光ラインヘッドおよびこれを用いた画像形成装置
【課題】 再利用率を上げて製品コストおよび廃棄コストを低減することができる光ラインヘッドおよびこれを用いた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 有機ELプリンタヘッド1は、発光素子基板5を有する有機ELアレイユニット2とドライバ基板7を有するドライバユニット3を備える。発光素子基板5上には、2列に配列した複数の有機EL素子4と複数の素子側配線8が形成されている。ドライバ基板7上には、ドライバIC6とドライバ側配線10が設けられている。有機ELプリンタヘッド1では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7が分離可能に結合されている。
【解決手段】 有機ELプリンタヘッド1は、発光素子基板5を有する有機ELアレイユニット2とドライバ基板7を有するドライバユニット3を備える。発光素子基板5上には、2列に配列した複数の有機EL素子4と複数の素子側配線8が形成されている。ドライバ基板7上には、ドライバIC6とドライバ側配線10が設けられている。有機ELプリンタヘッド1では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7が分離可能に結合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の光プリンタに用いる光ラインヘッドおよびこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の光プリンタは、感光ドラムをコロナ放電処理で帯電させ、半導体レーザや無機LED等の光ラインヘッドによりドットを感光ドラムに照射して電荷を消し、電荷の無い部分にトナーが付着することで画像を形成する。トナーをイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックと組み合せることで、カラー画像の印刷を行う。しかし、このような光プリンタでは、半導体レーザや無機LEDはコストが高いことと高集積化が難しいため、多くの半導体レーザや無機LEDを並べることが難しく、光源ヘッドを移動させながら画像を形成する必要がある。このため、印刷速度を上げるのが難しく、大面積印刷を実現するのが難しい。
【0003】
有機EL素子を用いたプリンタヘッドおよびこれを用いた電子写真方式のプリンタが知られている(特許文献1参照)。このようなプリンタヘッドでは、発光層が有機材料であるためインクジェット方式で発光部を簡単に多数形成できるため、低コストで高集積の光ラインヘッドを作製できる。そのため、印刷速度を上げることができ、大面積印刷を実現するのが可能になる。
【特許文献1】特開2003−291404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有機EL素子は大気中の酸素や水分等で変質しやすく、無機材料と比べて熱にも弱いため発光寿命が短い。そのため、上記特許文献1に記載されているような有機EL素子を用いたプリンタヘッドおよびこれを用いた電子写真方式のプリンタでは、製品寿命が短くなってしまう、という問題があった。
【0005】
また、液晶表示装置等のディスプレイでは製品寿命が長いため、COG(Chip On Glass)のように表示パネルと同じ素子基板上にドライバICを接合したり、薄膜トランジスタ形成技術を用いることで、周辺駆動回路をその素子基板上に形成することが多い。このような技術を有機EL素子を用いたプリンタヘッドに適用し、有機EL素子アレイと同じ基板上に、ドライバICを接合したり、ドライバを構成する薄膜トランジスタを形成すると、有機EL素子に寿命が来たときに、その基板全体を廃棄することになる。これにより、製品コストや廃棄コストが高くなってしまうという問題がある。また、有機EL素子アレイと同じ基板上に、ドライバICを接合したり、ドライバを構成する薄膜トランジスタを形成する場合、ドライバIC或いはドライバとの接続部を発光素子基板上に設ける必要がある。このため、発光素子基板の面積が大きくなってしまい、マザーガラスから発光素子基板を取れる個数が少なくなり、その分コストが高くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもの、その目的は、再利用率を上げて製品コストおよび廃棄コストを低減することができる光ラインヘッドおよびこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における光ラインヘッドは、発光素子基板を有し、該発光素子基板上に少なくと
も1列に配列した複数の発光素子と複数の素子側配線が形成された発光素子アレイユニットと、ドライバ基板を有し、該ドライバ基板上に前記複数の発光素子を駆動するドライバICと該ドライバICに接続された複数のドライバ側配線を有するドライバユニットと、を備え、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線を電気的に接続した状態で、前記発光素子基板と前記ドライバ基板を分離可能に結合したことを要旨とする。
【0008】
これによれば、発光素子基板をドライバ基板から分離して、発光素子アレイユニットのみを単独で交換することができ、ドライバユニットを再利用することができる。このため、発光素子として例えば寿命の短い有機EL素子を用いる場合でも、光ラインヘッドの再利用率を上げて原料費を下げることができる。これにより、製品コストおよび廃棄コストを低減することができ、低コストの光ラインヘッドを実現することができる。
【0009】
また、発光素子基板とドライバ基板が独立した構成になっているので、ドライバICとの接続部であるドライバ側配線を発光素子基板上に設ける必要がなく、発光素子基板自体の面積を小さくすることができる。これにより、マザーガラスから発光素子基板を取る個数が増えるため、この点でも製造コストを低減することができる。
【0010】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子は有機EL素子であることを要旨とする。
これによれば、電子写真方式の光プリンタ等の画像形成装置に用いる場合、寿命の短い有機EL素子を有する発光素子アレイユニットのみを取り外して交換することができ、ドライバユニットを再利用することができる。これにより、複数の有機EL素子を光源とする低コストの光ヘッドを実現することができる。
【0011】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板はガラス基板であり、複数の前記有機EL素子は、前記ガラス基板上に、陽極、有機発光層、陰極、および前記有機発光層と陰極を密封する封止層を順に積層した構造を有し、前記複数の素子側配線は、前記複数の有機EL素子の各陽極にそれぞれ接続された複数の陽極配線と、前記複数の有機EL素子の各陰極にそれぞれ接続された少なくとも1本の陰極配線とを含む、ことを要旨とする。
【0012】
これによれば、例えばインクジェット印刷方式等を用いれば、大きなマザーガラス上に任意の場所に微細な各発光素子を簡単に多数形成できるため、低コストで高集積の光ラインヘッドを実現できる。そのため、本発明に係る光ラインヘッドを電子写真方式の光プリンタに用いる場合、印刷速度を上げることができ、大面積印刷を実現することができる。
【0013】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0014】
これによれば、複数の素子側配線と複数のドライバ側配線との間に異方性導電膜を配置して、発光素子基板とドライバ基板を圧着することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子を介して素子側配線とドライバ側配線が電気的に接続される。
【0015】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数のドライバ側配線の各々には金属突起がそれぞれ設けられており、前記複数の素子側配線と複数の前記金属突起との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数の金属突起との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属突起を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線が
それぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0016】
これによれば、素子側配線に異方性導電膜を貼り付け、複数のドライバ側配線にそれぞれ設けた複数の金属突起を異方性導電膜に接触させた状態で、発光素子基板とドライバ基板を圧着することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子と複数の金属突起とが接触し、素子側配線とドライバ側配線が電気的に接続される。
【0017】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数のドライバ側配線の各々には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有する複数の金属クリップがそれぞれ固定されており、前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記複数の金属クリップの各接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0018】
これによれば、複数の素子側配線に異方性導電膜を貼り付けて、複数の金属クリップの各接続端子部で異方性導電膜と発光素子基板を挟持することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜と発光素子基板が複数の金属クリップの各接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した異方性導電膜内部の導電粒子と複数の金属クリップを介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続される。
【0019】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に、複数の導電粒子が前記素子側配線および前記ドライバ側配線の各配線ピッチと同じピッチで保持体に保持された導電接続部が配置され、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線と前記ドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0020】
これによれば、複数の導電粒子の各々が素子側配線とドライバ側配線との間に位置するように、導電接続部を素子側配線とドライバ側配線との間に配置した状態で、発光素子基板とドライバ基板を圧着することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した各導電粒子を介して素子側配線とドライバ側配線が電気的に接続される。
【0021】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板側の、前記複数の素子側配線の各々の間に、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線の各々と接触するように位置させる複数の絶縁性隔壁が設けられていることを要旨とする。
【0022】
これによれば、導電接続部を素子側配線とドライバ側配線との間に配置する際に、複数の導電粒子の各々を発光素子基板側に設けた複数の絶縁性隔壁の間に位置させるだけで、複数の導電粒子の各々が両側の絶縁性隔壁により案内されて複数の素子側配線の各々と接触する。これにより、複数の導電粒子の各々を各素子側配線と各ドライバ側配線の間にうまく位置させる作業が簡単になり、発光素子アレイユニットとドライバユニットの組み付け作業を簡単に行うことができる。
【0023】
また、複数の素子側配線の各々の間に設けられる複数の絶縁性隔壁は、インクジェット印刷方式やスクリーン印刷方式等により、発光素子基板上に簡単に形成することができる。
【0024】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んで該両基板が分離可能に結合され、前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んだ状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0025】
これによれば、発光素子基板をドライバ基板にはめ込むだけで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線と複数のドライバ側配線との間に配置された異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子を介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続される。
