光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法
【課題】信頼性の高い光伝送が可能であり、歩留まりの低下を起こすことのない光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラスファイバが挿入される光ファイバ挿通孔13が形成され、ガラスファイバの挿入方向前方側の前端22aに電極14が設けられたフェルール12を有する光ファイバ保持部材11であって、フェルール12には、光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が、ガラスファイバが挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されている。
【解決手段】ガラスファイバが挿入される光ファイバ挿通孔13が形成され、ガラスファイバの挿入方向前方側の前端22aに電極14が設けられたフェルール12を有する光ファイバ保持部材11であって、フェルール12には、光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が、ガラスファイバが挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送等に用いられる光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI間信号の高速化に伴い、電気による伝送ではノイズ、消費電力増加を解消することが困難となってきている。そこで、近年、LSI間を、電磁障害や周波数依存性損失が殆どない光通信で伝送する試みがなされている。
この光伝送に用いられる光配線部品として、電気配線を有する光伝送路保持部材の保持穴開口位置に光半導体素子が実装されて電気配線の素子接続部に電気的に接続され、保持穴に光ファイバや光導波路といった光伝送路が搭載され、光半導体素子および光伝送路が接着剤により光伝送路保持部材に固定されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−3906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような光配線部品では、光伝送路保持部材であるフェルールに対して、その先端部に光半導体素子(VCSEL、PDなど)が実装される。そして、この光半導体素子の実装後、光半導体素子の反対側から保持孔へ光伝送路である光ファイバが挿入される。このとき、光ファイバを挿入する前に、粘度の低い接着剤を保持孔に塗布し、その接着剤をフェルールの先端側へ押し出すように光ファイバを挿入する。これにより、保持孔内に存在していた空気も接着剤と一緒にフェルールの先端側へ押し出され、最終的には光半導体素子と光ファイバ端面との間には、接着剤のみが存在する形態となる。
【0005】
しかし、フェルールの保持孔へ接着剤を充填して光ファイバを挿入する際に、保持孔内の濡れ性や接着剤塗布時の接着剤流れによって保持孔内に気泡が巻き込まれ、この気泡が光路中に残留する場合がある。
すると、この残留した気泡が、光半導体素子と光ファイバとの結合効率の低下や光強度のばらつきの要因となり、光半導体素子と光ファイバとの間での光伝送の信頼性の低下や製品歩留まりの低下をおこすおそれがある。特に、複数本の光ファイバを保持する光配線部品では、その影響が大きい。
【0006】
このため、気泡残留を抑える接着剤の充填方法が考えられる。例えば、図14(a)に示すように、充填用のニードル1を、フェルール2の保持孔3内へ挿し込み、その先端部を、フェルール2に実装した光半導体素子4の近傍に配置させる。この状態で、図14(b)に示すように、ニードル1の先端から接着剤5を吐出させながら、図14(c)に示すように、ニードル1を保持孔3から引き抜く。このようにすると、保持孔3内に接着剤5が気泡の残留なく充填される。このようにして接着剤5を充填してから保持孔3へ光ファイバを挿入すれば、光半導体素子4と光ファイバとの間における気泡の残留をなくすことができる。
しかし、保持孔3の内径は光ファイバの外径とほぼ同じであるため、保持孔3へ光ファイバを挿入する際に、保持孔3内に充填された接着剤5が光半導体素子4との間で圧縮され、光半導体素子4に圧力がかかる。すると、フェルール2の電極6に接続しているバンプ7が外れて接続不良が生じ、歩留まりの低下をおこすおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、信頼性の高い光伝送が可能であり、歩留まりの低下を起こすことのない光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することのできる本発明の光ファイバ保持部材は、光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材であって、
前記フェルールには、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の光ファイバ保持部材において、前記接着剤収容部は、前記フェルールの前端面まで連続して形成されていることが好ましい。
【0010】
本発明の光電気変換モジュール用部品は、上記本発明の何れかの光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、
前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔に充填された接着剤によって前記光ファイバ挿通孔に挿入された状態で固定されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の光電気変換モジュール用部品において、前記光ファイバは、光路軸と垂直な方向に対して先端面が傾斜されていることが好ましい。
【0012】
本発明の光電気変換モジュール用部品の製造方法は、光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、前記フェルールに、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されている光電気変換モジュール用部品の製造方法であって、
前記フェルールの前端に光デバイスを取り付けた状態で、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填し、
前記フェルールの後端から前記光ファイバ挿通孔へ前記光ファイバを挿入することにより、前記光ファイバ挿通孔内の前記接着剤を前記接着剤収容部へ送り出し、その後、前記接着剤を硬化させることを特徴とする。
【0013】
本発明の光電気変換モジュール用部品の製造方法において、充填用の筒部材を前記光ファイバ挿通孔に挿入してその先端を前記光ファイバ挿通孔における前記光デバイス近傍に配置し、前記筒部材の先端から接着剤を吐出させながら、前記筒部材を光ファイバ挿通孔から引き抜くことにより、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フェルールの光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、光ファイバが挿通される入口から光ファイバ挿通孔に沿って形成されている。これにより、光ファイバ挿通孔へ接着剤を充填して光ファイバを挿入する際に、接着剤は接着剤収容部へ逃げて光ファイバが挿通される入口へ向かって押し出される。そのため、光ファイバ挿通孔に接着剤を充填することで気泡の混入を防いで光デバイスと光ファイバとの間の光路における気泡の残留をなくすことができる。また、光ファイバ挿入時に接着剤に大きな圧力をかけることもないので、光デバイスへの圧力の付与を極力抑えて接続不良等の不具合も防止できる。したがって、光デバイスと光ファイバとの結合効率の低下や光強度のばらつきの発生などをなくすことができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材の一例を示す図であって、(a)は下面側から視た前方側の斜視図、(b)は上面側から視た後方側の斜視図である。
【図2】図1の光ファイバ保持部材を示す図であって、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は背面図、(d)は上下を逆にした状態の側面図である。
【図3】図1の光ファイバ保持部材の断面図である。
【図4】図1の光ファイバ保持部材の概略正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光電気変換モジュール用部品の一例を示す断面図である。
【図6】ガラスファイバの先端部の拡大図である。
【図7】本発明の実施形態に係る光電気変換モジュールの一例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る光電気変換モジュール用部品及び光コネクタの斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材を用いた光電気変換モジュール用部品の製造工程を示す図であって、(a)〜(c)は、それぞれ断面図である。
【図10】光電気変換モジュール用部品の製造途中における光ファイバ保持部材の概略断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材を用いた光電気変換モジュール用部品の変形例を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材の変形例を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材の変形例を示す概略正面図である。
