説明

光伝送装置

【課題】光伝送装置の種々の光学要素の相対的位置関係のずれを補償して上記装置に所望の目的を達成させることができる簡易な構成の光伝送装置を提供することである。
【解決手段】光伝送装置10は、主光軸MAと基端12aと末端12bとを含む主光学系12と、主光学系に計測光ビームKBを投入し主光学系の主光軸MAに沿い伝送される主光ビームMBから独立して上記主光軸と平行に上記計測光ビームを伝送させ主光軸に沿った所定の位置から上記計測光ビームを主光学系から離れさせる副光軸KAを形成し主光学系から離れた後の計測光ビームの位置の変化により上記主光軸の位置ずれを計測する計測光学系14と、計測光学系により計測された上記主光軸の位置ずれに対応して上記主光軸の位置ずれを解消するよう主光学系を制御する位置ずれ補正制御系16と、を備えたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光伝送装置に関係している。
【背景技術】
【0002】
光伝送装置は、例えば特開2006−189256号公報(特許文献1)により広く知られている。
【0003】
光伝送装置は、光伝送装置の使用目的に応じた種々の光学要素を含んでおり、種々の光学要素の相対的な位置関係がずれると所望の使用目的を達成することが出来ない。
【0004】
種々の光学要素の相対的な位置関係のずれは、光伝送装置に負荷される振動等の機械的な外力はもちろんのこと、光伝送装置の温度の上下や光学要素及びその他の材料の経年変化に伴い発生する歪により生じる。
【特許文献1】特開2006−189256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的は、光伝送装置の種々の光学要素の相対的な位置関係がずれたとしても、相対的な位置関係のずれを補償して光伝送装置に所望の目的を達成させることができる簡易な構成の光伝送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述したこの発明の目的を達成する為に、この発明に従った光伝送装置は、主光軸と基端と末端とを含む主光学系と、主光学系に計測光ビームを投入し主光学系の主光軸に沿い伝送される光ビームから独立して上記主光軸と平行に上記計測光ビームを伝送させ主光軸に沿った所定の位置から上記計測光ビームを主光学系から離れさせる副光軸を形成し主光学系から離れた後の計測光ビームの位置の変化により上記主光軸の位置ずれを計測する計測光学系と、計測光学系により計測された上記主光軸の位置ずれに対応して上記主光軸の位置ずれを解消するよう主光学系を制御する位置ずれ補正制御系と、を備えており、
そして、計測光学系は、計測光学系の計測光ビームを出射する計測光ビーム出射手段と、主光学系の基端近傍部において計測光ビーム出射手段から主光学系に投入された計測光ビームを主光学系の主光軸と平行にする第1光学素子と、主光学系の末端近傍部において計測光学系の第1光学素子からの上記計測光ビームを主光学系の主光軸と平行に反射する第2光学素子と、を含んでおり、第2光学素子により反射された上記計測光ビームは第1光学素子により主光学系から離され、
また、位置ずれ補正制御系は、計測光学系の第1及び第2光学素子の間で主光学系の主光軸に介在された少なくとも1つのチルトミラーと、少なくとも1つのチルトミラーを介し主光学系の末端及び計測光学系の第2光学素子へと主光学系の主光軸を導く導光手段と、を含んでいて、少なくとも1つのチルトミラーの傾きにより計測光学系により計測された上記主光軸の位置ずれに対応して上記主光軸の位置ずれを解消するよう主光学系を制御する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
上述した如く構成されたことを特徴とするこの発明に従った光伝送装置では、計測光学系が主光学系に計測光ビームを投入し主光学系の主光軸に沿い伝送される主光ビームから独立して上記主光軸と平行に上記計測光ビームを伝送させ主光軸に沿った所定の位置から上記計測光ビームを主光学系から離れさせる副光軸を形成し、主光学系から離れた後の計測光ビームの位置の変化により上記主光軸の位置ずれを計測する。そして、計測光学系により計測された上記主光軸の位置ずれに対応して、位置ずれ補正制御系が上記主光軸の位置ずれを解消するよう主光学系を制御する。
