説明

光学ベゼル付き対話型入力装置

対話型入力装置(20)は対象領域を少なくとも部分的に囲んでいるベゼル(40から44)を有している。ベゼルは複数のバンド(102、104)を上に有しており、隣接している少なくともいくつかのバンドは複数の異なる光学的性質を有している。少なくとも1つの撮像装置(60)は、対象領域を見ており、取得された複数の画像が複数のバンドに対応する複数の領域を有しているように少なくとも1つのベゼルを見ている。処理構造(26)は複数の領域の複数の画素を処理し、対象領域内のポインタの存在を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は対話型入力装置と、そのベゼルとに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが能動ポインタ(光、音、または他の信号を放射するポインタなど)、受動ポインタ(指、円筒、他の物体など)、またはたとえばマウスやトラックボールなどの他の適切な入力装置を使用してアプリケーションプログラムに入力できるようにする対話型入力装置が公知である。この対話型入力装置には、参照によってその内容が援用される本出願の譲受人であるカナダ、アルバータ州、カルガリーのSMART Technologies ULCに譲渡された特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、および特許文献8と特許文献9に開示されているようなポインタ入力を登録するためにアナログ抵抗技術またはマシン・ビジョン技術を採用しているタッチパネルを有するタッチ装置、ポインタ入力を登録するために電磁技術、容量技術、音声技術、または他の技術を採用しているタッチパネルを有しているタッチ装置、タブレットパーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップPC、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、および他の同様の装置が含まれるがこれらには限定されない。
【0003】
前述の援用されるMorrison等の特許文献5は、コンピュータ生成画像が表示されているタッチ面とのポインタの相互作用を検出するマシン・ビジョンを用いているタッチ装置を開示している。長方形のベゼルつまり枠がタッチ面を囲み、デジタルカメラを枠の角の位置で支持する。これらのデジタルカメラは、概ねタッチ面全体を含んでおり見渡している重なった複数の視野を有している。これらのデジタルカメラは、タッチ面を見渡している画像を異なる位置から取得し、画像データを生成する。デジタルカメラによって取得された画像データは、取得された画像データ内にポインタが存在するかどうかを判定するためにオンボードデジタルシグナルプロセッサによって処理される。取り込まれた画像データ内にポインタが存在すると判定されると、デジタルシグナルプロセッサはポインタの特徴データをマスタコントローラに送り、それに対して、マスタコントローラは、ポインタの特徴データを処理し、三角測量を使用してタッチ面に対する、(x,y)座標でのポインタの位置を求める。ポインタ座標データは、1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムを実行するコンピュータに送られる。コンピュータはポインタ座標データを使用して、タッチ面上に表示されているコンピュータが生成した画像を更新する。そのため、タッチ面上へのポインタの接触は、書き込みや描画として記録したり、コンピュータによって実行されるアプリケーションプログラムの実行を制御するのに使用したりすることができる。
【0004】
Morrison等の特許文献9は、タッチ面へのポインタ接触に応答して生成されたポインタ位置データがタッチ面へ接触するのに使用されたポインタの種類に従って処理できるように、タッチ面への接触に使用された受動ポインタを区別するタッチ装置と方法とを開示している。タッチ装置は、受動ポインタに接触させられるタッチ面と、概ねタッチ面に沿った視野を有している少なくとも1つの撮像装置を含んでいる。少なくとも1つのプロセッサが少なくとも1つの撮像装置と通信し、タッチ面への接触に使用されたポインタの種類とポインタが接触させられたタッチ面上の位置とを求めるために少なくとも1つの撮像装置によって取得された画像を分析する。求められたポインタの種類とポインタが接触させられたタッチ面上の位置とが、コンピュータによって実行されるアプリケーションプログラムの実行を制御するためにコンピュータによって使用される。
【0005】
タッチ面への接触に使用されたポインタの種類を判定するために、一実施形態では、さまざまなポインタを区別するために成長曲線法が採用される。この方法では、取得された各画像内の画素の各行に沿った合計を計算し、それによって、取得された画像の行の次元に等しい数の点を有している1次元プロファイルを生成することによって水平強度プロファイル(HIP)が構成される。次に、HIPから累積和を構成することによって、成長曲線がHIPから生成される。
【0006】
受動タッチ装置は、能動タッチ装置に対していくつかの利点があり、また非常に良好に動作するが、タッチ装置と共に能動ポインタと受動ポインタの両方を使用することによって、プロセッサ数とプロセッサ負荷の少なくとも一方が少ない、より直感的な入力様式が実現される。
【0007】
複数の入力様式を有しているカメラベースのタッチ装置が検討されてきた。たとえば、Ogawaの特許文献10は、ポインタまたは指を使用した座標入力を可能にするカメラベースの座標入力装置を開示している。座標入力装置は、表示画面の左上と右上の角に位置している1対のカメラを有している。各カメラの視野は、対角線方向に対向している表示画面の角まで表示画面に平行に延びている。複数の赤外線発光ダイオードが、各カメラの撮像レンズの近くに配置され、表示画面の周囲の領域を照明する。外形枠が表示画面の3つの辺に設けられている。幅の狭い再帰反射テープが外形枠上の表示画面の近くに配置されている。黒い非反射反射テープが、再帰反射テープに沿って、そして再帰反射テープに接触して外形フレームに取り付けられている。再帰反射テープは赤外線発光ダイオードからの光を反射して、反射光を強い白色信号として検知できるようにする。ユーザの指が表示画面の近くに位置すると、指は再帰反射テープの画像上に陰として現れる。
【0008】
2つのカメラからの複数の画像信号は制御回路に入力され、制御回路は再帰反射テープの白色の画像と外形枠との間の境界を検出する。境界に近い白色の画像の複数の画素の水平線が選択される。複数の画素からなる水平線は、ユーザの指が表示画面に接触している位置に関する情報を含んでいる。制御回路はタッチ位置の座標を求め、それから座標値はコンピュータに送信される。
【0009】
再帰反射ペン先を有しているペンが表示画面に接触すると、それから反射された光は白色信号として登録するのに十分に強い。結果として得られた画像は、再帰反射テープの画像からは区別されない。しかし、結果として得られた画像は、黒いテープの画像からは容易に区別される。この場合は、外形枠の境界に近い黒い画像の複数の画素からなる線が選択される。複数の画素の線の信号はペンが表示画面に接触させられた位置に関する情報を含んでいる。制御回路は、ペンのタッチ位置の座標値を求め、座標値はコンピュータに送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許明細書第5,448,263号
【特許文献2】米国特許明細書第6,141,000号
【特許文献3】米国特許明細書第6,337,681号
【特許文献4】米国特許明細書第6,747,636号
【特許文献5】米国特許明細書第6,803,906号
【特許文献6】米国特許明細書第7,232,986号
【特許文献7】米国特許明細書第7,236,162号
【特許文献8】米国特許明細書第7,274,356号
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0179001号
【特許文献10】米国特許明細書第7,202,860号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献10は2つの受動ポインタ間の差を求めることができるが、入力様式の数は、ペン入力および指入力のような比較的少ない種類のポインタに限定される。多くのポインタが偏光技術を用いることができるが、これらの技術は、他のポインタ様式との混同を避けるために、ポインタが表示画面に接触ときに正しい向きを必要とする。
【0012】
