説明

光信号中継装置及び光通信システム

【解決手段】光バースト信号を受信信号に変換する光/電気モジュール71と、前記受信信号を蓄積し復元信号として出力するためのバッファ部73と、バッファ部73とアイドルパターン保持部74と切替部75とに供給される基準クロックを抽出又は作成する基準クロック部と、光/電気モジュール71の出力に基づいて光バースト信号の無信号区間を検出するタイミング制御部77とを備える。隣り合う光バースト区間の間の無信号区間において、バッファ部73から出力される復元信号の間に前記アイドル信号を含む信号を挿入することにより、連続信号を前記基準クロックに基づいて作成する。タイミング制御部77は、1つの光バースト信号の受信開始時に、バッファ部73に蓄積された光バースト信号の蓄積データを、リセット信号を用いてクリアする。
【効果】基準クロックの周波数が再生クロックより少しずれていても、その時間範囲が1バースト信号区間に限定されるので、少ないバッファ容量でクロックのずれを吸収することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PON(Passive Optical Network)システムにおいて局側装置OLTと宅側装置ONUとの間の光信号を、光/電気モジュールで光/電気変換した後に、再び電気/光モジュールで光信号に変換して中継する光信号中継装置及び光通信システムに関し、特に、宅側装置ONUから局側装置OLTへの上り光バースト信号の光信号中継装置及び光通信システムに関するものである。
【0002】
この光信号中継装置及び光通信システムは、特に、GE−PONなどの光通信システムで好適に使用される。
【背景技術】
【0003】
光加入者線局側装置OLT(Optical Line Terminal:以下「局側装置」という)と、複数の光加入者線終端装置ONU(Optical Network Unit:以下「宅側装置」という)との間を、光ファイバ通信ネットワークを介して、双方向通信する光通信システムがある。
この光通信システムにおいて、局側装置OLTと各宅側装置ONUとの間を、それぞれ1本の光ファイバで放射状に結ぶ(Single Star)構成を有する光ファイバ通信ネットワークが構築,実用化されている。このネットワークの構成では、システムや通信機器などの構成は簡単になるが、1つの宅側装置ONUが、一本の光ファイバを占有しており、局側装置OLTにこの光ファイバを直接配線接続しなければならない。よって、宅側装置ONUがN局あれば、局側装置OLTから直接配線接続される光ファイバがN本必要となり、光通信システムの低価格化を図るのが困難である。
【0004】
一方、局側装置OLTから配線接続される1本の光ファイバを、複数の宅側装置ONUで共有する光通信システムとしてのPON(Passive Optical Network)システムが実用化されている。このPONシステムは、FTTH(Fiber To The Home)やFTTB(Fiber To The Building)などのFTTxに適用されている低価格の光加入者用アクセス方式の1つである。
【0005】
このPONシステムでは、特に外部からの電源供給を必要とせずに受動的に入力された信号を分岐・多重する受動型光分岐器(以下、単に「光カプラ」ともいう)と、局側装置OLTとが、伝搬モードを単一とするシングルモードファイバ(Single Mode Fiber)などの光ファイバを介して接続されている。
1つの光通信システムには、宅側装置ONUは通常、複数あり、光カプラで分岐された光ファイバが、宅側装置ONUの数に合わせて備えられている。
【0006】
局側装置OLTとN局の宅側装置ONUとは、光ファイバ及び光カプラを介して接続された1対Nの伝送を基本としている。これにより、1つの局側装置OLTに対して、多くの宅側装置ONUを割り当てることができ、全体的な設備コストを抑えることができる。
このようなPONシステムではN局の宅側装置ONUが1つの局側装置OLTを共有するため、宅側装置ONUから局側装置OLTへは時分割多重によって信号が衝突しないようにデータ伝送を行う。宅側装置ONUは局側装置OLTによって割り当てられた期間でのみ光信号を発光してデータ伝送を行うため、局側装置OLTにはN局の宅側装置ONUから間欠的な信号(多数の0と1とを含むひとかたまりの信号;光バースト信号という)が伝送される。
【0007】
局側装置OLTと光カプラとの距離が長い場合、光バースト信号を、光/電気モジュールで電気信号に変換し、再び電気/光モジュールで光変換して中継することが行われている。この中継装置を「光信号中継装置」という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11-275178 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光信号中継装置では、1光バーストごとに光強度や周波数/位相が変化する光バースト信号に追随して電気信号を復元する。復元された電気信号を光信号に変換する際に、レーザダイオードなどの発光素子の発光消光が頻繁に行われる。発光の有無で発光素子に流れる電流量が変化するため、温度が不安定になる。発光素子の発光波長は温度依存性を持つため、発光素子の温度管理が必要になってくる。温度管理をしなければ、発光素子の発振波長の精度が下がるという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、発光素子の温度管理が容易となる光信号中継装置及び光通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光信号中継装置は、光バースト信号を受信信号に変換する光/電気モジュールと、前記受信信号に基づいて受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間にアイドル信号を含む信号を挿入して連続信号を作成し、当該連続信号を、光信号に変換する電気/光モジュールとを備えるものである。