【0008】
このような計測光学系は、計測光学系の計測光ビームを出射する計測光ビーム出射手段と、主光学系の基端近傍部において計測光ビーム出射手段から主光学系に投入された計測光ビームを主光学系の主光軸と平行にする第1光学素子と、主光学系の末端近傍部において計測光学系の第1光学素子からの上記計測光ビームを主光学系の主光軸と平行に反射する第2光学素子と、を含んでおり、第2光学素子により反射された上記計測光ビームは第1光学素子により主光学系から離される、ことにより簡易に構成可能である。
【0009】
また、位置ずれ補正制御系は、計測光学系の第1及び第2光学素子の間で主光学系の主光軸に介在された少なくとも1つのチルトミラーと、少なくとも1つのチルトミラーを介し主光学系の末端及び計測光学系の第2光学素子へと主光学系の主光軸を導く導光手段と、を含んでいて、少なくとも1つのチルトミラーの傾きにより計測光学系により計測された上記主光軸の位置ずれに対応して上記主光軸の位置ずれを解消するよう主光学系を制御する、ことにより簡易に構成可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の一実施の形態に従った光伝送装置10を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
図1中に図示されている如く、この発明の一実施の形態に従った光伝送装置10は:主光軸MAと基端12aと末端12bとを含む主光学系12と;主光学系12に計測光ビームKBを投入し主光学系12の主光軸MAに沿い伝送される光ビームから独立して主光軸MAと平行に計測光ビームKBを伝送させ主光軸MAに沿った所定の位置から計測光ビームKBを主光学系12から離れさせる副光軸KAを形成し、主光学系12から離れた後の計測光ビームKBの位置の変化により主光軸MAの位置ずれを計測する計測光学系14と;そして、計測光学系14により計測された主光軸MAの位置ずれに対応して、主光軸MAの位置ずれを解消するよう主光学系12を制御する位置ずれ補正制御系16と、を備えている。
【0012】
この実施の形態において光伝送装置10はさらに、主光学系12の基端12aから主光軸MAに主光ビームMBを投入し主光学系12の主光軸MAに沿い主光ビームMBを伝送させた後に主光ビームMBを主光学系12の末端12bから図示されていない目標物に向かい照射させる主光ビーム出射器12cを備えている。主光ビーム出射器12cは、例えばレーザ光出射器であることができる。
【0013】
とはいうものの、この発明の概念に従えば光伝送装置10は、主光ビーム出射器12cに代わり、主光学系12の末端12bから主光軸MAに入射し主光軸MAに沿い伝送され主光学系12の基端12aから出射した光ビームを受光する受光素子をさらに備えることができる。
【0014】
計測光学系14は、計測光学系14の計測光ビームKBを出射する計測光ビーム出射手段14aと、主光学系12の基端12aの近傍部(基端近傍部)において計測光ビーム出射手段14aから主光学系12に投入された計測光ビームKBを主光学系12の主光軸MAと平行にする第1光学素子14bと、主光学系12の末端12bの近傍部(末端近傍部)において計測光学系14の第1光学素子14bからの計測光ビームKBを主光学系12の主光軸MAと平行に反射する第2光学素子14cと、を含んでいる。
【0015】
そして、第2光学素子14cにより反射された計測光ビームKBは、第1光学素子14bにより主光学系12から離される。計測光ビーム出射手段14aは、例えばレーザ光出射手段であることができる。
【0016】
位置ずれ補正制御系16は、計測光学系14の第1及び第2光学素子14b、14cの間で主光学系12の主光軸MAに介在された少なくとも1つのチルトミラー16aと、少なくとも1つのチルトミラー16aを介し主光学系12の末端12b及び計測光学系14の第2光学素子14cへと主光学系12の主光軸MAを導く導光手段18と、を含んでいる。
【0017】
そして、位置ずれ補正制御系16は、計測光学系14により計測された主光軸MAの位置ずれに対応して少なくとも1つのチルトミラー16aの傾きにより主光軸MAの位置ずれを解消するよう主光学系12を制御する。
