説明

光学データストレージの方法

本発明は、光学データストレージデバイスにデータを格納する方法を提供する。この方法は、情報を符号化し、その符号化された情報のマルチチャンネル回折格子構造を決定する工程を含む。この方法は、さらに、格子構造を光学導波路に適用することであって、使用によりマルチチャンネル回折格子が光学導波路を通過する光学放射のプロパティの変化をもたらす工程を含む。そのプロパティの変化が、符号化された情報を示す特性となる。本発明は、さらに、マルチチャンネル回折格子を備える光学リードオンリーメモリを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲には、光学データストレージおよび光学リードオンリーメモリの方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
設置されようとしている光ファイバの総数は、絶えず増え続けている。大都市エリアでは、すでに光ファイバのネットワークが密集している。例えば、交換ステーションでは、しばしば、何百ものファイバが枝分かれしたり、交差したりしている。したがって、ファイバネットワークの設置および人の手での経路の変更は、難しい作業であり、間違いが生じることがある。光ファイバは、大抵、識別できるようにマークされているが、ファイバ上のバーコードは適当なマーキングであっても、それらを現場で識別することでは、理想的なものではない。光ファイバは、しばしば、(何百)キロメータといった、とても長い長さを有しており、光ファイバを確認したい任意の位置で識別できるようにするためには、多くのバーコードをファイバの途中に取り付ける必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ファイバにコードを付す、より良い方法が求められており、そのために、ファイバと関連したデータを格納し、多くのバーコードを用いなくても、異なる位置でファイバを識別することができるより良い方法が求められている。
【0004】
さらに、ファイバを通って導かれる光学放射は、符号化された情報として伝送することが殆どである。この符号化された情報は、大抵、電子工学的なハードドライブ、あるいは、CDドライブのような光学デバイスといったデータストレージデバイスに格納される。しかしながら、このようなデータストレージデバイスは、概して、機械的に複雑であり、繊細なデバイスである。例えば、CDドライブは、しばしば、機械的な衝撃に敏感であり、そして、CDそれら自体は、しばしば、それらの表面のひっかき傷により簡単にダメージを受ける。それゆえに、代わりとなるデータストレージデバイスが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1の態様として、光学データストレージデバイスにデータを格納する方法であって、
情報を符号化し、その符号化された情報のためのマルチチャンネル回折格子構造を決定することと、さらに、
格子構造を光学導波路に適用することであって、マルチチャンネル回折格子が光学導波路を通過する光学放射のプロパティの変化をもたらすよう用いることにより、そのプロパティの変化が符号化された情報を示す特徴となることとを含む、方法を提供する。
【0006】
この方法は、典型的には、プロパティの変化を検出して情報を回復する工程も含む。
【0007】
マルチチャンネル回折格子の多くは、通常、複数の第2の、典型的には、より簡易な、回折格子構造の重ね合わせによって創造される回折格子構造を備えている。この重ね合わせにより、これらの回折格子を相対的に短くでき、相対的に短い回折格子により比較的多量の符号化された情報を格納することが可能である。符号化された情報が導波路のコアのような導波路の内部に同様に格納されると、CDドライブのような従来のデータストレージデバイスに格納される場合より、機械的な強度が、大抵は大きくなる。符号化された情報は、マルチチャンネル導波路を通過した光学放射から検出でき、そして、符号化されたデータの回復は、例えば、適当な光学アナライザを使用することにより可能であり、典型的には、最低限の機械的な構成要素を必要とするだけである。さらに、光学的な情報は、水による影響を受けないような方法で、格納(および回復)が可能である。
【0008】
情報は、どのようなタイプであってもよい。回折格子は、典型的には、Kビット、Mビット、あるいはGビットといった大きなビットに対応する、コード化された情報を格納できるリードオンリーメモリ(ROM)として機能する。
【0009】
他の変形例において、その情報は、光学導波路を認識(識別)するために有用なコードと関連しているものである。このケースにおいては、比較的少ない量の情報を格納すれば良いだけであろう。マルチチャンネル回折格子は、導波路を通過する光学放射により検出可能なので、マルチチャンネル回折格子自体が検出の位置から離れていたとしても、導波路に沿った任意の検出位置において、導波路を認識(識別)可能であり、また、情報を回収可能である。
