説明

光学シート及びその製造方法とバックライトモジュール

【課題】均一な光学効果を有する直下型バックライトモジュールを提供する。
【解決手段】光学シート24は、入射光を受けることに用い、入射光の光学経路を変化させ光線フォーカスの効果を発生する。光学シート24は、1つの本体241と、複数のフレネル(Fresnel Lens)レンズユニット242と、複数の反射構造243と、を含む。そのうち、本体241は、相対する1つの入光面241B及び1つの出光面241Aを含み、入光面241Bは、入射光を受けることに用い、入射光が入光面241Bに入射する時、一定の入射角度を呈する。本体241は、1つの屈折率niを有し、iが正の整数であり、単一材料(この時i=1)又は任意の2種以上(この時i>1)の異なる屈折率niの相互に異なる材料から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学分野に関し、特に、光学シート及びその製造方法及びバックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、直下型バックライトモジュールは、主に比較的大きな寸法の液晶ディスプレイに用い、直下型バックライトモジュールの最大の特徴は、光源装置を光学シートの直下に設置することである。図1は、台湾専利I264596号の直下型バックライトモジュールの説明図であり、直下型バックライトモジュール1は、フレーム11と、光学装置12と、ランプグローブ13と、フレネルレンズ14と、を含む。図1に示すように、光線が光源装置12から出力された後、一部分がフレネルレンズ14に直接入射し、他部分がランプグローブ13により反射され、フレネルレンズ14に間接入射する。フレネルレンズ14を利用し、光学経路に対して収束を行い、光線フォーカスの効果を発生し、フレネルレンズ14に入射した光線は、平行に出光面14Aから出力される。
【0003】
本発明を実現する過程において、発明者は、現有技術に少なくとも以下の問題が存在することを発見している:
フレネルレンズ14を応用した直下型バックライトモジュール1は、光線が入射する角度及び光線進行方向に対して選択を行なっていないので、光源装置12が発生する光エネルギー量を十分に利用できず、大面積の液晶パネルに均一な光学効果を提供することを実現することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
均一な光学効果を有する直下型バックライトモジュールを提供する為、方向性光学経路を有する大面積液晶パネルを提供する。本発明の実施例は、光学シート及びその製造方法とバックライトモジュールを提供する。その技術試案は、以下の通りである。
【0006】
本発明の実施例は、1つの光源が投射する1つの入射光を受けることに用い、1つの本体と、複数の反射構造と、複数のフレネルレンズ(Fresnel lens)ユニットと、を含む光学シートを提供する。
【0007】
前記本体は、相対する1つの入光面及び1つの出光面を含み、前記入光面は、前記入射光を受けることに用い、且つ前記入射光と一定の入射角を呈し、前記本体は、少なくとも1つの屈折率nを有し、iが正の整数である。
【0008】
前記複数の反射構造は、前記本体中に位置し、且つ2つの相互に隣接する反射構造間に間隔Wを有し、各反射構造は、前記入射光が入射する方向に沿って厚さtを有する。
【0009】
複数のフレネルレンズユニットは、各フレネルレンズユニットが前記出光面上に配置され、且つ前記フレネルレンズユニットは、前記出光面の方向に沿って幅Pを有し、且つ前記各フレネルレンズユニットは、何れも前記間隔Wと相互に対応する。公式:
【数1】

を満足する時、前記入射光が前記間隔Wを通過し、且つ前記厚さtに基づき、前記入射角を調整し、前記複数のフレネルレンズユニットが前記入射光の光学経路に対して収束を行なう。
【0010】
更に、前記光学シートは、そのうち、前記本体の材料がポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate,PET)、ポリカーボネイト(Polycarbonate,PC)、トリアセチルセルロース(Tri-acetyl Cellulose,TAC)、ポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate,PMMA)、メタクリレートスチレン(Methylmethacrylate styrene)、ポリスチレン(Polystyrene,PS)又は環状オレフィンコポリマー(Cyclic Olefin Copolymer,COC)中の任意の一種の材料又は相互に異なる任意の2種以上を含む材料である。
