光分析のシステム及び方法
液体及び固体を分析するのに透過分光法を利用する光分析システムは、光エネルギ源(2)、サンプル、可動光エネルギ透過窓、固定光エネルギ透過窓、及び検出システム(8)を含む。固定光エネルギ透過窓は、光エネルギ源に対して固定される。サンプルは、サンプルを分析するための可動光エネルギ透過窓及び固定光エネルギ透過窓の間に選択的に配置される。サンプルを透過する結果としての符号化された光エネルギを取得するため、光エネルギが、窓の1つ、サンプル、及び他の窓を通して伝送される。検出システムは、分析のための符号化された光エネルギを受け取る。可動光エネルギ透過窓は、繰り返し正確に位置合わせをするため、かつただちに窓とサンプルに近づけるために、固定光エネルギ透過窓に対して選択的に移動可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の赤外線(IR)分析に関する。
【背景技術】
【0002】
透過分光分析の実施による液相及び固相材料の赤外線分析中に使用される透過分光装置と結合された特別な適用を見出し、特別な参照とともに記述されるであろう。しかし、当然のことながら、本発明もまた、他の適用に従うであろう。
【0003】
液相及び固相材料の赤外線分析透過分光試験の実施中、赤外線エネルギは、分析される材料の厚さを通過する。材料の厚さは、通常、中赤外線分析では100ミクロン程度にすぎないし、近赤外線分析では2センチメートル程度にすぎない。水溶液などの強吸収液体では、中赤外線分析の厚さは、一般的にかなり薄い(例えば、一般的に約10ミクロンと約20ミクロンの間)。より長い経路長を使用する一般的な必要性以外に、液体の近赤外線分析の分析手順は、中赤外線分析に使用されるものと非常に似かよっている。例外は、ロバスト法を発展させるためのより多くのサンプルを分析する近赤外線分析の一般的な必要性に関する。
【0004】
一般的に、密閉透過セルは、キュベットが一般的に近赤外線領域で使用されるのに対して、中赤外線領域の透過分光を経て液体を分析するのに使用される。透過セルは、通常、アマルガム、ガスケッツ、又はOリングで密閉される。このようなセルは、通常、サンプルを含む注射器がルアロックフィッティングの入口側に取り付けられ、空の注射器がルアロックフィッティングの出口側に取り付けられることによって、注射器及びルアロックフィッティングを使用して満たされる。注射器は、同時に、気泡を無くしてセルを完全に満たすように「プッシュプル」動作で操作される。セルの清浄は、サンプルの代わりに溶媒が注射器の中に入れられ、空の注射器の中に溶媒がプッシュプルされることによって、同様な方法で実施される。セルを通して、乾燥空気を通過させる追加のステップは、さらに、微量のサンプル及び溶媒を除去する。あるいは、ポンプ又はピストン機器によりセルを通して液体が流される直径の小さい管が使用される。この処置を通じたセルの清浄は、セルを通して清浄溶媒を送るバルブを使用することによって、または、より時間のかかる、セルを分解して部品を清浄して再び組み立てることによって、行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
密閉セルを使用する場合の通常の分析手順は:
(1)機器の基準を確立する;(2)興味のある材料の分析を実施する;及び(3)興味のある材料の特定の特性を確認するため、ステップ(1)及び(2)で得た情報を使用して「方法」を実行する。
【0006】
分析の正確性、精度、及び信頼性は、多くの因子に依存する。この点において、上記の3つのステップにおける意図しない又は予期しない変化は、間違った結果になるおそれがある。例えば、基準セルが充分にきれいでない場合、間違った基準が確立される。光路のいずれかの実質的な部分が、水蒸気、二酸化炭素、及び微量の環境ガスの通常の雰囲気変化にさらされる場合、結果として分析測定の顕著な間違いとなる。セルの光路のいずれかの変化がある場合、定量的な分光結果を危うくする。したがって、方法と、その方法の実行の開発の間、及び/又は基準の確立及びサンプルの分析の間のいずれかの実質的な予期しない変化は、危うい結果をもたらす。
【0007】
いくつかの赤外線透過分光セルは、特定の問題に取り組むために発展してきた。強吸収液体(例えば、約20ミクロンより少ない経路長が必要とされる液体)の中赤外線分析は、赤外線透過分析とは対照的に、減衰全反射(ATR)赤外線分析により、より繰り返し実施されてきた。ATRセルは、その使用の容易性から広く利用されるようになった。
【0008】
赤外線ATR分析は、分析のための材料の挿入及び完全な除去の時間と困難さを克服するが、ATR技術は、容易に克服できない2つの問題を抱えている。第1に、ATR技術を使用するとき、赤外線エネルギは、分析される材料の中を数ミクロン侵入するだけである。したがって、ATRは、材料の表面とは対照的に、材料の塊の中で分離し、又は多少異なるいずれかの材料を分析するのに広く使用することができない。第2に、ATR材料の吸収、または分析される材料の量又は配置が負の因子を抑制するような内部反射、他の因子の値を増加させることによって、ATR技術は、有効経路長を増加させる。
【0009】
これらの及び他の理由のため、赤外線透過分光分析を実施するための、使用が容易で、かつきれいな透過分光サンプリング装置を持つ必要性が残る。透過セル内の挿入及び完全除去に伴う時間、処理、及び困難さのおかげで、従来技術は、赤外線分光分析の商用化を顕著に制限してきた。一般に、赤外線透過分光法による液体、ペースト、及びマルの正確、高精度、かつ信頼性のある定量的な分析は、時間がかかり困難である。本発明の主な目的は、正確、高精度、かつ信頼性の改善でないにせよ維持しつつ、赤外線透過分光分析の実施の時間及び困難さを減らすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題を解決する新規かつ改善された装置及び手順を提供する。
【0011】
液体及び固体を分析するのに透過分光法を利用する光分析システムは、光エネルギ源、サンプル、可動光エネルギ透過窓、固定光エネルギ透過窓、及び検出システムを含む。固定光エネルギ透過窓は、光エネルギ源に対して固定される。サンプルは、サンプルを分析するための可動光エネルギ透過窓及び固定光エネルギ透過窓の間に選択的に配置される。サンプルを透過する結果としての符号化された光エネルギを取得するため、光エネルギが、窓の1つ、サンプル、及び他の窓を通して伝送される。検出システムは、分析のための符号化された光エネルギを受け取る。可動光エネルギ透過窓は、繰り返し正確に位置合わせをするため、かつただちに窓とサンプルに近づけるために、固定光エネルギ透過窓に対して選択的に移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態において、赤外線機器システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の原理を示す装置の一実施形態において、第1のサンプリング位置の透過サンプリング装置のエレベーションの断面図である。
【図3a】本発明の原理を示す装置の一実施形態において、図2に示したサンプリング位置における可動透過窓と固定透過窓との間に置かれたサンプルの拡大された断面図である。
【図3b】本発明の原理を示す装置の一実施形態において、図2に示したサンプリング位置における可動透過窓と固定透過窓との間に置かれたサンプルのさらに拡大された断面図である。
【図4】第2の清浄及びサンプル挿入/除去位置を示した、図2と同じエレベーションの透過サンプリング装置の断面図である。
【図5】固定低アセンブリの球状窪み部を示す図2の5−5切断面における終端断面図である。
【図6a】図2における第1のサンプリング位置の透過サンプリング装置の右側終端を示す図である。
【図6b】図4の第2の清浄及びサンプル除去/挿入位置における透過サンプリング装置の右側終端を示す図である。
【図7a】本発明の原理を示す装置の第2の実施形態において、第1のサンプリング位置の透過サンプリング装置のエレベーションの断面図である。
【図7b】図7aに示した第2の実施形態において、第2の清浄及びサンプル除去/挿入位置における透過サンプリング装置を示す図である。
【図8a】本発明の原理を示す装置の第4の実施形態において、透過サンプリング装置のサンプル分析位置を示す図である。
【図8b】本発明の原理を示す装置の第4の実施形態において、透過サンプリング装置の清浄及びサンプル挿入除去位置を示す図である。
【図9a】本発明の原理を示す装置の第3の実施形態において、透過サンプリング装置のサンプル分析位置を示す図である。
【図9b】本発明の原理を示す装置の第3の実施形態において、透過サンプリング装置のサンプル分析位置を示す図である。
【図9c】本発明の原理を示す装置の第3の実施形態において、透過サンプリング装置の清浄及びサンプル挿入除去位置を示す図である。
【図10】通常目的のフーリエ変換赤外線(FTIR)機器に付属品として使用される図1〜図4の透過サンプリング装置を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の一般的な記載と下記の詳細な説明とともに、組み込まれ、かつ明細書の一部を構成する添付の図面において、発明の実施形態が示され、本発明の実施形態の例示を提供する。
【0014】
図1を参照して、本発明の一実施形態では、赤外線(IR)機器システム1は、光分析を実施する透過分光法を利用する。システム1は、光エネルギ源2(例えばFTIRからの変調された赤外線放射)及び透過分光サンプリング装置3を含む。サンプル材料/基準材料5は、サンプリング装置3内に配置されている。サンプリング装置3は、光エネルギ源2からサンプル材料/基準材料5へと赤外線放射4を導く。透過分光試験では、変化した(符号化された)赤外線放射7を生成するため、赤外線放射が、サンプル材料/基準材料5を含む透過サンプリング装置3を通過する。透過サンプリング装置3は、変化した赤外線放射7を赤外線検出システム8へ導く。図1に示した実施形態では、エレクトロニクス及びソフトウェア9が、光エネルギ源2、サンプリング装置3、検出システム8、並びに機器制御、計算及び報告装置10と電気的に通信する。
【0015】
赤外線放射源2、検出システム8、機器エレクトロニクス9、及び機器ソフトウェア及び機器制御、計算及び報告の機能を含む装置10は、当該技術分野でよく知られている多くの変形例がある。
【0016】
図2は、分析に使用される、第1の位置の透過サンプリング装置3の一実施形態のエレベーションの断面図を示している。赤外線放射路4は、赤外線放射源2から光パイプ11を経て、可動装置又はヘッド27内のチャンバ12の中へ受け取られるように示されている。光パイプ11を出た後、赤外線放射4は、鏡13によって方向が変えられ、焦点鏡14によってさらに方向が変えられ、可動アセンブリ27の上方に固定して取り付けられた可動光エネルギ(赤外線)透過窓15の方へ、サンプル材料/基準材料5を介して、固定された光エネルギ(赤外線)透過窓18の方へ、かつ検出システム8へ、向けられる。
【0017】