したがって、本発明の目的は、新規な対話型入力装置と、その新規なベゼルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、一態様では、対象領域を少なくとも部分的に囲むベゼルであって、複数のバンドを上に有し、隣接している少なくともいくつかのバンドは異なる光学的性質を有しているベゼル(bezel:枠)と、対象領域を見ており、かつ取得された複数の画像が、複数のバンドに対応している複数の領域を有するように前記少なくとも1つのベゼルを見ている少なくとも1つの撮像装置と、複数の領域の複数の画素を処理して対象領域内のポインタの存在を検出する処理構造とを有する対話型入力装置が提供される。
【0014】
一実施態様では、処理構造は、ポインタの存在に起因する複数の不連続部分を検出するように複数の画素を処理する。一実施態様では、複数のバンドは概ね水平であって、照明を反射する少なくとも1つのバンドと、照明を吸収する少なくとも1つのバンドを有している。照明を反射するバンドは再帰反射材料のバンドであってもよい。
【0015】
一実施態様では、ベゼルは、概ね平面の表面を少なくとも部分的に囲んでいる。概ね平面の表面は表示表面であってよい。
【0016】
他の態様によれば、対象領域を少なくとも部分的に囲むベゼルであって、複数のバンドを上に有しており、隣接している少なくともいくつかのバンドは異なる光学的性質を有しているベゼルと、対象領域を見ており、かつベゼルを見ている少なくとも1つの撮像装置と、少なくとも1つの撮像装置と通信し、かつ複数のバンドに対応する画像データを処理して、ポインタの種類に無関係に前記対象領域内のポインタの存在を検出する処理構造とを有する対話型入力装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】対話型入力装置の斜視図である。
【図2】図1の対話型入力装置の模式的な正面図である。
【図3】図1の対話型入力装置の一部を構成する撮像組み立て体のブロック図である。
【図4】図1の対話型入力装置の一部を構成するベゼルの一部の正面図である。
【図5】図1の対話型入力装置の一部を構成するデジタルシグナルプロセッサのブロック図である。
【図6a】図3の撮像組み立て体によって取得された画像フレームの図である。
【図6b】図3の撮像組み立て体によって取得された画像フレームの図である。
【図6c】図3の撮像組み立て体によって取得された画像フレームの図である。
【図7a】図6aの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のグラフである
【図7b】図6bの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のグラフである
【図7c】図6cの画像フレームの画素列について計算された、正規化されVIPdark値、VIPretro値、およびD(x)値のグラフである
【図8】図1の対話型入力装置と共に使用されるペンツールの側面図である。
【図9】図8のペンツールの、一部を分解した側面図である。
【図10】図8のペンツールのブロック図である。
【図11】図8のペンツールの一部を構成する先端組み立て体の分解斜視図である。
【図12】図11の先端組み立て体の断面図である。
【図13】図12の先端組み立て体の一部を構成する先端スイッチ組み立て体の分解斜視図である。
【図14】図8のペンツールの一部を構成するイレイザー組み立て体の分解斜視図である。
【図15】図1の対話型入力装置と共に使用される他のペンツールの側面図である。
【図16a】図1の対話型入力装置と共に使用されるさらに他のペンツールの側面図である。
【図16b】図1の対話型入力装置と共に使用されるさらに他のペンツールの側面図である。
【図17a】図1の対話型入力装置と共に使用されるさらに他のペンツールの側面図である。
【図17b】図1の対話型入力装置と共に使用されるさらに他のペンツールの側面図である。
【図18】図1の対話型入力装置と共に使用されるなおさらに他のペンツールの側面図である。
【図19】ペンツールと表示表面との間の相互動作に応答して対話型入力装置の表示表面に表示されるポップアップメニューの図である。
【図20】他のベゼルセグメントの一部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、実施形態を、添付の図面を参照してより十分に説明する。
【0019】
ここで、図1と2を参照すると、ユーザが「インク」などの入力をアプリケーションプログラムに対して行うことができるようにする対話型入力装置が図示されており、全体が参照番号20によって識別されている。本実施形態では、対話型入力装置20は、たとえばプラズマテレビ、液晶ディスプレイ(LCD)装置、フラットパネル表示装置、陰極線管などの表示ユニット(不図示)に接続され、表示ユニットの表示表面24を囲んでいる組み立て体22を有している。組み立て体22は表示表面24の近くの対象領域に移動させられたポインタを検出するためにマシン・ビジョンを使用し、少なくとも1つのデジタルシグナルプロセッサ(DSP)ユニット26と複数の通信線28を通して通信する。通信線28は、シリアルバス、パラレルバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、イーサネット(登録商標)接続、または他の適切な有線接続で実現することができる。一方、DSPユニット26は、1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムを実行するコンピュータ30とUSBケーブル32を通して通信する。あるいは、DSPユニット26は、パラレルバス、RS−232接続、イーサネット(登録商標)接続などの他の有線接続を通してコンピュータ30と通信したり、たとえばBluetooth、WiFi、ZigBee、ANT、IEEE802.15.4、Z−Waveなどの適切な無線プロトコルを使用して無線接続を通してコンピュータ30と通信したりしてもよい。コンピュータ30はDSPユニット26を通して受信した組み立て体22の出力を処理し、表示表面24に表示された画像がポインタ動作を反映するように表示ユニットに出力される画像データを調整する。このようにして、組み立て体22、DSPユニット26、およびコンピュータ30は、表示表面24の近くのポインタ動作を書き込みや描画として記録したり、コンピュータ30によって実行される1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムの実行を制御するのに使用したりできるようにする。
【0020】
組み立て体22は、表示ユニットに一体化されている、または取り付けられて、表示表面24を囲むフレーム組み立て体を有している。フレーム組み立て体は、3つのベゼル部分40〜44、4つのコーナー部品46、およびツールトレイ部分48を有している。ベゼル部分40、42は表示表面24の対向している側縁に沿って延びているのに対して、ベゼル部分44は表示表面24の上部縁に沿って延びている。ツールトレイ部分48は、表示表面24の下部縁に沿って延び、1つまたは2つ以上の作動しているペンツールPを支持する。表示表面24の左上の角と右上の角に隣接している2つのコーナー部品46は、ベゼル部分40と42をベゼル部分44に結合している。表示表面24の左下の角と右下の角に隣接している2つのコーナー部品46は、ベゼル部分40と42をツールトレイ部分48に結合している。本実施形態では、表示表面24の左下の角と右下の角に隣接している2つのコーナー部品46は、異なる位置から概ね表示表面24全体を見渡す2つの撮像組み立て体60を収容している。ベゼル部分40〜44は、それらの内側を向いた表面が2つの撮像組み立て体60から見えるように向きが設定されている。
【0021】
ここで、図3を参照すると、2つの撮像組み立て体60の一方がわかりやく示されている。図からわかるように、撮像組み立て体60は、BoowonによってBW25Bというモデル番号で製造されている種類の880nmレンズが取り付けられているMT9V022というモデル番号でMicronによって製造されている画像センサ70を有している。レンズはIR通過/可視光遮断フィルタをその上に有しており(不図示)、画像センサ70から表示表面24全体が見えるように視野が98度の画像センサ70を実現している。画像センサ70は、I2Cシリアルバスを通して複数の通信線28の1つを受け入れているコネクタ72に接続されている。画像センサ70は、画像センサ校正パラメータを記憶している電気的に消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)74だけではなく、クロック(CLK)受信部76、並直列変換器78、および電流制御モジュール80にも接続されている。クロック受信部76と並直列変換器78はコネクタ72にも接続されている。電流制御モジュール80は、対象領域を照明する複数のIR発光ダイオード(LED)または他の適切な1つまたは2つ以上の放射源と、付属している複数のレンズ組み立て体とを有している赤外線(IR)光源82だけではなく電源84とコネクタ72にも接続されている。