【図14】光ファイバ保持部材への光ファイバの接着固定工程の一例を示す図であって、(a)〜(c)は、それぞれ断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、光ファイバ保持部材11は、フェルール12からなるものであり、このフェルール12は、樹脂によって一体成型されている。このフェルール12は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分とする熱可塑性樹脂から形成されている。ポリフェニレンサルファイドを主成分とする熱可塑性樹脂は、精密成形性に優れた樹脂であり、精密成形を要するフェルール12に用いるのに好適である。また、このポリフェニレンサルファイドを主成分とする熱可塑性樹脂は、線膨張係数が小さく、耐熱性にも優れた樹脂である。
【0017】
図3にも示すように、フェルール12は、前端部22と後端部23とから構成されており、後端部23に対して前端部22の厚さが薄く、幅寸法も小さくされている。この前端部22の厚さは、十分な機械的強度が確保可能な範囲で極力薄く形成されている。そして、フェルール12の前端部22における上下面は、光ファイバ挿通孔13の軸線と平行な面となるように形成されている。
【0018】
フェルール12には、前端部22の前端22aから後端部23の後端23aにわたって複数の光ファイバ挿通孔13が形成されており、これらの光ファイバ挿通孔13が、フェルール12の幅方向に間隔をあけて配列されている。これらの光ファイバ挿通孔13には、フェルール12の後端23a側から、それぞれ後述する内蔵のガラスファイバ(光ファイバ)32が挿入されて固定されるようになっている。
【0019】
また、図3及び図4に示すように、フェルール12には、光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が形成されている。この接着剤収容部27は、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿ってフェルール12の前端22aの端面まで伸びて形成されている。この接着剤収容部27は、光ファイバ挿通孔13の上方側に形成されており、その幅寸法は、光ファイバ挿通孔13の内径よりも小さい。
【0020】
フェルール12の前端部22には、その前端22aに、厚さ方向へ延在する電極(リードフレーム)14が複数設けられている。これらの電極14は、例えば、インサート成型によってフェルール12の前端22aに一体的に設けられている。つまり、このフェルール12は、複数の電極14とともに一体成型されている。そして、フェルール12の前端部22の上下面には、電極14の端部が露出されており、この露出された電極14の一部がパッド面14aとして設けられている。
【0021】
また、このフェルール12の前端22aには、前端22aから光ファイバ挿通孔13の軸方向に突出するリブ20が周方向にわたって設けられており、このリブ20には、フェルール12の前端22aにおける周方向の一部(本実施形態ではフェルール12の両側部)において切欠部20aが形成されている。これにより、フェルール12の前端22aは、その上下の縁部に、幅方向へわたってリブ20を有する形状とされている。
【0022】
フェルール12の前端部22の後端部23側の根元部分は、後端部23側へ向かって次第に厚さ及び幅が広く形成されている。これにより、前端部22の根元部分における応力集中が抑制される。なお、この前端部22の根元部分の厚さ方向及び幅方向の断面形状としては、円弧形状であってもよく、テーパ形状であってもよい。
【0023】
また、フェルール12には、後端23aに、光ファイバ挿通孔13の軸線に対して上方が開放されたガイド部24が光ファイバ挿通孔13の配列に沿って形成されている。このガイド部24には、光ファイバ挿通孔13と繋がる複数のガイド溝24aが形成されており、これらのガイド溝24aの上方が開放されている。なお、光ファイバ挿通孔13のガイド部24に繋がる部分は、ガイド部24へ向かって次第に拡径された挿入ガイド孔13bとされており、光ファイバ挿通孔13へのガラスファイバ32の挿入の円滑化が図られている。
【0024】
フェルール12の後端部23には、その両端部に、位置決め穴(位置決めガイド)25が形成されている。これらの位置決め穴25には、後述する光コネクタ50に装着された位置決めピン(位置決めガイド)47が挿入可能である。位置決め穴25に位置決めピン47を挿入することにより、光コネクタ50がフェルール12の後端23aに位置決めされた状態で接続される。
【0025】
次に、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュールについて説明する。
図5に示すように、光電気変換モジュール用部品30は、光ファイバ保持部材11を構成するフェルール12の光ファイバ挿通孔13に、コア及びクラッドを有するガラスファイバ32が挿通されて固定されている。これらのガラスファイバ32は、その先端部が略平滑な面に形成され、光デバイス41に過剰な圧力がかからなければ光デバイス41に接触しても良いが、好ましくは、フェルール12の前端22aと同一面上または光ファイバ挿通孔13内へ少し引き込んだ位置に配置されている。
【0026】
なお、図6に示すように、ガラスファイバ32は、その先端を光路軸Axと垂直な方向に対して斜めに切断したものでも良い。ガラスファイバ32の先端が斜めに切断されていると、光デバイス41との光伝送時における光の反射を極力少なくすることができる。光路軸に対して、光デバイス41が垂直で、ガラスファイバ32の先端が斜めに切断されている場合、光デバイス41とガラスファイバ32の光路軸は一致しているため、光路軸角度がずれている場合(光デバイス41が光路軸と垂直な方向に対して傾斜している場合)に比べて実装トレランスが拡大される。特に、マルチモードファイバの場合には、伝送光のスペックルノイズの発生を抑制することができる。
【0027】
また、このように、ガラスファイバ32の先端を斜めに切断しておくと、このガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿入する際に、挿入方向前方側に残留した気泡が良好に側方へ押し出される。したがって、光ファイバ挿通孔13内の気泡が接着剤収容部27へ円滑に送り出される。
なお、ガラスファイバ32の外縁部は面取りしておくのが好ましく、このように面取りしておけば、ガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13に挿入するときに、ガラスファイバ32の先端面が光ファイバ挿入孔13の内周面を削ることがない。
【0028】
フェルール12の前端22aには、リブ20の間に光デバイス41が取り付けられている。この光デバイス41は、フェルール12の前端22aに取り付けられる取り付け面である素子面に、素子部42と端子部43とを有している。
この光デバイス41は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)やフォトダイオードなどの発光素子または受光素子である。光デバイス41の素子部42は、光デバイス41が発光素子である場合は発光部であり、光デバイス41が受光素子である場合は受光部である。
【0029】
この光デバイス41は、その端子部43が、フェルール12に設けられた電極14に対して、例えば、金(Au)からなるバンプ40によって導通接続されている。このバンプ40による接続は、超音波振動または熱によってバンプ40を介して端子部43と電極14とを接続するフリップチップ実装で行われる。あるいは、異方性導電フィルム(ACF)を用いて接着することも可能である。このようにフェルール12に取り付けられた光デバイス41は、その素子部42が、フェルール12の光ファイバ挿通孔13の対向位置に配置されている。
【0030】
なお、フェルール12には、前端22aの幅方向半分に発光素子からなる光デバイス41を取り付け、残りの幅方向半分側に受光素子からなる光デバイス41を取り付ける場合もある。
ガラスファイバ32は、接着剤35によって接着されて固定されている。この接着剤35は、フェルール12の前端22aと光デバイス41との間にも充填されており、この接着剤35によって光デバイス41とフェルール12とが強固に接合されている。この接着剤35は、フェルール12に対して熱処理を施すことにより硬化されている。
【0031】
上記構造の光電気変換モジュール用部品30は、光電気変換モジュールとして用いる場合、ガイド部24が切断される場合がある。この切断箇所では、ガラスファイバ32の後端部が鏡面加工されている。なお、フェルール12は、ガイド部24を切断して鏡面加工を施す際に、前端部22より幅及び厚さ寸法が大きい後端部23によって充分な強度を有するので、十分な耐久性を発揮することができる。
【0032】
上記のような光電気変換モジュール用部品30は、図7に示すように、回路基板51に実装されて光電気変換モジュール31とされる。
この光電気変換モジュール31では、光電気変換モジュール用部品30を構成するフェルール12の前端部22が回路基板51の回路面51aにボンディング材等によって固定される。
【0033】
このように、前端部22を回路面51aへ配置させることにより、光電気変換モジュール用部品30が回路基板51の所定位置へ実装される。ここで、光ファイバ保持部材11を構成するフェルール12の前端部22における上下面が、光ファイバ挿通孔13の軸線と平行な面であるので、例えば、前端部22における下面を回路基板51に配置させることにより、極めて容易かつ円滑にフェルール12を回路基板51に取り付けることができる。
【0034】
回路基板51には、回路面51aに、電気デバイス55が実装されており、電気デバイス55の端子55aが回路面51aに形成された回路パターン(図示省略)と導通されている。なお、電気デバイス55は、例えば、ドライバ、トランスインピーダンスアンプなどの光素子駆動ICである。
【0035】
また、この回路基板51に実装された電気デバイス55の端子55aは、例えば、金(Au)からなるボンディングワイヤ56によってフェルール12の電極14のパッド面14aに導通接続される。
【0036】
回路基板51に実装された光電気変換モジュール用部品30のフェルール12は、その前端部22の高さが、回路基板51に実装された電気デバイス55の高さと略同一とされている。これにより、電気デバイス55の端子55aとフェルール12の電極14のパッド面14aとをつなぐボンディングワイヤ56の長さを極力短くすることができる。よって、ボンディングワイヤ56における高周波特性を向上させ、電気的ノイズの影響を極力抑えることができる。