この光信号中継装置によれば、光バースト信号を光連続信号に変換して中継するので、発光素子の温度が安定し、波長の精度が向上する。
【0012】
さらに、波長の精度が向上することにより、中継装置同士を接続して波長多重伝送する場合、発光素子の温度管理/波長管理が容易となり、多重数を増やすことができる。
また、光連続信号に変換することで、受信側において、連続信号用の受信回路を利用することができる。連続信号受信では、受信光パワーが基本的に一定であり、信号への高速な追随性を必要としないため、通常のバースト信号受信よりも回路構成が単純になり、低コスト化に有利となる。また、時定数の長いローパスフィルタが使用でき、ノイズ耐性も良好な受信回路を構成することができる。
【0013】
前記光信号中継装置の具体的構成としては、受信信号を取り込んで蓄積し、当該蓄積された受信信号を復元信号として出力するためのバッファ部と、アイドルパターンを保持し、当該アイドルパターンに相当するアイドル信号を出力するためのアイドルパターン保持部と、前記バッファ部から出力される復元信号と、前記アイドルパターン保持部からのアイドル信号との切替を行う切替部と、受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、前記切替部に対して切替制御を行うことにより、前記バッファ部から出力される復元信号の間に前記アイドル信号を挿入して、連続信号を得るためのタイミング制御部とをあげることができる。
【0014】
この構成によれば、光バースト信号を電気の受信信号に変換してバッファ部に蓄積し、当該蓄積された受信信号を復元信号として出力する。一方、アイドルパターンを保持しておき、当該アイドル信号を、出力する。そして前記バッファ部から出力される復元信号と、前記アイドルパターン保持部からのアイドル信号との切替を行う。
このようにして、本発明では、光バースト区間を検出して、無発光区間にアイドル信号を含む信号を挿入するというシンプルな構成で、光連続信号を得ることができる。
【0015】
また、本発明の光信号中継装置は、光バースト信号を受信信号に変換する光/電気モジュールと、前記受信信号に基づいて受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号を挿入して連続信号を作成し、当該連続信号を、光信号に変換する電気/光モジュールとを備えるものである。
【0016】
この光信号中継装置では、光バースト信号を光連続信号に変換して中継する際に、光バースト信号の終了を示す終了信号及び光バースト信号の開始を示す開始信号を挿入しているので、光連続信号を光バースト信号に再変換するのが容易となる。
前記光信号中継装置の具体的構成としては、前記受信信号を取り込んで蓄積し、当該蓄積された受信信号を復元信号として出力するためのバッファ部と、アイドルパターンを保持し、当該アイドルパターンに相当するアイドル信号を出力するためのアイドルパターン保持部と、光バースト信号の開始/終了を示す開始/終了パターンを保持し、出力するための開始/終了パターン保持部と、前記バッファ部から出力される復元信号と、前記アイドルパターン保持部からのアイドル信号と、前記開始/終了パターン保持部からの開始/終了信号との切替を行う切替部と、受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、前記切替部に対して切替制御を行うことにより、前記バッファ部から出力される復元信号の間に前記終了信号、前記アイドル信号、前記開始信号を挿入して、連続信号を得るためのタイミング制御部とがあげられる。
【0017】
この構成によれば、光バースト信号を電気の受信信号に変換してバッファ部に蓄積し、当該蓄積された受信信号を復元信号として出力する。一方、アイドルパターンと開始/終了パターンとを保持しておき、出力する。そして前記バッファ部から出力される復元信号と、前記保持されたアイドルパターン及び開始/終了パターンとの切替を行う。
また、本発明の光信号中継装置は、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号が挿入された光連続信号を受信信号に変換する光/電気モジュールと、当該受信信号の中の、前記終了信号から前記開始信号までの区間を無信号区間として、前記無信号区間以外の受信信号を光バースト信号に変換する電気/光モジュールとを備えるものである。
【0018】
この光信号中継装置は、前記開始/終了パターンを用いて、光連続信号を光バースト信号に再変換することができる。