【0010】
マルチチャンネル回折格子は、典型的にはブラッグ格子であり、それは、波長の関数として、分析可能な領域において、ブラッグ格子に呼応した振幅および/またはフェーズから回復可能な符号化された情報を含む。マルチチャンネル回折格子は、典型的には、符号化された情報を示す特徴(特性)となる包絡線を持った周期的な屈折率分布を有する。
【0011】
情報を符号化する工程は、位相変調(フェーズシフトキーイング)、さらに好ましくは相振幅変調(フェーズ振幅キーイング)(PAK)のような符号体系を使用することを含む。
【0012】
本発明は、第2の態様として、上記に説明した方法を用いてデータを格納している光学データストレージデバイスを提供する。
【0013】
本発明は、第3の態様として、符号化された情報と関連付けられた回折格子構造を具備するマルチチャンネル回折格子を備える導波路を含むリードオンリーメモリ(ROM)を提供し、これを用いると、マルチチャンネル回折格子を通過する光学放射のプロパティが変化し、そのプロパティの変化が、符号化された情報を示す特性となる。
【0014】
マルチチャンネル回折格子は、典型的には、異なる空間周波数をもつ複数の第2の屈折率分布の重ね合わせによって創造可能なタイプの屈折率分布を有している。一実施形態において、それぞれの第2の屈折率分布は、マルチチャンネル回折格子の1つのチャンネルと関連付けられている。あるいは、マルチチャンネル回折格子の屈折率分布は、ノイズのような振幅(すなわち反射率)応答、典型的には連続的、を生じさせるタイプであっても良い。
【0015】
マルチチャンネル回折格子は、典型的には、それぞれのチャンネルとして可能な幾つかのフェーズおよび振幅レベルを有するブラッグ格子である。さらに、各チャンネルはいくつかの波長に分割されていても良い。例えば、マルチチャンネル回折格子の各チャンネルは、幾つかの可能な異なるフェーズおよび振幅レベルを備えていても良い。この例によれば、異なる符号化されたビットシーケンスの数は、チャンネルの数、チャンネル毎の波長の分割の数、フェーズレベルの数、および振幅レベルの数の積に対応する。したがって、ROMの内部に、比較的多くのデータを格納することができる。
【0016】
回折格子は、典型的には、波長の関数として、固有の振幅および/またはフェーズ応答を有している。回折格子は、典型的には、回折格子の長さに沿ってプロファイルされた包絡線を持つ屈折率変化を有している。
【0017】
本発明は、第4の態様として、光学データストレージデバイスから情報を読む方法であって、データストレージデバイスは、符号化された情報と関連付けられた屈折率変化を持つマルチチャンネル回折格子を含み、この方法は、
光学放射をマルチチャンネル回折格子に導き、マルチチャンネル回折格子がその光学放射のプロパティの変化を生じさせるようにすることと、
プロパティの変化を経た光学放射を受信することと、その後、
情報を取得するために、光学放射を処理することとを含む、方法を提供する。
【0018】
情報は、いかなるタイプであっても良く、マルチチャンネルは、リードオンリーメモリ(ROM)として機能可能である。一例において、その情報は、マルチチャンネル回折格子が配置可能な光学導波路を認識(識別)するために使用可能である。
【0019】
レーザーパルスは、光学導波管を通ってマルチチャンネル回折格子に導かれても良い。光学放射の少なくとも一部は、マルチチャンネル回折格子によって反射され、または通過し、そして、その光学放射を処理する工程は、マルチチャンネル回折格子の振幅および/またはフェーズ応答を識別するために、反射または通過した光学放射を解析することを含むことが可能である。
【0020】
マルチチャンネル回折格子に光学放射を導く工程は、波長可変レーザーからの光をマルチチャンネル回折格子に導くことを含むことが可能である。このケースにおいて、この方法は、マルチチャンネル回折格子の複数のチャンネルに対応する波長領域を通過するようにレーザーの波長をスキャンする工程をさらに含むことが可能である。あるいは、スクエアパルスのようなレーザーパルスがマルチチャンネル回折格子に導かれ、レーザーパルスのフェーズおよび振幅が変化するようにして、情報を復元(回収)するために検出しても良い。
【0021】
一実施形態において、符号化された情報は、光学導波路の設置についての方向性がある。このケースにおいて、この方法は、その方向にしたがって導波路を設置する、さらなる工程を含んでも良い。例えば、光学導波路は、光ファイバであることが可能であり、そして、光ファイバを設置する工程は、その方向に従って光ファイバを接合することを含むことが可能である。