【0011】
更に、前記光学シートは、そのうち、前記各フレネルレンズユニットが更に複数のフレネルレンズ体を含み、且つ各フレネルレンズ体が第1端点及び第2端点を有し、前記フレネルレンズ体及び他のフレネルレンズ体がそれぞれ前記第2端点の両側に位置し、且つ複数の第1端点が1つの直線を形成するよう配列され、前記第2端点が前記直線と高さを隔て、2つの相互に隣接する第2端点の高さが異なり、且つ相互に隣接するフレネルレンズユニットの第1端点の高さが同一である。
【0012】
更に、前記光学シートは、そのうち、前記間隔W及び前記幅Pの比値の範囲が0.2〜0.5である。
【0013】
更に、前記光学シートは、そのうち、前記出光面及び前記入光面が相互に距離Tを隔て、前記距離T及び前記幅Pの比値の範囲が0.8〜1.2である。
【0014】
本発明の実施例は、以下のステップ:
先ず、1つの上表面と1つの下表面を有する透明基材と、1つの固化樹脂と、1つの鋳型と、複数の反射構造と、を提供する;
次に、前記固化樹脂を前記透明基材の上表面に塗布する;
続いて、前記鋳型の表面上の複数のパターンを運用し、固化樹脂を圧印し、相対する複数のフレネルレンズユニットを作り出す;
その後、前記固化樹脂上の複数のフレネルレンズユニットを硬化させる;
最後に、前記複数の反射構造を前記透明基材の下表面に接続する;
を含む光学シートの固化製造方法を提供する。
【0015】
更に、前記光学シートの固化製造方法は、そのうち、固化樹脂が紫外光固化樹脂(UV curable resin)又は熱固化樹脂(Thermal-plastic resin)である。
【0016】
更に、前記光学シートの固化製造方法は、そのうち、複数の反射構造の接続が貼合法接続又はスクリーン印刷法接続である。
【0017】
本発明の実施例は、以下のステップ:
先ず、1つの上表面及び1つの下表面を有する透明基材と、1つの鋳型と、複数の反射構造と、を提供し、光学シートの押し出し成型製造方法を提供する;
次に、前記鋳型の表面上の複数のパターンを運用し、前記透明基材を圧印し、前記透明基材の上表面に相対する複数のフレネルレンズユニットを作り出し、
最後に、前記複数の反射構造を前記透明基材の下表面に接続する;
を含む光学シートの押し出し成型製造方法を提供する。
【0018】
本発明の実施例は、複数の光源装置と、1つの光学フィルムと、1つの光学シートと、を含むバックライトモジュールを提供する。
【0019】
複数の光源装置は、2つの入射光を発生することに用いる。
【0020】
前記光学フィルムは、前記光学シートの前記光源装置に相対する他側に設置され、前記入射光の光学経路に対して修正を行なうことに用いる。
【0021】
前記光学シートは、光源装置が投射する入射光を受けることに用い、1つの本体と、複数の反射構造と、複数のフレネルレンズ(Fresnel lens)ユニットと、を含む。
【0022】
そのうち、前記本体は、相対する1つの入光面及び1つの出光面を含み、前記入光面は、前記入射光を受けることに用い、且つ前記入射光と一定の入射角を呈し、前記本体は、少なくとも1つの屈折率nを有し、iが正の整数である。
【0023】
前記複数の反射構造は、前記本体中に位置し、且つ2つの相互に隣接する反射構造間に間隔Wを有し、各反射構造は、前記入射光が入射する方向に沿って1つの厚さtを有する。
【0024】
前記複数のフレネルレンズ(Fresnel lens)ユニットは、各フレネルレンズユニットが前記出光面上に配置され、且つ前記フレネルレンズユニットは、前記出光面の方向上に沿って幅Pを有し、且つ前記各フレネルレンズユニットは、何れも前記間隔Wと相互に対応する。公式:
【数2】

を満足する時、前記入射光が前記間隔Wを通過し、且つ前記厚さtに基づき、前記入射角を調整し、前記複数のフレネルレンズユニットによって前記入射光の光学経路に対して収束を行なう。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例が提供する技術試案の有益効果は以下の通りである:
本発明の実施例が提供する光学シート又は前記光学シートを使用するバックライトモジュールは、比較的大きな光強度、及び比較的良好な準直能力(Collimated ability)を提供することができ、より良好な光学性能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】台湾専利I264596号の直下型バックライトモジュールの説明図である。
【図2】本発明の光学シートの実施例の説明図である。
【図3A】本発明の光学シートのフレネルレンズユニットの第1実施例の説明図である。
【図3B】本発明の光学シートのフレネルレンズユニットの第2実施例の説明図である。
【図4】本発明の光学シートを使用するバックライトモジュールの実施例の説明図である。
【図5】本発明の実施例の光学シートの異なるT/P値の条件下の光学性能測定図である。
【図6】本発明の実施例の光学シートの異なる開口率の条件下の光学性能測定図である。
【図7】本発明の実施例のフレネルレンズを応用した光学シートおよび従来の増光膜の光学性能測定の比較図である。
【図8】本発明の実施例の光学シートの異なる反射構造の厚さの条件下の光学性能測定図である。
【図9】本発明の実施例の光学シートと従来の増光膜の垂直視角における光学性能測定の比較図である。
【図10】本発明の実施例の光学シートと従来の増光膜の水平視角における光学性能測定の比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、技術試案及び利点をより明確にする為、以下に図面に併せて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0028】
図2は、本発明の光学シートの実施例の説明図である。光学シート24は、入射光を受けることに用い、入射光の光学経路を変化させ光線フォーカスの効果を発生する。光学シート24は、1つの本体241と、複数のフレネル(Fresnel Lens)レンズユニット242と、複数の反射構造243と、を含む。そのうち、本体241は、相対する1つの入光面241B及び1つの出光面241Aを含み、入光面241Bは、入射光を受けることに用い、入射光が入光面241Bに入射する時、一定の入射角度を呈する。本体241は、1つの屈折率nを有し、iが正の整数であり、単一材料(この時i=1)又は任意の2種以上(この時i>1)の異なる屈折率nの相互に異なる材料から構成されることができ、よく使用される材料は、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate,PET)、ポリカーボネイト(Polycarbonate,PC)、トリアセチルセルロース(Tri-acetyl Cellulose,TAC)、ポリメチルメタクリレート(Polymethylmethacrylate,PMMA)、メタクリレートスチレン(Methylmethacrylate styrene)、ポリスチレン(Polystyrene,PS)又は環状オレフィンコポリマー(Cyclic Olefin Copolymer,COC)等の可透光の材料である。フレネルレンズユニット242は、出光面241A上に配置され、入射した光線に対してフォーカスの効果を発生することに用いる。各フレネルレンズユニット242の構造外形は、何れも同一であるので、複数のフレネルレンズユニット242の組み合わせによって、本発明の実施例の光学シート24を寸法の大きな液晶パネルに応用することができる。複数の反射構造243の材料は、二酸化チタン、二酸化シリコン又は酸化マグネシウムの化合物であることができる。複数の反射構造243は、本体241の入光面241B側に設置され、且つ2つの相互に隣接する反射構造243間に間隔Wを有し、各反射構造243は、入射光が入射する方向に沿って厚さtを有し、また、光学シート24の出光面241A及び入光面241B間に距離Tを隔て、フレネルレンズユニット242は、本体241の水平方向に沿って幅Pを有する。入射光が複数の反射構造243の間隔を通過する時、厚さtに基づき光線の入射角を調整し、複数のフレネルレンズユニット242によって入射光の光学経路に対して収束を行い、光線に対してフォーカスする目的を達成し、公式:
【数3】

を満足する時、光学シート24を垂直視角及び水平視角において、均一な光強度を得られるようにすることができる。
【0029】