サンプル接触表面16を含む可動赤外線透過窓15が、分析(サンプリング)位置の図2、図3a、及び図3bに示されている。この位置では、固定赤外線透過窓18の上方対面表面17に部分的に載っていて、かつ保持リング21の隣の通常の球状窪み部22に部分的に載っているサンプル材料/基準材料5(例えば、液体、マル、ペースト、溶解物、粉末、及び/又は任意の固体サンプル材料など)に、サンプル接触表面16が接触している。保持リング21は、サンプリング装置3の固定器具34のトッププレート20に受けられ、かつ取り付けられている(図2を参照)。したがって、分析(サンプリング)モートでは、サンプル材料/基準材料5が、可動及び固定透過窓15,18の間にあることが明らかである。図示した実施形態では、サンプリング位置の時にサンプル5を含むため、窓15,18のエッジは密閉されていない。この実施形態は、例えば高揮発性のオイルベースサンプルとともに使用されることが予定されている。しかし、他の実施形態では、それぞれ揮発性サンプルを含むため、窪み22の上方エッジの周りに、かつさらにノーズピースアセンブリ23に接触したシール(例えばOリング)が使用される。
【0018】
より明らかにするため、図3aは、図2に示した透過分光サンプリング装置3のサンプリング領域の拡大した部分を示す。図3bは、図3aに示したサンプリング領域のさらに拡大した部分を示す。図2、図3a、及び図3bを参照して、可動透過窓15の下方対面サンプル接触表面16、及び固定透過窓18の上方対面サンプル接触表面17が、サンプル/基準材料5に接触して示されている。さらに、上方対面サンプル表面17が、保持リング21の浅い球状窪み部22の底に示されている。しかし、他の実施形態では、固定された第2の窓18は、窪み22の底にはないが、赤外線放射4に影響を与えることなく、気泡がサンプル/基準材料5を出て行くように傾斜となっている。このような実施形態では、当業者によってよく理解されるであろう他の変更が必要とされるであろう。
【0019】
再び図2を参照して、サンプリング装置3は、概して可動器具27と固定器具34から構成される。上方対面サンプル接触表面17は、回転可能なハウジング38、鏡13,14、チャンバ12、及びノーズピースアセンブリ23を含み、さらに可動赤外線透過窓15を含む。このように、透過窓15は、ねじりレバー19により、軸24の回りを回転する可動器具27に固着されている。固定器具34は、固定ハウジング35、ベアリング/シール32a,32b、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33、機器トッププレート20、シール36,37、及び保持リング21を含む。保持リング21は、それに密閉して付着された赤外線透過窓18を含む。このようにして、透過窓18は、固定器具34に固着されている。
【0020】
図2及び図4の実施形態において、固定器具34の部分62は、可動器具27及び固定器具34を可動的に結合するため、可動器具27を取り囲む。図2及び図4に示すように、可動器具27は、トッププレート20及び保持リング21のトップ表面に一般的に平行に軸24の回りでベアリング32a,32b上で固定器具34に対してレバー19を調節することによって選択的に確実に回転する。第1に、図2に示すサンプリング位置、可動透過窓15及び固定透過窓18は、光位置あわせの中にあり、それらの間で取り込まれたサンプル/基準材料5の光路長を画定する境界を有している。
【0021】
図4は、サンプル/基準材料5の挿入/除去及び透過窓15,18の清浄に使用される第2位置にあるサンプリング装置3の断面図を示す。可動器具27は、レバー19を使用して図2に示す第1位置から軸24の回りを180度回転する。この方向付けで示すように、可動及び固定赤外線透過窓15,18のサンプル接触表面16,17は、それぞれ、眼視観測、及びクリーンクロス、キムワイプ、又は他の清浄材料のようなサンプル清浄機構による清浄のため、両方とも上方が面し及び直ちに接近可能である。一実施形態では、赤外線透過窓15,18は、ダイヤモンド、シリコン、キュービックジルコニウム、サファイア、水晶及び他の硬い表面及び化学耐性材料で作られている。しかし、波長透過分光の必要性により決定される、すべての赤外線透過材料が、また考えられる。NaCl、KBr等の柔軟な又は容易に損傷するような材料が使用されたとき、透過窓に損傷が起きないことを保証するため、清浄時に余分な配慮が施されなければならない。
【0022】
図2及び図4を参照して、サンプリングのための第1位置と、サンプル又は基準材料5の挿入/除去のため、及び窓15及び18のそれぞれのサンプル接触表面16,17の清浄のための第2位置との間を繰り返し正確に動くように、可動器具27は、締まりばめベアリング32a,32b上を固定器具34に対して回転する。正確で再現性のある経路長を有する光路が、窓15,18の間で生成され、可動器具27が第1サンプリング位置にあるときはいつでも、サンプル/基準材料5が取り込まれる。
【0023】
使用している間、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33が戻り止め66に固定されるように、使用者は、図4に示したサンプル挿入/除去位置へ、レバー19によって可動器具27が回転するようにする。この位置におけるサンプリング装置3では、可動及び固定透過窓表面16,17は、使用者に迅速に接近でき、清浄され、基準材料5(例えば、空気又は他のいずれかの適した材料)が、固定赤外線透過窓18の上方対面表面17上に配置される。ボール固定アセンブリ33が、戻り止め66から周囲に間隔を空けて、戻り止め64に固定されるように、使用者は、図2に示したサンプリング位置へ、レバー19によって可動器具27が180度回転するようにする。赤外線4(図1参照)は、検出システム8によって検出される符号化されたエネルギ7を生成するため、光路に沿って基準材料5を通過するため、光パイプ11を通過し、鏡13,14によって方向付けされる。機器エレクトロニクス9(図1参照)は、システムを較正するため、既知の基準材料5から符号化エネルギ7の特性を取得して分析して格納する。
【0024】
そして、使用者は、図4に示したサンプル挿入/除去位置の後ろへ、レバー19を回転することにより、可動器具27を回転させる。この時点で、基準材料5が除去され、窓表面16,17が清浄され、図2に示したサンプリング位置へ、レバー19によって可動器具27が回転される前に、サンプル5が固定窓表面17上に挿入される。上述のように、可動器具27が第1サンプリング位置にある場合であっても、可動及び固定窓15,18の間の光路長が維持される。サンプル5が透過窓15,18の間に配置されるとすぐに、検出システム8を通過する符号化エネルギ7を生成するため、赤外線放射4が、光路に沿ってサンプル5を通過する。サンプル5の赤外線吸収によって符号化された符号化エネルギ7は、サンプル5を分析して特徴づけるため、機器エレクトロニクス9によって比較される。機器ソフトウェア及び装置10は、使用者へ結果を表示する。一実施形態では、機器エレクトロニクス9は、分析の機能として、サンプル5内にどの材料が含まれているかを予測するソフトウェアを含む。そして、予測は、装置10を通して使用者に報告されるか、または将来の基準及び/又は報告のために保管される。
【0025】
可動器具27が図2で示したサンプリング位置にあるときはいつでも、光路長は実質的に同じであるので、較正は、既知の基準材料によって符号化された符号化エネルギを使用することによって達成でき、異なるサンプルの種々の材料を識別するため、多様なサンプル5は、較正された機器エレクトロニクス9によって分析される。上述の例示は、サンプル材料の分析の前に、較正のための既知の基準材料を利用するものとして説明したが(例えば、基準材料を分析すること)、サンプル材料の分析の後を含む任意の時間に、または周期的に、較正のための基準材料を分析することも考えられる。さらに、2つの異なるサンプルの分析中に、較正のための既知の基準材料を分析することも考えられる。
【0026】
図5は、球状窪み部22の終端断面図を示す。球状窪み部22は、光中心線28と回転軸24との交差点にその曲率中心を有する赤外線放射光中心線28上に中心がある。可動器具27の軸24からの半径26は、球状窪み部22の軸24からの半径29よりも小さい(図3b参照)。半径の値の相違は、可動器具27と固定器具34との間の機械的な隙間を保証する。この隙間は、可動器具27が固定器具34に対して選択的に回転することを可能にし、分離間のサンプル閉じ込め空間を提供することを可能にする(図3b参照)。図5に示すように、可動器具27のノーズピースアセンブリ23は、可動透過窓15が取り付けられた略球状の表面部78の部分を含む。ノーズピースアセンブリ23の略球状の表面部78は、固定透過窓18が取り付けられている低固定器具34内の第2の略球状の表面部80内に受け入れられている。サンプル/基準材料5を受け入れて収容する分離を形成するため、球状の表面部78,80の間に充分な隙間が設けられる。
【0027】
可動器具27は、既知の基準材料を使用し、又はサンプル/基準材料5の試験を実施して、機器の較正を確立するため、正確に再配置される。その際、図2に示した実施形態は、締まりばめ回転ベアリング32a,32bと、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33とを含む。可動器具27は、レバー19を回転することにより、図2に示したサンプリング位置と、図4に示したサンプル挿入/除去及び清浄位置との間の回転運動で180度回転される。このサンプリングモード時に、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33は、低固定器具34内に収容され、球状窪み又は戻り止め64の中へ上方へバネにより付勢されている(図2参照)。サンプル再配置位置の清浄時に、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33は、180度周辺空間の第2球状窪み又は戻り止め66内にある(図4参照)。上方可動器具を選択的に回転するため、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33は、可動アセンブリの回転を可能にするため、球状窪み又は戻り止め64,66からボールを除去するため、バネの付勢に反して下方へ動かされる。上方の可動器具が180度回転するとき、第1サンプリング位置内の正確かつ再現性のある光位置決めのため、第2位置における可動窓表面16及び固定窓表面17の分離及び露出のため、バネは、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33を、選択された位置に上方可動器具を固定するように位置決めされた戻り止め64,66の中に付勢する。戻り止めアセンブリがこの実施形態で示されるが、正確な再配置を達成するため、代わりの方法として、磁石による停止を使用する他の実施形態が考えられる。
【0028】