【0022】
クロック受信部76と並直列変換器78は、安価なケーブルを通したDSPユニット26との高速通信を可能にする低電圧差動信号方式(LDVS)を採用している。クロック受信部76は、タイミング情報をDSPユニット26から受信し、画像センサ70が画像フレームを取り込んで出力する速度を定めている複数のクロック信号を画像センサ70に送る。画像センサ70によって出力された各画像フレームは並直列変換器78によってシリアル化されて、コネクタ72と複数の通信線28とを通してDSPユニット26に出力される。
【0023】
図4は、ベゼル部分40〜44の1つのベゼル部分の内向きの表面100の一部を示している。図からわかるように、内向きの表面100は、概ね水平方向の複数の帯、すなわちバンドに分割されており、それらの各バンドは異なる光学的性質を有している。本実施形態では、ベゼル部分の内向きの表面100は2つバンド102と104とに分割されている。表示表面24に最も近いバンド102は再帰反射材料で構成されており、表示表面24から最も遠いバンド104は、赤外(IR)放射吸収材料で構成されている。再帰反射材料の性質を最大限に利用するために、ベゼル部分40〜44は、それらの内向きの表面が表示表面24に概ね垂直方向の平面内を延びるように向きが設定されている。
【0024】
ここで、図5を参照すると、DSPユニット26が分りやく示されている。図からわかるように、DSPユニット26は、直並列変換器126を通してコネクタ122と124に接続されているビデオポートVPを有している、たとえばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPなどのコントローラ120を含んでいる。コントローラ120は、I2Cシリアルバススイッチ128を通して各コネクタ122、124にも接続されている。I2Cシリアルバススイッチ128はクロック130と132に接続されており、各々のクロックはコネクタ122、124のそれぞれ1つに接続されている。コントローラ120は、無線受信機138を介して外部アンテナ136と通信し、USBケーブル32を受け入れるUSBコネクタ140と通信し、また揮発性および不揮発性のメモリを有しているメモリ142と通信する。クロック130と132と直並列変換器126も低電圧差動信号方式(LDVS)を同様に採用している。
【0025】
対話型入力装置20は、たとえばユーザの指、円柱、または他の適切な物体などの受動ポインタだけではなく表示表面24の近くの2つの撮像組み立て体60の視野内に移動させた能動ペンツールPを検出することができる。説明を簡単にするために、受動ポインタが表示表面24の近くに移動させられたときの、対話型入力装置20の動作を最初に説明する。
【0026】
動作時に、コントローラ120はクロック130と132が複数の通信線28を通して2つの撮像組み立て体60に送信されるクロック信号を出力するように条件を設定する。各撮像組み立て体60のクロック受信部76は対応する画像センサ70のフレームレートを設定するために複数のクロック信号を使用する。本実施形態では、コントローラ120は、各画像センサ70のフレームレートが所望の画像フレーム出力速度の2倍になるようにクロック信号を生成する。コントローラ120は、I2Cシリアルバスを通して各撮像組み立て体60の電流制御モジュール80にも信号を供給する。それに応答して、各電流制御モジュール80は、IR光源82がオンしオフするように、IR光源82を電源84に接続し、それからIR光源82を電源84から切断する。IR光源のオン/オフの切り換えのタイミングは、各画像センサ70によって取り込まれた以降の画像フレームの各対について、IR光源82がオンの時に1つの画像フレームが取り込まれ、IR光源82がオフの時に1つの画像フレームが取り込まれるように制御される。
【0027】
2つのIR光源82がオンした時、2つのIR光源の4つのLEDは表示表面24上の対象領域に赤外照明を放射する。ベゼル部分40〜44のIR放射吸収バンド104に当たった赤外照明は、2つの撮像組み立て体60には戻らない。ベゼル部分40〜44の再帰反射バンド102に当たった赤外照明は、2つの撮像組み立て体60に戻る。前述のように、IR光源82のIR LEDの構成は、再帰反射バンド102がそれらの長さ全体にわたって概ね一様に照明されるように選択されている。概ね一様なベゼル照明を達成する代表的なIR光源の構成は、参照によってその内容が援用される、2008年5月9日に出願され、カナダ、アルバータ州、カルガリーのSMART Technologies ULCに譲渡された、Hansen外の「対話型入力装置およびそれ用の照明組み立て体(Interactive Input System And Illumination Assembly Therefor)」という名称の米国特許出願第12/118,552号に記載されている。その結果、ポインタが存在しない場合、各撮像組み立て体60の画像センサ70には、図6aに示されているように、IR放射吸収バンド104に該当している上側の暗い帯162と表示表面24に該当している下側の暗い帯164との間に位置している長さ方向にわたって実質的に一様な強度を有している明るい帯160が見える。ポインタが表示表面24の近くに移動し、2つのIR光源82から十分に離れていると、ポインタは再帰性反射バンド102から反射された赤外線照明を遮る。その結果、図6bに示されているように、ポインタは、取り込まれた画像フレーム内の明るい帯160を遮断している暗い領域166として現れる。
【0028】
前述したように、各撮像組み立て体60の画像センサ70によって出力される各画像フレームはDSPユニット26に送信される。DSPユニット26が2つの撮像組み立て体60から画像フレームを受信すると、コントローラ120は画像フレーム内のポインタの存在を検出するために画像フレームを処理し、ポインタが存在する場合には、三角測量を使用してポインタの、表示表面24に対する位置を求める。ポインタの識別への不要な光の影響を低減するために、コントローラ120は、ポインタの存在を検出するために、画像フレーム内の光の強度ではなく画像フレーム内の光の不連続部分を計測する。一般に3つの不要な光、つまり、周辺光、表示ユニットからの光、および2つのIR光源82から放射され2つの撮像組み立て体60の近くの物体によって散乱した赤外照明が存在する。理解されるように、ポインタが撮像組み立て体60に近い場合、付属しているIR光源82によって放射された赤外線照明がポインタを直接照明し、その結果ポインタが画像フレーム内に取り込まれている再帰反射バンド102と同じほど、または再帰反射バンド102よりも明るくなることがある。その結果、ポインタは明るいバンド160を中断している暗い領域として画像フレーム内に現れず、図6cに示されているように、明るいバンド160と上側と下側の暗いバンド162と164とを横切って延びている明るい領域168として現れることになる。
【0029】
コントローラ120は、撮像組み立て体60の各々の画像センサ70によって出力される対の連続している画像フレームを処理する。詳細には、1つの画像フレームが受信されると、コントローラ120は画像フレームをバッファに保存する。次の画像フレームが受信されると、コントローラ120は画像フレームをバッファに同様に保存する。利用可能な連続した画像フレームを使用して、コントローラ120は2つの画像フレームに減算処理を行い、差分画像フレームを構成する。2つの画像センサ70のフレームレートが十分に高い場合、連続している画像フレームの周辺光のレベルは通常、顕著に変化することはなく、その結果、周辺光はかなり相殺され、差分画像フレーム内には現れない。
【0030】
いったん差分画像フレームが生成されると、コントローラ120は差分画像フレームを処理し、ポインタが差分画像フレーム内に存在する確度を表わす複数の不連続値を生成する。ポインタが表示表面24の近くに存在しない場合、複数の不連続値は大きい。ポインタが表示表面24の近くに存在している場合、複数の不連続値のうちのいくつかが閾値未満になり、差分画像フレーム内のポインタの存在を容易に判定することができる。
【0031】
各差分画像フレームに対して不連続値を生成するために、コントローラ120は差分画像内の明るいバンド160の上と下の縁を通常表わすベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間の差分画像フレームの各画素列に対して垂直強度プロファイル(VIPretro)を計算し、差分画像内の上側の暗いバンド162の上と下の縁を通常表わすベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)との間の差分画像フレームの各画素列に対してVIPdarkを計算する。ベゼルの2つの線は以降で説明するように、対話型入力装置の起動時の校正中に実施されるベゼル探索手続きによって求められる。