【0037】
光電気変換モジュール用部品30を回路基板51に実装してなる光電気変換モジュール31には、図8に示すように、フェルール12の後端23a側に、光ファイバテープ心線48の複数本の光ファイバ心線49が接続された光コネクタ50が接続される。この光コネクタ50は、ポリエステル樹脂、PPS樹脂及びエポキシ樹脂の何れかを含む材料で形成されたコネクタフェルール44を有している。
【0038】
光ファイバ心線49は、コア及びクラッドを有するガラスファイバ(光ファイバ)45を樹脂によって被覆したものであり、光ファイバ心線49の端部で被覆から露出されたガラスファイバ45がコネクタフェルール44に保持されている。そして、コネクタフェルール44におけるフェルール12との対向面である光入出面44aで、それぞれのガラスファイバ45の端面が露出されている。
【0039】
光コネクタ50には、フェルール12側の光入出面44aの両側部に、フェルール12側へ突出する位置決めピン(位置決めガイド)47が設けられている。これらの位置決めピン47は、フェルール12に形成された位置決め穴25へ挿入して嵌合させることが可能である。光コネクタ50は、位置決めピン47を位置決め穴25へ挿入させながら、フェルール12側へ近接させることにより、ガラスファイバ45の先端面を、フェルール12に保持させたガラスファイバ32の後端面に高精度に配置させることができる。
【0040】
上記の光電気変換モジュール31では、光デバイス41と光コネクタ50のガラスファイバ45との間で、光電気変換モジュール31のガラスファイバ32を介して光伝送が行われる。
【0041】
発光素子からなる光デバイス41からガラスファイバ45へ光伝送が行われる場合では、光デバイス41の素子部42から発光された光が、光電気変換モジュール31のガラスファイバ32を介して光コネクタ50のガラスファイバ45へ入射することとなる。また、光コネクタ50のガラスファイバ45から、受光素子からなる光デバイス41へ光伝送が行われる場合では、ガラスファイバ45から出射した光が、光電気変換モジュール31のガラスファイバ32を介して光デバイス41の素子部42へ入射することとなる。
【0042】
また、この光電気変換モジュール31によれば、回路基板51に実装した後に光コネクタ50を接続して光伝送を行うことができるので、光コネクタ50の接続後に、例えば、光ファイバ心線49側に不具合が生じたとしても、光電気変換モジュール31を交換する必要がなく、歩留まりの低下によるコスト高を抑えることができる。また、予め光ファイバ心線49を接続した構造と比較して、回路基板51等への取り付けの際の、良好な組み立て作業性を確保することができる。
【0043】
なお、上記の例では、光ファイバ保持部材11のフェルール12に位置決め穴25を形成し、この位置決め穴25に光コネクタ50側の位置決めピン47を挿入させることにより、光ファイバ保持部材11と光コネクタ50とを位置決めしたが、光ファイバ保持部材11のフェルール12に位置決めピンを形成し、この位置決めピンを光コネクタ50に形成した位置決め穴へ挿入して位置決めする構造としても良い。
【0044】
本実施形態の光ファイバ保持部材11は、フェルール12の光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されている。したがって、光ファイバ挿通孔13へ接着剤35を充填してガラスファイバ32を挿入する際に、光ファイバ挿通孔13内の濡れ性や接着剤35の塗布時の接着剤流れによって光ファイバ挿通孔13内に気泡が巻き込まれたとしても、この気泡は、接着剤35とともに、接着剤収容部27へ送り出されてフェルール12の光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口へ向かって押し出される。
【0045】
これにより、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間の光路における気泡の残留をなくし、気泡による光デバイス41とガラスファイバ32との結合効率の低下や光強度のばらつきの発生などをなくすことができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【0046】
特に、先端が光路軸に対して斜めに切断されたガラスファイバ32を用いれば、ガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿入する際に、挿入方向前方側に残留した気泡を側方の接着剤収容部27へ良好に押し出すことができ、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間の光路における気泡の残留を、より効果的になくすことができる。
【0047】
また、光ファイバ挿通孔13へのガラスファイバ32の挿入時に押し込まれる接着剤35が接着剤収容部27へ送り出されるので、フェルール12の前端22aに取り付けた光デバイス41への圧力の付与を極力抑えて接続不良等の不具合を防止することができ、光伝送の信頼性のさらなる向上及び歩留まりのさらなる向上を図ることができる。特に、接着剤収容部27がフェルール12の前端22aの端面まで伸びて形成されていると、気泡の残留防止及び光デバイス41への圧力の付与抑制の効果が大きい。
【0048】
次に、上記の光ファイバ保持部材11を用いて図5の光電気変換モジュール用部品30を製造する方法について、工程ごとに説明する。
【0049】
まず、内蔵させるガラスファイバ32を切断し、フェルール12の全長よりも長い寸法とする。このとき、ガラスファイバ32は、その先端部を略平滑面としておく。具体的には、ガラスファイバ32の一部に傷を付け、その傷部分に曲げ力を付与して破断させるへき開による切断、超硬刃切断あるいはレーザー切断によって、ガラスファイバ32の先端部を略平滑面とする。
なお、ガラスファイバ32は、その先端を光路軸と垂直な方向に対して斜めに切断しても良く、さらに、ガラスファイバ32の外縁部を面取りしても良い。
【0050】
次に、図9(a)に示すように、前端22aに光デバイス41を超音波フリップチップ実装等によって搭載したフェルール12を用意する。そして、このフェルール12の前端22aにおけるリブ20と光デバイス41とをシート61によって覆い、前端22aとシート61の間の空間が、前端22aの両端の切欠部20aで外部と連通した状態にシールする。さらに、フェルール12の後端23a側から光ファイバ挿通孔13に接着剤35を充填する。なお、シート61としては、後に説明する接着剤35の硬化後に前端22aから容易に剥離できる材料からなるものを用いることが好ましく、フッ素樹脂からなる樹脂フィルムを用いることが好ましい。
【0051】
この際、図14に示したように、充填用のニードル(筒部材)1を用いて接着剤を光ファイバ挿通孔13に充填することが好ましい。具体的には、充填用のニードルを、フェルール12の光ファイバ挿通孔13内へ挿し込んで、その先端部を、フェルール12の端面22aに実装した光デバイス41の近傍に配置させ、ニードルの先端から接着剤35を吐出させながら、ニードルを光ファイバ挿通孔13から引き抜く。そして、このようにして接着剤35を充填した光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を挿入すれば、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との光路内での気泡の残留を抑えることができる。
【0052】
次に、図9(b)に示すように、シート61を治具62によってフェルール12の前端22aへ向けて押し付けながら、フェルール12の後端23a側から光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を挿入する。治具62は、シート61を介してリブ20と光デバイス41とに接触するように配置される。この状態で治具62をフェルール12の前端22aへ向けて押し付けることで、シート61は治具62と、リブ20および光デバイス41の背面とに挟まれた状態で押圧されて固定される。前端22aはシート61により覆われて、前端22aとシート61との間の空間を切欠部20aを介して外部と連通させた状態にシールされ得る。このとき、リブ20が光デバイス41を挟んだ両側に配置されていれば、シート61を容易に、かつ確実に固定できる。
【0053】
ガラスファイバ32の挿入時には、まず、フェルール12のガイド部24で上方側が開放されている光ファイバ挿通孔13と繋がるガイド溝24aにガラスファイバ32の先端部を載せる。そして、このガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿し込んで、ガラスファイバ32の先端面を光デバイス41の素子部42と対向させる。このとき、ガラスファイバ32をフェルール12に形成されたガイド部24のガイド溝24aへ載置させることにより、容易に光ファイバ挿通孔13に対して位置決めすることができる。
【0054】
光ファイバ挿通孔13へ挿し込んだガラスファイバ32は、その先端が光デバイス41に当接すると、ガイド部24における開放された上方または側方へ小さな挿入力で湾曲する。これにより、ガラスファイバ32は、湾曲することによって挿入力が逃がされ、光デバイス41との当接箇所へ過剰な当接力が加わることが防止される。
【0055】
また、フェルール12の後端23a側から光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を挿入することにより、接着剤35が前端22a側へ押し込まれる。すると、接着剤35は、ガラスファイバ32の外周と光ファイバ挿通孔13の内周との間の僅かな隙間に充填されるとともに、光ファイバ挿通孔13からフェルール12の前端22aへ押し出されてフェルール12の前端22aと光デバイス41との間へ入り込む。
【0056】