本発明の光通信システムは、光カプラと前記局側装置との間に光バースト信号の中継をする光信号中継装置が介在され、前記光信号中継装置は、宅側装置から伝送される光バースト信号を受信信号に変換する光/電気モジュールと、前記受信信号に基づいて受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間にアイドル信号を含む信号を挿入して連続信号を作成し、当該連続信号を、光信号に変換する電気/光モジュールとを備えるものである。
【0019】
この光通信システムによれば、光信号中継装置と局側装置との間を光連続信号で中継することが出来る。したがって、光信号中継装置の発光素子の温度が安定し、波長の精度が向上する。また、局側装置において、連続信号用の受信回路を利用することができる。連続信号受信では信号への高速な追随性を必要としないため、通常のバースト信号受信よりも回路構成が単純になり、低コスト化に有利となる。また、時定数の長いローパスフィルタが使用でき、ノイズ耐性も良好な受信回路を構成することができるという利点もある。
【0020】
本発明の他の光通信システムは、光カプラと前記局側装置との間に光バースト信号の中継をする第一の光信号中継装置が介在され、前記第一の光信号中継装置と、前記局側装置との間に第二の光信号中継装置が介在され、前記第一の光信号中継装置は、受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号を挿入して連続信号を作成し、当該連続信号を、光信号に変換するものであり、前記第二の光信号中継装置は、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号が挿入された連続信号を受信信号に変換し、当該受信信号の中の、前記終了信号から前記開始信号までの区間を無信号区間として、当該無信号区間以外の受信信号を光バースト信号に変換するものである。
【0021】
この光通信システムでは、第一の光信号中継装置と第二の光信号中継装置との間は、光連続信号で中継をすることが出来るので、第一の光信号中継装置の発光素子の温度が安定し、波長の精度が向上するという利点があるとともに、第二の光信号中継装置においては連続信号用の受信回路を利用することができるという利点がある。
また、第二の光信号中継装置と局側装置との間は光バースト信号により中継する。したがって、前記第二の光信号中継装置と局側装置との間に光カプラを介して宅側装置を接続することができ、ネットワーク形態の多様化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、光バースト信号の受信終了時点からつぎの光バースト信号の受信開始までの無信号区間の中継信号を、アイドル信号を含む信号で埋めて、光連続信号を得、この光連続信号によって光中継することができる。したがって、光信号中継装置の発光素子の温度が安定し、波長の精度が向上するので、波長多重(WDM)を利用した光通信システムなどに特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】局側装置OLTと複数の宅側装置ONUとを、光ファイバで接続した光通信システム1の構成例を示す概略図である。
【図2】時分割方式を用いて、各宅側装置ONU3から光ファイバ4を介して局側装置OLT2へ送られる、上り光フレーム信号の光バースト伝送を示す模式図である。
【図3】本発明の光信号中継装置7の構成を示すブロック図である。
【図4】光信号中継装置7内の各部の信号波形図である。
【図5】本発明の光信号中継装置3をWDM(波長多重)光通信システムに応用した光通信システムを示すシステム構成図である。
【図6】光信号中継装置3と局側装置OLT2との間に、光連続信号をバースト光信号に再変換する光信号中継装置14をさらに介在させた光通信システムを示す概略図である。
【図7】バースト光信号の無信号区間に挿入するアイドル信号の前後に、バースト光信号の終わりを示す「終了パターン」と、始まりを示す「開始パターン」とを挿入した例を示す波形図である。
【図8】「開始パターン」と「終了パターン」を挿入する光信号中継装置7″の構成を示すブロック図である。
【図9】「開始パターン」と「終了パターン」に基づき光連続信号をバースト光信号に再変換する光信号中継装置14の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、局側装置OLTと複数の宅側装置ONUとを、光ファイバで接続した光通信システム1の構成例を示す概略図である。
光通信システム1は、制御局側局舎に備えられる局側装置OLT2と、複数の加入者宅に備えられる宅側装置ONU3a,3b,...(以下、総称するときは「宅側装置ONU3」という)と、局側装置OLT2に接続された幹線光ファイバ4a及び各宅側装置ONU3に接続された支線光ファイバ4b(以下、総称するときは「光ファイバ4」という)と、幹線光ファイバ4aと複数の支線光ファイバ4bとを接続するための光カプラ5と、幹線光ファイバ4aの途中に挿入された光信号中継装置7を備えている。
【0025】
宅側装置ONU3は、光ネットワークサービスを享受するための装置であり、加入者宅内に設置されている。宅側装置ONU3は、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCという)9などの端末装置に接続される。
