法あるいは装置は種々提案され特許出願されている(特許文献1、特許文献2)が、光ファイバがクリアランスに起因して設計上の中心から偏心すること自体を防止することが望ましい。
【0004】
光ファイバの偏心を小さくする手段として、光ファイバを光ファイバ穴における同じ特定方向に偏らせて穴壁に接触させた構造が提案されている(特許文献1)。
複数の光ファイバを光ファイバ穴内で同じ方向に偏らせる具体的な手段としては、例えば、接続端面部に嵌合ピン穴中心線より下部が突出する段差部を形成し、光ファイバを光ファイバ穴に挿入し接着固定するに際して、光ファイバ穴に挿入した光ファイバの先端を段差面に押し付けた状態で光ファイバを光ファイバ穴に接着固定する方法が示されている(特許文献1の図10〜図12、段落番号[0025])。
あるいは、接続端面(フェルールの先端面)と接着剤充填窓との間のフェルール上面に光ファイバ押付け用窓部を形成し、光ファイバを光ファイバ穴に挿入し接着固定するに際して、前記光ファイバ押付け用窓部から挿入した光ファイバ押さえ部材により、光ファイバ穴を挿通している光ファイバを押し下げて、光ファイバを光ファイバ穴の底面に押し付け、その状態で光ファイバを光ファイバ穴に接着固定する方法が示されている(特許文献1の図13、図14、段落番号[0026]〜[0027])。
【0005】
なお、光ファイバ穴に直線状に連通する光ファイバガイド穴を備え、この光ファイバガイド穴に充填された接着剤で光ファイバを固定する構造の嵌合ピン位置決め方式の光コネクタ用フェルールの場合であるが、接続端面と接着剤充填窓との間に、フェルール上面に開口する空気抜きスリットを設けることで、接着剤が光ファイバガイド穴の奥まで行き渡らずに接着剤の未充填部が生じる問題が生じないようにしたものがある(特許文献2)。この場合、空気抜きスリットは、光ファイバガイド穴の奥に残る空気を抜くだけでよいものであるから、断面積は小さなもので済み、その幅はかなり狭い。
なお、特許文献2は、本発明における課題である光ファイバの偏心という問題に関するものではないが、接続端面と接着剤充填窓との間のフェルール上面に凹部(空気抜きスリット)が存在する点で本発明に共通するので、参考に提示した。
【特許文献1】特開2007−33491
【特許文献2】特開2003−50339
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の接続端面部に下部が突出する段差部を形成する構造は、フェルールの端面形状が標準形状と大きく異なるために特殊形状の金型が必要になり製造コストと研磨コストが大きく上昇する。
したがって標準形状に近いフェルール形状でかつ簡易に光ファイバの偏心抑制を実現できることが望ましい。
また、接続端面部に下部が突出する段差部を形成する構造は、光ファイバを撓ませて光ファイバ穴底部に押し付けながら挿入するため、裸光ファイバが損傷したり折れたりする場合がある。
さらには、フェルール端面側の近傍では光ファイバ先端を光ファイバ穴に押し付けることができるが、フェルール端面側の段差部と離れたフェルールの内側では光ファイバが光ファイバ穴と離れて浮いた状態となり光ファイバの長手方向(軸方向)と光コネクタの接続方向が微妙に一致せずに光損失等の発生要因となる場合がある。
一方、接続端面と接着剤充填窓との間のフェルール上面に形成した光ファイバ押付け用窓部から挿入した光ファイバ押さえ部材で光ファイバを光ファイバ穴の底面に押し付ける方式は、裸光ファイバを局部的に押さえつけるために裸光ファイバが損傷したり折れたりする場合がある。
光ファイバが光ファイバ穴内で損傷したり折れたりした場合、光ファイバを光ファイバ穴から取り出すことは困難であるためフェルールを廃棄する必要がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、概ね標準的な形状のままで、別部材(光ファイバ押さえ部材)を用いて煩雑な作業を必要とせず簡易に、光ファイバの偏心(設計上の光ファイバ中心位置からの偏心)を小さくすることが可能な光ファイバ付き光フェルールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する請求項1の発明は、光フェルールに複数の光ファイバを取り付けた光ファイバ付き光フェルールであって、
光フェルールは、フェルール後端側に開口する光ファイバ挿入口及び上面側に開口する接着剤充填窓を有する中空部と、この中空部の前方に形成された横1列に並ぶ複数の光ファイバガイド溝と、光ファイバガイド溝の先端からそれぞれ接続端面に向けて貫通する横一列に並ぶ光ファイバ穴と、前記光ファイバ穴の長手方向中間位置において光ファイバ穴を横断する態様でフェルール上面に開口する少なくとも1箇所の凹部とを備え、