図6aは、図2に示したサンプリング位置における装置3の右側終端断面図である。図に示すように、2つの窓15,18の間に含まれている既知の基準材料上又はサンプル上で赤外線透過分析を実施するため、ノーズピースアセンブリ23は、下方を向き、固定透過窓18に面している。
【0029】
図6bは、図4で示した位置における装置の右側面図である。この位置では、ノーズピースアセンブリ23が上方に面し、又は図6aに示したものから180度回転している。上述したように、図6aの方向付けの実現は、回転レバー19による可動器具27の1回の180度回転によって得られる。このような位置では、清浄及びサンプル除去又は低固定窓18上の挿入するのに、両方の窓の表面16,17は、容易に接近可能である。図6bの方向付けから図6aへの移動は同様に、可動器具27の180度回転のみを必要とし、他の動き又は調整を必要としない。可動器具27内の位置合わせされた戻り止め64,66(図2及び図4を参照)のどれか一方と連動する、固定器具34(図2及び図4を参照)内に取り付けられたバネ付きボールアセンブリ33(図2及び図4を参照)は、選択された位置に可動器具27を確実に保持する。
【0030】
図7a及び図7bは、本発明の第2の実施形態を示す。本発明のこの実施形態の理解を容易にするため、同様のコンポーネントは、プライムド(’)サフィックスを付けて同様の符号で示し、新しいコンポーネントは、新しい符号で示す。
【0031】
図7aを参照して、透過サンプリング装置3’は、上方の可動器具27’を、低固定器具34’に接続するヒンジ50を含む。この実施形態では、可動器具27’は、ヒンジ50の回りを回転するアームである。透過サンプリング装置3’の光路の実質的に再現性のある経路長を調整して実現するために、調整可能なセッティングデバイス52(例えば、硬いボールプロジェクションを備えた位置決めネジ)が、可動器具27’内に配置され、分析される特定の材料の必要に応じて調整することができる。調整可能なセッティングデバイス52は、図7aに示す位置に、固定器具34’の表面56に接する接触ポイント54(例えば、硬いボールの表面)を含む。図示された実施形態では、表面56は、表面56との確かな接触に可動器具27’を引き入れる、確かな基準を提供する、固定器具34’内の硬化磁気挿入物である。
【0032】
接触ポイント54は、所望の位置へ可動器具27’の中に入ったり出たりする。例えば、使用者が、所望の位置に、調整可能なセッティングデバイス52を可動器具27’にねじ込み又は取り出す。使用者が、新たな所望の位置に、調整可能なセッティングデバイス52を可動器具27’にねじ込み又は取り出すまで、調整可能なセッティングデバイス52は、所望の位置に留まる。可動器具27’が図7aで示したように置かれたとき、接触ポイント54は、表面56に接して、基準を確立して分析を実施するように配置される。接触ポイント54が、可動器具27’内にセットされると、可動器具27’が繰り返しヒンジ50の回りを回転し、図7aに示した位置に戻った後であっても、透過アセンブリ光路は、実質的に同じに留まる。
【0033】
図7aの光路に関して、源2’からの焦点の合った光エネルギは、固定窓18’、サンプル5’、可動窓15’を通過し、符号化された光エネルギ7’の方向を鏡70へ変える鏡72に続き、固定器具34’の開口68を通って、検出システム8’へ進む。
【0034】
図7bは、低固定器具34’と実質的に垂直な第2位置へ、ヒンジ50の回りを約90度回転した可動器具を示す。この第2位置では、可動及び固定窓15’,18’は、それぞれ、使用者に対して露出している。このように、装置3’は、サンプル/基準材料5’(図7a参照)の挿入/除去、及び赤外線透過窓15’,18’及び他のサンプル接触領域の清浄の位置にある、
【0035】
また、2つの赤外線透過窓の間の分離(及び経路長)を容易に変える他の実施形態が、考えられる。例えば、顕微鏡対物に使用されるのと同様な、スライド厚さを補正する器具が、経路長を変えるものとして考えられる。ミクロン(中赤外線分析の場合)、又は数センチメートル以上(近赤外線分析の場合)の単位で、経路を変えるための、このような多くの選択肢が存在する。
【0036】
図8a及び図8bは、図7a及び図7bで示した透過サンプリング装置3’を示すが、検出システム8が可動器具27’に組み込まれている。図8a及び図8bを参照して、電気的及び電子的信号が、可動器具27’に組み込まれた検出システム8’と、固定器具34’に収容されているエレクトロニクス及びソフトウェア9’との間で通信される。電気ケーブルが、透過サンプリング装置3’のトッププレート20’のシールドホール82を介して供給される。源2’からの焦点の合った光エネルギ4’は、固定窓18’、サンプル/基準材料5’、可動窓15’を通過し、鏡81へと続き、この鏡81は、符号化された光エネルギ7’の方向を検出システム8’へと変える。図8bは、窓表面16’,17’を清浄し、新しいサンプル/基準材料5’を挿入する位置における可動器具27’を示す。図8a及び図8bに示された実施形態だけが、可動器具27’に組み込まれた検出装置8’を示すが、当然のことながら、他の考え得る実施形態のいずれも、可動器具内に収容された検出システム、及び/又は固定器具内に収容されたエレクトロニクス及びソフトウェアを含んでもよい。
【0037】
図9a、図9b、図9cは、本発明の第3の実施形態を示す。本発明のこの実施形態の理解を容易にするため、同様のコンポーネントは、ダブルプライムド(”)サフィックスを付けて同様の符号で示し、新しいコンポーネントは、新しい符号で示す。
【0038】
図9aは、装置3”の等角図を示す。図9bは、機器較正及びサンプル分析の実施のための、固定器具34”内に固定透過窓18”を有するノーズピースアセンブリ23”の可動透過窓15”の位置合わせの位置における装置3”についての、図9aの矢印74の方向から見た側面図を示す。図9cは、サンプルの挿入/抽出及び清浄の位置における装置3”の側面図を示す。図7a及び図7bの上述の実施形態と同様に、図9a、図9b、図9cに示した実施形態は、中心線61の回りを回転する円周回転ベアリング60を使用する。しかし、図9a、図9b、図9cに示された実施形態は、可動赤外線透過窓15”がサンプル/基準材料5”と接触するように運ばれるという点で、第1の実施形態とは主に異なる。より具体的には、中心線61の回りの可動器具27”の動きは、サンプル/基準材料5”と接触する前に、透過窓15”が、サンプル/基準材料5”の上に配置されることを引き起こす。したがって、可動窓27”の動きは、いくらか、可動器具27’(図7a及び図7b参照)の動きと同じである。一方、可動器具27”の動きは、第1の実施形態の可動器具27(図2及び図4参照)の動きとは実質的に異なるが、これは、サンプル/基準材料5(図2及び図4参照)に対しての滑り又はせん断の動きを表す。特定の実施形態の選択は、機器設計、あるいはサンプルの特性の他の態様と同様に、簡単さ、全光路、費用の間のトレードオフに依存する。図9a、図9b、図9cに示された実施形態で提示された違いは、本発明の精神を損なうことはない。
【0039】
図10は、図2及び図4で示した、通常目的のフーリエ変換赤外線(FTIR)機器41に付属品として使用されるサンプリング装置3の側断面図を示す。図10を参照して、赤外線放射4は、源2によって生成される。放射4は、カバー40内のオリフィス47を通過し、サンプルコンポーネント49の中へ入る。入った放射4は、さらにアクセサリフレーム42内のオリフィス53を通過し、焦点鏡44によって方向が変えられ、光パイプ11を通ってチャンバ12の中へ入る。チャンバ12の中では、赤外線放射4は、鏡13によって凹面の焦点鏡14の方へ方向が変えられる。焦点鏡14は、さらに、赤外線放射4の方向を変え、赤外線放射は、可動赤外線透過窓15を通って、サンプル/基準材料5を通って、固定透過窓18を通る。赤外線放射は、サンプル/基準材料5に焦点が合わせられる。サンプル/基準材料5によって吸収された赤外線エネルギに基づくサンプルの符号化された光特性を取得するため、赤外線放射7は、赤外線放射4がサンプル/基準材料5を通過する結果として、符号化される。また、システムは、検出器で取得したスペクトルを、基準材料の既知のスペクトルと比較し、透過窓の間の既知の基準材料を通って通過する赤外線エネルギによって較正されてもよい。符号化された赤外線エネルギは、透過窓18から抜け出る。符号化された赤外線放射7は、検出器マッチング鏡45で反射し、検出器マッチング鏡45は焦点を再び合わせて、符号化された赤外線放射7の方向を変えて、オリフィス51,48を通り抜け、赤外線検出システム8(図1及び図2参照)へと進む。付属品(装置)3を機器41へ位置合わせするため、マウンティングファスナ43とともに鏡マウント46は、さらなる調整を提供する。付属品が、機器41及びその源2と検出器8に位置合わせされると、付属品3は、可動器具27を除いて固定される。付属品(透過サンプリング装置)3とともに機器41は、前述の方法で使用することができる。
【0040】
商業的利用の多くの通常目的の機器があり、同様に、多くの異なる任意の構成が利用される。当業者は、特定の機器へ付属品を整合させるのに必要とされる必要性及びトレードオフを理解する。特定のインターフェイス鏡44,45のセットは、すべてのこのような機器/付属品インターフェイスに広く使用されることを意図したものではない。この理由により、当然のことながら、任意の特定のインターフェイス鏡44,45の開示の不足は、本発明から導き出される利益の普遍的な性質を損なうことを意図したものではない。
【0041】
FTIRは、近赤外線及び中赤外線領域の両方で機能すると考えられる。しかし、本発明の他の実施形態もまた、すべての近赤外線及び/又は中赤外線の分光システムでの使用が考えられ、決して、FTIRシステムに制限されるものではない。
【0042】
本発明は、実施形態の記載によって示され、実施形態がかなり詳細に記載されてきたが、添付された特許請求の範囲をこのような詳細に制限することは、出願人の意図するものではない。一例として、光機能性を損なうことなく、光エネルギ源を検出システムと交換することができるということは、当業者によく知られている。追加的な利点及び変更は、当業者に容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、その広範な態様において、詳細な説明、代表的な装置、及び図で示して記載した実施例に限定されない。したがって、出願人の一般的な発明概念の精神又は範囲から逸脱することなく、このような詳細から変更がなされる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の赤外線(IR)分析に関する。
【背景技術】
【0002】
透過分光分析の実施による液相及び固相材料の赤外線分析中に使用される透過分光装置と結合された特別な適用を見出し、特別な参照とともに記述されるであろう。しかし、当然のことながら、本発明もまた、他の適用に従うであろう。
【0003】
