説明

光プローブ及び光観察装置

【課題】所望の観察位置を安定的に保持して測定対象に対して測定光を集光し該測定対象の構造情報を得る。
【解決手段】OCTプローブ600の挿入部602において、挿入部602のシースは、先端に半球レンズからなる光学レンズ628が取り付けられたOCT測定用の光ファイバ623を挿通する筒状のOCT用シース部622と、挿入部602の基端側の所定の位置より先端までの間に挿入部602の長手軸方向に沿って挿入部602外周に一体的に構成された内視鏡120の挿入部114を挿入するための円筒状のチューブ部材610とからなるダブルシース602aを構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光プローブ及び光観察装置に係り、特に光プローブのシース構造に特徴のある及び光観察装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体の体腔内を観察する内視鏡装置として、生体の体腔内で照明光を照射し、反射された反射光による像を撮像し、モニタ等に表示する電子内視鏡装置が広く普及され、様々な分野で利用されている。また多くの内視鏡装置は、鉗子口を備え、この鉗子口を介して体腔内に導入されたプローブにより、体腔内の組織の生検や治療を行なうことが可能となっている。
【0003】
一方、近年、生体組織等の測定対象を切断せずに生体などの断層画像を取得する光観察装置としての断層画像取得装置の開発が進められており、例えば低コヒーレンス光による干渉を用いた光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法を利用した光断層画像化装置が知られている(特許文献1)。
【0004】
このOCT計測は、測定光および反射光と参照光との光路長が一致したときに干渉光が検出されることを利用した計測方法である。すなわちこの方法において、光源から射出された低コヒーレント光は測定光と参照光とに分割され、測定光は測定対象に照射され、測定対象からの反射光が合波手段に導かれる。一方、参照光は、測定対象内の測定深さを変更するために、光路長の変更が施された後に合波手段に導かれる。そして、合波手段により反射光と参照光とが合波され、合波されたことによる干渉光がヘテロダイン検波等により測定される。
【0005】
上記OCT装置においては、参照光の光路長を変更することにより、測定対象に対する測定位置(測定深さ)を変更し断層画像を取得するようになっており、この手法は一般にTD−OCT(Time domain OCT)計測と称されている。
【0006】
他方、参照光の光路長の変更を行うことなく高速に断層画像を取得する装置として、SD−OCT(Spectral Domain OCT)計測あるいはSS−OCT(Swept source OCT)計測による光断層画像化装置が提案されている。
【0007】
上述した断層画像においては、照射位置を僅かにずらしながら、測定を繰り返すことにより、所定の走査領域の2次元的あるいは3次元的な光断層画像を取得することができる。
【0008】
このようなOCT装置(光断層画像化装置)は、測定部位を精細(約10μmの分解能)に観察することが可能であり、内視鏡装置の鉗子口にOCTプローブ(光プローブ)を挿入して信号光および信号光の反射光を導光し、体腔内の光断層画像を取得することにより、例えば初期癌の深達度診断なども可能となる。
【0009】
OCTプローブにおける光の走査方法としては、ファイバを回転させるラジアルスキャン型、プローブ先端に設けた偏向素子を回転させるラジアルスキャン型(特許文献2)、ファイバを電磁誘導などで左右に振るリニアスキャン型(特許文献3)、小型のミラーを内蔵するリニアスキャン型(特許文献4)などが開示されている。また、回転させながらそれと垂直な方向に走査する2次元走査型が開示されている。
【0010】
従来のOCT装置では、OCTプローブが軟性で略円筒形状であるので、観察に必要な時間、安定して、生体組織と当接させたり一定距離離す等の観察位置を保持することが困難となる。
【0011】
一方、バルーンを備えた内視鏡、及び内視鏡用のオーバーチューブが開示されている(特許文献5)。これは、消化管内で内視鏡を固定させるのに都合のよい構造である。しかし、このようなバルーンを備えた内視鏡の鉗子口から突出させたOCTプローブでは、壁面からの距離が大きくなりすぎる欠点がある。
【0012】
また、バルーンの取り付けられたOCTプローブが開示されている(特許文献6)。OCTプローブ単体の操作性はよいが、通常内視鏡との組合せが悪く、内視鏡の鉗子チャンネルを介して患部へOCTプローブを当てるのが難しくなる。
【0013】
図26は内視鏡の鉗子チャンネルの先端開口部から導出されたOCTプローブを用いて断層画像を得る様子を示す図の一例である。OCT計測法は、図26に示すように、内視鏡1の鉗子チャンネルの先端開口部2から突出させたOCTプローブ3の挿入部先端部4を、測定対象Sの所望の部位に近づけて、断層画像を得るものである。
【0014】
この場合、例えば、先端開口部2から突出させた細長なOCTプローブ3では、OCTプローブ3のシースが軟性であるため剛性が不足し、その突出部分は先端開口部2が支点となって容易に湾曲し、さらに体腔内組織のひだ構造や顫動運動等により、OCTプローブ3のシース5の外表面を測定対象Sの表面に当てた状態を保持して観察したり、その状態よりも測定対象S表面から離した位置にOCTプローブ3のシース5の外表面を保持して観察することが困難である。
【0015】
そこで、光プローブを生体組織と一定距離等に位置決めして観察することができる技術が提案されている(特許文献7)。
【特許文献1】特開平6−165784号公報
【特許文献2】特表2000−503237号公報
【特許文献3】米国特許6950692
【特許文献4】特開2004−229963号公報
【特許文献5】特開2005−168990号公報
【特許文献6】特開2007−75403号公報
【特許文献7】特開2002−263055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上記特許文献4では、光プローブを生体組織(測定対象S)と一定距離等に位置決めするために内視鏡の先端にキャップを設けるとしているが、この構成では、光プローブと生体組織(測定対象S)との距離が光プローブを挿通させる鉗子チャンネルの内視鏡先端面での開口位置により規制されるばかりでなく、光プローブを生体組織(測定対象S)に当接させることができない。また、このような特許文献4の技術では、キャップが観察(計測)中に内視鏡先端から脱落する恐れもある。