光カプラ5は、外部からの電源供給を特に必要とせず、一方に接続された光ファイバ4から入力される信号を、受動的に分岐又は多重化して、他方に接続された光ファイバ4に出力することができるスターカプラで形成されている。これにより、1つの局側装置OLT2に対して、多くの宅側装置ONU3を割り当てることができ、全体的な設備コストを抑えることができる。
【0026】
局側装置OLT2及び宅側装置ONU3を含むこの光通信システム1は、例えば、ギガビットイーサネット(イーサネットは登録商標である)(Gigabit Ethernet)技術を取り込み、光ファイバを用いた1.25Gbpsの通信速度のアクセス区間通信を実現するGE−PON(Gigabit Ethernet-Passive Optical Network)システムを構築している。
このGE−PONシステムに従えば、局側装置OLT2と宅側装置ONU3とは、可変長なフレームを単位として、相互の通信を行う。このフレームは、サンプリング・データを含む同期ビット部と、64バイト以上のデータ部とを有している。
【0027】
以下、宅側装置ONU3と局側装置OLT2との信号の、下り方向と上り方向との信号の送受信手順を説明する。
まず、インターネット網などの上位のネットワークから宅側装置ONU3へ向けて送られる下り方向の信号の流れを説明する。
インターネット網から信号を受け取った局側装置OLT2において、中継されるべき論理リンクを特定するために、所定のブリッジ処理が行われる。このとき、局側装置OLT2は、フレーム信号に、論理リンク識別子を含む同期ビット部やGE−PONヘッダなどの情報を付加し、光信号に変換して、幹線光ファイバ4aに送る。
【0028】
この下りの光信号は、特定の宅側装置ONU3を指定した送信信号と、宅側装置ONU3を指定しないアイドル信号との組み合わせで構成されており、途絶えることのない光連続信号となっている。
幹線光ファイバ4aに送られた光信号は、光信号中継装置7を通り、光カプラ5で分岐され、各支線光ファイバ4bを介して、各宅側装置ONU3に送られる。このとき、当該論理リンクを含んでいる宅側装置ONU3のみが、所定の光信号を取り込むことができる。そして、当該フレーム信号を取り込んだ宅側装置ONU3は、宅内ネットワークインタフェースを中継し、PC9などの端末装置にデータを送る。
【0029】
次に、各宅側装置ONU3からインターネット網などの上位のネットワークへ向けて送られる上り方向の信号の流れを説明する。
各PC9からのデータは、各宅側装置ONU3を介して、光バースト信号に変換される。光バースト信号を構成するビットの伝送レートは、例えばGE−PONの場合1.25Gbpsである。
【0030】
これらの光バースト信号は各支線光ファイバ4を介して送信され、宅側装置ONU3aからの光バースト信号6aと、宅側装置ONU3bからの光バースト信号6bと、宅側装置ONU3cからの光バースト信号6cとが含まれている。そして、光カプラ5を介して、幹線光ファイバ4a上をそれぞれの光バースト信号が、多重化されて送られる。
このとき、これらの光バースト信号は、互いに時間的に競合しないように送信されるよう、制御を受けている。この制御は、局側装置OLT2から各宅側装置ONU3へデータを送信するとき、各宅側装置ONU3に対して、上り光信号を送信してもよい期間ウインドウ(以下、単にウインドウともいう)が割り当てられ、制御フレームとして通知されることで行われる。したがって、同一の光通信システム1において、各宅側装置ONU3から送られる上り光信号は、競合を回避することができる。
【0031】
このようにして、宅側装置ONU3と局側装置OLT2との相互の通信が行われる。そして、局側装置OLT2と光カプラ5とを接続する1本の幹線光ファイバ4aを複数の宅側装置ONU3で共有しており、各宅側装置ONU3に、後述する時分割多重方式で通信を行う光バースト伝送が行われる。
図2は、時分割方式を用いて、各宅側装置ONU3から光ファイバ4を介して局側装置OLT2へ送られる、上り光フレーム信号の光バースト伝送を示す模式図である。
【0032】
上り光フレーム信号は、上述のとおり、宅側装置ONU3aからの光バースト信号6aと、宅側装置ONU3bからの光バースト信号6bと、宅側装置ONU3cからの光バースト信号6cとが互いに時間的に競合しないように、ウィンドウによる制御を受けて、送信されている。
なお、各宅側装置ONU3から光カプラ5までの伝送距離が異なるなどの理由により、光信号中継装置7における各上り光信号の強度は、送信元である宅側装置ONU3ごとに違っている。
【0033】
各宅側装置ONU3からの光バースト信号に含まれる信号は、プリアンブルPAを構成する同期ビット部と、複数のフレームやセルが含まれたデータ部DATAなどの信号とを含んでいる。
同期ビット部は、局側装置OLT2内に備わる光バーストビット同期回路のビット同期確立のために用いられている。同期ビット部のパターンは、GE−PONでは8B10Bのアイドル信号となっている。そのマーク率(0,1の比率)は通常50%、ビット数は固定となっている。
【0034】
図3は、本発明の光信号中継装置7の構成を示すブロック図である。図4は、光信号中継装置7内の各部の信号波形図である。
光信号中継装置7は、光バースト信号を電気信号(受信信号という;図4(a)参照)に変換し、光信号に戻して中継する装置である。