液相及び固相材料の赤外線分析透過分光試験の実施中、赤外線エネルギは、分析される材料の厚さを通過する。材料の厚さは、通常、中赤外線分析では100ミクロン程度にすぎないし、近赤外線分析では2センチメートル程度にすぎない。水溶液などの強吸収液体では、中赤外線分析の厚さは、一般的にかなり薄い(例えば、一般的に約10ミクロンと約20ミクロンの間)。より長い経路長を使用する一般的な必要性以外に、液体の近赤外線分析の分析手順は、中赤外線分析に使用されるものと非常に似かよっている。例外は、ロバスト法を発展させるためのより多くのサンプルを分析する近赤外線分析の一般的な必要性に関する。
【0004】
一般的に、密閉透過セルは、キュベットが一般的に近赤外線領域で使用されるのに対して、中赤外線領域の透過分光を経て液体を分析するのに使用される。透過セルは、通常、アマルガム、ガスケッツ、又はOリングで密閉される。このようなセルは、通常、サンプルを含む注射器がルアロックフィッティングの入口側に取り付けられ、空の注射器がルアロックフィッティングの出口側に取り付けられることによって、注射器及びルアロックフィッティングを使用して満たされる。注射器は、同時に、気泡を無くしてセルを完全に満たすように「プッシュプル」動作で操作される。セルの清浄は、サンプルの代わりに溶媒が注射器の中に入れられ、空の注射器の中に溶媒がプッシュプルされることによって、同様な方法で実施される。セルを通して、乾燥空気を通過させる追加のステップは、さらに、微量のサンプル及び溶媒を除去する。あるいは、ポンプ又はピストン機器によりセルを通して液体が流される直径の小さい管が使用される。この処置を通じたセルの清浄は、セルを通して清浄溶媒を送るバルブを使用することによって、または、より時間のかかる、セルを分解して部品を清浄して再び組み立てることによって、行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
密閉セルを使用する場合の通常の分析手順は:
(1)機器の基準を確立する;(2)興味のある材料の分析を実施する;及び(3)興味のある材料の特定の特性を確認するため、ステップ(1)及び(2)で得た情報を使用して「方法」を実行する。
【0006】
分析の正確性、精度、及び信頼性は、多くの因子に依存する。この点において、上記の3つのステップにおける意図しない又は予期しない変化は、間違った結果になるおそれがある。例えば、基準セルが充分にきれいでない場合、間違った基準が確立される。光路のいずれかの実質的な部分が、水蒸気、二酸化炭素、及び微量の環境ガスの通常の雰囲気変化にさらされる場合、結果として分析測定の顕著な間違いとなる。セルの光路のいずれかの変化がある場合、定量的な分光結果を危うくする。したがって、方法と、その方法の実行の開発の間、及び/又は基準の確立及びサンプルの分析の間のいずれかの実質的な予期しない変化は、危うい結果をもたらす。
【0007】
いくつかの赤外線透過分光セルは、特定の問題に取り組むために発展してきた。強吸収液体(例えば、約20ミクロンより少ない経路長が必要とされる液体)の中赤外線分析は、赤外線透過分析とは対照的に、減衰全反射(ATR)赤外線分析により、より繰り返し実施されてきた。ATRセルは、その使用の容易性から広く利用されるようになった。
【0008】
赤外線ATR分析は、分析のための材料の挿入及び完全な除去の時間と困難さを克服するが、ATR技術は、容易に克服できない2つの問題を抱えている。第1に、ATR技術を使用するとき、赤外線エネルギは、分析される材料の中を数ミクロン侵入するだけである。したがって、ATRは、材料の表面とは対照的に、材料の塊の中で分離し、又は多少異なるいずれかの材料を分析するのに広く使用することができない。第2に、ATR材料の吸収、または分析される材料の量又は配置が負の因子を抑制するような内部反射、他の因子の値を増加させることによって、ATR技術は、有効経路長を増加させる。
【0009】
これらの及び他の理由のため、赤外線透過分光分析を実施するための、使用が容易で、かつきれいな透過分光サンプリング装置を持つ必要性が残る。透過セル内の挿入及び完全除去に伴う時間、処理、及び困難さのおかげで、従来技術は、赤外線分光分析の商用化を顕著に制限してきた。一般に、赤外線透過分光法による液体、ペースト、及びマルの正確、高精度、かつ信頼性のある定量的な分析は、時間がかかり困難である。本発明の主な目的は、正確、高精度、かつ信頼性の改善でないにせよ維持しつつ、赤外線透過分光分析の実施の時間及び困難さを減らすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題を解決する新規かつ改善された装置及び手順を提供する。
【0011】
液体及び固体を分析するのに透過分光法を利用する光分析システムは、光エネルギ源、サンプル、可動光エネルギ透過窓、固定光エネルギ透過窓、及び検出システムを含む。固定光エネルギ透過窓は、光エネルギ源に対して固定される。サンプルは、サンプルを分析するための可動光エネルギ透過窓及び固定光エネルギ透過窓の間に選択的に配置される。サンプルを透過する結果としての符号化された光エネルギを取得するため、光エネルギが、窓の1つ、サンプル、及び他の窓を通して伝送される。検出システムは、分析のための符号化された光エネルギを受け取る。可動光エネルギ透過窓は、繰り返し正確に位置合わせをするため、かつただちに窓とサンプルに近づけるために、固定光エネルギ透過窓に対して選択的に移動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態において、赤外線機器システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の原理を示す装置の一実施形態において、第1のサンプリング位置の透過サンプリング装置のエレベーションの断面図である。
【図3a】本発明の原理を示す装置の一実施形態において、図2に示したサンプリング位置における可動透過窓と固定透過窓との間に置かれたサンプルの拡大された断面図である。
【図3b】本発明の原理を示す装置の一実施形態において、図2に示したサンプリング位置における可動透過窓と固定透過窓との間に置かれたサンプルのさらに拡大された断面図である。
【図4】第2の清浄及びサンプル挿入/除去位置を示した、図2と同じエレベーションの透過サンプリング装置の断面図である。
【図5】固定低アセンブリの球状窪み部を示す図2の5−5切断面における終端断面図である。
【図6a】図2における第1のサンプリング位置の透過サンプリング装置の右側終端を示す図である。
【図6b】図4の第2の清浄及びサンプル除去/挿入位置における透過サンプリング装置の右側終端を示す図である。
【図7a】本発明の原理を示す装置の第2の実施形態において、第1のサンプリング位置の透過サンプリング装置のエレベーションの断面図である。
【図7b】図7aに示した第2の実施形態において、第2の清浄及びサンプル除去/挿入位置における透過サンプリング装置を示す図である。
【図8a】本発明の原理を示す装置の第4の実施形態において、透過サンプリング装置のサンプル分析位置を示す図である。
【図8b】本発明の原理を示す装置の第4の実施形態において、透過サンプリング装置の清浄及びサンプル挿入除去位置を示す図である。
【図9a】本発明の原理を示す装置の第3の実施形態において、透過サンプリング装置のサンプル分析位置を示す図である。
【図9b】本発明の原理を示す装置の第3の実施形態において、透過サンプリング装置のサンプル分析位置を示す図である。
【図9c】本発明の原理を示す装置の第3の実施形態において、透過サンプリング装置の清浄及びサンプル挿入除去位置を示す図である。
【図10】通常目的のフーリエ変換赤外線(FTIR)機器に付属品として使用される図1〜図4の透過サンプリング装置を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上記の一般的な記載と下記の詳細な説明とともに、組み込まれ、かつ明細書の一部を構成する添付の図面において、発明の実施形態が示され、本発明の実施形態の例示を提供する。
【0014】
図1を参照して、本発明の一実施形態では、赤外線(IR)機器システム1は、光分析を実施する透過分光法を利用する。システム1は、光エネルギ源2(例えばFTIRからの変調された赤外線放射)及び透過分光サンプリング装置3を含む。サンプル材料/基準材料5は、サンプリング装置3内に配置されている。サンプリング装置3は、光エネルギ源2からサンプル材料/基準材料5へと赤外線放射4を導く。透過分光試験では、変化した(符号化された)赤外線放射7を生成するため、赤外線放射が、サンプル材料/基準材料5を含む透過サンプリング装置3を通過する。透過サンプリング装置3は、変化した赤外線放射7を赤外線検出システム8へ導く。図1に示した実施形態では、エレクトロニクス及びソフトウェア9が、光エネルギ源2、サンプリング装置3、検出システム8、並びに機器制御、計算及び報告装置10と電気的に通信する。
【0015】
赤外線放射源2、検出システム8、機器エレクトロニクス9、及び機器ソフトウェア及び機器制御、計算及び報告の機能を含む装置10は、当該技術分野でよく知られている多くの変形例がある。
【0016】
図2は、分析に使用される、第1の位置の透過サンプリング装置3の一実施形態のエレベーションの断面図を示している。赤外線放射路4は、赤外線放射源2から光パイプ11を経て、可動装置又はヘッド27内のチャンバ12の中へ受け取られるように示されている。光パイプ11を出た後、赤外線放射4は、鏡13によって方向が変えられ、焦点鏡14によってさらに方向が変えられ、可動アセンブリ27の上方に固定して取り付けられた可動光エネルギ(赤外線)透過窓15の方へ、サンプル材料/基準材料5を介して、固定された光エネルギ(赤外線)透過窓18の方へ、かつ検出システム8へ、向けられる。
【0017】
サンプル接触表面16を含む可動赤外線透過窓15が、分析(サンプリング)位置の図2、図3a、及び図3bに示されている。この位置では、固定赤外線透過窓18の上方対面表面17に部分的に載っていて、かつ保持リング21の隣の通常の球状窪み部22に部分的に載っているサンプル材料/基準材料5(例えば、液体、マル、ペースト、溶解物、粉末、及び/又は任意の固体サンプル材料など)に、サンプル接触表面16が接触している。保持リング21は、サンプリング装置3の固定器具34のトッププレート20に受けられ、かつ取り付けられている(図2を参照)。したがって、分析(サンプリング)モートでは、サンプル材料/基準材料5が、可動及び固定透過窓15,18の間にあることが明らかである。図示した実施形態では、サンプリング位置の時にサンプル5を含むため、窓15,18のエッジは密閉されていない。この実施形態は、例えば高揮発性のオイルベースサンプルとともに使用されることが予定されている。しかし、他の実施形態では、それぞれ揮発性サンプルを含むため、窪み22の上方エッジの周りに、かつさらにノーズピースアセンブリ23に接触したシール(例えばOリング)が使用される。
【0018】
