説明

光学式水滴センサ

【課題】本発明は、水滴の検出確度が良好で、光学的な設計の自由度が高く、製品の小型化が可能な光学式水滴センサを実現するものである。
【解決手段】発光素子1、受光素子2及び導光体3を具備した光学式水滴センサがウインドシールドガラス4の車内側表面に接着部材層5を介して貼着されている。導光体3には夫々凸形状の任意曲面で構成された光入斜面7及び光出射面8、平坦面で構成された光入出射面9、金属膜による反射面12が設けられている。発光素子1から発せられた光は光入射面7で配光が最適化されて導光体3内に導入され、金属膜11の反射面12で反射されてウインドシールドガラス4の車外側表面14に至り、そこで全反射されて戻った光は光出射面8に至って該光出射面8で配光が最適化されて導光体3外に放出され、受光素子の受光面に集光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水滴を光学的に検出する光学式水滴センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両のウインドシールドガラスの車内側に装着して、車外側のガラス表面に付着した水滴を光学的に検出し、自動的にワイパーを作動させて降雨中の走行に対して良好な視界を確保するための光学式水滴センサには以下のようなものが提案されている。
【0003】
それは、図6に示すように、発光素子50及び受光素子51が夫々の出射方向及び入射方向の光軸が互いに交差するようにプリント基板52に実装され、2つの平凸レンズ53a、53bが連結部54を介して一体化されたプリズムレンズ55が、夫々の平凸レンズ53a、53bの光軸が発光素子50及び受光素子51の夫々の光軸と一致するように配置されている。
【0004】
このような構成の光学式水滴センサをウインドシールドガラス56の車内側表面57に装着することによって、発光素子50から出射した光は平凸レンズ53aを介して平行光となってプリズムレンズ55内に入射する。プリズムレンズ55内に入射した平行光はウインドシールドガラス56の車外側表面58とプリズムレンズ55の連結部54の外周面59との間で反射(全反射)を繰り返して平凸レンズ53bに至り、平凸レンズ53bに至った平行光は平凸レンズ53bを介して集光されてプリズムレンズ55外に出射され、受光素子51に入射する。
【0005】
ところで、一般的に降雨の始めは水滴密度が小さいものである。その場合でも確実に降雨を感知するためには、水滴検出領域を広く確保して、水滴検出の確度を向上させることが必要である。そのために、上記構成の光学式水滴センサに於いては、ウインドシールドガラスの車外側表面とプリズムレンズの連結部の外周面との間の反射(全反射)回数を多くするように水滴検出領域を広くする工夫が施されている。それは、発光素子と受光素子の夫々をプリズムレンズの外側に配置するというものであるが、その場合、雨滴センサの長手方向の形状寸法が大きくなるという不具合があると共に、水滴検出領域の広さがそれでも不十分であるために確度の高い水滴検出が不可能であるという問題点を有している。
【0006】
これらの問題点を解決するために、図7に示すような構成の光学式水滴センサが提案されている。それは、発光素子60と受光素子61が並設され、プリズムレンズ62は断面略U字形状に形成され、対向する面は断面円弧形状を夫々発光素子60及び受光素子61を中心として回転させた円弧曲面形状の凸レンズ63a、63bであり、夫々の円弧曲面形状の凸レンズ63a、63bの外周面64a、64bは放物面形状を有している。
【0007】
このような構成の光学式水滴センサをウインドシールドガラス65の車内側表面66に装着することによって、発光素子60から出射した光は円弧曲面形状の凸レンズ63aを介して平行光となってプリズムレンズ62内に入射する。プリズムレンズ62内に入射した平行光は発光素子60側の円弧曲面形状の凸レンズ63aの外周面64aに向かい、外周面64aで反射(全反射)されてウインドシールドガラス65の車外側表面67に向かう。ウインドシールドガラス65の車外側表面67に向かった平行光はウインドシールドガラス65の車外側表面67で反射(全反射)されて受光素子61側の円弧曲面形状の凸レンズ63bの外周面64bに向かい、外周面64bで反射(全反射)されて受光素子61側の円弧曲面形状の凸レンズ63bに向かう。受光素子61側の円弧曲面形状の凸レンズ63bに至った平行光は受光素子61側の円弧曲面形状の凸レンズ63bを介して集光されてプリズムレンズ62外に出射され、受光素子61に入射する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−296363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記構成の光学式水滴センサは、並設する発光素子と受光素子の間隔を狭めることによって長手方向の形状寸法は小さくなっているが、発光素子から出射されてプリズムレンズ内に入射した光をウインドシールドガラスの車外側表面に向ける機能、及びウインドシールドガラスの車外側表面で反射された光を受光素子側の円弧曲面形状の凸レンズに向ける機能を夫々、円弧曲面形状の凸レンズの外周面を反射面(全反射面)とすることによって持たせている。