【0026】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板と前記ドライバ基板は複数のねじにより分離可能に結合され、前記発光素子基板と前記ドライバ基板を前記複数のねじにより結合した状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0027】
これによれば、発光素子基板とドライバ基板を複数のねじで固定するだけで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線と複数のドライバ側配線との間に配置された異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子を介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続される。
【0028】
この光ラインヘッドにおいて、前記ドライバユニットは、前記ドライバ基板としてのフレキシブルプリント基板上に前記複数のドライバ側配線が形成され、該ドライバ側配線上に、前記複数の発光素子を駆動する駆動回路を内蔵した少なくとも1つの前記ドライバICが実装されたパッケージ形体であり、前記複数のドライバ側配線には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有し、該接続端子部の一部が前記ドライバ側配線の全てと接触する1つの金属クリップが固定されており、前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記金属クリップの接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0029】
これによれば、ドライバユニットを、フレキシブルプリント基板上に複数のドライバ側配線が形成され、該ドライバ側配線上に、複数の発光素子を駆動する駆動回路を内蔵した少なくとも1つのドライバICが実装されたパッケージ形体としたので、低コストのドライバユニットを実現することができる。そのパッケージ形体は、例えば、COF(Chip On Film)やTCP(Tape Carrier Package)等のパッケージ形体である。
【0030】
また、複数の素子側配線に異方性導電膜を貼り付けて、金属クリップの接続端子部で異方性導電膜と発光素子基板を挟持することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜と発光素子基板が金属クリップの接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した異方性導電膜内部の導電粒子と金属クリップを介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気
的に接続される。
【0031】
本発明における画像形成装置は、上記光ラインヘッドと、前記複数の発光素子からの各出射光からなる点像を感光体ドラム上に形成するレンズアレイと、を備えることを要旨とする。
【0032】
これによれば、発光素子アレイユニットのみを取り外して交換することができ、ドライバユニットを再利用することができるので、電子写真方式の光プリンタ等の画像形成装置の製造コストおよびランニングコストを低減することができる。これにより、低コストの画像形成装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を具体化した各実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
[ 第1実施形態]
第1実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図1〜図9に基づいて説明する。
【0034】
図1は光ラインヘッドとしての有機ELプリンタヘッド1の概略構成を示し、図2は有機ELプリンタヘッド1の一部を構成する2つのユニットの圧着時の様子を示している。図3は有機ELプリンタヘッド1を光出射側から見た平面図である。
【0035】
有機ELプリンタヘッド1は、電子写真方式の光プリンタに用いられる。この有機ELプリンタヘッド1は、図1〜図3に示すように、発光素子としての複数の有機EL素子4を有する有機ELアレイユニット2と、複数の有機EL素子4を駆動するドライバIC6を有するドライバユニット3と、複数の有機EL素子4からの各出射光を感光体ドラム18上に結像させるレンズアレイ19と、を備える。有機ELアレイユニット2は、発光素子アレイユニットを構成している。また、レンズアレイ19は、例えば複数のロッドレンズを含むロッドレンズアレイで構成されている。
【0036】
なお、本発明に係る有機ELプリンタヘッド1は有機ELアレイユニット2と、ドライバユニット3と、レンズアレイ19とを備える構成の光ラインヘッドとして販売されるものであっても良いし、有機ELアレイユニット2とドライバユニット3を含む構成の光ラインヘッドとして販売されるものであっても良い。なお、以下の説明では、有機ELプリンタヘッド1は、有機ELアレイユニット2とドライバユニット3を含む構成の光ラインヘッドとして説明する。
【0037】
有機ELプリンタヘッド1は、図2および図3に示すように、発光素子基板5を有する有機ELアレイユニット2と、ドライバ基板7を有するドライバユニット3とを備える。
有機ELアレイユニット2の発光素子基板5上には、図3および図9に示すように、2列に配列した複数の有機EL素子4と、複数の素子側配線8が形成されている。
【0038】
ドライバユニット3のドライバ基板7上には、図3および図8に示すように、複数の有機EL素子4を駆動する複数のドライバIC6と、各ドライバIC6に接続された複数のドライバ側配線10を有するドライバユニット3とが設けられている。また、ドライバ基板7上には、電源を安定化させるために複数のチップコンデンサ60が設けられている。
【0039】
各ドライバIC6は、複数の有機EL素子4を駆動する駆動回路として構成されている。この駆動回路は、各有機EL素子4に、各有機EL素子4毎の印刷データに応じた駆動電流を供給して、各有機EL素子4を一定の輝度で或いは階調値に応じた輝度で発光させるようになっている。発光した各有機EL素子4の出射光からなる点像(光情報)が、図
1に示すレンズアレイ19により感光体ドラム18上に形成される。
【0040】
有機EL素子4は、図2に示すように、発光素子基板5上に、陽極11、有機発光層12、陰極13、および有機発光層12と陰極13を密封する封止層14を順に積層した構造を有する。更に、封止層14を覆うように封止体15が設けられており、封止体15には例えばガラス基板が用いられる。発光素子基板5は透明なガラス基板であり、陽極11は透明電極である。
【0041】
複数の素子側配線8は、図3に示すように、複数の有機EL素子4の各陽極11にそれぞれ接続された複数の陽極配線8aと、複数の有機EL素子4の各陰極13にそれぞれ接続された2本の陰極配線8bとを含む。
【0042】
本例では、各陽極配線8aは、図2及び図3に示すように、複数の有機EL素子4の各陰極13と同一の電極(陰極)で構成されている。また、各陽極配線8aのピッチは、40〜50μm程度である。
【0043】
そして、本例の有機ELプリンタヘッド1の特徴は、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合した点にある。
【0044】
この有機ELプリンタヘッド1にあっては、図2および図3に示すように、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に、複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20は、ACF(Anisotoropic Coductive Film)と呼ばれる異方性導電膜の接着材である。
【0045】
この異方性導電膜20が、圧着機構22により、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間で圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
【0046】
図4および図5には、圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されている様子を示してある。また、図6は、複数の導電粒子21を内部に有する異方性導電膜20を示している。図7は各導電粒子21の構造を示している。導電粒子21の粒径は、例えば、2〜20μm程度である。また、導電粒子21は、ポリマー粒子21aを金属粒子21bで被覆した構造を有する。
【0047】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○発光素子基板5をドライバ基板7から分離して、有機ELアレイユニット2のみを単独で交換することができ、ドライバユニット3を再利用することができる。これにより、製品コストおよび廃棄コストを低減することができ、低コストの光ラインヘッドを実現することができる。
【0048】
○電子写真方式の光プリンタ等の画像形成装置に用いる場合、寿命の短い有機EL素子4を有する有機ELアレイユニット2のみを取り外して交換することができ、ドライバユニット3を再利用することができる。これにより、複数の有機EL素子4を光源とする低コストの有機ELプリンタヘッド1を実現することができる。
【0049】
○発光素子基板5とドライバ基板7が独立した構成になっているので、ドライバIC6との接続部であるドライバ側配線10を発光素子基板5上に設ける必要がなく、発光素子
基板5自体の面積を小さくすることができる。これにより、マザーガラスから発光素子基板5を取る個数が増えるため、この点でも製造コストを低減することができる。
【0050】
○インクジェット印刷方式等を用いれば、大きなマザーガラス上に任意の場所に微細な各発光素子を簡単に多数形成できるため、低コストで高集積の有機ELプリンタヘッド1(光ラインヘッド)を実現できる。そのため、この有機ELプリンタヘッド1を電子写真方式の光プリンタに用いる場合、印刷速度を上げることができ、大面積印刷を実現することができる。
【0051】
○複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に異方性導電膜20を配置して、発光素子基板5とドライバ基板7を圧着することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して素子側配線とドライバ側配線10が電気的に接続される。
【0052】
[ 第2実施形態]
第2実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図10〜図12に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、図12に示すように、複数のドライバ側配線10の各々には導電性の金属突起23がそれぞれ設けられている。
【0053】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、図10および図11に示すように、複数の素子側配線8と複数の導電性の金属突起23との間に、複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20が複数の素子側配線8と複数の導電性の金属突起23との間で圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の金属突起23を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている(図11参照)。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0054】
以上のように構成された第2実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○素子側配線8に異方性導電膜20を貼り付け、複数のドライバ側配線10にそれぞれ設けた複数の導電性の金属突起23を異方性導電膜20に接触させた状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を圧着することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の導電性の金属突起23とが接触し、素子側配線8とドライバ側配線10が電気的に接続される。
【0055】
[ 第3実施形態]
第3実施形態に係る有機ELプリンタヘッドを図13〜図15に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、図15に示すように、複数のドライバ側配線10の各々には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部25aを有する複数の金属クリップ25がそれぞれ固定されている。各金属クリップ25の基端部25bは、図13および図14に示すように、各ドライバ側配線10にはんだ等の接合部25cで接合されている。