本実施の形態では、光信号中継装置7は、双方向の光信号中継装置7であって、一方が宅側装置ONUから局側装置OLTへの上りの光バースト信号を中継し、他方が局側装置OLTから宅側装置ONUへの下りの光連続信号を中継する。
【0035】
上りの光バースト信号を中継する光信号中継装置7の構成は、図3に示すように、光バースト信号を受信信号に変換する光/電気モジュール71と、光バースト信号の受信開始/受信終了を検出することのできるタイミング制御部77とを含んでいる。
光/電気モジュール71は、例えば光バースト信号の光強度をしきい値と比較することにより、光バースト信号の有無を検出する光バースト信号の検出回路を搭載している。
【0036】
光/電気モジュール71は、光バースト信号有りの状態を示す信号検出信号をタイミング制御部77に供給する。タイミング制御部77は、この信号検出信号をもとに光バースト信号の受信開始/受信終了を検出することができる。
なお、タイミング制御部77は、次のような構成で光バースト信号の受信開始/受信終了を検出してもよい。すなわち、タイミング制御部77は、光/電気モジュール71の出力をモニタして0信号の連続を検出する0連続検出部を持っている。GE−PONの場合、8B10Bの符号化を行うため、光バースト信号受信中は同一符号が高々5ビットしか連続しない。そのため、0信号が6ビット以上連続した場合に、受信終了となる。そして、受信終了後の0連続信号検出の解除(つまり1信号の検出)で受信開始を判断する。
【0037】
また、タイミング制御部77は光/電気モジュール71からの光バースト信号検出と0連続検出を併用してもよい。
光バースト信号の検出回路をピークホールド回路で構成する場合、ピークホールド回路はピーク値を保持するコンデンサへの充電は高速であるが、放電は緩やかに行われるため、光バースト信号の受信開始は高速に検出できるが、受信終了の検出は遅くなる。
【0038】
一方で、0連続検出の場合には光バースト信号の受信終了を高速に検出できるが、光バースト信号の先頭では同期が確立しておらず、光/電気モジュール7の回路構成によっては1信号の検出が遅れる可能性がある。
そこで、光バースト信号検出で光バースト信号の受信開始を検出し、0連続検出で受信終了を検出することで、光バースト信号の受信開始/受信終了を高速に検出できる。
【0039】
光/電気モジュール71で変換された電気信号は、クロック再生部72に入力される。クロック再生部72は、光バースト信号に基づいて、光バースト信号の各ビットに同期したクロック信号を抽出する。この信号を「再生クロック」という。そして再生クロックによって受信信号の各ビットをサンプリングしてバッファ部73に書き込む。
一方、光信号中継装置7には、基準クロック(図4(b)参照)が入力される。
【0040】
この基準クロックは、例えば、下り信号から抽出した、前記再生クロックと同一周波数のクロックである。下り信号は、上り信号と違って常時信号が伝送されているので、下りの光連続信号から抽出したクロックを使用することにより、時間的にとぎれることのない基準クロックを作ることができる。このように基準クロックを下り信号から抽出することで、上り下り信号を同期させることができ、網同期が可能となる。
【0041】
なお、基準クロックは、必ずしも下り信号から抽出したものである必要はなく、光信号中継装置7内蔵の発振器で作ったクロックでもよい。
この基準クロックは、アイドルパターン保持部74、バッファ部73、タイミング制御部77に供給される。
クロック再生部72から出力された受信信号は、バッファ部73に書き込まれ、基準クロックに基づき読み出される。バッファ部は1つの光バースト信号の受信開始時にタイミング制御部77からのリセット信号によってクリアされる。
【0042】
これにより、前記再生クロックと基準クロックの周波数が少しずれていても、その時間範囲が1バースト信号区間に限定されるので、少ないバッファ容量でクロックのずれを吸収し、再生クロックから基準クロックに変換することができる。
例えば、受信開始(リセット信号)から数ビットを蓄積した後に、順次、出力することもできる。
【0043】
例として、1.25GHzクロックのずれが200ppmで、1バースト信号時間を100μsとすると、1バースト信号時間内のクロックのずれは、
(1.25×109)×(100×10-6)×200×10-6=25
となるため、50ビットのバッファ容量で、受信開始から25ビットを蓄積してから出力すれば、バッファがオーバフロー/ショートすることがなくなる。局側装置の下り信号に対して、中継装置と宅側装置がともに網同期している場合は、宅側装置と中継器のクロック周波数が一致するため、バッファ容量をさらに小さくすることができる。
【0044】
アイドルパターン保持部74は、1と0が混合した状態で続く所定のアイドルパターンを保持し、基準クロックに基づいて出力するメモリで構成される。なお、アイドルパターンを決定するとき、1と0は常に交互に存在させる必要はなく、例えば1がNビット続いたり、0がMビット続いたりしても良い。N,Mは、電気/光モジュール76の前段に挿入されるコンデンサCのカットオフ周波数に相当するビット数を上限として選ばれる自然数であり、例えば「数百」の値となる。1が連続してNビット以下、又は0が連続してMビット以下続く場合は、送信信号は減衰なくコンデンサCを通過できるが、1がNビットを超えて連続したり、0がMビットを超えて連続したりすると、送信信号がコンデンサCのために減衰してしまう。