当業者に本発明の光学シートの技術的特徴をより明確に理解させる為、フレネルレンズユニットの構造及びフォーカス原理をここで詳細に説明する。図2及び図3Aを同時に参照し、図3Aは、本発明の光学シートのフレネルレンズユニットの第1実施例の説明図である。図3Aに示すように、フレネルレンズユニット242は、アブラナティックレンズであり、その光学作用は、通常の凸レンズに相当し、光線に対しフォーカスを行なうことに用いることができる。その利点は、フレネルレンズユニットが凸レンズと比べて薄く、重量が軽く、機械構造上の取り付け設置の補助となることである。フレネルレンズユニット242は、複数のフレネルレンズ体2421を含み、これらフレネルレンズ体2421の外形がそれぞれ異なる。各フレネルレンズ体2421が第1端点2421A及び第2端点2421Bを有し、且つ2つのフレネルレンズ体2421は、それぞれ第2端点2421Bの両側に配置される。複数の第2端点2421Bは、高さが同一な1つの直線を形成するように配列され、第1端点2421Aは、該直線と高さを隔て、且つ2つの相互に隣接する第1端点2421Aの高さが同一でない。また、各フレネルレンズ体2421は、更に第1屈折面2421C及び第2屈折面2421Dを含み、第1屈折面2421C及び第2屈折面2421Dは、それぞれ水平線と第1角度(θ1)及び第2角度(θ2)を挟み有する。各フレネルレンズ体2421は、主に、複数の第1屈折面2421Cを利用し、入射光線をフォーカスし、第1屈折面2421Cは、入射した光線(L1)を屈折することができ、光線(L1)を屈折させた後、出光面241Aへ垂直に出力する。第1屈折面2421Cは、曲面型であることができるが、加工に便利である為、平面型に置き換えることもでき、平面型の第1屈折面2421Cは、光学シート24のフォーカス機能を大きな影響を及ぼさない。また、従来のフレネルレンズの第2屈折面2421D’は、垂直な平面であり、その垂直形式の第2屈折面2421D’は、ここでは点線で表示する。工程を節約する為、第2屈折面2421Dを傾斜設計し、この傾斜形式の第2屈折面2421Dは、実線で表示する。従来の形式の第2屈折面2421D’は、入射角度が大きすぎるので、入射する光線(L2)が全反射を発生し、出力する光線(L2)が出光面241Aに出力できなくなり、光エネルギー量を浪費する。本発明の第2屈折面2421Dは、入射角度を適度に調整し、同一方向に入射する光線(L3)を屈折方式で出力し、光線(L3)を出光面241Aへ垂直に出力し、光エネルギー量を完全に利用させる。フレネルレンズユニット242中、異なる位置に分布する複数のフレネルレンズ体2421を有し、これらフレネルレンズ体2421は、異なる輪郭を有し、これら第1角度(θ1)の大きさを分布位置の違いにより異ならせる。
【0030】
前記光学シートは、出光の光強度を増加することができ、従来の光学シートの光学性能を改善する。本発明が達成する効果を公開する為、光学シートの構造の特徴に基づき、複数の性能実験測定を行い、これにより本発明の創造性を証明する。
【0031】
先ず、図5は、本発明の実施例の光学シートの異なるT/P値の条件下の光学性能測定図であり、距離T及びフレネルレンズユニットの幅Pの比値に対し行った光学シミュレーション測定であり、光学シートが異なるアナログパラメータの状況下で呈する光学性能を表すことに用いる。図5に示すように、横座標が−90〜+90度の間の異なる視角を表し、縦座標が光強度(Light Intensity)値を表す。T/P値が0.6である時、光学シートの光強度が約300カンデラである。但し、T/P値が0.6〜1.2である時、光学シートの光強度が375カンデラ以上に到達することができ、且つT/P値が1.0である時、光学シートの光強度が500カンデラであり、最高となる。従って、本性能測定から距離T及び幅Pの比値の最も良好な範囲が0.8〜1.0であることが得られる。
【0032】
その次に、図6は、本発明の実施例の光学シートの異なる開口率の条件下の光学性能測定図であり、反射構造の開口率(Opening Ratio,反射構造の相互間隔W及びフレネルレンズユニットの幅Pの比値)による光学性能測定図であり、光学シートの−90〜+90度の間の異なる視角の光強度値を表すことに用いる。図6に示すように、従来の増光膜(Brightness Enhancement Film,BEF)を使用時の光強度は、400カンデラに達しない。本発明の光学シートで行った性能測定では、光学シートの構造寸法の比率の調整に基づき、開口率(W/P値)を0.2〜0.5とする時、光学シートの光強度は、何れも略従来の増光膜より高く、400〜450カンデラに達し、開口率が0.2である時、光強度が更に600カンデラに到達することができる。従って、本性能測定から、間隔W及び幅Pの比値の最も良好な範囲が0.3〜0.4であることが分かる。