【0022】
この方法は、自動化が可能であり、取得された情報は、処理され、予め決められたように複数の光ファイバを設置するために用いられる。
【0023】
本発明は、第5の態様として、光学ネットワークをテストする方法であって、光学ネットワークは、複数の光学導波路を含み、各光学導波路は、符号化された情報と関連付けられた屈折率変化をもつマルチチャンネル回折格子を備え、この方法は、
光学放射をマルチチャンネル回折格子に導き、マルチチャンネル回折格子がその光学放射のプロパティの変化を生じさせるようにすることと、
プロパティの変化を経た光学放射を受信することと、その後、
情報を取得するために、光学放射を処理することとを含む、方法を提供する。
【0024】
本発明は、第6の態様として、光学ネットワークを設置する方法であって、光学ネットワークは、複数の光学導波路を含み、この方法は、
光学放射をマルチチャンネル回折格子に導き、マルチチャンネル回折格子がその光学放射のプロパティの変化を生じさせるようにすることであって、各マルチチャンネル回折格子は、符号化された情報と関連付けられた屈折率変化を持ち、
プロパティの変化を経た光学放射を受信することと、その後、
情報を取得するために、光学放射を処理すること、そして、
その情報を用いて光学ネットワークを設置することとを含む、方法を提供する。
【0025】
本発明は、次に続く、本発明の具体的な実施形態の記述から、さらに十分に理解されるだろう。この記述は、添付の図面を参照することも含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1を参照し、本発明の一実施形態に係る光学ストレージデバイスを説明する。この実施形態において、光学ストレージデバイスは、光ファイバ10として提供される。光ファイバ10は、コア12およびクラッディング14を備えている。コア12の中に記載されているのは、マルチチャンネルブラッグ格子16を構成する屈折率変化である。図2および図3は、回折格子16における振幅およびフェーズと位置との関係のプロットを示し、符号化された情報に対応するものである。ブラッグ格子16を通過して導かれる適切な波長の光は、符号化された情報を示す特性となる振幅およびフェーズの変化を経ることになり、そして、その光は、その符号化された情報を回収(復元)するために処理可能である。
【0027】
この実施形態において、ブラッグ格子16は、プロファイルされた包絡線(エンベロープ)を持つ。屈折率の輪郭の包絡線の振幅を変化させることは、可聴波長の情報がRF搬送調の包絡線に乗っているAMラジオと良く似ている。しかしながら、この適用例においては、情報は、回折格子の長さに沿って正弦曲線的に変化している屈折率変化の包絡線に乗せられている。この包絡線は、周期的な信号の振幅A(z)として定義される。
F(z) = A(z).sin(omega(z).z) 式(1)
F(z):空間中の正弦波信号
Omega:空間的な角振動数(角周波数)
z:空間的な縦座標
【0028】
従属変数の関数としてのA(z)の変化は、ブラッグ格子16の屈折率の輪郭の包絡線の変化と等価である。
【0029】
従属する変数の関数としてのomega(z).zの変化は、ブラッグ格子16の屈折率変動のフェーズの変化と等価である。
【0030】
ブラッグ格子16は、任意の数、例えば80、の異なる波長に対応する個別のチャンネルを有することが可能である。フェーズ振幅シフトキーイング(位相振幅変調)のようなマルチレベルのコード体系を用いることにより、それぞれのビットシーケンスのビットは、フェーズ/振幅座標系において、特定のフェーズ/振幅座標のコードに変換することが可能である。特定のフェーズおよび振幅のプロパティを持った回折格子16のようなブラッグ格子は、従来の技術を用いて書き込むことができる。
【0031】
例えば、マルチチャンネル回折格子のそれぞれのチャンネルは、幾つかの可能な異なるフェーズおよび振幅レベルを持ち得る。さらに、それぞれのチャンネルは、幾つかの波長に分割されていても良い。具体的な例において、それぞれのチャンネルは、8つの取り得るフェーズレベル、8つの取り得る振幅レベルを有し、さらに、5つの波長に分割されている。したがって、取り得る組み合わせの数は、81×8×8×5=25920であり、そして、このタイプの回折格子は、25920の異なる符号化されたビットシーケンスの1つを格納可能である。チャンネル、振幅レベル、フェーズレベル、および波長分割の数が、具体的な例においてそれらと比べて著しく大きく(または小さく)できることが認められるだろう。したがって、ブラッグ格子16は、これらのパラメータに依存するメモリサイズを有するリードオンリーメモリである。例えば、回折格子は、数Mbあるいはそれ以上のメモリサイズを有するようにアレンジされることが可能である。