【0056】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、複数の素子側配線8側に複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20と発光素子基板5が複数の金属クリップ25の各接続端子部25aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の金属クリップ25を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようにな
っている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0057】
以上のように構成された第3実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○複数の素子側配線8に異方性導電膜20を貼り付けて、複数の金属クリップ25の各接続端子部25aで異方性導電膜20と発光素子基板5を挟持することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜20と発光素子基板5が複数の金属クリップ25の各接続端子部25aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の金属クリップ25を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0058】
[ 第4実施形態]
第4実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図16〜図18に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、複数の導電粒子27が素子側配線8およびドライバ側配線10の各配線ピッチと同じピッチで保持体としてのフィルム基体28に保持された導電接続部26(図16,図17参照)を用いる。各導電粒子27は、上記異方性導電膜20と同様に、ポリマー粒子27aを金属粒子で被覆した構造を有し、円柱形状に形成されている。各導電粒子27の直径は、例えば、20〜40μm程度である。
【0059】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、図18に示すように、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に導電接続部26が配置され、複数の導電粒子27の各々が複数の素子側配線8とドライバ側配線10との間で圧着される。この圧着により図18に示すように変形した各導電粒子27を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
以上のように構成された第4実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○複数の導電粒子27の各々が各素子側配線8(各陽極配線8a)と各ドライバ側配線10との間に位置するように、導電接続部26を素子側配線8とドライバ側配線10との間に配置する。この状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を圧着することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した各導電粒子27を介して各素子側配線8と各ドライバ側配線10が電気的に接続される。
【0061】
[ 第5実施形態]
第5実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図19に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、上記第4実施形態と同様に、導電接続部26(図16,図17参照)を用いる。
【0062】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、発光素子基板5側の、複数の素子側配線8の各々の間に、複数の導電粒子27の各々が複数の素子側配線8(各陽極配線8a)の各々と接触するように位置させる複数の絶縁性隔壁30が設けられている。その他の構成は上記第4実施形態と同様である。
【0063】
以上のように構成された第4実施形態によれば、上記第4実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○導電接続部26を複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置する際に、複数の導電粒子27の各々を発光素子基板5側に設けた複数の絶縁性隔壁30の間
に位置させるだけで、複数の導電粒子27の各々が両側の絶縁性隔壁30により案内されて複数の素子側配線8の各々と接触する。これにより、複数の導電粒子27の各々を各素子側配線8と各ドライバ側配線10の間にうまく位置させる作業が簡単になり、有機ELアレイユニット2とドライバユニット3の組み付け作業を簡単に行うことができる。
【0064】
○複数の素子側配線8の各々の間に設けられる複数の絶縁性隔壁30は、インクジェット印刷方式やスクリーン印刷方式等により、発光素子基板5上に簡単に形成することができる。
【0065】
[ 第6実施形態]
第6実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図20および図21に基づいて説明する。
【0066】
この有機ELプリンタヘッド1では、図20および図21に示すように、発光素子基板5をドライバ基板7の凹部32にはめ込んで該両基板が分離可能に結合される。
また、この有機ELプリンタヘッド1では、発光素子基板5をドライバ基板7の凹部32に図21に示すようにはめ込んだ状態で、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置され複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21(図6参照)を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0067】
以上のように構成された第6実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○発光素子基板5をドライバ基板7の凹部32にはめ込むだけで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置された異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0068】
[ 第7実施形態]
第7実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図22および図23に基づいて説明する。
【0069】
この有機ELプリンタヘッド1では、図22および図23に示すように、発光素子基板5とドライバ基板7は複数のねじ33により分離可能に結合される。
また、有機ELプリンタヘッド1では、発光素子基板5とドライバ基板7を複数のねじ33により結合した状態で、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置され複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21(図6参照)を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は上記第4実施形態と同様である。
【0070】
以上のように構成された第6実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○発光素子基板5とドライバ基板7を複数のねじ33で固定するだけで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置された異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0071】
[ 第8実施形態]
第8実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図24〜図26に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、ドライバユニット3は、ドライバ基板としてのフレキシブルプリント基板34上に複数のドライバ側配線10が形成され、該ドライバ側配線10上に、複数の有機EL素子4を駆動する駆動回路をそれぞれ内蔵した複数のドライバIC6が実装されたパッケージ形体である。本例では、ドライバユニット3は、COFのパッケージ形体である。
【0072】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、複数のドライバ側配線10には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部35aを有し、該接続端子部35aの一部35bがドライバ側配線10の全てと接触する1つの金属クリップ35が固定されている。
【0073】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、複数の素子側配線8側に複数の導電粒子21(図6参照)を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20と発光素子基板5が金属クリップ35の接続端子部35aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と金属クリップ35を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0074】
以上のように構成された第8実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○ドライバユニット3を、フレキシブルプリント基板34上に複数のドライバ側配線10が形成され、このドライバ側配線10上に、駆動回路を内蔵した複数のドライバIC6が実装されたパッケージ形体としたので、低コストのドライバユニット3を実現することができる。
【0075】
○複数の素子側配線8に異方性導電膜20を貼り付けて、金属クリップ35の接続端子部35aで異方性導電膜20と発光素子基板5を挟持することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜20と発光素子基板5が金属クリップ35の接続端子部35aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と金属クリップ25を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0076】
[画像形成装置]
次に、上記各実施形態で説明した有機ELプリンタヘッド1を用いて構成した画像形成装置の一例を、図27に基づいて説明する。
【0077】
この画像形成装置は、電子写真式の光プリンタで、タンデム方式のものである。
この画像形成装置は、同様に構成された4個の有機ELプリンタヘッド101K,101C,101M,101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム41K,41C,41M,41Yの露光位置にそれぞれ配置したものである。各有機ELプリンタヘッド101K,101C,101M,101Yは、上記各実施形態で説明した有機ELプリンタヘッド1と図1で説明したレンズアレイ19とでそれぞれ構成されている。
【0078】
この画像形成装置は、駆動ローラ51と、従動ローラ52と、テンションローラ53と、テンションローラ53によりテンションを加えられて張架されて、図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト50とを備える。この中間転写ベルト50に対して所定間隔で、感光体ドラム41K,41C,41M,41Yが配置されている。これらの符号「41」の後に付加されたK,C,M,Yはそれぞれ黒,シアン,マゼンタ,イエローを意味す
る。つまり、各感光体ドラム41K,41C,41M,41Yは黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の感光体ドラムである。他の符号についても、K,C,M,Yは同じ意味で用いている。そこで、以下の説明では、各符号の後に付加した括弧内にK,C,M,Yをまとめて記す。
【0079】
感光体ドラム41(K,C,M,Y)は、中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向へ回転駆動される。