【0018】
計測光学系14は、主光学系12から離れた後の計測光ビームKBが入射され主光学系12から離れた後の計測光ビームKBの位置の変化を検出する検出器14dをさらに含んでいる。
【0019】
以下、この発明の一実施の形態に従った光伝送装置10をさらに詳細に説明する。
【0020】
主光学系12の為の主光ビーム出射器12c,及び計測光学系14の為の計測光ビーム出射手段14a,第1光学素子14b,そして検出器14dは、第1台座20の一面(図1では紙面に沿った面)の夫々の所定の位置に固定されている。
【0021】
第1台座20において主光ビーム出射器12cから出射された主光ビームMBの延長上に第1光学素子14bが配置されていて、第1光学素子14bは主光ビームMBを直線状に透過させる。
【0022】
第1光学素子14bは主光ビームMBに対し所定の角度に傾斜されていて、第1台座20において第1光学素子14bに向かい計測光KBを出射する位置に計測光ビーム出射手段14aが配置されている。計測光ビーム出射手段14aは第1光学素子14bに対し主光ビームMBが透過する位置とは異なる位置に計測光ビームKBを投射し、第1光学素子14bは計測光ビームKBが主光ビームMBと平行に同じ方向に伝送されるよう反射する。
【0023】
この実施の形態において第1光学素子14bは主光ビームMBに対し45度の角度で傾斜しており、計測光ビーム出射手段14aは、主光ビームMBに対し90度の角度で第1光学素子14bに向かい計測光ビームKBを投射している。
【0024】
この実施の形態において第1光学素子14bは光の周波数に応じて光の透過と反射とを選択するダイクロイックミラーである。従って、第1光学素子14bを透過する主光ビームMBの波長と第1光学素子14bにより反射される計測光ビームKBの波長とは相互に異なっている。この実施の形態において第1光学素子14bは主光学系12の基端12aを兼ねている。
【0025】
第1台座20において計測光ビーム出射手段14aから第1光学素子14bに向かう計測光ビームKBの光路上にはハーフミラー14eが配置されていて、ハーフミラー14eにより上記光路から分岐された計測光ビームKBの分岐光路上に検出器14dが配置されている。検出器14dは、そこに投射された計測光ビームKBの分岐光の位置又は入射角を検出することができ、例えば電子撮像素子(CCD)またはポジションセンサにより構成することができる。
【0026】
入射角を検出する場合には、ハーフミラー14eと検出器14dとの間に集光レンズを介在させ、集光レンズの焦点fを変更することにより入射角の検出感度を変更することができる。
【0027】
従ってこの実施の形態においては、第1台座20の夫々の所定の位置に固定されている主光ビーム出射器12c及び計測光ビーム出射手段14aから出射された主光ビームMB及び計測光ビームKBは第1光学素子14bから常に相互に独立して相互に平行に同じ方向に出射される。このように第1台座20から常に相互に独立して相互に平行に同じ方向に出射される主光ビームMB及び計測光ビームKBの相互間をこれら主光ビームMB及び計測光ビームKBと相互に平行に同じ方向に延びる不動の仮想軸C1が1点鎖線により図示されている。
【0028】
さらにこの実施の形態においては、第1台座20の所定の位置に固定されているハーフミラー14eにより第1台座20の別の所定の位置に固定されている検出器14dに向かう計測光ビーム出射手段14aから出射された計測光ビームKBの分岐光は検出器14d上の常に同じ位置(基準位置)に投射される。
【0029】
1つの第1台座20における夫々の所定の位置に固定されている主光ビーム出射器12c,計測光ビーム出射手段14a,第1光学素子14b,検出器14d、そしてハーフミラー14eの相対位置の関係は、この光伝送装置10の通常の使用環境における温度の上下による第1台座20の膨張や収縮や第1台座20に対する振動を含む外力の負荷によっては変化しない。
【0030】
第1台座20の第1光学要素14bから相互に平行に同じ方向に出射された主光ビームMB及び計測光ビームKBの延長上には位置ずれ補正制御系16の為のチルトミラー16aが配置されていて、チルトミラー16aは第1台座20から独立したミラー駆動部16bに支持されている。