【0009】
ところが、円弧曲面形状の凸レンズの外周面を反射面(全反射面)として機能させるためには、発光素子から出射されてプリズムレンズ内に入射した光と円弧曲面形状の凸レンズの外周面の法線との交角(円弧曲面形状の凸レンズの外周面に対する光の入射角)が臨界角以上となることが必要であると同時に、ウインドシールドガラスの車外側表面で反射された光と円弧曲面形状の凸レンズの外周面の法線との交角(円弧曲面形状の凸レンズの外周面に対する光の入射角)が臨界角以上となることが必要である。そのため、発光素子及び受光素子の夫々と円弧曲面形状の凸レンズの外周面とのウインドシールドガラスに略垂直な方向の距離を長く設定する必要があり、その結果、雨滴センサの高さ方向の形状寸法が大きくなるという不具合が生じることになる。
【0010】
そこで、本発明は上記問題に鑑みて創案なされたもので、本発明の目的は、小型化が可能で、設計の自由度及び検出確度が高い光学式水滴センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載された発明は、透光板の一方の面に接着し、他方の面に付着した水滴を検出する光学式水滴センサであって、
前記光学式水滴センサは発光素子、受光素子および導光体を具備し、
前記導光体には、導光体内に入射した光を前記透光板方向に向ける金属含有膜を形成した側面反射手段と、外部に対して凸形状とした出射面が形成されている、ことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載された発明は、請求項1において、前記導光体の前記反射手段が施された面の形状を平坦面、任意曲面の凸形状、任意曲面の凹形状からなる群より選ばれた一つとしたことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載された発明は、請求項1または2の何れか1項において、前記導光体の前記反射手段が施された面の外周縁に、前記反射手段が施された面よりも外側に張り出したつばを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
透光板の一方の面に装着し、他方の面に付着した水滴を検出する光学式水滴センサに於いて、光学式雨滴サンサを構成する導光体に、発光素子から発せられた光を最適化した配光特性で導光体内に導入するための凸形状の任意曲面で構成された光入射面と、導光体内を導光された光を最適化した配光特性で導光体外に放出して受光素子に集光させるための凸形状の任意曲面で構成された光出射面とを設けた。
【0015】
そのため、透光板の水滴検出範囲の最適化及び受光素子への光の集光の効率化により、水滴の検出確度を向上させる利点がある。
【0016】
また、導光体に導光体内で光の進行方向を変えるための金属膜による反射面を設けた。そのため、反射面から導光体の外部に漏れ出る光が阻止できるために水滴の検出に寄与しない光が少なくなって光の有効活用が促進され、この点からも水滴の検出確度を向上させる利点がある。また、反射面で光の進行方向が変えられるために、発光素子や受光素子の配置位置の制約が緩和され、設計の自由度が高まると共に、小型化が可能なものとなる。その上、反射面を任意の曲面とすることによって導光体内で光の配光特性を制御することができ、他の部分での配光特性の最適化の機能を反射面に集約することによって小型化が可能となる。
【0017】
更に、反射面を構成する金属膜の外周縁に該外周縁の外側に張り出したつばが設けられている。その結果、金属材料の蒸着時に導光体の不要な部分に金属粒子が付着するようなことがなく、よって、生産性の高い製造方法が取り入れられることによって製造コストの低下を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
小型化が可能で、設計の自由度及び検出確度が高い光学式水滴センサを実現するという目的を、光学式雨滴サンサを構成する導光体に、発光素子から発せられた光を最適化した配光特性で導光体内に導入するための凸形状の任意曲面で構成された光入射面と、導光体内を導光された光を最適化した配光特性で導光体外に放出して受光素子に集光させるための凸形状の任意曲面で構成された光出射面と、導光体内で光の進行方向を変えるための金属膜による反射面とを設けることによって果した。