また、フェルール12には、フェルール12の光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されている。これにより、光ファイバ挿通孔13へのガラスファイバ32の挿入時に押し込まれる接着剤35が接着剤収容部27へ送り出されるので、フェルール12の前端22aに取り付けた光デバイス41への圧力の付与が極力抑えられる。
【0057】
また、図10に示すように、ガラスファイバ32によってフェルール12の前端22aへ押し込まれる接着剤35に気泡Aが含まれていたとしても、その気泡Aを含有する接着剤35は、接着剤収容部27へ送り込まれ、フェルール12の後端23a側へ押し出される。したがって、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間の光路における気泡Aの残留がなくされる。
【0058】
このとき、ガラスファイバ32として、その先端が光路軸に対して斜めに切断されたものを用いれば、ガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿入する際に、挿入方向前方側に残留した気泡Aが接着剤35とともに側方の接着剤収容部27へより良好に押し出される。
【0059】
また、光ファイバ挿通孔13からフェルール12の前端22aへ押し出された接着剤35は、フェルール12のリブ20と光デバイス41との間にも入り込む。このとき、フェルール12におけるリブ20と光デバイス41とは、シート61によって覆われて前端22aとシート61の間の空間が、前端22aの両端の切欠部20aで外部と連通した状態にシールされているので、接着剤35は外部と連通した切欠部20a側へ円滑に送り出され、切欠部20aからはみ出される。このとき、シート61は治具62と、リブ20および光デバイス41の背面とが接触した状態で固定されているので、接着剤35が光デバイス41の背面に付着することを防止することができる。また、接着剤35に含まれていた気泡は接着剤35とともに、光デバイス41の素子部42と光ファイバ32の間の光路外へ移動、もしくは切欠部20aから外部へ排出される。これにより、接着剤35は、フェルール12の上下面に露出されている電極14からなるパッド面14aに付着したり、回路基板51へのダイボンディング面となる前端部22の下面に付着したりすることが防止される。
【0060】
このように、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間における気泡の残留なく、また、電極14からなるパッド面14aや回路基板51へのダイボンディング面となる前端部22の下面や、光デバイス41の背面への付着なく接着剤35を充填することができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【0061】
次に、フェルール12に、100℃〜150℃程度の熱処理を施して接着剤35を硬化させる。このとき、フェルール12は、前端部22の厚さが後端部23の厚さよりも薄いので、前端部22側の温度が先に上昇する。したがって、接着剤35は、早く温度が上昇する前端部22側から硬化し、その後、後端部23側が硬化する。
【0062】
このように、接着剤35を硬化させる際に、この接着剤35が前端部22側から硬化するので、前端部22におけるガラスファイバ32の位置ずれを防止することができる。これにより、光デバイス41の素子部42に対してガラスファイバ32を所定の位置に高精度に配置させることができ、光デバイス41とガラスファイバ32との間での光送受信を安定化させることができ、光伝送の信頼性を向上させることができる。
【0063】
その後、図9(c)に示すように、シート61を剥がし、フェルール12の後端23aの研磨処理を行う。シート61としてフッ素樹脂からなる樹脂フィルムを用いれば、フェルール12から容易に剥がすことができる。
フェルール12の後端23aの研磨処理では、フェルール12のガイド部24を、ガラスファイバ32とともに後端部23側の根元部分から切断し、ガラスファイバ32の切断面を鏡面加工する。ガイド部24の切断の仕方としては、高速回転する円形のダイヤモンドブレードで切断するダイシングがあり、このダイシングによってガイド部24を切断した後、研磨して、ガラスファイバ32の切断面を鏡面仕上げすることができる。
そして、上記の工程によりフェルール12にガラスファイバ32が内蔵され、フェルール12の前端22aに光デバイス41が装着された光電気変換モジュール用部品30が得られる。
【0064】
なお、上記実施形態では、フェルール12の光ファイバ挿通孔13にガラスファイバ32を内蔵させる場合を例示して説明したが、図11に示すように、光ファイバ心線の先端の被覆を除去して露出させたガラスファイバ33を直接フェルール12の光ファイバ挿通孔13へ挿入して接着剤35によって接着して固定させても良い。これにより、ピグテール型の光電気変換モジュール用部品が得られる。
【0065】
この構造の場合も、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間における気泡の残留なく、また、電極14からなるパッド面14aや回路基板51へのダイボンディング面となる前端部22の下面や、光デバイス41の背面への付着なく接着剤35を充填することができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【0066】
なお、上記の実施形態では、接着剤収容部27を、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口からフェルール12の前端22aの端面まで形成したが、接着剤収容部27は、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されていれば良い。
【0067】
図12に示すように、接着剤収容部27を、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿ってフェルール12の前端22aの手前まで形成するようにしてもよい。
この場合も、ガラスファイバ32によって押し込まれた接着剤35が、接着剤収容部27へ送り出され、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口へ押し出されることにより、フェルール12の前端22aに取り付けた光デバイス41への圧力の付与が極力抑えられる。また、接着剤35に気泡Aが含まれていたとしても、その気泡Aを含有する接着剤35は接着剤収容部27へ送り込まれ、光デバイス41とガラスファイバ32との間の光路内における気泡の残留が防止される。
【0068】
また、上記実施形態では、接着剤収容部27を光ファイバ挿通孔13の上方側だけに形成したが、図13に示すように、光ファイバ挿通孔13の上下に接着剤収容部27を形成しても良い。このようにすると、ガラスファイバ32挿入時に接着剤35に加わる圧力がさらに大きくなりにくく、光デバイス41への圧力の付与が抑えられる。また、気泡を含む接着剤35をより効率上下の良く接着剤収容部27へ導き、光デバイス41とガラスファイバ32との間の光路内における気泡の残留を防止することができる。
【0069】
なお、フェルール12の光ファイバ挿通孔13へニードルを用いて接着剤35を充填する際、もし接着剤収容部27がない場合には、接着剤35に圧力がかからないように光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を徐々に挿入するのが好ましい。
【符号の説明】
【0070】
11:光ファイバ保持部材、12:フェルール、13:光ファイバ挿通孔、14:電極、22a:前端、27:接着剤収容部、30:光電気変換モジュール用部品、31:光電気変換モジュール、32,33:ガラスファイバ(光ファイバ)、35:接着剤、41:光デバイス、45:ガラスファイバ(光ファイバ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、光伝送等に用いられる光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LSI間信号の高速化に伴い、電気による伝送ではノイズ、消費電力増加を解消することが困難となってきている。そこで、近年、LSI間を、電磁障害や周波数依存性損失が殆どない光通信で伝送する試みがなされている。
この光伝送に用いられる光配線部品として、電気配線を有する光伝送路保持部材の保持穴開口位置に光半導体素子が実装されて電気配線の素子接続部に電気的に接続され、保持穴に光ファイバや光導波路といった光伝送路が搭載され、光半導体素子および光伝送路が接着剤により光伝送路保持部材に固定されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−3906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような光配線部品では、光伝送路保持部材であるフェルールに対して、その先端部に光半導体素子(VCSEL、PDなど)が実装される。そして、この光半導体素子の実装後、光半導体素子の反対側から保持孔へ光伝送路である光ファイバが挿入される。このとき、光ファイバを挿入する前に、粘度の低い接着剤を保持孔に塗布し、その接着剤をフェルールの先端側へ押し出すように光ファイバを挿入する。これにより、保持孔内に存在していた空気も接着剤と一緒にフェルールの先端側へ押し出され、最終的には光半導体素子と光ファイバ端面との間には、接着剤のみが存在する形態となる。
【0005】
しかし、フェルールの保持孔へ接着剤を充填して光ファイバを挿入する際に、保持孔内の濡れ性や接着剤塗布時の接着剤流れによって保持孔内に気泡が巻き込まれ、この気泡が光路中に残留する場合がある。
すると、この残留した気泡が、光半導体素子と光ファイバとの結合効率の低下や光強度のばらつきの要因となり、光半導体素子と光ファイバとの間での光伝送の信頼性の低下や製品歩留まりの低下をおこすおそれがある。特に、複数本の光ファイバを保持する光配線部品では、その影響が大きい。
【0006】