【0045】
なお、このアイドルパターンは、GE−PONの場合には、8B10Bのアイドル信号(固定パターン)となる。
この結果、アイドルパターン保持部74から出力されるアイドル信号と、バッファ部73から出力される受信信号(復元信号という;図4(c)参照)とは、同じ基準クロックによって位相が揃い、完全に同期のとれた信号となる。
【0046】
切替部75は、アイドルパターン保持部74から出力されるアイドル信号と、バッファ部73から出力される復元信号とを、タイミング制御部77からの切替信号に基づいて切り替える。この切替信号により、切替部75は、1つの光バースト信号の受信開始時点ではバッファ部73の復元信号側に接続し、1つの光バースト信号の受信終了時点ではアイドル信号側に接続する(図4(d)参照)。
【0047】
この切替えにより、光バースト信号の存在しない部分に、アイドルパターン保持部74から出力されたアイドル信号が挿入された形になる(図4(e)参照)。これにより、連続した「送信信号」を得ることができる。
この場合、前述したように、バッファ部73とアイドルパターン保持部74とは基準クロックで同期されており、切替え制御も基準クロックで同期させることで、挿入による周波数変動や位相変動は発生しない。
【0048】
なお、切替時にアイドルパターンが壊れる可能性があるが、せいぜい切り替えた1ビットの前後に限定されるので、周波数変動/位相変動は発生せず、マーク率も大きく変動することはなく、局側装置OLTの受信に影響を及ぼすことはない。
電気/光モジュール76は、このようにして光バースト信号の存在しない0信号の区間にアイドルパターンが挿入された送信信号を、光信号に変換する。
【0049】
本実施の形態によれば、送信信号は、常に1と0が混合した状態で続いていることになる。したがって、光バースト信号が来ない無信号区間であっても、電気/光モジュール内のレーザダイオードを発光させることができる。すなわちレーザダイオードを連続駆動することができる。このため、レーザダイオードの温度を常に、ほぼ一定温度の状態に保つことができ、発光波長を安定させることができる。
【0050】
さらに、本実施の形態によれば、連続信号の光パワーを基本的に一定値に保つことが出来る。そのため、その光信号を受信する際に光パワーの変動に追従させる処理が不要となって、受信回路の構成が簡単になる。具体的に説明すると、受信側では、連続信号用の受信回路を利用することができる。連続信号受信では信号への高速な追随性を必要としないため、通常のバースト信号受信よりも回路構成が単純になり、低コスト化に有利となる。また、時定数の長いローパスフィルタが使用でき、ノイズ耐性も良好な受信回路を構成することができる。
【0051】
また、電気/光モジュール76の前段にコンデンサCを挿入することができるという効果も得られる。もし光バースト信号が来ない無信号区間が0で埋められた状態となれば、光バースト信号は、無信号区間ではその周波数成分はほとんど直流になってしまう。したがって、電気/光モジュール76への接続として、直流成分を通す接続(直結)をしなければならなかった。
【0052】
ところが、アイドル信号は常時、高い周波数成分を持っている。したがって、切替部75からの出力が連続信号になれば、無信号区間を含む光バースト信号に比べて、いつの時点でも周波数成分が高く維持される。このため、電気/光モジュール76への接続にカットオフ周波数の高いハイパスフィルタCを使用することができ、電源ノイズなどの低周波ノイズの影響を低減できる。
【0053】
ハイパスフィルタCの値は、送信信号が減衰なくコンデンサCを通過できるように、アイドル信号の周波数成分の下限を考慮して決定すべきことは、前述したとおりである。
図5は、以上に説明した光信号中継装置7をWDM(波長多重)光通信システムに応用した例を示すシステム構成図である。
この光通信システムは、各宅側装置ONU3に接続された支線光ファイバが光カプラ5によって集約され、光信号中継装置7に接続されている。他のグループの宅側装置ONU3′に接続された支線光ファイバも光カプラ5′によって集約され、バースト光信号を光連続信号に変換する光信号中継装置7′に接続されている。
【0054】
各光信号中継装置7は、波長多重光合分波器11を介して1本の光ファイバ4cに接続され、再び波長多重光合分波器12を介して複数の光信号中継装置13,13′に接続されている。複数の光信号中継装置13,13′は、それぞれ制御局側局舎に備えられた局側装置OLT2,2′に接続されている。
この光通信システムでは、各宅側装置ONU3,3′から送信される上り光信号は、光信号中継装置7,7′によりそれぞれ光連続信号に変換されて、波長多重光合分波器11,12間に存在する光ファイバ4cを通過する。光ファイバ4cを通過した光連続信号は、光信号中継装置13,13′によって光連続信号のまま中継されて、局側装置OLT2,2′により受信される。
【0055】
このようなWDM(波長多重)光通信システムでは、発光波長の間隔が狭く発光波長が変動しないように安定させる必要がある。そのため、レーザダイオードの温度制御は重要になってくるが、レーザダイオードを連続駆動することにより、レーザダイオードの温度を常に、ほぼ一定温度の状態に保つことができ、発光波長を安定させることが容易にできる。したがって、このように中継装置同士を接続して波長多重伝送する場合、多重数を増やすことができる。