【0032】
図4は、本発明の他の具体的な実施形態に係る光学ストレージデバイスのフェーズシフトと位置との関係のプロットを示している。この実施形態において、1つの空間的周期をもつ回折格子のある長さの部分が、ファイバに沿ったランダムな位置と、様々な強度の多数の個別のフェーズシフトとにより符号化されることが可能であり、それを図4は、本発明の他の具体的な実施形態に係る光学ストレージデバイスの位置とフェーズシフトとの関係のプロットにより示す。
【0033】
図5(a)および(b)は、ノイズのようなスペクトルの振幅(反射率)応答が得られるようにしたものを示している。このアプローチを用いてデータストレージを増加させるためには、幾つかのフェーズシフト回折格子を設計段階で積層させ、それらを書き込み、一回の露光で、幅が広く、連続したノイズのような振幅応答(反射率)を生成でき、それらが検出および復調され、符号化された情報を読めるようにする。
【0034】
読み出し専用メモリ(リードオンリーメモリ)を読むために、マルチ縦モードファブリーペロー半導体レーザーのようなレーザーを用いることができる。この例において、レーザーは、回折格子16の複数のチャンネルに対応する共振を有する。レーザーは、スクエアーパルス(方形パルス)を発生させることができ、それがファイバーコア12を通して回折格子16に導かれる。そのレーザー光は、振幅およびフェーズの変化を経ると共に、そのパルスの一部は、回折格子によって反射される。振幅およびフェーズの変化により、そのパルスの包絡線は変化される。反射された光は、その後、検知され、そして、電気的な信号に変換される。変換された信号は、その後、マイクロプロセッサによって処理され、ブラッグ回折16に符号化された情報が回収される。
【0035】
あるいは、チューナブルレーザー(波長可変レーザー)を用いて光学放射を生じさせても良い。レーザーの波長は、マルチチャンネル回折格子の複数のチャンネルを横切ってスキャンするようにする。フェーズおよび振幅検知器は、マルチチャンネル回折格子から反射された光学的な信号を検知する。マルチレベルデコーディング段階で、信号をデコードし、情報を復元しても良い。
【0036】
例えば、ブラッグ格子16に符号化された情報は、光ファイバ自体の識別に用いることができる。ブラッグ格子16は、導波路を通過した光学放射によって検知されるので、ブラッグ格子自体が、光ファイバの識別調査の位置から離れていたとしても、そのファイバ12に沿った任意の調査位置において、光ファイバ10を個々に識別することができる。
【0037】
他の例において、符号化された情報は、光ファイバ10の設置に対する方向性を含んでいる。例えば、符号化された情報は、ファイバを接合するための方向を含むことができる。この例において、符号化された情報は、「インテリジェント接合」を可能にし、このインテリジェント接合では、予め決められた構成であって、そのコードを読むことにより自動的に確認可能な構成になるように、複数のファイバ(それは異なるものであっても良い)が自動的に接合される。
【0038】
符号化された情報は、光学ネットワークをテストするためにも用いることができる。ネットワークに含まれるそれぞれの光学導波路(プレーナー導波路またはファイバ)は、それぞれの導波路を識別するために用いることができる符号化された情報を有するブラッグ格子を含むことができる。例えば、レーザー放射は、複数の導波路に導かれ、複数のブラッグ格子から反射された光は処理され、ネットワークを特徴付ける。例えば、特定の光学導波路内の光学コードからの応答が含まれていないことは欠陥を示すものであり、それを識別できる。さらに、光学コードは、ネットワークの導波路の内部の予め決められた位置に存在させることができる。例えば、それぞれのブラッグ格子によって反射された放射は、色分散、偏向モード分散(PMD)、および信号減衰についてテスト可能である。結果は、光学コードの既知の位置において、信号伝達の品質についての情報を獲得するために用いることができる。
【0039】
本発明は、特別な例の参照により記述されたものであるが、これは、この分野の当業者により、種々のタイプの光学導波路において他の多くの方式により本発明は具体化することが可能であると認められるだろう。例えば、光学コードは、ブラッグ回折格子の形態で実装されなくてもよい。さらに、導波路は、ガラスおよび/または高分子材料からなる、プレーナー光学導波路(平坦な光学導波路)および光ファイバを含む、いかなる適当な形態であっても良いことが認められるだろう。さらに、光学データストレージデバイスに格納される情報は、CDやコンピュータハードデバイスなどのストレージデバイスに格納可能ないかなるタイプであってもよいことが、認められるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の具体的な一実施形態に係る光学ストレージデバイスを説明するための図。