より明らかにするため、図3aは、図2に示した透過分光サンプリング装置3のサンプリング領域の拡大した部分を示す。図3bは、図3aに示したサンプリング領域のさらに拡大した部分を示す。図2、図3a、及び図3bを参照して、可動透過窓15の下方対面サンプル接触表面16、及び固定透過窓18の上方対面サンプル接触表面17が、サンプル/基準材料5に接触して示されている。さらに、上方対面サンプル表面17が、保持リング21の浅い球状窪み部22の底に示されている。しかし、他の実施形態では、固定された第2の窓18は、窪み22の底にはないが、赤外線放射4に影響を与えることなく、気泡がサンプル/基準材料5を出て行くように傾斜となっている。このような実施形態では、当業者によってよく理解されるであろう他の変更が必要とされるであろう。
【0019】
再び図2を参照して、サンプリング装置3は、概して可動器具27と固定器具34から構成される。上方対面サンプル接触表面17は、回転可能なハウジング38、鏡13,14、チャンバ12、及びノーズピースアセンブリ23を含み、さらに可動赤外線透過窓15を含む。このように、透過窓15は、ねじりレバー19により、軸24の回りを回転する可動器具27に固着されている。固定器具34は、固定ハウジング35、ベアリング/シール32a,32b、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33、機器トッププレート20、シール36,37、及び保持リング21を含む。保持リング21は、それに密閉して付着された赤外線透過窓18を含む。このようにして、透過窓18は、固定器具34に固着されている。
【0020】
図2及び図4の実施形態において、固定器具34の部分62は、可動器具27及び固定器具34を可動的に結合するため、可動器具27を取り囲む。図2及び図4に示すように、可動器具27は、トッププレート20及び保持リング21のトップ表面に一般的に平行に軸24の回りでベアリング32a,32b上で固定器具34に対してレバー19を調節することによって選択的に確実に回転する。第1に、図2に示すサンプリング位置、可動透過窓15及び固定透過窓18は、光位置あわせの中にあり、それらの間で取り込まれたサンプル/基準材料5の光路長を画定する境界を有している。
【0021】
図4は、サンプル/基準材料5の挿入/除去及び透過窓15,18の清浄に使用される第2位置にあるサンプリング装置3の断面図を示す。可動器具27は、レバー19を使用して図2に示す第1位置から軸24の回りを180度回転する。この方向付けで示すように、可動及び固定赤外線透過窓15,18のサンプル接触表面16,17は、それぞれ、眼視観測、及びクリーンクロス、キムワイプ、又は他の清浄材料のようなサンプル清浄機構による清浄のため、両方とも上方が面し及び直ちに接近可能である。一実施形態では、赤外線透過窓15,18は、ダイヤモンド、シリコン、キュービックジルコニウム、サファイア、水晶及び他の硬い表面及び化学耐性材料で作られている。しかし、波長透過分光の必要性により決定される、すべての赤外線透過材料が、また考えられる。NaCl、KBr等の柔軟な又は容易に損傷するような材料が使用されたとき、透過窓に損傷が起きないことを保証するため、清浄時に余分な配慮が施されなければならない。
【0022】
図2及び図4を参照して、サンプリングのための第1位置と、サンプル又は基準材料5の挿入/除去のため、及び窓15及び18のそれぞれのサンプル接触表面16,17の清浄のための第2位置との間を繰り返し正確に動くように、可動器具27は、締まりばめベアリング32a,32b上を固定器具34に対して回転する。正確で再現性のある経路長を有する光路が、窓15,18の間で生成され、可動器具27が第1サンプリング位置にあるときはいつでも、サンプル/基準材料5が取り込まれる。
【0023】
使用している間、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33が戻り止め66に固定されるように、使用者は、図4に示したサンプル挿入/除去位置へ、レバー19によって可動器具27が回転するようにする。この位置におけるサンプリング装置3では、可動及び固定透過窓表面16,17は、使用者に迅速に接近でき、清浄され、基準材料5(例えば、空気又は他のいずれかの適した材料)が、固定赤外線透過窓18の上方対面表面17上に配置される。ボール固定アセンブリ33が、戻り止め66から周囲に間隔を空けて、戻り止め64に固定されるように、使用者は、図2に示したサンプリング位置へ、レバー19によって可動器具27が180度回転するようにする。赤外線4(図1参照)は、検出システム8によって検出される符号化されたエネルギ7を生成するため、光路に沿って基準材料5を通過するため、光パイプ11を通過し、鏡13,14によって方向付けされる。機器エレクトロニクス9(図1参照)は、システムを較正するため、既知の基準材料5から符号化エネルギ7の特性を取得して分析して格納する。
【0024】
そして、使用者は、図4に示したサンプル挿入/除去位置の後ろへ、レバー19を回転することにより、可動器具27を回転させる。この時点で、基準材料5が除去され、窓表面16,17が清浄され、図2に示したサンプリング位置へ、レバー19によって可動器具27が回転される前に、サンプル5が固定窓表面17上に挿入される。上述のように、可動器具27が第1サンプリング位置にある場合であっても、可動及び固定窓15,18の間の光路長が維持される。サンプル5が透過窓15,18の間に配置されるとすぐに、検出システム8を通過する符号化エネルギ7を生成するため、赤外線放射4が、光路に沿ってサンプル5を通過する。サンプル5の赤外線吸収によって符号化された符号化エネルギ7は、サンプル5を分析して特徴づけるため、機器エレクトロニクス9によって比較される。機器ソフトウェア及び装置10は、使用者へ結果を表示する。一実施形態では、機器エレクトロニクス9は、分析の機能として、サンプル5内にどの材料が含まれているかを予測するソフトウェアを含む。そして、予測は、装置10を通して使用者に報告されるか、または将来の基準及び/又は報告のために保管される。
【0025】
可動器具27が図2で示したサンプリング位置にあるときはいつでも、光路長は実質的に同じであるので、較正は、既知の基準材料によって符号化された符号化エネルギを使用することによって達成でき、異なるサンプルの種々の材料を識別するため、多様なサンプル5は、較正された機器エレクトロニクス9によって分析される。上述の例示は、サンプル材料の分析の前に、較正のための既知の基準材料を利用するものとして説明したが(例えば、基準材料を分析すること)、サンプル材料の分析の後を含む任意の時間に、または周期的に、較正のための基準材料を分析することも考えられる。さらに、2つの異なるサンプルの分析中に、較正のための既知の基準材料を分析することも考えられる。
【0026】
図5は、球状窪み部22の終端断面図を示す。球状窪み部22は、光中心線28と回転軸24との交差点にその曲率中心を有する赤外線放射光中心線28上に中心がある。可動器具27の軸24からの半径26は、球状窪み部22の軸24からの半径29よりも小さい(図3b参照)。半径の値の相違は、可動器具27と固定器具34との間の機械的な隙間を保証する。この隙間は、可動器具27が固定器具34に対して選択的に回転することを可能にし、分離間のサンプル閉じ込め空間を提供することを可能にする(図3b参照)。図5に示すように、可動器具27のノーズピースアセンブリ23は、可動透過窓15が取り付けられた略球状の表面部78の部分を含む。ノーズピースアセンブリ23の略球状の表面部78は、固定透過窓18が取り付けられている低固定器具34内の第2の略球状の表面部80内に受け入れられている。サンプル/基準材料5を受け入れて収容する分離を形成するため、球状の表面部78,80の間に充分な隙間が設けられる。
【0027】
可動器具27は、既知の基準材料を使用し、又はサンプル/基準材料5の試験を実施して、機器の較正を確立するため、正確に再配置される。その際、図2に示した実施形態は、締まりばめ回転ベアリング32a,32bと、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33とを含む。可動器具27は、レバー19を回転することにより、図2に示したサンプリング位置と、図4に示したサンプル挿入/除去及び清浄位置との間の回転運動で180度回転される。このサンプリングモード時に、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33は、低固定器具34内に収容され、球状窪み又は戻り止め64の中へ上方へバネにより付勢されている(図2参照)。サンプル再配置位置の清浄時に、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33は、180度周辺空間の第2球状窪み又は戻り止め66内にある(図4参照)。上方可動器具を選択的に回転するため、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33は、可動アセンブリの回転を可能にするため、球状窪み又は戻り止め64,66からボールを除去するため、バネの付勢に反して下方へ動かされる。上方の可動器具が180度回転するとき、第1サンプリング位置内の正確かつ再現性のある光位置決めのため、第2位置における可動窓表面16及び固定窓表面17の分離及び露出のため、バネは、バネ付き着座ボール固定アセンブリ33を、選択された位置に上方可動器具を固定するように位置決めされた戻り止め64,66の中に付勢する。戻り止めアセンブリがこの実施形態で示されるが、正確な再配置を達成するため、代わりの方法として、磁石による停止を使用する他の実施形態が考えられる。
【0028】
図6aは、図2に示したサンプリング位置における装置3の右側終端断面図である。図に示すように、2つの窓15,18の間に含まれている既知の基準材料上又はサンプル上で赤外線透過分析を実施するため、ノーズピースアセンブリ23は、下方を向き、固定透過窓18に面している。
【0029】
図6bは、図4で示した位置における装置の右側面図である。この位置では、ノーズピースアセンブリ23が上方に面し、又は図6aに示したものから180度回転している。上述したように、図6aの方向付けの実現は、回転レバー19による可動器具27の1回の180度回転によって得られる。このような位置では、清浄及びサンプル除去又は低固定窓18上の挿入するのに、両方の窓の表面16,17は、容易に接近可能である。図6bの方向付けから図6aへの移動は同様に、可動器具27の180度回転のみを必要とし、他の動き又は調整を必要としない。可動器具27内の位置合わせされた戻り止め64,66(図2及び図4を参照)のどれか一方と連動する、固定器具34(図2及び図4を参照)内に取り付けられたバネ付きボールアセンブリ33(図2及び図4を参照)は、選択された位置に可動器具27を確実に保持する。
【0030】
図7a及び図7bは、本発明の第2の実施形態を示す。本発明のこの実施形態の理解を容易にするため、同様のコンポーネントは、プライムド(’)サフィックスを付けて同様の符号で示し、新しいコンポーネントは、新しい符号で示す。
【0031】