【0019】
以下、この発明の好適な実施例を図1〜5を参照しながら、詳細に説明する(同一部分については同じ符号を付す)。尚、以下に述べる実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施例に限られるものではない。
【実施例1】
【0020】
図1は本発明に係わる光学式水滴センサの実施例1をウインドシールドガラスの一方の面に取り付けた状態を示す断面図である。本発明の光学式水滴センサは発光素子1、受光素子2及び導光体3を備えており、ウインドシールドガラス4の一方の面に透光性を有する接着部材層5を介して貼着されている。
【0021】
ここで、本発明の光学式水滴センサの構成部品について説明する。まず、発光素子1と受光素子2はプリント基板6に所定の間隔を保って並べて実装され、発光素子1の発光方向及び受光素子2の受光方向は共にプリント基板6の反対方向を向いている。発光素子1は半導体発光素子である発光ダイオード(LED)であり、LEDのベアチップ或いはLEDのベアチップをパッケージで封止したLEDデバイスのどちらを使用しても構わない。また、LEDの波長は紫外線領域〜赤外線領域の範囲内に於いて特に限定されるものではないが、高い検出確度を確保するためには受光素子2の受光感度が高い波長の光を使用することが好ましい。
【0022】
一方、受光素子2は半導体受光素子であるPINフォトダイオード、フォトダイオード、又はフォトトランジスタのいずれかであり、夫々のベアチップ或いはベアチップをパッケージで封止した受光デバイスのどちらを使用しても構わない。
【0023】
次に、図2に示す導光体3は透光性を有する樹脂やガラス等からなり、発光素子1の発光方向及び受光素子2の受光方向(発光素子及び受光素子の上方)に配置され、発光素子1から出射された光の多くを導光体3内に導入する光入射面7、及び導光体3内を導光された光の多くを導光体3外に放出する光出射面8、及び導光体3からウインドシールドガラス4に向かって光を放出する光出射面とウインドシールドガラス4に向かって放出された光のうちウインドシールドガラス4で反射(全反射)された光を導光体3内に再度導入する光入射面との両方を兼ねた光入出射面9とを有しており、光入射面7及び光出射面8は凸形状の任意曲面で構成され、光入出射面9は平坦面で構成されている。なお、図示されてはいないが、光入出射面9には透光性を有する接着部材層が設けられ、該接着部材層を介して光学式水滴センサをウインドシールドガラスに装着するようになっている。
【0024】
また、導光体3の発光素子1側の側面10は略平坦面で構成されており、その面の一部または全面には、Al又はAg等による金属膜11が蒸着法によって形成され、反射面12として機能するようになっている。
【0025】
ところで、導光体表面に金属の蒸着膜を形成するにあたって、導光体には上記光入射面や光出射面や光入出射面等のように蒸着を施してはいけない領域があり、必要な部分のみに蒸着膜を形成することが要求される。その場合、導光体表面の必要な部分にのみ蒸着膜を形成するには、導光体表面の蒸着膜が不要な部分に予めマスキングを施して蒸着処理を行なう方法がある。
【0026】
但し、この方法は製造プロセスにマスキング工程が必要となり、生産効率の低下を招くと共に、導光体の形状が複雑で寸法が小さいためにマスキング作業が煩雑となり、極めて非効率的な方法である。そこで、マスキングを施すことなく導光体表面の必要な部分にのみ効率的に蒸着膜を形成するために、図2に示すように導光体3表面に金属膜11を蒸着法によって形成する面の外周縁に該外周縁の外側に張り出したつば13を設けている。
【0027】
それにより、蒸着装置内に導光体を該導光体の被蒸着面と金属蒸着源が対向するように配置して蒸着処理を行なう場合、蒸着源から蒸発して拡散した金属蒸着粒子は導光体の被蒸着面とつばの部分に堆積して蒸着膜を形成するが、その他の面は蒸発した金属蒸着粒子の拡散がつばによって阻止される領域内にあるために、導光体の表面に達する金属粒子がなく、蒸着膜が形成されることはない。
【0028】
そこで、上記光学式雨滴サンサ3とウインドシールドガラス4と接着部材層5で構成される光学系について説明する。光源となる発光素子1(LED)から発せられた光の多くは導光体3の光入射面7に至る。ところで、LEDから発せられる光の指向特性は広く、導光体3内に導入するにあたって配光特性を最適化するように光入射面7は凸形状の任意曲面で構成されている。この場合、任意曲面はLEDから発せられる光の指向特性、LEDから任意曲面までの距離、導光体3内に導入されるときの配光特性及び導光体3を形成する透光性を有する材料の屈折率等を考慮して最適曲面を形成するように設計される。