【0032】
各画素列に対するVIPretroは、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の間の画素列内のN個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。Nの値は、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間の画素行の数として求められ、再帰反射バンド102の幅に等しい。ベゼルの線が差分画像フレームの画素を部分的に横切っている場合、その画素からの強度レベルの寄与はその画素がベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の内部にどれだけ入っているかに比例して重み付けされる。各画素列のVIPretroの計算時に、画素列内のベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)の位置は、以下のように表される整数成分Bi_retro_T(x)、Bi_retro_B(x)と端数成分Bf_retro_T(x)、Bf_retro_B(x)とに分解される。
【0033】
【数1】

【0034】
次に、画素列についてのVIPretroが、以下の式に従って、両縁の位置で適切な重み付けをして、ベゼルの線Bretro_T(x)とBretro_B(x)との間で画素列に沿ったN個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。
【0035】
【数2】

【0036】
ここで、N=(Bi_retro_B(x)−Bi_retro_T(x))、jは0からNの範囲にあり、Iは両ベゼルの線の間の位置xでの強度である。
【0037】
各画素列に対するVIPdarkは、ベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の間の画素列内のK個の画素の強度値Iを合計することによって計算される。Kの値は、ベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)との間の画素行の数として求められ、IR放射吸収バンド104の幅に等しい。ベゼルの線が差分画像フレームの画素を部分的に横切っている場合、その画素からの強度レベルへの寄与はその画素がベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の内部にどれだけ入っているかに比例して重み付けされる。各画素列のVIPdarkの計算時に、画素列内のベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の位置は、以下のように表される整数成分Bi_dark_T(x)、Bi_dark_B(x)と端数成分Bf_dark_T(x)、Bf_dark_B(x)とに分解される。
【0038】
【数3】

【0039】
各画素列についてのVIPdarkが、以下の式に従って、両縁の位置で適切な重み付けをしてベゼルの線Bdark_T(x)とBdark_B(x)の間で画素列に沿ったK個の画素の強度値Iを合計することによって同様に計算される
【0040】
【数4】

【0041】
ここで、K=(Bi_dark_B(x)−Bi_dark_T(x))、jは0からNの範囲にある。
【0042】
これらVIPは、画素行の対応する数(再帰反射領域についてはN、暗い領域についてはK)で除算することで実質的に正規化される。次に、各画素列についての不連続値D(x)が、VIPretroとVIPdarkとの差を以下の式によって求めることによって計算される。
【0043】
【数5】

【0044】
図7aは、図6aの画像フレームの画素列について計算された正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、この画像フレームにはポインタが存在せず、したがって不連続値D(x)は、画像フレームの全ての画素列に対して大きいままである。図7bは、図6bの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、D(x)曲線は画像フレーム内のポインタの位置に該当している領域で低い値に下がっている。図7cは、図6cの画像フレームの画素列について計算された、正規化されたVIPdark、VIPretro、およびD(x)の値を示している。図からわかるように、D(x)曲線は同様に画像フレーム内のポインタの位置に該当している領域で低い値に下がっている。
【0045】
各差分画像フレームの複数の画素列の不連続値D(x)が一旦求められると、各画像フレームに対する結果のD(x)曲線は、D(x)曲線が、ポインタの存在を示す閾値未満に下がっているかどうかが調べられ、下がっている場合、ポインタの対向している側であるD(x)曲線の左と右のエッジが検出される。特に、各差分画像フレーム内で左と右のエッジの位置を求めるために、D(x)曲線の1次微分が勾配曲線∇D(x)を求めるために計算される。D(x)曲線がポインタの存在を示す閾値よりも下がっている場合、結果の勾配曲線∇D(x)はD(x)曲線の傾斜によって構成されているエッジを表している負のピークと正のピークとが境界になっている領域を含むことになる。2つのピークと、したがって領域の2つの境界を検出するために、勾配曲線∇D(x)はエッジ検出器の処理に委ねられる。
【0046】
具体的には、閾値Tがまず勾配曲線∇D(x)に適用され、各位置xについて勾配曲線∇D(x)の絶対値が閾値よりも小さい場合に、以下のように、勾配曲線∇D(x)がゼロに設定される。
【0047】
【数6】

【0048】
閾値を適用する手続き後、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)はポインタの対向する側部を表わす負のスパイクと正のスパイクとを含んでおり、その他の部分はゼロである。次に、左と右のエッジは閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の2つの非ゼロのスパイクからそれぞれ検出される。左のエッジを計算するために、重心距離CDleftが、以下の式に従って、ピクセル列Xleftから開始して、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のスパイクから計算される。
【0049】
【数7】

【0050】
ここで、xiは勾配曲線∇D(x)の左のスパイク内のi番目のピクセル列のピクセル列番号、iは1から閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のスパイクの幅まで反復され、Xleftは、値がゼロ(0)から系の雑音に基づいて経験的に定められた閾値だけ異なっている勾配曲線∇D(x)上の値に対応している画素列である。つぎに、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左のエッジがXleft+CDleftと等しくなるように定められる。
【0051】
右のエッジを計算するために、重心距離CDrightが、以下の式に従って、ピクセル列Xrightから開始して、閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の右のスパイクから計算される。
【0052】
【数8】

【0053】
ここで、xjは勾配曲線∇D(x)の右のスパイク内のj番目のピクセル列のピクセル列番号、jは1から閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の右のスパイクの幅まで反復され、Xrightは、値がゼロ(0)から系の雑音に基づいて経験的に定められた閾値だけ異なっている勾配曲線∇D(x)上の値に対応している画素列である。次に、閾値が適用された勾配曲線の右のエッジがXright+CDrightと等しくなるように定められる。
【0054】
閾値が適用された勾配曲線∇D(x)の左と右のエッジがいったん計算されると、識別された左と右のエッジの中間点が計算され、それによって差分画像フレーム内のポインタの位置が求められる。
【0055】