図7aを参照して、透過サンプリング装置3’は、上方の可動器具27’を、低固定器具34’に接続するヒンジ50を含む。この実施形態では、可動器具27’は、ヒンジ50の回りを回転するアームである。透過サンプリング装置3’の光路の実質的に再現性のある経路長を調整して実現するために、調整可能なセッティングデバイス52(例えば、硬いボールプロジェクションを備えた位置決めネジ)が、可動器具27’内に配置され、分析される特定の材料の必要に応じて調整することができる。調整可能なセッティングデバイス52は、図7aに示す位置に、固定器具34’の表面56に接する接触ポイント54(例えば、硬いボールの表面)を含む。図示された実施形態では、表面56は、表面56との確かな接触に可動器具27’を引き入れる、確かな基準を提供する、固定器具34’内の硬化磁気挿入物である。
【0032】
接触ポイント54は、所望の位置へ可動器具27’の中に入ったり出たりする。例えば、使用者が、所望の位置に、調整可能なセッティングデバイス52を可動器具27’にねじ込み又は取り出す。使用者が、新たな所望の位置に、調整可能なセッティングデバイス52を可動器具27’にねじ込み又は取り出すまで、調整可能なセッティングデバイス52は、所望の位置に留まる。可動器具27’が図7aで示したように置かれたとき、接触ポイント54は、表面56に接して、基準を確立して分析を実施するように配置される。接触ポイント54が、可動器具27’内にセットされると、可動器具27’が繰り返しヒンジ50の回りを回転し、図7aに示した位置に戻った後であっても、透過アセンブリ光路は、実質的に同じに留まる。
【0033】
図7aの光路に関して、源2’からの焦点の合った光エネルギは、固定窓18’、サンプル5’、可動窓15’を通過し、符号化された光エネルギ7’の方向を鏡70へ変える鏡72に続き、固定器具34’の開口68を通って、検出システム8’へ進む。
【0034】
図7bは、低固定器具34’と実質的に垂直な第2位置へ、ヒンジ50の回りを約90度回転した可動器具を示す。この第2位置では、可動及び固定窓15’,18’は、それぞれ、使用者に対して露出している。このように、装置3’は、サンプル/基準材料5’(図7a参照)の挿入/除去、及び赤外線透過窓15’,18’及び他のサンプル接触領域の清浄の位置にある、
【0035】
また、2つの赤外線透過窓の間の分離(及び経路長)を容易に変える他の実施形態が、考えられる。例えば、顕微鏡対物に使用されるのと同様な、スライド厚さを補正する器具が、経路長を変えるものとして考えられる。ミクロン(中赤外線分析の場合)、又は数センチメートル以上(近赤外線分析の場合)の単位で、経路を変えるための、このような多くの選択肢が存在する。
【0036】
図8a及び図8bは、図7a及び図7bで示した透過サンプリング装置3’を示すが、検出システム8が可動器具27’に組み込まれている。図8a及び図8bを参照して、電気的及び電子的信号が、可動器具27’に組み込まれた検出システム8’と、固定器具34’に収容されているエレクトロニクス及びソフトウェア9’との間で通信される。電気ケーブルが、透過サンプリング装置3’のトッププレート20’のシールドホール82を介して供給される。源2’からの焦点の合った光エネルギ4’は、固定窓18’、サンプル/基準材料5’、可動窓15’を通過し、鏡81へと続き、この鏡81は、符号化された光エネルギ7’の方向を検出システム8’へと変える。図8bは、窓表面16’,17’を清浄し、新しいサンプル/基準材料5’を挿入する位置における可動器具27’を示す。図8a及び図8bに示された実施形態だけが、可動器具27’に組み込まれた検出装置8’を示すが、当然のことながら、他の考え得る実施形態のいずれも、可動器具内に収容された検出システム、及び/又は固定器具内に収容されたエレクトロニクス及びソフトウェアを含んでもよい。
【0037】
図9a、図9b、図9cは、本発明の第3の実施形態を示す。本発明のこの実施形態の理解を容易にするため、同様のコンポーネントは、ダブルプライムド(”)サフィックスを付けて同様の符号で示し、新しいコンポーネントは、新しい符号で示す。
【0038】
図9aは、装置3”の等角図を示す。図9bは、機器較正及びサンプル分析の実施のための、固定器具34”内に固定透過窓18”を有するノーズピースアセンブリ23”の可動透過窓15”の位置合わせの位置における装置3”についての、図9aの矢印74の方向から見た側面図を示す。図9cは、サンプルの挿入/抽出及び清浄の位置における装置3”の側面図を示す。図7a及び図7bの上述の実施形態と同様に、図9a、図9b、図9cに示した実施形態は、中心線61の回りを回転する円周回転ベアリング60を使用する。しかし、図9a、図9b、図9cに示された実施形態は、可動赤外線透過窓15”がサンプル/基準材料5”と接触するように運ばれるという点で、第1の実施形態とは主に異なる。より具体的には、中心線61の回りの可動器具27”の動きは、サンプル/基準材料5”と接触する前に、透過窓15”が、サンプル/基準材料5”の上に配置されることを引き起こす。したがって、可動窓27”の動きは、いくらか、可動器具27’(図7a及び図7b参照)の動きと同じである。一方、可動器具27”の動きは、第1の実施形態の可動器具27(図2及び図4参照)の動きとは実質的に異なるが、これは、サンプル/基準材料5(図2及び図4参照)に対しての滑り又はせん断の動きを表す。特定の実施形態の選択は、機器設計、あるいはサンプルの特性の他の態様と同様に、簡単さ、全光路、費用の間のトレードオフに依存する。図9a、図9b、図9cに示された実施形態で提示された違いは、本発明の精神を損なうことはない。
【0039】
図10は、図2及び図4で示した、通常目的のフーリエ変換赤外線(FTIR)機器41に付属品として使用されるサンプリング装置3の側断面図を示す。図10を参照して、赤外線放射4は、源2によって生成される。放射4は、カバー40内のオリフィス47を通過し、サンプルコンポーネント49の中へ入る。入った放射4は、さらにアクセサリフレーム42内のオリフィス53を通過し、焦点鏡44によって方向が変えられ、光パイプ11を通ってチャンバ12の中へ入る。チャンバ12の中では、赤外線放射4は、鏡13によって凹面の焦点鏡14の方へ方向が変えられる。焦点鏡14は、さらに、赤外線放射4の方向を変え、赤外線放射は、可動赤外線透過窓15を通って、サンプル/基準材料5を通って、固定透過窓18を通る。赤外線放射は、サンプル/基準材料5に焦点が合わせられる。サンプル/基準材料5によって吸収された赤外線エネルギに基づくサンプルの符号化された光特性を取得するため、赤外線放射7は、赤外線放射4がサンプル/基準材料5を通過する結果として、符号化される。また、システムは、検出器で取得したスペクトルを、基準材料の既知のスペクトルと比較し、透過窓の間の既知の基準材料を通って通過する赤外線エネルギによって較正されてもよい。符号化された赤外線エネルギは、透過窓18から抜け出る。符号化された赤外線放射7は、検出器マッチング鏡45で反射し、検出器マッチング鏡45は焦点を再び合わせて、符号化された赤外線放射7の方向を変えて、オリフィス51,48を通り抜け、赤外線検出システム8(図1及び図2参照)へと進む。付属品(装置)3を機器41へ位置合わせするため、マウンティングファスナ43とともに鏡マウント46は、さらなる調整を提供する。付属品が、機器41及びその源2と検出器8に位置合わせされると、付属品3は、可動器具27を除いて固定される。付属品(透過サンプリング装置)3とともに機器41は、前述の方法で使用することができる。
【0040】
商業的利用の多くの通常目的の機器があり、同様に、多くの異なる任意の構成が利用される。当業者は、特定の機器へ付属品を整合させるのに必要とされる必要性及びトレードオフを理解する。特定のインターフェイス鏡44,45のセットは、すべてのこのような機器/付属品インターフェイスに広く使用されることを意図したものではない。この理由により、当然のことながら、任意の特定のインターフェイス鏡44,45の開示の不足は、本発明から導き出される利益の普遍的な性質を損なうことを意図したものではない。
【0041】
FTIRは、近赤外線及び中赤外線領域の両方で機能すると考えられる。しかし、本発明の他の実施形態もまた、すべての近赤外線及び/又は中赤外線の分光システムでの使用が考えられ、決して、FTIRシステムに制限されるものではない。
【0042】
本発明は、実施形態の記載によって示され、実施形態がかなり詳細に記載されてきたが、添付された特許請求の範囲をこのような詳細に制限することは、出願人の意図するものではない。一例として、光機能性を損なうことなく、光エネルギ源を検出システムと交換することができるということは、当業者によく知られている。追加的な利点及び変更は、当業者に容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、その広範な態様において、詳細な説明、代表的な装置、及び図で示して記載した実施例に限定されない。したがって、出願人の一般的な発明概念の精神又は範囲から逸脱することなく、このような詳細から変更がなされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体及び固体を分析する透過分光法を利用した光分析システムであって、
光エネルギ源と、
サンプルと、
可動光エネルギ透過窓と、
固定光エネルギ透過窓であって、
前記固定光エネルギ透過窓は、前記光エネルギ源に対して固定されたままであり、
前記サンプルは、前記サンプルを分析するために前記可動光エネルギ透過窓と前記固定光エネルギ透過窓との間に選択的に配置され、
前記光エネルギは、前記サンプルを通して前記光エネルギを伝送した結果としての符号化された光エネルギを得るために、前記窓の1つ、前記サンプル、及び他の前記窓を通して伝送される、前記固定光エネルギ透過窓と、
分析のために前記符号化された光エネルギを受け取る検出システムであって、
前記可動光エネルギ透過窓は、前記窓及び前記サンプルを、繰り返しかつ正確に位置合わせして容易に近づけられるようにするために、前記固定光エネルギ透過窓に対して選択的に移動可能である、前記検出システムと、
を有することを特徴とする光分析システム。
【請求項2】
前記光エネルギ源は、赤外線光エネルギを提供することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項3】
前記可動光エネルギ透過窓が固定される可動器具と、
固定器具であって、
前記固定光エネルギ透過窓は、前記固定器具に固定され、
前記可動器具は、前記固定器具に移動可能に接続され、
第1位置への前記可動器具の動きは、透過サンプル分析中に、前記光エネルギを前記窓の1つ、前記サンプル、及び他の前記窓を通過させるために、前記固定光エネルギ透過窓に対して前記可動光エネルギ透過窓を繰り返しかつ正確に位置合わせするものであり、
第2位置への前記可動器具の動きは、前記窓及び前記サンプルを、容易に近づけられるようにするものである、前記固定器具と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項4】
前記可動光エネルギ透過窓と前記固定光エネルギ透過窓との間の光路長は、前記可動器具が前記第1位置にあるときであっても、維持されることを特徴とする請求項3記載の光分析システム。