【0031】
この実施の形態においてミラー駆動部16bは、チルトミラー16aを、仮想軸C1上で図1の紙面に対し直交する第1回転軸VRを回転中心に所定の回転範囲θで回転させることが可能であるとともに、仮想軸C1に対し所定の角度に傾斜し図1の紙面に沿い平行に延びる第2回転軸HRを回転中心に所定の回転範囲δで回転させることが可能である。
【0032】
第1台座20の第1光学要素14bから相互に平行に同じ方向に出射された主光ビームMB及び計測光ビームKBは、チルトミラー16aにより反射された後に導光手段18を介して主光学系12の末端12bに位置する第2光学要素14cまで相互に平行に同じ方向に導かれる。この実施の形態では導光手段18は複数の導光要素18a,18b,そして18cにより構成されている。
【0033】
複数の導光要素18a,18b,そして18cの夫々は、反射ミラーや曲率を有している非平面ミラーやプリズムにより構成することができる。
【0034】
図2には、複数の導光要素18a,18b,そして18cの夫々が反射ミラーにより構成されている場合の反射ミラー保持体18dが概略的に図示されていて、反射ミラー保持体18dでは、主光ビームMB及び計測光ビームKBの夫々の為の相互に独立した反射ミラーM1,M2が所定の位置に固定されている。
【0035】
導光手段18の複数の導光要素18a,18b,そして18cにおいて、主光ビームMB及び計測光ビームKBを最後に主光学系12の末端12bに位置する第2光学要素14cに向かわせる導光要素18cは、図1中に図示されている如く、第2光学要素14cとともに第2台座24の一面(図1の紙面に沿った面)の夫々の所定の位置に固定されていることが出来る。
【0036】
この実施の形態において第2光学要素14cも、第1光学素子14bと同じダイクロックミラーにより構成されていて、主光ビーム出射器12cからの主光ビームMBは透過させ計測光ビーム出射手段14aからの計測光ビームKBは反射する。
【0037】
導光手段18の最後の導光要素18cは、第2光学要素14cに対し、最後の導光要素18cから第2光学要素14cに向かう計測光ビームKBと第2光学要素14cにおいて反射された計測光ビームKBとが同じ光路を通るよう計測光ビームKBを導く。
【0038】
1つの第2台座24における夫々の所定の位置に第2光学要素14c及び最後の導光要素18cを固定した場合、これら第2光学要素14c及び最後の導光要素18cの相対位置の関係は、この光伝送装置10の通常の使用環境における温度の上下による第2台座24の膨張や収縮や第2台座24に対する振動を含む外力の負荷によっては変化しない。
【0039】
位置ずれ補正制御系16は、計測光学系14の検出器14dと位置ずれ補正制御系16のチルトミラー16aのミラー駆動部16bとに接続された制御器16cをさらに備えている。
【0040】
この実施の形態に従った光伝送装置10においては、第1台座20上の主光ビーム射出器12cから射出された主光ビームMBが、第1台座20上の第1光学要素14bを透過してからチルトミラー16a及び導光手段18の複数の導光要素18a,18b、そして18cを介して第2台座24上の第2光学要素14cに到達し第2光学要素14cから出射されるまでに通過する光路が主光学系12の主光軸MAである。
【0041】
そして、第1光学要素14b及び第2光学要素14cが主光学系12の基端12a及び末端12bとなっている。
【0042】
この実施の形態に従った光伝送装置10においてはさらに、第1台座20上の計測光ビーム出射手段14aから出射された計測光ビームKBが、第1光学要素14bにより反射されてからチルトミラー16a及び導光手段18の複数の導光要素18a,18b、そして18cを介して第2台座24上の第2光学要素14cまで主光学系12の主光軸MAに沿い主光ビームMBから独立して主光軸MAと平行に伝送され、さらに第2光学要素14cにより反射されて導光手段18の複数の導光要素18c,18b、そして18a及びチルトミラー16aを前述したのと逆に同じ光路をたどり第1台座20上の第1光学要素14bにより反射させられて主光学系12の主光軸MAから離れさせられ、最後に第1台座20上のハーフミラー14eにより検出器14dに到達されるまでに通過する光路が計測光学系14の副光軸KAである。