【図2】図2は、図1に示したデバイスにおける、回折格子の振幅と位置の関係のプロット。
【図3】図3は、図1に示したデバイスにおける、回折格子のフェーズと位置との関係のプロット。
【図4】図4は、本発明の他の具体的な実施形態に係る光学ストレージデバイスにおけるフェーズシフトと位置との関係のプロット。
【図5】図5(a)および(b)は、図4に位置とフェーズシフトとの関係のプロットを示した光学ストレージデバイスの波長と反射との関係のプロットを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学データストレージデバイスにデータを格納する方法であって、前記方法は、以下の複数の工程を含む。
情報を符号化し、その符号化された情報のためのマルチチャンネル回折格子構造を決定することと、および、
前記格子構造を光学導波路に適用することであって、前記マルチチャンネル回折格子が前記光学導波路を通過する光学放射のプロパティの変化をもたらすようにして、そのプロパティの変化が前記符号化された情報を示す特性となること。
【請求項2】
請求項1において、前記情報を回復するために前記プロパティの前記変化を検出する工程を含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2において、前記マルチチャンネル回折格子は、複数の第2の回折格子構造の重ね合わせによって創造される回折格子構造を備えている、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記回折格子は、リードオンリーメモリ(ROM)として機能する、方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記マルチチャンネル回折格子は、前記符号化された情報を示す特性となる包絡線を持った周期的な屈折率分布を有するブラッグ格子である、方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記情報を符号化する工程は、複数の符号体系を使用することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の方法を使用して、データを格納している光学ストレージデバイス。
【請求項8】
光学リードオンリーメモリ(ROM)であって、符号化された情報と関連付けられた回折格子構造を具備するマルチチャンネル回折格子を備える光学導波路を含み、これを用いることにより、前記マルチチャンネル回折格子を通過する光学放射のプロパティの変化であって、前記符号化された情報を示す特性となる前記プロパティの前記変化を生じさせる、光学リードオンリーメモリ(ROM)。
【請求項9】
請求項8において、前記マルチチャンネル回折格子は、異なる空間周波数をもつ複数の第2の屈折率分布の重ね合わせによって創造可能なタイプの屈折率分布を有している、光学リードオンリーメモリ。
【請求項10】
請求項9において、それぞれの第2の屈折率分布は、前記マルチチャンネル回折格子のシングルチャンネルと関連付けられている、光学リードオンリーメモリ。
【請求項11】
請求項9において、前記マルチチャンネル回折格子の前記屈折率分布は、ノイズのような振幅応答特性を生じさせるタイプのものである、光学リードオンリーメモリ。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれかにおいて、前記マルチチャンネル回折格子は、それぞれのチャンネルとして可能ないくつかのフェーズおよび振幅レベルを有するブラッグ格子である、光学リードオンリーメモリ。
【請求項13】
請求項9ないし12のいずれかにおいて、前記マルチチャンネル回折格子の各チャンネルは、いくつかに波長が分割されている、光学リードオンリーメモリ。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれかにおいて、前記マルチチャンネル回折格子の各チャンネルは、いくつかの可能な異なるフェーズおよび振幅レベルを有している、光学リードオンリーメモリ。
【請求項15】
請求項9ないし13のいずれかにおいて、前記回折格子は、この回折格子の長さに沿ってプロファイルされた包絡線を持った屈折率変動を有している、光学リードオンリーメモリ。
【請求項16】
光学データストレージデバイスから情報を読む方法であって、前記データストレージデバイスは、符号化された情報と関連付けられた屈折率変動を持つマルチチャンネル回折格子を含み、前記方法は、以下の複数の工程を含む。