このため、気泡残留を抑える接着剤の充填方法が考えられる。例えば、図14(a)に示すように、充填用のニードル1を、フェルール2の保持孔3内へ挿し込み、その先端部を、フェルール2に実装した光半導体素子4の近傍に配置させる。この状態で、図14(b)に示すように、ニードル1の先端から接着剤5を吐出させながら、図14(c)に示すように、ニードル1を保持孔3から引き抜く。このようにすると、保持孔3内に接着剤5が気泡の残留なく充填される。このようにして接着剤5を充填してから保持孔3へ光ファイバを挿入すれば、光半導体素子4と光ファイバとの間における気泡の残留をなくすことができる。
しかし、保持孔3の内径は光ファイバの外径とほぼ同じであるため、保持孔3へ光ファイバを挿入する際に、保持孔3内に充填された接着剤5が光半導体素子4との間で圧縮され、光半導体素子4に圧力がかかる。すると、フェルール2の電極6に接続しているバンプ7が外れて接続不良が生じ、歩留まりの低下をおこすおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、信頼性の高い光伝送が可能であり、歩留まりの低下を起こすことのない光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することのできる本発明の光ファイバ保持部材は、光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材であって、
前記フェルールには、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の光ファイバ保持部材において、前記接着剤収容部は、前記フェルールの前端面まで連続して形成されていることが好ましい。
【0010】
本発明の光電気変換モジュール用部品は、上記本発明の何れかの光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、
前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔に充填された接着剤によって前記光ファイバ挿通孔に挿入された状態で固定されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の光電気変換モジュール用部品において、前記光ファイバは、光路軸と垂直な方向に対して先端面が傾斜されていることが好ましい。
【0012】
本発明の光電気変換モジュール用部品の製造方法は、光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、前記フェルールに、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されている光電気変換モジュール用部品の製造方法であって、
前記フェルールの前端に光デバイスを取り付けた状態で、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填し、
前記フェルールの後端から前記光ファイバ挿通孔へ前記光ファイバを挿入することにより、前記光ファイバ挿通孔内の前記接着剤を前記接着剤収容部へ送り出し、その後、前記接着剤を硬化させることを特徴とする。
【0013】
本発明の光電気変換モジュール用部品の製造方法において、充填用の筒部材を前記光ファイバ挿通孔に挿入してその先端を前記光ファイバ挿通孔における前記光デバイス近傍に配置し、前記筒部材の先端から接着剤を吐出させながら、前記筒部材を光ファイバ挿通孔から引き抜くことにより、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フェルールの光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、光ファイバが挿通される入口から光ファイバ挿通孔に沿って形成されている。これにより、光ファイバ挿通孔へ接着剤を充填して光ファイバを挿入する際に、接着剤は接着剤収容部へ逃げて光ファイバが挿通される入口へ向かって押し出される。そのため、光ファイバ挿通孔に接着剤を充填することで気泡の混入を防いで光デバイスと光ファイバとの間の光路における気泡の残留をなくすことができる。また、光ファイバ挿入時に接着剤に大きな圧力をかけることもないので、光デバイスへの圧力の付与を極力抑えて接続不良等の不具合も防止できる。したがって、光デバイスと光ファイバとの結合効率の低下や光強度のばらつきの発生などをなくすことができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材の一例を示す図であって、(a)は下面側から視た前方側の斜視図、(b)は上面側から視た後方側の斜視図である。
【図2】図1の光ファイバ保持部材を示す図であって、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は背面図、(d)は上下を逆にした状態の側面図である。
【図3】図1の光ファイバ保持部材の断面図である。
【図4】図1の光ファイバ保持部材の概略正面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光電気変換モジュール用部品の一例を示す断面図である。
【図6】ガラスファイバの先端部の拡大図である。
【図7】本発明の実施形態に係る光電気変換モジュールの一例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る光電気変換モジュール用部品及び光コネクタの斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材を用いた光電気変換モジュール用部品の製造工程を示す図であって、(a)〜(c)は、それぞれ断面図である。
【図10】光電気変換モジュール用部品の製造途中における光ファイバ保持部材の概略断面図である。
【図11】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材を用いた光電気変換モジュール用部品の変形例を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材の変形例を示す断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る光ファイバ保持部材の変形例を示す概略正面図である。
【図14】光ファイバ保持部材への光ファイバの接着固定工程の一例を示す図であって、(a)〜(c)は、それぞれ断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る光ファイバ保持部材、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュール用部品の製造方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、光ファイバ保持部材11は、フェルール12からなるものであり、このフェルール12は、樹脂によって一体成型されている。このフェルール12は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を主成分とする熱可塑性樹脂から形成されている。ポリフェニレンサルファイドを主成分とする熱可塑性樹脂は、精密成形性に優れた樹脂であり、精密成形を要するフェルール12に用いるのに好適である。また、このポリフェニレンサルファイドを主成分とする熱可塑性樹脂は、線膨張係数が小さく、耐熱性にも優れた樹脂である。
【0017】
図3にも示すように、フェルール12は、前端部22と後端部23とから構成されており、後端部23に対して前端部22の厚さが薄く、幅寸法も小さくされている。この前端部22の厚さは、十分な機械的強度が確保可能な範囲で極力薄く形成されている。そして、フェルール12の前端部22における上下面は、光ファイバ挿通孔13の軸線と平行な面となるように形成されている。
【0018】
フェルール12には、前端部22の前端22aから後端部23の後端23aにわたって複数の光ファイバ挿通孔13が形成されており、これらの光ファイバ挿通孔13が、フェルール12の幅方向に間隔をあけて配列されている。これらの光ファイバ挿通孔13には、フェルール12の後端23a側から、それぞれ後述する内蔵のガラスファイバ(光ファイバ)32が挿入されて固定されるようになっている。
【0019】
また、図3及び図4に示すように、フェルール12には、光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が形成されている。この接着剤収容部27は、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿ってフェルール12の前端22aの端面まで伸びて形成されている。この接着剤収容部27は、光ファイバ挿通孔13の上方側に形成されており、その幅寸法は、光ファイバ挿通孔13の内径よりも小さい。
【0020】
フェルール12の前端部22には、その前端22aに、厚さ方向へ延在する電極(リードフレーム)14が複数設けられている。これらの電極14は、例えば、インサート成型によってフェルール12の前端22aに一体的に設けられている。つまり、このフェルール12は、複数の電極14とともに一体成型されている。そして、フェルール12の前端部22の上下面には、電極14の端部が露出されており、この露出された電極14の一部がパッド面14aとして設けられている。
【0021】
また、このフェルール12の前端22aには、前端22aから光ファイバ挿通孔13の軸方向に突出するリブ20が周方向にわたって設けられており、このリブ20には、フェルール12の前端22aにおける周方向の一部(本実施形態ではフェルール12の両側部)において切欠部20aが形成されている。これにより、フェルール12の前端22aは、その上下の縁部に、幅方向へわたってリブ20を有する形状とされている。
【0022】
フェルール12の前端部22の後端部23側の根元部分は、後端部23側へ向かって次第に厚さ及び幅が広く形成されている。これにより、前端部22の根元部分における応力集中が抑制される。なお、この前端部22の根元部分の厚さ方向及び幅方向の断面形状としては、円弧形状であってもよく、テーパ形状であってもよい。