【0033】
図7は、本発明の実施例のフレネルレンズ(Fresnel Lens)を応用した光学シート及び従来の増光膜の光学性能の測定比較図である。図7に示すように、フレネルレンズの曲線は、通常の垂直式第2屈折面のシミュレーションデータを表すものであり、修正型フレネルレンズの曲線は、傾斜式第2屈折面のシミュレーションデータを表すものである。図7から分かるように、従来の増光膜を使用時の光強度は、400カンデラに達していないが、フレネルレンズを応用した光学シートの光強度は、従来の増光膜よりも高く、且つ傾斜式第2屈折面の修正型フレネルレンズの光強度は、更に600カンデラに達することができる。図7のシミュレーションデータが強調する物理的意義は、フレネルレンズを応用した光学シートの準直能力(Collimated ability)が従来の増光膜の準直能力より高く、10〜30%に達することができることにある。従って、本実験から本発明の構造の特徴が達成できる効果が分かる。
【0034】
続いて、反射構造に対して、厚さtに基づき入射光が入射する角度を調整することができる。ここでは、以下の公式を提供し、本発明の光学シートの構造の特徴を制限することに用いる。
【数4】

【0035】
光学シートの構造の特徴が上記公式を満足する時、本発明の光学シートに良好な光強度を持たせることができる。上記公式を満足する制限の実験パラメータによる光学性能測定は、図8に示すようであり、図8は、本発明の実施例の光学シートの異なる反射構造の厚さの条件下の光学性能測定図である。図8から分かるように、反射構造は、20μm〜500μm(マイクロメートル)が何れも公式の要求を満足でき、光学シートの光強度が450〜500カンデラに達する。
【0036】
最後に、本発明の光学性能が従来の増光膜よりも優れていることを証明する為、本発明の光学シートが出力する光エネルギー量を垂直視角と水平視角に分ける。図9及び図10において、図9は、本発明の実施例の光学シート及び従来の増光膜の垂直視角上の光学性能の測定比較図であり、図10は、本発明の実施例の光学シート及び従来の増光膜の水平視角上の光学性能の測定比較図である。図9及び図10から分かるように、本発明の実施例の光学シートは、垂直視角及び水平視角において、いずれも比較的大きな光強度を得ることができ、本発明のフォーカス能力が従来の増光膜よりも優れている。また、図10から、本発明の水平視角が従来の増光膜よりも広いことが分かる。
【0037】
また、ここでは、上記光学シートを使用したバックライトモジュールと公開し、当業者に本発明の応用を明確に理解させる。図2、図3A及び図4を同時に参照し、図4は、本発明の光学シートを使用するバックライトモジュールの実施例の説明図である。図4に示すように、バックライトモジュール2は、フレーム21と、複数の光源装置22と、光学シート24と、光学フィルム25と、を含む。そのうち、フレーム21は、光学シート24を支持し、これら光学装置22を収容することに用いる。光源装置22は、冷陰極蛍光灯管(CCFL,Cold Cathode Fluorescent Lamps)、発光ダイオード(LED,Light Emitting Diode)、平面光源(FFL,Flat Fluorescent Lamp)、外部電極蛍光灯管(EEFL,External Electrode Fluorescent Lamp)又は熱陰極蛍光灯管(HCFL,Hot Cathode Fluorescent Lamp)であることができる。光源装置22が出力する光線が反射構造間の間隔から光学シート24内部に入射し、フレネルレンズユニット242のフォーカス収束を経た後、光線が出光面241Aに垂直に出力され、光学フィルム25によりその光線の光学経路に対して修正が行われる。
【0038】
続いて、ここでは、光学シートのフレネルレンズユニットの他の実施例を公開する。図3Bは、本発明の光学シートのフレネルレンズユニットの第2実施例の説明図である。図3Bに示すように、フレネルレンズユニット342は、フレネルレンズ(Fresnel Lens)を採用し、光線に対してフォーカスを行うことに用いる。フレネルレンズユニット342は、複数のフレネルレンズ体3421を含み、各フレネルレンズ体342は、第1端点3421A及び第2端点3421Bを有し、且つ2つのフレネルレンズ体3421は、それぞれ該第2端点3421Bの両側にそれぞれ位置する。複数の第1端点3421Aは、高さが同一の1つの直線を形成するよう配列され、第2端点3421Bは、該直線と高さを隔て、且つ2つの相互に隣接する第2端点3421Bの高さが異なる。本実施例は、該異なる構造に基づき、前記第1実施例のフレネルレンズユニット242と相違する機能を達成することができる。