感光体ドラム41(K,C,M,Y)の周囲には、感光体ドラム41(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させるコロナ帯電器42(K,C,M,Y)と、帯電された各感光体ドラム41の外周面を各感光体ドラムの回転に同期して順次ライン走査する有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)が設けられている。
【0080】
また、有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K,C,M,Y)と、この現像装置で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する一次転写ローラ45(K,C,M,Y)が設けられている。また、その一次転写の後、感光体ドラム41(K,C,M,Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング装置46(K,C,M,Y)が設けられている。
【0081】
ここで、各有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)は、該各ヘッドのアレイ方向が感光体ドラム41(K,C,M,Y)の母線に沿うように配置される。そして、各有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体ドラム41(K,C,M,Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
【0082】
現像装置44(K,C,M,Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制する。この規制により、現像ローラを感光体ドラム41(K,C,M,Y)に接触或いは押圧させることにより、感光体ドラムの電位レベルに応じて現像剤を付着させてトナー像として現像する。
【0083】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒,シアン,マゼンタ,イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K,C,M,Y)に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写される。この一次転写により中間転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラにおいて用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着される。この後、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
【0084】
なお、図27中、符号63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、符号64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、符号65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対である。また、符号66は中間転写ベルト50との間で二次転写部を形成する二次転写ローラ、符号67は二次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレードである。
【0085】
以上のように構成された画像形成装置によれば、以下の作用効果を奏する。
○有機ELアレイユニット2のみを取り外して交換することができ、ドライバユニット3を再利用することができるので、電子写真方式の光プリンタである画像形成装置の製造コストおよびランニングコストを低減することができる。これにより、低コストの画像形
成装置を実現することができる。
【0086】
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合する構成をそれぞれ一例として説明した。本発明は、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合する構成の有機ELプリンタヘッドに広く適用可能である。
【0087】
・上記第1実施形態〜第5実施形態において、ドライバユニット3を、上記第8実施形態のようなCOFのパッケージ形体で構成しても良い。
・上記第8実施形態では、ドライバユニット3をCOFのパッケージ形体としているが、ドライバユニット3をCOF以外のパッケージ形体、例えばやTCPのパッケージ形体としても良い。
【0088】
・図27では、上記各実施形態で説明した有機ELプリンタヘッド1を用いて構成した画像形成装置の一例として、電子写真式の光プリンタでタンデム方式のものについて説明したが、同様の光プリンタで1ドラム方式の画像形成装置にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態に係る有機ELプリンタヘッドを示す概略構成図。
【図2】同ヘッドを構成する2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図3】第1実施形態に係る有機ELプリンタヘッドを光出射側から見た平面図。
【図4】第1実施形態における2つのユニットの各配線の接続状態を示す断面図。
【図5】図4の一部拡大図。
【図6】第1実施形態で用いる異方性導電膜を示す断面図。
【図7】異方性導電膜の内部構造を示す断面図。
【図8】図3に示す有機ELプリンタヘッドのドライバICユニットを示す平面図。
【図9】同ヘッドの有機ELアレイユニットを示す平面図。
【図10】第2実施形態における2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図11】図10に示す2つのユニットの各配線の接続状態を示す断面図。
【図12】第2実施形態で用いるドライバユニットの一部を示す斜視図。
【図13】第3実施形態で用いるドライバユニットの一部を示す側面図。
【図14】第3実施形態で用いる2つのユニットの各配線の接続状態を示す側面図。
【図15】図3実施形態で用いるドライバユニットの一部を示す斜視図。
【図16】第4実施形態で用いる導電接続部の一部を示す斜視図。
【図17】同導電接続部の一部を示す側面図。
【図18】第4実施形態における2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図19】第5実施形態における2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図20】第6実施形態における2つのユニットを示す斜視図。
【図21】第6実施形態における2つのユニットの結合状態を示す断面図。
【図22】第7実施形態における2つのユニットの結合状態を示す斜視図。
【図23】第7実施形態における2つのユニットの結合状態を示す断面図。
【図24】第8実施形態における2つのユニットの結合状態を示す斜視図。
【図25】第8実施形態における2つのユニットの結合状態を示す側面図。
【図26】第8実施形態で用いるドライバユニットを示す側面図。
【図27】第1実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
【0090】
2…発光素子アレイユニットとしての有機ELアレイユニット、3…ドライバユニット
、4…有機EL素子、5…発光素子基板、7…ドライバ基板、8…素子側配線、8a…陽極配線、8b…陰極配線、10…ドライバ側配線、11…陽極、12…有機発光層、13…陰極、14…封止層、18,41,41C,41K,41M,41Y…感光体ドラム、19…レンズアレイ、20…異方性導電膜、21,27…導電粒子、23…金属突起、25,35…金属クリップ、25a,35a…接続端子部、26…導電接続部、30…絶縁性隔壁、33…ねじ、34…フレキシブルプリント基板、35b…一部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の光プリンタに用いる光ラインヘッドおよびこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の光プリンタは、感光ドラムをコロナ放電処理で帯電させ、半導体レーザや無機LED等の光ラインヘッドによりドットを感光ドラムに照射して電荷を消し、電荷の無い部分にトナーが付着することで画像を形成する。トナーをイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックと組み合せることで、カラー画像の印刷を行う。しかし、このような光プリンタでは、半導体レーザや無機LEDはコストが高いことと高集積化が難しいため、多くの半導体レーザや無機LEDを並べることが難しく、光源ヘッドを移動させながら画像を形成する必要がある。このため、印刷速度を上げるのが難しく、大面積印刷を実現するのが難しい。
【0003】
有機EL素子を用いたプリンタヘッドおよびこれを用いた電子写真方式のプリンタが知られている(特許文献1参照)。このようなプリンタヘッドでは、発光層が有機材料であるためインクジェット方式で発光部を簡単に多数形成できるため、低コストで高集積の光ラインヘッドを作製できる。そのため、印刷速度を上げることができ、大面積印刷を実現するのが可能になる。
【特許文献1】特開2003−291404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、有機EL素子は大気中の酸素や水分等で変質しやすく、無機材料と比べて熱にも弱いため発光寿命が短い。そのため、上記特許文献1に記載されているような有機EL素子を用いたプリンタヘッドおよびこれを用いた電子写真方式のプリンタでは、製品寿命が短くなってしまう、という問題があった。
【0005】
また、液晶表示装置等のディスプレイでは製品寿命が長いため、COG(Chip On Glass)のように表示パネルと同じ素子基板上にドライバICを接合したり、薄膜トランジスタ形成技術を用いることで、周辺駆動回路をその素子基板上に形成することが多い。このような技術を有機EL素子を用いたプリンタヘッドに適用し、有機EL素子アレイと同じ基板上に、ドライバICを接合したり、ドライバを構成する薄膜トランジスタを形成すると、有機EL素子に寿命が来たときに、その基板全体を廃棄することになる。これにより、製品コストや廃棄コストが高くなってしまうという問題がある。また、有機EL素子アレイと同じ基板上に、ドライバICを接合したり、ドライバを構成する薄膜トランジスタを形成する場合、ドライバIC或いはドライバとの接続部を発光素子基板上に設ける必要がある。このため、発光素子基板の面積が大きくなってしまい、マザーガラスから発光素子基板を取れる個数が少なくなり、その分コストが高くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもの、その目的は、再利用率を上げて製品コストおよび廃棄コストを低減することができる光ラインヘッドおよびこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における光ラインヘッドは、発光素子基板を有し、該発光素子基板上に少なくと
も1列に配列した複数の発光素子と複数の素子側配線が形成された発光素子アレイユニットと、ドライバ基板を有し、該ドライバ基板上に前記複数の発光素子を駆動するドライバICと該ドライバICに接続された複数のドライバ側配線を有するドライバユニットと、を備え、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線を電気的に接続した状態で、前記発光素子基板と前記ドライバ基板を分離可能に結合したことを要旨とする。
【0008】
これによれば、発光素子基板をドライバ基板から分離して、発光素子アレイユニットのみを単独で交換することができ、ドライバユニットを再利用することができる。このため、発光素子として例えば寿命の短い有機EL素子を用いる場合でも、光ラインヘッドの再利用率を上げて原料費を下げることができる。これにより、製品コストおよび廃棄コストを低減することができ、低コストの光ラインヘッドを実現することができる。
【0009】
また、発光素子基板とドライバ基板が独立した構成になっているので、ドライバICとの接続部であるドライバ側配線を発光素子基板上に設ける必要がなく、発光素子基板自体の面積を小さくすることができる。これにより、マザーガラスから発光素子基板を取る個数が増えるため、この点でも製造コストを低減することができる。
【0010】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子は有機EL素子であることを要旨とする。
これによれば、電子写真方式の光プリンタ等の画像形成装置に用いる場合、寿命の短い有機EL素子を有する発光素子アレイユニットのみを取り外して交換することができ、ドライバユニットを再利用することができる。これにより、複数の有機EL素子を光源とする低コストの光ヘッドを実現することができる。