各差分画像フレーム内のポインタの位置が求められた後、コントローラ120は、Morrison等の米国特許明細書第6,803,906号に記載されているような公知の方法で三角測量を使用して表示表面24に対する、(x、y)座標でのポインタの位置を計算するために2つの差分画像フレーム内のポインタの2つの位置を使用する。計算されたポインタ座標は次にコントローラ120によってUSBケーブル32を通してコンピュータ30に送られる。コンピュータ30は受信したポインタ座標を処理し、必要な場合は表示表面24に表示されている画像がポインタの動作を反映するように、表示ユニットに出力される画像出力を更新する。このようにして、ポインタの表示表面24との相互動作を書き込みまたは描画として記録したり、コンピュータ30上で実行される1つまたは2つ以上のアプリケーションプログラムの実行の制御のために使用したりすることができる。
【0056】
対話型入力装置の起動時に実行されるベゼルを探す手続き中に、ベゼルの線Bretro_T(x)、Bretro_B(x)、Bdark_T(x)、およびBdark_B(x)を求めるために、各画像センサに対して校正手続きが実行される。各校正手続き中に、校正画像の対が対応する画像センサ70によって取り込まれる。対のうちの一方の校正画像は画像センサに付属しているIR光源82がオンの時に取り込まれ、対のうち他方の校正画像は画像センサに付属しているIR光源82がオフの時に取り込まれる。2つの校正画像に対して次に、校正差分画像を構成するように減算処理が行われ、周辺照明による偽像が取り除かれる。それから校正差分画像の対象の画素行(再帰反射バンド102を表わす明るいバンド160を構成している画素行)が求められる。
【0057】
この処理時に、校正差分画像の水平方向の強度プロファイルを生成するために、校正差分画像の各画素行の画素値の合計が計算される。それから、勾配フィルタが水平強度プロファイルに適用される。勾配フィルタは、水平強度プロファイルの2次微分の絶対値を入力とし、16点ガウスフィルタを用いて結果を平滑化する。それから、最大面積を有している領域を検出するために、ピーク値の50%よりも大きい値を有しているデータの各領域が調べられる。それから、領域の中間点が中心ピクセル行と指定される。水平強度プロファイルの最初と最後の80個の画素行は、照明偽像と外部赤外光源の影響を減少させるために、この処理では使用されない。
【0058】
次に、校正差分画像の各画素列が、明るいバンド160に対応する、その中にる画素を求めるために処理される。最初に、2つの画像センサ70の位置は未知であり、そのため任意の処理方向が選択される。本実施形態においては、校正差分画像の画素列が左から右へ処理される。各画素列の処理中に、当該画素列に対する画素データの小さいスライスが中心画素行の位置に基づいて取られる。本実施形態では、該スライスは中心画素行を中心として100個の画素行を有している。各画像スライスは、強度と幅において再帰反射バンド102を近似するために使用されるガウスモデルとの相互相関が求められる。相互相関の結果によって、ベゼルの再帰反射バンド102を表わす校正差分画像の明るいバンド160が特定される。この相関は、明るいバンド160をさらに明確にし、雑音を低減するために、IR光源82がオンで取り込まれた校正画像と乗算される。
【0059】
その後、各画素列について、ピーク探索アルゴリズムが、複数のピークの位置を求めるために結果として得られた画素列データに適用される。ピークが1つ見つかると、ベゼルの再帰反射バンド102と表示表面24内でのその反射との、当該画素列上での区別が不可能であるとみなされる。ピークが2つ見つかると、ベゼルの再帰反射バンド102と画素表面24内でのその反射とを当該画素列内で見ることができ、区別できるとみなされる。ピークが2つ見つかった各画素列について、再帰反射バンドを表わす明るいバンド160の幅と表示表面24内の再帰反射バンド102の反射を表わすバンドとが、検出された複数のピークを囲む立ち下がりと立ち上がりのエッジを見つけることによって求められる。画素列内の明るいバンド160の幅がわかっているので、ベゼルの線Bretro_T(x)、Bretro_B(x)を推定することができる。明るいバンド160の幅から、上側の暗いバンド162が、明るいバンド160のすぐ上方で、明るいバンド160の幅と概ね等しい幅を有するものとして求められる。ベゼルの線Bdark_B(x)はベゼルの線Bretro_T(x)と一致するので、ベゼルの線Bdark_T(x)も推定することができる。
【0060】
次に、最初の150個と最後の150個の画素列について画素列データの強度を調べることによって、ベゼルの最初と最後の画素列が求められる。閾値よりも小さい値を有する最初の150個の画素列内の最も内側の画素列がベゼルの始点であると判定され、閾値よりも小さい値を有する最後の150個の画素列内の最も内側の画素列がベゼルの終点であると判定される。
【0061】
ベゼルの始点と終点が見つかった後、明るいバンド160の複数の画素が画素列ごとに互いに近接していることを確認する連続性チェックが実行される。このチェック時に、互いに隣接している画素列内の明るいバンド160の複数の画素が、画素間の距離がスパイクを示す閾値の距離を超えているかどうか判定するために比較される。検出された各スパイクについて、スパイク領域の対向している側の明るいバンド160の複数の画素が補間され、補間された値がスパイクの複数の画素を置き換えるのに使用される。この処理は、画像センサの露出過多やベゼルの隠れが原因の、明るいバンド160の中の隙間を埋めるだけではなく、誤って特定されたベゼルの点を平滑にする。
【0062】
次に、結果として得られた画像の右側と左側の明るいバンド160の幅が調べられる。明るいバンドの最も狭い幅に対応する、結果として得られた画像の側は、画像センサ70から最も離れているベゼルの部分を表していると考えられる。次に、各画素列の中の明るいバンドの複数の画素を求める手続きと前述の連続性チェックが再度実行される。この第2の段階の間、画像データが処理される方向は、画像センサ70のベゼルに対する位置に基づいている。画像センサ70に最も近いベゼルの一部を表している画像データが最初に処理される。その結果、第2の段階の間、前述したように、結果の画像の画素列は、表示表面24の左下の角の位置の画像センサ70については左から右へ、表示表面24の右下の角の位置の画像センサ70については右から左へと処理される。この第2の段階の間、ピーク検索アルゴリズムは、予測されたベゼル線Bretro_T(x)とBretro_B(x)とに対応しているピクセル列データを中心に実行される。
【0063】
ここで図8〜14を参照すると、対話型入力装置20と共に使用されるペンツールPの1つが示されており、全体に参照番号200が付けられている。図からわかるように、ペンツールPは、一方の端部に先端組み立て体202を、他方の端部にイレイザー組み立て体204を収容している、相互に接続されている2つの半シェルによって構成されている中空体200を有している。先端組み立て体202は、コントローラ212が取り付けられているプリント基板210を有している。コントローラ212は、たとえば無線周波数(RF)アンテナまたはIR LEDなどの無線送信機216aと216bとを通して信号を放送する無線送信機214と通信する。複数の先端スイッチ接点218もプリント基板210上に取り付けられている。先端スイッチ組み立て体220がプリント基板210上に取り付けられている。
【0064】
先端スイッチ組み立て体220は、接触回路領域224を収容している円形部分223を有しているポリエステルフレックス回路222を含んでいる。接触リード226が接触回路領域224から延び、回路部分223の平面に対して90度回転させられている。2つのリード228が接触リード226に取り付けられ、2つの圧着コネクタ229で終端している。2つの圧着コネクタ229は先端スイッチ接触部分218を受け入れ、先端スイッチ組み立て体220をコントローラ212に電気的に接続する。プランジャ組み立て体230がフレックス回路222に揃えられている。プランジャ組み立て体230は、本体200の端部上に嵌められているキャップ232を通過している。キャップ232は内部にねじが設けられている円錐236を受け入れる外部にねじが設けられているノーズ234を有している。プランジャ組み立て体230は、ペンツールPの筆記先端を定めている円錐236内の穴を通して延びている。
【0065】
プランジャ組み立て体230はシリコンで作られている柔軟なカップ240を有している。フレックス回路222に面しているカップ240の表面は、導電性パッド242を上に有している。導電性パッド242は、接触回路領域224に揃えられている。概ね円柱状の軸244がカップ240から延びている円柱状チューブ246によって受け入れられている。軸244の遠方端部はその上に構成されているペン先248を有している。
【0066】