【0023】
また、フェルール12には、後端23aに、光ファイバ挿通孔13の軸線に対して上方が開放されたガイド部24が光ファイバ挿通孔13の配列に沿って形成されている。このガイド部24には、光ファイバ挿通孔13と繋がる複数のガイド溝24aが形成されており、これらのガイド溝24aの上方が開放されている。なお、光ファイバ挿通孔13のガイド部24に繋がる部分は、ガイド部24へ向かって次第に拡径された挿入ガイド孔13bとされており、光ファイバ挿通孔13へのガラスファイバ32の挿入の円滑化が図られている。
【0024】
フェルール12の後端部23には、その両端部に、位置決め穴(位置決めガイド)25が形成されている。これらの位置決め穴25には、後述する光コネクタ50に装着された位置決めピン(位置決めガイド)47が挿入可能である。位置決め穴25に位置決めピン47を挿入することにより、光コネクタ50がフェルール12の後端23aに位置決めされた状態で接続される。
【0025】
次に、光電気変換モジュール用部品及び光電気変換モジュールについて説明する。
図5に示すように、光電気変換モジュール用部品30は、光ファイバ保持部材11を構成するフェルール12の光ファイバ挿通孔13に、コア及びクラッドを有するガラスファイバ32が挿通されて固定されている。これらのガラスファイバ32は、その先端部が略平滑な面に形成され、光デバイス41に過剰な圧力がかからなければ光デバイス41に接触しても良いが、好ましくは、フェルール12の前端22aと同一面上または光ファイバ挿通孔13内へ少し引き込んだ位置に配置されている。
【0026】
なお、図6に示すように、ガラスファイバ32は、その先端を光路軸Axと垂直な方向に対して斜めに切断したものでも良い。ガラスファイバ32の先端が斜めに切断されていると、光デバイス41との光伝送時における光の反射を極力少なくすることができる。光路軸に対して、光デバイス41が垂直で、ガラスファイバ32の先端が斜めに切断されている場合、光デバイス41とガラスファイバ32の光路軸は一致しているため、光路軸角度がずれている場合(光デバイス41が光路軸と垂直な方向に対して傾斜している場合)に比べて実装トレランスが拡大される。特に、マルチモードファイバの場合には、伝送光のスペックルノイズの発生を抑制することができる。
【0027】
また、このように、ガラスファイバ32の先端を斜めに切断しておくと、このガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿入する際に、挿入方向前方側に残留した気泡が良好に側方へ押し出される。したがって、光ファイバ挿通孔13内の気泡が接着剤収容部27へ円滑に送り出される。
なお、ガラスファイバ32の外縁部は面取りしておくのが好ましく、このように面取りしておけば、ガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13に挿入するときに、ガラスファイバ32の先端面が光ファイバ挿入孔13の内周面を削ることがない。
【0028】
フェルール12の前端22aには、リブ20の間に光デバイス41が取り付けられている。この光デバイス41は、フェルール12の前端22aに取り付けられる取り付け面である素子面に、素子部42と端子部43とを有している。
この光デバイス41は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)やフォトダイオードなどの発光素子または受光素子である。光デバイス41の素子部42は、光デバイス41が発光素子である場合は発光部であり、光デバイス41が受光素子である場合は受光部である。
【0029】
この光デバイス41は、その端子部43が、フェルール12に設けられた電極14に対して、例えば、金(Au)からなるバンプ40によって導通接続されている。このバンプ40による接続は、超音波振動または熱によってバンプ40を介して端子部43と電極14とを接続するフリップチップ実装で行われる。あるいは、異方性導電フィルム(ACF)を用いて接着することも可能である。このようにフェルール12に取り付けられた光デバイス41は、その素子部42が、フェルール12の光ファイバ挿通孔13の対向位置に配置されている。
【0030】
なお、フェルール12には、前端22aの幅方向半分に発光素子からなる光デバイス41を取り付け、残りの幅方向半分側に受光素子からなる光デバイス41を取り付ける場合もある。
ガラスファイバ32は、接着剤35によって接着されて固定されている。この接着剤35は、フェルール12の前端22aと光デバイス41との間にも充填されており、この接着剤35によって光デバイス41とフェルール12とが強固に接合されている。この接着剤35は、フェルール12に対して熱処理を施すことにより硬化されている。
【0031】
上記構造の光電気変換モジュール用部品30は、光電気変換モジュールとして用いる場合、ガイド部24が切断される場合がある。この切断箇所では、ガラスファイバ32の後端部が鏡面加工されている。なお、フェルール12は、ガイド部24を切断して鏡面加工を施す際に、前端部22より幅及び厚さ寸法が大きい後端部23によって充分な強度を有するので、十分な耐久性を発揮することができる。
【0032】
上記のような光電気変換モジュール用部品30は、図7に示すように、回路基板51に実装されて光電気変換モジュール31とされる。
この光電気変換モジュール31では、光電気変換モジュール用部品30を構成するフェルール12の前端部22が回路基板51の回路面51aにボンディング材等によって固定される。
【0033】
このように、前端部22を回路面51aへ配置させることにより、光電気変換モジュール用部品30が回路基板51の所定位置へ実装される。ここで、光ファイバ保持部材11を構成するフェルール12の前端部22における上下面が、光ファイバ挿通孔13の軸線と平行な面であるので、例えば、前端部22における下面を回路基板51に配置させることにより、極めて容易かつ円滑にフェルール12を回路基板51に取り付けることができる。
【0034】
回路基板51には、回路面51aに、電気デバイス55が実装されており、電気デバイス55の端子55aが回路面51aに形成された回路パターン(図示省略)と導通されている。なお、電気デバイス55は、例えば、ドライバ、トランスインピーダンスアンプなどの光素子駆動ICである。
【0035】
また、この回路基板51に実装された電気デバイス55の端子55aは、例えば、金(Au)からなるボンディングワイヤ56によってフェルール12の電極14のパッド面14aに導通接続される。
【0036】
回路基板51に実装された光電気変換モジュール用部品30のフェルール12は、その前端部22の高さが、回路基板51に実装された電気デバイス55の高さと略同一とされている。これにより、電気デバイス55の端子55aとフェルール12の電極14のパッド面14aとをつなぐボンディングワイヤ56の長さを極力短くすることができる。よって、ボンディングワイヤ56における高周波特性を向上させ、電気的ノイズの影響を極力抑えることができる。
【0037】
光電気変換モジュール用部品30を回路基板51に実装してなる光電気変換モジュール31には、図8に示すように、フェルール12の後端23a側に、光ファイバテープ心線48の複数本の光ファイバ心線49が接続された光コネクタ50が接続される。この光コネクタ50は、ポリエステル樹脂、PPS樹脂及びエポキシ樹脂の何れかを含む材料で形成されたコネクタフェルール44を有している。
【0038】
光ファイバ心線49は、コア及びクラッドを有するガラスファイバ(光ファイバ)45を樹脂によって被覆したものであり、光ファイバ心線49の端部で被覆から露出されたガラスファイバ45がコネクタフェルール44に保持されている。そして、コネクタフェルール44におけるフェルール12との対向面である光入出面44aで、それぞれのガラスファイバ45の端面が露出されている。
【0039】
光コネクタ50には、フェルール12側の光入出面44aの両側部に、フェルール12側へ突出する位置決めピン(位置決めガイド)47が設けられている。これらの位置決めピン47は、フェルール12に形成された位置決め穴25へ挿入して嵌合させることが可能である。光コネクタ50は、位置決めピン47を位置決め穴25へ挿入させながら、フェルール12側へ近接させることにより、ガラスファイバ45の先端面を、フェルール12に保持させたガラスファイバ32の後端面に高精度に配置させることができる。
【0040】
上記の光電気変換モジュール31では、光デバイス41と光コネクタ50のガラスファイバ45との間で、光電気変換モジュール31のガラスファイバ32を介して光伝送が行われる。
【0041】
発光素子からなる光デバイス41からガラスファイバ45へ光伝送が行われる場合では、光デバイス41の素子部42から発光された光が、光電気変換モジュール31のガラスファイバ32を介して光コネクタ50のガラスファイバ45へ入射することとなる。また、光コネクタ50のガラスファイバ45から、受光素子からなる光デバイス41へ光伝送が行われる場合では、ガラスファイバ45から出射した光が、光電気変換モジュール31のガラスファイバ32を介して光デバイス41の素子部42へ入射することとなる。
【0042】
また、この光電気変換モジュール31によれば、回路基板51に実装した後に光コネクタ50を接続して光伝送を行うことができるので、光コネクタ50の接続後に、例えば、光ファイバ心線49側に不具合が生じたとしても、光電気変換モジュール31を交換する必要がなく、歩留まりの低下によるコスト高を抑えることができる。また、予め光ファイバ心線49を接続した構造と比較して、回路基板51等への取り付けの際の、良好な組み立て作業性を確保することができる。
【0043】
なお、上記の例では、光ファイバ保持部材11のフェルール12に位置決め穴25を形成し、この位置決め穴25に光コネクタ50側の位置決めピン47を挿入させることにより、光ファイバ保持部材11と光コネクタ50とを位置決めしたが、光ファイバ保持部材11のフェルール12に位置決めピンを形成し、この位置決めピンを光コネクタ50に形成した位置決め穴へ挿入して位置決めする構造としても良い。