光フェルールの中空部に光ファイバ挿入口から挿入した光ファイバが光ファイバガイド溝を経て光ファイバ穴に挿通され、中空部に接着剤充填窓から充填された接着剤及び凹部に充填された接着剤で光ファイバが固定されるとともに、光フェルール内の全ての光ファイバは、凹部に充填された接着剤の硬化収縮により凹部の上面開口方向に向かう同一方向に向けて引き寄せらてれており、これにより、光ファイバ穴内に延在する光ファイバの全長の内、少なくとも接続端面側から前記凹部までの部分が光ファイバ穴の断面上側に向かう同一方向に偏心した状態で固定されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2は、請求項1の光ファイバ付き光フェルールにおいて、凹部に対する光ファイバの位置が、光ファイバから凹部底面までの距離よりも、光ファイバから凹部上端開口面までの距離が大であり、光ファイバから凹部底面までの距離内に充填されている接着剤量よりも、光ファイバから凹部上端開口面までに充填される接着剤量が大であることを特徴とする。
【0010】
請求項3は、請求項1又は2の光ファイバ付き光フェルールにおいて、凹部が1箇所であることを特徴とする。
【0011】
請求項4は、請求項1〜3のいずれかの光ファイバ付き光フェルールにおいて、光フェルールが、概ね角形をなし、光ファイバ穴列の両側に相手側光コネクタとの位置決めのためのピン嵌合穴を備えている嵌合ピン位置決め方式の光コネクタ用光フェルールであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明において、光ファイバを光ファイバ挿入口から挿入し光ファイバガイド溝を経て光ファイバ穴に挿通し、中空部に接着剤充填窓から接着剤を充填しかつ凹部に接着剤を充填する。光ファイバは、凹部に充填した接着剤の硬化収縮により凹部の上面開口方向に引き寄せられた状態で固定される。これにより、少なくとも接続端面側から前記凹部までの部分の光ファイバが光ファイバ穴の断面上側に向かう同一方向に寄せられて偏心した状態で固定される。
光ファイバの全ての光ファイバは揃ってそれぞれの光ファイバ穴における上部に位置することになり、光ファイバの偏心(設計上の光ファイバ中心位置からの偏心)を小さくすることができる。
【0013】
光ファイバの偏心を小さくする手段としては、単に光フェルール先端近傍に、充填した接着剤が硬化収縮する際に光ファイバを引き上げることが可能な程度の大きさの凹部を形成するだけでよい。概ね標準的なフェルール形状のままで、かつ、特別な治具等を用いることなく、また精密な調心位置決め装置等を用いることなく、また煩雑な作業を必要とせず簡易に、光ファイバの偏心を小さくすることが可能となる。
特に、光フェルールの光ファイバ数が増大するにつれて、それぞれの光ファイバにおける光ファイバ穴との偏心度がバラバラになりやすいが、本発明により、容易にすべての光ファイバの調心が可能となり光接続特性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施した光ファイバ付き光フェルールについて、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の一実施例の光ファイバ付き光フェルールにおける光フェルール1の斜視図、図2は同縦断面図、図3は図2の左側面図である。
実施例の光フェルール1は、基本構造としては、一般にMTコネクタと称されているJIS
C 5981に規定されるF12形多心光ファイバコネクタに用いる光フェルールに概ね相当し、横一例に並ぶ複数の光ファイバ穴8の両側に嵌合ピン穴10を備えた嵌合ピン穴位置決め方式の樹脂製の光フェルールである。
【0016】
この光フェルール1は、フェルール後端側に鍔部2を形成した概ね角形をなし、フェルール後端側に開口する光ファイバ挿入口3及び上面側に開口する接着剤充填窓4を有する中空部5と、この中空部5の前方部に形成された横1列に並ぶ複数の光ファイバガイド溝6と、この光ファイバガイド溝6の先端から前方に延びる、光ファイバ穴8より若干径の大きな横一列に並ぶ光ファイバガイド穴7と、この光ファイバガイド穴7の先端からテーパ部を介して縮径して接続端面(図2で左側の端面)に向けて貫通する前記の横一列に並ぶ光ファイバ穴8を備えている。
そして、前記光ファイバ穴8の長手方向中間位置において光ファイバ穴8を横断する態様でフェルール上面に開口する凹部9を設けている。凹部9の底面9aには、光ファイバ穴8の概ね下半分の半円筒面をなして光ファイバ穴8に連続する円弧溝9bが形成されている。