イレイザー組み立て体204は正と負のリードを有している電池支持部250を有している。コントローラ212に電気的に接続されているスイッチ254を支持しているプリント基板252が電池支持部250の一方の端部に固定されている。プランジャ256がスイッチ254に揃えられており、プリント基板252と電池支持部250の一方の端部を囲んでおり、本体200の端部上に嵌っているホルダ260を貫通している。フェルト状のパッド264を上に有しているキャップ262がホルダ260によって受け入れられている。市販の電気的部分組み立て体266が電池支持部250の他方の端部からプリント基板210まで延びており、電池支持部250の端部に係合している半分のシェル268によって保持されている。ばね270が電池支持部250の内部に配置されている電池272を保持するように電池支持部250によって収容されている。電気的部分組み立て体266は、電池272を両プリント回路252と210に接続し、両電気回路間に通信チャネルを実現している。
【0067】
ペンツールPが表示表面24の近くに移動させられると、表示表面に対する(x、y)座標で表されているその位置が受動ポインタについて前述したように計算される。しかし、ペンツールPが表示表面24に接触させられる方法に依存して、ペンツールPは表示表面24に対するペンツールの動作を解釈するために使用されるモード情報を出力してもよい。具体的には、ペンツールPのペン先248が表示表面24に十分な力で接触させられると、プランジャ組み立て体230の軸244が内向きに本体200内に移動する。軸244のこの内向きの移動によって、カップ240が曲がり、それによってカップ上の導電パッド242をフレックス回路222の接触回路領域224に接触させ、先端スイッチ組み立て体220が閉じる。先端スイッチ組み立て体220が閉じたことがコントローラ212によって検知され、コントローラ212が無線ユニット214を、無線送信機216aを通して放送される変調された信号を出力する状態にする。無線送信機216aは変調された信号がペンツールPの先端のわずかに後方のペンツールPから放射させるように配置されている。
【0068】
プランジャ組み立て体230の構造は、プランジャ組み立て体230の軸244を移動させて先端スイッチ組み立て体220を閉じるためには小さい作動力しか必要でないという利点を有する。また、プランジャ組み立て体230の軸244は、先端スイッチ組み立て体220を閉じるために本体200内に大きく移動する必要がない。特に、先端スイッチ組み立て体220を閉じるには、約30gの作動力と約0.1mmに等しい軸の移動とが必要なだけである。これらの要因によって、ペンツールPは、従来技術のペンツールに比べて、筆記の感触がはるかに従動的になり、雑音が大幅に減少する。また、フレックス回路222の構成によって、先端スイッチ組み立て体がペンツールPの直径に相当な影響がないほど先端スイッチ組み立て体220が細い外形となる。
【0069】
ペンツールPのキャップ262が表示表面24に十分な力で接触させられると、キャップ262はホルダ260内に移動し、それによってプランジャ256がスイッチ254を閉じるようにする。スイッチ254が閉じたことがコントローラ212によって検知され、コントローラ212は、無線ユニット214を、無線送信機216bを通して放送される、異なるように変調された信号を出力する状態にする。同様に、無線送信機216bは変調された信号がペンツールPのイレイザー端部のわずかに後方のペンツールPから放射させるように配置されている。
【0070】
DSPユニット26はメモリ142内に変調された信号対ペンツールモードマッピングテーブルを保存している。その結果、放送された変調信号がアンテナ136を通してDSPユニット26のコントローラ120によって受信されると、コントローラ120は受信した変調された信号をマッピングテーブルと比較して、ペンツールモードを決定する。それに対して、コントローラ120はこの情報を使用して、モード情報を生成されたポインタ座標に割り当て、ポインタ座標がコンピュータ30によって所望の方法で処理されるようにモード情報をポインタ座標と共にコンピュータ30に伝達する。本実施形態では、ペン先248が表示表面24に接触しており、先端スイッチ組み立て体220が閉じていると、ペンツールPはインクモードで動作していると見なされ、ペンツールPがこのモードにあるときにはコンピュータ30がポインタ座標を表示表面24上の書き込みまたは描画(すなわちインク)として取り扱うようにインクモード情報がコントローラ120によって生成されたポインタ座標に割り当てられる。キャップ262が表示表面24に接触しており、スイッチ254が閉じていると、ペンツールPはイレイザーモードで動作していると見なされる。イレイザーモード情報はペンツールがこのモードにあるときにはコンピュータ30がポインタ座標に相当している位置に表示されているインクを消すようにコントローラ120によって生成されたポインタ座標に割り当てられる。ペンツールPから変調された信号が出力されていないと、ペンツールはポインタモードで動作していると見なされ、受動ポインタと同じように取り扱われる。ポインタモード情報はペンツールがこのモードにあるときにはコンピュータ30がポインタ座標をマウスイベントとして取り扱うようにコントローラ120によって生成されたポインタ座標に割り当てられる。
【0071】
望むならば、2つのIR光源82を、2008年5月9日に出願され、アルバータ州カルガリーのSMART Technologies ULCに譲渡されており、内容が参照により本明細書に援用される「Interactive Input System with Controlled Lighting:制御された照明を備えている対話型入力装置」という名称のMcReynolds他に対する米国特許出願第12/118,521号に記載されているように変調することができる。このように、対応しているIR光源からの照明の寄与だけに基づいて各撮像組み立て体の画像フレームを生成することができる。ペンツールPによって出力された変調された信号も変調することができる。
【0072】
図8〜14は例示的なペンツールを示しているが、当業者は異なる構成のペンツールPを対話型入力装置20と共に使用できることを理解するであろう。たとえば、図15は代のペンツールPを示しており、同様の物理寸法形状を有している先端組み立て体302と304とがペンツール本体306の対向している両端部に設けられている。この場合、ペンツールPによって出力された変調された信号は、表示表面24に接触させられ先端組み立て体に依存して異なる。
【0073】
図16aと16bは、対話型入力装置20と共に使用されるさらに他のペンツールPを示している。本実施形態では、先端組み立て体402は、前述の複数の実施形態と同様である。イレイザー組み立て体404は、より丸い物理構成を有している。前述の複数の実施形態とは異なり、マウス位置とイレイザー位置との間を移動可能なスライダスイッチ410がペンツールPの本体412上に設けられている。スライダスイッチ410の位置は、コントローラ212によって検知され、イレイザー組み立て体404が表示表面24に接触させられたときにペンツールPによって出力される変調された信号の形態を定めるために使用される。スライダスイッチ410が図16aに示しているようにマウス位置に位置しており、イレイザー組み立て体404が表示表面24にスイッチ254を閉じるのに十分な力で接触させられたときには、ペンツールPはコントローラ120によってペンツールがポインタモードで動作していると判定するためにマッピングテーブルと比較される変調された信号を出力する。それに対してコントローラ120は、ポインタモード情報を生成されたポインタ座標に割り当てる。同様に、スライダスイッチ410が図14bに示しているようにイレイザー位置に位置しており、イレイザー組み立て体404が表示表面24にスイッチ254を閉じるのに十分な力で接触させられたときには、ペンツールPはコントローラ120によってペンツールがイレイザーモードで動作していると判定するためにマッピングテーブルと比較される、異なるように変調された信号を出力する。それに対してコントローラ120は、イレイザーモード情報を生成されたポインタ座標に割り当てる。
【0074】
図17aと17bは、対話型入力装置20と共に使用されるさらに他のペンツールPを示している。本実施形態では、概ね同じ物理構成を有している先端組み立て体502と504とが本体506に対向している端部に設けられている。スライダスイッチ510がペンツールPの本体506上に設けられており、先端組み立て体502に向けて2つの位置の間を移動可能であるだけでなく、先端組み立て体504に向けて2つに位置の間を移動可能である。特に、スライダスイッチ510は先端組み立て体502に向けてインク位置とイレイザー位置との間を移動可能であって、先端組み立て体504に向けて選択位置と右クリック位置との間を移動可能である。スライダスイッチ510の位置は、コントローラ212によって検知され、先端組み立て体が先端スイッチ組み立て体220を閉じるのに十分な力で表示表面24に接触させられたときにペンツールPによって出力される変調された信号の形態を判定するために使用される。