【0011】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板はガラス基板であり、複数の前記有機EL素子は、前記ガラス基板上に、陽極、有機発光層、陰極、および前記有機発光層と陰極を密封する封止層を順に積層した構造を有し、前記複数の素子側配線は、前記複数の有機EL素子の各陽極にそれぞれ接続された複数の陽極配線と、前記複数の有機EL素子の各陰極にそれぞれ接続された少なくとも1本の陰極配線とを含む、ことを要旨とする。
【0012】
これによれば、例えばインクジェット印刷方式等を用いれば、大きなマザーガラス上に任意の場所に微細な各発光素子を簡単に多数形成できるため、低コストで高集積の光ラインヘッドを実現できる。そのため、本発明に係る光ラインヘッドを電子写真方式の光プリンタに用いる場合、印刷速度を上げることができ、大面積印刷を実現することができる。
【0013】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0014】
これによれば、複数の素子側配線と複数のドライバ側配線との間に異方性導電膜を配置して、発光素子基板とドライバ基板を圧着することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子を介して素子側配線とドライバ側配線が電気的に接続される。
【0015】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数のドライバ側配線の各々には金属突起がそれぞれ設けられており、前記複数の素子側配線と複数の前記金属突起との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数の金属突起との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属突起を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線が
それぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0016】
これによれば、素子側配線に異方性導電膜を貼り付け、複数のドライバ側配線にそれぞれ設けた複数の金属突起を異方性導電膜に接触させた状態で、発光素子基板とドライバ基板を圧着することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子と複数の金属突起とが接触し、素子側配線とドライバ側配線が電気的に接続される。
【0017】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数のドライバ側配線の各々には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有する複数の金属クリップがそれぞれ固定されており、前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記複数の金属クリップの各接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0018】
これによれば、複数の素子側配線に異方性導電膜を貼り付けて、複数の金属クリップの各接続端子部で異方性導電膜と発光素子基板を挟持することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜と発光素子基板が複数の金属クリップの各接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した異方性導電膜内部の導電粒子と複数の金属クリップを介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続される。
【0019】
この光ラインヘッドにおいて、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に、複数の導電粒子が前記素子側配線および前記ドライバ側配線の各配線ピッチと同じピッチで保持体に保持された導電接続部が配置され、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線と前記ドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0020】
これによれば、複数の導電粒子の各々が素子側配線とドライバ側配線との間に位置するように、導電接続部を素子側配線とドライバ側配線との間に配置した状態で、発光素子基板とドライバ基板を圧着することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した各導電粒子を介して素子側配線とドライバ側配線が電気的に接続される。
【0021】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板側の、前記複数の素子側配線の各々の間に、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線の各々と接触するように位置させる複数の絶縁性隔壁が設けられていることを要旨とする。
【0022】
これによれば、導電接続部を素子側配線とドライバ側配線との間に配置する際に、複数の導電粒子の各々を発光素子基板側に設けた複数の絶縁性隔壁の間に位置させるだけで、複数の導電粒子の各々が両側の絶縁性隔壁により案内されて複数の素子側配線の各々と接触する。これにより、複数の導電粒子の各々を各素子側配線と各ドライバ側配線の間にうまく位置させる作業が簡単になり、発光素子アレイユニットとドライバユニットの組み付け作業を簡単に行うことができる。
【0023】
また、複数の素子側配線の各々の間に設けられる複数の絶縁性隔壁は、インクジェット印刷方式やスクリーン印刷方式等により、発光素子基板上に簡単に形成することができる。
【0024】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んで該両基板が分離可能に結合され、前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んだ状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0025】
これによれば、発光素子基板をドライバ基板にはめ込むだけで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線と複数のドライバ側配線との間に配置された異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子を介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続される。
【0026】
この光ラインヘッドにおいて、前記発光素子基板と前記ドライバ基板は複数のねじにより分離可能に結合され、前記発光素子基板と前記ドライバ基板を前記複数のねじにより結合した状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0027】
これによれば、発光素子基板とドライバ基板を複数のねじで固定するだけで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線と複数のドライバ側配線との間に配置された異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜内部の導電粒子を介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続される。
【0028】
この光ラインヘッドにおいて、前記ドライバユニットは、前記ドライバ基板としてのフレキシブルプリント基板上に前記複数のドライバ側配線が形成され、該ドライバ側配線上に、前記複数の発光素子を駆動する駆動回路を内蔵した少なくとも1つの前記ドライバICが実装されたパッケージ形体であり、前記複数のドライバ側配線には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有し、該接続端子部の一部が前記ドライバ側配線の全てと接触する1つの金属クリップが固定されており、前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記金属クリップの接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを要旨とする。
【0029】
これによれば、ドライバユニットを、フレキシブルプリント基板上に複数のドライバ側配線が形成され、該ドライバ側配線上に、複数の発光素子を駆動する駆動回路を内蔵した少なくとも1つのドライバICが実装されたパッケージ形体としたので、低コストのドライバユニットを実現することができる。そのパッケージ形体は、例えば、COF(Chip On Film)やTCP(Tape Carrier Package)等のパッケージ形体である。
【0030】
また、複数の素子側配線に異方性導電膜を貼り付けて、金属クリップの接続端子部で異方性導電膜と発光素子基板を挟持することで、発光素子基板とドライバ基板を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜と発光素子基板が金属クリップの接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した異方性導電膜内部の導電粒子と金属クリップを介して複数の素子側配線と複数のドライバ側配線がそれぞれ電気
的に接続される。
【0031】
本発明における画像形成装置は、上記光ラインヘッドと、前記複数の発光素子からの各出射光からなる点像を感光体ドラム上に形成するレンズアレイと、を備えることを要旨とする。
【0032】
これによれば、発光素子アレイユニットのみを取り外して交換することができ、ドライバユニットを再利用することができるので、電子写真方式の光プリンタ等の画像形成装置の製造コストおよびランニングコストを低減することができる。これにより、低コストの画像形成装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を具体化した各実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態の説明において同様の部位には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
[ 第1実施形態]
第1実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図1〜図9に基づいて説明する。
【0034】
図1は光ラインヘッドとしての有機ELプリンタヘッド1の概略構成を示し、図2は有機ELプリンタヘッド1の一部を構成する2つのユニットの圧着時の様子を示している。図3は有機ELプリンタヘッド1を光出射側から見た平面図である。
【0035】
有機ELプリンタヘッド1は、電子写真方式の光プリンタに用いられる。この有機ELプリンタヘッド1は、図1〜図3に示すように、発光素子としての複数の有機EL素子4を有する有機ELアレイユニット2と、複数の有機EL素子4を駆動するドライバIC6を有するドライバユニット3と、複数の有機EL素子4からの各出射光を感光体ドラム18上に結像させるレンズアレイ19と、を備える。有機ELアレイユニット2は、発光素子アレイユニットを構成している。また、レンズアレイ19は、例えば複数のロッドレンズを含むロッドレンズアレイで構成されている。
【0036】
なお、本発明に係る有機ELプリンタヘッド1は有機ELアレイユニット2と、ドライバユニット3と、レンズアレイ19とを備える構成の光ラインヘッドとして販売されるものであっても良いし、有機ELアレイユニット2とドライバユニット3を含む構成の光ラインヘッドとして販売されるものであっても良い。なお、以下の説明では、有機ELプリンタヘッド1は、有機ELアレイユニット2とドライバユニット3を含む構成の光ラインヘッドとして説明する。
【0037】
有機ELプリンタヘッド1は、図2および図3に示すように、発光素子基板5を有する有機ELアレイユニット2と、ドライバ基板7を有するドライバユニット3とを備える。
有機ELアレイユニット2の発光素子基板5上には、図3および図9に示すように、2列に配列した複数の有機EL素子4と、複数の素子側配線8が形成されている。
【0038】
ドライバユニット3のドライバ基板7上には、図3および図8に示すように、複数の有機EL素子4を駆動する複数のドライバIC6と、各ドライバIC6に接続された複数のドライバ側配線10を有するドライバユニット3とが設けられている。また、ドライバ基板7上には、電源を安定化させるために複数のチップコンデンサ60が設けられている。
【0039】
各ドライバIC6は、複数の有機EL素子4を駆動する駆動回路として構成されている。この駆動回路は、各有機EL素子4に、各有機EL素子4毎の印刷データに応じた駆動電流を供給して、各有機EL素子4を一定の輝度で或いは階調値に応じた輝度で発光させるようになっている。発光した各有機EL素子4の出射光からなる点像(光情報)が、図