【0017】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、所望の観察位置を安定的に保持して測定対象に対して測定光を集光し該測定対象の構造情報を得ることのできる光プローブ及び光観察装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の光プローブは、先端が閉塞された筒状のシースと、前記シースの内部に設けられ前記シース長手軸に沿って配設された導光手段と、前記導光手段の出射端部側に設けられ、該出射端部から出射した光の光路を偏向させ測定対象に収束させる集光手段と、を備え、前記集光手段から出射した収束光の光軸方向と略直交する面上で該収束光を走査させると共に、前記測定対象からの光を前記集光手段を介して前記導光手段に導波する光プローブにおいて、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材を備えて構成される。
【0019】
請求項1に記載の光プローブでは、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材により、所望の観察位置を安定的に保持して測定対象に対して測定光を集光し該測定対象の構造情報を得ることができる。
【0020】
請求項2に記載の光プローブは、請求項1に記載の光プローブであって、前記チューブ部材は、両端が開口した、少なくとも内視鏡挿入部が挿入可能な外筒であることが好ましい。
【0021】
請求項3に記載の光プローブは、請求項1または2に記載の光プローブであって、前記シースの前記シース長手軸に直交する断面の内面形状は略台形であることが好ましい。
【0022】
請求項4に記載の光プローブは、請求項1または2に記載の光プローブであって、前記シースの前記シース長手軸に直交する断面の内面形状は略半円形であることが好ましい。
【0023】
請求項5に記載の光プローブは、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光プローブであって、少なくとも、前記集光手段は、前記シースの内部にて前記シース長手軸に直交する面内において移動可能に構成されることが好ましい。
【0024】
請求項6に記載の光プローブは、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光プローブであって、前記シースは、少なくとも前記チューブ部材と結合した外側壁に対向した側面の先端位置に、前記集光手段から出射した光及び前記測定対象からの光を透過する半透明な光開口部を有して構成することができる。
【0025】
請求項7に記載の光プローブは、請求項6に記載の光プローブであって、前記チューブ部材は前記シースと結合した外周側に対向した外周位置に膨張及び収縮可能なバルーン手段を有し、前記バルーン手段の膨張及び収縮を制御するバルーン制御手段をさらに備えて構成することができる。
【0026】
請求項8に記載の光プローブは、請求項6に記載の光プローブであって、前記シースは、前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段を有して構成することができる。
【0027】
請求項9に記載の光プローブは、請求項8に記載の光プローブであって、前記間隙規制手段は、前記光開口部に隣接した側面位置に設けられた凸部であることが好ましい。
【0028】
請求項10に記載の光プローブは、請求項9に記載の光プローブであって、前記凸部は、前記光開口部の前記シース長手軸前後に設けられていることが好ましい。
【0029】
請求項11に記載の光プローブは、請求項7に記載の光プローブであって、前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段を有して構成することができる。
【0030】
請求項12に記載の光プローブは、請求項11に記載の光プローブであって、前記間隙規制手段は、前記光開口部に隣接した側面位置に設けられた凸部であることが好ましい。
【0031】
請求項13に記載の光プローブは、請求項12に記載の光プローブであって、前記凸部は、前記光開口部の前記シース長手軸前後に設けられていることが好ましい。
【0032】
請求項14に記載の光プローブは、請求項12または13に記載の光プローブであって、前記凸部は、膨張及び収縮可能なバルーン部材であることが好ましい。
【0033】
請求項15に記載の光プローブは、請求項14に記載の光プローブであって、前記バルーン部材は、前記バルーン手段と一体的に形成されることが好ましい。
【0034】
請求項16に記載の光プローブは、請求項14または15に記載の光プローブであって、前記バルーン制御手段は、前記バルーン部材の膨張及び収縮をさらに制御することが好ましい。
【0035】
請求項17に記載の光プローブは、請求項8または11に記載の光プローブであって、前記間隙規制手段は、前記シースの先端側面位置に形成された凹部であって、前記光開口部は前記凹部内に設けられることが好ましい。
【0036】
請求項18に記載の光プローブは、請求項1ないし17のいずれか1つに記載の光プローブであって、閉塞された前記シースの先端は、テーパ形状をなすことが好ましい。
【0037】
請求項19に記載の光観察装置は、体腔内の測定対象に照射する測定光を供給すると共に、該測定対象からの光に基づいて前記測定対象の断層画像を生成する光断層画像化装置と、前記測定光を前記測定対象に導波すると共に、前記測定対象からの光を前記光断層画像化装置に導波する光プローブと、を備えた光観察装置において、前記光プローブは、先端が閉塞された筒状のシースと、前記シースの内部に設けられ前記シース長手軸に沿って配設された導光手段と、前記導光手段の出射端部側に設けられ、該出射端部から出射した光の光路を偏向させ測定対象に収束させる集光手段と、少なくとも細長で可撓性を有する内視鏡挿入部が挿通可能で、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材と、を備え、前記集光手段から出射した収束光の光軸方向と略直交する面上で該収束光を走査させると共に、前記測定対象からの光を前記集光手段を介して前記導光手段に導波するように構成される。
【0038】