【0029】
そして、LEDから発せられて任意曲面の光入射面7から導光体3内に入射した最適化された配光特性の光は、導光体3の側面10に形成された金属膜11の反射面12に向かい、反射面12で反射されてウインドシールドガラス4の方向に向かう。そして、ウインドシールドガラス4に向かった光は導光体3の光入出射面9から導光体3外に放出され、接着部材層5を介してウインドシールドガラス4の車外側表面14に至る。
【0030】
なお、水滴の検出位置及び検出範囲は、導光体内に導入された光の配光特性、導光体反射面の光入射面からの距離、導光体反射面の光入射面に対する傾斜角度等を設定することによって制御される。
【0031】
このとき、図3に示すように、ウインドシールドガラスの車外側表面の光入射点に水滴がある場合と、ない場合(大気がある場合)を考えると、水滴がなくてウインドシールドガラスの車外側表面と大気が界面を構成する場合、ウインドシールドガラスの車外側表面に対する光の入射角αが全反射の臨界角よりも大きいときには、光はウインドシールドガラスの車外側表面に於いて入射角αと同じ角度αで反射されてウインドシールドガラス側に戻る。
【0032】
一方、水滴がある場合、水滴は大気よりも屈折率が大きいために臨界角が大きくなり、臨界角より小さい入射角αでウインドシールドガラスの車外側表面に達した光はウインドシールドガラスの車外側表面で屈折されて水滴を介して大気中に放出される。
【0033】
光学式水滴センサはこのように、ウインドシールドガラスと該ウインドシールドガラスの車外側表面とで界面を構成する物質との屈折率比の違いによって全反射の臨界角が変わり、同じ入射角で入射した光が界面を構成する物質によって全反射されたり屈折されたりするという現象を利用したものである。
【0034】
そこで、該ウインドシールドガラス4の車外側表面14で反射された光は導光体3の光出射面8に向かい、接着部材層5を介して光出射面8に至る。光出射面8は凸形状の任意曲面で構成されている。この場合、任意曲面はウインドシールドガラス4の車外側表面14で反射されて導光体3内を導光されて任意曲面に至る光の配光特性、任意曲面と受光素子との位置関係及び導光体3を形成する透光性を有する材料の屈折率等を考慮して、光出射面8から放出された光が効率良く受光素子に集光するような最適曲面を形成するように設計される。
【0035】
そして、光出射面8から放出された光の多くは受光素子2に集光され、受光素子2によって電気信号に変換されて検出処理回路(図示せず)に送られる。従って、水滴の有無及び水滴の付着密度の検出は、受光素子で受光される光量が、水滴がない時に受光素子で受光される光量よりも減少している場合は水滴がウインドシールドガラス4の車外側表面14に付着していることになり、水滴の密度は、水滴がない時に受光素子で受光される光量に対する減少量に比例することになる。
【0036】
そのため、降雨の始めを良好な確度で検出するためには検出範囲を広く設定する必要がある。ところが検出範囲を広くするためには、発光素子から発せられる一定量の光を広く分散する(配光特性を広げる)必要があり、その場合は検出範囲の単位面積に対する光速密度が小さくなり、受光素子で受光される光量差が微小なものとなる。その結果、検出確度が悪化し、当初の目的に反する結果が生じることになる。
【0037】
このような相反する現象を阻止するための有効な方策は、一つには明るい光源を使用して光量を増やすことであり、一つには光源から発せられた光のうち、検出に寄与しない光を極力少なくして光を効率的に利用することである。そのためにも、導光体の光入射面及び光出射面の任意曲面の形状、発光素子と光入射面との位置関係及び受光素子と光出射面との位置関係が重要であると共に、導光体の側面に金属膜の反射面を形成し、発光素子から発せられて導光体内に導入された光を金属膜の反射面で反射させてウインドシールドガラスの方向に向かうようにしたことは効果的な手法である。
【0038】
特に金属の反射面は、反射面に到達した光を入射角度に無関係にすべて反射するため、光路途中での導光体外への光の漏出を抑制することができ、光を効率的に水滴の検出に活用できることによって確度の高い光学式水滴センサを実現することができる。また反射面に対する入射角度を考慮する必要がなく、光学的設計の自由度が高まると共に、小型化が実現できる。
【実施例2】
【0039】
図4は本発明に係わる光学式水滴センサの実施例2をウインドシールドガラスの一方の面に取り付けた状態を示す断面図である。本実施例は金属膜11の反射面12が形成される導光体3の側面10の形状を曲面で構成したこと以外は実施例1と同様である。よって説明は省略する。