1に示すレンズアレイ19により感光体ドラム18上に形成される。
【0040】
有機EL素子4は、図2に示すように、発光素子基板5上に、陽極11、有機発光層12、陰極13、および有機発光層12と陰極13を密封する封止層14を順に積層した構造を有する。更に、封止層14を覆うように封止体15が設けられており、封止体15には例えばガラス基板が用いられる。発光素子基板5は透明なガラス基板であり、陽極11は透明電極である。
【0041】
複数の素子側配線8は、図3に示すように、複数の有機EL素子4の各陽極11にそれぞれ接続された複数の陽極配線8aと、複数の有機EL素子4の各陰極13にそれぞれ接続された2本の陰極配線8bとを含む。
【0042】
本例では、各陽極配線8aは、図2及び図3に示すように、複数の有機EL素子4の各陰極13と同一の電極(陰極)で構成されている。また、各陽極配線8aのピッチは、40〜50μm程度である。
【0043】
そして、本例の有機ELプリンタヘッド1の特徴は、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合した点にある。
【0044】
この有機ELプリンタヘッド1にあっては、図2および図3に示すように、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に、複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20は、ACF(Anisotoropic Coductive Film)と呼ばれる異方性導電膜の接着材である。
【0045】
この異方性導電膜20が、圧着機構22により、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間で圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
【0046】
図4および図5には、圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されている様子を示してある。また、図6は、複数の導電粒子21を内部に有する異方性導電膜20を示している。図7は各導電粒子21の構造を示している。導電粒子21の粒径は、例えば、2〜20μm程度である。また、導電粒子21は、ポリマー粒子21aを金属粒子21bで被覆した構造を有する。
【0047】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○発光素子基板5をドライバ基板7から分離して、有機ELアレイユニット2のみを単独で交換することができ、ドライバユニット3を再利用することができる。これにより、製品コストおよび廃棄コストを低減することができ、低コストの光ラインヘッドを実現することができる。
【0048】
○電子写真方式の光プリンタ等の画像形成装置に用いる場合、寿命の短い有機EL素子4を有する有機ELアレイユニット2のみを取り外して交換することができ、ドライバユニット3を再利用することができる。これにより、複数の有機EL素子4を光源とする低コストの有機ELプリンタヘッド1を実現することができる。
【0049】
○発光素子基板5とドライバ基板7が独立した構成になっているので、ドライバIC6との接続部であるドライバ側配線10を発光素子基板5上に設ける必要がなく、発光素子
基板5自体の面積を小さくすることができる。これにより、マザーガラスから発光素子基板5を取る個数が増えるため、この点でも製造コストを低減することができる。
【0050】
○インクジェット印刷方式等を用いれば、大きなマザーガラス上に任意の場所に微細な各発光素子を簡単に多数形成できるため、低コストで高集積の有機ELプリンタヘッド1(光ラインヘッド)を実現できる。そのため、この有機ELプリンタヘッド1を電子写真方式の光プリンタに用いる場合、印刷速度を上げることができ、大面積印刷を実現することができる。
【0051】
○複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に異方性導電膜20を配置して、発光素子基板5とドライバ基板7を圧着することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して素子側配線とドライバ側配線10が電気的に接続される。
【0052】
[ 第2実施形態]
第2実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図10〜図12に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、図12に示すように、複数のドライバ側配線10の各々には導電性の金属突起23がそれぞれ設けられている。
【0053】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、図10および図11に示すように、複数の素子側配線8と複数の導電性の金属突起23との間に、複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20が複数の素子側配線8と複数の導電性の金属突起23との間で圧着され、該圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の金属突起23を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている(図11参照)。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0054】
以上のように構成された第2実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○素子側配線8に異方性導電膜20を貼り付け、複数のドライバ側配線10にそれぞれ設けた複数の導電性の金属突起23を異方性導電膜20に接触させた状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を圧着することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の導電性の金属突起23とが接触し、素子側配線8とドライバ側配線10が電気的に接続される。
【0055】
[ 第3実施形態]
第3実施形態に係る有機ELプリンタヘッドを図13〜図15に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、図15に示すように、複数のドライバ側配線10の各々には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部25aを有する複数の金属クリップ25がそれぞれ固定されている。各金属クリップ25の基端部25bは、図13および図14に示すように、各ドライバ側配線10にはんだ等の接合部25cで接合されている。
【0056】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、複数の素子側配線8側に複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20と発光素子基板5が複数の金属クリップ25の各接続端子部25aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の金属クリップ25を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようにな
っている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0057】
以上のように構成された第3実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○複数の素子側配線8に異方性導電膜20を貼り付けて、複数の金属クリップ25の各接続端子部25aで異方性導電膜20と発光素子基板5を挟持することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜20と発光素子基板5が複数の金属クリップ25の各接続端子部25aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と複数の金属クリップ25を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0058】
[ 第4実施形態]
第4実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図16〜図18に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、複数の導電粒子27が素子側配線8およびドライバ側配線10の各配線ピッチと同じピッチで保持体としてのフィルム基体28に保持された導電接続部26(図16,図17参照)を用いる。各導電粒子27は、上記異方性導電膜20と同様に、ポリマー粒子27aを金属粒子で被覆した構造を有し、円柱形状に形成されている。各導電粒子27の直径は、例えば、20〜40μm程度である。
【0059】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、図18に示すように、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に導電接続部26が配置され、複数の導電粒子27の各々が複数の素子側配線8とドライバ側配線10との間で圧着される。この圧着により図18に示すように変形した各導電粒子27を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0060】
以上のように構成された第4実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○複数の導電粒子27の各々が各素子側配線8(各陽極配線8a)と各ドライバ側配線10との間に位置するように、導電接続部26を素子側配線8とドライバ側配線10との間に配置する。この状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を圧着することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、圧着により変形した各導電粒子27を介して各素子側配線8と各ドライバ側配線10が電気的に接続される。
【0061】
[ 第5実施形態]
第5実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図19に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、上記第4実施形態と同様に、導電接続部26(図16,図17参照)を用いる。
【0062】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、発光素子基板5側の、複数の素子側配線8の各々の間に、複数の導電粒子27の各々が複数の素子側配線8(各陽極配線8a)の各々と接触するように位置させる複数の絶縁性隔壁30が設けられている。その他の構成は上記第4実施形態と同様である。
【0063】
以上のように構成された第4実施形態によれば、上記第4実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○導電接続部26を複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置する際に、複数の導電粒子27の各々を発光素子基板5側に設けた複数の絶縁性隔壁30の間
に位置させるだけで、複数の導電粒子27の各々が両側の絶縁性隔壁30により案内されて複数の素子側配線8の各々と接触する。これにより、複数の導電粒子27の各々を各素子側配線8と各ドライバ側配線10の間にうまく位置させる作業が簡単になり、有機ELアレイユニット2とドライバユニット3の組み付け作業を簡単に行うことができる。
【0064】
○複数の素子側配線8の各々の間に設けられる複数の絶縁性隔壁30は、インクジェット印刷方式やスクリーン印刷方式等により、発光素子基板5上に簡単に形成することができる。
【0065】
[ 第6実施形態]
第6実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図20および図21に基づいて説明する。
【0066】
この有機ELプリンタヘッド1では、図20および図21に示すように、発光素子基板5をドライバ基板7の凹部32にはめ込んで該両基板が分離可能に結合される。
また、この有機ELプリンタヘッド1では、発光素子基板5をドライバ基板7の凹部32に図21に示すようにはめ込んだ状態で、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置され複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21(図6参照)を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0067】