請求項19に記載の光観察装置では、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材により、所望の観察位置を安定的に保持して測定対象に対して測定光を集光し該測定対象の構造情報を得ることができる。
【0039】
請求項20に記載の光観察装置は、請求項19に記載の光観察装置であって、前記チューブ部材の前記シースと結合した外周壁に対向した外周位置に設けられた膨張及び収縮可能なバルーン手段と、前記バルーン手段の膨張及び収縮を制御するバルーン制御部と、をさらに備えて構成することができる。
【0040】
請求項21に記載の光観察装置は、請求項19または20に記載の光観察装置であって、前記シースの少なくとも前記チューブ部材と結合した外側壁に対向した側面の先端位置に設けられた、前記集光手段から出射した光及び前記測定対象からの光を透過する半透明な光開口部と、前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段と、をさらに有して構成することができる。
【0041】
請求項22に記載の光観察装置は、体腔内の測定対象に照射する測定光を供給すると共に、該測定対象からの光に基づいて前記測定対象の断層画像を生成する光断層画像化装置と、前記測定光を前記測定対象に導波すると共に、前記測定対象からの光を前記光断層画像化装置に導波する光プローブと、前記測定対象に照射する照明光を供給する光源手段と、細長で可撓性を有する挿入部を備えた、前記照明光が照射された前記測定対象を撮像する内視鏡と、前記内視鏡からの撮像信号を信号処理し、前記測定対象の内視鏡画像を生成する内視鏡プロセッサと、を備えた光観察装置において、前記光プローブは、先端が閉塞された筒状のシースと、前記シースの内部に設けられ前記シース長手軸に沿って配設された導光手段と、前記導光手段の出射端部側に設けられ、該出射端部から出射した光の光路を偏向させ測定対象に収束させる集光手段と、少なくとも前記内視鏡の前記挿入部が挿通可能で、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材と、を備え、前記集光手段から出射した収束光の光軸方向と略直交する面上で該収束光を走査させると共に、前記測定対象からの光を前記集光手段を介して前記導光手段に導波するように構成される。
【0042】
請求項22に記載の光観察装置では、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材により、所望の観察位置を安定的に保持して測定対象に対して測定光を集光し該測定対象の構造情報を得ることができる。
【0043】
請求項23に記載の光観察装置は、請求項22に記載の光観察装置であって、前記チューブ部材の前記シースと結合した外周壁に対向した外周位置に設けられた膨張及び収縮可能なバルーン手段と、前記バルーン手段の膨張及び収縮を制御するバルーン制御部と、をさらに備えて構成することができる。
【0044】
請求項24に記載の光観察装置は、請求項22または23に記載の光観察装置であって、前記シースの少なくとも前記チューブ部材と結合した外側壁に対向した側面の先端位置に設けられた、前記集光手段から出射した光及び前記測定対象からの光を透過する半透明な光開口部と、前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段と、をさらに有して構成することができる。
【発明の効果】
【0045】
以上説明したように、本発明によれば、所望の観察位置を安定的に保持して測定対象に対して測定光を集光し該測定対象の構造情報を得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下に、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0047】
第1の実施形態:
図1は第1の実施形態に係る画像診断装置を示す外観図の一例である。図1に示すように、本実施形態の光観察装置としての画像診断装置10は、主として内視鏡100、内視鏡プロセッサ200、光源手段としての光源装置300、光断層画像化装置としてのOCTプロセッサ400、及びモニタ装置500とから構成されている。尚、内視鏡プロセッサ200は、光源装置300を内蔵するように構成されていてもよい。
【0048】
内視鏡100は、手元操作部112と、この手元操作部112に連設される挿入部114とを備える。術者は手元操作部112を把持して操作し、挿入部114を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
【0049】
手元操作部112には、ユニバーサルケーブル116が接続され、ユニバーサルケーブル116の先端にLG(ライトガイド)コネクタ120が設けられる。このLGコネクタ120を光源装置300に着脱自在に連結することによって、挿入部114の先端部に配設された照明光学系(不図示)に照明光が送られる。また、LGコネクタ120には、ユニバーサルケーブル116を介して電気コネクタ110が接続され、電気コネクタ110が内視鏡プロセッサ200に着脱自在に連結される。これにより、内視鏡100で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサ200に出力され、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に画像が表示される。
【0050】
なお、手元操作部112には、送気・送水ボタン、吸引ボタン、シャッターボタン、機能切替ボタン、一対のアングルノブ、一対のロックレバー等が設けられているが、これらの部材についての説明は省略する。
【0051】
OCTプローブ600は、挿入部602と、術者がOCTプローブ600を操作するための操作部604、及びコネクタ410を介してOCTプロセッサ400と接続されるケーブル606から構成されている。
【0052】
OCTプローブ600の挿入部602は、その長手軸方向に沿って挿入部602のシース602a外周に一体的に構成された円筒状のチューブ部材610が設けられており、このチューブ部材610は、両端が開口しており、内視鏡100の挿入部114が挿通可能となっている。なお、シース602a及びチューブ部材610はそれぞれ可撓性を有する筒状の部材より構成される。
【0053】
一方、内視鏡100の挿入部114は、手元操作部112側から順に、軟性部140、湾曲部142、先端部144で構成されている。先端部144には、後述する観察光学系、照明光学系等が設けられている。