【0056】
次に、本発明の実施形態に係る光通信システムを説明する。この実施形態では、図1の実施形態と同様、バースト光信号を光連続信号に変換する光信号中継装置7″を用いているが、その光信号中継装置7″と局側装置OLT2との間に、光連続信号をバースト光信号に再変換する光信号中継装置14をさらに介在させている。このような光信号中継装置14を介在させる形態とすることによって、光信号中継装置14と局側装置OLT2との間の光回線に、複数の加入者を接続することができる。
【0057】
この光通信システムは、図6に示すように、各宅側装置ONU3に接続された支線光ファイバが光カプラ5によって集約され、光信号中継装置7″に接続されている。その光信号中継装置7″と局側装置OLT2との間に、光連続信号をバースト光信号に再変換する光信号中継装置14が接続されている。光信号中継装置7″と光信号中継装置14との間は1本の光ファイバ4aによって接続され、この間を光連続信号が伝送される。
【0058】
光信号中継装置14は、光連続信号を再びバースト光信号に変換して、局側装置OLT2に提供する。この光信号中継装置7″と局側装置OLT2との間には、光カプラ5″が備えられ、他のグループの宅側装置ONU3″に接続された支線光ファイバもこの光カプラ5によって集約されている。
このような形態をとることにより、光信号中継装置14と局側装置OLT2との間を、光連続信号でなくバースト光信号が伝送される区間とすることができるので、他のグループの宅側装置ONU3を時分割多重方式で接続することができる。
【0059】
この場合、光信号中継装置7″において、光連続信号をバースト光信号に変換するために、光連続信号に、バースト光信号の始まりと終わりを示すための区切りを入れておく必要がある。
図7は、バースト光信号の無信号区間に挿入するアイドル信号の前後に、バースト光信号の終わりを示す「終了パターン」と、始まりを示す「開始パターン」とを挿入した例を示す波形図である。この信号波形は、図7の図面で左から右方向に伝送されていくものとする。
【0060】
図8は、この光通信システムに用いる光信号中継装置7″の構成を示すブロック図である。
この光信号中継装置7″と、図3に示した光信号中継装置7との構成上の相違は、アイドルパターン保持部74の他に、開始パターン保持部78、終了パターン保持部79が設けられていることである。切替部75は、タイミング制御部77からの切替信号に基づいて、バッファ部73から出力される復元信号の出力終了時点から所定時間にわたり開始パターン保持部78に格納された終了パターン信号を出力する。前記所定時間後には、アイドルパターン保持部74に保持されたアイドル信号を出力する。また次の復元信号の出力開始時点の所定時間経過前に、開始パターン保持部78に格納された開始パターンを出力する。
【0061】
この切替部75の動作により、アイドル信号の前後にそれぞれ終了パターン、開始パターンを挿入することができる。なお、バースト光信号にもパケットの開始/終了を示すパターンが存在するので、その開始/終了を示すパターンを用いてもよいが、バースト光信号には複数のパケットが含まれていることがあり、その場合、パケットの開始/終了を示すパターンでは、バースト信号の開始/終了を検出することはできないという問題があるので、アイドル信号の前後に終了パターン、開始パターンを挿入するほうが好ましい。
【0062】
図9は、光信号中継装置14の構成を示すブロック図である。
この光信号中継装置14は、図8に示した光信号中継装置7″と異なり、復元信号にパターンを挿入するための切替部を持っていない。その代わり、タイミング制御部77は、連続信号に含まれる終了パターン、開始パターンを解読して、終了パターンの始まり時点と、開始パターンの終わり時点を特定して、終了パターンの始まり時点から開始パターンの終わり時点までの間、光電気モジュール76のレーザ出力をオフする機能を有している。これにより、開始パターン、終了パターン及びアイドル信号の区間を無発光状態にすることができる。よって、光信号中継装置から出力される光信号は、バースト光信号のみとなり、このバースト光信号のとぎれた区間に、他の宅側装置ONU3からのバースト光信号を時分割で挿入することができる。
【0063】
このようにして、光信号中継装置7″,14間の光信号の中継区間にわたって光連続信号による中継を行うことができるとともに、光信号中継装置14と局側装置OLT2との間の、他の宅側装置ONU3″からの上り光信号が割り込んでくる区間では、光連続信号をバースト光信号に戻して、この割り込みを可能にしている。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 光通信システム
2 局側装置
3 宅側装置
5 光カプラ
7,7′ 光信号中継装置
7″光信号中継装置
14 光信号中継装置
71 光/電気モジュール
72 クロック再生部
73 バッファ部
74 アイドルパターン保持部
75 切替部
76 電気/光モジュール
77 タイミング制御部
78 開始パターン保持部