【0043】
主光学系12の主光軸MAが設計時基準状態にある間に第1台座20上の主光ビーム射出器12cから射出された主光ビームMBが主光学系12の基端12aの第1光学要素14bに入射され主光学系12の主光軸MAに沿い伝送され主光学系12の末端12bの第2光学要素14cから目標に向かわせられた時には、同時に第1台座20上の計測光ビーム射出手段14aから出射された計測光ビームKBは、主光学系12の基端12aの第1光学要素14bにより主光学系12に投入されて主光学系12の主光軸MAに沿い主光ビームMBから独立して主光軸MAと平行に伝送され、主光学系12の末端12bの第2光学要素14cにより反射されて主光学系12の基端12aの第1光学要素14bまで同じ副光軸KAに沿い伝送され、さらに第1光学要素14b及びハーフミラー14eにより反射されて検出器14dの基準位置に入射される。
【0044】
そして、主光学系12の主光軸MAに温度の上下や外力の負荷や経年変化等の何等か理由により設計時基準状態からの位置ずれが生じた場合、主光学系12の末端12bの第2光学要素14cから目標に向かわせられた主光ビームMBが目標の所望の位置或るいは目標自体から外れることになる。そして、上記位置ずれの量と方向は主光学系12の末端12bの第2光学要素14cにより反射されて主光学系12の基端12aの第1光学要素14bまで同じ副光軸KAに沿い伝送され、さらに第1光学要素14b及びハーフミラー14eにより反射された計測光ビームKBが検出器14dに入射される位置又は入射角が前述した基準位置からずれている量及び方向に対応する。
【0045】
位置ずれ補正制御系16の制御器16cは検出器14dにより検出された上記位置ずれの量と方向に対応してミラー駆動部16bによりチルトミラー16aを第1回転軸VR及び/又は第2回転軸HRの周りに回転させる。そして、主光学系12の末端12bの第2光学要素14cにより反射されて主光学系12の基端12aの第1光学要素14bまで同じ副光軸KAに沿い伝送され、さらに第1光学要素14b及びハーフミラー14eにより反射された計測光ビームKBが検出器14dに入射される位置を、前述した基準位置に合致させる。
【0046】
この結果として、主光軸MAの設計時基準状態からの位置ずれが補償される。
【0047】
上述した実施の形態では第1及び第2光学素子14b,14cの夫々はダイクロックミラーにより構成されていたが、偏光ミラー及びパルス光シャッター手段のいずれか1つにより構成されていることができる。第1光学素子14bは、ハーフミラーであることもできる。
【0048】
そして、偏光ミラーを使用する場合には、主光ビーム出射器12cから出射される主光ビームMBと計測光ビーム出射手段14aから出射される計測光ビームKBとは偏光状態が相互に異なっていて、第1及び第2光学素子14a,14bの夫々は主光ビームMBを通過させ計測光ビームKBは反射するよう構成される。
【0049】
また、パルス光シャッター手段を使用する場合には、主光ビーム出射器12c及び計測光ビーム出射手段14aは時間的に相互に異なるパルス状に主光ビームMB及び計測光ビームKBを射出させ、第1及び第2光学素子14a,14bの夫々は主光ビームMBのパルスの時間周期に同調して主光ビームMBを通過させ、計測光ビームKBのパルスの時間周期に同調して計測光ビームKBを反射させるよう構成される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に従った光伝送装置の構成を概略的に示す図。
【図2】図2は、図1の光伝送装置において主光学系の基端近傍部と末端近傍部との間で主光学系の主光ビーム及び計測光学系の計測光ビームを導く導光手段に含まれる導光要素の1種である主導光ミラー及び副導光ミラーを支持したミラー支持体を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