【0054】
なお、内視鏡プロセッサ、及び光源装置の構成は公知であるので説明は省略する。また、OCTプロセッサ400は、例えばSS−OCT(Swept source OCT)計測法を利用したプロセッサであり、詳細は公知であるので説明は省略する。なお、OCT計測法としては、例えば公知のTD−OCT(Time domain OCT)計測あるいはSD−OCT(Spectral Domain OCT)の計測法でもよい。
【0055】
図2は図1のOCTプローブの構成を示す図である。図2に示すように、OCTプローブ600の挿入部602において、挿入部602のシースは、先端に半球レンズからなる集光手段としての光学レンズ628が取り付けられたOCT測定用の導光手段としての光ファイバ623を挿通する筒状のOCT用シース部622と、挿入部602の基端側の所定の位置より先端までの間に挿入部602の長手軸方向に沿って挿入部602外周に一体的に構成された内視鏡100の挿入部114を挿入するための円筒状のチューブ部材610とからなるダブルシース602aを構成している。OCT用シース部622の先端622aは閉塞(密閉)構造となっており、体内に挿入する際に引っかからないように、テーパ構造となっている。一方、チューブ部材610の両端は開口となっており、内視鏡100の挿入部114は矢印Bに示す方向(長手軸方向)にチューブ部材610内で進退可能となっており、チューブ部材610の先端610aより内視鏡100の挿入部114を突出させることができるようになっている。
【0056】
図3は図2のA−A線断面を示す断面図である。図3に示すように、挿入部602の長手軸に直交する面における、OCT用シース部622の断面は略台形に形成され、チューブ部材610の断面は略円形に形成されている。OCT用シース部622の底面を平面にすることにより測定対象との当接を安定化することが可能となる。
【0057】
図4は図2のA−A線断面の第1の変形例を示す断面図であり、図5は図2のA−A線断面の第2の変形例を示す断面図である。図4に示すように、挿入部602の長手軸に直交する面における、OCT用シース部622の断面を略半円形に形成してもよい。また、図5に示すように、挿入部602の長手軸に直交する面における、OCT用シース部622の断面を略台形に形成し、OCT用シース部622内で矢印Cに示す方向(挿入部602の長手軸に直交する面における、少なくとも長手軸に平行な方向)に光学レンズ628を移動可能に構成してもよい。
【0058】
図6は図1のOCTプローブ及び内視鏡の挿入部の先端断面を示す断面図である。図6に示すように、チューブ部材610に挿通される内視鏡100の挿入部114の先端部144には、観察光学系150、照明光学系152等が設けられ、観察光学系150の奥の先端部144内部には固体撮像素子であるCCD140が配設される。
【0059】
観察光学系150で取り込まれた観察像はCCD140の受光面に結像されて電気信号に変換され、この電気信号が内視鏡プロセッサ200に出力され、映像信号に変換される。これにより、内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に観察画像が表示される(図1参照)。
【0060】
一方、照明光学系152は、観察光学系150に隣接して設けられており、必要に応じて観察光学系150の両側に配置される。照明光学系152の奥には、ライトガイド141の出射端が配設され、このライトガイド141が挿入部114、手元操作部112、ユニバーサルケーブル116に挿通され、ライトガイド141の入射端がLGコネクタ120内に配置される。したがって、LGコネクタ120を光源装置300に連結することによって、光源装置300から照射された照明光がライトガイド141を介して照明光学系152に伝送され、照明光学系から前方の観察範囲に照射される(図1参照)。
【0061】
OCT用シース部622は、少なくとも光学レンズ628を介した測定光L1および反射光L3が通過する先端側の側面の一部が、全周に渡って光を透過する材料(半透明な材料)で形成された光開口部650を備えている。
【0062】
光ファイバ623は、線状部材であり、OCT用シース部622内に長手軸に沿って収容されており、OCTプロセッサ400から射出された測定光L1を光学レンズ628まで導波するとともに、測定光L1を測定対象Sに照射して光学レンズ628で取得した測定対象Sからの反射光L3をOCTプロセッサ400まで導波する。
【0063】
ここで、光ファイバ623は、OCTプローブ600の操作部604に設けられた回転駆動部(不図示)内のロータリージョィント(不図示)等に接続されており、OCTプロセッサ400に光学的に接続されている。また、光ファイバ623は、OCT用シース部622に対して回転自在な状態で配置されている。
【0064】
フレキシブルシャフト624は、光ファイバ623の外周に固定されている。また、光ファイバ623及びフレキシブルシャフト624は、回転駆動部(不図示)に接続され、回転駆動部(不図示)は光学レンズ628をOCT用シース部622に対し、矢印R2方向に回転させる。
【0065】
光学レンズ628は、光ファイバ623の先端に配置されており、先端部が、光ファイバ623から射出された測定光L1を測定対象Sに対し集光するために略球状の形状で形成されている。
【0066】
光学レンズ628は、光ファイバ623から射出した測定光L1を測定対象Sに対し照射し、測定対象Sからの反射光L3を集光し光ファイバ623に入射する。
【0067】
固定部材626は、光ファイバ623と光学レンズ628との接続部の外周に配置されており、光学レンズ628を光ファイバ623の端部に固定する。
【0068】
さらに、光ファイバ623、フレキシブルシャフト624、固定部材626、及び光学レンズ628は、回転駆動部の進退機構(不図示)により、OCT用シース部622内部を矢印S1方向(OCT用シース部622の基端方向)、及びS2方向(OCT用シース部622の先端方向)に移動可能に構成されている。
【0069】
OCTプローブ600は、以上のような構成であり、回転駆動部により光ファイバ623およびフレキシブルシャフト624が、図6中矢印R2方向に回転されることで、光学レンズ628から射出される測定光L1を測定対象Sに対し、矢印R2方向(OCT用シース部622の周方向)に対し走査しながら照射し、戻り光L3を取得する。
【0070】