【0040】
但し、本実施例は、反射面12を所望の曲面で構成することによって、水滴の検出位置及び検出範囲が自由に設定でき、更なる小型化が実現できる構成である。また、蒸着法により形成する金属膜11の外周縁には該外周縁の外側に張り出したつばが設けられ、蒸着時に導光体3の不要な部分に金属粒子が付着しないようにしている。
【実施例3】
【0041】
図5は本発明に係わる光学式水滴センサの実施例3をウインドシールドガラスの一方の面に取り付けた状態を示す断面図である。本実施例は導光体の発光素子側及び受光素子側の両側面を平坦面とし、該平坦面に金属膜の反射面を形成したこと以外は実施例1と同様である。よって説明は省略する。
【0042】
但し、本実施例は、導光体3の発光素子1側及び受光素子2側の両側面10を平坦面とし、該平坦面に金属膜11の反射面12を形成したことによって、発光素子1側及び受光素子2側の夫々の反射面12に到達した光を入射角度に無関係にすべて反射するため、光路途中での導光体外への光の漏出を抑制することができ、光を効率的に水滴の検出に活用できることによって確度の高い光学式水滴センサを実現することができる。また反射面に対する入射角度を考慮する必要がなく、光学的設計の自由度が高まると共に、更なる小型化が実現できる。
【0043】
なお、本発明の光学式水滴センサを構成する導光体に於いて、金属膜の反射面は発光素子側及び/又は受光素子側に形成され、夫々の金属膜を形成する導光体の側面の形状は平坦面又は曲面で構成されている。また、いずれの金属膜の反射面においても、反射面の外周縁には反射面よりも外側に張り出したつばが設けられている。
【0044】
また、導光体がどのような構成であっても、発光素子と受光素子の位置を入れ替えることによって機能が損なわれることはない。つまり、発光素子と受光素子の位置を入れ替えても問題はない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係わる光学式水滴センサの実施例1をウインドシールドガラスに取り付けた状態を示す断面図である。
【図2】同じく、本発明に係わる光学式水滴センサの実施例1を構成する導光体の斜視図である。
【図3】同じく、本発明に係わる光学式水滴センサの水滴検出原理を説明するための説明図である。
【図4】同じく、本発明に係わる光学式水滴センサの実施例2をウインドシールドガラスに取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】同じく、本発明に係わる光学式水滴センサの実施例3をウインドシールドガラスに取り付けた状態を示す断面図である。
【図6】従来の光学式水滴センサをウインドシールドガラスに取り付けた状態を示す断面図である。
【図7】従来の他の光学式水滴センサをウインドシールドガラスに取り付けた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 発光素子
2 受光素子
3 導光体
4 ウインドシールドガラス
5 接着部材層
6 プリント基板
7 光入射面
8 光出射面
9 光入出射面
10 側面
11 金属膜
12 反射面
13 つば
14 車外側表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光板の一方の面に接着し、他方の面に付着した水滴を検出する光学式水滴センサであって、
前記光学式水滴センサは発光素子、受光素子および導光体を具備し、
前記導光体には、導光体内に入射した光を前記透光板方向に向ける金属含有膜を形成した側面反射手段と、外部に対して凸形状とした出射面が形成されている、ことを特徴とする光学式水滴センサ。
【請求項2】
前記導光体の前記反射手段が施された面の形状を平坦面、任意曲面の凸形状、任意曲面の凹形状からなる群より選ばれた一つとしたことを特徴とする請求項1に記載の光学式水滴センサ。
【請求項3】
前記導光体の前記反射手段が施された面の外周縁に、前記反射手段が施された面よりも外側に張り出したつばを設けたことを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の光学式水滴センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−266737(P2006−266737A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−82153(P2005−82153)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】