【0075】
スライダスイッチ510が図17aに示しているようにインク位置に位置しており、先端組み立て体502のプランジャが表示表面24にスイッチ組み立て体220を閉じるのに十分な力で接触させられたときには、ペンツールはコントローラ120によってペンツールPがインクモードで動作していると判定するためにマッピングテーブルと比較される変調された信号を出力する。それに対してコントローラ120は、インクモード情報を生成されたポインタ座標に割り当てる。同様に、スライダスイッチ510が図17bに示しているようにイレイザー位置に位置しており、先端組み立て体502のプランジャが表示表面24にスイッチ組み立て体220を閉じるのに十分な力で接触させられたときには、ペンツールはコントローラ120によってペンツールPがイレイザーモードで動作していると判定するためにマッピングテーブルと比較される、異なるように変調された信号を出力する。それに対してコントローラ120は、イレイザーモード情報を生成されたポインタ座標に割り当てる。スライダスイッチ510が図17aに示しているように選択位置に位置しており、先端組み立て体504のプランジャが表示表面24にスイッチ組み立て体220を閉じるのに十分な力で接触させられたときには、ペンツールPはコントローラ120によってペンツールPが選択モードで動作していると判定するためにマッピングテーブルと比較される、さらに異なるように変調された信号を出力する。それに対してコントローラ120は、選択モード情報を生成されたポインタ座標に割り当てる。同様に、スライダスイッチ510が、図17bに示されているように、右クリック位置に位置し、かつ先端組み立て体504のプランジャが表示表面24にスイッチ組み立て体220を閉じるのに十分な力で接触させられると、ペンツールPは、ペンツールPが右クリックモードで動作していると判定するためにコントローラ120によってマッピングテーブルと比較される、異なって変調された、さらに他の信号を出力する。コントローラ120は次に、右クリックモード情報を、生成されたポインタ座標に割り当てる。
【0076】
図18は、対話型入力装置20と共に使用されるなおさらに他のペンツールPを示している。この実施形態では、ペンツールPは、各々が異なるペンツールモードに対応している3つの先端組み立て体602、604、606を有している。すなわち、この実施形態では、先端組み立て体602はインクモードに対応し、先端組み立て体604はイレイザーモードに対応し、先端組み立て体606は選択モードに対応している。ペンツールPによって出力される、変調された信号は、表示表面24に接触させられる先端組み立て体に応じて異なる。
【0077】
望むならば、マッピングテーブル内の、変調された信号対ペンツールモードのマッピングを静的に割り当てるのではなく、コンピュータ30は、図19に示されているように、ユーザの入力に応答して、マッピングを視覚的に表し、かつユーザが、3つのペンツールPによって出力された、変調された各信号に対応するペンツールモードを変更できるようにするグラフィカルユーザインターフェイス700を提示することができる。
【0078】
ペンツールPによって出力される変調された信号を使用してペンツールの種類(すなわち、動作モード)を判定することに加えて、コンピュータ30がポインタ座標を処理する方法をさらに制御するために属性を変調された信号に割り当ててもよい。たとえば、ユーザが表示表面24にペンツールPのイレイザー組み立て体(または先端組み立て体)を接触させている場合、複数のポインタ座標がコンピュータ30によって処理されるときに、特定のペンツールPを使用して入力されたインクだけ、または特定の色のインクだけ、または選択された幾何学的形状(たとえば、長方形、円、正方形など)によって囲まれているインクだけを消すことができるように、属性をマッピングテーブルの変調された信号に割り当ててもよい。
【0079】
理解されるように、特定のペンツールモードを説明したが、当業者は他のペンツールモードまたはペンツールモードのさまざまな組み合わせをペンツールによって出力される変調された複数の信号に割り当てることができることを理解するであろう。スライダスイッチを備えた複数のペンツールPを示したが、他の入力インターフェイスを備えた複数のペンツールも使用して、ユーザが1つまたは2つ以上のペンツールモードを選択できるようにすることも勿論可能である。たとえば、ペンツールPは、多ボタンスイッチ、複数の位置を切り換える1つのボタンスイッチ、複数の回転スイッチ、1つまたは2つ以上のスクロールホイール、圧力または向き検知スイッチ等を有していてもよく、各スイッチまたはスイッチ位置はペンツール動作モードに対応している。あるいは、ペンツールPはマイクを含んでもよく、コントローラ212は、ペンツールモードを、入力された音声コマンドによってユーザが選択できるようにする音声認識ソフトウェアを実行してもよい。表示画面24の縁をたたくなどの触覚コマンドも用いてペンツールモードを選択できるようにしてもよい。
【0080】
特定の実施形態を、図面を参照して説明したが、当業者は他の実施形態を利用できることを理解するであろう。前述の実施形態では、DSPユニット26が、ペンツールPが出力する変調された信号を受信するアンテナ136と無線受信機138とを有するものとして示されている。その代わりに、各撮像組み立て体60はペンツールPが出力する変調された信号を受信するアンテナと無線受信機を有していてもよい。この場合、複数の撮像組み立て体60によって受信された、変調された信号は画像フレームと共にDSPユニット26に送信される。ペンツールPは、ペンツールPによって出力された信号が有線接続を通して1つまたは2つ以上の撮像組み立て体60、DSPユニット26、または1つまたは2つ以上の撮像組み立て体に送信されるように、組み立て体22またはDSPユニット26につながれていてもよい。
【0081】
前述の実施形態では、ポインタの存在と位置とを判定するために不連続値D(x)が調べられ、処理される。当業者は、VIPretro値とVIPdark値を、ポインタの存在と位置とを判定するために直接処理してもよいことを理解するであろう。
【0082】
他の実施形態では、表示表面24上に現れる再帰反射バンド102の反射が画像フレーム内に取得され、かつ明るい帯160から離れており明るい帯160の下にある光の帯として画像フレーム内に現れるように、撮像組み立て体60は表示表面24を見渡してもよい。これらの画像フレームの処理中に、各画像フレームは3つの領域、すなわち、複数のベゼルセグメントの複数のIR放射吸収バンド104からの寄与に相当する暗い領域、複数のベゼルセグメントの複数の再帰反射バンド102からの寄与に相当する非常に明るい(再帰反射)領域、および表示表面24上に現れる複数の再帰反射バンド102の反射からの寄与に相当する明るい(反射)領域に分割される。
【0083】
いったん分割されると、コントローラ120は、それぞれの領域についてVIPを生成し、これらVIPを処理して、表示表面24の近くにポインタが存在しているかどうかを判定し、存在していると、表示表面24に対する、(x、y)座標でのその位置を求める。
【0084】
表示表面24の近くのポインタを検出するために、複数の暗い領域、再帰反射領域、および反射領域それぞれのVIPが生成された後、暗い領域VIPの各VIP値が、再帰反射VIPの対応するVIP値から減算される。各差は調べられ、各差が閾値未満であるかどうかを判定する。閾値未満の場合、再帰反射VIPの画素列にフラグが付けられる。その後、偽のフラグを検出するために拡張手続きが実施される。具体的には、再帰反射VIPのフラグが付けられた各画素列について、その左右の画素列にもフラグが付けられているかどうかが判定される。左右の画素列にもフラグが付けられていると、画素列は、ポインタを表すものとしてフラグが付けられる。
【0085】
次に、連続性チェックが行われる。連続性チェックの間、暗い領域のVIPの各VIP値が反射のVIPの対応するVIP値から減算される。各差が再び調べられ、各差が閾値未満であるかどうかが判定される。閾値未満の場合、反射VIPの画素列にフラグが付けられる。前記の拡張と同様の拡張が、反射VIPのフラグが付けられている複数の画素列について行われる。これに続いて、ポインタの位置を求めるために、再帰反射VIPのフラグが付けられている画素列と、反射VIPのフラグが付けられている画素列が比較され、重なっているフラグが付けられている画素列が検出される。重なっている画素列が検出されると、反射VIPの重なりの複数の境界にある画素列はポインタのエッジを表すと考えられる。境界の画素列同士の間の中間点にある画素列はポインタの画像フレーム内の位置を表すと考えられる。
【0086】