本実施形態では、図6に示すように、まず、術者は、内視鏡100の挿入部114をダブルシース602aのチューブ部材610内に挿入する。そして、術者は、内視鏡100で画像を見ながら、患者の体内(管腔内)に内視鏡100の挿入部114を挿通したダブルシース602aを挿入する。術者は、体内(管腔内)にて測定対象Sである患部を内視鏡画像から見つけたところで、ダブルシース602aを回転させOCT用シース部622側が測定対象Sの方に向くように調整し、測定対象SにOCT用シース部622の光開口部650を当接させる。この状態で、OCT用シース部622の内部にある光ファイバ623と光学レンズ628が回転しながら長手軸方向に移動し、2次元的な走査が行われる。OCT計測では深さ方向の情報が得られるため、結果的に測定対象Sの3次元構造のデータが取得される。
【0071】
本実施形態では、上述したように、ダブルシース602aはチューブ部材610及びOCT用シース部622より構成されるため、チューブ部材610により、ダブルシース602a全体の剛性が高まり、このダブルシース602a全体の剛性により安定して測定対象SにOCT用シース部622の光開口部650を当接させることができる。
【0072】
すなわち、OCTプローブ600は、所望の観察位置である測定対象Sとの当接位置を安定的に保持して測定対象Sに対して測定光を集光し測定対象Sからの光をOCTプロセッサ400に導波することで、該測定対象Sの3次元構造のデータを取得し測定対象Sの光断層像を得ることを可能とする。
【0073】
また、チューブ部材610に内視鏡100の挿入部114を挿通した状態、すなわち内視鏡観察下では、さらにOCTプローブ600ではダブルシース602aの全体の剛性が高まり、また、挿入部114の湾曲部142の湾曲操作を利用して、より測定対象Sとの当接位置を安定的に保持することもできる。
【0074】
尚、本実施形態では、図6に示したように、OCT用シース部622の先端622aの位置とチューブ部材610の先端610aの位置とが略同一とした例にて説明したが、これに限らない。図7は図6のOCTプローブの第1の変形例を示す図、図8は図6のOCTプローブの第2の変形例を示す図である。すなわち、図7に示すように、OCT用シース部622の先端622aの位置がチューブ部材610の先端610aよりも先端側になるようにダブルシース602aを構成してもよいし、図8に示すように、OCT用シース部622の先端622aの位置がチューブ部材610の先端610aよりも基端側になるようにダブルシース602aを構成してもよい。
【0075】
第2の実施形態:
第2の実施形態は第1の実施形態とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一構成には同じ符号を付し説明は省略する。
【0076】
図9は第2の実施形態に係るOCTプローブの構成を示す図である。本実施形態では、図9に示すように、OCT用シース部622の測定対象Sと当接させる位置に対向する側のチューブ部材610の側面にバルーン700が設けられ、このバルーン700を膨張/収縮させるためのバルーン制御部701が長手軸に沿ってチューブ部材610の側面内に設けられた送気路702を介してバルーン700に接続されて構成される。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0077】
図10は図9のOCTプローブの作用を説明する第1の図であり、図11は図9のOCTプローブの作用を説明する第2の図である。
【0078】
図10に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、まず、術者は、内視鏡100の挿入部114をダブルシース602aのチューブ部材610内に挿入する。そして、術者は、内視鏡100で画像を見ながら、患者の体内(管腔内)に内視鏡100の挿入部114を挿通したダブルシース602aを挿入する。術者は、体内(管腔内)にて測定対象Sである患部を内視鏡画像から見つけたところで、ダブルシース602aを回転させOCT用シース部622側が測定対象Sの方に向くように調整し、測定対象SにOCT用シース部622の光開口部650を当接させる。
【0079】
そして、本実施形態では、図11に示すように、バルーン制御部701を操作しバルーン700を膨らませてダブルシース602aを管腔内壁に押し当てて、測定対象Sと光開口部650との当接部分を固定する。この状態で、OCT用シース部622の内部にある光ファイバ623と光学レンズ628が回転しながら長手軸方向に移動し、2次元的な走査が行われる。OCT計測では深さ方向の情報が得られるため、結果的に測定対象Sの3次元構造のデータが取得される。
【0080】
このように本実施形態では、第1の実施形態の効果に加え、測定対象Sにバルーン700で固定したまま、チューブ部材610に入る範囲で内視鏡を交換することができる。
【0081】
例えば、患者の体内に挿入する際には通常観察、もしくは特殊光観察が可能な内視鏡を用い、測定対象Sの位置が特定できたのちに、処置具を挿入できる内視鏡に交換して、測定対象Sの処置をすることができる。
【0082】
図示はしないが、例えば、肺(気管支)の末梢部の生検には、チューブ部材610の内径が例えば1.0mmのダブルシース602aのOCTプローブ600を用いる。そして、この内径1.0mmのチューブ部材610に例えば直径0.8mmの細径の内視鏡100を挿入する。この内視鏡100には鉗子口がなく、蛍光観察用の照明光部と観察用カメラがつけられている。この内視鏡100で観察しながら、肺(気管支)の末梢部へと挿入する。蛍光観察を併用しながら病変部らしき場所を見つけたところで、その場所をOCT測定する。OCT測定により壁面の肥厚や変質が確認される。バルーン700を膨らませることで、その場所にダブルシース602aを留置したまま、内視鏡100をチューブ部材610から引き抜く。そして、チューブ部材610に内視鏡100に代わる生検鉗子を通し、OCT測定した測定対象Sを生検する。これにより、高精度で病変部の生検が可能となる。
【0083】
第3の実施形態:
第3の実施形態は第1の実施形態とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一構成には同じ符号を付し説明は省略する。
【0084】
図12は第3の実施形態に係るOCTプローブの先端構成を示す図であり、図13は図12の凸部と光開口部との位置関係を示す図である。
【0085】