【請求項5】
前記可動器具内のチャンバの中へ前記光エネルギを通す、前記可動器具内の入口と、
入ってきた前記光エネルギを、前記入口から前記可動光エネルギ透過窓へ向かわせる、前記チャンバ内に取り付けられた鏡と、
をさらに有することを特徴とする請求項3記載の光分析システム。
【請求項6】
前記可動器具内のチャンバの外へ前記光エネルギを通す、前記可動器具内の出口と、
前記光エネルギを、前記可動光エネルギ透過窓から前記出口へ向かわせる、前記チャンバ内に取り付けられた少なくとも1つの鏡と、
をさらに有することを特徴とする請求項5記載の光分析システム。
【請求項7】
前記可動光エネルギ透過窓を含む可動器具と、
前記固定光エネルギ透過窓を含む固定器具と、
前記可動器具と前記固定器具との間に固定されたベアリングアセンブリと、を有し、
前記可動器具は、前記固定器具の一部分の中で回転することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項8】
前記可動光エネルギ透過窓は、前記サンプルの中及び外へ滑ることを特徴とする請求項7記載の光分析システム。
【請求項9】
前記可動器具は、前記可動光エネルギ透過窓が取り付けられる略凸球状表面部分を有する突出ノーズピ−スアセンブリを含み、
前記略凸球状表面部分は、前記固定光エネルギ透過窓が取り付けられる前記固定器具内の略凹球状表面部分に受け入れられ、
前記固定光エネルギ透過窓と前記可動光エネルギ透過窓との間の既知の経路長を維持している間、前記サンプルを受け入れて収容するために、前記略凸球状表面部分と前期略凹球状表面部分との間に充分な隙間が設けられていることを特徴とする請求項8記載の光分析システム。
【請求項10】
前記可動光エネルギ透過窓を含む可動器具と、
前記固定光エネルギ透過窓を含む固定器具と、
前記可動器具を前記固定器具に枢動可能に固定するヒンジと、を含み、
前記可動器具は、前記固定光エネルギ透過窓の光位置合わせに前記可動器具を置くために、前記固定器具に対して動くとき、前記ヒンジの回りを回転することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項11】
前記検出システムが前記可動器具に装着されていることを特徴とする請求項10記載の光分析システム。
【請求項12】
前記可動光エネルギ透過窓は、前記サンプルと接触する前に、前記サンプルの上方に置かれることを特徴とする請求項10記載の光分析システム。
【請求項13】
サンプルの赤外線透過分析のためのサンプリング装置であって、
可動赤外線透過窓と、
固定赤外線透過窓と、を有し、
前記可動赤外線透過窓は、前記固定赤外線透過窓に対して、かつ隙間を空けて正確に置かれる第1位置を有し、
サンプルが、前記第1位置の前記可動赤外線透過窓と前記固定赤外線透過窓との間の前記隙間に含まれ、
前記窓の1つ、前記サンプル、及び他の前記窓を通って伝送された赤外線エネルギは、その結果として、前記サンプルの赤外線特性で符号化された赤外線エネルギとなり、
前記可動赤外線透過窓は、前記固定赤外線透過窓からの前記サンプルの除去、両方の前記窓の清浄、及び前記固定赤外線透過窓への新たなサンプルの配置を可能にするため、前記窓の両方を露出するための前記固定赤外線透過窓に対する少なくとも第2位置を有することを特徴とする赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項14】
前記可動赤外線透過窓が固定される可動器具と、
前記固定赤外線透過窓が固定される固定器具と、をさらに含み、
前記固定器具の一部分が、前記第1位置内で前記可動器具を前記固定器具に固定するために、前記可動器具内の第1戻り止めの中に選択的に伸び、かつ、前記第1可動透過窓が第2位置にあるときに、前記可動器具内の周辺に隙間のある第2戻り止めの中に選択的に伸びることを特徴とする請求項13記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項15】
前記可動器具に装着された検出システムをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項16】
前記可動器具は、前記第1可動赤外線透過窓の第1及び第2位置の間で、前記固定器具と実質的に平行な軸の回りを、前記可動器具が選択的に回転することを可能にするために、前記固定器具に回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項14記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項17】
前記可動赤外線透過窓は、前記可動赤外線透過窓が前記第1位置の中へ移動するとき、前記サンプルをせん断することを特徴とする請求項16記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項18】
前記固定赤外線透過窓に対する前記可動赤外線透過窓の前記第1位置を、調整可能的に達成する調整可能なセッティングデバイスをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項19】
前記可動赤外線透過窓が固定される可動器具と、
前記固定赤外線透過窓が固定される固定器具と、
前記可動器具を前記固定器具に枢動可能に固定するヒンジと、をさらに含み、
前記可動器具は、前記可動赤外線透過窓が前記第1及び第2位置間を移動するとき、前記ヒンジの回りを回転することを特徴とする請求項13記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項20】
前記可動器具は、前記可動器具内の光の入口から、その第1位置の前記可動赤外線透過窓、前記サンプル、及び前記第2固定赤外線透過窓へ、前記赤外線を伝送するように動作する少なくとも1つの鏡を含み
ことを特徴とする請求項19記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項21】
可動透過窓、サンプル、及び固定光透過窓を含む透過サンプリング装置を通る、光エネルギ源と検出システムとの間の、再現性のある経路長を含む光路を画定するステップと、 前記サンプルの特性で符号化された光エネルギを得るために、前記透過サンプリング装置を通って、前記光路に沿って光エネルギを通過させるステップと、
前記サンプルを分析するための検出システムで、前記符号化された光エネルギを分析するステップと、
サンプルの抽出/挿入及び前記窓の維持のために、前記第1及び第2窓を選択的に露出するステップと、
を有することを特徴とするサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項22】
前記画定するステップは、
前記可動窓が第1位置にあるときに、前記サンプルが前記可動窓と前記固定窓との間にあるような、前記固定透過窓に対する前記第1位置に、前記可動光透過窓をセッティングするステップを含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項23】
前記露出するステップは、
前記可動窓が第2位置にあるときに、前記可動窓及び前記固定窓がお互いに分離され、使用者に対して露出されるるように、前記固定透過窓に対する前記第2位置に、前記可動光透過窓をセッティングするステップを含むことを特徴とする請求項22記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項24】
前記第1位置に前記可動窓をセッティングするステップ、及び前記第2位置に前記可動窓をセッティングするステップは、前記固定窓に対して前記可動窓を動かすステップを含むことを特徴とする請求項23記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項25】
前記光路を画定するステップは、
前記サンプルの光位置合わせの位置に前記可動窓を置くステップを含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項26】
前記可動窓と前記固定窓との間の前記再現性のある経路長を調整するステップをさらに含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項27】
可動器具内に前記可動窓を取り付け、固定器具内に前記固定窓を取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項28】
前記固定器具に対して前記可動器具を回転するステップをさらに含むことを特徴とする請求項27記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項29】
窓のメンテナンス及びサンプルの挿入及び除去を可能にするため、前記固定窓と接近して前記可動窓が光位置合わせの位置にある第1位置に、及び前記可動窓が前記固定窓から分離されている第2位置に、前記可動器具を選択的に保持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項28記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項30】
前記固定器具に対して前記可動器具を枢動するステップをさらに含むことを特徴とする請求項27記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項1】
液体及び固体を分析する透過分光法を利用した光分析システムであって、
光エネルギ源と、
サンプルと、
可動光エネルギ透過窓と、
固定光エネルギ透過窓であって、
前記固定光エネルギ透過窓は、前記光エネルギ源に対して固定されたままであり、
前記サンプルは、前記サンプルを分析するために前記可動光エネルギ透過窓と前記固定光エネルギ透過窓との間に選択的に配置され、
前記光エネルギは、前記サンプルを通して前記光エネルギを伝送した結果としての符号化された光エネルギを得るために、前記窓の1つ、前記サンプル、及び他の前記窓を通して伝送される、前記固定光エネルギ透過窓と、
分析のために前記符号化された光エネルギを受け取る検出システムであって、
前記可動光エネルギ透過窓は、前記窓及び前記サンプルを、繰り返しかつ正確に位置合わせして容易に近づけられるようにするために、前記固定光エネルギ透過窓に対して選択的に移動可能である、前記検出システムと、
を有することを特徴とする光分析システム。
【請求項2】
前記光エネルギ源は、赤外線光エネルギを提供することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項3】
前記可動光エネルギ透過窓が固定される可動器具と、
固定器具であって、
前記固定光エネルギ透過窓は、前記固定器具に固定され、
前記可動器具は、前記固定器具に移動可能に接続され、
第1位置への前記可動器具の動きは、透過サンプル分析中に、前記光エネルギを前記窓の1つ、前記サンプル、及び他の前記窓を通過させるために、前記固定光エネルギ透過窓に対して前記可動光エネルギ透過窓を繰り返しかつ正確に位置合わせするものであり、