【0039】
次に、本発明の光学シートの固化製造方法を紹介する。そのステップは、以下を含む:先ず、1つの上表面と1つの下表面を有する透明基材と、1つの固化樹脂と、1つの鋳型と、複数の反射構造と、を提供する;そのうち、鋳型は、ローラ(Roller)又は平板鋳型であることができ、固化樹脂は、紫外光固化樹脂(UV curable resin)又は熱固化樹脂(Thermal plastic resin)であることができる。次に、固化樹脂を透明基材の上表面に塗布する。その後、鋳型の表面上の複数のパターンを運用し、固化樹脂を圧印し、相対する複数のフレネルレンズユニットを作り出す。続いて、固化樹脂上の複数のフレネルレンズユニットを硬化させる。最後に、貼合法又はスクリーン印刷法で複数の反射構造を透明基材の下表面に接続し、1つの前記光学シートを製造することができる。
【0040】
当然、当業者は、光学シートの押し出し成型製造方法を用いて前記の光学シートを製造することもでき、そのステップは、先ず、1つの上表面及び1つの下表面を有する透明基材と、1つの鋳型と、複数の反射構造と、を提供し、光学シートの押し出し成型製造方法を提供する。次に、鋳型の表面上の複数のパターンを運用し、透明基材を圧印し、透明基材の上表面に相対する複数のフレネルレンズユニットを作り出す。最後に、前記複数の反射構造を前記透明基材の下表面に接続し、1つの前記光学シートを製造することができる。
【0041】
なお、本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない均等の範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
<従来技術>
1 直下型バックライトモジュール
11 フレーム
12 光源装置
13 ランプグローブ
14 フレネルレンズ
14A 出光面
2 バックライトモジュール
21 フレーム
22 光源装置
24 光学シート
241 本体
241A 出光面
241B 入光面
242 フレネルレンズユニット
2421 フレネルレンズ体
2421A 第1端点
2421B 第2端点
2421C 第1屈折面
2421D,2421D’ 第2屈折面
243 反射構造
25 光学フィルム
θ1 第1角度
θ2 第2角度
L1,L2,L3 光線
342 フレネルレンズユニット
3421 フレネルレンズ体
3421A 第1端点
3421B 第2端点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの光源が投射する1つの入射光を受けることに用いる光学シートであって、前記光学シートは、1つの本体と、複数の反射構造と、複数のフレネルレンズユニットと、を含み、
前記1つの本体は、相対する1つの入光面及び1つの出光面を含み、前記入光面は、前記入射光を受けることに用い、且つ前記入射光と一定の入射角を呈し、前記本体は、少なくとも1つの屈折率nを有し、iが正の整数であり、
前記複数の反射構造は、前記本体中に位置し、且つ2つの相互に隣接する反射構造間に間隔Wを有し、各反射構造は、前記入射光が入射する方向に沿って厚さtを有し、
前記複数のフレネルレンズユニットは、各フレネルレンズユニットが前記出光面上に配置され、且つ前記フレネルレンズユニットは、前記出光面の方向に沿って幅Pを有し、前記各フレネルレンズユニットは、何れも前記間隔Wと相互に対応し、公式:
【数5】


を満足する時、前記入射光が前記間隔Wを通過し、且つ前記厚さtに基づき、前記入射角を調整し、前記複数のフレネルレンズユニットが前記入射光の光学経路に対して収束を行なうことを特徴とする光学シート。
【請求項2】
前記本体の材料が、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、トリアセチルセルロース、ポリメチルメタクリレート、メタクリレートスチレン、ポリスチレン又は環状オレフィンコポリマー中の任意の一種の材料又は相互に異なる任意の2種以上を含む材料であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項3】