【0017】
図5は光ファイバ付き光フェルール15の断面図である。
光フェルール1に光ファイバを取り付けるには、複数本の単心光ファイバを個別に取り付ける場合と、多心の光ファイバテープ12を取り付ける場合がある。
光フェルール1に光ファイバテープ12を取り付ける要領を説明する。
光ファイバテープ12の先端部の被覆12bを除去して光ファイバ(裸ファイバ)12aを露出させる。この光ファイバテープ12を光フェルール1の中空部5に光ファイバ挿入口3から挿入し、光ファイバ12aをそれぞれ光ファイバガイド溝6及び光ファイバガイド穴7を経てそれぞれ光ファイバ穴8に挿通させる。なお、光ファイバテープ12に予め保護ブーツ17を被せておく。
次いで中空部5に接着剤充填窓4から接着剤16を充填し、かつ凹部9に上面開口から接着剤16を充填する。接着剤は例えばエポキシ系接着剤等を使用することができる。
これにより、光ファイバテープ12の被覆部12b及び光ファイバ12aが接着剤で固定されるが、その際、光ファイバ12aは、凹部9に充填された接着剤16が硬化収縮する際に凹部9の上面開口方向に引き寄せられて、光ファイバ穴内に延在する光ファイバの全長の内、少なくとも接続端面側から前記凹部までの部分が光ファイバ穴の断面上側に向かう同一方向に偏心した状態で固定される。好ましくは、図6(a)、図7(a)に詳細を示すように、それぞれ光ファイバ穴8の断面上側の内壁に接触した状態で固定される。
【0018】
図7において、中央の円形は光ファイバ穴8の中心にある場合の光ファイバ12aを示し、他の円形は光ファイバ穴8内の光ファイバ12aのバラツキ範囲を示す。図7(b)のように、凹部のない従来構造では、光ファイバ12aは光ファイバ穴8内で上下左右のいずれの方向にも容易に偏心し、バラツキ範囲が広い。
これに対して、本発明では、光ファイバ12aの少なくとも接続端面側から前記凹部までの部分が、硬化収縮する接着剤16により光ファイバ12aは上方に引き寄せられて光ファイバ穴の断面上側に向かう同一方向に偏心した状態で固定される。
同一方向に引き寄せられるという意味は、光ファイバが光ファイバ穴の概ね上側の半分側に向かうように引き寄せられるいう意味である。
好ましくは、図7(a)のようにそれぞれ光ファイバ穴8の断面上側の内壁に接触した状態となるように引き寄せられて光ファイバ穴内に延在する光ファイバが同一方向に偏心して固定される。
したがって、設計上の光ファイバ中心位置Oを光ファイバ穴8の中心位置Oより、光ファイバ穴半径と光ファイバ半径との差hだけ上にずれた位置Oに設定することで、光ファイバ12aの偏心(設計上の光ファイバ中心位置からの偏心)を小さくすることができる。
このように、光ファイバの偏心を小さくする手段としては、単に光フェルール先端近傍に、充填した接着剤が硬化収縮する際に光ファイバを引き上げることが可能な程度の大きさの凹部9を形成するだけで良い。
概ね標準的なフェルール形状のままで、かつ、特別な治具等を用いることなく、また精密な調心位置決め装置等を用いることなく、また煩雑な作業を必要とせず簡易に、光ファイバの偏心を小さくすることが可能となる。
特に、光フェルールの光ファイバ数が増大するにつれて、それぞれの光ファイバにおける光ファイバ穴との偏心度がバラバラになりやすいが、本発明により、容易にすべての光ファイバの調心が可能となり光特性が向上する。
【0019】
上記の実施例では凹部9の底面9aに、光ファイバ穴8に連続して凹部9における光ファイバのガイドとなる溝9bを形成しているが、この溝は図示例の円弧溝9bに限らず、その他の断面形状の溝でもよいし、溝がなく平坦であってもよい。
また、図8に示すように、光ファイバ穴8の下端面より低い底面9a’であってもよい。
【0020】
なお、光ファイバが硬化収縮する接着剤により確実に上方に引き寄せられるためには、光ファイバ12aから凹部底面までの距離内に充填されている接着剤量よりも、光ファイバ12aから凹部上端開口面までに充填される接着剤量が顕著に大であることが必要である。
したがって、凹部9における光ファイバ12aの深さ位置に関して、光ファイバから凹部底面までの距離よりも、光ファイバから凹部上端開口面までの距離が顕著に大となるように、形成されている必要がある。
また、凹部の水平断面についても、光ファイバ穴長手方向の幅が狭いスリット程度では、光ファイバを確実に上に引き寄せる充分な吸引力が得られないので、光ファイバ穴長手方向の一定以上の幅が必要である。
【実施例2】
【0021】