79 終了パターン保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光バースト信号の中継をする光信号中継装置であって、
光バースト信号を受信信号に変換する光/電気モジュールと、
前記受信信号に基づいて受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間にアイドル信号を含む信号を挿入して連続信号を作成し、当該連続信号を、光信号に変換する電気/光モジュールとを備える光信号中継装置。
【請求項2】
前記受信信号を取り込んで蓄積し、当該蓄積された受信信号を復元信号として出力するためのバッファ部と、
アイドルパターンを保持し、当該アイドルパターンに相当するアイドル信号を出力するためのアイドルパターン保持部と、
前記バッファ部から出力される復元信号と、前記アイドルパターン保持部からのアイドル信号との切替を行う切替部と、
受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、前記切替部に対して切替制御を行うことにより、前記バッファ部から出力される復元信号の間に前記アイドル信号を挿入して、連続信号を得るためのタイミング制御部とを含む、請求項1記載の光信号中継装置。
【請求項3】
前記電気/光モジュールは、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号を挿入して連続信号を作成するものである、請求項1記載の光信号中継装置。
【請求項4】
前記受信信号を取り込んで蓄積し、当該蓄積された受信信号を復元信号として出力するためのバッファ部と、
アイドルパターンを保持し、当該アイドルパターンに相当するアイドル信号を出力するためのアイドルパターン保持部と、
光バースト信号の開始/終了を示す開始/終了パターンを保持し、出力するための開始/終了パターン保持部と、
前記バッファ部から出力される復元信号と、前記アイドルパターン保持部からのアイドル信号と、前記開始/終了パターン保持部からの開始/終了信号との切替を行う切替部と、
受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、前記切替部に対して切替制御を行うことにより、前記バッファ部から出力される復元信号の間に前記終了信号、前記アイドル信号、前記開始信号を挿入して、連続信号を得るためのタイミング制御部とを含む、請求項3記載の光信号中継装置。
【請求項5】
光バースト信号の中継をする光信号中継装置であって、
隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号が挿入された連続信号を受信信号に変換する光/電気モジュールと、
当該受信信号の中の、前記終了信号から前記開始信号までの区間を無信号区間として、前記無信号区間以外の受信信号を光バースト信号に変換する電気/光モジュールとを備える光信号中継装置。
【請求項6】
複数の宅側装置と、局側装置との間を光カプラで結んだ光通信システムであって、
前記光カプラと前記局側装置との間に光バースト信号の中継をする光信号中継装置が介在され、
前記光信号中継装置は、宅側装置から伝送される光バースト信号を受信信号に変換する光/電気モジュールと、前記受信信号に基づいて受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間にアイドル信号を含む信号を挿入して連続信号を作成し、当該連続信号を、光信号に変換する電気/光モジュールとを備えるものである、光通信システム。
【請求項7】
複数の宅側装置と、局側装置との間を光カプラで結んだ光通信システムであって、
前記光カプラと前記局側装置との間に光バースト信号の中継をする第一の光信号中継装置が介在され、
前記第一の光信号中継装置と、前記局側装置との間に第二の光信号中継装置が介在され、
前記第一の光信号中継装置は、受信された光バースト信号の光バースト区間を検出し、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号を挿入して連続信号を作成し、当該連続信号を、光信号に変換するものであり、
前記第二の光信号中継装置は、隣り合う光バースト区間の間の無信号区間に、光バースト信号の終了を示す終了信号、アイドル信号、及び光バースト信号の開始を示す開始信号が挿入された連続信号を受信信号に変換し、当該受信信号の中の、前記終了信号から前記開始信号までの区間を無信号区間として、当該無信号区間以外の受信信号を光バースト信号に変換するものである、光通信システム。
【請求項8】
前記第二の光信号中継装置と局側装置との間に光カプラを介して宅側装置が接続されている請求項7記載の光通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−227971(P2012−227971A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−178588(P2012−178588)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【分割の表示】特願2006−188310(P2006−188310)の分割
【原出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】