前記各フレネルレンズユニットが更に複数のフレネルレンズ体を含み、且つ各フレネルレンズ体が第1端点及び第2端点を有し、前記フレネルレンズ体及び他のフレネルレンズ体がそれぞれ前記第2端点の両側に位置し、且つ複数の第1端点が1つの直線を形成するよう配列され、前記第2端点が前記直線と高さを隔て、2つの相互に隣接する第2端点の高さが異なり、且つ相互に隣接するフレネルレンズユニットの第1端点の高さが同一であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項4】
前記間隔W及び前記幅Pの比値の範囲が0.2〜0.5であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項5】
前記出光面及び前記入光面が相互に距離Tを隔て、前記距離T及び前記幅Pの比値の範囲が0.8〜1.2であることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項6】
1つの上表面と1つの下表面を有する透明基材と、1つの固化樹脂と、1つの鋳型と、複数の反射構造と、を提供することと、
前記固化樹脂を前記透明基材の上表面に塗布することと、
前記鋳型の表面上の複数のパターンを運用し、固化樹脂を圧印し、相対する複数のフレネルレンズユニットを作り出すことと、
前記固化樹脂上の複数のフレネルレンズユニットを硬化させることと、
前記複数の反射構造を前記透明基材の下表面に接続することと、
を含む光学シートの固化製造方法。
【請求項7】
前記固化樹脂が紫外光固化樹脂又は熱固化樹脂であることを特徴とする請求項6記載の光学シートの固化製造方法。
【請求項8】
前記複数の反射構造の接続が貼合法接続又はスクリーン印刷法接続であることを特徴とする請求項6記載の光学シートの固化製造方法。
【請求項9】
1つの上表面及び1つの下表面を有する透明基材と、1つの鋳型と、複数の反射構造と、を提供し、光学シートの押し出し成型製造方法を提供することと、
前記鋳型の表面上の複数のパターンを運用し、前記透明基材を圧印し、前記透明基材の上表面に相対する複数のフレネルレンズユニットを作り出すことと、
最後に、前記複数の反射構造を前記透明基材の下表面に接続することと、
を含む光学シートの押し出し成型製造方法。
【請求項10】
複数の光源装置と、1つの光学フィルムと、1つの光学シートと、1つの光学フィルムと、を含み、前記複数の光源装置が投射する入射光を受けることに用いるバックライトモジュールであって、
前記光学シートは、1つの本体と、複数の反射構造と、複数のフレネルレンズユニットと、を含み、
前記1つの本体は、相対する1つの入光面及び1つの出光面を含み、前記入光面は、前記入射光を受けることに用い、且つ前記入射光と一定の入射角を呈し、前記本体が少なくとも1つの屈折率nを有し、iが正の整数であり、
前記複数の反射構造は、前記本体中に位置し、且つ2つの相互に隣接する反射構造間に間隔Wを有し、各反射構造は、前記入射光が入射する方向に沿って1つの厚さtを有し、
前記複数のフレネルレンズ(Fresnel lens)ユニットは、各フレネルレンズユニットが前記出光面上に配置され、且つ前記フレネルレンズユニットは、前記出光面の方向上に沿って幅Pを有し、且つ前記各フレネルレンズユニットは、何れも前記間隔Wと相互に対応する。公式:
【数6】

を満足する時、前記入射光が前記間隔Wを通過し、且つ前記厚さtに基づき、前記入射角を調整し、前記複数のフレネルレンズユニットによって前記入射光の光学経路に対して収束を行ない、
前記1つの光学フィルムは、前記光学シートの前記光源装置に相対する他側に設置され、前記光学フィルムは、前記入射光の光学経路に対して修正を行なうことに用いることを特徴とするバックライトモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−100037(P2011−100037A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255642(P2009−255642)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(507296827)穎台科技股▲ふん▼有限公司 (11)
【Fターム(参考)】