前述の実施形態においては、各ベゼルセグメント40〜44は、異なる反射特性、すなわち再帰反射特性とIR放射吸収特性とを有する1対のバンドを有しているとして示されている。当業者は、バンドの順番を逆にしてもよいことを理解するであろう。また、異なる反射特性を有するバンドを採用してもよい。たとえば、再帰性反射バンドを使用するのではなく、高反射材料で作られたバンドを使用してもよい。あるいは、異なるまたは交互の反射特性を有する3つ以上のバンドを有するベゼルセグメントを使用してもよい。たとえば、各ベゼルセグメントは、交互に配置された2つまたは3つ以上の再帰性反射バンドと2つまたは3つ以上の放射吸収バンドとを有していてもよい。あるいは、1つまたは2つ以上の再帰性反射バンドを高反射性のバンドに置き換えてもよい。複数の画像フレームを異なる複数の領域に分離して処理する場合、上側の領域はポインタの存在を検出する処理時に特に有用であるが、ポインタの位置の検出には必ずしも有用ではない。理解されるように、ポインタが表示表面24に向けて移動させられると、表示表面24に対する上側のバンド内のその位置は、図20に示されているように、表示表面24の近くのバンド内のポインタ先端の位置とは著しく異なることがある。
【0087】
望むならば、表示表面自体によって反射され、その後2つの撮像組み立て体60の2つの画像センサ70に向かう光の量を制御するために各ベゼルセグメントの傾きを調整することができる。
【0088】
フレーム組み立て体を、表示ユニットに取り付けられているとして説明したが、当業者はフレーム組み立て体が他の構成を取ってもよいことを理解するであろう。たとえば、フレーム組み立て体はベゼル38と一体化してもよい。望むならば、組み立て体22は表示表面24の上に横たわるそれ自体のパネルを有していてもよい。この場合、該パネルは、表示表面24上に表示された画像がパネルを通してはきりと見えるように、ほぼ透明な材料で作られていることが好ましい。該組み立て体は、もちろん前面投射装置または背面投射装置と共に使用し、コンピュータ生成画像が投影される基板を囲むことができる。
【0089】
撮像組み立て体を、表示表面の下部の各角に隣接している角片に収容されているものと説明したが、当業者は撮像組み立て体を表示表面に対する異なる位置に配置してもよいことを理解するであろう。また、ツールトレイセグメントは必要ではなく、ベゼルセグメントに置き換えてもよい。
【0090】
相互作用型入力装置20の動作を、表示表面24の近くに位置する1つのポインタまたはペンツールPを参照して説明したが、当業者は、相互作用型入力装置20が、各ポインタが画像センサに取り込まれた画像フレーム内に現れるときに、タッチ面の近くにある複数のポインタ/ペンツールの存在を検出できることを理解するであろう。
【0091】
好適な実施形態を説明したが、当業者は、添付の特許請求の範囲によって定まる本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々の変形や修正がなされてもよいことを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域を少なくとも部分的に囲むベゼルであって、複数のバンドを上に有し、隣接している少なくともいくつかの前記バンドは異なる光学的性質を有しているベゼルと、
前記対象領域を見ており、かつ取得された複数の画像が、複数の前記バンドに対応している複数の領域を有するように前記少なくとも1つのベゼルを見ている少なくとも1つの撮像装置と、
複数の前記領域の複数の画素を処理して前記対象領域内のポインタの存在を検出する処理構造と、
を有する対話型入力装置。
【請求項2】
前記処理構造は複数の前記画素を処理して、前記ポインタの存在に起因する、前記領域内の複数の不連続部分を検出する、請求項1に記載の対話型入力装置。
【請求項3】
隣接している全ての前記バンドは複数の異なる光学的性質を有する、請求項1または2に記載の対話型入力装置。
【請求項4】
複数の前記バンドは概ね水平である、請求項1から3のいずれか1項に記載の対話型入力装置。
【請求項5】
複数の前記バンドは、照明を反射する少なくとも1つのバンドと、照明を吸収する少なくとも1つのバンドを有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の対話型入力装置。
【請求項6】
照明を反射する前記少なくとも1つのバンドは、再帰反射材料のバンドを含む、請求項5に記載の対話型入力装置。
【請求項7】
照明を吸収する前記少なくとも1つのバンドは、赤外光吸収材料のバンドを含む、請求項5または6に記載の対話型入力装置。
【請求項8】
前記ベゼルは、概ね平面の表面を少なくとも部分的に囲んでいる、請求項1から7のいずれか1項に記載の対話型入力装置。
【請求項9】
前記概ね平面の表面は表示表面である、請求項8に記載の対話型入力装置。
【請求項10】
前記ベゼルは複数の前記バンドが設けられている概ね平面の少なくとも1つの表面を有しており、前記の少なくとも1つのベゼル表面の平面は前記表示表面の平面に概ね垂直である、請求項9に記載の対話型入力装置。
【請求項11】
前記ベゼルは複数の前記バンドが設けられている少なくとも1つの概ね平面の表面を有しており、前記ベゼルの前記の少なくとも1つのベゼル表面の平面は前記概ね平面の表面の平面に概ね垂直である、請求項8に記載の対話型入力装置。
【請求項12】
対象領域を少なくとも部分的に囲むベゼルであって、複数のバンドを上に有しており、隣接している少なくともいくつかのバンドは異なる光学的性質を有しているベゼルと、
前記対象領域を見ており、かつ前記ベゼルを見ている少なくとも1つの撮像装置と、
前記の少なくとも1つの撮像装置と通信し、かつ複数の前記バンドに対応する画像データを処理して、ポインタの種類に無関係に前記対象領域内のポインタの存在を検出する処理構造と、
を有する対話型入力装置。
【請求項13】
複数の前記バンドの複数の前記光学的性質は、(i)反射、(ii)再帰反射、および(iii)放射吸収から選択される、請求項12に記載の対話型入力装置。
【請求項14】
前記処理構造は前記画像データを処理して、前記ポインタの前記存在に起因する複数の不連続部分を検出する、請求項12または13に記載の対話型入力装置。
【請求項15】
隣接している全ての前記バンドは複数の異なる光学的性質を有している、請求項12から14のいずれか1項に記載の対話型入力装置。
【請求項16】
複数の前記バンドは概ね水平である、請求項12から15のいずれか1項に記載の対話型入力装置。
【請求項17】
前記ベゼルは、概ね平面の表面を少なくとも部分的に囲んでいる。請求項12から16のいずれか1項に記載の対話型入力装置。
【請求項18】
前記概ね平面の表面は表示表面である、請求項16に記載の対話型入力装置。
【請求項19】
前記ベゼルは複数の前記バンドが設けられている少なくとも1つの概ね平面の表面を有しており、前記の少なくとも1つのベゼル表面の平面は前記表示表面の平面に概ね垂直である、請求項18に記載の対話型入力装置。
【請求項20】
前記ベゼルは2つのバンドを有している、請求項13に記載の対話型入力装置。
【請求項21】
前記ベゼルは再帰反射バンドと放射吸収バンドとを有している、請求項20に記載の対話型入力装置。
【請求項22】
前記処理構造は前記画像データを処理し、前記ポインタの前記存在に起因する複数の不連続部分を検出する、請求項21に記載の対話型入力装置。
【請求項23】
前記ベゼルは少なくとも3つのバンドを有している、請求項13に記載の対話型入力装置。
【請求項24】
前記処理構造は前記画像データを処理し、前記ポインタの前記存在に起因する複数の不連続部分を検出する、請求項23に記載の対話型入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16a】
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【図16b】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2011−521331(P2011−521331A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507770(P2011−507770)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/CA2009/000643
【国際公開番号】WO2009/135321
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(592221263)スマート テクノロジーズ ユーエルシー (15)
【氏名又は名称原語表記】SMART TECHNOLOGIES ULC
【Fターム(参考)】