【0044】
本実施形態の光ファイバ保持部材11は、フェルール12の光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されている。したがって、光ファイバ挿通孔13へ接着剤35を充填してガラスファイバ32を挿入する際に、光ファイバ挿通孔13内の濡れ性や接着剤35の塗布時の接着剤流れによって光ファイバ挿通孔13内に気泡が巻き込まれたとしても、この気泡は、接着剤35とともに、接着剤収容部27へ送り出されてフェルール12の光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口へ向かって押し出される。
【0045】
これにより、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間の光路における気泡の残留をなくし、気泡による光デバイス41とガラスファイバ32との結合効率の低下や光強度のばらつきの発生などをなくすことができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【0046】
特に、先端が光路軸に対して斜めに切断されたガラスファイバ32を用いれば、ガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿入する際に、挿入方向前方側に残留した気泡を側方の接着剤収容部27へ良好に押し出すことができ、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間の光路における気泡の残留を、より効果的になくすことができる。
【0047】
また、光ファイバ挿通孔13へのガラスファイバ32の挿入時に押し込まれる接着剤35が接着剤収容部27へ送り出されるので、フェルール12の前端22aに取り付けた光デバイス41への圧力の付与を極力抑えて接続不良等の不具合を防止することができ、光伝送の信頼性のさらなる向上及び歩留まりのさらなる向上を図ることができる。特に、接着剤収容部27がフェルール12の前端22aの端面まで伸びて形成されていると、気泡の残留防止及び光デバイス41への圧力の付与抑制の効果が大きい。
【0048】
次に、上記の光ファイバ保持部材11を用いて図5の光電気変換モジュール用部品30を製造する方法について、工程ごとに説明する。
【0049】
まず、内蔵させるガラスファイバ32を切断し、フェルール12の全長よりも長い寸法とする。このとき、ガラスファイバ32は、その先端部を略平滑面としておく。具体的には、ガラスファイバ32の一部に傷を付け、その傷部分に曲げ力を付与して破断させるへき開による切断、超硬刃切断あるいはレーザー切断によって、ガラスファイバ32の先端部を略平滑面とする。
なお、ガラスファイバ32は、その先端を光路軸と垂直な方向に対して斜めに切断しても良く、さらに、ガラスファイバ32の外縁部を面取りしても良い。
【0050】
次に、図9(a)に示すように、前端22aに光デバイス41を超音波フリップチップ実装等によって搭載したフェルール12を用意する。そして、このフェルール12の前端22aにおけるリブ20と光デバイス41とをシート61によって覆い、前端22aとシート61の間の空間が、前端22aの両端の切欠部20aで外部と連通した状態にシールする。さらに、フェルール12の後端23a側から光ファイバ挿通孔13に接着剤35を充填する。なお、シート61としては、後に説明する接着剤35の硬化後に前端22aから容易に剥離できる材料からなるものを用いることが好ましく、フッ素樹脂からなる樹脂フィルムを用いることが好ましい。
【0051】
この際、図14に示したように、充填用のニードル(筒部材)1を用いて接着剤を光ファイバ挿通孔13に充填することが好ましい。具体的には、充填用のニードルを、フェルール12の光ファイバ挿通孔13内へ挿し込んで、その先端部を、フェルール12の端面22aに実装した光デバイス41の近傍に配置させ、ニードルの先端から接着剤35を吐出させながら、ニードルを光ファイバ挿通孔13から引き抜く。そして、このようにして接着剤35を充填した光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を挿入すれば、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との光路内での気泡の残留を抑えることができる。
【0052】
次に、図9(b)に示すように、シート61を治具62によってフェルール12の前端22aへ向けて押し付けながら、フェルール12の後端23a側から光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を挿入する。治具62は、シート61を介してリブ20と光デバイス41とに接触するように配置される。この状態で治具62をフェルール12の前端22aへ向けて押し付けることで、シート61は治具62と、リブ20および光デバイス41の背面とに挟まれた状態で押圧されて固定される。前端22aはシート61により覆われて、前端22aとシート61との間の空間を切欠部20aを介して外部と連通させた状態にシールされ得る。このとき、リブ20が光デバイス41を挟んだ両側に配置されていれば、シート61を容易に、かつ確実に固定できる。
【0053】
ガラスファイバ32の挿入時には、まず、フェルール12のガイド部24で上方側が開放されている光ファイバ挿通孔13と繋がるガイド溝24aにガラスファイバ32の先端部を載せる。そして、このガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿し込んで、ガラスファイバ32の先端面を光デバイス41の素子部42と対向させる。このとき、ガラスファイバ32をフェルール12に形成されたガイド部24のガイド溝24aへ載置させることにより、容易に光ファイバ挿通孔13に対して位置決めすることができる。
【0054】
光ファイバ挿通孔13へ挿し込んだガラスファイバ32は、その先端が光デバイス41に当接すると、ガイド部24における開放された上方または側方へ小さな挿入力で湾曲する。これにより、ガラスファイバ32は、湾曲することによって挿入力が逃がされ、光デバイス41との当接箇所へ過剰な当接力が加わることが防止される。
【0055】
また、フェルール12の後端23a側から光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を挿入することにより、接着剤35が前端22a側へ押し込まれる。すると、接着剤35は、ガラスファイバ32の外周と光ファイバ挿通孔13の内周との間の僅かな隙間に充填されるとともに、光ファイバ挿通孔13からフェルール12の前端22aへ押し出されてフェルール12の前端22aと光デバイス41との間へ入り込む。
【0056】
また、フェルール12には、フェルール12の光ファイバ挿通孔13に連続する接着剤収容部27が、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されている。これにより、光ファイバ挿通孔13へのガラスファイバ32の挿入時に押し込まれる接着剤35が接着剤収容部27へ送り出されるので、フェルール12の前端22aに取り付けた光デバイス41への圧力の付与が極力抑えられる。
【0057】
また、図10に示すように、ガラスファイバ32によってフェルール12の前端22aへ押し込まれる接着剤35に気泡Aが含まれていたとしても、その気泡Aを含有する接着剤35は、接着剤収容部27へ送り込まれ、フェルール12の後端23a側へ押し出される。したがって、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間の光路における気泡Aの残留がなくされる。
【0058】
このとき、ガラスファイバ32として、その先端が光路軸に対して斜めに切断されたものを用いれば、ガラスファイバ32を光ファイバ挿通孔13へ挿入する際に、挿入方向前方側に残留した気泡Aが接着剤35とともに側方の接着剤収容部27へより良好に押し出される。
【0059】
また、光ファイバ挿通孔13からフェルール12の前端22aへ押し出された接着剤35は、フェルール12のリブ20と光デバイス41との間にも入り込む。このとき、フェルール12におけるリブ20と光デバイス41とは、シート61によって覆われて前端22aとシート61の間の空間が、前端22aの両端の切欠部20aで外部と連通した状態にシールされているので、接着剤35は外部と連通した切欠部20a側へ円滑に送り出され、切欠部20aからはみ出される。このとき、シート61は治具62と、リブ20および光デバイス41の背面とが接触した状態で固定されているので、接着剤35が光デバイス41の背面に付着することを防止することができる。また、接着剤35に含まれていた気泡は接着剤35とともに、光デバイス41の素子部42と光ファイバ32の間の光路外へ移動、もしくは切欠部20aから外部へ排出される。これにより、接着剤35は、フェルール12の上下面に露出されている電極14からなるパッド面14aに付着したり、回路基板51へのダイボンディング面となる前端部22の下面に付着したりすることが防止される。
【0060】
このように、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間における気泡の残留なく、また、電極14からなるパッド面14aや回路基板51へのダイボンディング面となる前端部22の下面や、光デバイス41の背面への付着なく接着剤35を充填することができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【0061】
次に、フェルール12に、100℃〜150℃程度の熱処理を施して接着剤35を硬化させる。このとき、フェルール12は、前端部22の厚さが後端部23の厚さよりも薄いので、前端部22側の温度が先に上昇する。したがって、接着剤35は、早く温度が上昇する前端部22側から硬化し、その後、後端部23側が硬化する。
【0062】