なお、実施例では光ファイバガイド溝6と光ファイバ穴8との間に、光ファイバ穴8の径より若干径の大きな光ファイバガイド穴7を設けたが、光ファイバガイド溝6から直接光ファイバ穴につながるものであってもよい。
【0022】
上記実施例では光コネクタ用の光フェルールの場合について説明したが、本発明はこれに限らず、光ファイバと光導波路とを接続させる光ファイバアレイ等、光ファイバを横1列に精密位置決めする光部品全般に適用することができる。
すなわち、本発明は嵌合ピン位置決め方式の光コネクタ用の光フェルールには限定されず、光ファイバ穴に光ファイバを挿入して固定する光部品一般に適用することができる。
また、凹部は接続方向に向かって1箇所には限定されず複数箇所とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施例の光ファイバ付き光フェルールにおける光フェルールの斜視図である。
【図2】図1の光フェルールの縦断面図である。
【図3】図2の左側面図である。
【図4】図2における要部拡大A−A断面である。
【図5】上記の光フェルールに光ファイバテープを取り付けてなる本発明の一実施例の光ファイバ付き光フェルールを示す縦断面図である。
【図6】光ファイバの光ファイバ穴に対する偏心に関して本発明の作用効果を従来例と比較して説明するための図で、(a)は本発明の場合(図5の要部拡大図)、(b)は従来例の場合である。
【図7】(a)は本発明である図6(a)の要部拡大B−B断面図、(b)は従来例である図6(b)の要部拡大C−C断面図である。
【図8】光フェルール先端近傍に設ける凹部の深さと光ファイバ穴位置とに関する他の実施例を示すもので、図4に相当する図である。
【符号の説明】
【0024】
1 光フェルール
2 鍔部
3 光ファイバ挿入口
5 中空部
6 光ファイバガイド溝
7 光ファイバガイド穴
8 光ファイバ穴
9 凹部
9a 凹部の底面
9b 円弧溝
10 嵌合ピン穴
12 光ファイバテープ(光ファイバ)
12a 光ファイバ(裸ファイバ)
12b 被覆部
15 光ファイバ付き光フェルール
16 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光フェルールに複数の光ファイバを取り付けた光ファイバ付き光フェルールであって、
前記光フェルールは、フェルール後端側に開口する光ファイバ挿入口及び上面側に開口する接着剤充填窓を有する中空部と、この中空部の前方に形成された横1列に並ぶ複数の光ファイバガイド溝と、光ファイバガイド溝の先端からそれぞれ接続端面に向けて貫通する横一列に並ぶ光ファイバ穴と、前記光ファイバ穴の長手方向中間位置において光ファイバ穴を横断する態様でフェルール上面に開口する少なくとも1箇所の凹部とを備え、
前記光フェルールの中空部に光ファイバ挿入口から挿入した光ファイバが光ファイバガイド溝を経て光ファイバ穴に挿通され、中空部に接着剤充填窓から充填された接着剤及び凹部に充填された接着剤で光ファイバが固定されるとともに、光フェルール内の全ての光ファイバは、凹部に充填された接着剤の硬化収縮により凹部の上面開口方向に向かう同一方向に向けて引き寄せらてれており、これにより、光ファイバ穴内に延在する光ファイバの全長の内、少なくとも接続端面側から前記凹部までの部分が光ファイバ穴の断面上側に向かう同一方向に偏心した状態で固定されていることを特徴とする光ファイバ付き光フェルール。
【請求項2】
凹部に対する光ファイバの位置が、光ファイバから凹部底面までの距離よりも、光ファイバから凹部上端開口面までの距離が大であり、
光ファイバから凹部底面までの距離内に充填されている接着剤量よりも、光ファイバから凹部上端開口面までに充填される接着剤量が大であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ付き光フェルール。
【請求項3】
凹部が1箇所であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ付き光フェルール。
【請求項4】
光フェルールが、概ね角形をなし、光ファイバ穴列の両側に相手側光コネクタとの位置決めのためのピン嵌合穴を備えている嵌合ピン位置決め方式の光コネクタ用光フェルールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバ付き光フェルール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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