本実施形態では、図12に示すように、OCT用シース部622の光開口部650の前後の位置(基端側位置及び先端側位置:図13参照)に間隙規制手段としての凸部800が形成されている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0086】
図12に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、まず、術者は、内視鏡100の挿入部114をダブルシース602aのチューブ部材610内に挿入する。そして、術者は、内視鏡100で画像を見ながら、患者の体内(管腔内)に内視鏡100の挿入部114を挿通したダブルシース602aを挿入する。術者は、体内(管腔内)にて測定対象Sである患部を内視鏡画像から見つけたところで、ダブルシース602aを回転させOCT用シース部622側が測定対象Sの方に向くように調整し、測定対象SにOCT用シース部622の光開口部650を押し付ける。光開口部650は凸部800のために測定対象Sからは、所望の観察位置である例えば1mm浮いた状態になる。この状態で、OCT用シース部622の内部にある光ファイバ623と光学レンズ628が回転しながら長手軸方向に移動し、2次元的な走査が行われる。OCT計測では深さ方向の情報が得られるため、結果的に測定対象Sの3次元構造のデータが取得される。
【0087】
このように本実施形態では、第1の実施形態の効果に加え、間隙規制手段としての凸部800により光開口部650と測定対象Sとの距離を所定距離に規制して間隙を確保し所望の観察位置から計測することができるので、第1の実施形態が測定対象Sの深層部分の3次元構造のデータを取得したのに対して、本実施形態では例えば測定対象Sの表層部分の3次元構造のデータが取得できる。すなわち、本実施形態では間隙規制手段としての凸部800の高さに基づいた所望の観察位置から計測し、測定対象Sの所望の深さの層部分の3次元構造のデータが取得できる。
【0088】
図14は図13の凸部と光開口部との位置関係の変形例を示す図である。本実施形態においては、凸部800を光開口部650の前後の位置に設けるとしたが(図13参照)、これに限らず、図14に示すように、光開口部650を囲うようにロ字形状に凸部800を形成してもよい。
【0089】
図15は図12のOCTプローブの先端構成の第1の変形例を示す図である。本実施形態においても、第1の変形例として、第2の実施形態のように、図15に示すように、バルーン700を設けてもよい。
【0090】
図16は図12のOCTプローブの先端構成の第2の変形例を示す図である。本実施形態においては、第2の変形例として、図16に示すように、バルーン700に加え、凸部800をバルーン810,811により構成してもよく、バルーン制御部701を操作しバルーン700,810,811を膨らませてダブルシース602aを固定することができる。この場合、まず、バルーン700及び測定対象Sの先にて先端側の第1のバルーン810を膨張させダブルシース602aを固定する。そして、ダブルシース602aを測定対象Sに対して押し込むことで、測定対象S付近をしっかりと伸ばす。測定対象S付近伸ばした所で、基端側の第2のバルーン811を膨らませて固定する。これにより、測定対象S周辺がたるんでいる場合に測定対象Sがバルーン810,811の間に入り込むことを防ぐことができる。
【0091】
図17は図12のOCTプローブの先端構成の第3の変形例を示す図であり、図18は図17の凸部と光開口部との位置関係を示す図である。本実施形態においては、第3の変形例として、図17に示すように、バルーン700,810,811の代わりに2本のリング状のバルーン820,821を光開口部650の前後に位置に設け(図18参照)、バルーン制御部701を操作しバルーン820,821を膨らませてダブルシース602aを固定するようにしても、上記第2の変形例(図16参照)と同様な作用効果を得ることができる。
【0092】
第4の実施形態:
第4の実施形態は第1の実施形態とほとんど同じであるので、異なる構成のみ説明し、同一構成には同じ符号を付し説明は省略する。
【0093】
図19は第4の実施形態に係るOCTプローブの先端構成を示す図であり、図20は図19の凹部と光開口部との位置関係を示す図である。
【0094】
本実施形態では、図19に示すように、OCT用シース部622の光開口部650の周囲を切りかいて間隙規制手段としての凹部900が形成されている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0095】
図19に示すように、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、まず、術者は、内視鏡100の挿入部114をダブルシース602aのチューブ部材610内に挿入する。そして、術者は、内視鏡100で画像を見ながら、患者の体内に内視鏡100の挿入部114を挿通したダブルシース602aを挿入する。術者は、測定対象Sである患部を内視鏡画像から見つけたところで、ダブルシース602aを回転させOCT用シース部622側が測定対象Sの方に向くように調整し、測定対象SにOCT用シース部622の光開口部650を押し付ける。光開口部650は凹部900のために測定対象Sからは、例えば1mm浮いた状態になる。この状態で、OCT用シース部622の内部にある光ファイバ623と光学レンズ628が回転しながら長手軸方向に移動し、2次元的な走査が行われる。OCT計測では深さ方向の情報が得られるため、結果的に測定対象Sの3次元構造のデータが取得される。
【0096】
このように本実施形態では、第1の実施形態の効果に加え、間隙規制手段としての凹部900により光開口部650と測定対象Sとの距離を所定距離に規制して間隙を確保することができるので、第1の実施形態が測定対象Sの深層部分の3次元構造のデータが取得したのに対して、本実施形態では、第3の実施形態と同様に、例えば測定対象Sの表層部分の3次元構造のデータが取得できる。すなわち、本実施形態では間隙規制手段としての凹部900の深さに基づいて、測定対象Sの所望の深さの層部分の3次元構造のデータが取得できる。
【0097】
なお、本実施の形態においても、図示はしないが、第2の実施形態のようにバルーン700を設けてもよい。
【0098】