このように、接着剤35を硬化させる際に、この接着剤35が前端部22側から硬化するので、前端部22におけるガラスファイバ32の位置ずれを防止することができる。これにより、光デバイス41の素子部42に対してガラスファイバ32を所定の位置に高精度に配置させることができ、光デバイス41とガラスファイバ32との間での光送受信を安定化させることができ、光伝送の信頼性を向上させることができる。
【0063】
その後、図9(c)に示すように、シート61を剥がし、フェルール12の後端23aの研磨処理を行う。シート61としてフッ素樹脂からなる樹脂フィルムを用いれば、フェルール12から容易に剥がすことができる。
フェルール12の後端23aの研磨処理では、フェルール12のガイド部24を、ガラスファイバ32とともに後端部23側の根元部分から切断し、ガラスファイバ32の切断面を鏡面加工する。ガイド部24の切断の仕方としては、高速回転する円形のダイヤモンドブレードで切断するダイシングがあり、このダイシングによってガイド部24を切断した後、研磨して、ガラスファイバ32の切断面を鏡面仕上げすることができる。
そして、上記の工程によりフェルール12にガラスファイバ32が内蔵され、フェルール12の前端22aに光デバイス41が装着された光電気変換モジュール用部品30が得られる。
【0064】
なお、上記実施形態では、フェルール12の光ファイバ挿通孔13にガラスファイバ32を内蔵させる場合を例示して説明したが、図11に示すように、光ファイバ心線の先端の被覆を除去して露出させたガラスファイバ33を直接フェルール12の光ファイバ挿通孔13へ挿入して接着剤35によって接着して固定させても良い。これにより、ピグテール型の光電気変換モジュール用部品が得られる。
【0065】
この構造の場合も、光デバイス41の素子部42とガラスファイバ32との間における気泡の残留なく、また、電極14からなるパッド面14aや回路基板51へのダイボンディング面となる前端部22の下面や、光デバイス41の背面への付着なく接着剤35を充填することができ、光伝送の信頼性の向上及び歩留まりの向上を図ることができる。
【0066】
なお、上記の実施形態では、接着剤収容部27を、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口からフェルール12の前端22aの端面まで形成したが、接着剤収容部27は、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿って形成されていれば良い。
【0067】
図12に示すように、接着剤収容部27を、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口から光ファイバ挿通孔13に沿ってフェルール12の前端22aの手前まで形成するようにしてもよい。
この場合も、ガラスファイバ32によって押し込まれた接着剤35が、接着剤収容部27へ送り出され、光ファイバ挿通孔13におけるガラスファイバ32が挿通される入口へ押し出されることにより、フェルール12の前端22aに取り付けた光デバイス41への圧力の付与が極力抑えられる。また、接着剤35に気泡Aが含まれていたとしても、その気泡Aを含有する接着剤35は接着剤収容部27へ送り込まれ、光デバイス41とガラスファイバ32との間の光路内における気泡の残留が防止される。
【0068】
また、上記実施形態では、接着剤収容部27を光ファイバ挿通孔13の上方側だけに形成したが、図13に示すように、光ファイバ挿通孔13の上下に接着剤収容部27を形成しても良い。このようにすると、ガラスファイバ32挿入時に接着剤35に加わる圧力がさらに大きくなりにくく、光デバイス41への圧力の付与が抑えられる。また、気泡を含む接着剤35をより効率上下の良く接着剤収容部27へ導き、光デバイス41とガラスファイバ32との間の光路内における気泡の残留を防止することができる。
【0069】
なお、フェルール12の光ファイバ挿通孔13へニードルを用いて接着剤35を充填する際、もし接着剤収容部27がない場合には、接着剤35に圧力がかからないように光ファイバ挿通孔13へガラスファイバ32を徐々に挿入するのが好ましい。
【符号の説明】
【0070】
11:光ファイバ保持部材、12:フェルール、13:光ファイバ挿通孔、14:電極、22a:前端、27:接着剤収容部、30:光電気変換モジュール用部品、31:光電気変換モジュール、32,33:ガラスファイバ(光ファイバ)、35:接着剤、41:光デバイス、45:ガラスファイバ(光ファイバ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材であって、
前記フェルールには、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されていることを特徴とする光ファイバ保持部材。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバ保持部材であって、
前記接着剤収容部は、前記フェルールの前端面まで連続して形成されていることを特徴とする光ファイバ保持部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、
前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔に充填された接着剤によって前記光ファイバ挿通孔に挿入された状態で固定されていることを特徴とする光電気変換モジュール用部品。
【請求項4】
請求項3に記載の光電気変換モジュール用部品であって、
前記光ファイバは、光路軸と垂直な方向に対して先端面が傾斜されていることを特徴とする光電気変換モジュール用部品。
【請求項5】
光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、前記フェルールに、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されている光電気変換モジュール用部品の製造方法であって、
前記フェルールの前端に光デバイスを取り付けた状態で、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填し、
前記フェルールの後端から前記光ファイバ挿通孔へ前記光ファイバを挿入することにより、前記光ファイバ挿通孔内の前記接着剤を前記接着剤収容部へ送り出し、その後、前記接着剤を硬化させることを特徴とする光電気変換モジュール用部品の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光電気変換モジュール用部品の製造方法であって、
充填用の筒部材を前記光ファイバ挿通孔に挿入してその先端を前記光ファイバ挿通孔における前記光デバイス近傍に配置し、前記筒部材の先端から接着剤を吐出させながら、前記筒部材を光ファイバ挿通孔から引き抜くことにより、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填することを特徴とする光電気変換モジュール用部品の製造方法。
【請求項1】
光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材であって、
前記フェルールには、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されていることを特徴とする光ファイバ保持部材。
【請求項2】
請求項1に記載の光ファイバ保持部材であって、
前記接着剤収容部は、前記フェルールの前端面まで連続して形成されていることを特徴とする光ファイバ保持部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、
前記光ファイバは、前記光ファイバ挿通孔に充填された接着剤によって前記光ファイバ挿通孔に挿入された状態で固定されていることを特徴とする光電気変換モジュール用部品。
【請求項4】
請求項3に記載の光電気変換モジュール用部品であって、
前記光ファイバは、光路軸と垂直な方向に対して先端面が傾斜されていることを特徴とする光電気変換モジュール用部品。
【請求項5】
光ファイバが挿入される光ファイバ挿通孔が形成され、前記光ファイバの挿入方向前方側の前端に電極が設けられたフェルールを有する光ファイバ保持部材と、前記光ファイバ保持部材の前記フェルールに形成された前記光ファイバ挿通孔へ挿入されて固定された光ファイバと、前記電極と導通接続された状態に前記フェルールの前端に取り付けられた光デバイスとを備え、前記フェルールに、前記光ファイバ挿通孔に連続する接着剤収容部が、前記光ファイバが挿通される入口から前記光ファイバ挿通孔に沿って形成されている光電気変換モジュール用部品の製造方法であって、
前記フェルールの前端に光デバイスを取り付けた状態で、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填し、
前記フェルールの後端から前記光ファイバ挿通孔へ前記光ファイバを挿入することにより、前記光ファイバ挿通孔内の前記接着剤を前記接着剤収容部へ送り出し、その後、前記接着剤を硬化させることを特徴とする光電気変換モジュール用部品の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光電気変換モジュール用部品の製造方法であって、
充填用の筒部材を前記光ファイバ挿通孔に挿入してその先端を前記光ファイバ挿通孔における前記光デバイス近傍に配置し、前記筒部材の先端から接着剤を吐出させながら、前記筒部材を光ファイバ挿通孔から引き抜くことにより、前記光ファイバ挿通孔に接着剤を充填することを特徴とする光電気変換モジュール用部品の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−198451(P2012−198451A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63887(P2011−63887)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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