以上のように構成された第6実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○発光素子基板5をドライバ基板7の凹部32にはめ込むだけで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置された異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0068】
[ 第7実施形態]
第7実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図22および図23に基づいて説明する。
【0069】
この有機ELプリンタヘッド1では、図22および図23に示すように、発光素子基板5とドライバ基板7は複数のねじ33により分離可能に結合される。
また、有機ELプリンタヘッド1では、発光素子基板5とドライバ基板7を複数のねじ33により結合した状態で、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置され複数の導電粒子21を内部に含む異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21(図6参照)を介して複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は上記第4実施形態と同様である。
【0070】
以上のように構成された第6実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○発光素子基板5とドライバ基板7を複数のねじ33で固定するだけで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合することができる。この結合状態では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10との間に配置された異方性導電膜20が圧着される。この圧着により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0071】
[ 第8実施形態]
第8実施形態に係る有機ELプリンタヘッド1を図24〜図26に基づいて説明する。
この有機ELプリンタヘッド1では、ドライバユニット3は、ドライバ基板としてのフレキシブルプリント基板34上に複数のドライバ側配線10が形成され、該ドライバ側配線10上に、複数の有機EL素子4を駆動する駆動回路をそれぞれ内蔵した複数のドライバIC6が実装されたパッケージ形体である。本例では、ドライバユニット3は、COFのパッケージ形体である。
【0072】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、複数のドライバ側配線10には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部35aを有し、該接続端子部35aの一部35bがドライバ側配線10の全てと接触する1つの金属クリップ35が固定されている。
【0073】
また、この有機ELプリンタヘッド1では、複数の素子側配線8側に複数の導電粒子21(図6参照)を内部に含む異方性導電膜20が配置されている。この異方性導電膜20と発光素子基板5が金属クリップ35の接続端子部35aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と金属クリップ35を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続されるようになっている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0074】
以上のように構成された第8実施形態によれば、上記第1実施形態の奏する作用効果に加えて以下の作用効果を奏する。
○ドライバユニット3を、フレキシブルプリント基板34上に複数のドライバ側配線10が形成され、このドライバ側配線10上に、駆動回路を内蔵した複数のドライバIC6が実装されたパッケージ形体としたので、低コストのドライバユニット3を実現することができる。
【0075】
○複数の素子側配線8に異方性導電膜20を貼り付けて、金属クリップ35の接続端子部35aで異方性導電膜20と発光素子基板5を挟持することで、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に簡単に結合することができる。この結合状態では、異方性導電膜20と発光素子基板5が金属クリップ35の接続端子部35aで押圧されて保持される。この押圧により変形した異方性導電膜20内部の導電粒子21と金属クリップ25を介して、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10がそれぞれ電気的に接続される。
【0076】
[画像形成装置]
次に、上記各実施形態で説明した有機ELプリンタヘッド1を用いて構成した画像形成装置の一例を、図27に基づいて説明する。
【0077】
この画像形成装置は、電子写真式の光プリンタで、タンデム方式のものである。
この画像形成装置は、同様に構成された4個の有機ELプリンタヘッド101K,101C,101M,101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム41K,41C,41M,41Yの露光位置にそれぞれ配置したものである。各有機ELプリンタヘッド101K,101C,101M,101Yは、上記各実施形態で説明した有機ELプリンタヘッド1と図1で説明したレンズアレイ19とでそれぞれ構成されている。
【0078】
この画像形成装置は、駆動ローラ51と、従動ローラ52と、テンションローラ53と、テンションローラ53によりテンションを加えられて張架されて、図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト50とを備える。この中間転写ベルト50に対して所定間隔で、感光体ドラム41K,41C,41M,41Yが配置されている。これらの符号「41」の後に付加されたK,C,M,Yはそれぞれ黒,シアン,マゼンタ,イエローを意味す
る。つまり、各感光体ドラム41K,41C,41M,41Yは黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の感光体ドラムである。他の符号についても、K,C,M,Yは同じ意味で用いている。そこで、以下の説明では、各符号の後に付加した括弧内にK,C,M,Yをまとめて記す。
【0079】
感光体ドラム41(K,C,M,Y)は、中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向へ回転駆動される。
感光体ドラム41(K,C,M,Y)の周囲には、感光体ドラム41(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させるコロナ帯電器42(K,C,M,Y)と、帯電された各感光体ドラム41の外周面を各感光体ドラムの回転に同期して順次ライン走査する有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)が設けられている。
【0080】
また、有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K,C,M,Y)と、この現像装置で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する一次転写ローラ45(K,C,M,Y)が設けられている。また、その一次転写の後、感光体ドラム41(K,C,M,Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング装置46(K,C,M,Y)が設けられている。
【0081】
ここで、各有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)は、該各ヘッドのアレイ方向が感光体ドラム41(K,C,M,Y)の母線に沿うように配置される。そして、各有機ELプリンタヘッド101(K,C,M,Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体ドラム41(K,C,M,Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
【0082】
現像装置44(K,C,M,Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制する。この規制により、現像ローラを感光体ドラム41(K,C,M,Y)に接触或いは押圧させることにより、感光体ドラムの電位レベルに応じて現像剤を付着させてトナー像として現像する。
【0083】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒,シアン,マゼンタ,イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K,C,M,Y)に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写される。この一次転写により中間転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラにおいて用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着される。この後、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
【0084】
なお、図27中、符号63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、符号64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、符号65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対である。また、符号66は中間転写ベルト50との間で二次転写部を形成する二次転写ローラ、符号67は二次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレードである。
【0085】
以上のように構成された画像形成装置によれば、以下の作用効果を奏する。
○有機ELアレイユニット2のみを取り外して交換することができ、ドライバユニット3を再利用することができるので、電子写真方式の光プリンタである画像形成装置の製造コストおよびランニングコストを低減することができる。これにより、低コストの画像形
成装置を実現することができる。
【0086】
なお、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態では、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合する構成をそれぞれ一例として説明した。本発明は、複数の素子側配線8と複数のドライバ側配線10を電気的に接続した状態で、発光素子基板5とドライバ基板7を分離可能に結合する構成の有機ELプリンタヘッドに広く適用可能である。
【0087】
・上記第1実施形態〜第5実施形態において、ドライバユニット3を、上記第8実施形態のようなCOFのパッケージ形体で構成しても良い。
・上記第8実施形態では、ドライバユニット3をCOFのパッケージ形体としているが、ドライバユニット3をCOF以外のパッケージ形体、例えばやTCPのパッケージ形体としても良い。
【0088】
・図27では、上記各実施形態で説明した有機ELプリンタヘッド1を用いて構成した画像形成装置の一例として、電子写真式の光プリンタでタンデム方式のものについて説明したが、同様の光プリンタで1ドラム方式の画像形成装置にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態に係る有機ELプリンタヘッドを示す概略構成図。
【図2】同ヘッドを構成する2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図3】第1実施形態に係る有機ELプリンタヘッドを光出射側から見た平面図。
【図4】第1実施形態における2つのユニットの各配線の接続状態を示す断面図。
【図5】図4の一部拡大図。
【図6】第1実施形態で用いる異方性導電膜を示す断面図。
【図7】異方性導電膜の内部構造を示す断面図。
【図8】図3に示す有機ELプリンタヘッドのドライバICユニットを示す平面図。
【図9】同ヘッドの有機ELアレイユニットを示す平面図。
【図10】第2実施形態における2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図11】図10に示す2つのユニットの各配線の接続状態を示す断面図。