図21は第1ないし第4の実施形態におけるチューブ部材の変形例の構成を示す図である。上記各実施形態のチューブ部材610においては、図21に示すように、先端部に開閉可能なミラー部950を配置するとより望ましい。この場合、体内に挿入する時や通常の内視鏡観察時は開としておき、ミラー部950が前方の観察に邪魔にならないようにする。OCT測定前に測定対象SにOCT用シース部622の光開口部650を押しつける時にはミラー部950を閉とする。ミラー部950を閉とすると、内視鏡前方に45度の角度でミラー部950が覆い被さる。そのため、光開口部650のあるチューブ部材610下面が観察可能となり、測定場所に位置あわせや観察に便利である。また、光開口部650のある領域のごく近傍のチューブ部材610に、内視鏡観察するための開口があいていてもよい。
【0099】
なお、上記各実施形態における走査は、ファイバを回転させるラジアルスキャン型の例のみ開示しているが、これに限るものではなく、図22ないし図25に示すように構成してもよい。
【0100】
図22は、プローブ先端に偏向素子971とそれを回転させるモータ972を備えた構成である。この構成による走査は、モータ972が回転すると、偏向素子971によりビームがラジアルスキャンされる。
【0101】
図23及び図24は、光ファイバ623の先端に一体的にコリメートレンズ975を設け、光ファイバ623先端近くにピエゾ素子976が取り付けた構成である。図23は光ファイバ623をチューブ部材610側から見た図であり、図24は図23の側面図である。この構成による走査は、ピエゾ素子976により光ファイバ623を左右方向Kに振るリニアスキャン型であり、電気信号によりピエゾ素子976が変形すると、それに伴い光ファイバ623先端が左右方向Kに振動する。この結果、偏向素子971を介してビームが光ファイバ623の光軸に対して垂直な方向に走査される。
【0102】
図25は、小型のマイクミラー980を内蔵するリニアスキャン型である。偏向素子971を介した光ファイバ623からのビームが、マイクロミラー980を振動させることで、線形に走査される。図25では光ファイバ623の光軸と平行な方向に振動させているが、振動方向はこれに限らない。
【0103】
なお、上記各実施形態では、光開口部650を半透明な材質により構成するとしたが、シース602a及びチューブ部材610からなるOCTプローブ600全体を半透明な材質により構成してもよい。
【0104】
以上、本発明のOCTプローブ及び光観察装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】第1の実施形態に係る画像診断装置を示す外観図
【図2】図1のOCTプローブの構成を示す図
【図3】図2のA−A線断面を示す断面図
【図4】図2のA−A線断面の第1の変形例を示す断面図
【図5】図2のA−A線断面の第2の変形例を示す断面図
【図6】図1のOCTプローブ及び内視鏡の挿入部の先端断面を示す断面図
【図7】図6のOCTプローブの第1の変形例を示す図
【図8】図6のOCTプローブの第2の変形例を示す図
【図9】第2の実施形態に係るOCTプローブの構成を示す図
【図10】図9のOCTプローブの作用を説明する第1の図
【図11】図9のOCTプローブの作用を説明する第2の図
【図12】第3の実施形態に係るOCTプローブの先端構成を示す図
【図13】図12の凸部と光開口部との位置関係を示す図
【図14】図13の凸部と光開口部との位置関係の変形例を示す図
【図15】図12のOCTプローブの先端構成の第1の変形例を示す図
【図16】図12のOCTプローブの先端構成の第2の変形例を示す図
【図17】図12のOCTプローブの先端構成の第3の変形例を示す図
【図18】図17の凸部と光開口部との位置関係を示す図
【図19】第4の実施形態に係るOCTプローブの先端構成を示す図
【図20】図19の凹部と光開口部との位置関係
【図21】第1ないし第4の実施形態におけるチューブ部材の変形例の構成を示す図
【図22】第1ないし第4の実施形態におけるOCTプローブの第1の変形例の構成を示す図
【図23】第1ないし第4の実施形態におけるOCTプローブの第2の変形例の構成を示す図
【図24】図23の側面図
【図25】第1ないし第4の実施形態におけるOCTプローブの第3の変形例の構成を示す図
【図26】内視鏡の鉗子チャンネルの先端開口部から導出されたOCTプローブを用いて断層画像を得る様子を示す図
【符号の説明】
【0106】
10…画像診断装置、100…内視鏡、114,602…挿入部、200…内視鏡プロセッサ、230…画像合成部、300…光源装置、400…OCTプロセッサ、500…モニタ装置、600…OCTプローブ、602a…ダブルシース、610…チューブ部材、622…OCT用シース部、623…光ファイバ、628…光学レンズ、650…光開口部、700…バルーン、800…凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が閉塞された筒状のシースと、
前記シースの内部に設けられ前記シース長手軸に沿って配設された導光手段と、
前記導光手段の出射端部側に設けられ、該出射端部から出射した光の光路を偏向させ測定対象に収束させる集光手段と、
を備え、
前記集光手段から出射した収束光の光軸方向と略直交する面上で該収束光を走査させると共に、前記測定対象からの光を前記集光手段を介して前記導光手段に導波する光プローブにおいて、
前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材
を備えたことを特徴とする光プローブ。
【請求項2】
前記チューブ部材は、両端が開口した、少なくとも内視鏡挿入部が挿入可能な外筒である
ことを特徴とする請求項1に記載の光プローブ。
【請求項3】
前記シースの前記シース長手軸に直交する断面の内面形状は略台形である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光プローブ。
【請求項4】
前記シースの前記シース長手軸に直交する断面の内面形状は略半円形である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の光プローブ。
【請求項5】
少なくとも、前記集光手段は、前記シースの内部にて前記シース長手軸に直交する面内において移動可能に構成される
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項6】
前記シースは、少なくとも前記チューブ部材と結合した外側壁に対向した側面の先端位置に、前記集光手段から出射した光及び前記測定対象からの光を透過する半透明な光開口部を有する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項7】