第2位置への前記可動器具の動きは、前記窓及び前記サンプルを、容易に近づけられるようにするものである、前記固定器具と、
をさらに有することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項4】
前記可動光エネルギ透過窓と前記固定光エネルギ透過窓との間の光路長は、前記可動器具が前記第1位置にあるときであっても、維持されることを特徴とする請求項3記載の光分析システム。
【請求項5】
前記可動器具内のチャンバの中へ前記光エネルギを通す、前記可動器具内の入口と、
入ってきた前記光エネルギを、前記入口から前記可動光エネルギ透過窓へ向かわせる、前記チャンバ内に取り付けられた鏡と、
をさらに有することを特徴とする請求項3記載の光分析システム。
【請求項6】
前記可動器具内のチャンバの外へ前記光エネルギを通す、前記可動器具内の出口と、
前記光エネルギを、前記可動光エネルギ透過窓から前記出口へ向かわせる、前記チャンバ内に取り付けられた少なくとも1つの鏡と、
をさらに有することを特徴とする請求項5記載の光分析システム。
【請求項7】
前記可動光エネルギ透過窓を含む可動器具と、
前記固定光エネルギ透過窓を含む固定器具と、
前記可動器具と前記固定器具との間に固定されたベアリングアセンブリと、を有し、
前記可動器具は、前記固定器具の一部分の中で回転することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項8】
前記可動光エネルギ透過窓は、前記サンプルの中及び外へ滑ることを特徴とする請求項7記載の光分析システム。
【請求項9】
前記可動器具は、前記可動光エネルギ透過窓が取り付けられる略凸球状表面部分を有する突出ノーズピ−スアセンブリを含み、
前記略凸球状表面部分は、前記固定光エネルギ透過窓が取り付けられる前記固定器具内の略凹球状表面部分に受け入れられ、
前記固定光エネルギ透過窓と前記可動光エネルギ透過窓との間の既知の経路長を維持している間、前記サンプルを受け入れて収容するために、前記略凸球状表面部分と前期略凹球状表面部分との間に充分な隙間が設けられていることを特徴とする請求項8記載の光分析システム。
【請求項10】
前記可動光エネルギ透過窓を含む可動器具と、
前記固定光エネルギ透過窓を含む固定器具と、
前記可動器具を前記固定器具に枢動可能に固定するヒンジと、を含み、
前記可動器具は、前記固定光エネルギ透過窓の光位置合わせに前記可動器具を置くために、前記固定器具に対して動くとき、前記ヒンジの回りを回転することを特徴とする請求項1記載の光分析システム。
【請求項11】
前記検出システムが前記可動器具に装着されていることを特徴とする請求項10記載の光分析システム。
【請求項12】
前記可動光エネルギ透過窓は、前記サンプルと接触する前に、前記サンプルの上方に置かれることを特徴とする請求項10記載の光分析システム。
【請求項13】
サンプルの赤外線透過分析のためのサンプリング装置であって、
可動赤外線透過窓と、
固定赤外線透過窓と、を有し、
前記可動赤外線透過窓は、前記固定赤外線透過窓に対して、かつ隙間を空けて正確に置かれる第1位置を有し、
サンプルが、前記第1位置の前記可動赤外線透過窓と前記固定赤外線透過窓との間の前記隙間に含まれ、
前記窓の1つ、前記サンプル、及び他の前記窓を通って伝送された赤外線エネルギは、その結果として、前記サンプルの赤外線特性で符号化された赤外線エネルギとなり、
前記可動赤外線透過窓は、前記固定赤外線透過窓からの前記サンプルの除去、両方の前記窓の清浄、及び前記固定赤外線透過窓への新たなサンプルの配置を可能にするため、前記窓の両方を露出するための前記固定赤外線透過窓に対する少なくとも第2位置を有することを特徴とする赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項14】
前記可動赤外線透過窓が固定される可動器具と、
前記固定赤外線透過窓が固定される固定器具と、をさらに含み、
前記固定器具の一部分が、前記第1位置内で前記可動器具を前記固定器具に固定するために、前記可動器具内の第1戻り止めの中に選択的に伸び、かつ、前記第1可動透過窓が第2位置にあるときに、前記可動器具内の周辺に隙間のある第2戻り止めの中に選択的に伸びることを特徴とする請求項13記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項15】
前記可動器具に装着された検出システムをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項16】
前記可動器具は、前記第1可動赤外線透過窓の第1及び第2位置の間で、前記固定器具と実質的に平行な軸の回りを、前記可動器具が選択的に回転することを可能にするために、前記固定器具に回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項14記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項17】
前記可動赤外線透過窓は、前記可動赤外線透過窓が前記第1位置の中へ移動するとき、前記サンプルをせん断することを特徴とする請求項16記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項18】
前記固定赤外線透過窓に対する前記可動赤外線透過窓の前記第1位置を、調整可能的に達成する調整可能なセッティングデバイスをさらに含むことを特徴とする請求項14記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項19】
前記可動赤外線透過窓が固定される可動器具と、
前記固定赤外線透過窓が固定される固定器具と、
前記可動器具を前記固定器具に枢動可能に固定するヒンジと、をさらに含み、
前記可動器具は、前記可動赤外線透過窓が前記第1及び第2位置間を移動するとき、前記ヒンジの回りを回転することを特徴とする請求項13記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項20】
前記可動器具は、前記可動器具内の光の入口から、その第1位置の前記可動赤外線透過窓、前記サンプル、及び前記第2固定赤外線透過窓へ、前記赤外線を伝送するように動作する少なくとも1つの鏡を含み
ことを特徴とする請求項19記載の赤外線透過分析のサンプリング装置。
【請求項21】
可動透過窓、サンプル、及び固定光透過窓を含む透過サンプリング装置を通る、光エネルギ源と検出システムとの間の、再現性のある経路長を含む光路を画定するステップと、 前記サンプルの特性で符号化された光エネルギを得るために、前記透過サンプリング装置を通って、前記光路に沿って光エネルギを通過させるステップと、
前記サンプルを分析するための検出システムで、前記符号化された光エネルギを分析するステップと、
サンプルの抽出/挿入及び前記窓の維持のために、前記第1及び第2窓を選択的に露出するステップと、
を有することを特徴とするサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項22】
前記画定するステップは、
前記可動窓が第1位置にあるときに、前記サンプルが前記可動窓と前記固定窓との間にあるような、前記固定透過窓に対する前記第1位置に、前記可動光透過窓をセッティングするステップを含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項23】
前記露出するステップは、
前記可動窓が第2位置にあるときに、前記可動窓及び前記固定窓がお互いに分離され、使用者に対して露出されるるように、前記固定透過窓に対する前記第2位置に、前記可動光透過窓をセッティングするステップを含むことを特徴とする請求項22記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項24】
前記第1位置に前記可動窓をセッティングするステップ、及び前記第2位置に前記可動窓をセッティングするステップは、前記固定窓に対して前記可動窓を動かすステップを含むことを特徴とする請求項23記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項25】
前記光路を画定するステップは、
前記サンプルの光位置合わせの位置に前記可動窓を置くステップを含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項26】
前記可動窓と前記固定窓との間の前記再現性のある経路長を調整するステップをさらに含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項27】
可動器具内に前記可動窓を取り付け、固定器具内に前記固定窓を取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする請求項21記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項28】
前記固定器具に対して前記可動器具を回転するステップをさらに含むことを特徴とする請求項27記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項29】
窓のメンテナンス及びサンプルの挿入及び除去を可能にするため、前記固定窓と接近して前記可動窓が光位置合わせの位置にある第1位置に、及び前記可動窓が前記固定窓から分離されている第2位置に、前記可動器具を選択的に保持するステップをさらに含むことを特徴とする請求項28記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【請求項30】
前記固定器具に対して前記可動器具を枢動するステップをさらに含むことを特徴とする請求項27記載のサンプルの赤外線透過分析を実施する方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【公表番号】特表2009−544943(P2009−544943A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520950(P2009−520950)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/073658
【国際公開番号】WO2008/011393
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509020011)サス フォトニックス リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/073658
【国際公開番号】WO2008/011393
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509020011)サス フォトニックス リミテッド ライアビリティ カンパニー (2)
【Fターム(参考)】
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