【図12】第2実施形態で用いるドライバユニットの一部を示す斜視図。
【図13】第3実施形態で用いるドライバユニットの一部を示す側面図。
【図14】第3実施形態で用いる2つのユニットの各配線の接続状態を示す側面図。
【図15】図3実施形態で用いるドライバユニットの一部を示す斜視図。
【図16】第4実施形態で用いる導電接続部の一部を示す斜視図。
【図17】同導電接続部の一部を示す側面図。
【図18】第4実施形態における2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図19】第5実施形態における2つのユニットの圧着時の様子を示す部分断面図。
【図20】第6実施形態における2つのユニットを示す斜視図。
【図21】第6実施形態における2つのユニットの結合状態を示す断面図。
【図22】第7実施形態における2つのユニットの結合状態を示す斜視図。
【図23】第7実施形態における2つのユニットの結合状態を示す断面図。
【図24】第8実施形態における2つのユニットの結合状態を示す斜視図。
【図25】第8実施形態における2つのユニットの結合状態を示す側面図。
【図26】第8実施形態で用いるドライバユニットを示す側面図。
【図27】第1実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
【0090】
2…発光素子アレイユニットとしての有機ELアレイユニット、3…ドライバユニット
、4…有機EL素子、5…発光素子基板、7…ドライバ基板、8…素子側配線、8a…陽極配線、8b…陰極配線、10…ドライバ側配線、11…陽極、12…有機発光層、13…陰極、14…封止層、18,41,41C,41K,41M,41Y…感光体ドラム、19…レンズアレイ、20…異方性導電膜、21,27…導電粒子、23…金属突起、25,35…金属クリップ、25a,35a…接続端子部、26…導電接続部、30…絶縁性隔壁、33…ねじ、34…フレキシブルプリント基板、35b…一部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子基板を有し、該発光素子基板上に少なくとも1列に配列した複数の発光素子と複数の素子側配線が形成された発光素子アレイユニットと、
ドライバ基板を有し、該ドライバ基板上に前記複数の発光素子を駆動するドライバICと該ドライバICに接続された複数のドライバ側配線を有するドライバユニットと、を備え、
前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線を電気的に接続した状態で、前記発光素子基板と前記ドライバ基板を分離可能に結合したことを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板はガラス基板であり、複数の前記有機EL素子は、前記ガラス基板上に、陽極、有機発光層、陰極、および前記有機発光層と陰極を密封する封止層を順に積層した構造を有し、前記複数の素子側配線は、前記複数の有機EL素子の各陽極にそれぞれ接続された複数の陽極配線と、前記複数の有機EL素子の各陰極にそれぞれ接続された少なくとも1本の陰極配線とを含む、ことを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数のドライバ側配線の各々には金属突起がそれぞれ設けられており、
前記複数の素子側配線と複数の前記金属突起との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数の金属突起との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属突起を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数のドライバ側配線の各々には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有する複数の金属クリップがそれぞれ固定されており、
前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、
該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記複数の金属クリップの各接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に、複数の導電粒子が前記素子側配線および前記ドライバ側配線の各配線ピッチと同じピッチで保持体に保持された導電接続部が配置され、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線と前記ドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光
ラインヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板側の、前記複数の素子側配線の各々の間に、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線の各々と接触するように位置させる複数の絶縁性隔壁が設けられていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んで該両基板が分離可能に結合され、
前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んだ状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板と前記ドライバ基板は複数のねじにより分離可能に結合され、
前記発光素子基板と前記ドライバ基板を前記複数のねじにより結合した状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記ドライバユニットは、前記ドライバ基板としてのフレキシブルプリント基板上に前記複数のドライバ側配線が形成され、該ドライバ側配線上に、前記複数の発光素子を駆動する駆動回路を内蔵した少なくとも1つの前記ドライバICが実装されたパッケージ形体であり、
前記複数のドライバ側配線には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有し、該接続端子部の一部が前記ドライバ側配線の全てと接触する1つの金属クリップが固定されており、
前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、
該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記金属クリップの接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の光ラインヘッドと、前記複数の発光素子からの各出射光からなる点像を感光体ドラム上に形成するレンズアレイと、を備えることを特徴とする光ラインヘッドを用いた画像形成装置。
【請求項1】
発光素子基板を有し、該発光素子基板上に少なくとも1列に配列した複数の発光素子と複数の素子側配線が形成された発光素子アレイユニットと、
ドライバ基板を有し、該ドライバ基板上に前記複数の発光素子を駆動するドライバICと該ドライバICに接続された複数のドライバ側配線を有するドライバユニットと、を備え、
前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線を電気的に接続した状態で、前記発光素子基板と前記ドライバ基板を分離可能に結合したことを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板はガラス基板であり、複数の前記有機EL素子は、前記ガラス基板上に、陽極、有機発光層、陰極、および前記有機発光層と陰極を密封する封止層を順に積層した構造を有し、前記複数の素子側配線は、前記複数の有機EL素子の各陽極にそれぞれ接続された複数の陽極配線と、前記複数の有機EL素子の各陰極にそれぞれ接続された少なくとも1本の陰極配線とを含む、ことを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数のドライバ側配線の各々には金属突起がそれぞれ設けられており、
前記複数の素子側配線と複数の前記金属突起との間に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、該異方性導電膜が前記複数の素子側配線と前記複数の金属突起との間で圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属突起を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数のドライバ側配線の各々には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有する複数の金属クリップがそれぞれ固定されており、
前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、
該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記複数の金属クリップの各接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記複数の金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に、複数の導電粒子が前記素子側配線および前記ドライバ側配線の各配線ピッチと同じピッチで保持体に保持された導電接続部が配置され、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線と前記ドライバ側配線との間で圧着され、該圧着により変形した前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光
ラインヘッド。
【請求項8】
請求項7に記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板側の、前記複数の素子側配線の各々の間に、前記複数の導電粒子の各々が前記複数の素子側配線の各々と接触するように位置させる複数の絶縁性隔壁が設けられていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んで該両基板が分離可能に結合され、
前記発光素子基板を前記ドライバ基板にはめ込んだ状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記発光素子基板と前記ドライバ基板は複数のねじにより分離可能に結合され、
前記発光素子基板と前記ドライバ基板を前記複数のねじにより結合した状態で、前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線との間に配置され複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が圧着され、該圧着により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子を介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ラインヘッドにおいて、
前記ドライバユニットは、前記ドライバ基板としてのフレキシブルプリント基板上に前記複数のドライバ側配線が形成され、該ドライバ側配線上に、前記複数の発光素子を駆動する駆動回路を内蔵した少なくとも1つの前記ドライバICが実装されたパッケージ形体であり、
前記複数のドライバ側配線には、先端側が弾性変形可能な二股形状の接続端子部を有し、該接続端子部の一部が前記ドライバ側配線の全てと接触する1つの金属クリップが固定されており、
前記複数の素子側配線上に複数の導電粒子を内部に含む異方性導電膜が配置され、
該異方性導電膜と前記発光素子基板が前記金属クリップの接続端子部で押圧されて保持され、該押圧により変形した前記異方性導電膜内部の前記導電粒子と前記金属クリップを介して前記複数の素子側配線と前記複数のドライバ側配線がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする光ラインヘッド。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の光ラインヘッドと、前記複数の発光素子からの各出射光からなる点像を感光体ドラム上に形成するレンズアレイと、を備えることを特徴とする光ラインヘッドを用いた画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−150592(P2006−150592A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339906(P2004−339906)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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