前記チューブ部材は前記シースと結合した外周側に対向した外周位置に膨張及び収縮可能なバルーン手段を有し、前記バルーン手段の膨張及び収縮を制御するバルーン制御手段をさらに備えた
ことを特徴とする請求項6に記載の光プローブ。
【請求項8】
前記シースは、前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段を有する
ことを特徴とする請求項6に記載の光プローブ。
【請求項9】
前記間隙規制手段は、前記光開口部に隣接した側面位置に設けられた凸部である。
ことを特徴とする請求項8に記載の光プローブ。
【請求項10】
前記凸部は、前記光開口部の前記シース長手軸前後に設けられている
ことを特徴とする請求項9に記載の光プローブ。
【請求項11】
前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の光プローブ。
【請求項12】
前記間隙規制手段は、前記光開口部に隣接した側面位置に設けられた凸部である。
ことを特徴とする請求項11に記載の光プローブ。
【請求項13】
前記凸部は、前記光開口部の前記シース長手軸前後に設けられている
ことを特徴とする請求項12に記載の光プローブ。
【請求項14】
前記凸部は、膨張及び収縮可能なバルーン部材である
ことを特徴とする請求項12または13に記載の光プローブ。
【請求項15】
前記バルーン部材は、前記バルーン手段と一体的に形成される
ことを特徴とする請求項14に記載の光プローブ。
【請求項16】
前記バルーン制御手段は、前記バルーン部材の膨張及び収縮をさらに制御する
ことを特徴とする請求項14または15に記載の光プローブ。
【請求項17】
前記間隙規制手段は、前記シースの先端側面位置に形成された凹部であって、前記光開口部は前記凹部内に設けられる
ことを特徴とする請求項8または11に記載の光プローブ。
【請求項18】
閉塞された前記シースの先端は、テーパ形状をなす
ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載の光プローブ。
【請求項19】
体腔内の測定対象に照射する測定光を供給すると共に、該測定対象からの光に基づいて前記測定対象の断層画像を生成する光断層画像化装置と、
前記測定光を前記測定対象に導波すると共に、前記測定対象からの光を前記光断層画像化装置に導波する光プローブと、
を備えた光観察装置において、
前記光プローブは、
先端が閉塞された筒状のシースと、
前記シースの内部に設けられ前記シース長手軸に沿って配設された導光手段と、
前記導光手段の出射端部側に設けられ、該出射端部から出射した光の光路を偏向させ測定対象に収束させる集光手段と、
少なくとも細長で可撓性を有する内視鏡挿入部が挿通可能で、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材と、
を備え、
前記集光手段から出射した収束光の光軸方向と略直交する面上で該収束光を走査させると共に、前記測定対象からの光を前記集光手段を介して前記導光手段に導波する
ことを特徴とする光観察装置。
【請求項20】
前記チューブ部材の前記シースと結合した外周壁に対向した外周位置に設けられた膨張及び収縮可能なバルーン手段と、前記バルーン手段の膨張及び収縮を制御するバルーン制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項19に記載の光観察装置。
【請求項21】
前記シースの少なくとも前記チューブ部材と結合した外側壁に対向した側面の先端位置に設けられた、前記集光手段から出射した光及び前記測定対象からの光を透過する半透明な光開口部と、前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段と、をさらに有する
ことを特徴とする請求項19または20に記載の光観察装置。
【請求項22】
体腔内の測定対象に照射する測定光を供給すると共に、該測定対象からの光に基づいて前記測定対象の断層画像を生成する光断層画像化装置と、
前記測定光を前記測定対象に導波すると共に、前記測定対象からの光を前記光断層画像化装置に導波する光プローブと、
前記測定対象に照射する照明光を供給する光源手段と、
細長で可撓性を有する挿入部を備えた、前記照明光が照射された前記測定対象を撮像する内視鏡と、
前記内視鏡からの撮像信号を信号処理し、前記測定対象の内視鏡画像を生成する内視鏡プロセッサと、
を備えた光観察装置において、
前記光プローブは、
先端が閉塞された筒状のシースと、
前記シースの内部に設けられ前記シース長手軸に沿って配設された導光手段と、
前記導光手段の出射端部側に設けられ、該出射端部から出射した光の光路を偏向させ測定対象に収束させる集光手段と、
少なくとも前記内視鏡の前記挿入部が挿通可能で、前記長手軸の方向に沿って、前記シースの外側壁に一体的に外周壁が結合された円筒状のチューブ部材と、
を備え、
前記集光手段から出射した収束光の光軸方向と略直交する面上で該収束光を走査させると共に、前記測定対象からの光を前記集光手段を介して前記導光手段に導波する
ことを特徴とする光観察装置。
【請求項23】
前記チューブ部材の前記シースと結合した外周壁に対向した外周位置に設けられた膨張及び収縮可能なバルーン手段と、前記バルーン手段の膨張及び収縮を制御するバルーン制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項19に記載の光観察装置。
【請求項24】
前記シースの少なくとも前記チューブ部材と結合した外側壁に対向した側面の先端位置に設けられた、前記集光手段から出射した光及び前記測定対象からの光を透過する半透明な光開口部と、前記先端位置の近傍に、前記光開口部の外表面と前記測定対象の表面と間を所定距離に規制する間隙規制手段と、をさらに有する
ことを特徴とする請求項22または23に記載の光観察装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−142422(P2010−142422A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322842(P2008−322842)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】