光学放射を前記マルチチャンネル回折格子に導き、前記マルチチャンネル回折格子がその光学放射のプロパティの変化を生じさせるようにすることと、
前記プロパティの変化を経た前記光学放射を受信することと、その後、
前記情報を取得するために前記光学放射を処理すること。
【請求項17】
請求項16において、前記マルチチャンネル回折格子は、リードオンリーメモリー(ROM)として機能可能である、方法。
【請求項18】
請求項16または17において、前記情報は、内部に前記マルチチャンネル回折格子が配置される光学導波路を識別するために使用可能である、方法。
【請求項19】
請求項16ないし18のいずれかにおいて、前記マルチチャンネル回折格子にレーザーパルスを導く工程を含む、方法。
【請求項20】
請求項16ないし19のいずれかにおいて、前記光学放射の少なくとも一部は、前記マルチチャンネル回折格子によって反射され、そして、前記光学放射を処理する前記工程は、前記マルチチャンネル回折格子の応答を識別するために、反射された光学放射を解析することを含む、方法。
【請求項21】
請求項16ないし19のいずれかにおいて、前記光学放射の少なくとも一部は、前記マルチチャンネル回折格子によって伝送され、そして、前記光学放射を処理する前記工程は、前記マルチチャンネル回折格子の応答を識別するために、伝送された光学放射を解析することを含む、方法。
【請求項22】
請求項16ないし21のいずれかにおいて、前記マルチチャンネル回折格子に前記光学放射を導く前記工程は、チューナブルレーザーからの光を前記マルチチャンネル回折格子に導くことを含む、方法。
【請求項23】
請求項22において、前記マルチチャンネル回折格子の前記複数のチャンネルに対応する波長領域を通過するように前記レーザーの波長をスキャンする工程をさらに含む、方法。
【請求項24】
請求項16ないし22のいずれかにおいて、前記マルチチャンネル回折格子に光学放射を導く前記工程は、前記マルチチャンネル回折格子にレーザーパルスを導き、情報を回復するために前記レーザーパルスのフェーズおよび振幅の変化が検出されるようにすることを含む、方法。
【請求項25】
請求項19ないし24のいずれかにおいて、前記符号化された情報は、前記光学導波路の設置による方向性がある、方法。
【請求項26】
請求項25において、前記方向にしたがって前記導波路を設置する前記追加された工程を含む、方法。
【請求項27】
光学ネットワークをテストする方法であって、前記光学ネットワークは、複数の光学導波路を含み、各光学導波路は、符号化された情報と関連付けられた屈折率変動をもつマルチチャンネル回折格子を備え、前記方法は、以下の複数の工程を含む。
光学放射を前記マルチチャンネル回折格子に導き、前記マルチチャンネル回折格子がその光学放射のプロパティの変化を生じさせるようにすることと、
前記プロパティの変化を経た前記光学放射を受信することと、その後、
前記情報を取得するために、前記光学放射を処理すること。
【請求項28】
光学ネットワークを設置する方法であって、前記光学ネットワークは、複数の光学導波路を含み、前記方法は、以下の複数の工程を含む。
光学放射を前記マルチチャンネル回折格子に導き、前記マルチチャンネル回折格子がその光学放射のプロパティの変化を生じさせるようにすることであって、各マルチチャンネル回折格子は、符号化された情報と関連付けられた屈折率変動をもっている、
前記プロパティの変化を経た前記光学放射を受信することと、その後、
前記情報を取得するために、前記光学放射を処理すること、そして、
前記情報を利用している前記光学ネットワークを設置すること。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−507052(P2007−507052A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527224(P2006−527224)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001307
【国際公開番号】WO2005/029145
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(506098583)レッドファーン オプティカル コンポーネンツ プロプライエタリー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】REDFERN OPTICAL COMPONENTS PTY LTD
【住所又は居所原語表記】SUITE 104,NATIONAL INNOVATION CENTRE,AUSTRALIAN TECHNOLOGY PARK,EVELEIGH,NEW SOUTH WALES 1430 AUSTRALIA
【Fターム(参考)】