10…光伝送装置、MA…主光軸、MB…主光ビーム、12…主光学系、12a…基端、12b…末端、12c…主光ビーム出射器、KA…副光軸、KB…計測光ビーム、14…計測光学系、14a…計測光ビーム出射手段、14b…第1光学素子、14c…第2光学素子、14d…検出器、14e…ハーフミラー、16…位置ずれ補正制御系、16a…チルトミラー、16b…ミラー駆動部、VR…第1回転軸、θ…回転範囲、HR…第2回転軸、δ…回転範囲、16c…制御器、18…導光手段、18a,18b,18c…導光要素、18d…反射ミラー保持体、M1,M2…反射ミラー、20…第1台座、C1…仮想軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主光軸と基端と末端とを含む主光学系と、
主光学系に計測光ビームを投入し主光学系の主光軸に沿い伝送される光ビームから独立して上記主光軸と平行に上記計測光ビームを伝送させ主光軸に沿った所定の位置から上記計測光ビームを主光学系から離れさせる副光軸を形成し、主光学系から離れた後の計測光ビームの位置の変化により上記主光軸の位置ずれを計測する計測光学系と、
計測光学系により計測された上記主光軸の位置ずれに対応して、上記主光軸の位置ずれを解消するよう主光学系を制御する位置ずれ補正制御系と、
を備えており、
計測光学系は、計測光学系の計測光ビームを出射する計測光ビーム出射手段と、主光学系の基端近傍部において計測光ビーム出射手段から主光学系に投入された計測光ビームを主光学系の主光軸と平行にする第1光学素子と、主光学系の末端近傍部において計測光学系の第1光学素子からの上記計測光ビームを主光学系の主光軸と平行に反射する第2光学素子と、を含んでおり、第2光学素子により反射された上記計測光ビームは第1光学素子により主光学系から離され、
位置ずれ補正制御系は、計測光学系の第1及び第2光学素子の間で主光学系の主光軸に介在された少なくとも1つのチルトミラーと、少なくとも1つのチルトミラーを介し主光学系の末端及び計測光学系の第2光学素子へと主光学系の主光軸を導く導光手段と、を含んでいて、少なくとも1つのチルトミラーの傾きにより計測光学系により計測された上記主光軸の位置ずれに対応して上記主光軸の位置ずれを解消するよう主光学系を制御する、
ことを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
主光学系の主光軸に主光ビームを投入し主光学系の主光軸に沿い上記主光ビームを伝送させた後に上記主光ビームを主光学系の末端から目標物に向かい照射させる主光ビーム出射器と、主光学系の末端から主光軸に入射し主光軸に沿い伝送され主光学系の基端から出射した光ビームを受光する受光素子と、の少なくともいずれか一方をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
計測光学系は、主光学系から離れた後の計測光ビームが入射され主光学系から離れた後の計測光ビームの位置の変化を検出する検出器を含んでいて、
主光学系の主光ビーム出射器と受光素子との少なくともいずれか一方と、計測光学系の計測光ビーム出射手段,第1光学素子,そして検出器は第1台座の夫々の所定の位置に固定されていて、
主光学系の末端及び計測光学系の第2光学素子が第2台座の所定の位置に固定されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
【請求項4】
導光手段において、計測光学系の計測光ビーム出射手段からの計測光ビームを最後に第2光学素子に向かわせる導光要素が、第2台座の所定の位置に固定されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の光伝送装置。
【請求項5】
計測光学系の第1光学要素及び第2光学要素の夫々は、ダイクロックミラー,偏光ミラー,及びパルス光シャッター手段のいずれか1つを含む、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−148047(P2010−148047A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326221(P2008−326221)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】